JPH08190886A - イオン注入装置、イオン注入方法および半導体装置 - Google Patents

イオン注入装置、イオン注入方法および半導体装置

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JPH08190886A
JPH08190886A JP7002037A JP203795A JPH08190886A JP H08190886 A JPH08190886 A JP H08190886A JP 7002037 A JP7002037 A JP 7002037A JP 203795 A JP203795 A JP 203795A JP H08190886 A JPH08190886 A JP H08190886A
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JP
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ion
ions
light
ion implantation
container
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JP7002037A
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Atsuhiro Fujii
淳弘 藤井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエハ注入時の半導体基板のダメージを抑制
するとともにスループットなどの処理能力を向上させ
る。 【構成】 イオン発生容器5内には特定ガス成分を含む
原料ガスを満たすことができる。このイオン発生容器5
内に、レーザ発振器1によりレーザを照射することがで
きる。このイオン発生容器5内に照射された光によっ
て、特定ガス成分のみが多光子吸収により選択的に励起
されてイオンを生ずる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置および
イオン注入方法に関し、より特定的には、ガスをイオン
化し、そのイオンを装置内に載置されたウエハに注入す
るイオン注入装置およびイオン注入方法に関するもので
ある。
【0002】また本発明は、半導体装置に関するもので
あり、より特定的には、ウエハにイオンを注入すること
によって得られた半導体装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】まず、従来のイオン注入装置およびイオ
ン注入方法について説明する。
【0004】図8は従来のイオン注入装置の構成を示す
模式図である。また図9は、従来のイオン注入方法の工
程を示すフロー図である。
【0005】まず図8を参照して、従来のイオン注入装
置は、イオン源と、引出し電極209a、209bと、
質量分析器211と、加速器213と、真空チャンバ2
15とを有している。
【0006】イオン源は、イオン発生容器205と、1
対の電極201a、201bとを有している。イオン発
生容器205内には、対向するように1対の電極201
a、201bが配置されている。またこの1対の電極2
01aと201bとの間には、電源201cにより電位
差が与えられる。
【0007】またイオン発生容器205には、反応ガス
を内部に導入するためのガス導入路205aと、反応ガ
スを内部から排出するためのガス排気路205bとが設
けられている。
【0008】引出し電極209a、209bは、イオン
発生容器205内で発生したイオンを引出すために設け
られている。この引出し電極209aと209bとの間
には、電源209cによって電位差が与えられる。質量
分析器211は、磁場の強度を変えることにより、引出
し電極209a、209bにより引出されたイオンのう
ち目的とするイオンを選別する役割をなしている。加速
器213は、イオンを加速させ、所定速度で真空チャン
バ215内に侵入させる役割をなしている。真空チャン
バ215内には、イオンが注入されるべきウエハ20が
載置されている。
【0009】次に、上述のイオン注入装置におけるイオ
ン注入方法について説明する。図8と図9とを参照し
て、まずイオン発生容器205内に、ガス導入路205
aからガスもしくは蒸気が導入される(ステップ23
1)。電極201a、201bに、電源201cによっ
て電位差が与えられる(ステップ232)。これによ
り、アーク放電を生じ、ガスがイオン化する(ステップ
233)。
【0010】引出し電極209a、209bに、電源2
09cによって電位差が与えられる。これによって、イ
オン発生容器205内のイオンが、矢印に示す方向に引
出される(ステップ234)。この引出されたイオンの
うち目的とするイオンのみが、質量分析器211により
選別される(ステップ235)。目的とするイオンが加
速器213によって所定速度に加速される(ステップ2
36)。このように目的とするイオンは、経路Rに沿っ
て所定速度に加速された後、真空チャンバ215内に載
置された基板20に注入される(ステップ237)。
【0011】このようにして従来のイオン注入装置およ
び注入方法によって、ウエハ20中にイオンを打込むこ
とができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のイ
