JP2578842B2 - 光学式方位測定装置による方位測定方法及びその方位測定方法に用いる装置 - Google Patents

光学式方位測定装置による方位測定方法及びその方位測定方法に用いる装置

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JP2578842B2 JP62286807A JP28680787A JP2578842B2 JP 2578842 B2 JP2578842 B2 JP 2578842B2 JP 62286807 A JP62286807 A JP 62286807A JP 28680787 A JP28680787 A JP 28680787A JP 2578842 B2 JP2578842 B2 JP 2578842B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、Sagnac効果を利用したリングレーザージャ
イロ、光ファイバジャイロ等の光学的ジャイロスコープ
を使用した光学式方位測定装置により、緯度、方角等の
方位を測定する方位測定方法及びこの方位測定方法に用
いる装置に関する。
(従来の技術) 近時、Sagnac効果を利用したリングレーザージャイ
ロ、光ファイバジャイロ等の光学式ジャイロスコープを
使用した光学式方位測定装置が開発されつつある。ここ
で、Sagnac効果とは、閉じた光ループが回転を受けた場
合に生じる光の位相変化量が下記の式に従って求められ
るという効果である。
Δθ=(8πNS/cλ)・Ω ここで、Nは光が閉じた光ループを回った回数、Sは
その閉じた光ループを囲む面積、cは光速度、λは光の
波長、Ωは回転角速度、Δθは閉じたループ光路を右回
りに回る光と左回りに回る光との位相差である。
この光学式ジャイロスコープは、センシング軸回りの
回転を検出するもので、センシング軸とは光学式ジャイ
ロスコープの光ループが形成する平面(ジャイロ面とい
う)に直交する軸をいう。
第1図(a)に示すように、地球Eの自転軸Jとセン
シング軸Kとが直角になるようにして光学式方位測定装
置のジャイロ部1をセットすると、ジャイロ部1は地球
Eの自転の影響を全く受けないが、自転軸Jとセンシン
グ軸Kとが直角にならないように光学式方位測定装置の
ジャイロ部1がセットされているとき、例えば、第1図
(b)に示すように、センシング軸Kと自転軸Jとの為
す角度がαの状態で光学式方位測定装置のジャイロ部1
がセットされているとき、地球Eの自転の角速度をΩE
とすると、光学式方位測定装置のジャイロ部1が感じる
地球Eの自転の角速度成分Ωは、 Ω=ΩE・cos α である。
そこで、光学式方位測定装置のジャイロ部1を第1図
(a)、第1図(b)に示すように等角速度で回転させ
ると、光学式方位測定装置のジャイロ部1は、角速度Ω
Eでのジャイロ出力をV(ΩE)とすると、ジャイロ部1
が1回転する度に1周期の正弦波形V=V(ΩE)・cos
α・sin tを出力する(第1図(c)を参照)。ここ
で、符号tは時間あるいはジャイロ部1の回転角であ
り、t=0において、Ω=0とする。従って、光学式方
位測定装置のジャイロ部1の姿勢により方位を決定でき
る。なお、ジャイロ部1の回転数を高くすると、これに
伴ってジャイロ部1から出力されるジャイロ出力をして
正弦波形の周波数が高くなる。
そこで、従来の光学式方位測定装置では、そのジャイ
ロ部1を等速で連続回転させて得られる正弦波に基づい
て方位を決定するようにしている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、回転物体には、一般に軸ぶれがあり、ジャイ
ロ部1を回転させたときに生じる軸ぶれは、正弦波出力
に不要の誤差を与えることになる。このとき、ジャイロ
部1は、地球自転とは別のジャイロ部1そのものに与え
られた回転角速度のセンシング軸Kへのベクトル射影分
