JP3170792B2 - 低エネルギー中性ビームドーピング装置とそのドーピング方法 - Google Patents

低エネルギー中性ビームドーピング装置とそのドーピング方法

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plasma
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文二 水野
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、半導体製造分野のうち特に大面積の試料に
高濃度に不純物の導入を行なう低エネルギー中性ビーム
ドーピング装置とそのドーピング方法に関する。
従来の技術 第2図は従来におけるドーピング装置の構成断面図で
ある。この図は本発明者らが既に出願している特願平2
−53428号公報に開示されているものである。
イオン注入機と異なるドーピング装置は、共通にプラ
ズマを発生させる構造となっており、第2図ではマイク
ロ波発生装置22、マイクロ波導波管24を有し、プラズマ
チェンバ26でプラズマを発生させている。このプラズマ
を生かす形で不純物を導入する方法としては、(1)バ
イアスによりイオンの形で引き出してドープするイオン
シャワーと、(2)プラズマ自体の発散を利用して、例
えば第2図に示す反応チャンバ28内に設置されたホルダ
20上の試料32(典型的には固体表面)にドープするプラ
ズマドーピングの二つの方式がある。いづれの場合も荷
電粒子が直接固体表面32に照射される。
発明が解決しようとする課題 この様なドーピングの分野で対象とする固体は大面積
の絶縁物(ガラス)である事が多く、荷電粒子によって
帯電する。これが激しくなると荷電粒子を反発して不純
物の導入が不可能となる。
中性ビームを用いるという考え方では従来のイオン注
入機を利用して行なう方式もある(特公平2−23021
号)。この方法では得られるビームの量がイオン注入機
と同じく或る一定の範囲に限定されるため、前述した大
面積の試料に大量のドーピングを行なう場合には非常に
長時間を要し、スループット、コスト的にも見合わな
い。又、一般的に数10keV以上の高いエネルギーで注入
するので中性ビームといえども2次電子の発生は抑制で
きず帯電に関して大きな利点を有しなくなる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、試料に帯電な
く正確に、デバイスの破壊なしに大面積にわたって不純
物をドープできる低エネルギー中性ビームドーピング装
置とそのドーピング方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明の低エネルギー中性ビームドーピング装置は、
プラズマ自体の発散を利用して試料に不純物をドープす
るプラズマドーピング装置において、荷電粒子を発生す
る構造及び前記荷電粒子を中性化する機構を有するか、
または中性ビームを発生する構造を保有し、加えて前記
試料を保持する機構を保有し、前記試料表面に中性化し
た若しくは中性の低エネルギーの不純物を導入すること
を特徴とする。
また本発明の低エネルギー中性ビームドーピング方法
は、プラズマ自体の発散を利用して試料に不純物をドー
プするプラズマドーピング方法において、前記試料表面
に低エネルギーの中性ビームを照射し、前記試料自身が
電気的に中性近傍を保つように不純物を導入することを
特徴とする。
作用 本発明は、上述の構成により試料表面に荷電粒子が照
射されなくなり、前記試料表面の帯電が抑制され、さら
にイオン注入機に比べ低エネルギーの中性ビームを得る
ことができるため、不純物の正確なドーピングが可能と
なり、形成されているデバイスの破壊などの心配も無く
なる。又、第1次のイオン、プラズマを輸送する距離も
イオン注入機に比べて極めて短いため、高密度、大量の
ビームが得られ、そのビームを分散することにより大面
積の試料に高濃度にドーピングする際のスループットは
極めて向上する。
実施例 第1図は本発明の一実施例におけるドーピング装置の
構成断面図である。同図を参照しながら本発明のドーピ
ング装置とそのドーピング方法を併せて説明する。
同図に示すドーピング装置は、前もって荷電粒子を発
生させてから2次的に前述の荷電粒子を中性化させて
後、低エネルギーの中性ビームを固体基板に照射して不
純物をドープさせるものである。
以下そのドーピング方法を説明する。まず真空度を10
-5Pa台に保ったプラズマチェンバ6にガスフィード14よ