オン注入装置およびイオン注入方法には、以下の(1)
〜(6)の問題点があった。以下、その問題点について
詳細に説明する。
【0013】(1) p型半導体基板においては、リー
ク電流の防止を考慮してp型のレトログレーデッドウェ
ルが形成される場合がある。このレトログレーデッドウ
ェルは、一般に基板にB(ボロン)をイオン注入するこ
とで形成される。このBには、下の表に示すように質量
数10と11との同位体である10Bと11Bとが存在す
る。
【0014】
【表1】 10Bは11Bに比較して軽いため、11Bを半導体基板にイ
オン注入する場合よりも注入エネルギーを約9%低くす
ることができる。このため、10Bのイオン注入では、11
Bのイオン注入に比較して半導体基板に与えるダメージ
および金属汚染を約9%減少させることができる。
【0015】しかし、10Bの天然存在率は11Bの天然存
在率(81%)の約4分の1程度の19%である。この
ため、B注入時に用いる原料ガスBF3 中にも、通常、
この存在比率で10Bと11Bとが混在している。それゆ
え、この原料ガスBF3 を用いた従来のイオン注入装置
およびイオン注入方法によるイオン注入では、10Bのビ
ーム電流値は11Bの1/4程度となり、処理能力が低下
するという問題点があった。つまり、半導体基板に与え
るダメージを抑制するとともに処理能力の向上を図るこ
とは、従来のイオン注入装置およびイオン注入方法では
できないという問題点があった。
【0016】またイオン注入によるダメージが抑制され
たB注入領域(たとえばレトログレーデッドウェル)を
有する半導体装置は従来得られていなかった。
【0017】(2) また従来のイオン注入装置および
イオン注入方法では、アーク放電によりガスをイオン化
させている。この場合、ガス成分を構成する全分子およ
び原子がイオン化される。つまり、目的とする成分のみ
ならず、他の成分もがイオン化されてしまう。このた
め、目的の成分のみをイオン化する場合に比較してイオ
ン化のためのエネルギーが多く必要となり、エネルギー
のロスが大きくなるという問題点があった。
【0018】(3) また、従来のイオン注入装置およ
びイオン注入方法では、アーク放電によりガスをイオン
化させるため、イオン発生容器205内に電極201
a、201bを配置する必要がある。この電極201
a、201bは通常、カーボンよりなっている。このた
め、アーク放電時のスパッタにより、イオン発生容器2
05の内壁などにカーボンが付着してしまう。それゆ
え、付着したカーボンを除去する必要が生じ、メンテナ
ンスの労力が大きくなるという問題点があった。
【0019】(4) また、電極201a、201bが
イオン発生容器205内に配置され、またイオン引出し
のためのイオン引出し電極209a、209bもイオン
発生容器205内に配置される。このため、イオン発生
容器205内に多数の電極が配置されることになり、各
電極が相互に制約を受けることになる。それゆえ、各電
極間の条件設定および配置設定が困難なものになるとい
う問題点があった。
【0020】(5) 従来のイオン注入装置およびイオ
ン注入方法では、アーク放電によりガスの全分子および
原子がイオン化される。このため、引出し電極209
a、209bによるイオン引出し時に複数のイオンが引
出される場合が生ずる。このような場合に、目的とする
イオンのみを選別するために質量分析器211が設けら
れている。つまり、質量分析器211によって、目的と
するイオンのみが経路Rに沿ってウエハ20に注入さ
れ、それ以外のイオンは経路R1 、R2 に沿って装置内
壁S1 、S2 に衝突させられる。イオンが装置内壁に衝
突することによりスパッタリングが生じ、これにより汚
染などが生ずる。この汚染により、半導体基板に形成さ
れたデバイスにリークなどの悪影響が生じるという問題
点があった。
【0021】(6) また、上述のように従来のイオン
注入装置およびイオン注入方法では、引出し電極209
a、209bにより複数のイオンが引出される場合があ
るため、イオンを選別する質量分析器211が必須とな
る。したがって、質量分析器211を設けている分だけ
装置が複雑化、大型化するという問題点があった。
【0022】以上の(1)〜(6)の問題点より、本発
明の1の目的は、ウエハ注入時の半導体基板のダメージ
を抑制するとともにスループットなどの処理能力を向上
させることである。
【0023】また本発明の他の目的は、イオン化のエネ
ルギーロスを小さくすることである。
【0024】また本発明のさらに他の目的は、装置のメ
ンテナンスの労力の省力化を図ることである。
【0025】また本発明のさらに他の目的は、イオン発
生容器内における条件設定および配置設定を容易にする
ことである。
【0026】また本発明のさらに他の目的は、汚染を抑
制して、良好な特性を有するデバイスを得ることであ
る。
【0027】また本発明のさらに他の目的は、イオン注
入装置の小型化を図ることである。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のイオン
注入装置は、ガスをイオン化し、そのイオンを装置内に
載置されたウエハに注入するイオン注入装置であって、
イオン発生容器と、光発生手段とを備えている。イオン
発生容器は、特定ガス成分を含む原料ガスで内部を満た
すことができる。光発生手段は、特定ガス成分の吸収波
