JPH08191023A - 樹脂モールドコイル、樹脂モールドコイルの製造方法および変圧器 - Google Patents

樹脂モールドコイル、樹脂モールドコイルの製造方法および変圧器

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JPH08191023A
JPH08191023A JP6315316A JP31531694A JPH08191023A JP H08191023 A JPH08191023 A JP H08191023A JP 6315316 A JP6315316 A JP 6315316A JP 31531694 A JP31531694 A JP 31531694A JP H08191023 A JPH08191023 A JP H08191023A
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coil
resin
insulating
mold
winding
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JP6315316A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tsutsui
宏 筒井
Yoichi Kamo
洋一 加茂
Tomohiro Kaizu
朋宏 海津
Tomoki Izuna
具己 伊豆名
Akira Nakayama
中山  晃
Toshiyuki Fujimori
俊幸 藤森
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】モールド形変圧器に用いられる樹脂モールドコ
イルの製造時の作業性の向上と、良好なコイル樹脂絶縁
層の実現を図れる樹脂モールドコイルとその製造方法を
提供する。 【構成】巻型および金型を兼ねる内型1を用い、最内周
に樹脂含浸性絶縁材料であるガラスマットを樹脂絶縁層
確保の為、巻線コイルの内外周に配置する。外型には柔
軟性を有する金属板2を用いコイルに密着するように巻
回した後、これをコイル周方向にバンド等で締付け成形
した後、樹脂を注型し、樹脂モールドコイルを製作す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧器等の静止誘導機
器に用いられる樹脂モールドコイルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コイルを熱硬化樹脂で注型してコイルの
周囲にモールド樹脂層を形成した樹脂モールドコイル
は、樹脂モールド変圧器のコイルとして広く利用されて
いる。
【0003】このような従来の樹脂モールドコイルの技
術としては、例えば、特開昭54−50957号公報や
特開昭57−121207号公報に記載されているもの
が知られている。
【0004】特開昭54−50957号公報記載の技術
では、複数の樹脂製スペーサを巻型の円周上に適当な間
隔で配置し、その外周に導線を巻き、然る後、これを成
形型内に入れ、この成形型内にスペーサと同種の樹脂を
注入して樹脂樹脂モールドコイルを製作している。この
技術では、導線が巻かれて形成されるコイルの内周に樹
脂性スペーサと注入樹脂とで絶縁層を形成している。
【0005】また、特開昭57−121207号公報記
載の技術では、巻線導体の内外周に、ガラスシートにエ
ポキシなどの樹脂を含浸させた絶縁性プリプレグシート
又は絶縁性テープを何層にも巻いて、然る後、これを成
形型内に入れ、この成形型内に樹脂を注入含浸して樹脂
樹脂モールドコイルを製作している。この技術では、絶
縁性プリプレグシートと注入樹脂とでコイルの内外周に
絶縁層を形成している。
【0006】また、この他、巻型兼金型の内型にコイル
を巻回し、外型として成形された金型を用いてコイルに
樹脂を注型する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭54−50
957号公報記載の技術によれば、樹脂モールドコイル
を製作する過程で、複数の樹脂製スペーサを一定の間隔
で配置しなければならず、製作時間が長くなってしまう
という問題点がある。さらに、一体的な絶縁層を形成す
るために、注入樹脂として、スペーサと同種の樹脂を用
いているものの、既に硬化してしまっている樹脂(スペ
ーサ)と溶融樹脂(注入樹脂)とでは両者の結合が十分
に行われず、注入樹脂の硬化後、スペーサが注入樹脂か
ら剥離して、そこで絶縁破壊を起こすことがあるという
問題点もある。
【0008】また、特開昭57−121207号公報記
載の技術によれば、樹脂モールドコイルを製作する過程
で、樹脂製プリプレグシートを何層にも巻かなければな
らず、製作時間が長くなってしまうという問題点があ
る。さらに、絶縁性プリプレグシートを何層にも巻く過
程で、シート相互間に空気が巻き込まれ、この空気によ
り絶縁層が絶縁破壊してしまうことがあるという問題点
がある。
【0009】一方、金型をコイル内周および外周に配置
する方法によれば、コイル表面の美観に優れ、また、耐
湿性、機械的強度に優れた良好な絶縁層を形成できる反
面、金型の部品点数が多いため仕様の多様化からくる金
型の保守等における生産性,経済性にやや問題がある。
【0010】また、これらのような樹脂モ−ルドコイル
等を用いた変圧器においては、その一般的課題として、
小型化、省エネ化、低振動化、低騒音化、安全性の向
上、取扱の容易性の向上等が期待されている。
【0011】そこで、本発明は、樹脂モールドコイルの
製作時の作業性を向上させ、しかも良好な絶縁層を形成
できる樹脂モールドコイルおよびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】また、本発明においては、併せて、変圧器
の小型化、省エネ化、低振動化、低騒音化、安全性の向
上、取扱の容易性の向上等を図ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、断面が環状のコイルと、絶縁性繊維を編
み込んで一定の大きさ及び形状に形成した複数の絶縁性
繊維マットが絶縁性シート上に間隔をおいて貼付られて
いる絶縁層形成基体とを有し、環状の前記コイルの内周
側表面及び/又は外周側表面に、複数の前記絶縁性繊維
マットが接するよう前記絶縁層形成基体が巻き付けら
れ、環状の前記コイルの内周側表面及び/又は外周側表
面と前記絶縁層形成基体の前記絶縁性シートとの間に絶
縁樹脂が注入され、該絶縁性樹脂が複数の前記絶縁性繊
維マット相互間に介在していると共に、複数の該絶縁性
繊維マットに含浸して、該絶縁層形成基体と該絶縁性樹
脂とで、絶縁性樹脂層が形成されていることを特徴とす
る樹脂モールドコイルを提供する。
【0014】また、本発明は、前記目的を達成するため
に、導体を巻回してなる巻線コイルの内外周に絶縁材を
配置し、熱硬化性樹脂をコイルにモールドする樹脂モー
ルドコイル製造法において、巻型および金型を兼ねる内
型の周囲に、樹脂含浸性を有する絶縁材を配置し、この
絶縁材の周囲に導体を巻回して巻線コイルを形成し、こ
の巻線コイルの周囲に樹脂含浸性を有する絶縁材を配置
し、この絶縁材の周囲に、柔軟性を有する平板を巻回し
て外型を形成し、このようにして形成された外型および
内型の間に樹脂を注入して硬化させるようにした樹脂モ
ールドの製造方法を提供する。
【0015】また、本発明は、前記目的達成複数の樹脂
モ−ルドコイルと、モ−ルドコイルに挿入された鉄心
と、前記複数の樹脂モ−ルドコイルと鉄心とを固定する
金具群とを有する変圧器であって、前記複数の巻線コイ
ルは明色に着色され、前記金具群を暗色に着色されてい
ることを特徴とする変圧器を提供する。
【0016】
【作用】前述した本発明に係る樹脂モ−ルドコイルを製
