JP3029188B2 - 方位計測装置 - Google Patents

方位計測装置

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JP3029188B2
JP3029188B2 JP7154645A JP15464595A JP3029188B2 JP 3029188 B2 JP3029188 B2 JP 3029188B2 JP 7154645 A JP7154645 A JP 7154645A JP 15464595 A JP15464595 A JP 15464595A JP 3029188 B2 JP3029188 B2 JP 3029188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバジャイロを
用いた方位計測装置に係り、特に、リアルタイムで精度
が高く、動揺の影響がない方位計測装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光ファイバジャイロ(以下OFGとい
う)を用いて方位を計測する装置が知られている。OF
G自体はセンシングコイルで検知した角速度を積分して
変位角度を求めるものであるから、リアルタイムで絶対
方位を計測するためには、このOFGをヨー角方向の角
速度を検知して相対的な方位変化を計測するヨーレート
用(以下OFG−Yという)とし、他に基準となる絶対
方位を検知する絶対方位センサ(真北を探査する装置)
を組み合わせる必要がある。絶対方位センサには、地磁
気センサ、機械式コンパス、光ファイバジャイロコンパ
スがある。
【0003】光ファイバジャイロコンパスには、コンパ
ス用光ファイバジャイロ(以下OFG−C)のセンシン
グコイルを鉛直に立て、その鉛直軸の回りに回転させな
がら、地球自転による角速度(アースレート)をサンプ
リングし、このアースレートを方位の関数として方位を
求める方式と、3軸のOFG及び3軸の傾斜センサを用
いて絶対方位を計測する方式とがある。OFG−Cでア
ースレートを求める方式では、アースレートがゼロにな
る方位が真北であるという原理を採用している関係上、
検知した角速度に含まれているバイアスの除去法と動揺
による誤計測の対策が重要となり、これらに関する公知
技術がある。
【0004】バイアス除去法については、センシングコ
イルを回転させて複数方向でのアースレートを方位の正
弦波関数として求めることにより、バイアスがあっても
ゼロ位相が検出できる方式と、2つのセンシングコイル
を用い、両者の出力信号の位相を180°ずらし、その
差を取ることでバイアスを除去する方式とがある。動揺
対策については、OFG−Yの検知する角速度をモニタ
し、この角速度が所定値以下ならば動揺がなかったと判
定し、OFG−Cの計測した絶対方位を採用する方式が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の問題点を
述べる。
【0006】地磁気センサには、磁北と真北とのずれの
ため緯度によって偏西、偏東といわれる絶対値の誤差が
ある。また、地磁気センサは、磁気環境による影響を受
ける。例えば、鉄道、鉄橋が近くにあるとき着磁現象に
よる影響を受ける。機械式コンパスは、起動時間が長
い、メンテナンスが必要、寿命が短い等の欠点がある。
3軸のOFG及び3軸の傾斜センサを用いる方式はコス
トが高い。
【0007】OFG−Cでアースレートを求める方式に
上記バイアス除去法及び動揺対策を施したものは、以下
の問題点がある。
【0008】上記バイアス除去法のうち、アースレート
を方位の正弦波関数として求める方法は、サンプリング
回数が多いためアースレートのサンプリングに時間がか
かり、その時間の間にOFG−Cが動揺を受ける機会が
多くなる。2つのセンシングコイルを用いる方法はコス
トが高い。また、上記動揺対策における判定条件では、
0.01°/h程度のローリングやピッチングの影響を
避けることができない。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、リアルタイムで精度が高く、動揺の影響がない方位
計測装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、鉛直に立てたセンシングコイルを鉛直軸の
回りに回転させ、このセンシングコイルで検知される地
球の自転による角速度から較正基準となる絶対方位を計