としての回転成分を感じる。
ここで、ジャイロ部1の回転スピードが1秒間に1回
転であるとして、ジャイロ部1が1回転するうちに回転
軸が1″傾くものとすると、ジャイロ部1が1回転する
際に、ジャイロ部1がセンシング軸Kの回りに感じる回
転角速度ΔΩは、 ΔΩ=2π×sin 1″=3.046×10-5(rad/sec) 一方、地球Eの自転の角速度ΩEは、 ΩE=7.272×10-5(rad/sec) である。
よって、ジャイロ部1の回転スピードが1秒間に1回
転であるとして、ジャイロ部1が1回転するうちに回転
軸が1″傾くような軸ぶれが生じているものとすると、
地球Eの自転の約半分の回転角速度を軸ぶれによって受
けることになる。この軸ぶれは不規則に生じるので、ジ
ャイロ部1を回転させることによって得られるジャイロ
出力は、正弦波形から大きくはずれたものとなる。この
軸ぶれの影響を無視できる程度の軸精度を得るには、相
当に高度の製作技術が必要である。
また、ジャイロ部1の回転スピードの変動も正弦波形
が劣化する原因であり、ジャイロ部1を回転させること
によって得られるジャイロ出力は、回転スピードの変動
に基づく誤差成分、軸ぶれの変動に基づく誤差成分が複
雑に絡み合って正弦波形から離れたものとなる。
加えて、ジャイロ部1を回転させることによって得ら
れるジャイロ出力の誤差原因としては零点ドリフトとい
うものがある。この零点ドリフトは、比較的低周波で生
じるもので、従来は、この零点ドリフトを避けるため、
ジャイロ部1の回転速度に対応する周波数を中心とする
バンドパス特性を備えたバンドパスフィルタを設け、ジ
ャイロ出力をこのバンドパスフィルタに通すようにして
いるが、この零点ドリフトを避けるためには、このバン
ドパスフィルタの帯域幅が狭くかつ中心周波数ができる
限り高い方が望ましい。よって、ジャイロ部1の回転ス
ピードはできる限り大きく設定することが好ましいので
あるが、ところが、ジャイロ部1の回転スピードを上げ
ると、軸ぶれに基づく影響が顕著になる。
更に、ジャイロ部1の回転を軸ぶれのない状態で理想
的に行なわせることができたとしても、回転軸2とジャ
イロ部1の真のジャイロ面3との間に傾きがある場合に
は、回転軸2が鉛直軸方向にあるものとして、赤道以外
の場所で方位を測定するときに、正弦波形の正負の振幅
値が異なり、得られたジャイロ出力は回転軸2とジャイ
ロ部1の真のジャイロ面3との間の傾きによる影響も受
けるという問題点がある。
これらの誤差要因を軽減するためには、高度な製作技
術を駆使しなければならないが、そのように高度な製作
技術を駆使したとしてもこれらの誤差要因を完全に取り
除くことは困難である。
加えて、光学式方位測定装置では、センシング軸Kの
自転軸Jに対する角度αが大きくなると、すなわち、高
緯度で方位を測定するものとすると、ジャイロ出力の振
幅値が非常に小さくなり、方位測定がほとんど困難とな
る。
(発明の目的) 本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、従来
の光学式方位測定装置が有する上記各種の欠点を解消す
ることのできる光学式方位測定装置による方位測定方法
及びその方位測定方法に用いる装置を提供することにあ
る。
発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明に係る光学式方位測定装置による方位測定方法
の特徴は、光学式方位測定装置のジャイロ部が感じる地
球の自転の回転角速度が略ゼロとなるようにジャイロ面
を向けて静止させ、この静止位置でのジャイロ出力と基
準位置に対する静止位置との関係を求め、次に、前記ジ
ャイロ部をその静止位置から180°回転させて静止さ
せ、前記ジャイロ部の180°回転停止位置とこの180°回
転停止位置でのジャイロ出力との関係を求め、この操作
を多数回繰り返し、このようにして得られた関係量を多
数個求めて直線近似し、この直線のジャイロ部の出力が