造する場合には、予め、絶縁層形成基体を準備してお
く。この絶縁層形成基体は、絶縁性繊維を編み込んで一
定の大きさ及び形状に形成した複数の絶縁性繊維マット
を絶縁性シート上に間隔をおいて貼付たものである。そ
して、コイルを樹脂モールド化する際には、この絶縁層
形成基体をコイルに巻き付け、絶縁層形成基体の絶縁性
シートとコイルとの間に絶縁樹脂を注入する。この注入
樹脂は、絶縁性繊維マット相互間を通りつつ、絶縁性繊
維マット内に滲み込んで行く。結果として、注入樹脂
は、絶縁性繊維マット相互間、及び絶縁性繊維マット内
に介在することになる。注入樹脂が硬化すると、絶縁層
形成基体及び注入絶縁樹脂から成る絶縁性樹脂層が形成
される。
【0017】このように、注入樹脂は、絶縁性繊維マッ
ト内に滲み込むので、絶縁性基体と注入樹脂とは、完全
に一体化する。このため、絶縁層形成基体が硬化した注
入樹脂から剥離して、空隙を形成してしまうようなこと
はない。また、流動性を有する注入樹脂をコイルと絶縁
性シートとの間に注入して絶縁性樹脂層を形成している
ので、絶縁テープを何層も巻いて絶縁性樹脂層を形成す
るものより、絶縁性樹脂層内のエアーボイドを遥かに少
なくすることができる。従って、絶縁性樹脂層内の空隙
等に起因する絶縁破壊や熱伝導性の悪化を防ぐことがで
きる。また、絶縁性樹脂層内には、絶縁性繊維が混入し
ているので、絶縁性樹脂層の機械的強度を高めることも
できる。さらに、予め絶縁層形成基体を準備しておくこ
とにより、複数のスペーサを配置する手間や、絶縁テー
プを何層も巻く手間を省け、製造時間を短くすることも
できる。
【0018】また、本発明に係る樹脂モ−ルドコイルの
製造方法によれば、外型に柔軟性のある金属のような平
板を用いたことにより、外型を予め成形加工する必要が
なく、従来の金型製作にかかる費用が低減できる。ま
た、コイル外周において、例えばガラスマットのような
含浸性の良い絶縁材料を介して外型である柔軟性平板が
密着することから、あらゆる寸法のコイルに対応でき、
また、最小限の樹脂量でコイルをモールドできる。しか
も、含浸性の良い絶縁材がスペーサを兼ねているため機
械的に強化され、また、耐湿気性に優れたコイルとな
り、コイル表面の美観も優れる。
【0019】また、本発明に係る前述した変圧器によれ
ば、彩度ではなく明度によってモ−ルドコイル部分への
接触が危険であることを提示するので、照明の整ってい
ない(薄暗い)地下室等に設置された場合であっても危
険を明瞭に提示することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る各実施例について説明す
る。
【0021】先ず、本発明の第1実施例に係る樹脂モー
ルドコイルについて、図1〜図3を用いて説明する。
【0022】本実施例の樹脂モールドコイルは、変圧器
に用いるものである。一般的に、変圧器には、図1に示
すように、高圧コイル1と低圧コイル2とが存在する
が、ここでは、樹脂モールド化した高圧(例えば、3k
V)コイル1について説明する。なお、同図において、
3は鉄心である。
【0023】本実施例の高圧樹脂モールドコイル1は、
導線11が巻かれて断面が環状になるよう形成されたコ
イル本体10と、その外周面及び内周面に施される絶縁
層形成基体21を有している。
【0024】コイル本体10の導線11で形成されて各
巻線層相互間には、層間紙12が配されている。
【0025】絶縁層形成基体21は、図2に示すよう
に、絶縁性を有するガラス繊維を編み込んで形成したガ
ラスクロスシートにエポキシ樹脂を含浸させたプリプレ
グシート(絶縁性シート)22と、ガラス繊維を編み込
んで短冊状に形成された複数のガラスマット(絶縁性繊
維マット)23,23,…とを有している。ガラスマッ
ト23は、その縦長さlがプリプレグシート22の縦長
さと同じに、その横長さwが10mm〜30mm、その厚さ
hが2mm〜5mm程度に形成されている。複数のガラスマ
ット23,23,…は、プリプレグシート22上に、横
方向に一定の間隔Aで、エポキシ系接着剤で貼付られて
いる。このガラスマット23,23相互間の空間が、後
述する樹脂25が流れる樹脂通路24となる。また、ガ
ラスマット23の厚さhとプリプレグシート22の厚さ
tとを加えた値が、後述する絶縁性樹脂層20の厚さ
(ダクト高さ)Tとなる。
【0026】コイル本体10を樹脂モールドする際に
は、図1及び図3に示すように、コイル本体10の内周
面及び外周面に、この絶縁層形成基体21のガラスマッ
ト23が接するよう、この絶縁層形成基体21をコイル
本体10に巻きつける。なお、この際、絶縁層形成基体
21のプリプレグシート22は、半硬化状態である。そ
の後、コイル本体10の内周面及び外周面と絶縁層形成
基体21のプリプレグシート22との間に、エポキシ樹
脂25を注入する。この注入エポキシ樹脂25は、ガラ
スマット23,23相互間の樹脂通路24を流れつつ、
ガラスマット23内に滲み込み、コイル本体10の内周
面及び外周面と絶縁層形成基体21のプリプレグシート
22との間の全体に広がる。エポキシ樹脂25を注入す
る際には、この中に空気が混入しないよう静かに注入す
ると共に、たとえ空気が混入してもこれを排除できるよ
うコイル本体10を振動させる。この振動方法として、
コイル本体10に所定周波数の超音波を加える等があ
る。この注入エポキシ樹脂25が硬化すると、樹脂モー
ルドコイル1が完成する。
【0027】このようにして、コイル本体10の外周及
び内周には、注入エポキシ樹脂25と絶縁層形成基体2
1とから成る絶縁性樹脂層20が形成される。
【0028】ところで、従来技術のように、絶縁性テー
プを何層にも巻いて絶縁層を形成する場合、テープの弛
みや伸び等により、テープ相互間に必然的に空隙が形成
されてしまう。一方、本実施例では、流動性を有する注
入樹脂25をコイル本体10とプリプレグシート22と
の間に注入して絶縁層20を形成しているので、絶縁層
20内に空隙が形成されることはほとんどない。しか
も、樹脂25を注入する際に、前述したような処置を施
せば、樹脂25内の空気をほぼ完全に排除することもで
きる。また、注入樹脂25がガラスマット23内に滲み
込み、絶縁層形成基体21と注入樹脂25とが完全一体
化するので、スペーサを用いる従来技術のように、スペ
ーサが注入樹脂から剥離して、絶縁層内に空隙が形成さ
れることもない。従って、本実施例では、絶縁層20内
の空隙等に起因する絶縁破壊や熱伝導の悪化を防ぐこと
ができる。
【0029】また、本実施例では、予め絶縁層形成基体
21を準備しておくことで、従来技術のように、複数の
スペーサを一定の間隔で配する手間や、絶縁テープをコ
イル本体10の周りに何層にも巻く手間が省け、製作時
間を短くすることもできる。さらに、本実施例では、絶
縁層21内にガラス繊維が混入しているので、各種衝撃
に対する強度を高めることもできる。
【0030】ところで、先に示した絶縁層形成基体に代
えて図4及び図5に示す絶縁層形成基体を用いるように
してもよい。
【0031】図4に示す絶縁層形成基体21aは、絶縁
性シートとして目抜きガラスクロスシート22aを用
い、これに先の実施例と同じガラスマット23を貼付た
ものである。すなわち、先の実施例において、ガラスク
ロスシートにエポキシ樹脂を含浸させて絶縁性シート2
2を形成したが、本実施例では目抜きガラスクロスシー
ト22aをそのまま絶縁性シートとして利用している。
このように絶縁性シートとして目抜きガラスクロスシー
ト22aを用いると、コイル本体との間で、硬化前の注
入樹脂を保持しておくことができないので、コイル本体
用の巻型の外周に予め本実施例の絶縁層形成基体21a
を貼っておき、その外周に導線を巻いてコイル本体を形
成した後、このコイル本体と巻型との間に樹脂を注入す
