JPH08189826A - 位置計測装置、ロータリーエンコーダ、傾斜計、傾斜計測方法及び装置 - Google Patents

位置計測装置、ロータリーエンコーダ、傾斜計、傾斜計測方法及び装置

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JPH08189826A
JPH08189826A JP170995A JP170995A JPH08189826A JP H08189826 A JPH08189826 A JP H08189826A JP 170995 A JP170995 A JP 170995A JP 170995 A JP170995 A JP 170995A JP H08189826 A JPH08189826 A JP H08189826A
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Application number
JP170995A
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English (en)
Inventor
Takahiro Kato
隆宏 加藤
Seishi Yamanaka
清史 山中
Yoshiaki Matsumoto
義明 松本
Masaki Kurihara
正樹 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型、低コスト、高分解能且つ短時間に計測
可能な傾斜計を提供する。 【構成】 所定幅を有するスリット列SA を照明光が走
査する方向に沿って一定間隔毎に連設してなる円板1を
備え、スリットの所定位置から検出信号を得るフォトイ
ンタラプタPA1と、フォトインタラプタPA1から所定の
位相差を有する検出信号を出力するフォトインタラプタ
A2とを備える。信号処理ブロックでは、フォトインタ
ラプタPA1による検出信号からエッジを検出する第1移
動方向検出手段と、フォトインタラプタPA2による検出
信号からエッジを検出する第2移動方向検出手段と、を
備える。マイクロコンピュータ50が一方の検出信号か
らエッジを検出したときの他方の検出信号の論理状態に
応じて、予め設定された初期値からカウント値を加算又
は減算することにより二つの部材の相対位置を出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、航空機等の移
動体の姿勢を検出するために最適な傾斜計及びその計測
方法、この傾斜計の主要部をなすデジタル式ロータリー
エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、傾斜計は液面あるいは振子の静
止位置との関係を図る構造を有することが多く、構成
上、アナログ信号を出力するもの(以下「アナログ式」
という。)、デジタル信号を出力するもの(以下「デジ
タル式」という。)に区分される。
【0003】アナログ式傾斜計では、角度を検出する振
子の偏位を光学的に検出するもの、液体の移動を静電容
量の変化として検出するもの、加速度センサを用いて重
力加速度の分力を検出し傾斜角を計算するもの等があ
る。
【0004】デジタル式傾斜計では、振子と一体化した
ロータリーエンコーダ等によって振子の角度を検出する
ものがある。アナログ式傾斜計とデジタル式傾斜計とを
比較した場合、アナログ式傾斜計は、分解能が高いとい
う特長を有する。一方、デジタル式傾斜計は広い測定範
囲を有し、リニアリティがよく、温度変化や経時変化が
少ないとともに、A/Dコンバータを必要とせず直接マ
イクロコンピュータに入力することができる等の特長を
有する。
【0005】従って、あまり高い分解能を必要としない
用途(例えば、分解能0.1°程度以上の場合)にはデ
ジタル式傾斜計が適している。図10(A)に従来のデ
ジタル式傾斜計を示す。
【0006】図10(A)に示すように、発光ダイオー
ド74、インデックススリット77、フォトトランジス
タ78は筐体に固定されている。スリット76が周設さ
れたガラス円板70はシャフト71を介して振子72と
連結され、ボールベアリング73の作用により揺動自在
に設けられている。
【0007】装置が全体的に所定角傾くと、振子72が
重力の方向に振られ、ガラス板70が振子72の向きに
従って所定角回転して静止する。このガラス円板70に
は発光ダイオード74より照射光が集光レンズ75を介
して照射される。ガラス円板70上のスリット76を通
り抜けた光は、インデックススリット77を経て2つに
分割され、フォトトランジスタ78により検出信号に変
換される。この検出信号を処理してガラス円板70の回
転角を求めることにより、筐体と重力方向との相対的な
角度、則ち、傾斜角が測定される。振子72を除いて
は、いわゆるロータリーエンコーダとしての構成を有す
る。
【0008】この傾斜計では電源投入時に正しい水平面
との傾斜角の値(真値)を出力する必要があるため、ガ
ラス円板70上に設けるスリット76は、検出位置毎に
絶対的な角度データが表示されるアブソリュート(Abso
lute)形と呼ばれるスリット形状にすることが多い。
【0009】図11にアブソリュート形のスリット形状
の代表的な形状の例を示す。図11に示すように、アブ
ソリュート形のスリット形状は、スリットのピッチが2
倍ずつ長くなるように、複数の同心円形状のスリット列
を設けるものである。フォトトランジスタはこのスリッ
ト形状を半径方向の一列に設ける。そして、複数のフォ
トトランジスタの出力を一時に読むことにより、直接絶
対角度を示すデジタルコードを得ることができる。
【0010】図10(B)に、図11に示すスリット形
状から得られるアブソリュート形ロータリーエンコーダ
(傾斜計)の信号出力を示す。図10(B)からも判る
ように、図11の4列のスリットを設けたロータリーエ
ンコーダではフォトトランジスタを4個設けて4ビット
データを得ることになる。
【0011】一方、図8に示すように、上記のように振
子を用いる傾斜計では、出力される角度データは振子の
固有の振動周期で変動し、時間の経過と共に徐々に減衰
して真値に収束していく。
【0012】この振動成分が含まれたままでは真値の検
出が困難なため、従来の傾斜計では出力波形をローパス
フィルタに通すか、移動平均演算を行うという真値計測
方法を用いていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のロータリーエンコーダを用いた傾斜計では、検出信
号の分解能を1ビット上げる度にスリット列を半径方向
に一列増やさなければならない。例えば、ロータリーエ
ンコーダの円周の4096分割に相当する分解能を得よ
うとすれば、12ビットの出力が必要となる。このた
め、円板にはスリット列が12列必要で、フォトトラン
ジスタも12個必要であった。
【0014】ところが、12個のトランジスタを精度よ
く設置するのは構造的に困難が伴う。ある程度高い分解
能を有するものを得ようとすれば、装置の体積が大き
く、構造が複雑になり、さらにコストも高くなる。
【0015】このため、従来では高リニアリティ、温度
変化、経時変化に強いというデジタル式の特長を十分に
活かし得る高分解能の傾斜計、ロータリーエンコーダは
作成されていなかった。
【0016】さらに、従来の傾斜計における真値計測方
法では、振子の振動成分を完全に除去しようとすると、
相当に時定数の長いフィルタが必要となる。長時間の移
動平均値を算出しないと正確な値が得られないため、真
値を得るまでの長い応答時間が必要であった。
【0017】そこで、本発明の目的は、小型、高分解能
且つ短時間に計測可能な位置計測装置、ロータリーエン
コーダ、傾斜計、傾斜計測方法及び傾斜計測装置を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、相対的に可動とされる二つの部材間の相対位置を検
出するための位置計測装置であって、部材の一方には、
可動方向に幅ds を有するマークを可動方向に沿って幅
i の間隙を隔てて連設してなる位置表示手段を備え
る。
【0019】部材の他方には、位置表示手段上の第1検
出点におけるマークの有無を判定し、マークの有無に対
応する第1検出信号を出力する第1検出手段と、第1検
出点との距離を可動方向に平行な線分に投射したときの
投射長Dが、以下の2条件のうち一方を満たす位置表示
手段上の第2検出点におけるマークの有無を判定し、マ
ークの有無に対応する第2検出信号を出力する第2検出
手段と、を備える。
【0020】条件1 n(ds +di )<D<n(ds +di )+ds (n=
0,1,2,…) 条件2 n(ds +di )+ds <D<(n+1)(ds
i ) さらに、第1検出信号の論理状態が反転するエッジタイ
ミングにおける第2検出信号の論理状態、及び、第2検
出信号の論理状態が反転するエッジタイミングにおける
