JP3868416B2 - 角速度補正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、角速度補正装置に関し、より特定的には、ジャイロセンサにより検出された車両のヨー方向への角速度を補正する角速度補正装置に関する。
車両用ナビゲーションシステムの測位精度に対する要求は、都心部又は住宅地の入り組んだ細街路、又は複雑な形状を持つ立体駐車場でのナビゲーションを可能にするため、年々厳しくなっている。車両用ナビゲーションシステムにおける測位精度を決定する要因としては、自立航法、電波航法又は地図データの精度が挙げられる。電波航法とは、GPS(Global Positioning System)及び/又はVICS(Vehicle Information and Communication System)のように、車両の外部システムから得られる電波を利用して、車両の位置を特定するものである。このような電波航法に関しては、インフラの整備、又はGPS及び/又はVICS自体の精度向上により、大きく精度の向上が図られている。しかし、トンネル内又は屋内のように、外部システムからの電波の届かない場所は必ず存在するので、そのような場所では、電波航法による高精度な測位を期待することはできない。また、地図データの精度に関しても、地図データが未整備な場所においては、測位の精度は保証されない。
以上のことから、車両用ナビゲーションシステムの測位精度の向上には、自立航法による測位精度を向上させることが必要不可欠となる。車両用ナビゲーションシステムにおける自立航法では、ジャイロセンサの出力を用いて車両の進行方位と、車速パルス発生装置又は加速度センサの出力を用いて車両の移動距離とが求められ、これら進行方向及び移動距離から車両の現在位置が算出される。しかし、例えば坂道又は立体駐車場内のように、車両が傾斜面上を移動する場合には、ジャイロセンサもまた傾くため、車両用ナビゲーションシステムは、車両の正しい方位を得ることが出来ない。このような問題に対して、従来の角速度補正装置の一例として、加速度センサ及び車速パルスを用いて車両のピッチ方向への傾斜角を算出し、その傾斜に応じてジャイロセンサの出力を補正するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−42979号公報
以上のように、従来の角速度補正装置では、加速度センサ及び車速パルスのみを用いて車両のピッチ角が算出される。しかし、このような算出方法では、車両に働く遠心力加速度が全く考慮されていない。それ故、車両が旋回しながら傾斜面上を移動した場合には、従来の角速度補正装置で算出されるピッチ角には、遠心加速度に起因する大きな誤差が含まれる。このような誤差が伝搬することにより、従来の角速度補正装置は、ジャイロセンサの出力を正確に補正できない場合があるという問題点がある。
それ故に、本発明は、ジャイロセンサの出力を精度良く補正可能な角速度補正装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一局面は、角速度補正装置であって、車両のヨー方向への角速度を検出するジャイロセンサと、車両の所定方向への加速度を、第一の加速度として検出する加速度センサ部と、車両の移動距離を算出する測距部と、ジャイロセンサで検出された角速度と、加速度センサで検出された第一の加速度と、測距部で算出された移動距離とに基づいて、車両のピッチ方向への傾斜角を、ピッチ角として算出する傾斜角算出部と、傾斜角算出部で算出されたピッチ角を用いて、ジャイロセンサで検出された角速度を補正する角速度補正部とを備える。