測するコンパス用光ファイバジャイロと、水平に置いた
センシングコイルで検知されるヨー角方向の角速度から
相対的な方位変化を計測するヨーレート用光ファイバジ
ャイロとを組み合わせてリアルタイムに絶対方位を計測
する装置において、ヨーレート用光ファイバジャイロで
計測した方位の変化分とコンパス用光ファイバジャイロ
で計測した方位の変化分とが所定の精度で一致した場合
のみヨーレート用光ファイバジャイロの方位をコンパス
用光ファイバジャイロで計測した方位で較正するアルゴ
リズムを備えたものである。
【0011】また、もう一つの発明は、鉛直に立てたセ
ンシングコイルを鉛直軸の回りに回転させ、このセンシ
ングコイルで検知される地球の自転による角速度から較
正基準となる絶対方位を計測するコンパス用光ファイバ
ジャイロと、水平に置いたセンシングコイルで検知され
るヨー角方向の角速度から相対的な方位変化を計測する
ヨーレート用光ファイバジャイロとを組み合わせてリア
ルタイムに絶対方位を計測する装置において、ヨーレー
ト用光ファイバジャイロで計測した方位とコンパス用光
ファイバジャイロの方位を周波数領域で合成し方位を求
めるアルゴリズムを備えたものである。
【0012】上記コンパス用光ファイバジャイロが検知
した角速度から日時に応じた地球と太陽との相対運動に
よる角速度バイアス分を除去する手段を備えてもよい。
【0013】上記コンパス用光ファイバジャイロのセン
シングコイルを一方向に向けて角速度を検知した後、セ
ンシングコイルを180°反対に向けて角速度を検知
し、両者の検知した角速度よりセンシングコイルに生じ
ているバイアスを求め、検知した角速度からバイアスを
除去してもよい。
【0014】上記コンパス用光ファイバジャイロのセン
シングコイルの方向を変えて角速度を検知し、地球の自
転による角速度がゼロになる方向を探し、その方向で絶
対方位を計測してもよい。
【0015】上記コンパス用光ファイバジャイロのセン
シングコイルを所定時間一方向に向け、そのとき検知さ
れる角速度を積分し、その積分時間を予め実測で求めた
積分時間対分解能特性から最適の分解能となる積分時間
に設定してもよい。
【0016】上記光ファイバジャイロが、少なくともセ
ンシングコイルに偏波面保存光ファイバを使用し、かつ
測定光を位相変調する位相変調方式により角速度を検知
してもよい。
【0017】地球と太陽との相対運動による角速度バイ
アス分ΔΩを除去する手段が日付及び時刻を計測するカ
レンダ時計を備え、時刻T及び春分の日より数えた日数
Dを用いて ΔΩ=kcos[90 °−23.4cos{(360°/24)T−(360°/36
5) D} ] ( kは使用環境によって実験的に定まる定数) として求め、この角速度ΔΩと検知した角速度Ωとから
方位θを θ=sin-1[(Ω−ΔΩ)/A] (Aは緯度に
依存する定数) として求めてもよい。
【0018】
【作用】本発明の基本的構成は、コンパス用光ファイバ
ジャイロ(OFG−C)とヨーレート用光ファイバジャ
イロ(OFG−Y)とを組み合わせたものであり、OF
G−Cで計測した較正基準となる絶対方位でOFG−Y
を較正する方式である。OFG−Cは絶対方位を計測で
きるが動揺に対して非常に敏感であり、OFG−Yは絶
対方位を計測できないが、動揺には影響されず相対的な
方位変化を安定に計測することができる。
【0019】本発明は課題を解決するにあたって、 OFG−Cの分解能を高める。例えば、0.05°の
精度で方位を計測するためには0.01°/hの角速度
分解能が必要である。
【0020】OFG−Yを較正するタイミング(条
件)を規定することによって、ローリングやピッチング
等の動揺の影響を除去する。
【0021】′OFG−YとOFG−Cの検出データ
を周波数領域で合成することによって、ローリングやピ
ッチング等の動揺の影響を除去する。
【0022】絶対方位計測の誤差要因を解明し、その
対策を具体化する。
【0023】動揺を受ける機会を減らす。
【0024】の点を特に考慮した。
【0025】に関しては、OFG−Cに動揺が作用し
なかったときを選ぶことが該当するが、この動揺が作用
したかどうかの判定をOFG−Yで計測した方位の変化
分とOFG−Cで計測した方位の変化分との比較で行
う。即ち、OFG−Yで計測した方位の変化分とコンパ
ス用光OFGで計測した方位の変化分とが所定の精度で
一致した場合に動揺がなかっと判定し、較正を行うこと
になる。これを動揺判定法という。
【0026】′に関しては、速い変化を表わす高周波