ゼロとなる回転角により方位を求めることを特徴とする
ところにある。
本発明に係る光学式方位測定装置による方位測定方法
に用いる装置の特徴は、 ジャイロ部を回転させる回転軸と、該回転軸を含めてジ
ャイロ部を前記回転軸と直交する面内で回転させる回転
支軸と、前記回転支軸の所定回動位置で前記ジャイロ部
の回転軸と同軸となる回転軸とを備え、緯度が高くなる
ことに伴うジャイロ出力の低下を補正するために前記ジ
ャイロ部が感じる地球の自転の回転角速度が大きくなる
ようにジャイロ面を前記回転支軸の回りに回動させて方
位を測定するところにある。
(実施例) 以下に、本発明に係る光学式方位測定装置による方位
測定方法及びこの方位測定方法に用いる装置の実施例を
図面を参照しつつ説明する。
第2図は本発明に係る光学式方位測定装置による方位
測定方法及びこれに用いる装置の第1実施例を示すもの
で、10は定盤部、11はジャイロ部である。定盤部10には
モータ12が固定されている。モータ12は回転軸13を有す
る。ジャイロ部11は回転軸13に取付けられ、その回転軸
13を中心に回転される。モータ12の上部には回転軸13と
同心にエンコーダ板14が固定されている。ジャイロ部11
の下部にはエンコーダー読み取り部15が設けられてい
る。エンコーダー読み取り部15はたとえばジャイロ部11
の外形から判断したジャイロ面15の回転位置を読むもの
とする。ジャイロ部11にはセンシング軸Kが回転軸13と
直交するようにして光ループが形成されている。なお、
この実施例では、エンコーダ板14を固定し、エンコーダ
ー読み取り部15を回転させる構成となっているが、エン
コーダー読み取り部15を定盤部10に固定し、エンコーダ
板14をジャイロ部11に取付けて回転させる構成とするこ
ともできる。
モータ12の回転軸13が鉛直軸方向となるようにセット
してモータ12を回転させると、ジャイロ面17の向きの変
化によってジャイロ出力としての正弦波形が得られる。
そこで、まず、ジャイロ部11をゆっくり連続的に一回転
させる。このときのジャイロ部11のジャイロ出力とエン
コーダー読み取り部15の出力とを信号処理回路(図示を
略す)に送る。ジャイロ部11を連続的に一回転させる
と、正弦波形に基づき大まかに東西南北の方位を決定す
ることができる。また、ジャイロ部11を連続的に一回転
させなくとも、90°ずつ4箇所でジャイロ部11の回転を
止めて測定を行なうと、その90°毎の各回転静止位置に
おけるジャイロ出力が得られ、この方位測定方法によっ
ても大まかに東西南北の方位を決定することができる。
光学式ジャイロスコープには、その分解能が0.01°/hの
高精度のものがあるが、たとえば、分解能0.1°/hのも
のを使用しても、赤道上では約23′の精度で方位を大ま
かに決めることができる。なお、ここで、記号hは時間
を示している。
次に、ジャイロ部11のセンシング軸Kが大まかに求め
た東西方向にくるようにしてジャイロ部11を固定する。
ここで、ジャイロ面17を東西方向に向かせるようにした
のは、正弦波曲線の変化率が最も大きい箇所がゼロ点近
傍であり、角度のずれに対するジャイロ出力の変化が大
きいからである。その東西方向にセンシング軸Kを向け
ると、ジャイロ部11が感じる地球Eの自転の回転角速度
ΩEはほぼゼロである。このとき、ジャイロ部11は第1
図(a)に近い状態で静止されている。この状態で、エ
ンコーダ板14の目盛とジャイロ部11からのジャイロ出力
とを読む。ジャイロ部11のジャイロ出力の値としては、
所定の時間で平均したものを用いる。
次に、ジャイロ部11をモータ12によりその静止位置か
ら回転角度にして180°だけす早く回転させる。なお、
その回転角度の精度は後述する精度内であれば180°で
なくとも良い。このジャイロ部11の回転中、ジャイロ部
11からのジャイロ出力による測定を中断する。そして、
そのジャイロ部11の180度回転静止位置でエンコーダ板1