長と実質的に同一の波長を有する光を発生させ、光をイ
オン発生容器の内部に照射するよう配置されている。こ
のイオン発生容器内に照射された光によって、特定ガス
成分のみが光子吸収により選択的に励起されてイオンを
生ずる。
【0029】請求項2に記載のイオン注入装置は、反射
手段をさらに備えている。この反射手段は、イオン発生
容器の内壁の互いに対向する面に取付けられている。イ
オン発生容器内に照射された光は反射手段により多重反
射されるように、反射手段と光発生装置とが配置されて
いる。
【0030】請求項3に記載のイオン注入装置は、イオ
ン発生容器内からイオンを引出すための引出し電極をさ
らに備えている。
【0031】請求項4に記載のイオン注入装置は、引出
し電極によって引出されたイオンを選別し、特定のイオ
ンのみをウエハに注入する質量分析器をさらに備えてい
る。
【0032】請求項5に記載のイオン注入装置は、質量
分析器によって選別された特定イオンを所定速度まで加
速させる加速器をさらに備えている。
【0033】請求項6に記載のイオン注入装置では、イ
オン発生容器は、特定ガス成分を生成する際に生じる光
をイオン発生容器の内部に照射する。
【0034】請求項7に記載のイオン注入方法は、ガス
をイオン化し、そのイオンを装置内に載置されたウエハ
に注入するイオン注入方法であって、以下の工程を備え
ている。
【0035】まずイオン発生容器の内部が、特定ガス成
分を含む原料ガスによって満たされる。そして光発生手
段により、特定ガス成分の吸収波長と実質的に同一の波
長を有する光が発生させられる。そしてこの光をイオン
発生容器の内部に照射して、特定ガス成分のみが光子吸
収により励起されてイオンを生じる。そしてイオンがウ
エハに注入される。
【0036】請求項8に記載のイオン注入方法では、イ
オン発生容器の内壁の互いに対向する面に反射手段が取
付けられている。イオンを生じさせる工程は、イオン発
生容器の内部に照射された光が反射手段により多重反射
される工程を有している。
【0037】請求項9に記載のイオン注入方法では、光
発生手段により発生される光は、特定ガス成分を生成す
る際に生じる光である。
【0038】請求項10に記載の半導体装置は、ウエハ
にイオンを注入することによって得られた半導体装置で
あって、半導体基板と、半導体基板内に形成された10
よりなる不純物領域とを備えている。
【0039】請求項11に記載の半導体装置では、不純
物領域はレトログレーデッドウェルである。
【0040】
【作用】請求項1および7に記載のイオン注入装置およ
びイオン注入方法では、光子吸収による光励起によって
特定ガス成分のみをイオン化することができる。このた
め、たとえば10Bと11Bとがガス中に混在していても、
10Bのみを選択的にイオン化させることができる。ま
た、この光励起によればアーク放電に比較して格段に大
きいエネルギーを有する電子ビームを得ることができ
る。それゆえ、10Bを注入することでウエハのダメージ
を少なくできるとともに、強力な電子ビームが得られる
ことで処理能力を向上することができる。
【0041】また、特定のガス成分のみをイオン化でき
るため、不要な原子、分子をイオン化させるエネルギー
が不要となる。このため、エネルギーのロスが少なくな
り、エネルギー効率が良くなる。
【0042】また、アーク放電のようにイオン発生容器
内に電極を配置する必要はない。このため、イオン発生
容器内にカーボンなどが付着することはなく、メンテナ
ンスの労力の省力化を図ることができる。
【0043】また、イオン発生容器内にアーク放電用の
電極を設ける必要がないため、アーク放電用の電極とイ
オン引出し用電極との相互の制約を考慮する必要はなく
なる。このため、引出し電極などの条件設定および配置
設定が容易となる。
【0044】請求項2および8に記載のイオン注入装置
およびイオン注入方法では、イオン発生容器内において
光が多重反射するように反射手段が設けられている。つ
まり、反射手段により、光がイオン発生容器内の対向す
る内壁間を複数回往復する。これにより、光子吸収させ
るに必要な光の経路長(いわゆる吸収光路長)を確保す
ることができる。このため、イオン発生容器の寸法を大
きくすることなく、吸収光路長を確保できるため、特定
ガス成分を効率よくイオン化することができる。
【0045】請求項3に記載のイオン注入装置では、光
子吸収によって特定ガス成分のみをイオン化することが
できるため、イオンをイオン発生容器から引出した後に
選別する必要がない。よって、目的とするイオンを選別
するための質量分析器が不要となる。また、引出し電極
によってイオン引出し時の速度を調整することも可能で
ある。このため、イオンを所定速度に加速するための加
速器が不要となる。したがって、装置の簡略化および小
型化を図ることができる。
【0046】請求項4および5に記載のイオン注入装置
では、光子吸収によって特定ガス成分のみをイオン化す
ることができるため、イオンを質量分析器で選別する必
要がない。よって、不要なイオンが質量分析器により、
装置内壁に衝突されることが抑制される。よって、イオ
ンが装置内壁に衝突することでスパッタされることも抑
制され、それによるゴミの発生も防止される。したがっ
て、リーク特性などの良好なデバイスを得ることができ
る。
【0047】請求項6および9に記載のイオン注入装置
およびイオン注入方法では、特定ガス成分の生成時に生