第1検出信号の論理状態に基づいて二つの部材の相対的
な移動方向を検出する移動方向検出手段と、エッジタイ
ミングが検出される毎に得られる移動方向に基づいてカ
ウント値を増減し、増減したカウント値を換算すること
により二つの部材の相対位置情報を出力する位置計算手
段と、を備えて構成される。
【0021】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の位置計測装置において、マークの幅ds と間隙の幅d
i とは等しい幅dを有し、投射長Dは、 D=(n+1/2)d という関係を有する。
【0022】請求項3に記載の発明は、相対的に可動と
される二つの部材間の相対位置を検出するための位置計
測装置であって、部材の一方には、可動方向に幅ds
有するマークを可動方向に沿って幅di の間隙を隔てて
連設してなる位置表示手段を備える。部材の他方には、
位置表示手段上のM個(Mは2以上の自然数)の検出点
の各々からマークの有無を判定し、マークの有無に対応
する検出信号を各々出力するM個の検出手段を有する。
これら検出手段は、以下の2条件のうちいずれか一方を
満たす。
【0023】条件1 M個の検出点の中での任意の二つの検出点のうち、一方
の検出点が一のマーク上における幅ds の中間点に位置
するとき、他方の検出点が一のマークから可動方向にn
番目(n=0,1,2,…)のマーク上であって、両検
出点の間の距離を可動方向に平行な線分に投射したとき
の投射長D1 が、 n(ds +di )−ds /2<D1 <n(ds +di
+ds /2 という条件。
【0024】条件2 M個の検出点の中での任意の二つの検出点のうち、一方
の検出点が中間点に位置するとき、他方の検出点が、n
番目のマークを介し一のマークの反対側に隣接する間隙
上であって、両検出点の間の距離を可動方向に平行な線
分に投射したときの投射長D2 が、 n(ds +di )+ds /2<D2 <n(ds +di
+ds /2+di という条件。
【0025】さらに、M個の検出信号のうちいずれかの
検出信号の論理状態が反転するエッジタイミング毎にエ
ッジタイミングにおける他の一の検出信号の論理状態を
参照して二つの部材の相対的な移動方向を検出する移動
方向検出手段と、エッジタイミングが検出される毎に得
られる移動方向に基づいてカウント値を増減し、増減し
たカウント値を換算することにより二つの部材の相対位
置情報を出力する位置計算手段と、を備えて構成され
る。
【0026】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の位置計測装置において、マークの幅ds と間隙の幅d
i とは等しい幅dを有し、M個の検出手段は、検出点の
間の距離を可動方向に投射したときの投射長D0 が、 D0 =d/M となるよう検出手段のそれぞれが可動方向に沿って順次
配置されている。
【0027】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4に記載の位置計測装置を備えたロータリーエンコ
ーダにおいて、位置表示手段は回転又は回動自在に設け
られ、位置表示手段の円周方向にマークを周設してな
り、位置計算手段は、カウント値を位置表示装置の回転
量に対応する数値情報を出力する。
【0028】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4に記載の位置計測装置を備えた傾斜計において、
位置表示手段は、揺動自在に設けられた振子手段と、振
子手段と一体として揺動又は回動しマークを円周方向に
周設してなる角度表示板と、を備え、位置計算手段は、
カウント値を角度情報に換算して出力する。
【0029】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の傾斜計において、角度表示板は、周設されたマークの
他に基準角度を検出するための基準角度マークを備え、
基準角度マークを検出する基準角度マーク検出手段と、
角度表示板の回動に伴って基準角度マーク検出手段によ
り基準角度マークが検出されたとき、位置計算手段のカ
ウント値をリセットする基準位置リセット手段と、を備
えて構成される。
【0030】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の傾斜計において、振子手段を強制的に回転又は揺動さ
せ、基準角度マーク検出手段に基準角度マークを検出さ
せるための振動印加手段を備えて構成される。
【0031】請求項9に記載の発明は、新たな傾斜角が
与えられると周期的な振動を行い真値に収束する傾斜角
を示す傾斜計から傾斜角データを測定する傾斜計測工程
と、傾斜計測工程の出力する傾斜角データの変化率に基
づいて傾斜角の変化の極大点又は極小点を検出する極値
検出工程と、極値検出工程により極大点又は極小点が検
出される毎にその極値を記憶する記憶工程と、n回目
(nは自然数)に極値が得られた際、n回目に得られた
極値と(n−2)回目に得られた極値との平均値を算出
し、平均値と(n−1)回目に得られた極値との中間値
を真値データとして出力する真値計算工程と、を備えて
構成される。
【0032】請求項10に記載の発明は、新たな傾斜角
が与えられると周期的な振動を行い真値に収束する傾斜
角を示す傾斜角データを測定する傾斜計と、傾斜計の出
力する傾斜角データの変化率に基づいて傾斜角の変化の
極大点又は極小点を検出する極値検出手段と、極値検出
手段により極大点又は極小点が検出される毎にその極値
を記憶する記憶手段と、n回目(nは自然数)に極値が
得られた際、n回目に得られた極値と(n−2)回目に
得られた極値との平均値を算出し、平均値と(n−1)
回目に得られた極値との中間値を真値データとして出力
する真値計算手段と、を備えて構成される。
【0033】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、位置表示手段
を部材の一方に備え、可動方向に幅ds を有するマーク
を可動方向に沿って幅di の間隙を隔てて連設する。
【0034】部材の他方には、第1検出手段と第2検出
手段とを備える。第1検出手段は、位置表示手段上の第
1検出点におけるマークの有無を判定し、マークの有無
に対応する第1検出信号を出力する。
【0035】第2検出手段は、第1検出点との距離を可
動方向に平行な線分に投射したときの投射長Dが、 n(ds +di )<D<n(ds +di )+ds (n=
0,1,2,…) という条件(条件1)、又は、 n(ds +di )+ds <D<(n+1)(ds
i ) という条件(条件2)、のいずれか一方を満たす位置表
示手段上の第2検出点におけるマークの有無を判定し、
マークの有無に対応する第2検出信号を出力する。
【0036】このため、第1検出点でマークの有無に伴
う立ち上がりエッジが検出されたときの第2検出信号の
論理状態と、第1検出点で立ち下がりエッジが検出され
たときの第2検出信号の論理状態と、は反対の論理状態
となる。同じように、第2検出点でマークの有無に伴う
立ち上がりエッジが検出されたときの第1検出信号の論
理状態と、第2検出点で立ち下がりエッジが検出された
ときの第1検出信号の論理状態と、の関係も反対の論理
状態となる。
【0037】よって、移動方向検出手段は、第1検出信
号の論理状態が反転するエッジタイミングにおける第2
検出信号の論理状態、及び、第2検出信号の論理状態が
反転するエッジタイミングにおける第1検出信号の論理
状態を判定することで、二つの部材の相対的な移動方向
を検出できる。
【0038】位置計算手段は、エッジタイミングが検出
される毎に得られる移動方向に基づいてカウント値を増
減し、増減したカウント値を換算(例えば、必要な倍率
を乗ずる。)することにより二つの部材の相対位置情報
を出力する。
【0039】請求項2に記載の発明によれば、マークの
幅ds と間隙の幅di とは等しい幅dを有し、投射長D
は、 D=(n+1/2)d という関係を有するので、エッジが検出されるタイミン
グは等間隔となる。よって、エッジが検出されるタイミ
ング毎に変換される位置情報は正確なものとなる。
【0040】請求項3に記載の発明によれば、位置表示
手段が一方の部材に備えられ、可動方向に幅ds を有す
るマークを可動方向に沿って幅di の間隙を隔てて連設
してなる。
【0041】部材の他方には、以下の条件を満たすM個
(Mは2以上の自然数)の検出点の各々からマークの有
無を判定し、マークの有無に対応する検出信号を各々出
力するM個の検出手段を備える。
【0042】上記M個の検出点のうち、共にマーク上に
位置する2つの検出点の間の関係では、一方の検出点が
位置表示手段上の一のマーク上における幅ds の中間点
にあるとき、他方の検出点がマークから可動方向にn番
目(n=0,1,2,…)のマーク上であって、両検出