4の目盛とジャイロ部11からのジャイロ出力とを読む。
ジャイロ部11のジャイロ出力の値としては、180°前の
回転静止位置での時間と同じ時間で平均したものを用い
る。
詳細には、まず、第3図に示すように、ジャイロ部11
のジャイロ出力が略ゼロになる回転静止位置でのエンコ
ーダー板14の出力をx、ジャイロ部11のジャイロ出力の
平均値をyとする。ただし、出力xは基準線Aからのカ
ウント値とする。基準線Aは例えばエンコーダ板14の出
力がゼロのところと考えればよい。次に、ジャイロ部11
を矢印M方向に180°回転させて停止させた回転静止位
置でのエンコーダー板14の出力をx′、ジャイロ部11の
ジャイロ出力の平均値をy′とする。このジャイロ部11
のジャイロ出力y、y′の差Y=y′−y、エンコーダ
ー板14の出力x、x′の平均X=(x+x′)/2を信号
処理回路により計算する。
この平均値X、差Yの意味を第4図、第5図を参照し
つつ説明する。その第4図は理想正弦波を示しており、
横軸はエンコーダー板14の読み取り値、縦軸はジャイロ
部11のジャイロ出力と考えることができ、またθはジャ
イロ部11の出力がゼロとなるエンコーダー板14の読み取
り値を示している。第4図において、前述の方法でジャ
イロ部11の出力が略ゼロとなるように、ジャイロ部11を
静止させた位置が□印のところとする。ここでのエンー
コーダ板14の出力がx、ジャイロの出力がyである。さ
らに、略180°回転静止させた位置での出力がそれぞれ
x′、y′である。ここで、前述の計算を行なうと、X
の値がθ+90°のとき、Yの値はゼロであり(第4図の
黒丸印参照)、またXの値がθ+90°でないとき、たと
えば、X>θ+90°のとき、Y<0(第4図の白丸印参
照)、X<θ+90°のとき、Y>0である(第4図の白
三角印参照)。実測したX、Yの値を第5図に示すよう
にグラフとしてプロットする。次のX、Yの値を得るに
は、ジャイロ部11を再び略180°回転静止させた位置で
の出力x、yを古いデータと入れ替え、前述の計算を行
なってもよい。この測定を繰り返し行なうと、数多くの
データXi,Yiが得られる。これらのデータXi,Yiは略直
線上にプロットされるはずである。したがって、これら
のデータXi,Yiに基づき最小自乗法を用いて直線近似
し、その最小自乗法により得られた直線TとX座標との
交点Zを求めれば、真のθ+90°の位置、つまり、この
例では、基準線Aを基準にした正確な東又は西の方位を
決定できる。この東又は西の方位の何れであるかは、大
まかに得られた方位により、あるいは、その得られた直
線の傾きにより判断することができる。
ところで、正弦波形のゼロ点における接線を引いたと
き、ゼロ点から1°ずれた場所での正弦波形からの誤差
は、0.005%にすぎない。ゼロ点から2°ずれたとして
も0.02%程度である。よって、大まかに測定した方位の
測定精度を考慮して、この回転精度は、180°±1°の
範囲で行なえば十分である。
この回転は、エンコーダ板14の目盛を基準にして行な
えば、容易にその範囲内にジャイロ部11を停止させるこ
とができる。大まかな方位の目盛を中心にたとえば180
°±1°の範囲内にジャイロ部11が静止するようにエン
コーダ板14の目盛を読みながら素早く回転させれば良
い。従って、エンコーダ板14の目盛を基準に回転させ、
ある範囲内の場所にジャイロ部11を静止させることによ
り、正弦波の直線付近から大きくはずれた部分のデータ
を使用しないですむ。もしも、180°の回転が理想的に
行われるとすれば、常に同じエンコーダ板14の出力箇所
での測定となり、最終的な方位測定を行なうことが不可
能となるが、この場合は180度の値を強制的に変化させ
ることにより行なう。
この方位測定方法並びに信号処理方法によれば、ジャ
イロ部11のジャイロ出力のゼロ点ドリフトの影響をほと
んど受けない。というのは、ゼロ点ドリフトは正弦波形