ずる光を特定ガス成分に照射している。この特定ガス成
分の生成時に生ずる光の波長は、同一特定ガス成分の解
離時に吸収する光の波長と同一である。このため、この
特定ガス成分の生成時に生じる光を照射することで効率
よくイオン化を起こさせることができる。
【0048】請求項10および11に記載の半導体装置
では、10Bが注入されているため、ダメージの少ない半
導体装置を得ることができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例について図に基づいて
説明する。
【0050】(1) イオン注入装置 図1は、本発明の実施例におけるイオン注入装置の構成
を示す模式図である。図1を参照して、本実施例のイオ
ン注入装置は、イオン源と、引出し電極9a、9bと、
質量分析器11と、加速器13と、真空チャンバ15と
を有している。
【0051】イオン源は、レーザ発振器1と、光学ミラ
ーまたは回折格子からなる光学系3と、対をなすミラー
よりなる多重反射系7とを有している。レーザ発振器1
は、たとえばCO2 レーザを発振する役割をなしてい
る。光学ミラーおよび回折格子3は、レーザをイオン発
生容器5内へ照射する役割をなしている。イオン発生容
器5は、その内部にガスを充填することができる。この
ガスは、イオン発生容器5に設けられたガス導入口5a
より導入され、ガス排気口5bより排気される。多重反
射系7は、対をなすミラーよりなっており、このミラー
は、イオン発生容器5の対向する壁面に取付けられてい
る。なお、レーザはイオン発生容器5に設けられた窓部
からイオン発生容器5内に照射される。
【0052】引出し電極9a、9bは、発生したイオン
をイオン発生容器5内から引出す役割をなしている。質
量分析器11は、引出されたイオンのうちから目的とす
るイオンを選別する役割をなしている。加速器13は、
選別されたイオンを加速して、所定速度で真空チャンバ
内に侵入させる役割をなしている。真空チャンバ15内
には、イオンが注入されるべきウエハ20が載置されて
いる。
【0053】(2) イオン注入方法 次に、図1に示すイオン注入装置を用いた本発明の実施
例におけるイオン注入方法について説明する。
【0054】図2は、本発明の実施例におけるイオン注
入方法の工程を示すフロー図である。図1と図2とを参
照して、まずイオン発生容器5内の真空度がたとえば1
-5Torr.以下にされる。この後、ガス導入口5a
よりイオン発生容器5内に、たとえばBF3 ガスが高速
で導入される(ステップ31)。BF3 ガスを高速で導
入するのは、BF3 ガスを冷却して吸収帯をそろえるた
めである。レーザ発振器1により、たとえばCO2 レー
ザが発生される(ステップ32)。このレーザが、光学
ミラーおよび回折格子3によってイオン発生容器5内へ
窓(図示せず)を通じて照射される(ステップ33)。
【0055】このレーザは、発生容器5内において1対
のミラー7間を多重反射する。すなわち、レーザは1対
のミラー7間を複数回往復する。このレーザ光の多重反
射により、レーザ光がイオン発生容器5内のBF3 ガス
に光子吸収(共鳴吸収)され、BF3 ガス中の10BF3
がイオン化される(ステップ34)。これにより、10
のイオンが得られる。また10Bのイオン以外に、たとえ
10BF、10BF2 10BF3 、Fのイオンも得られ
る。
【0056】この後、引出し電極9a、9bに電源9c
によって所定の電位差が与えられる。この引き出し電位
は、たとえば30keV程度である。これにより、イオ
ン発生容器5内のイオンが引出される(ステップ3
5)。引出されたイオンは、質量分析器11によって選
別される(ステップ36)。つまり、10Bのイオンのみ
が経路Rに沿ってウエハ20に達する。それ以外のイオ
ンは、経路R1 、R2 に沿って装置内壁に衝突させられ
る。本実施例の場合は、10BF、10BF2 10BF 3
Fのイオンが、目的とする10Bのイオンよりも重いた
め、経路R1 に沿って装置内壁に衝突することになる。
【0057】次に、経路Rに沿って進行する10Bのイオ
ンは、加速器13によって所定速度に加速される(ステ
ップ37)。そして所定速度に加速された10Bのイオン
は、真空チャンバ15内に載置されたウエハ20に注入
される(ステップ38)。
【0058】本実施例のイオン注入方法によれば、この
ようにして、ウエハ20にイオンが注入される。
【0059】次に、本実施例におけるイオン発生の原理
である赤外多光子吸収分解(IRMPD:Infra-Red Mu
lti Photon Decomposition) について説明する。
【0060】図3は、BF3 ガスの赤外線吸収スペクト
ルを示すグラフであり、縦軸が透過率であり、横軸が波
数(wavenumber)である。図3を参照して、実線は、天
然に存在するBF3 ガスの赤外線吸収スペクトルを示
し、一点鎖線および二点鎖線は各々10BF3 11BF3
とが単体の場合の赤外線吸収スペクトルを示している。
【0061】大きさの異なる原子でできている分子は、
必ずある特定の波長に対して光の吸収帯を有する。天然
に存在するBF3 ガスは約10μm(=1000c
-1) 付近の赤外領域に分子吸収係数の大きな吸収帯を
持つことが知られている。また、 10BF3 は、11BF3
より低い波長の吸収帯を有している。
【0062】この場合において、矢印Aで示す波長を有