点の間の距離を可動方向に平行な線分に投射したときの
投射長D1 が、 n(ds +di )−ds /2<D1 <n(ds +di
+ds /2 という条件(条件1)を満たす必要がある。
【0043】上記M個の検出点のうち、一方がマーク
上、他方が間隙に位置する2つの検出点の間の関係で
は、一方の検出点が前記中間点にあるとき、他方の検出
点は、可動方向に沿ってn番目のマークを介し一のマー
クの反対側に隣接する間隙上であって、両検出点の間の
距離を可動方向に平行な線分に投射したときの投射長D
2が、 n(ds +di )+ds /2<D2 <n(ds +di
+ds /2+di という条件(条件2)を満たす必要がある。
【0044】上記条件のいずれかを満たせば、いずれか
一の検出点によりマークの有無に伴う立ち上がりエッジ
が検出されたときの他の任意の検出点から得られる検出
信号の論理状態と、この一の検出点の立ち下がりエッジ
が検出されたときの当該他の検出点から得られる論理状
態とが反転する。
【0045】よって、M個の検出信号のうちいずれかの
検出信号の論理状態が反転するエッジタイミング毎にエ
ッジタイミングにおける他の一の検出信号の論理状態を
参照すれば、二つの部材の相対的な移動方向を検出する
ことができる。エッジタイミングが検出される毎にこの
移動方向と検出手段自らの検出位置情報に基づいてカウ
ント値を増減し、増減したカウント値を換算すれば、二
つの部材の相対位置情報が得られる。
【0046】請求項4に記載の発明によれば、マークの
幅ds と間隙の幅di とは等しい幅dを有し、M個の検
出手段は検出点の間の距離を可動方向に投射したときの
投射長D0 が、 D0 =d/M となるよう検出手段のそれぞれが可動方向に沿って順次
配置されているので、M個の検出信号のいずれかにエッ
ジタイミングが出現する間隔が等間隔となる。このた
め、このエッジタイミング毎に正確な位置計測が可能で
ある。
【0047】請求項5に記載の発明によれば、ロータリ
ーエンコーダにおいて、位置表示手段を回転又は回動さ
せることにより、カウント値が増減し、少ない検出手段
で正確な計数が可能なロータリーエンコーダを提供でき
る。
【0048】請求項6に記載の発明によれば、位置表示
手段に対する入力を振子手段としたので、装置全体を移
動体に搭載すれば、傾斜計として用いることができる。
請求項7に記載の発明によれば、基準角度マークを基準
角度マーク検出手段が検出するので、検出したときに、
位置計算手段のカウント値をリセットし、累積誤差を除
去して水準点への補正がなされる。
【0049】請求項8に記載の発明によれば、振動印加
手段が強制的に振子手段を回転又は揺動させるので、装
置が傾斜していても振子手段の振動により必ず基準角度
マークが検出され初期設定が可能である。
【0050】請求項9に記載の発明によれば、傾斜計測
工程は新たな傾斜角が与えられると周期的な振動を行い
真値に収束する傾斜角を示す傾斜計から傾斜角データを
測定する。極値検出工程は、傾斜計測工程の出力する傾
斜角データの変化率に基づいて傾斜角の変化の極大点又
は極小点を検出する。記憶工程は、極値検出工程により
極大点又は極小点が検出される毎にその極値を記憶す
る。真値計算工程は、n回目(nは自然数)に極値が得
られた際、n回目に得られた極値と(n−2)回目に得
られた極値との平均値を算出し、平均値と(n−1)回
目に得られた極値との中間値を真値データとして出力す
る。
【0051】請求項10に記載の発明によれば、傾斜計
は新たな傾斜角が与えられると周期的な振動を行い真値
に収束する傾斜角を示す傾斜角データを測定する。極値
検出手段は、傾斜計の出力する傾斜角データの変化率に
基づいて傾斜角の変化の極大点又は極小点を検出する。
記憶手段は、極値検出手段により極大点又は極小点が検
出される毎にその極値を記憶する。真値計算手段は、n
回目(nは自然数)に極値が得られた際、n回目に得ら
れた極値と(n−2)回目に得られた極値との平均値を
算出し、平均値と(n−1)回目に得られた極値との中
間値を真値データとして出力する。
【0052】
【実施例】本発明の傾斜計を利用した傾斜計測装置に係
る好適な実施例を図面を参照して説明する。
【0053】本実施例は自動車等にBSアンテナを搭載
した際に、BSアンテナを刻々と相対的な位置を変化さ
せる放送衛星の方角に向けるためのアンテナ追従装置に
関する。 (I)構成の説明 システム構成 図1に本実施例のアンテナ追従装置の全体図を示す。
【0054】図1に示すように、本実施例のアンテナ追
従装置は、自動車等の移動体に搭載されることを想定し
たものであり、移動体(ここでは自動車とする。)の姿
勢を検出する姿勢検出装置100と、姿勢検出装置10
0の検出した自動車の姿勢に対応してアンテナを向ける
べき方角を指定し、システムを制御するコントローラ2
00と、アンテナ本体300-1を含みコントローラ20
0の制御によりアンテナ本体300-1を任意の方位角、
又は、任意の仰角に向けることが可能なアンテナメカ3
00と、を備えて構成される。 姿勢検出装置の構成 図2に本発明の第1実施例の構成を示す。
【0055】図2に示すように、本実施例の姿勢検出装
置100は、自動車の姿勢を表示するための移動体の主
要3角度(ヨー(Yaw )、ピッチ(Pitch )、ロール
(Roll))のそれぞれの角度を検出した後、主要3角度
を座標変換してアンテナの追従制御に使用する。
【0056】ヨー角を検出する系統は、地磁気センサ2
2と振動ジャイロ28がセンサとして働く。地磁気セン
サ22は電子的に地磁気方位を検出するもので、互いに
直交する二つの検出コイルを有している。地磁気センサ
22は、二つの検出コイルの内部を通過する地磁気の磁
束密度を検出し地磁気の方向を検出するため、通常は水
平状態で使用する。
【0057】ソフトウェアジンバル23は、地磁気セン
サ22の出力を、ピッチ、ロールの角度に基づいて真値
の地磁気方位データに補正する。地磁気方位計算回路2
4は、ソフトウェアジンバル23の出力した補正した地
磁気方位角から、金属体である自動車の車体への着磁に
より生ずる磁界の影響を除去して、実際の地磁気方位を
検出する。
【0058】着磁ベクトル更新回路25は、着磁補正に
より得られた着磁ベクトルを短周期(例えば、25〔ms
ec〕)毎に更新する。重み付け加算回路26は、地磁気
方位検出系統に影響する外乱の影響を除去し、ヨー角θ
mny をヨー角の真値θy に収束させるための重み付け計
算を行う。
【0059】着磁補正回路27は、重み付け計算により
得られるヨー角の真値に基づいて、地磁気センサ22に
影響を与えている車体の着磁の影響を除去するための着
磁ベクトルを出力する。
【0060】振動ジャイロ28は、固有共振周波数で振
動する内部の音叉又は多角柱に働くコリオリの力を圧電
素子で検出し、振動ジャイロ28が備え付けられている
移動体の角速度を検出する。
【0061】オフセットリセット回路29は、積分によ
り角度を検出するために検出値にオフセットを保持し易
い振動ジャイロのオフセットを、自動車の直進進行時、
又は停止時にリセットする。
【0062】積分回路30は、振動ジャイロ29の計測
したヨー方向の角速度データを積分し、ヨー角に対応す
る電圧値を出力する。ピッチ角を検出する系統は、傾斜
計TMp と振動ジャイロ34がセンサとして働く。
【0063】傾斜計TMp は本発明に係わるものであ
り、自動車のピッチング方向への傾斜を検出する。但
し、この角度データは加速度の影響を受けるため、振動
ジャイロ34の出力データと併せて判断しなければなら
ない。傾斜計TMp の構成の詳細は後述する。
【0064】ピッチ角はロール角が0°以外のときに誤
差を生ずるので、ロール影響補正回路32は、別途検出
したロール角によりピッチ角に含まれるロール角による
誤差を補正する。
【0065】重み付け加算回路33は、加速度データ及
び傾斜計TMp の出力したデータθ mnp を利用して、絶
対座標角度計算回路21の出力したピッチ仮角度θanp
から加速度の影響を取り除き、ピッチ角の真値θp を出
力する。
【0066】振動ジャイロ34は、ピッチング方向の自
動車の角速度を検出する。オフセットリセット回路35
は、オフセットリセット回路29の動作と同様に、振動
ジャイロ34の出力に含まれるオフセット成分を除去す
る。
【0067】積分回路36は、振動ジャイロ34の検出
した角速度を積分し、自動車のピッチ角に対応する電圧
値を出力する。ロール角を検出する系統は、傾斜計TM
r と振動ジャイロ38がセンサとして働く。
【0068】傾斜計TMr は傾斜計TMp と同様に本発
明に係わるものであり、自動車のローリング方向への傾
斜角を検出する。その構成の詳細は後述する。傾斜計T
r で検出されるローリング方向への傾斜計は、ピッチ
角やヨー角の影響を受けないので、ロール角の系統で設
けたロール影響補正回路32のように他の角の影響を除