る必要がある。従って、この絶縁層形成基体21aを利
用できるのは、コイル本体の内周側となる。
【0032】また、図5に示す絶縁層形成基体21b
は、先の実施例におけるプリプレグシート22に目抜き
ガラスクロス23bを貼付たものである。この目抜きガ
ラスクロス23bが先の実施例におけるガラスマット2
3と同じ役目を担っている。このため、この目抜きガラ
スクロス23bは、樹脂注入時の樹脂通路を確保する目
的で、先に述べたガラスクロスシートを形成するガラス
繊維よりも、太いガラス繊維を用いている。具体的に、
この目抜きガラスクロス23bのガラス繊維の太さは、
1〜2mm程度である。
【0033】次に、本発明に係る樹脂モールドコイルの
第2の実施例について、図6〜図13を用いて説明す
る。
【0034】本第2実施例は、内側の低圧コイル本体と
外側の高圧コイル本体と一体的に樹脂モールドするもの
である。
【0035】このため、図6及び図9に示すように、低
圧コイル本体2cの外周面と高圧コイル本体10cの内
周面との間の絶縁性樹脂層20cを形成するための絶縁
層形成基体21cとして、図7に示すものを用いてい
る。すなわち、この絶縁層形成基体21cは、先の実施
例におけるプリプレグシート22の表面と裏面とにそれ
ぞれ複数のガラスマット23,23,…を貼付たもので
ある。プリプレグシート22の裏面の複数のガラスマッ
ト23,23,…は、表面にガラスマット23が存在し
ない位置に貼付られている。つまり、表面のガラスマッ
ト23と裏面のガラスマット23は、プリプレグシート
22を中心として千鳥状に並ぶよう、プリプレグシート
22に貼付られている。
【0036】この低圧コイル本体2cの外周面と高圧コ
イル本体10cの内周面との間の絶縁性樹脂層20cを
形成するための絶縁層形成基体としては、この他、図8
に示すように、目抜きガラスクロスシート22aの両面
に複数の短冊状ガラスマット23,23,…を千鳥配置
に張合せて形成した絶縁層形成基体21dを用いてもよ
い。
【0037】この絶縁層形成基体21cは、低圧コイル
本体2cの外周に巻き付け、その後、その外周に導線を
巻いて、高圧コイル本体10cを形成する。高圧コイル
本体10cの外周面や低圧コイル本体2cの内周面に
は、例えば、先の実施例の絶縁層形成基体21を巻き付
ける。そして、低圧コイル本体2cの内周面と絶縁層形
成基体21との間の樹脂通路、低圧コイル本体2cの外
周面と高圧コイル本体10cの内周面との間、高圧コイ
ル本体10cと絶縁層形成基体21との間の樹脂通路
に、エポキシ樹脂を流し込む。この注入樹脂25は、絶
縁層形成基体21,21cの樹脂通路を通りつつ、次第
にガラスマット23に滲み込んで行く。注入樹脂25が
硬化すると、図9に示すように、低圧コイル本体2cと
高圧コイル本体10cとの間に絶縁性樹脂層20cが形
成されると共に、両コイル本体2c,10cは一体化す
る。なお、同図において、簡略化するために、低圧コイ
ル本体2c及び高圧コイル本体10cに関しては、その
断面を描いていない。また、低圧コイル本体2cの内周
側の絶縁性樹脂層及び高圧コイル本体10cの外周側の
絶縁性樹脂層も描いていない。
【0038】このように一体的に樹脂モールドされた低
圧コイル本体2cと高圧コイル本体10cとの間に着目
してみると、図10に示すようなモデルを考えることが
できる。前述したように、エアーボイドが混入しないよ
う細心の注意を払ったとしても、導体2c,10cとガ
ラスマット23とが接する部位(1),(2),(3)
には、エアーボイドが残存してしまう可能性がある。し
かしながら、ガラスマット23をプリプレグシート21
を中心として千鳥配置したことにより、エアーボイド
は、高低巻線間の最短直線上には最悪でも一部位しか存
在しない。したがって、絶縁性樹脂層20cの厚みTに
応じた絶縁効果を確保することができる。
【0039】今仮に、各部位(1)〜(3)におけるボ
イドが、例えば、長さ4mm、幅0.1mmの大きさである
とすると、低圧コイル本体2cと高圧コイル本体10c
との間の電位分布は、図11のようになる。なお、同図
は、低圧コイル本体2cと高圧コイル本体10cとの電
位差を100%として、5%ごとに等電位曲線を描いた
ものである。
【0040】図12は、大気圧空気中での放電々位傾度
を示している。これより前述エアーボイド幅(ギャップ)
0.1mmでの放電々位傾度は9.7kV/mmとなり、実効
値換算では6.9kVrms/mmが得られる。また、高低圧
導体間に加わる電位を6kV級回路の交流試験電圧22
kVとして、高低圧導体間ギャップ(ダクト高さ)Tを
パラメータとして、図10のエアーボイド部(1)〜
(3)の電界強度を求めると、各エアーボイド部の電界
強度E1,E2,E3は、図13のグラフのようになる。
同図より、高低圧導体間電位差22kV時、エアーボイ
ド0.1mmと仮定した時(放電々位傾度6.9kVrms
/mm)、高低圧導体間ダクト高さTが12mm以上であれ
ば、放電は起こらないこと、つまり耐コロナ性を確保で
きることが理解できる。
【0041】このように、高低圧導体間電位差やエアー
ボイドの大きさを仮定することで、必要最小限の高低圧
導体間ダクト高さTを求めることができる。
【0042】なお、従来の高圧、低圧、各々単独の樹脂
モールドコイルにおいては、高低圧コイル間空隔を20
〜30mm必要としているので(高圧コイル6kV級の
場合)、本実施例による高低圧一体樹脂モールドコイル
によれば、コイルの小形化及び軽量化を図ることができ
る。
【0043】以上説明してきた実施例によれば、樹脂製
絶縁層内にエアーボイドが残存しにくく、しかも絶縁性
繊維で強化されて割れにくいので、これらに起因する絶
縁破壊や熱伝導の悪化を防ぐことができる。
【0044】また、予め絶縁層形成基体を準備しておく
ことにより、複数のスペーサを配置する手間や、絶縁テ
ープを何層も巻く手間を省け、製造時間を短くすること
もできる。
【0045】以下、本発明の第3の実施例として、樹脂
モールドコイルの製造方法について説明する。
【0046】まず、図14および図15により、本実施
例に係る樹脂モールドコイルの製造方法を説明する。
【0047】本実施例では、巻型および金型を兼ねる内
型101を用い、その外周(すなわち最終的にモールド
コイルの最内周となる)にガラスマット104を巻付
け、内周絶縁層を確保した後、先に図1、図3等に示し
たように、これに導線11と層間紙12を巻回し、巻線
コイル103を形成する。次に巻線コイル103の外周
(すなわち最終的にモールドコイルの最外周となる)に
もガラスマット104を巻付け、外周絶縁層を確保す
る。外型には、柔軟性を有する金属板102を2枚用い
る。両金属板102の側辺をそれぞれ注型治具105の
両端の折り曲げ部と重ね合わせて万力106等の押さえ
治具(図15)でクランプして固定した後、コイル胴体
外形に沿って、金属板を巻付けた後、バンドなどでコイ
ル胴体部を数箇所締付ける。内型101の側部にはピン
121が突出し、これが注型105の対応する穴122
に嵌合して相互の位置決めがなされる。同様に、注型1
05の底部にピン123,124が突出し、これが底部
120の対応する穴125,126に嵌合して相互の位
置決めがなされる。このようにして形成された型に樹脂
を注入する。
【0048】なお、外型金属板102の各々の寸法は、
縦がコイル高さ以上、横がコイル外周半分以上であれば
よく、同一寸法の金属板で外形寸法の異なる多機種のコ
イル外型に適用できる。また、外型成形前は金属板はフ
ラットなので、重ねることができ、外型の保管場所の省
スペース化が図れる。ガラスマット104は絶縁層を確
保すると同時に、樹脂を含浸させる役割も果たすもので
ある。
【0049】図16は、前述の製作法で製作された樹脂
モールドコイル107を背面側から見た斜視図を示す。