する光を照射すれば、10BF3 は光を吸収するが、11
3 はほとんど光を吸収しない。つまり、矢印Aの波長
(コヒーレント光)に対して、11BF3 は、透過率が高
く透明であるため、光を吸収しない。一方、10BF3
透過率が低いため光を吸収し、選択的に励起される。こ
れにより、同位体のうち1つの元素のみを選択的に励起
してイオン化することができる。
【0063】なお、同位体のうちの1つの元素のみを選
択的に励起することができるのは、CO2 レーザの発振
波長(9.4μmと10.2μm帯)とBF3 ガスの伸
縮振動の吸収波長(1000cm-1)が重なるためであ
る。
【0064】上記の吸収は赤外領域の波長の光の吸収で
あるため1光子のみ吸収させたのでは、原子は振動励起
するだけである。しかし、10BF3 に選択的に〜100
0光子を瞬間的(数μ秒間)に吸収させると、10Bのみ
が一気にイオン化する。
【0065】なお、紫色光の場合には、特定ガス成分を
1光子で光励起によりイオン化することも可能である。
【0066】また光の吸収量は、図4に示す Lanbert-b
eer の法則で決まる。図4を参照して、入射光の強度I
0 と透過光の強度Iとの比I/I0 は、
【0067】
【数1】 で表わされる。なお、記号l、c、εは、各々、吸収光
路長、濃度(圧力)および分子吸収係数を示している。
このような赤外多光子吸収分解の原理に基づいて得られ
る電子ビームのエネルギー値は以下のように求められ
る。
【0068】まず波長10μmでの1光子のエネルギー
は2×10-21 Jである。またB(ボロン)の解離エネ
ルギーが約1.33×10-18 Jであるため、Bをイオ
ン化させるためには、約667光子吸収することが必要
である。ここで、1kWCO 2 レーザは、約5×1023
光子/秒のエネルギーを放出する。よって、このレーザ
のエネルギー全体の0.1%が吸収されたとすると、8
00mA(1A=6.3×1018電子×秒)相当のエネ
ルギーを有する電子ビームが得られることになる。
【0069】従来のアーク放電により得られる電子ビー
ムのエネルギーが、50mA程度であるため、1kWC
2 レーザにより十分な電子ビームの出力が得られてい
ることがわかる。
【0070】このように、電子ビームのエネルギーが大
きいため、イオンを多量につくることができ、ウエハ中
にイオンを注入する処理時間を短縮することが可能とな
る。
【0071】以上説明したように、本実施例のイオン注
入装置およびイオン注入方法では、光子吸収による光励
起によって特定ガス成分(10BF3 )のみをイオン化す
ることができる。このため、10Bと11Bとがガス中に混
在していても、10Bのみを選択的にイオン化させること
ができる。また、この光励起によれば、アーク放電に比
較して格段に大きいエネルギーを有する電子ビームを得
ることができる。このように11Bに比較して質量の小さ
10Bのみを強力な電子ビームエネルギーで注入できる
ため、ウエハのダメージを少なくできるとともに、処理
能力を向上することができる。
【0072】また、特定のガス成分(10BF3 )のみを
選択的にイオン化できるため、たとえば11BF3 のよう
に不要な分子もしくは原子をイオン化させるエネルギー
は不要となる。このため、エネルギーのロスは少なくな
り、エネルギー効率が良好となる。
【0073】また本実施例では図8に示す従来例のよう
に、アーク放電を用いないため、イオン発生容器205
内に電極201a、201bを配置する必要はない。こ
のため、本実施例では、図1に示すイオン発生容器5内
においてアーク放電時のスパッタにより電極からカーボ
ンが生じることはない。このため、カーボンなどがイオ
ン発生容器5内に付着することはない。それゆえ、この
付着したカーボンを除去するといったメンテナンスの労
力を省力化することができる。
【0074】また本実施例では、上述したようにイオン
発生容器5内にアーク放電用の電極を設ける必要がない
ため、アーク放電用の電極とイオン引出し用電極9a、
9bとの相互の制約を考慮する必要はなくなる。このた
め、引出し用電極9a、9bのイオン引出しの条件の設
定および配置の設定が容易となる。
【0075】また、図1に示すように、イオン発生容器
5の対向する内壁には、多重反射系を構成する反射手段
7が設けられている。つまり、反射手段7により、光が
イオン発生容器5の対向する内壁間を複数回往復する。
これにより、光子吸収を生じさせるに必要な光の経路長
(いわゆる吸収光路長:図4)を確保することができ
る。このようにイオン発生容器5の寸法を大きくするこ
となく、吸収光路長を確保できるため、10BF3 などの
特定ガス成分を効率よくイオン化させることができる。
【0076】また光子吸収によって10BF3 のような特
定ガス成分のみをイオン化することができる。このた
め、11BF3 のような他のガス成分はイオン化されず、
イオン発生容器5内に残留する。よって、このイオン化
しない他のガス成分が質量分析器11によって装置内壁
に衝突させられることはない。よって、11BF3 などの
イオンが装置内壁に衝突することでスパッタされること
も抑制され、それによるゴミの発生も防止される。した
がって、リーク特性などの良好なデバイスを得ることが
できる。
【0077】(3) 上記のイオン注入によって得られ
る半導体装置 図5は、本発明の実施例における半導体装置の構成を概