去する構成が必要ない。但し、この検出値は、自動車が
曲がるときに働く遠心力の影響を受けている。
【0069】重み付け加算回路41は、遠心力データ及
び傾斜計TMr の出力したデータθ mnr を用いて、絶対
座標角度計算回路21の出力したロール仮角度θanr
ら遠心力の影響を取り除き、ロール角の真値θr を出力
する。
【0070】振動ジャイロ38は、ローリング方向の自
動車の角速度を検出する。オフセットリセット回路39
は、オフセットリセット回路29の動作と同様に、振動
ジャイロ38の出力に含まれるオフセット成分を除去す
る。
【0071】積分回路40は、振動ジャイロ38の検出
した角速度を積分し、自動車のロール角に対応する電圧
値を出力する。絶対座標角度計算回路21は、積分回路
30の出力したヨーイング方向の角速度の積分電圧値、
積分回路36の出力したピッチング方向の角速度の積分
電圧値及び積分回路40の出力したローリング方向の角
速度の積分電圧値を入力し、振動ジャイロから得られた
角度として仮角度(θany 、θanp 、θanr )を出力す
る。
【0072】遠心力計算回路46は、エンジン制御系か
ら伝達される車速パルスPv とヨー角の振動ジャイロ2
8の出力とにより当該自動車の進行方向に対して直角方
向(横方向)への遠心力を算出する。
【0073】加速度計算回路47は、車速パルスPv
変化率に基づいて当該自動車の進行方向への加速度を計
算する。なお、加速度計算回路47は車速パルスPv
変化率によらず、直接加速度による力を検出する加速度
計を用いてもよい。
【0074】通常、放送衛星の位置は絶対座標系、則
ち、大地を基準として放送衛星を観察したときの座標で
与えられる。自動車からこの放送衛星の方角を得るため
には、姿勢検出回路100で得た自動車の主要3角度に
基づいて、絶対座標として与えられる放送衛星の位置を
相対座標に変換する必要がある。
【0075】そこで、上記のようにして得られた主要3
角度の真値は、更に座標変換される。座標変換回路42
は、重み付け加算回路26、33及び41から供給され
た補正後の主要3軸データ、則ち、ヨー角θy 、ピッチ
角θp 、ロール角θr を入力する。そして、コントロー
ラ200から与えられる受信目標となる放送衛星に関す
る方位角、仰角を表す絶対座標データ(X,Y,Z)に
基づいて、移動体座標系から放送衛星を見た場合の相対
座標(x,y,z)を出力する。
【0076】オイラー角変換回路44は、相対座標
(x,y,z)をオイラー角に変換し、車体座標系から
放送衛星を見た相対的な方位角、仰角を出力する。シリ
アル通信回路45は、相対的な方位角データ、仰角デー
タをコードとしてアンテナメカ300に通信する。
【0077】アンテナメカ300は、姿勢検出装置10
0から送信された方位角データ及び仰角データを入力し
てモータを駆動し、アンテナ本体300-1を指定された
方位角及び仰角方向に向ける。 傾斜計の構成 図3に傾斜計TMp 及びTMr として適用する傾斜計T
Mの構成を示す。
【0078】図3(A)は正面図であり、図3(B)は
側面図である。円板1は、ベアリング18及び19の作
用により支軸5を中心として回動自在にケース14に取
り付けられている。円板1の周囲には円周方向に一定幅
のスリット幅を有するスリットが一定の間隔をおいて周
設されたスリットSA が設けられている。また、円板1
上にはスリット列SA の他に、水準点を検出するための
スリットSB が設けられている。
【0079】スリットSB については、傾斜角が0°の
とき、スリットSB の開口部と非スリット部分との境界
が検出される必要がある。このため、振子の振動角の範
囲内では境界(エッジ)を中心に、例えば、右半球部分
は全て開口部、左半分が非開口部となるようなスリット
構造が好ましい。
【0080】振子2は重り3を下端部に有し、円板1の
裏側に固定され円板1とともに支軸5に揺動自在に固定
されている。従って、重り3に重力が加わることによ
り、円板1及び振子2は支軸5の周りを図1の矢印の方
向に揺動することになる。
【0081】フォトインタラプタ(Photo Interrupter
)PA1、PA2、PB は、凹形の溝の側面にそれぞれ発
光ダイオードとフォトトランジスタを擁してなる検出素
子である。この凹形の内部を横切る物体が光を透過させ
るか否かに応じて検出信号を出力する。
【0082】フォトインタラプタの間に当該円板1のス
リット列が位置するよう設けた場合、円板1上のスリッ
ト(開口部分)が当該フォトインタラプタの検出線を通
過するとフォトトランジスタに光が到達し、検出信号の
出力電圧は上昇する。また、スリットのない部分(非開
口部分)ではフォトトランジスタに光が到達しないの
で、検出信号の出力は上昇しない。
【0083】フォトインタラプタPA1、PA2は一定の距
離を隔てて所定の位置(例えば、円板1の下側)に、ス
リット列SA の設けられた円周上を走査するように設け
られている。フォトインタラプタPB はフォトインタラ
プタPA1、PA2とは離れた位置(例えば、円板1の上
部)であって、スリットPB の設けられた円周上を走査
するように設けられている。
【0084】図3において、フォトインタラプタPA1
スリット列SA の有無に応じて検出信号DA1を出力す
る。フォトインタラプタPA2はスリット列SA の有無に
応じて検出信号DA2を出力する。フォトインタラプタP
B はスリットSB の有無に応じて検出信号DB を出力す
る。フォトインタラプタPA1とPA2とは、それぞれの検
出信号が一定の移相差を有するような位置関係に設置さ
れる。この位置関係とは、フォトインタラプタの一方の
検出信号が立ち上がる時の他方の検出信号の論理状態
と、一方の検出信号が立ち下がる時の他方の検出信号の
論理状態時とが異なる様な位相関係に設置する。
【0085】図7における検出信号DA1とDA2との関係
はこの関係を示す例である。図7の例では、フォトイン
タラプタが、スリットの開口部を通過する時間長とスリ
ット間の光の透過しない部分(非開口部)を通過する時
間長とがほぼ同じ、則ちデューティー比が50%程度に
なるようにスリット列SA が設けられている。検出信号
A1とDA2との間にはαだけ位相量が存在するよう設置
される。
【0086】この位相量αは、図7の例のようにスリッ
トの幅ds と非開口部の間隙幅diとが等しいときは、
位相量αはスリット幅ds (間隙幅di )の半分(一周
期Tの4分の1)とするのが好ましい。
【0087】この条件に従えば、一方の検出信号のエッ
ジが検出されてから、他方の検出信号のエッジが検出さ
れるまでの円板の回転角が常に一定角となる。このた
め、エッジ毎に正確な角度を計測できるので、一周期当
たり(スリット及び間隙一組)4つの角度が得られる。
また、たとえ、位相量α又はスリット幅ds と間隙幅d
i との関係が条件を満たさない場合でも、半周期T/2
毎(エッジ2つ分)に計測される角度は一定である。こ
の場合でも、一周期当たり2つの角度が計測できる。
【0088】さて、モータ6は起動力をベルト7により
プーリ8に伝達する。プーリ8はピン10を突設してあ
り、このピン10はレバー11の中心に設けられた案内
溝11-1に摺動自在に嵌挿されている。
【0089】レバー11は支点9で軸支され、ピン11
-2によりアーム13に軸着されている。アーム13は、
ケース14に突設されたガイドピン12をアーム13の
中心軸に沿って設けられた案内溝13-1に嵌挿し、アー
ム13はガイドピン12に沿って摺動する。
【0090】アーム13上の突起15及び16は、アー
ム13がガイドピン12によって往復動作をするとき、
振子2の上部に突設されたピン4に当該突起15及び1
6が当たるように設けられている。
【0091】従って、モータ6が回転するとプーリ8
が、回転しプーリ8に突設されたピン10の作用により
レバー11が左右に揺動する。レバー11が揺動すると
ピン11-2で軸着されたアーム13が、ガイドピン12
に沿って左右に往復動作する。アーム13が往復動作す
ると、突起15及び16が振子4に突設されたピン4に
当たり、振子2全体を揺動させる。 信号処理ブロック 図4に実施例の傾斜計の信号処理ブロック図を示す。
【0092】図4に示すように、本実施例の傾斜計TM
の信号処理ブロックはマイクロコンピュータ50を中心
として構成される。波形エッジ検出回路60は、フォト
インタラプタPB からの検出信号の立ち上がりエッジ及
び立ち下がりエッジを検出して割込信号DB ’を出力す
る。
【0093】波形エッジ検出回路61は、フォトインタ
ラプタPA1から検出信号DA1、PA2から検出信号DA2
入力する。そして、それぞれの検出信号の立ち上がりエ
ッジ及び立ち下がりエッジでを検出し、それぞれ割込信
号DA1’及びDA2’を出力する。
【0094】マイクロコンピュータ50は、予め設定さ
れたプログラムに従って、所定の処理手順で動作する。