成分についてOFG−Yのデータを用い、遅い変化を表
わす低周波成分についてOFG−Cのデータを用いるこ
とになる。これをクロスオーバー法という。
【0027】に関しては、地球と太陽との相対運動に
よる角速度バイアス分ΔΩが問題となる。具体的には、
太陽の黒点運動による地球上の磁力線や宇宙線による角
速度バイアスが考えられる。OFG−Cが検知した角速
度から上記の角速度バイアス分ΔΩを除去することによ
り、この誤差要因が解消される。地球の自転軸は公転面
に対して傾斜しているので、自転の角速度に重複する成
分を日時に応じて求める必要がある。
【0028】カレンダ時計の示す日付及び時刻に基づき
時刻T及び春分の日より数えた日数Dを求め、日時を考
慮した地球と太陽との相対運動による角速度バイアス分
ΔΩを ΔΩ=kcos[90 °−23.4cos{(360°/24)T−(360°/36
5) D} ] により求める。この角速度ΔΩと検知した角速度Ωとか
ら方位θを θ=sin-1[(Ω−ΔΩ)/A] として求める。これにより、地球と太陽との相対運動に
よる角速度バイアス分ΔΩが取り除かれる。ここに、k
は、方位計測装置が使用される環境下で実験的に求めら
れる定数である。
【0029】に関しては、OFG−Cによる計測を必
要最小限の時間内で行うことである。何故ならば、時間
がかかればかかるほど動揺を受ける機会が多くなるから
である。そこで、アースレートのサンプリング回数を少
なくするバイアス除去法を導入する。即ち、センシング
コイルを一方向に向けて角速度Ω0 を検知したとき、公
転の影響を無視し、OFG−Cのバイアス成分をbとす
ると、方位θに対するアースレートΩ0 は、 Ω0 =Asinθ+b である。なお、Aは緯度に依存するスケール(定数)で
あり、赤道上で15°/hとなる。次に、センシングコ
イルを180°反対に向けて角速度Ω180 を検知したと
き、 Ω180 =−Asinθ+b であるから、両者の検知した角速度よりバイアスを求め
ることができ、検知した角速度からバイアスを除去する
ことができる。
【0030】に関しては、光ファイバに偏波面保存光
ファイバを使用すること、角速度の検知に位相変調方式
を採用すること、積分時間を最適化することがあげられ
る。そこで、OFG−Cの全光ファイバ又は少なくとも
センシングコイルを構成する光ファイバに偏波面保存光
ファイバを使用し、かつOFG−Cに位相変調方式を採
用することで、精度は高くなる。また、積分時間の最適
化は、積分時間が短いときには分解能が低く、長くする
と分解能が高まり、さらに長くすると再び分解能が低く
なるという傾向を利用したもので、予め実測で求めた積
分時間対分解能特性から最適の分解能となる積分時間を
選ぶことで解決される。
【0031】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0032】図1に示されるように、方位計測装置は、
水平面1を維持することのできる整準装置2を有し、そ
の水平面1にセンシングコイル3とターンテーブル4と
が設けられ、ターンテーブル4上に垂直に起立させてセ
ンシングコイル5が設けられている。ターンテーブル4
は水平面1上で回転することにより、センシングコイル
5が鉛直軸の回りに回転するように構成されている。信
号処理回路6はセンシングコイル5の隣に設けられてい
る。
【0033】この方位計測装置を地球上に置いたときセ
ンシングコイル5は図2に示すように置かれていること
になり、センシングコイル5は、地球の自転による角速
度を検知することができる。コンパス用光ファイバジャ
イロ(OFG−C)はセンシングコイル5で検知される
地球の自転による角速度から較正基準となる絶対方位を
計測するものである。また、センシングコイル3はヨー
角方向の角速度を検知することができる。ヨーレート用
光ファイバジャイロ(OFG−Y)はセンシングコイル
3で検知されるヨー角方向の角速度から相対的な方位変
化を計測するものである。21は地球の自転軸、22は
方位計測装置における鉛直軸である。
【0034】絶対方位の計測の原理は、図2において、
センシングコイル5を鉛直軸22の回りに回転させたと
き、地球の自転の方向に対するセンシングコイル5の角
度が変化するため、検出される角速度が図3に示すよう
に正弦波状に変化する。この変化から方位を計算して求
める。
【0035】図4は、太陽の回りを公転する地球を示し
たものであり、4つの特定日に図2のとおりセンシング