を上下方向にドリフトさせるものであるが、第1回目の
測定から第n回目の測定までジャイロ部11のジャイロ出
力が一定方向にトラフトしてその量が大きくなったとし
ても、Yの値は差を求めているので、基本的にドリフト
の影響はない。但し、1回の測定中におこるドリフトは
誤差としてあらわれる。しかし、これは、1回の測定時
間、つまり、ジャイロ部11の静止から静止までのジャイ
ロ部11の回転に必要とする時間とジャイロ出力を平均す
るのに要する時間とをできる限り短かくすることによ
り、この1回の測定によって生ずるドリフト誤差を回避
できる。
ここで、回転軸13が鉛直軸方向にあり、ジャイロ部11
の真のジャイロ面17が回転軸13に対して第6図に示すよ
うに傾いているとする。この場合には、ジャイロ部11を
回転させることによって得られるジャイロ出力は、単純
な正弦波形であるとみなすことができない。赤道上での
測定であれば、ゼロ点を中心に正負の対称な波形とな
り、問題は生じない。しかし、赤道上での測定でないと
きには、ジャイロ部11のジャイロ出力の振幅が正の場合
と負の場合とで異なり、赤道から離れるに従って、すな
わち、緯度が高くなるに伴ってその割合が大きくなる。
また、第6図に示す状態からジャイロ部11を90°回転さ
せたときは、真のジャイロ面17と地球Eの自転軸Jとが
垂直になり、ジャイロ部11の感じる回転はゼロである。
この状態でジャイロ部11を連続回転させた時のジャイロ
部11が感じる回転のうち地球Eの自転成分のみの回転角
速度成分は、以下の式によって与えられる。
Ω=ΩE・(sin β)・cos(α+δ・sin β) ここで、βは回転角であり、β=0において、ジャイロ
部11が感じる自転成分はゼロとなるものとする。この波
形は、そのゼロ付近では、δ=0のときからのジャイロ
出力変化の割合は、ごく微小であり、その振幅の最も大
きくなるところで、その変化の割合が最大になるという
変則的な波形になる。
よって、従来のジャイロ部11を連続回転させて方位測
定を行なう方法では、真のジャイロ面17と回転軸13との
間に傾きδがあってはならないことになる。
ところが、本発明に係る方位測定方法では、ジャイロ
部11が感じる回転がゼロ付近の部分しか、使用しないで
この問題がほとんど回避される。従って、ジャイロ部11
の取付けに特別の精度を必要とせず、かつ、傾きを補正
する機構も必要としない。
以上説明したように、ジャイロ部11をまず1回転させ
るか、1回転のうち数箇所でジャイロ部11を静止させて
ジャイロ部11のジャイロ出力とエンコーダー板14の出力
とを測定することにより大まかな方位を決定し、次に、
ジャイロ部11のセンシング軸Kが大まかに東西方向に向
くように静止させ、この静止位置とこの静止位置から18
0°回転させた回転静止位置とでのジャイロ部11のジャ
イロ出力とエンコーダ板14の出力とを測定し、この測定
を繰り返し行なうことによって、従来の光学式方位測定
装置が内包する回転系に基づく問題点を回避できる。
また、前述した信号処理方法によればゼロ点ドリフト
の影響もほとんどない。さらに、ジャイロ部11の取付け
においても特別の精度を必要としない。
例えば、分解能0.1°/hの光学式ジャイロスコープを
使用して赤道上で10分間のデータ測定を行なうと、約±
30″の精度で方位を決定でき、得られる精度は測定時間
とジャイロ部11の分解能に係ってくる。
なお、この実施例では、エンコーダ板14の出力はジャ
イロ部11の外形から判断したジャイロ面17の位置を読ん
でいる。したがって、真のジャイロ面17の位置を読んで
いるとはいえない。そこで、この誤差を除去するため
に、光学式方位測定装置をその定盤部10が下にある正規
の状態で方位を測定した測定値と光学式方位測定装置を
その定盤部10が上にありジャイロ部11が下にある逆様の
状態で方位を測定した測定値との平均をとることにより
この誤差を除去する。この真のジャイロ面17との差に基