この動作は後述する。マイクロコンピュータ50内部に
おいて、以下の信号処理ブロックに分割できる。
【0095】カウンタリセット部51は、検出信号DB
のエッジが検出されるとパルスカウンタ部53のカウン
タ値をリセット(例えば、「0」)する。カウンタリセ
ット部51の動作は、実際には検出信号DB ’によるマ
イクロコンピュータ50への割込処理要求に対応して行
われる。マイクロコンピュータ50は、この割込処理要
求に応じて、割込処理プログラムINT3を実行する。
【0096】方向判別部52は検出信号DA1及びDA2
入力し、検出信号DA1及びDA2のエッジが検出されたと
き(検出信号DA1’及びDA2’が入力されたとき)の両
検出信号の論理状態により方向を検出する。
【0097】パルスカウント部53は、波形エッジ検出
部61によりエッジが検出されるときに方向判別部52
が検出した方向に対応させて、カウント値をカウントア
ップ又はカウントダウンする。初期値は、マイクロコン
ピュータ50の初期設定によって与えられる他、カウン
タリセット部51の指示によりリセットされる。
【0098】極値判別部54は、方向判別部52により
検出された方向を監視し、当該方向が変化したとき極大
点又は極小点であることを検出する。真値計算部55
は、極値判別部54により極値点が検出されたときのパ
ルスカウント部53の値を極値として記憶し、所定数の
極値が記憶されると平均化計算を行い真値の傾斜角を出
力する。
【0099】現在位置取得部56はタイマを有してお
り、前回の極値検出から一定時間新しい極値の検出がさ
れないとき、パルスカウント部53が出力しているカウ
ント値を真値として出力する。
【0100】シリアルデータ出力部57は得られた真値
のカウント値を角度値に換算してシリアルデータとして
出力する。例えば、本装置による分解能が0.1°のと
きはカウント値を1/10して角度データに変換する。
【0101】表示回路62は、マイクロコンピュータ5
0の出力した角度データを表示する。 (II)動作の説明 次に動作を説明する。 全体動作 図2に示すように、本実施例の姿勢検出装置100は、
主要3角度の各角度当たり2つのセンサを用いて自動車
の姿勢を検出する。
【0102】一般に、振動ジャイロは角速度を検出する
ため、短時間の角度の変化に対して正確な値を出力する
が、角度値を得るために積分動作が必要となるため誤差
を累積し易い。
【0103】一方、地磁気センサは水平状態では正確な
方位角を示すが、地磁気センサ自体が傾いているときは
偏位した不正確な値を出力する。また、傾斜計は静的な
状態では正確な値を出力するが、自動車の移動体に搭載
している場合には遠心力、加減速による加速度の影響を
受けるため誤差を生じ易い。
【0104】本実施例では、上記のセンサ同士の性質の
違いを利用する。具体的には、振動ジャイロの出力を基
本とし、振動ジャイロが含むオフセット、誤差を適正な
使用状態で正確な値を出力する地磁気センサ、傾斜計を
用いて補正する。
【0105】ピッチング方向では、傾斜計TMp は、遠
心力計算回路46が遠心力を検出していないとき、計測
されたピッチング方向の傾斜角を重み付け加算回路33
に出力する。重み付け加算回路33は、振動ジャイロ3
4の出力する角速度を積分し、角度計算した仮角度θ
anp に対して傾斜計TMp の出力した傾斜角θmnp で重
み付け加算し、ピッチ角の真値θp を出力する。
【0106】また、ローリング方向では、傾斜計TMr
は、加速度計算回路47が加速度を検出していないと
き、計測されたローリング方向の傾斜角を重み付け加算
回路41に出力する。重み付け加算回路41は、振動ジ
ャイロ38の出力する角速度を積分し角度計算した仮角
度θanr に対して、傾斜計TMr の出力した傾斜計θmn
r で重み付け加算し、ロール角の真値θr を出力する。
【0107】ヨーイング方向では、ソフトウェアジンバ
ル23が真値のピッチ角θp 、ロール角θr を用いて地
磁気センサ22の傾きによる誤差を補正する。重み付け
加算回路26は振動ジャイロ28より得られた仮偏位角
θany を地磁気センサ22より得られた方位角θmny
より重み付け演算を行い、ヨー角の直値θy を出力す
る。
【0108】座標変換回路42は、上記の動作で得られ
た真値のヨー角θy 、ピッチ角θp、ロール角θr を座
標変化し、オイラー角変換回路44がアンテナメカ30
0を動かすに為の相対的な仰角、方位角データを出力す
る。 傾斜計の動作 次に、傾斜計の動作を図5及び図6のフローチャートを
参照しながら説明する。
【0109】本傾斜計TMは基準角度、則ち、水準点
(角度0°)でカウンタリセットし、そこからの相対角
度を検出する構成である。そのため、電源投入時に傾斜
計TMが所定量傾いていると、水準点を検出できないた
め、出力される角度に大きなオフセットを含む。
【0110】そのため、マイクロコンピュータ50は初
期設定ルーチン(ステップS0)において、モータ6
(図3参照)を駆動し、アーム13を往復動作せる。す
るとアーム13の突起15及び16が振子2のピン4を
動かし、振子2の全体が揺動する。
【0111】本傾斜計TMでは、振子2が水準点でスリ
ットSB のエッジがフォトインタラプタPB により検出
されるように、スリットSB 及びフォトインタラプタP
B が設けられている。よって、強制的な振子2の振動に
よりスリットSB のエッジがフォトインタラプタPB
横切ると、検出信号DB にエッジが生ずる。これが波形
エッジ検出回路60で割込要求信号DB ’とされる。
【0112】割込要求信号DB ’によりマイクロコンピ
ュータ50は割込処理INT3(図6(C)参照)を行
う。則ち、ステップS31で、カウンタリセット部51
(図4)がパルスカウント部53のカウント値をゼロと
する。
【0113】初期設定が終了すると、マイクロコンピュ
ータ50は定期的にパルスカウンタ部53に保持される
カウンタ値が変化したか否かを検査する(ステップS
1)。さて、カウンタ値の増減は図6(A)(B)に示
す割込処理において行われる。
【0114】i)カウンタ動作 カウンタ動作の詳細を図7のタイミングチャートを参照
しながら説明する。図7において、時刻t1 からtR
では、傾斜計TMは時計回りに回転し、傾斜を増す方向
に円板1が回転している。時刻tR で円板1の回転は反
時計方向に変わるものとする。
【0115】時刻t1 において、検出信号DA2が立ち下
がると、割込要求信号DA2’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT2(図6(B)参照)が
行われる。この時、検出信号DA2はLレベルであり(ス
テップS21:L)、検出信号DA1はLレベルを示して
いるため(ステップS24:L)、カウンタ値がインク
リメントされる(ステップS23)。
【0116】時刻t2 において、検出信号DA1が立ち上
がると、割込要求信号DA1’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT1(図6(A)参照)が
行われる。この時、検出信号DA1はHレベルであり(ス
テップS11:H)、検出信号DA2はLレベルを示して
いるため(ステップS12:L)、カウンタ値がインク
リメントされる(ステップS15)。
【0117】時刻t3 において、検出信号DA2が立ち上
がると、割込要求信号DA2’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT2が行われる。この時、
検出信号DA2はHレベルであり(ステップS21:
H)、検出信号DA1はHレベルを示しているため(ステ
ップS22:H)、カウンタ値がインクリメントされる
(ステップS23)。
【0118】時刻t4 において、検出信号DA1が立ち下
がると、割込要求信号DA1’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT1が行われる。この時、
検出信号DA1はLレベルであり(ステップS11:
L)、検出信号DA2はHレベルを示しているため(ステ
ップS14:H)、カウンタ値がインクリメントされる
(ステップS15)。
【0119】円板1が時計方向に回転し続けると上記の
動作を以下この繰り返し、カウンタ値が1ずつ上昇して
いく。さて、時刻t5 において、スリットSB のエッジ
部分がフォトインタラプタP B を通過すると(水準点を
振子2が通過すると)、割込要求信号DB ’により割込
処理INT3(図6(C)参照)が行われ、カウンタ値
がそれまでカウントした値によらず、リセットされる。
【0120】従って、このリセット動作の働きにより水
準点を検出する度(時刻t5 、t10等)にカウンタはリ
セットされ、累積誤差の発生を除去できる。時刻tR
おいて、円板1の回転方向が反時計回りに変わると、今
度はマイクロコンピュータ50はカウントダウンを行
う。