内外周絶縁層にガラスマット104を位置させて、外型
をコイル形状に沿って巻付け、さらに外型をバンド等で
締め付ける為、完成コイルにおいて、そのコイル表面
に、ガラスマット104の繊維が所々見える(13
1)。また、外型である金属板102をコイル背面で重
ねる為、金属板の厚さ分だけコイル表面に段差ができ、
コイル高さ方向に伸びる筋109、もしくは、これを削
った跡が残るという外観上の特徴を有する。
【0050】図17は、図16の樹脂モールドコイル1
07のA−A矢視断面図を示す。巻線コイル103の内
外周にはガラスマットを含む強力な樹脂絶縁層108b
ができる。コイル高さ方向に分散した3層として、樹脂
のみの絶縁層108aが形成されている。ここで、絶縁
層に用いるガラスマット104としては、300〜50
0g/m2の繊維密度のものが市販され、この繊維密度
範囲のものが本コイルに適用できる。さらにこの範囲の
中でも、特に500g/m2の繊維密度のものが、注型
時の樹脂含浸性と、巻線時および外型締付時にかかる圧
力に耐え得る強度とを持ち、内外周絶縁層に配置する絶
縁材として好ましい。
【0051】また、本実施例では、前述した層間紙12
として、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリ
エチレンナフタレート(PEN),ポリエーテルイミド
(PEI),ポリイミド(PI)等の耐熱フィルム15
を用いる。これらの材料は、高い熱伝導性を備えている
ため、このようなフィルムを用いることによりモ−ルド
コイルの冷却性を高めることができる。そのため、従来
のコイルに体し、本実施例により同一定格のコイルを得
る場合には電流密度を上げて発熱が増加しても効果的に
冷却できるので、コイルの導体部分の小型化を図ること
ができる。また前述したように内外周絶縁層を従来のも
のより薄くしても強度が得られるため、モ−ルドコイル
全体としても小型化を図ることができる。
【0052】ポリエチレンテレフタレート(PET)の
熱伝導率は0.151,ポリエチレンナフタレート(P
EN)の熱伝導率は0.151,ポリエーテルイミド
(PEI)の熱伝導率は0.198,ポリイミド(P
I)の熱伝導率は0.156であり(単位は全てw/m
・k)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の絶縁
破壊電圧は220,ポリエチレンナフタレート(PE
N)の絶縁破壊電圧は294,ポリエーテルイミド(P
EI)の絶縁破壊電圧は210,ポリイミド(PI)の
絶縁破壊電圧は260である(単位は全てkV/m
m)。
【0053】さて、上記実施例では、内外周絶縁層の介
在絶縁物として、ガラスマットを配置したが、これを内
型,外型と巻線コイルとの間のスペーサーとして考えた
場合、内外周絶縁層として、図18に示す丸棒(注型樹
脂と同一材質が望ましい)110を所定間隔で筒状モー
ルドコイルの中心線に並行な向きに配置したものや、図
19に示す三次元織ガラスマット(有沢製作所製)11
1を配置したものも、ガラスマット同様、確実に絶縁層
が確保できる。
【0054】また、さらにこのモールドコイルの耐クラ
ック性を考えた場合、一般にガラスマットのガラス繊維
と樹脂との界面は接着性が悪く、界面部での剥離が生じ
易く、特にガラス繊維がコイル表面に出ると、そこから
クラックが発生し易くなるという欠点がある。これを補
う為、図20に示す如く、ガラスマット104にエポキ
シ樹脂を縞状(112)に含浸させ、フルキュアさせ、
これを絶縁層介在物とする。ガラスマット104にフル
キュア樹脂部を作成することで、フルキュア樹脂部が頑
丈なスペーサーとなり、ガラスマットのつぶれや、ガラ
ス繊維がコイル表面上に露出することを防ぐ効果があ
り、樹脂層強化とコイル表面の美観向上が図れる。
【0055】あるいは、図21に示すようなガラスペー
パー(ガラス繊維不織布)113、または図22に示す
ような目止ガラスクロス114を、ガラスマット104
のコイル表面側に組合わせることで上記耐クラック性の
問題を解決することができる。
【0056】図21に示したガラスペーパー113は、
ガラスマットより細かいガラス繊維を用いた不織布で、
その毛細管現象の作用により、樹脂注型時に樹脂108
aをコイル表面へ満遍なく回り込ませる作用がある。ガ
ラスペーパー113を用いれば樹脂108aが十分に含
浸する為、樹脂層の機械的強度が向上すると共に、樹脂
モールドコイル107の外表面の美観も向上する。
【0057】また、図22中に示した目止ガラスクロス
114は、予め平織りされたガラスクロスにセミキュア
したエポキシ樹脂が付着しており、注型樹脂との接着
性、なじみ性が向上し、樹脂の含浸性が良くなるので、
ガラスペーパー同様、樹脂層の機械的強度の向上、およ
び、モールドコイル表面の美観の向上が図れる。
【0058】また、図20〜図22に示した手法によ
り、モ−ルドコイルの内外周の機械的強度を向上するこ
とにより、モ−ルドコイルの小型化を実現することがで
きる。
【0059】さらに、モールドコイル表面の美観向上の
例として、金属の外型に代えて、図23に示すようなポ
リエチレンテレフタート(PET),ポリエチレンナフ
タレート(PEN),ポリエーテルイミド(PEI),
ポリイミド(PI)等の耐熱フィルム15を用い、樹脂
をモールドし、その後フィルムを剥がさずコイル表面に
残しコイル完成品とする方法もある。この製法によれば
コイル表面が滑らかになり、フィルム光沢により、美観
に非常に優れたモールドコイルとなる。また、前述した
ように、これらの材料は、高い熱伝導性を備えているた
め、このようなフィルムを用いることによりモ−ルドコ
イルの冷却性を高めることができ、結果、コイルを小型
化することができる。
【0060】外型として、図24に示すようなディンプ
ル加工を施した金属板116を用いると、図25に示す
ように、コイル表面に型のディンプルが転写され、美観
に優れたモールドコイルができる。なおかつ、ディンプ
ル加工により、コイル外側表面積が増す為、コイルの冷
却効率が向上する長所も合わせ持っている。
【0061】図26に示すように、外型金属板をコイル
に付けたまま、コイルの完成品とし、その金属板を接地
するようにすれば、電気的にシールドされ、トランス運
転時でも、コイル表面に触れることができ、安全性が向
上する。ケース付モールド変圧器の場合、コイルとケー
ス壁面と間の絶縁距離をとる必要がなくなることから、
ケースをコンパクト化でき、省スペース化が図れる。こ
の場合、図27のように絶縁シールドを兼ねた外型金属
板に放射板として機能する突条119を付けることによ
り、コイルの冷却効率を向上させることが可能となる。
【0062】図14から図27を用いて以上に説明した
きた実施例によれば、巻型および金型を兼ねる内型と柔
軟性を有する平板をコイル外周に巻回してなる外型を用
い、内型,外型とのスペーサとして樹脂含浸性の良い絶
縁材を用いることにより次のような効果を得ることがで
きる。すなわち、 (1) 樹脂モールドコイルの製造時における作業性の向上
が図れる。
【0063】(2) 内外周樹脂絶縁層の機械的強度の向上
が図れる。
【0064】(3) 外型の保守不要となる。
【0065】(4) 外型の平板の加工によりコイルの冷却
効率が図れる。
【0066】(5) コイルの耐湿性が向上する。
【0067】(6) 金属平板がコイルに密着することで必
要最小限の絶縁層厚さが形成でき、余分な樹脂を使用し
なくてすむ。
【0068】さて、以下では、本発明の第4実施例とし
て、以上で説明してきた各モ−ルドコイルを用いた変圧
器について説明する。
【0069】図28、図29に、本実施例に係る変圧器
の外観を示す。図28は正面側斜め上方から見た変圧器
の外観図、図29は背面側斜め上方から見た変圧器の外