以上の局面によれば、角速度補正装置は、ジャイロセンサで検出されたヨー方向への角速度を使って、遠心加速度を考慮したピッチ角を算出する。その後、角速度補正装置は、算出したピッチ角を使って、ジャイロセンサで検出された角速度を補正する。これによって、たとえ車両が旋回しながら傾斜面上を移動することで、ジャイロセンサがピッチ方向に傾いた場合でも、角速度補正装置は、ジャイロセンサで検出された角速度を精度良く補正することが可能となる。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図である。図1において、角速度補正装置は、典型的には車両用ナビゲーションシステムに搭載され、ジャイロセンサ1と、加速度センサ2と、測距部3と、傾斜角算出部4と、角速度補正部5とを備える。
ジャイロセンサ1は、角速度補正装置が車両用ナビゲーションシステムに搭載されるという観点からは、振動型を用いることが好ましい。なぜなら、振動型ジャイロセンサは安価だからである。しかし、これに限らず、ジャイロセンサ1としては、どのような種類(例えば、ガスレート式又は光ファイバ式)のものが用いられても構わない。また、ジャイロセンサ1は理想的には、車両に対して水平に取り付けられ、車両のヨー方向への角速度rを検出する。
一般的に、加速度センサには、例えば圧電型又は静電容量型のように多くの種類がある。加速度センサ2としては、これら種類の中のいずれが用いられても構わない。以上の加速度センサ2は理想的には、自身の検出軸が車両の進行方向と平行になるように設置される。このような加速度センサ2は、車両の進行方向への加速度gxを検出する。
測距部3は、車両の移動距離Dを算出する。上述のように、角速度補正装置が車両に搭載される場合には、測距部3は、車両の速度に応じて変化するパルスを車速パルス発生装置から取得し、取得した車速パルスから車両の移動距離Dを算出する。また、車両に撮像装置が設置されている場合、測距部3は、撮像装置から得られる画像から、車両の移動距離Dを算出する。
傾斜角算出部4は、ジャイロセンサ1の出力値rと、加速度センサ2の出力値gxと、測距部3で算出された移動距離Dとを使って、水平面に対するピッチ方向への車両の傾斜角度を、ピッチ角θ1として算出する。
角速度補正部5は、ジャイロセンサ1から、車両のヨー方向周りの角速度rを受け取る。角速度補正部5はさらに、傾斜角算出部4で算出されたピッチ角θ1を使って、受け取った角速度rを、鉛直軸周りの角速度r’に補正する。
次に、本角速度補正装置におけるピッチ角θ1及び角速度r’の算出処理について具体的に説明する。図2は、水平面に対して車両のピッチ方向に角度θ1だけ傾く傾斜面を走行中の車両を示す模式図である。図2において、車両には、主として、走行による車両の加速度Axの他に、重力加速度Gが働く。さらに、旋回時、車両には遠心加速度も働く。従って、加速度センサ2の出力値gxと、Ax、θ1、G及びf1(v,r)との間には、次式(1)で表される関係が成り立つ。
x≒Ax+Gsinθ1+f1(v,r) …(1)
ここで、f1(v,r)は、遠心加速度成分を表す項であり、ジャイロセンサ1の出力値r、及び測距部3で算出された移動距離Dから導出可能な車両の移動速度vの関数である。このようなf1(v,r)の一例としては、r・f2(v)がある。ここで、f2(v)は、移動速度vの関数である。上式(1)を変形することにより、θ1は、次式(2)で表される。
θ1=sin-1((gx−Ax+f1(v,r))/G) …(2)
また、Ax及びvは、移動距離Dの微分を用いて、次式(3)及び(4)に従って算出される。
x=dD2/dt2 …(3)
v=(dD/dt) …(4)
傾斜角算出部4はまず、上式(4)に従って、測距部3で算出された移動距離Dを時間tで1階微分して、車両の移動速度vを求める。さらに、傾斜角算出部4は、上式(3)に従って、求めた移動速度vをさらに時間tで1階微分して、車両の進行方向への加速度Axを求める。以上のように算出された移動速度v及び加速度Axと、加速度センサ2から得られる加速度gxと、ジャイロセンサ1から得られる角速度rとを、傾斜角算出部4は、上式(2)に代入して、ピッチ角θ1を算出する。