づく誤差は、方向、大きさ共に一定であるので、信号処
理回路にその誤差分を記憶させておけば、補正でき、以
後の方位測定では考慮しなくともよい。
以上の方位測定方法は、赤道上、すなわち、α=0の
地点で、地球自転の成分が最も大きくなるため感度が最
も良好である。そして、赤道から離れるに伴ってジャイ
ロ部11が感じる地球の回転角速度成分はΩE cos αとな
り、高緯度では感度が悪くなる。たとえば、α=45°で
は赤道上と同じ精度を得るには2倍の測定時間が必要で
ある。
次に、本発明に係る光学式方位測定装置による方位測
定方法及びこれに用いる装置の第2実施例を説明する。
第7図に示すように、緯度αに等しい角度だけジャイ
ロ部11のジャイロ面17を傾ける。すると、地球Eの自転
の成分を感じる割合が最大となる。よって、常に赤道上
での測定と同様になり、ジャイロ部11の取付け精度を更
に軽減することができることになる。
そこで、第8図に示すように、光学式方位測定装置を
構成するものとする。その第8図において、18は筐体で
ある。この筐体18には回転支軸19、19が設けられてい
る。この回転支軸19の軸心はエンコーダ板14の回転面内
にあり、その軸心は回転軸13の軸心と直交している。そ
の回転支軸19、19は筐体20に回転可能に取付けられてい
る。筐体20にはその側壁にモータ21が固定されている。
モータ21の回転軸22には図示を略すギヤが設けられ、そ
のギヤは回転軸19に取付けられたギヤ23に噛合されてい
る。
筐体18はそのモータ21、ギヤ23により回転支軸19、19
を中心に回転される。ギヤ23が取付けられていない側の
回転支軸19にはエンコーダ24が取付けられる。筐体20は
回転テーブル30上に設置されている。その回転テーブル
30は回転軸31を有し、回転軸31は鉛直軸方向を向いてい
る。回転軸31と回転軸13とは、モータ21により筐体18を
ある角度回転させると一致するように設計されている。
回転テーブル30はモータ32により回転されるもので、
33はそのモータ32と回転テーブル30との回転伝達機構と
してのギヤ列を示している。回転テーブル30の回転軸31
にはエンコーダ板34が取付けられ、エンコーダ板34の中
心は回転軸31に一致する。回転テーブル30の上部にはそ
のエンコーダ板34と同心にエンコーダ読み取り部35が設
けられている。これらの回転テーブル30、モータ32、ギ
ヤ列33は定盤36に設置されている。この定盤36は、たと
えば、トランシットに据付られる。
次に、この実施例に係る方位測定方法を説明する。
まず、最初に、エンコーダ板14の目盛とエンコーダ板
34の目盛との相関をとる。説明の便宜上、測定初期の状
態では、エンコーダ板14の目盛とエンコーダ板34の目盛
とが同じ方向を向くように設定されているとする。ま
た、回転軸13と回転軸31とは鉛直軸方向を向いているも
のとする。なお、エンコーダ読み取り部35は回転軸31の
回転位置、すなわち、回転支軸19、19の回転軸31回りの
回転位置を読むものとする。
そして、第1実施例に示す方位測定手順により大まか
な方位を測定し、ジャイロ面17が大まかに東西方向にく
るようにセットする(第7図(a)の状態を参照。)こ
のセットは、モータ32を用いて行なうこともできるが、
ここでは、モータ12を使用してセットするものとする。
このときのエンコーダ板14の目盛を読み、回転支軸19、
19が東西方向にくるようにモータ32を駆動して回転テー
ブル30を回転させる。すると、ジャイロ面17は回転テー
ブル30を回転させた分だけ最初に大まかにセットされた
東西方向からずれる。そこで、回転テーブル30を回転さ
せた分だけ逆方向にモータ12を回転させるとジャイロ面
17が大まかに東西方向にくることになる。
モータ12により大まかにジャイロ部11のジャイロ面17
を東西方向にセットするに際し、ジャイロ部11の回転角
速度に対するジャイロ出力の大きさは既に知られている