コイル5を置いた状態を示している。方位計測装置は、
OFG−Cが検知した角速度から日時に応じた地球と太
陽との相対運動による角速度バイアス分ΔΩを除去する
手段を備えている。この角速度バイアス分除去手段は、
日付及び時刻を計測するカレンダ時計を備えている。
【0036】図1の方位計測装置は、センシングコイル
5を一方向に向けて角速度を検知した後、センシングコ
イル5を180°反対に向けて角速度を検知し、両者の
検知した角速度よりセンシングコイル5に生じているバ
イアスを求め、検知した角速度からバイアスを除去する
ことができる。また、方位計測装置は、センシングコイ
ル5の方向を変えて角速度を検知し、検知される角速度
がゼロになる方向で絶対方位を計測することができる。
図5(b)に示されるサンプリング点51,52は、1
80°回転した方向でのサンプリングによるものであ
り、検知される角速度からバイアスを除去したものがほ
ぼゼロとなっている。
【0037】OFG−C及びOFG−Yの構成は、図6
に示されるように、レーザ光光源61と、受光器62
と、2つの方向性結合器63,64と、偏光子65と、
位相変調器66と、センシングコイル3(5)とから構
成される。この構成はいわゆるオープンループ方式のO
FGの構成であり、測定光を位相変調する位相変調方式
により角速度を検知するものである。
【0038】センシングコイル3、5には、図7(a)
に示す楕円ジャケット型の偏波面保存光ファイバが用い
られ、方向性結合器63,64には図7(b)に示す楕
円コア型偏波面保存光ファイバが用いられている。セン
シングコイル3、5は上記偏波面保存光ファイバをそれ
ぞれ1.2km使用している。
【0039】図8は、予め実測で求めた積分時間対分解
能特性のグラフである。これを見ると、OFG−Cの積
分時間と分解能との関係は、積分時間を短いほうから長
くしていくと、分解能は改善されるが、長くし過ぎると
分解能は低下することがわかる。本実施例では、このグ
ラフを基に、0.01°/hの分解能を確実にするため
に、積分時間Tc=2分とした。
【0040】次に実施例の作用を述べる。
【0041】方位計測装置の計測手順を説明する。
【0042】ステップ1;整準装置2を動作させ0.0
1°の精度で水平面1を水平にする。 ステップ2;センシングコイル5をある方向に向け、そ
の方向でTc=2分間、アースレートを平均(積分)す
る。その平均値をΩ0 とする。
【0043】ステップ3;ターンテーブル4を180°
回転させることによりセンシングコイル5を180°反
対に向け、その方向で同様にTc=2分間、アースレー
トを平均する。その平均値をΩ180 とする。
【0044】ステップ4;バイアスbを、b=(1/
2)×(Ω0 +Ω180 )で求める。以後、検知される角
速度は、このバイアスbを除去して地球の自転による角
速度として扱う。
【0045】ステップ5;センシングコイル5の方向を
変えて角速度を検知し、地球の自転による角速度がゼロ
になる方向を探す。その方向で2分間、アースレートを
平均する。その平均値をΩとする。
【0046】ステップ6;方位θを、θ=sin
-1[(Ω−ΔΩ)/A]で算出する。ΔΩは、地球と太
陽との相対運動による角速度バイアス分であり、次式で
求める。
【0047】ΔΩ=kcos[90 °−23.4cos{(360°/24)T
+(360°/365) D} ] ここに、単位は(°/H)であり、Tは時刻、即ち午前
0時からの時間であり、Dは春分の日より数えた日数で
ある。この式中、23.4という数値は地球の自転軸の
公転面に対する傾斜角である。この式はOFG−Cのセ
ンシングコイル5を概ね南北に向けたときに成立する近
似式である。本実験は実験室内で行われ、k =0.05
°/hであった。
【0048】ステップ7;ステップ2以降を繰り返し、
180°回転させてはバイアスを除去し、上式で方位θ
を算出していく。
【0049】ステップ8;ステップ7までのようにして
求めた方位θの10分間の変化分とOFG−Yの10分
間の変化分とを比較する。両者が±0.05°以内の誤
差で一致したとき、OFG−Yの方位をOFG−Cで計
測した方位で較正する。これは動揺判定法の場合であ
る。
【0050】ステップ8′;ステップ7までのようにし
て求めた方位θと、OFG−Yの方位とを周波数領域で
合成して方位を求める。即ち、速い変化(高周波成分)
はOFG−Yの方位データに、遅い変化(低周波成分)
はOFG−Cのデータに重みをおいて計測することにな