【0121】時刻t6 において、検出信号DA1が立ち上
がると、割込要求信号DA1’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT1(図6(A)参照)が
行われる。この時、検出信号DA1はHレベルであり(ス
テップS11:H)、検出信号DA2はHレベルを示して
いるため(ステップS12:H)、カウンタ値がデクリ
メントされる(ステップS13)。
【0122】時刻t7 において、検出信号DA2が立ち下
がると、割込要求信号DA2’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT2が行われる。この時、
検出信号DA2はLレベルであり(ステップS21:
L)、検出信号DA1はHレベルを示しているため(ステ
ップS24:H)、カウンタ値がデクリメントされる
(ステップS25)。
【0123】時刻t8 において、検出信号DA1が立ち下
がると、割込要求信号DA1’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT1が行われる。この時、
検出信号DA1はLレベルであり(ステップS11:
L)、検出信号DA2はLレベルを示しているため(ステ
ップS14:L)、カウンタ値がデクリメントされる
(ステップS13)。
【0124】時刻t9 において、検出信号DA2が立ち上
がると、割込要求信号DA2’がマイクロコンピュータ5
0に供給され、割込処理INT2が行われる。この時、
検出信号DA2はHレベルであり(ステップS21:
H)、検出信号DA1はLレベルを示しているため(ステ
ップS22:L)、カウンタ値がデクリメントされる
(ステップS25)。
【0125】ii)角度検出処理 さて、振子2(図3参照)の振動により円板1が回転
し、上記割込処理によりパルスカウンタ部53(図4参
照)のカウンタ値に変化が生ずると(図5:ステップS
1:Yes)、カウンタ値がパルスカウンタ部53より
取得される(ステップS2)。
【0126】一方、方向判別部52は、2つの検査信号
の論理状態を検査することにより、現在円板1が時計回
りに回転しているのか、反時計回りに回転しているの
か、を検出している。例えば、時計回りのとき「1」、
反時計周りのとき「0」となる信号を極値判別部54に
出力する。
【0127】ステップS3において、前回の回転方向と
今回取得された回転方向とが同一の場合(ステップS
3:Yes)、現在位置取得部56で角度データの出力
が1秒以上行われていないか否かを検査する(ステップ
S9)。
【0128】1秒以内に角度データを出力していれば
(ステップS9:No)、振子2が振動状態である。こ
のためカウンタ値が急激な変化をしている最中なので、
カウンタ値を角度データに変換しデータ出力する(ステ
ップS7)。
【0129】1秒以上角度データを出力していない場合
(ステップS9:Yes)、振子2は収束し、現在のカ
ウンタ値は角度の真値に近似する値となっている。この
ため、パルスカウンタ部53より現在位置取得部56が
現在のカウンタ値を取得して、現在の角度データとして
出力する(ステップS7)。このような場合としては、
傾斜がゆっくり単調に増加又は減少する場合、全くの静
的状態が上げられる。
【0130】さて、ステップS3において、前回の回転
方向と今回取得された回転方向が異なるとき、振子2の
振動が極大点又は極小点に達して反対方向に円板1が回
転を始めたと考えられる。このため、極値判別部54は
このときのカウント値を極値として記憶する(ステップ
S4)。
【0131】ステップS5及びS6において、本発明に
係る真値計算が行われる。図8に真値計算の原理説明図
を示す。図8に示す波形では、ステップS4において記
憶される極値は、極点P1 での極大値a1 、極点P2
おける極小点a2 、現在の極点P3 における極大値a3
等となる。本実施例では、振子の振幅が収束する前に3
つの極点を検出した段階で真値の角度データを計算す
る。
【0132】ステップS5において、現在測定した極点
を含め3つの極点の極値が記憶されていると(ステップ
S5:Yes)、真値計算部55は真値計算を行う(ス
テップS6)。
【0133】例えば、現在P3 の極大点での極値データ
が得られたとき、まず、真値計算部55は極点P1 での
極大値a1 と極点P3 での極大値a3 との平均を計算
し、平均化した極大値a2 ’を算出する。次に、平均し
て得た極大値a2 ’と計測して得た極小点a2 との平均
を演算する。
【0134】図8から判るように、振子の振動に伴って
生ずる極値のエンベロープは自然対数的に減衰してい
く。しかし、通常振子の時定数は非常に大きいので、振
子の振動の1周期から2周期の間では近似的に直線的に
減衰していく、と仮定できる。
【0135】従って、上記2回の平均計算を行って得ら
れる計算上の真値a0 ’と実際の真値a0 とはほぼ同一
の値となると考えられる。同様に、次の新たな極小値と
してa4 が得られた場合、まず、真値計算部55は極小
値a2 と極小値a4 との平均を計算し、これをa3 ’と
する。そして、計測して得た極大値a3 と平均して得た
極小値a3 ’との平均を計算する。
【0136】以降、新たな極値が検出される毎に、上記
と同様の手順に従って演算をおこない、より誤差の少な
い真値データを算出する。ステップS6では、新たな真
値が得られる度に、これを角度データに換算して表示回
路62に出力する(ステップS7)。
【0137】ステップS8では計測が継続される限り
(ステップS8:No)上記動作(ステップS1〜S
7)が繰り返される。 実施例の特性 i)分解能について 図7から判るように、本実施例ではスリット1つが通過
する間に4つのエッジが検出され、その度毎にカウンタ
値の増減が行われる。このため、実際のスリットの数の
4倍の検出点を有し4倍の分解能が得られる。
【0138】このため、本実施例のようなBSアンテナ
の追従装置においては、分解能は0.1°程度あれば十
分アンテナの追従動作が可能である。従って、スリット
列S A のスリットのピッチは、円板1の円周上に0.4
°毎に配置すればよい。
【0139】また、スリット幅と間隙のピッチが異なる
場合、位相角がスリット幅の1/2に調整されていない
場合でも、2倍の分解能は確保できる。ii)応答特性について 図9(A)に従来の傾斜計の出力特性、図9(B)に本
実施例の傾斜計の出力特性を示す。
【0140】図9(A)に示すように、従来では変化点
で傾斜計の傾斜が急激に変化すると、ローパスフィルタ
の働きにより図の破線の様な出力が得られた。そして、
このローパスフィルタの出力が十分に収束する点(検出
点)で始めて真値の角度データを得ていた。
【0141】例えば、カットオフ周波数0.2〔Hz〕、
減衰特性−12〔dB/oct〕の2次のローパスフィルタを
使用したとすると、傾斜計の出力が真値から1%の誤差
以内に収束するのに5秒以上かかっていた。移動平均を
計算する方法でも真値を得るまでの時間は同程度であっ
た。
【0142】これに対し、図9(B)に示すように、本
実施例では3つの極値が検出した段階で真値が出力でき
る。図9(B)のように、変化点の後の極点をそれぞれ
1〜P4 とすると、P3 の検出が終了した段階で傾斜
計は真値の出力が可能である。
【0143】振子の固有振動周期をTとすると、真値計
算に必要な時間tは、 T<t<1.5T となる。周期Tを0.5〔sec 〕とすると、 0.5〔sec 〕<t<0.75〔sec 〕 となり、大幅に応答時間を短縮している。 (III )実施例の効果 上記のように、本実施例によれば、位相差を有する2つ
のフォトインタラプタと一つのスリットを検出するのみ
で、0.1°を越える高い分解能を実現できる。
【0144】また、本実施例によれば、3つの極値から
真値を演算するので、従来なら5秒程度は必要な検出時
間を0.75秒以下で検出できる。このため、オフロー
ドを走行する自動車のように、頻繁に移動体の傾斜が変
化する環境であっても、常に正確な傾斜を検出でき、こ
れに基づいて、放送衛星の方向に正確にBSアンテナを
追従させることができる。 (IV)その他の変形例 第1変形例 上記実施例では、検出手段としてフォトインタラプタ2
つのみを用いていたが、さらに検出手段を増やしてもよ
い。
【0145】この構成は請求項3及び4に関する。則
ち、M個(Mは2以上の自然数)のフォトインタラプタ
によりスリット列S A 上のM個の検出点の各々から検出
信号を得るようにする。
【0146】そして、M個の点の任意の二つの検出点の
うち、一方の検出点が一のスリット内における幅ds
中間点に位置するとき、他方の検出点がスリットから前
記可動方向にn番目(n=0,1,2,…)のスリット
内であって、両検出点の間の距離を円周方向へ投射した
ときの投射長D1 が n(ds +di )−ds /2<D1 <n(ds +di )+ds /2 …(1) という条件となるような位置関係にそれぞれのフォトイ