ので、正弦波形の振幅により測定地点の緯度αを大まか
に決めることができる。信号処理回路には、この緯度α
を大まかに求める機能が付加されている。
この緯度αは、以下のようにして求めることができ
る。
地球Eの自転の角速度ΩEに対するジャイロ出力V
(ΩE)と、実際に得られた正弦波形の振幅をVとすれ
ば、 V=V(ΩE)・cos α よって、α=cos-1(V/V(ΩE)) 次に、このようにして求められた緯度αに基づき、モ
ータ21を駆動してジャイロ部11を第7図(a)に示す状
態から回転支軸19、19を中心に緯度αに相当する角度だ
け回動させ、そのジャイロ部11のジャイロ面17を第7図
(b)に示す状態にセットする。なお、そのジャイロ部
11を回転支軸19、19を中心に回動させる方向は、大まか
な方位を決めた際にすでに知られている。あるいは、ジ
ャイロ出力の増減をみればわかる。その方向は南半球と
北半球とで異なる。
ここで、緯度αのセッテイング誤差について考える。
モータ21によりジャイロ部11を回転支軸19、19を中心に
回動させた角度が、真の緯度αからΔαだけずれていた
とすると、ジャイロ出力としての仮想正弦波の振幅値が
若干小さくなる。しかし、真の緯度αから5°ずれてい
たとしても、ジャイロ部11が地球Eの自転の成分を感じ
る割合は、0.4%程小さくなるにすぎない。したがっ
て、エンコーダ24の精度を格別考慮する必要はない。た
とえば、モータ21にパルスモータを用いる場合には、エ
ンコーダ24そのものが不要となる。
ところで、測定地点が高緯度になるに伴って、前述し
たように正弦波形の振幅が小さくなる。従って、大まか
な方位を決定する精度も劣化する。モータ32はこの大ま
かな方位に基づき駆動されるものであるから、この大ま
かな方位の決定精度が劣化すると、その後の正確な方位
測定の際に支障が生じ、正弦波形の直線近似からはずれ
たデータを用いて測定することになる。そこで、正弦波
形の振幅値が一定以下の場合、すなわち、測定地点が高
緯度であり、回転軸13と回転軸31とは鉛直軸方向を向い
ている状態で、第1実施例に示す方位測定手順により大
まかな方位を測定し、ジャイロ面17を大まかに東西方向
に向くようにセットするのが困難である場合には、モー
タ21によりジャイロ部11を回転支軸19、19を中心に回動
させてジャイロ部11をあおり、地球Eの自転の成分を感
じる割合を大きくしてから、同様にモータ12、32を駆動
して大まかな東西方向を決めるようにする。
あるいは、大まかな方位の決定精度がある程度悪くな
った時、すなわち、正弦波形の振幅がある値より小さく
なったときは、一度前述した方法でセッティングした
後、再び同じ方法を用いて再セットすればよい。つま
り、大まかな方位の測定を2回行なえばこの問題は生じ
ない。
なお、測定地点の緯度αがおおよそわかっている場合
には、外部入力装置を用いて緯度αのデータを入力し、
これによって、ジャイロ部11をあおらせることもでき
る。この場合には、エンコーダ24により回転支軸19、19
の回動位置を検出する。
以上の測定手順により、第7図(b)に示す状態にジ
ャイロ面17をセットし、次に、第1実施例の方位測定手
順と同一の手順により正確な方位を求める。
なお、エンコーダ板14とエンコーダ板34との間に相関
がとれている場合には、エンコーダ板34の目盛を用いて
方位を表示できる。
この第2実施例に係る光学式方位測定装置によれば、
以下に説明するように、緯度αを測定することもでき
る。エンコーダ24の精度としてエンコーダ板14、34と同
等の精度のものを用い、ジャイロ部11を第7図(b)に
示す状態に前述の方法でセットして、モータ21によりジ
ャイロ部11を回転軸19を中心に回転させると、ジャイロ
出力が正弦波形となる。そこで、この正弦波形と回転軸
19の回転量との関係に基づき前述と同じ測定方法で緯度
を測定できる。
発明の効果 本発明に係る光学式方位測定装置による方位測定方法