略的に示す断面図である。図5を参照して、p型シリコ
ン基板51の表面には、活性領域を分離するように素子
分離絶縁層55が所望の形状に形成されている。また素
子分離絶縁層55の下側領域に接し、かつ活性領域下側
を覆うようにレトログレーデッドウェル53が形成され
ている。このレトログレーデッドウェル53は、10Bが
注入されてなる不純物領域である。
【0078】活性領域には、たとえばDRAM(Dynami
c Random Access Memory)のメモリセルが形成されてい
る。
【0079】このメモリセルは、nMOS(Metal Oxid
e Semiconductor)トランジスタ63と、キャパシタ75
とを有している。
【0080】nMOSトランジスタ63は、1対のソー
ス/ドレイン領域57、57と、ゲート絶縁層59と、
ゲート電極層61とを有している。1対のソース/ドレ
イン領域57、57は、p型シリコン基板51の表面に
互いに所定の距離を隔てて形成されている。ゲート電極
層61は、この1対のソース/ドレイン領域57、57
に挟まれる領域上にゲート絶縁層59を介在して形成さ
れている。
【0081】なお、1対のソース/ドレイン領域57、
57の一方は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有
している。すなわち、一方のソース/ドレイン領域57
は、比較的低濃度の不純物領域57aと、比較的高濃度
の不純物領域57bとの2層構造よりなっている。
【0082】また、ゲート電極層61の側面および上部
表面を覆うように絶縁層65が形成されている。また、
LDD構造を有するソース/ドレイン領域57に接する
ように、かつ絶縁層65上に乗り上げるようにビット線
67が形成されている。このビット線67を覆うように
p型シリコン基板51の表面全面に絶縁層69が形成さ
れている。この絶縁層69には、他方のソース/ドレイ
ン領域57に達するコンタクトホール69aが形成され
ている。このコンタクトホール69aを通じて他方のソ
ース/ドレイン領域57に接するようにキャパシタ75
が形成されている。
【0083】キャパシタ75は、ストレージノード(下
部電極)71と、キャパシタ誘電膜(図示せず)と、セ
ルプレート(上部電極)73とを有している。ストレー
ジノード71は、コンタクトホール69aを通じて他方
のソース/ドレイン領域57に電気的に接続されるよう
に、かつ絶縁層69の上部表面上を延在するように形成
されている。セルプレート73は、このストレージノー
ド71上にキャパシタ誘電膜を介在して形成されてい
る。
【0084】このキャパシタ75を覆うように層間絶縁
層77が形成されている。この層間絶縁層77の表面に
は、所定の形状で延びる第1のアルミニウム配線層79
が形成されている。この第1のアルミニウム配線層79
を覆うように層間絶縁層81が形成されている。この層
間絶縁層81の表面上には、第2のアルミニウム配線層
83が形成されている。
【0085】このように、上述のイオン注入装置および
イオン注入方法により、10Bよりなるレトログレーデッ
ドウェル53が形成される。また、10Bのイオン注入
は、11Bよりもp型シリコン基板51に与えるダメージ
を少なくすることができる。それゆえ、ダメージの低減
されたデバイスを得ることができる。
【0086】なお、10Bと11Bとは、化学、物理特性は
全く同じであるため、p型不純物としては同一に振るま
うのは、言うまでもない。
【0087】なお図1においては、レーザ発振器1とし
て、10BF3 の吸収帯に近い波長を有するCO2 レーザ
を用いた場合について説明したが、レーザ発振器はケミ
カルレーザであってもよい。
【0088】(4) ケミカルレーザを用いた場合 図6は、レーザ発振器にケミカルレーザを用いた場合の
構成を示す模式図である。図6を参照して、本実施例で
は、図1に示す構成と比較して、レーザ発振器101に
ケミカルレーザが用いられている点で異なる。このケミ
カルレーザ101とは、たとえば10BガスとF2 ガスと
から10BF3 ガスを生成する際に生ずる反応光を取出す
ものである。つまり、10BF3 の生成時に生ずる反応光
の波長と、10BF3 の解離時に生ずる反応光の波長とは
同一であるため、この反応光を照射することにより、イ
オン発生容器5内において、より効率的に10BF3 が解
離し、イオン化する。
【0089】レーザ発振器101以外の構成について
は、図1に示す構成とほぼ同じであるため、同一部材に
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0090】なお、レーザ発振器は、上述したケミカル
レーザ以外でもよく、10Bの吸収波長と略同一の波長を
有する光であればいかなる光源の光を照射してもよい。
また 10Bに限らず光励起によりイオン化させたい特定ガ
ス成分の吸収波長と略同一の波長の光を照射できる光源
であればレーザー発振器に用いることができる。
【0091】また図1においては、質量分析器11と加
速器13とを設けた構成について説明したが、赤外多光
子吸収分解の原理に基づけば、質量分析器と加速器とは
省略されてもよい。以下、その構成について説明する。
【0092】(5) 質量分析器と加速器とを省略した
場合 図7は、質量分析器と加速器とを省略した場合の構成を
示す模式図である。
【0093】図7を参照して、本実施例のイオン注入装