ンタラプタを保持する。
【0147】また、M個の検出点の任意の二つの検出点
のうち、一方の検出点がスリット内の中間点に位置する
とき、他方の検出点がn番目のスリットを介し一のスリ
ットの反対側に隣接する間隙上であって、両検出点の間
の距離を円板の接線に投射したときの投射長D2 が n(ds +di )+ds /2<D2 <n(ds +di )+ds /2+di …(2) という条件となるようフォトインタラプタを保持しても
よい。
【0148】上記条件に従えば、検出信号のエッジ部分
が重なることがない。また、いずれかのフォトインタラ
プタによる検出信号が立ち上がりエッジを検出するとき
の他の任意の検出信号における論理状態と、立ち下がり
エッジを検出するときのこの他の任意の検出信号におけ
る論理状態と、が常に反転している。
【0149】従って、移動方向検出手段は、一つのフォ
トインタラプタの検出信号に対応させて、移動方向を検
出すべき他の一つのフォトインタラプタによる検出信号
を定める。
【0150】このようにすれば、全ての検出信号に対し
てそのエッジが検出されたときに円板の移動方向が定ま
る。この変形例によれば、フォトインタラプタは半径方
向に設ければよいので、その数が多くなっても従来のよ
うな支障がない。また、スリット幅ds と間隙diとを
等しいピッチdとし、フォトインタラプタによる検出点
をD0 =d/Mを満たすような間隔で設ければ、エッジ
が入力される毎の円板の角偏位が常に一定となる。この
とき、得られる分解能はスリットの数の2M倍もの分解
能が得られる。
【0151】また、検出点の間隔が上記条件をはずれて
も、スリット幅ds と間隙幅di とが等しく、式
(1)、(2)の関係を満たす限り、少なくともM倍の
分解能が得られる。 第2変形例 上記実施例の傾斜計TMは一般的なロータリーエンコー
ダとしても用いることができる。
【0152】この場合には、図1の傾斜計からは、振子
2や重り3と、水準点を検出するためのモータ6、レバ
ー11、アーム13等の構成を取り除き、支軸5に入力
すべき機構、例えば、ユーザにより操作されるダイヤル
等を連結する。また、図4の信号処理ブロックの構成か
ら極値判別部54、真値計算部55、現在位置取得部5
6を取り除き、パルスカウント部53によるカウント値
を直接出力するように構成する。このように構成すれ
ば、ユーザのダイヤル等の操作に応じてカウント値が増
減するロータリーエンコーダが提供できる。 第3変形例 さらに、本実施例の様に、傾斜計測装置としての他、本
発明は直線上の相対位置を計測可能な位置計測装置に適
用することも可能である。本発明をこの位置計測装置と
して使用するには、直線的なレール手段、ガイド手段の
上に上記実施例と同様なスリットを直線的に設け、自動
車、リニアモータカー等のような移動体にフォトインタ
ラプタと信号処理ブロックを設けることで、直線方向に
おける相対位置を検出する。
【0153】
【発明の効果】上記したように請求項1に記載の発明に
よれば、第1検出点は第2検出手段が検出する第2検出
点と条件式に従う距離離れている。よって、両検出信号
のうち一方の検出信号の立ち上がりエッジでの他方の検
出信号の論理状態と、他方の検出信号の立ち下がりエッ
ジでの他方の検出信号の論理状態と、が異なる。
【0154】したがって、移動方向検出手段がこれを両
検出信号より移動方向を検出し、エッジタイミング毎に
カウンタ手段がカウント値を増減する。マーク幅と間隙
幅が等しい条件で、このカウント値を回数度量に変換す
る演算を行えば、マークの数を単純にカウントするより
少なくとも2倍もの分解能が得られる。また、同時に読
み取る位置検出のためのマークは一列のみでよく、従来
のように多数の検出手段を必要としないので、小型で経
済的な位置計測装置が得られる。
【0155】請求項3に記載の発明によれば、M個の検
出点のうちいずれの二つの検出点でも条件式を満たす。
よって、任意の二つの検出点から得られる検出信号は、
一方の検出信号の立ち上がりエッジでの他方の検出信号
の論理状態と、他方の検出信号の立ち下がりエッジでの
他方の検出信号の論理状態と、が異なる。
【0156】よって、移動方向検出手段にエッジが入力
される毎にエッジタイミングの検出信号に対して定めら
れるいずれかの検出信号の論理状態を参照することによ
り、エッジタイミング毎の移動方向が判る。マーク幅と
間隙幅が等しい条件で、位置計測装置がこれを位置情報
に換算することで、マークの数を単純に計数するより少
なくともM倍もの分解能が得られる。これだけ分解能が
上昇しても必要な位置表示手段は1列で済む。また、半
径方向に多くの検出手段を設ける必要がない。
【0157】さらに、同時に読み取る位置検出のための
マークは一列のみでよい。このため、多数の検出手段が
あっても従来のように可動方向に垂直な方向に検出手段
を並べる必要がないので、小型で経済的な位置計測装置
が得られる。
【0158】請求項2及び請求項4に記載の発明によれ
ば、条件式により、検出信号には均等な間隔でエッジが
入力される。よって、請求項2ではマーク自体の分解能
の4倍の分解能が得られ、請求項4ではマーク自体の分
解能の2M倍もの分解能が得られる。
【0159】請求項5に記載の発明によれば、位置表示
手段を円周状のマークとし位置計算手段が計数手段とし
て働くので、請求項1乃至請求項4の効果を有するロー
タリーエンコーダを提供できる。特に、位置表示手段が
一列のみでよいため、位置表示手段が半径方向に大きく
する必要がなく、非常に小型のロータリーエンコーダが
作成できる。
【0160】請求項6に記載の発明によれば、装置全体
の傾きにより振子手段と角度表示板が重力方向に伴って
角偏位することによって検出手段は現在の角偏位に対応
するマークを検出し、位置計算手段がこのマークに伴う
カウント値を角度に変換するので、請求項1乃至請求項
4の効果を有する傾斜計が提供できる。
【0161】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
の効果に加えて、基準角度(例えば、角度0°)を振子
手段が通過する度に基準角度マーク検出手段によって基
準角度マークが検出され、この検出値が位置検出手段の
カウント値をリセットするので、振子手段の振動により
振子手段が基準角度を通過する度にカウント値のリセッ
トが可能となり、誤差が累積されることなく常に正しい
値を出力することができる。
【0162】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
の効果に加えて、振動印加手段が強制的に振子手段を振
動させるので、電源投入当初から傾斜計が傾いていて
も、振子手段は必ず基準角度を通過し、任意のタイミン
グで基準角度の検出ができる。
【0163】請求項9及び請求項10に記載の発明によ
れば、振子手段等の振動により測定される傾斜角に変動
がある度に傾斜角データが入力される。この傾斜角デー
タの変化の方向が正方向から負方向又は負方向から正方
向に移り変わる点で極大点又は極小点の極値検出がなさ
れ、この極値を記憶する。そして、前々回の極値と今回
の極値との平均値をとりさらにこの平均値と前回の極値
との平均をとると、得られる値は真値となるので、振子
等の水準検出手段が大きく揺れていても短時間に真値の
計測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のアンテナ追従装置の全体図である。
【図2】実施例の姿勢検出装置の構成図である。
【図3】実施例の傾斜計の構成図である。
【図4】実施例の傾斜計の信号処理ブロック図である。
【図5】実施例の傾斜計の信号処理フローチャートであ
る。
【図6】実施例の傾斜計の割込動作を示すフローチャー
トである。
【図7】実施例の傾斜計のタイミングチャートである。
【図8】本発明の傾斜計の原理説明図である。
【図9】傾斜計の出力特性の説明図である。
【図10】従来のデジタル式傾斜計の説明図である。
【図11】アブソリュート形ロータリーエンコーダのス
リット例である。
【符号の説明】
TM、TM1 、TM2 …傾斜計 PA1、PA2、PB …フォトインタラプタ 100…姿勢検出回路 200…コントローラ 300…アンテナメカ 300-1…アンテナ本体 1…円板 2…振子 3…重り 4、10…ピン 5…支軸 6…モータ 7…ベルト 8…プーリ 9…支点 11…レバー 12…ガイドピン 13…アーム 14…ケース 15、16…突起 18、19…ベアリング 21…絶対座標角度計算回路 22…地磁気センサ 23…ソフトウェアジンバル 24…地磁気方位計算回路 25…着磁ベクトル補正回路 26、33、41…重み付け計算回路 27…着磁補正回路 28、34、38…振動ジャイロ 29、35、39…オフセットリセット回路 30、36…積分回路 32…ロール影響補正回路 42…座標変換回路 43…ベクトル変換回路 44…オイラー角変換回路 45…シリアル通信回路 46…遠心力計算回路 47…加速度計算回路 50…マイコン 51…カウンタリセット部 52…方向判別部 53…パルスカウント部 54…極値判別部 55…真値計算部 56…現在位置取得部 57…シリアルデータ出力部 60、61…波形エッジ検出回路 62…表示回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/12 D (72)発明者 栗原 正樹 埼玉県川越市大字山田字西町25番地1 パ イオニア株式会社川越工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に可動とされる二つの部材間の相