る。これはクロスオーバー法による場合である。
【0051】地球と太陽との相対運動による角速度バイ
アス補正の効果を説明する。
【0052】上記補正の効果を調べるため、実験室にお
いて静止した方位計測装置で方位計測を行った。図9
(a)に従来の方位計測装置による上記補正のない方位
計測結果を示し、図9(b)に本発明の方位計測装置に
よる上記補正を行った方位計測結果を示す。これらを比
較すると、図9(b)のほうが変動が小さいことがわか
り、補正が有効であることがわかる。
【0053】次に、従来の正弦波状のサンプリング方式
によるバイアス除去と本発明の180°反転した2点サ
ンプリング方式によるバイアス除去とを比較する。図5
(a)に示されるように、従来の正弦波状のサンプリン
グ方式では、4点若しくは8点のサンプリングを行わな
いと正弦波が求まらない。このためサンプリング回数が
多くなり時間が長くなるので、動揺の影響を受ける機会
が多くなる。また、従来の方式では、予め方位が不明で
あるため地球と太陽との相対運動による角速度バイアス
の補正が正しく行えない。両者の比較を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】次に、方位計測装置がどのような動揺を受
けるかを説明する。方位計測装置をシールドマシンに装
備したものとする。図10に示されるように、シールド
マシンの掘進時には掘進のために動揺が生じ、動揺によ
る角速度が検出される。しかし、停止時にも大きな動揺
が生じていることがわかる。これは掘進を停止してセグ
メントを組立てているときに、シールドマシンが動揺し
たもので、ジャッキの操作が原因である。このように、
掘進していなくてもセグメント組みのとき動揺が発生し
ている。この場合、OFG−Cで計測した方位には誤差
が含まれる。公知例に記載された非掘進時にのみOFG
−Cで方位を検出する方法ではこの誤差が避けられな
い。本発明にあっては、OFG−Yで計測した方位の変
化分とOFG−Cで計測した方位の変化分とが所定の精
度で一致した場合のみ較正を行うので誤差を生じること
がない。また、動揺判定法では、サンプリング回数が少
ないので動揺を受ける機会が少なく、従って、較正の頻
度が増えるので方位が正確に計測できる。
【0056】図11にはシールドマシン掘進中にOFG
−Yで計測した方位とOFG−Cで計測した方位の角度
が経過時間を横軸にして示されている。111はコンパ
スの計測による方位の角度、112は本発明の合成方位
の角度、113はOFG−Cの計測による方位の角度、
114はOFG−Yの計測による方位の角度を示してい
る。本発明の他の例にあっては、OFG−Yで計測した
方位とOFG−Cで計測した方位を周波数領域で合成し
ている。すなわち、速い変化(高周波成分)はOFG−
Yで計測した方位に、遅い変化(低周波成分)はOFG
−Cで計測した方位に重み付けして方位を求めている
(クロスオーバー法)ため、OFG−Cが動揺の影響を
受けても方位が正確に計測できる。図11ではOFG−
Yで計測した方位にドリフトがみられるが、合成後の方
位にはその影響が現れてこないというメリットも確認す
ることができる。つまり、OFG−Yの低周波領域のバ
イアスの影響を除去することができる。
【0057】なお、図11の計測にあたっては、図12
に示すフローチャートに従い処理を行った。まず、OF
G−Cで初期方位を検出した後ターンテーブルを180
°回転させる。ターンテーブルの回転中、OFG−Yに
より角度データを検出し方位を出力する。ターンテーブ
ルが回転し終わったところでOFG−Cにより方位デー
タを検出する。そしてOFG−Cの方位データとOFG
−Yの方位データに基づき以下の演算を行い合成方位出
力を得た。
【0058】まず、以下のようなパラメータを規定す
る。
【0059】 OFG−C基本データサンプリング周期 Ts[sec] OFG−Yサンプリング周期 ts[sec] 但し、Ts=
k・ts クロスオーバー周波数 fc[Hz] また、次のデータ系列を定義する。
【0060】 OFG−Cデータ(Tsサンプリング) θi OFG−Yデータ(Tsサンプリング) φi OFG−Yデータ(tsサンプリング) ψi 合成方位出力 (Tsサンプリング) ζi OFG−Cに周波数の低い領域を、OFG−Yに周波数
の高い領域を担当させるために、次のクロスオーバー処
理を行い合成方位を出力する。
【0061】OFG−C 低域出力 θi(L) =ρθi