観図である。
【0070】図28、図29において、201U,20
1V,201Wは各々U相,V相,W相一次コイル、2
03a、203bは鉄心である。また、図には現れてい
ないが、各二次コイル202U,202V,202W
が、各一次コイル201U,201V,201Wの内周
側に挿入されている。すなわち、図示した変圧器では、
巻き鉄心203a、203bの脚部は、各二次コイル2
02U,202V,202Wに挿入され、各二次コイル
202U,202V,202Wは、各一次コイル201
U,201V,201Wの内周側に挿入されている。な
お、これらのコイルには、先に第3実施例で説明したよ
うなポリエチレンナフタレ−ト等の熱伝導性の高い絶縁
材料が層間紙として用いられている。したがい、本実施
例においても、熱伝導率の高い層間紙とガラスマットを
含む協力な樹脂絶縁層により、電流密度を上げることが
でき、コイルを小型化することができる。
【0071】また、図29において、332は二次コイ
ル202U,202Wに挿入されている測温器具を挿入
するためのチュ−ブを表している。
【0072】ここで、本実施例では、鉄心と203a,
203bとしてけい素鋼板を巻き回して製作した巻き鉄
心を用いる。ただし、鉄心は、アモルファス金属の薄板
等を巻き回したものであってもよい。このように巻き鉄
心を用いることにより、積鉄心を用いた場合に比べ鉄損
が減少し省エネルギ−化を図ることができる。また、前
述したように、本実施例によれば、モ−ルドコイルを小
型に製作することができるので、鉄心も小型、軽量のも
ので足りる。したがい、この点よりも、従来に比べ鉄損
を減少し省エネルギ−化を図ることができる。
【0073】たとえば、三相変圧器の場合、20kVA
〜500kVAの機種に対し、奥行寸法を20kVAで
345mm、500kVAでも505mmとすることが
できる。また、単相変圧器の場合、20kVA〜500
kVAの機種に対し、10kVAで360mm、300
kVAでも505mmとすることができる。これによ
り、従来のものより約10パ−セント容積を低減するこ
とができる。また、コイルの小型化に伴い、鉄心も約5
パ−セントの小型を図れ、これにより鉄損も約5パ−セ
ント低下するので無負荷損失を約5パ−セント低減でき
る。また、奥行寸法が従来より薄くなるので、絶縁距離
を考慮しても、GEM1424推奨寸法の一つである奥
行700mmの薄型キュ−ビクル内に収納することがで
きる。
【0074】さて、巻き鉄心203a、203b、一次
コイル201U,201V,201W、二次コイル20
2U,202V,202Wは、下部フレ−ム部204
と、上部フレ−ム部205との間に固定されている。下
部フレ−ム部204は、4つの防振ゴム300を介し
て、2つのベ−ス部206a、206bに連結されてお
り、2つのベ−ス部206a、206bは、床上設置時
には、床にタップで切られためねじ穴と、おねじによっ
て固定される。図には現れていないが、下部フレ−ム部
204と上部フレ−ム部205とは、各二次コイル20
2U,202V,202Wの内周側を貫通している連結
金具によって連結されている。また、巻き鉄心203
a、203b、一次コイル201U,201V,201
W、2次コイル202U,202V,202Wは、ゴム
材208とスペ−サ209を介して、下部フレ−ム部2
04と上部フレ−ム部205に挾み込まれる形態で固定
されている。また、このような構造に加え、本実施例に
よれば、鉄心として巻き鉄心を採用しているので、つぎ
目部分が少なくて済み、この部分での騒音発生が抑制さ
れ、低騒音化が図られる。
【0075】また、図中において、下部フレ−ム部20
4の正面側右に設けられている208a、背面側右(正
面側よりは左)に設けられている208bは、共に接地
端子である。本実施例では、このように、接地端子20
8a,208bを変圧器の対角線上に設けることによ
り、狭い場所でも容易に配線可能としている。また、下
部フレ−ム部204の219は、変圧器の移動時等に引
き具等を取付けるための引き穴である。このような引き
穴を設けることにより移動作業の効率向上を図ることが
できる。
【0076】また、図中において、上部フレ−ム部20
5の左右の切欠き224は吊り上げ用の吊り耳であり、
上部フレ−ム部205の背面画上部に設けられているの
は、221は、二次コイル202U,202V,202
W用の2次端子であり、222は結線用のバ−である。
また、下部フレ−ム204の背面側の左側(正面側から
は右)に設けられているのは、図30に示すように、二
次コイル202と一次コイル201の間に設けられてい
る混触防止板330用の接地端子215である。
【0077】図30は、この混触防止板330と、一つ
の二次コイル202と、一つの一次コイル201と、巻
き鉄心203の一つの脚部の関係を、コイルの巻き方向
に平行な断面によって示したものである。図示するよう
に、混触防止板330は、一次側コイル201の外周
の、二次側コイル202との間に巻き回されている部材
である。但し、不要なうず電流が発生しないように混触
防止板330の両巻き回し端は接続していない。図中
の、331はコイル端の引出しを表している。また、3
32は、前述した測温器具を挿入するためのチュ−ブの
断面を表している。チュ−ブ332はゴム等の弾力性あ
る材料で作成している。
【0078】混触防止板330と接地端子215との接
続は、図31に示すように、この混触防止板330から
延ばしたリ−ド線を、混触防止板330用の接地端子2
15に接続することにより実現している。。
【0079】ここで、このように、混触防止板330用
の接地端子215を、上下部フレ−ム用の接地端子20
8a,208bと独立して設けたのは、両者に要求され
る接地特性(抵抗特性)が異なるからである。もし、両
者が同じ接地特性で支障無い場合には、接地端子215
を、接地端子208a,208bのいずれかに接続すれ
ばよい。
【0080】さて、説明を図28、29に戻す。図中の
2次コイル202U,202V,202Wの縦方向中頃
に設けられているのは各コイルやコイル層間の接続を切
り替えるロ−タリ−式の切り替えタップ210であり、
220は結線用のバ−である。また、2次コイル202
U,202V,202Wの正面側上部に設けられている
いるのは各一次コイル201U,201V,201Wの
一次端子211である。切り替えタップ210、端子2
11には、共に、半透明(透明な材料にスモ−ク処理等
を施したものを含む)な絶縁カバ−212、213が設
けられている。
【0081】切り替えタップ210のカバ−の形状を図
32に、端子211のカバ−の形状を図33に示してお
く。両図とも、bが正面図、cが側面図、aが上面図で
ある。図33に示すように、端子211用のカバ−の表
面には、図33に示すように高電圧危険の表示333を
行う。
【0082】このように、絶縁カバ−212、213を
設けることにより、これらの裸電部に誤って触れること
を防止できることができる。また、これらの絶縁カバ−
212、213を半透明としたことにより、切り替えタ
ップ210や、端子211の締め付け状態が外部から一
目で確認できるようにすることができる。また、透明と
した場合と異なり、利用者にカバ−の存在を認識させる
ことができ安心感を与えることができる。
【0083】ここで、図28、29に示すように、本実
施例では、変圧器の4方向に図34に示す警告表示マ−
ク214を添付している。図34に示すように、本実施
例では、警告表示マ−ク214において、危険を表す文
字およびシンボル2141と、どのような危険があるか
と、どのような行為をすると危険であるかを示す文21
42とを分離して表示した。このように、単に危険の存
在を示すのみではなく、その理由や、危険な行為を明確