    対位置を検出するための位置計測装置であって、 前記部材の一方には、可動方向に幅ds を有するマーク
    を当該可動方向に沿って幅di の間隙を隔てて連設して
    なる位置表示手段を備え、 前記部材の他方には、前記位置表示手段上の第1検出点
    における前記マークの有無を判定し、当該マークの有無
    に対応する第1検出信号を出力する第1検出手段と、前
    記第1検出点との距離を前記可動方向に平行な線分に投
    射したときの投射長Dが、 n(ds +di )<D<n(ds +di )+ds (n=
    0,1,2,…) という条件、又は、 n(ds +di )+ds <D<(n+1)(ds
    i ) という条件、のいずれか一方を満たす前記位置表示手段
    上の第2検出点における前記マークの有無を判定し、当
    該マークの有無に対応する第2検出信号を出力する第2
    検出手段と、を備え、 前記第1検出信号の論理状態が反転するエッジタイミン
    グにおける前記第2検出信号の論理状態、及び、前記第
    2検出信号の論理状態が反転するエッジタイミングにお
    ける前記第1検出信号の論理状態に基づいて前記二つの
    部材の相対的な移動方向を検出する移動方向検出手段
    と、 前記エッジタイミングが検出される毎に得られる前記移
    動方向に基づいてカウント値を増減し、当該増減したカ
    ウント値を換算することにより前記二つの部材の相対位
    置情報を出力する位置計算手段と、 を備えたことを特徴とする位置計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位置計測装置におい
    て、 前記マークの幅ds と前記間隙の幅di とは等しい幅d
    を有し、前記投射長Dは、 D=(n+1/2)d という関係を有することを特徴とする位置計測装置。
  3. 【請求項3】 相対的に可動とされる二つの部材間の相
    対位置を検出するための位置計測装置であって、 前記部材の一方には、可動方向に幅ds を有するマーク
    を当該可動方向に沿って幅di の間隙を隔てて連設して
    なる位置表示手段を備え、 前記部材の他方には、前記位置表示手段上のM個(Mは
    2以上の自然数)の検出点の各々から前記マークの有無
    を判定し、当該マークの有無に対応する検出信号を各々
    出力するM個の検出手段であって、 前記M個の検出点の中での任意の二つの検出点のうち、
    一方の検出点が一の前記マーク上における前記幅ds
    中間点に位置するとき、他方の検出点が前記一のマーク
    から前記可動方向にn番目(n=0,1,2,…)のマ
    ーク上であって、当該両検出点の間の距離を前記可動方
    向に平行な線分に投射したときの投射長D1 が、 n(ds +di )−ds /2<D1 <n(ds +di
    +ds /2 という条件、又は、 前記M個の検出点の中での任意の二つの検出点のうち、
    一方の検出点が前記中間点に位置するとき、他方の検出
    点が前記n番目のマークを介し前記一のマークの反対側
    に隣接する前記間隙上であって、当該両検出点の間の距
    離を前記可動方向に平行な線分に投射したときの投射長
    2 が、 n(ds +di )+ds /2<D2 <n(ds +di
    +ds /2+di という条件、のいずれか一方を満たす前記M個の検出手
    段を備え、 前記M個の検出信号のうちいずれかの検出信号の論理状
    態が反転するエッジタイミング毎に当該エッジタイミン
    グにおける他の一の検出信号の論理状態を参照して前記
    二つの部材の相対的な移動方向を検出する移動方向検出
    手段と、 前記エッジタイミングが検出される毎に得られる前記移
    動方向に基づいてカウント値を増減し、当該増減したカ
    ウント値を換算することにより前記二つの部材の相対位
    置情報を出力する位置計算手段と、 を備えたことを特徴とする位置計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の位置計測装置におい
    て、 前記マークの幅ds と前記間隙の幅di とは等しい幅d
    を有し、前記M個の検出手段は、検出点の間の距離を前
    記可動方向に投射したときの投射長D0 が、 D0 =d/M となるよう前記検出手段のそれぞれが前記可動方向に沿
    って順次配置されていることを特徴とする位置計測装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4に記載の位置計測
    装置を備えたロータリーエンコーダにおいて、 前記位置表示手段は回転又は回動自在に設けられ、当該
    位置表示手段の円周方向に前記マークを周設してなり、 前記位置計算手段は、前記カウント値を前記位置表示装
    置の回転量に対応する数値情報を出力することを特徴と
    するロータリーエンコーダ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4に記載の位置計測
    装置を備えた傾斜計において、 前記位置表示手段は、揺動自在に設けられた振子手段
    と、前記振子手段と一体として揺動又は回動し前記マー
    クを円周方向に周設してなる角度表示板と、を備え、 前記位置計算手段は、前記カウント値を角度情報に換算
    して出力することを特徴とする傾斜計。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の傾斜計において、 前記角度表示板は、前記周設されたマークの他に基準角
    度を検出するための基準角度マークを備え、 前記基準角度マークを検出する基準角度マーク検出手段
    と、 前記角度表示板の回動に伴って前記基準角度マーク検出
    手段により前記基準角度マークが検出されたとき、前記
    位置計算手段のカウント値をリセットする基準位置リセ
    ット手段と、を備えたことを特徴とする傾斜計。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の傾斜計において、 前記振子手段を強制的に回転又は揺動させ、前記基準角
    度マーク検出手段に前記基準角度マークを検出させるた
    めの振動印加手段を備えたことを特徴とする傾斜計。
  9. 【請求項9】 新たな傾斜角が与えられると周期的な振
    動を行い真値に収束する傾斜角を示す傾斜計から傾斜角
    データを測定する傾斜計測工程と、 前記傾斜計測工程の出力する前記傾斜角データの変化率
    に基づいて前記傾斜角の変化の極大点又は極小点を検出
    する極値検出工程と、 前記極値検出工程により極大点又は極小点が検出される
    毎にその極値を記憶する記憶工程と、 n回目(nは自然数)に極値が得られた際、当該n回目
    に得られた極値と(n−2)回目に得られた極値との平
    均値を算出し、当該平均値と(n−1)回目に得られた
    極値との中間値を真値データとして出力する真値計算工
    程と、 を備えたことを特徴とする傾斜計測方法。
  10. 【請求項10】 新たな傾斜角が与えられると周期的な
    振動を行い真値に収束する傾斜角を示す傾斜角データを
    測定する傾斜計と、 前記傾斜計の出力する前記傾斜角データの変化率に基づ
    いて前記傾斜角の変化の極大点又は極小点を検出する極
    値検出手段と、 前記極値検出手段により極大点又は極小点が検出される
    毎にその極値を記憶する記憶手段と、 n回目(nは自然数)に極値が得られた際、当該n回目
    に得られた極値と(n−2)回目に得られた極値との平
    均値を算出し、当該平均値と(n−1)回目に得られた
    極値との中間値を真値データとして出力する真値計算手
    段と、 を備えたことを特徴とする傾斜計測装置。
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