+(1−ρ)θi-1 (L) OFG−Y 低域出力 φi(L) =ρφi+(1−ρ)
φi-1 (L) OFG−Y 高域出力 φi(H) =φi−φi(L) 合成方位出力 ζi =θi(L) +φi(H) 但し、ρ=2πfcTs/(1+πfcTs) なお、サンプリング周期tsでの合成方位はψiを用い
て出力する。
【0062】また、クロスオーバー周波数fcの決定手
法は次によった。
【0063】;静止状態にて、OFG−Cの出力結果
に基づき検出された方位とOFG−Yの出力を同時サン
プリングする。
【0064】;2種のデータに関し、クロスオーバー
周波数を任意に設定し、合成した方位データを求める。
【0065】;で求めた方位データの全てに対し、
標準偏差を求める。
【0066】;,の操作を繰り返し、標準偏差が
最低になるクロスオーバー周波数を求める。
【0067】本実施例では、fc=0.0055[1/mi
n] であった。
【0068】本発明の方位計測装置は、主にシールド工
法や推進工法によるトンネル工事の方位計測に使用され
る。例えば、管径が800mm以下の下水道工事では安
全上、人が測量のために管内に入れないので、カーブ掘
進工事における測量が困難であったが、本発明により測
量が可能となりカーブ掘進工事が容易となる。また、推
進工事の場合、工法上、電源のオンオフが頻繁に起き
る。機械式コンパスでは起動時間が2〜3時間かかるた
め実質的に使用が困難であった。本発明の方位計測装置
は光ファイバ式であるから、起動時間を必要としない
(数分)。従って、推進工事にも効率良く利用できる。
また、機械式コンパスの寿命或いはメンテナンス間隔が
2000時間であるのに比べて、50000時間以上と
なる。また、取扱い性がよく、据付調整費用が削除でき
る。さらに、量産が可能であるため、コストを下げるこ
とができる。そして、0.05°の指北精度が実現でき
る。
【0069】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0070】(1)リアルタイムで精度の高い計測がで
きるので、トンネル工事等の効率が向上する。
【0071】(2)OFG−Cに対する動揺の影響がな
いので計測の信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す方位計測装置の斜視図
である。
【図2】本発明の方位計測装置の測定原理を説明する図
である。
【図3】方位と角速度との関係を示す図である。
【図4】地球と太陽との相対運動による角速度バイアス
補正の原理を説明する図である。
【図5】方位と角速度との関係を示す図である。
【図6】光ファイバジャイロの構成図である。
【図7】光ファイバの断面構造図である。
【図8】積分時間対分解能特性を示す図である。
【図9】方位計測実験の結果を示す図である。
【図10】シールドマシンに装備した方位計測装置によ
る角速度の変化を示す図である。
【図11】シールドマシンに装備した方位計測装置によ
る方位、合成方位の実測値を示す図である。
【図12】図11の計測データを得るのに用いたクロス
オーバー法の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 水平面 3 ヨーレート用光ファイバジャイロのセンシングコイ
ル 4 ターンテーブル 5 コンパス用光ファイバジャイロのセンシングコイル 6 信号処理回路
フロントページの続き (72)発明者 芦塚 紀尋 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社日高工場内 (72)発明者 道正 卓基 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社日高工場内 (72)発明者 宮崎 淳平 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社日高工場内 (72)発明者 中村 康次 大阪府大阪市中央区北浜3丁目5番29号 日立電線株式会社 関西支店内 (72)発明者 田中 浩 大阪府大阪市中央区北久宝寺町3丁目6 番1号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 古川 和義 大阪府大阪市中央区北久宝寺町3丁目6 番1号 株式会社鴻池組内 (56)参考文献 特開 平1−127907(JP,A) 特開 平5−164563(JP,A) 特開 昭62−85815(JP,A) 特開 昭64−16910(JP,A) 特開 平5−172575(JP,A) 実開 平5−25313(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/00 - 19/72 G01C 17/00 - 17/38 G01C 21/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直に立てたセンシングコイルを鉛直軸