置では、質量分析器および加速器が省略されている。こ
のため、イオン発生容器5は、ウエハ20を載置した真
空チャンバ15に直接接続されている。
【0094】なお、これ以外の構成については、図1で
示す構成とほぼ同様であるため、同一部材については同
一の符号を付し、その説明を省略する。
【0095】光子吸収による光励起によって、10BF3
のような特定ガス成分のみをイオン化することができる
ため、イオンをイオン発生容器5から引出した後に選別
する必要がない。よって、目的とするイオンを選別する
ための質量分析器は不要となる。また、引出し電極9
a、9bによってイオン引出し時の速度を調整すること
も可能である。このため、イオンを所定速度に加速する
ための加速器も不要となる。したがって、質量分析器お
よび加速器を省略しても、特定のイオンを所定の速度で
ウエハ20に注入することができる。
【0096】なお、10BF3 のイオン化により、10Bの
イオンのみならず、10BF、10BF 2 10BF3 、Fの
イオンもつくられる。このため、この10B以外のイオン
もウエハに注入されるおそれがある。しかし、これらの
イオンが注入されても、F(フッ素)原子は、ウエハに
加えられる後工程での熱処理により容易に外方拡散する
ため、問題はない。
【0097】本実施例においては、質量分析器および加
速器を省略したため、装置の簡略化および小型化を図る
ことができる。
【0098】なお、以上の説明においては、BF3 ガス
のうち10BF3 を励起させる方法について説明したが、
11BF3 を励起してイオン化させることもできる。この
場合には、レーザ発振器1、101を、11Bの吸収帯に
近い波長を有する光を発生させるものを用いればよい。
【0099】また、BF3 ガスのうち10BF3 をイオン
化させ、ウエハ20に注入した場合には、イオン発生容
器5内には、11BF3 ガスが残留する。この残留した反
応副次ガス(11BF3 )を回収し、精製することによっ
て、11BF3 を多く含む11BF3 のエンリッチガスを得
ることができる。
【0100】また、レーザ発振器により発生させる光の
波長を変えることによって、BF3、PF3 、As
3 、AsF5 、SbF3 などの選択的注入が可能であ
ることは言うまでもない。
【0101】また、図5においては、このイオン注入に
よって形成される不純物領域としてレトログレーデッド
ウェルについて説明したが、これ以外の不純物領域を形
成することもできる。またソース/ドレイン領域などの
ように浅い接合を作る場合には、11BF2 イオンが用い
られる。この場合、照射光の波長を11Bの吸収帯に合わ
せ、かつ照射光の出力を弱く絞ることで、11BF2 のイ
オンを作り、低エネルギーにて注入することができる。
【0102】また、ガス導入口5aは、ガス導入口5a
から導入されるガス流に多重反射光が重なってあたるよ
うに配置されることが好ましい。
【0103】
【発明の効果】請求項1および7に記載のイオン注入装
置およびイオン注入方法では、多光子吸収による光励起
によって特定ガス成分のみを選択的にイオン化すること
ができる。また、この光励起によれば、アーク放電に比
較して格段に大きいエネルギーを有する電子ビームを得
ることができる。それゆえ、イオン注入におけるウエハ
のダメージを少なくできるとともに、処理能力を向上す
ることができる。
【0104】また、特定のガス成分のみをイオン化でき
るため、不要な原子、分子をイオン化させるエネルギー
が不要となる。このため、エネルギーのロスは少なくな
り、エネルギー効率が良好となる。
【0105】また、アーク放電のようにイオン発生容器
内に電極を配置する必要はない。このため、イオン発生
容器内にカーボンなどが付着することはなく、カーボン
の除去などのメンテナンスの労力の省力化を図ることが
できる。
【0106】また、イオン発生容器内にアーク放電用の
電極を設ける必要がないため、アーク放電用の電極とイ
オン引出し用電極との相互の制約を考慮する必要はなく
なる。このため、引出し用電極などの条件設定および配
置設定が容易となる。
【0107】請求項2および8に記載のイオン注入装置
およびイオン注入方法では、イオン発生容器内において
光が多重反射するように反射手段が設けられている。こ
れにより、多光子吸収を生じさせるに必要な光の経路長
を確保することができる。このため、イオン発生容器の
寸法を大きくすることなく、吸収光路長を確保できるた
め、特定ガス成分を効率よくイオン化することができ
る。請求項3に記載のイオン注入装置では、多光子吸収
によって特定ガス成分のみをイオン化することができる
ため、イオンをイオン発生容器から引出した後に選別す
る必要はない。よって、目的とするイオンを選別するた
めの質量分析器は不要となる。また、引出し電極によっ
てイオン引出し時の速度を調整することも可能である。
このため、イオンを所定速度に加速するための加速器も
不要となる。したがって、装置の簡略化および小型化を
図ることができる。
【0108】請求項4および5に記載のイオン注入装置
では、多光子吸収によって特定ガス成分のみをイオン化
することができるため、イオンを質量分析器で選別する
必要はない。よって、不要なイオンが質量分析器により
装置内壁に衝突されることが抑制される。よって、イオ
ンが装置内壁に衝突することでスパッタされることも抑