次に、角速度補正部5は、上式(2)に従って算出されたピッチ角θ1を使って、ジャイロセンサ1の出力値rを補正して、補正値r’を求める。具体的には、ジャイロセンサ1がピッチ方向にθ1だけ傾くことにより、出力値rと、補正値r’との間には、次式(5)で表される関係が成り立つ。
r=r’cosθ1 …(5)
上式(5)を変形することにより、r’は、次式(6)で表される。
r’=r/cosθ1 …(6)
角速度補正部5は、上式(6)に、ジャイロセンサ1の出力値rと、傾斜角算出部4で算出されたピッチ角θ1とを代入して、補正値r’を算出する。このような補正の結果、車両がピッチ方向に傾斜する面上を走行中でも、常に鉛直軸周りの正確な角速度r’が得られる。
以上説明したように、本角速度補正装置によれば、ジャイロセンサ1にピッチ方向の傾きが生じた場合であっても、ジャイロセンサ1の出力値r及び測距部3で算出された移動速度vを、遠心加速度の項を表す関数f1(v,r)に代入することで、遠心加速度の影響を考慮した正確なピッチ角θ1が算出される。このようなピッチ角θ1を使って、ジャイロセンサ1の出力値rが、鉛直軸周りの正確な角速度r’に補正される。これによって、従来よりも精度良くジャイロセンサ1の出力値rを補正することが可能な角速度補正装置を提供することが可能となる。また、本角速度補正装置が組み込まれた車両用ナビゲーションシステムは、常に正確な方位を算出することが可能となる。
(第二の実施形態)
図3は、本発明の第二の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図である。図3において、角速度補正装置は、図1に示すものと比較すると、加速度センサ2、傾斜角算出部4及び角速度補正部5の代わりに、加速度センサ部6、傾斜角算出部7及び角速度補正部8を備える点で相違する。それ以外に両角速度補正装置の間に相違点は無いので、図3において、図1に示す構成に相当するものには、同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
加速度センサ部6は本質的には、車両の進行方向、左右方向及び鉛直方向の内、互いに異なる2方向への加速度を検出して、いずれか一方を第一の加速度g1として出力し、いずれか他方を第二の加速度g2として出力する。これら加速度g1及びg2を出力するため、本実施形態では、例示的に、加速度センサ部6は、第一の加速度センサ9及び第二の加速度センサ10を含む。
第一の加速度センサ9及び第二の加速度センサ10は、前述の加速度センサ2と同様に、どのような種類のものであっても良い。また、第一の加速度センサ9は、自身の検出軸が車両の進行方向、左右方向及び鉛直方向のいずれか一方向と平行になるように設置され、自身の検出軸の方向への車両の加速度を、第一の加速度g1として検出する。それに対して、第二の加速度センサ10は、自身の検出軸が、車両の進行方向、左右方向及び鉛直方向の内、第一の加速度センサ9のもの検出軸と異なる一方向と平行になるように設置され、自身の検出軸の方向への車両の加速度を、第二の加速度g2として検出する。
なお、周知のように、加速度センサには、互いに直交する2軸方向への加速度を検出可能なものもあるので、このような2軸加速度センサから加速度センサ部6は構成されても良い。
傾斜角算出部7は、ジャイロセンサ1の出力値rと、第一の加速度センサ6の出力値g1と、第二の加速度センサ7の出力値g2と、測距部3で算出された移動距離Dとを使って、前述のピッチ角θ1と、水平面を基準としてロール方向への車両の傾斜角(つまりロール角)θ2を算出する。
角速度補正部8は、傾斜角算出部7で算出されたピッチ角θ1及びロール角θ2を使って、ジャイロセンサ1から得られる角速度rを、鉛直軸周りの角速度r’に補正する。
次に、本角速度補正装置におけるピッチ角θ1及びロール角θ2の算出処理について具体的に説明する。図2に示すように、水平面に対して車両のピッチ方向に角度θ1だけ傾く傾斜面において、車両には、走行による加速度Axの他に、重力加速度Gが働き、さらには、遠心加速度が働く場合もある。ここで、加速度センサ部6が車両の進行方向の加速度gxを、加速度g1又はg2として出力すると仮定すると、gxと、Ax、θ1、G及びf1(v,r)との間には、前式(1)と同じ次式(7)で表される関係が成り立つ。