に提示することにより、より安全な取扱を期待すること
ができる。
【0084】さて、このような構造(図28、29参
照)において、本実施例に係る変圧器では、一次コイル
201U,201V,201W、2次コイル202U,
202V,202Wには、明るめの黄色の塗装着色を施
してある。また、下部フレ−ム部204や上部フレ−ム
部205やベ−ス部206は、暗めのグレイの塗装着色
を施してある。巻き鉄心203a、203bは、一般的
に黒色に近い色を有している。
【0085】ここで、このような着色を施すのは、次の
ような理由によるものである。
【0086】すなわち、変圧器の一次コイル201U,
201V,201W、2次コイル202U,202V,
202Wには、高い電圧が印加されるので素手等で触れ
ることは危険である。このため、次コイル201U,2
01V,201W、2次コイル202U,202V,2
02Wは、危険であることが認知、印象づけられるよう
に鮮やかな色(たとえば赤色)で着色することが望まし
い。しかし、その反面、変圧器は地下室等、必ずしも照
明が整っていない場所、すなわち、薄暗い場所に設置さ
れることが多い。そして、このような薄暗い場所では、
人間にとって、彩度差は明敏ではなく、かえって明度差
の方が人間に強い印象を与える。そこで、本実施例で
は、一次コイル201U,201V,201W、2次コ
イル202U,202V,202Wを、明度が高く、し
かも、危険注意を表す色として広く認知されている黄色
で着色し、その他の部分は、暗がり等でも黄色をきわだ
たせることができるように暗い色にしているのである。
【0087】次に、前述した4つの防振ゴム300につ
いて説明する。
【0088】4つの防振ゴム300は、同じ形状を有し
ている。防振ゴム300の形状は、円盤の上下におねじ
が垂直に突出した、ちょうどコマのような形状を有して
いる。図35に、この円盤の中心を通る直線で円盤を縦
に切断した防振ゴム300の断面図を示す。
【0089】図示するように、防振ゴム300は、ド−
ナッツ形状のゴム材301と、ゴム材301を挾み込む
ように連結される上皿金具302と下皿金具303とよ
り構成される。
【0090】上皿金具302の上部に突出したボルト部
3021は、下部フレ−ム部205に設けられた取り付
け穴を貫通する長さを備えており、取り付け穴のを貫通
した状態でナットによって下部フレ−ム部205に固定
される。一方、下皿金具303の下部に突出したおねじ
部3031は、べ−ス部206a,206bに設けられ
ためねじ穴に固定される。
【0091】また、上皿金具302の下部に突出した、
おねじ部3022は、ちょうど凸の字の形状を有してお
り、下部の幅広部分(実際には、半径が大きい部分)
に、ねじ山が切られている。一方、下皿金具303の上
方に突出した、めねじ部3032は、上部内周側に、上
皿金具302のおねじ部に適合する、ねじ溝が切られた
中空の円筒であり、ねじ溝が切られた部分よりも、その
下方の部分の方が幅広(実際には、半径が大きい)の中
空となるような形状を有している。
【0092】さて、ゴム材301は、下皿金具303上
に、下皿金具303のめねじ部3032が、ゴム材30
1のド−ナッツ形状の穴を貫通するように置かれる。そ
して、その後、上皿金具302が下皿金具303に、上
皿金具302のおねじ部3022が、下皿金具303の
めねじ部3032のねじ溝部分を回転しながら通過し、
ねじ溝部分の下方の中空部分に入るように取付けられ
る。ゴム材301の厚さは、変圧器を設置した状態にお
いて、上皿金具302のおねじ部3022の先端が、下
皿金具303のめねじ部3032に接触しない適当な厚
さとする。
【0093】このような構造によれば、上皿金具302
のおねじ部3022が下皿金具303のめねじ部303
2の下方の中空部分内において、下皿金具303のめね
じ部3032に当たらない範囲範囲において上下左右に
移動可能となる。したがい、この範囲において、上皿金
具301は下皿金具301に対して拘束されずに位置を
変えることができる。すなわち、この範囲内における振
動は、ゴム材301によって吸収される。一方、これを
超える振動は、上皿金具302のおねじ部3022が下
皿金具303のめねじ部3032に当たるために許され
ない。すなわち、上皿金具302のおねじ部3022と
下皿金具303のめねじ部3033はストッパ−として
の役割を果たす。
【0094】このようにすることにより、通常運用時の
振動に対してはゴム材301を用いた防震を実現できる
と共に、運搬時等に生じる大きな、ゴム材301では対
応しきれない、もしくは、ゴム材301で対応すること
が適当でない振動については、上皿金具302と下皿金
具303との拘束によって防止することができる。
【0095】次に、図36に、ベ−ス部206a、20
6bの構成を抜き出して示す。
【0096】図示するように、各ベ−ス部206a、2
06bには、前述した2つの防振ゴム300取付け用の
めねじ穴311、312と、ベ−ス部206a、206
bを床に固定するための2つの長穴313a/313
b、314a/314bが設けられている。この2つの
長穴をアンカ−ボルトが貫通する形態で、ベ−ス部20
6a、206bが床に固定される。なお、アンカ−ボル
トは床に植設されており、このアンカ−ボルトのおねじ
にナットを用いてベ−ス部206a,206bを固定す
る。もちろん、床にめねじ穴を植設し、このめねじ穴に
アンカ−ボルトのおねじをねじ込み、このアンカ−ボル
トの、各長穴313a,b、314a,bの短径より大
きい頭部によって、ベ−ス部206a,206bを固定
するようにしてもよい。
【0097】ところで、本実施例では、図36に示すよ
うに、同じベ−ス部の2つの長穴(313aと314
a、313bと314b)の方向を直交する異なる方向
とし、かつ、異なるベ−ス部の向き合う(対角線上に無
い)2つの長穴(313aと313b、314aと31
4b)の方向を直交する異なる方向としている。
【0098】これは、床に設けられた、アンカ−ボルト
の配置が多少、正規の配置より縦方向、横方向、斜め
(回転)方向等にずれていた場合であっても、ベ−ス部
206a,206bを支障なく固定できるようにするた
めである。すなわち、長穴の方向が全て同じとすると、
縦方向もしくは横方向のいずれにしか対応できないが、
本実施例のように、四角形の各頂点に設けた長穴の方向
が隣合う頂点において異なるようにすれば、縦方向、横
方向、斜め(回転)方向の全てのずれに対応できること
になる。
【0099】さて、本実施例では、変圧器に測温用器具
を取付けられるようにしている。
【0100】また、測温用の器具として、液体充満圧力
式の温度計と測温抵抗体の2種類の測温用器具うちの一
方を希望に応じて取付けられるようにしている。
【0101】図37に液体充満圧力式の温度計の外観
を、図38に測温抵抗体の外観を示す。
【0102】図37aに示すように、液体充満圧力式の
温度計は、測温筒340と、リ−ド341、344と、
リ−ド341を介して測温筒340を変圧器に固定する
ための締め付け用ナットのペア342と、温度を表示針
の回転によって表示する表示部343とを備えている。
本温度計は、測温筒340、リ−ド341,342に充
填した液体の体積の温度変化による変化を、表示部34
3において表示針の回転に変換することにより温度を表
示する。液体としては、アルコ−ル等の有機液体または
水銀等の無機液体が用いられる。
【0103】一方、測温抵抗体は、図38に示すよう
に、温度によって電気抵抗が変化する抵抗を先端に収容
した保護管351を有している。保護管351は、ま
た、抵抗の3本のリ−ド線352を保護導く役割も果た
している。抵抗と3本のリ−ド線352の接続は同図b
に示す通りである。また、アダプタ353は、保護管3