    の回りに回転させ、このセンシングコイルで検知される
    地球の自転による角速度から較正基準となる絶対方位を
    計測するコンパス用光ファイバジャイロと、水平に置い
    たセンシングコイルで検知されるヨー角方向の角速度か
    ら相対的な方位変化を計測するヨーレート用光ファイバ
    ジャイロとを組み合わせてリアルタイムに絶対方位を計
    測する装置において、ヨーレート用光ファイバジャイロ
    で計測した方位の変化分とコンパス用光ファイバジャイ
    ロで計測した方位の変化分とが所定の精度で一致した場
    合のみヨーレート用光ファイバジャイロの方位をコンパ
    ス用光ファイバジャイロで計測した方位で較正するアル
    ゴリズムを備えたことを特徴とする方位計測装置。
  2. 【請求項2】 鉛直に立てたセンシングコイルを鉛直軸
    の回りに回転させ、このセンシングコイルで検知される
    地球の自転による角速度から較正基準となる絶対方位を
    計測するコンパス用光ファイバジャイロと、水平に置い
    たセンシングコイルで検知されるヨー角方向の角速度か
    ら相対的な方位変化を計測するヨーレート用光ファイバ
    ジャイロとを組み合わせてリアルタイムに絶対方位を計
    測する装置において、ヨーレート用光ファイバジャイロ
    で計測した方位とコンパス用光ファイバジャイロの方位
    を周波数領域で合成し方位を求めるアルゴリズムを備え
    たことを特徴とする方位計測装置。
  3. 【請求項3】 上記コンパス用光ファイバジャイロが検
    知した角速度から日時に応じた地球と太陽との相対運動
    による角速度バイアス分を除去する手段を備えたことを
    特徴とする請求項1又は2記載の方位計測装置。
  4. 【請求項4】 上記コンパス用光ファイバジャイロのセ
    ンシングコイルを一方向に向けて角速度を検知した後、
    センシングコイルを180°反対に向けて角速度を検知
    し、両者の検知した角速度よりセンシングコイルに生じ
    ているバイアスを求め、検知した角速度からバイアスを
    除去することを特徴とする請求項1〜3記載の方位計測
    装置。
  5. 【請求項5】 上記コンパス用光ファイバジャイロのセ
    ンシングコイルの方向を変えて角速度を検知し、地球の
    自転による角速度がゼロになる方向を探し、その方向で
    絶対方位を計測することを特徴とする請求項1〜4記載
    の方位計測装置。
  6. 【請求項6】 上記光ファイバジャイロが、少なくとも
    センシングコイルに偏波面保存光ファイバを使用し、か
    つ測定光を位相変調する位相変調方式により角速度を検
    知することを特徴とする請求項1〜5記載の方位計測装
    置。
  7. 【請求項7】 上記コンパス用光ファイバジャイロのセ
    ンシングコイルを所定時間一方向に向け、そのとき検知
    される角速度を積分し、その積分時間を予め実測で求め
    た積分時間対分解能特性から最適の分解能となる積分時
    間に設定することを特徴とする請求項1〜6記載の方位
    計測装置。
  8. 【請求項8】 上記地球と太陽との相対運動による角速
    度バイアス分ΔΩを除去する手段が日付及び時刻を計測
    するカレンダ時計を備え、時刻T及び春分の日より数え
    た日数Dを用いて ΔΩ=kcos[90 °−23.4cos{(360°/24)T−(360°/36
    5) D} ] ( kは使用環境によって実験的に定まる定数) として求め、この角速度ΔΩと検知した角速度Ωとから
    方位θを θ=sin-1[(Ω−ΔΩ)/A] (Aは緯度に
    依存する定数) として求めることを特徴とする請求項1〜7記載の方位
    計測装置。
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