によれば、ジャイロ部を連続回転させなくとも方位を測
定できるので、ジャイロ部を連続回転させることに基づ
く誤差、すなわち、ジャイロ部の回転軸の軸ぶれ、回転
スピードの変動に基づく誤差を除去できる。また、ジャ
イロ出力のゼロ点ドリフトによる誤差の除去、ジャイロ
部の回転軸と真のジャイロ面との傾きに基づく誤差も除
去できる。
よって、本発明に係る光学式方位測定装置による方位
測定方法によれば、光学式方位測定装置に要求される高
度な製作技術を緩和できる効果がある。
また、本発明に係る光学式方位測定装置による方位測
定方法に用いる装置によれば、測定地点の緯度にかかわ
らず正確に方位を測定できる。更に、緯度測定機能を付
加することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、第1図(b)は本発明の第1実施例に係
る光学式方位測定装置の測定原理を説明するための模式
図、第1図(c)はそのジャイロ出力の説明図、第2図
は本発明に係る光学式方位測定装置の概略構成を示す
図、第3図は本発明に係る光学式方位測定装置による方
位測定方法を説明するための模式図、第4図は第3図に
示すジャイロ部11を回転させることによって得られるジ
ャイロ出力とエンコーダ出力との関係を示す正弦曲線
図、第5図は信号処理回路により処理されたジャイロ出
力とエンコーダ出力との関係を示すグラフ、第6図は真
のジャイロ面とジャイロ部の回転軸との傾きがジャイロ
出力に与える影響を説明するための模式図、第7図
(a)、第7図(b)は本発明の第2実施例に係る光学
式方位測定装置の測定原理を説明するための模式図、第
8図はその第2実施例に係る光学式方位測定装置の概略
構成を示す図である。 11……ジャイロ部、12……モータ、13……回転軸 14……エンコーダ板、15……エンコーダ読み取り部 17……ジャイロ面、19……回転支軸 21……モータ、24……エンコーダ、30……回転テーブル 32……モータ、31……回転軸、34エンコーダ板 35……エンコーダ読み取り部 K……センシング軸 α……緯度

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学式方位測定装置のジャイロ部が感じる
    地球の自転の回転角速度が略ゼロとなるようにジャイロ
    面を向けて静止させ、この静止位置でのジャイロ出力と
    基準位置に対する静止位置との関係を求め、次に、前記
    ジャイロ部をその静止位置から180°回転させて静止さ
    せ、前記ジャイロ部の180°回転静止位置とこの180°回
    転静止位置でのジャイロ出力との関係を求め、この操作
    を多数回繰り返し、このようにして得られた関係量を多
    数個求めて直線近似し、この直線のジャイロ部の出力が
    ゼロとなる回転角により方位を求めることを特徴とする
    光学式方位測定装置による方位測定方法。
  2. 【請求項2】ジャイロ部を回転させる回転軸と、該回転
    軸を含めてジャイロ部を前記回転軸と直交する面内で回
    転させる回転支軸と、前記回転支軸の所定回動位置で前
    記ジャイロ部の回転軸と同軸となる回転軸とを備え、緯
    度が高くなることに伴うジャイロ出力の低下を補正する
    ために前記ジャイロ部が感じる地球の自転の回転角速度
    が大きくなるようにジャイロ面を前記回転支軸の回りに
    回動させて方位を測定することを特徴とする光学式方位
    測定装置による方位測定方法に用いる装置。
  3. 【請求項3】前記回転支軸の回動量を検出して、緯度を
    測定することを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載
    の光学式方位測定装置による方位測定方法に用いる装
    置。
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