り不純物を含んだガス、例えばAsH3,B2H6等を導入し真
空度を10-3Pa程度に保つ。このチェンバ6に高周波や磁
場を加えて、プラズマを発生させる。中性化チェンバ18
に引き出すプラズマのエネルギーを所定の値に設定する
場合は、このプラズマを引き出しメッシュ16等で引き出
す。メッシュ材料からの汚染が問題となるときには、前
述の磁場を調整してプラズマを発散させれば良い。この
様にして導かれたプラズマを中性化チェンバ18内で中性
化する。中性化チェンバ18内にはArガス等の機能性のガ
スを例えば10-3乗台の真空度で導入した大半の荷電粒子
を中性化する。中性化されたビームはホルダ10上の半導
体基体,絶縁物基体等の固体試料12(一部に液体を含ん
でも良い)を設置してある反応チェンバー8に導かれ
る。一部残っている電荷粒子を除去するために十分な電
位を加えたサプレッサ20を設置している。この様に純化
された中性ビームが試料12に照射されて、所望の不純物
が導入される。メッシュ16を用いた場合でビームのエネ
ルギーは高々1〜10keVで有り、メッシュ16を用いない
場合には数10eVから数100eVないし、1keV程度の低エネ
ルギーのビームが得られる。
また、第1次的にプラズマを用いずに直接中性ビーム
を発生させても良い。そのような場合には、一般的に提
唱されている。ホット分子ビーム、高速原子線[参照文
献としては超LSIプロセスデータハンドブックpp.207〜2
15]等の各方式を用いれば低エネルギーの中性ビームド
ーピングが行なえる。
発明の効果 以上述べた様に、本発明によれば中性化された、また
は中性のビームを用いて不純物のドーピングを行なう
と、対象とする試料が絶縁物であっても帯電を最小限に
抑えることができ、さらにイオン注入機に比べ低エネル
ギーの中性ビームを得ることができるため、正確かつ安
全な不純物の導入に寄与する。又、第1次のイオン、プ
ラズマを輸送する距離もイオン注入機に比べ極めて短い
ため、高密度、大量のビームが得られ、そのビームを分
散することにより大面積の試料に高濃度にドーピングす
る際のスループットを高めて向上させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるドーピング装置の断
面組織図、第2図は従来におけるドーピング装置の断面
模式図である。 6……プラズマチェンバ、8……反応チェンバ、10……
ホルダ、12……試料、14……ガスフィード、16……引出
メッシュ、18……中性化チェンバ、20……サプレッサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/317 C23C 14/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ自体の発散を利用して試料に不純
    物をドープするプラズマドーピング装置であって、荷電
    粒子を発生する手段と、前記荷電粒子自身を中性化する
    中性化手段と、前記中性化手段と前記試料との間に設け
    られ、前記中性化手段によって中性化されなかった荷電
    粒子を除去する除去手段と、前記試料を保持する手段と
    を有し、前記試料表面に中性化した不純物を導入するこ
    とを特徴とする低エネルギー中性ビームドーピング装
    置。
  2. 【請求項2】前記除去手段が、電荷粒子を除去するため
    に十分な電位を加えたサプレッサであることを特徴とす
    る請求項1に記載の低エネルギー中性ビームドーピング
    装置。
  3. 【請求項3】プラズマ自体の発散を利用して試料に不純
    物をドープするプラズマドーピング方法であって、荷電
    粒子を発生させる第一の工程と、前記荷電粒子自身を中
    性化する第二の工程と、前記第二の工程によって中性化
    されなかった荷電粒子を除去する第三の工程と、前記試
    料表面に低エネルギーの中性ビームを照射する第四の工
    程とを有し、前記試料自身が電気的に中性近傍を保つよ
    うに不純物を導入することを特徴とする低エネルギー中
    性ビームドーピング方法。
  4. 【請求項4】機能性ガスを10-3台の真空度で導入したチ
    ェンバ内で荷電粒子自身を中性化することを特徴とする
    請求項3に記載の低エネルギー中性ビームドーピング方
    法。
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