51の変圧器への取り付けのために設けている。
【0104】このような構成において、保護管351と
測温筒340の径は、ほぼ等しくなっている。
【0105】以下、この温度計と、測温抵抗体の変圧器
への取り付けについて説明する。
【0106】温度計の変圧器への取り付けは、図39に
示すように、上部フレ−ム部205に設けた取り付け部
355を取り付け、先に図30に示したチュ−ブ332
に測温筒340を挿入すると共に、締め付け用ナットの
ペア342によって、取り付け部355をを締め付ける
ことにより上部フレ−ム部205に対する測温筒340
の安定した取り付けを実現する。
【0107】一方、測温抵抗体の変圧器への取り付け
は、図40に示すように、上部フレ−ム部205に端子
板345を取り付け、先に図30に示したチュ−ブ33
2に保護管340を挿入すると共に、リ−ド線の端を、
端子板345に接続することにより行う。端子板345
を用いて、適当な測定機と測温抵抗体とを接続すれば、
変圧器の遠隔監視が実現できる。なお、アダプタ353
は、チュ−ブ332への保護管340の挿入の深さを一
義的に定める機能等を果たす。
【0108】このように、本実施例によれば、液体充満
圧力式の温度計と測温抵抗体の2種類の測温用器具の直
接測温を行う部位を、ほぼ同形状とし、弾力性のあるチ
ュ−ブ332に取付けるようにしたので、希望に応じた
種類の測温器具を同じ位置に取付けることができる。ま
た、本実施例では、左右(二次コイル201U,二次コ
イル202V)に設けているので、より作業等が容易な
取り付け位置を選択することができる、また、この2つ
のチュ−ブ332を用いて、2種類の測温器具を同時に
取付けることもできる。
【0109】以上、本実施例に係る変圧器について説明
した。
【0110】なお、本実施例では、鉄心を巻き鉄心とし
て説明したが、鉄損の問題が、さほど重要でない場合に
は、これに代えて積鉄心を用いるようにしてもよい。
【0111】ところで、一般的に言って、変圧器の重量
や大きさのために、変圧器の設置場所への現実の設置は
容易でない場合が多い。そこで、以下では、鉄心が積鉄
心である場合を例にとり、効率的な変圧器の設置方法に
ついて説明する。
【0112】図41のIに示した方法は、端子221
等、寸法を大きくしている部材を取外して設置場所に搬
入し、設置場所において部材を取り付け設置する方法を
示している。このような方法は、入口が狭い部屋等に変
圧器を設置する場合に適している。
【0113】次に、図41のIIに示した方法は、コイル
と積み鉄心の上部ヨ−ク鉄心と他の部分とを別々に設置
場所に搬入し、設置場所において、適当な吊り金具等を
用いて、これらを組立設置する方法を示している。この
方法は、搬入時に取り扱わなければならない最大質量
を、変圧器全体の質量と比べ大幅に軽くすることができ
る。
【0114】最後に、図41のIIIに示した方法は、II
の方法において、さらに、積鉄心のそれぞれも分解して
設置場所において搬入し、設置場所において鉄心を積み
上げ、その後、コイルや他の各部と組合わせ組み上げる
方法である。この方法は搬入時に取り扱わなければなら
ない最大質量および最大寸法を、変圧器全体の質量およ
び寸法と比べ大幅に軽くすることができる。
【0115】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、樹脂モ
ールドコイルの製作時の作業性を向上させ、しかも良好
な絶縁層を形成できる樹脂モールドコイルおよびその製
造方法を提供することができる。また、併せて、変圧器
の小型化、省エネ化、低振動化、低騒音化、安全性の向
上、取扱の容易性の向上等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る樹脂モールドコイル
の縦断面である。
【図2】本発明の第1実施例に係る絶縁層形成基体の斜
視図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る他の縁層形成基体の
斜視図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る他の絶縁層形成基体
の斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る高低圧一体樹脂モー
ルドコイルの要部切欠き斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る高低圧巻線間に介在
させる絶縁層形成基体の斜視図である。
【図8】第2本発明の実施例に係る高低圧巻線間に介在
させる絶縁層形成基体の斜視図である。
【図9】第2本発明の実施例に係る高低圧一体樹脂モー
ルドコイルの横断面図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る高低圧一体樹脂モ
ールドコイルにおけるエアボイド分布モデルを示す説明
図である。
【図11】図10のエアボイド分布モデルにおける電位
分布を示す説明図である。
【図12】大気圧空気中に放電々位傾度を示すグラフで
ある。
【図13】高低圧間の耐コロナ性を表す電界強度のグラ
フである。
【図14】本発明の第3実施例に係る樹脂モールドコイ
ルの製作方法を説明するための型等の分解斜視図であ
る。
【図15】本発明の第3実施例に係る型を組み立てた状
態を示す斜視図である。
【図16】本発明の第3実施例により製作された樹脂モ
ールドコイルの外観図である。
【図17】本発明の第3実施例により製作された樹脂モ
ールドコイルの断面図である。
【図18】本発明の第3実施例において他の絶縁層構成
材を用いた樹脂モールドコイルの作成方法を説明するた
めの説明図である。
【図19】本発明の第3実施例において他の絶縁層構成
材を用いた樹脂モールドコイルの作成方法を説明するた
めの説明図である。
【図20】本発明の第3実施例において他の絶縁層構成
材を用いた樹脂モールドコイルの作成方法を説明するた
めの説明図である。
【図21】本発明の第3実施例において他の絶縁層構成
材を用いた樹脂モールドコイルの作成方法を説明するた
めの説明図である。
【図22】本発明の第3実施例において他の絶縁層構成
材を用いた樹脂モールドコイルの作成方法を説明するた
めの説明図である。
【図23】本発明の第3実施例において外型材質を金属
からフィルムに変えた場合を示す説明図である。
【図24】本発明の第3実施例において外型金属板をデ
ィンプル加工を施した場合の説明図である。
【図25】本発明の第3実施例において完成されるコイ
ルの外観図である。
【図26】本発明の第3実施例において外型金蔵板をシ
ールド材とした場合の樹脂モールドコイルの外観図であ
る。
【図27】本発明の第3実施例において外型金属板に放
射板を付した場合に製作される樹脂モールドコイルの外
観図である。
【図28】本発明の第4実施例に係る変圧器の正面側外
観図である。
【図29】本発明の第4実施例に係る変圧器の背面側外
観図である。
【図30】本発明の第4実施例に係る変圧器における混
触防止板の配置を示す断面図である。
【図31】本発明の第4実施例に係る変圧器における混
触防止板の接地経路を示す図である。
【図32】本発明の第4実施例に係る変圧器の切り替え
タップ用カバ−の構造を示す3面図である。
【図33】本発明の第4実施例に係る変圧器の一次端子
用カバ−の構造を示す3面図である。
【図34】本発明の第4実施例に係る変圧器に行う警告
表示を示す図である。
【図35】本発明の第4実施例に係る変圧器の防震ゴム
の構造を示す断面図である。
【図36】本発明の第4実施例に係る変圧器のベ−ス部
の長穴の配置を示す図である。
【図37】本発明の第4実施例に係る変圧器に用いる有
機液体充満圧力式温度計の外観を示す図である。