制され、それによるゴミの発生も防止される。したがっ
て、リーク特性などの良好なデバイスを得ることができ
る。
【0109】請求項6に記載のイオン注入装置では、特
定ガス成分の生成時に生ずる光を特定ガス成分に照射し
ている。この特定ガス成分の生成時に生ずる光の波長
は、特定ガス成分の解離時に吸収する光の波長と同一で
ある。このため、この生成時に生ずる光を特定ガス成分
に照射することで、より効率よくイオン化を行なせるこ
とができる。
【0110】請求項9および10に記載の半導体装置で
は、10Bが注入されているため、ダメージの少ない半導
体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるイオン注入装置の構
成を示す模式図である。
【図2】 本発明の実施例におけるイオン注入方法の工
程を示すフロー図である。
【図3】 BF3 ガスの赤外吸収スペクトルを示すグラ
フである。
【図4】 Lanbert-beer の法則を示す模式図である。
【図5】 本発明のイオン注入によって製造される半導
体装置の一例を概略的に示す断面図である。
【図6】 レーザ発振器にケミカルレーザを用いた場合
のイオン注入装置の構成を示す模式図である。
【図7】 質量分析器および加速器を省略した場合のイ
オン注入装置の構成を示す模式図である。
【図8】 従来のイオン注入装置の構成を示す模式図で
ある。
【図9】 従来のイオン注入方法の工程を示すフロー図
である。
【符号の説明】
1 CO2 レーザ、5 イオン発生容器、7 多重反射
系、9a、9b 引出し電極、15 真空チャンバ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスをイオン化し、そのイオンを装置内
    に載置されたウエハに注入するイオン注入装置であっ
    て、 特定ガスを含む原料ガスで内部を満たすことのできるイ
    オン発生容器と、 前記特定ガスの吸収波長と実質的に同一の波長を有する
    光を発生させ、前記光を前記イオン発生容器の内部に照
    射するよう配置された光発生手段とを備え、 前記イオン発生容器内に照射された光によって、前記特
    定ガスのみが光子吸収により選択的に励起されてイオン
    を生ずる、イオン注入装置。
  2. 【請求項2】 前記イオン発生容器の内壁の互いに対向
    する面に取付けられた反射手段をさらに備え、 前記イオン発生容器内に照射された光が前記反射手段に
    より多重反射されるように、前記反射手段と前記光発生
    装置とが配置されている、請求項1に記載のイオン注入
    装置。
  3. 【請求項3】 前記イオン発生容器内から前記イオンを
    引出すための引出し電極をさらに備える、請求項1に記
    載のイオン注入装置。
  4. 【請求項4】 前記引出し電極によって引出された前記
    イオンを選別し、特定のイオンのみを前記ウエハに注入
    する質量分析器をさらに備える、請求項3に記載のイオ
    ン注入装置。
  5. 【請求項5】 前記質量分析器によって選別された前記
    特定イオンを所定速度まで加速させる加速器をさらに備
    える、請求項4に記載のイオン注入装置。
  6. 【請求項6】 前記イオン発生容器は、前記特定ガスを
    生成する際に生じる光を前記イオン発生容器の内部に照
    射する、請求項1に記載のイオン注入装置。
  7. 【請求項7】 ガスをイオン化し、そのイオンを装置内
    に載置されたウエハに注入するイオン注入方法であっ
    て、 イオン発生容器の内部を、特定ガスを含む原料ガスで満
    たす工程と、 光発生手段により、前記特定ガスの吸収波長と実質的に
    同一の波長を有する光を発生させる工程と、 前記光を前記イオン発生容器の内部に照射して、前記特
    定ガスのみを光子吸収により選択的に励起させてイオン
    を生じさせる工程と、 前記イオンを前記ウエハに注入する工程とを備えた、イ
    オン注入方法。
  8. 【請求項8】 前記イオン発生容器の内壁の互いに対向
    する面には、反射手段が取付けられており、 前記イオンを生じさせる工程は、 前記イオン発生容器の内部に照射された前記光が前記反
    射手段により多重反射される工程を有する、請求項7に
    記載のイオン注入方法。
  9. 【請求項9】 前記光発生手段により発生される前記光
    は、前記特定ガスを生成する際に生じる光である、請求
    項7に記載のイオン注入方法。
  10. 【請求項10】 ウエハにイオンを注入することによっ
    て得られた半導体装置であって、 半導体基板と、 前記半導体基板内に形成された10Bよりなる不純物領域
    とを備えた、半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記不純物領域は、レトログレーデッ
    ドウェルである、請求項10に記載の半導体装置。
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JP2004079930A (ja) * 2002-08-22 2004-03-11 Toshiba Corp 半導体材料、その製造方法、及びsoi型半導体基板

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