【図38】本発明の第4実施例に係る変圧器に用いる測
温抵抗体の外観を示す図である。
【図39】本発明の第4実施例に係る測温抵抗体の変圧
器への取り付けのようすを示した図である。
【図40】本発明の第4実施例に係る有機液体充満圧力
式温度計の変圧器への取り付けのようすを示した図であ
る。
【図41】本発明の第4実施例に係る変圧器の搬入方法
を示す図である。
【符号の説明】
1…高圧樹脂モールドコイル、2…低圧樹脂モールドコ
イル、2c…低圧コイル本体、3…鉄心、10,10c
…高圧コイル本体、11…導線、12…層間紙、20,
20c…絶縁性樹脂層、21,21a,21b,21
c,21d…絶縁層形成基体、22…プリプレグシート
(絶縁性シート)、22a…目抜きガラスクロスシート
(絶縁性シート)、23…ガラスマット(絶縁性繊維マ
ット)、23b…目抜きガラスクロス、24…樹脂通
路、25…エポキシ樹脂(注入樹脂),101…内型,
102…外型(金属板),103…巻線コイル,104
…ガラスマット(コンティアースガラスクロスマッ
ト),105…注型治具,106…万力(押さえ治
具),107…樹脂モールドコイル,108a…樹脂,
108b…ガラスマット含浸樹脂,109…段差部,1
10…丸棒,111…三次元織ガラスクロス,112…
エポキシ樹脂含浸部,113…ガラスペーパー(ガラス
繊維不織布),114…目止めガラスクロス(平織ガラ
スクロスプリプレグ),115…耐熱性フィルム,11
6…ディンプル加工外型(金属板),117…ディンプ
ル部,118…外型兼メタルフランジ(金属板),11
9…外型兼メタルフランジ兼放射板、201U,201
V,201W…々U相,V相,W相一次コイル,202
U,202V,201W…U相,V相,W相二次コイ
ル,203a、203b…鉄心、204…下部フレ−ム
部,205…上部フレ−ム部,206a、206b…ベ
−ス部,300…防振ゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊豆名 具己 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 中山 晃 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 藤森 俊幸 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所産業機器事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイルの周りに絶縁性樹脂層が形成されて
    いる樹脂モールドコイルであって、 断面が環状のコイルと、絶縁性繊維を編み込んで一定の
    大きさ及び形状に形成した複数の絶縁性繊維マットが絶
    縁性シート上に間隔をおいて貼付られている絶縁層形成
    基体とを有し、 環状の前記コイルの内周側表面及び/又は外周側表面
    に、複数の前記絶縁性繊維マットが接するよう前記絶縁
    層形成基体が巻き付けられ、 環状の前記コイルの内周側表面及び/又は外周側表面と
    前記絶縁層形成基体の前記絶縁性シートとの間に絶縁樹
    脂が注入され、該絶縁性樹脂が複数の前記絶縁性繊維マ
    ット相互間に介在していると共に、複数の該絶縁性繊維
    マットに含浸して、該絶縁層形成基体と該絶縁性樹脂と
    で前記絶縁性樹脂層が形成されていることを特徴とする
    樹脂モールドコイル。
  2. 【請求項2】前記コイルとして、内周側コイルと、該内
    周側コイルの外周とその内周との間に一定の間隔ができ
    るよう該内周側コイルの外周に配されている外周側コイ
    ルとを有し、 前記絶縁層形成基体は、前記絶縁性シートの表面に複数
    の前記絶縁性繊維マットが間隔をおいて貼付られている
    と共に、該絶縁性シートの裏面で且つ該表面に該絶縁性
    繊維マットが貼付られていない位置に複数の該絶縁性繊
    維マットが間隔をおいて貼付られて、形成され、 前記絶縁性形成基体は、前記絶縁性シートの表面に貼付
    られている複数の前記絶縁性繊維マットが前記内周側コ
    イルの外周面又は前記外周側コイルの内周面に接し、該
    絶縁性シートの裏面に貼付られている複数の該絶縁性繊
    維マットが該外周側コイルの内周面又は該内周側コイル
    の外周面に接するよう、該内周側コイルの外周と該外周
    側コイルの内周との間に介在し、 前記内周側コイルの外周面と前記外周側コイルの内周面
    との間に前記絶縁樹脂が注入され、該絶縁性樹脂が複数
    の前記絶縁性繊維マット相互間に介在していると共に、
    複数の該絶縁性繊維マットに含浸して、該絶縁層形成基
    体と該絶縁性樹脂とで、該内周側コイルの外周面と該外
    周側コイルの内周面との間に前記絶縁性樹脂層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド
    コイル。
  3. 【請求項3】前記絶縁性繊維マットは、ガラス繊維を編
    み込んで形成したものであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の樹脂モールドコイル。
  4. 【請求項4】導体を巻回してなる巻線コイルの内外周に
    絶縁材を配置し、熱硬化性樹脂をコイルにモールドする
    樹脂モールドコイル製造法であって、 巻型および金型を兼ねる内型の周囲に、樹脂含浸性を有
    する絶縁材を配置し、 この絶縁材の周囲に導体を巻回して巻線コイルを形成
    し、 この巻線コイルの周囲に樹脂含浸性を有する絶縁材を配
    置し、 この絶縁材の周囲に、柔軟性を有する平板を巻回して外
    型を形成し、 このようにして形成された外型および内型の間に樹脂を
    注入して硬化させることを特徴とする樹脂モールドコイ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記樹脂含浸性を有する絶縁材としてガラ
    スマットを用い、前記柔軟性を有する平板として金属板
    を用いることを特徴とする請求項4記載の樹脂モールド
    コイルの製造方法。
  6. 【請求項6】導体を巻回してなる巻線コイルと、 この巻線コイルの内周および外周に配置され、ガラスマ
    ット、互いに並設された丸棒群、三次元織ガラスクロス
    のいずれかを前記巻線コイルとともに樹脂モールドして
    形成された樹脂絶縁層と、 を備える樹脂モールドコイル。
  7. 【請求項7】導体を巻回してなる巻線コイルの層を複数
    層有するコイルを樹脂でモールドした樹脂モールドコイ
    ルであって、 前記巻線コイルの各層間に、ポリエチレンテレフタート
    (PET)とポリエチレンナフタレート(PEN)とポ
    リエーテルイミド(PEI)とポリイミド(PI)のう
    ちから選択した絶縁性と高熱伝導性を兼ね備えた1以上
    の材料を用いた層間紙の層を設けたことを特徴とする樹
    脂モ−ルドコイル。
  8. 【請求項8】導体を巻回してなる巻線コイルを樹脂でモ
    ールドした樹脂モールドコイルと、樹脂モールドコイル
    に挿入された鉄心と、前記複数の樹脂モールドコイルと
    鉄心とを固定する金具群とを有する変圧器であって、 前記複数の巻線コイルは明色に着色され、前記金具群は
    暗色に着色されていることを特徴とする変圧器。
JP6315316A 1994-08-26 1994-12-19 樹脂モールドコイル、樹脂モールドコイルの製造方法および変圧器 Pending JPH08191023A (ja)

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