x≒Ax+Gsinθ1+f1(v,r) …(7)
ここで、f1(v,r)は、前述と同様の遠心加速度成分を表す項であり、出力値r及び移動速度vの関数である。ここで、本実施形態では、f1(v,r)は0でも良い。
図4は、水平面に対して車両のロール方向に角度θ2だけ傾く面を走行中の車両のリアビューを示す模式図である。図4において、車両には、その走行による加速度Axの他に、重力加速度Gが働き、さらには、遠心加速度が働く場合もある。ここで、車両の左右方向への加速度をgyとおき、さらに車両の鉛直方向への加速度をgzとおくと、gyと、θ1、θ2、G及びf3(v,r)との間には、次式(8)で表される関係が成り立つ。また、gzと、θ1、θ2、及びGとの間には、次式(9)で表される関係が成り立つ。
y≒f3(v,r)−Gcosθ1cosθ2 …(8)
z≒Gcosθ1cosθ2…(9)
ここで、f3(v,r)は、遠心加速度成分を表す項であり、出力値r及び移動速度vの関数である。このようなf3(v,r)の一例としては、r・f4(v)がある。ここで、f4(v)は、移動速度vの関数である。
また、Ax及びvは、次式(10)及び(11)に従って算出される。
x=dD2/dt2 …(10)
v=(dD/dt) …(11)
ここで、上述したように、加速度センサ部6は、第一の加速度g1及び第二の加速度g2の組み合わせとして、加速度gx及びgyの組み合わせ、加速度gx及びgzの組み合わせ、又は加速度gy及びgzの組み合わせを出力すれば良い。以下には、まず、第一の加速度センサ9が第一の加速度g1として加速度gxを検出し、さらに第二の加速度センサ10が第二の加速度g2として加速度gyを検出する場合における、ピッチ角θ1及びロール角θ2の算出処理について説明する。この場合、上式(7)を変形することにより、θ1は、次式(12)で近似される。
θ1≒sin-1[{gx−Ax+f1(v,r)}/G] …(12)
傾斜角算出部7は、測距部3で算出された移動距離Dを使って、車両の移動速度v及び加速度Axを求めた後、算出した移動速度v及び加速度Axと、第一の加速度センサ9からの加速度gxと、ジャイロセンサ1からの角速度rとを、上式(12)に代入して、ピッチ角θ1を算出する。
また、上式(8)及び上式(12)から、θ2は次式(13)で表される。
θ2≒sin-1[{f1(v,r)−gy}/Gcosθ1] …(13)
傾斜角算出部7は、算出した移動速度v及びピッチ角θ1と、第二の加速度センサ10からの加速度gyと、ジャイロセンサ1からの角速度rとを、上式(13)に代入して、ロール角θ2を算出する。
ここで、図5Aは、上式(12)を使ってピッチ角θ1を算出した例を示すグラフである。また、図5Bは、上式(13)を使ってロール角θ2を算出した例を示すグラフである。図5A及び図5Bにおいて、ピッチ角θ1及びロール角θ2は、車両が螺旋状の傾斜路を5周下り、同じ傾斜路を5周上がる間に算出された値である。また、図5Aにおいて、縦軸はθ1であり、横軸は時間tである。さらに、図5Bにおいて、縦軸はθ2であり、横軸は時間tである。
次に、第一の加速度センサ9が第一の加速度g1として加速度gxを検出し、さらに第二の加速度センサ10が第二の加速度g2として加速度gzを検出する場合における、ピッチ角θ1及びロール角θ2の算出処理について説明する。この場合、傾斜角算出部7は、上式(12)に基づいてピッチ角θ1を算出する。
また、上式(9)を変形することにより、θ2は、次式(14)で表される。
θ2≒cos-1(gz/Gcosθ1) …(14)
傾斜角算出部7は、算出したピッチ角θ1と、第二の加速度センサ10からの加速度gzとを、上式(14)に代入して、ロール角θ2を算出する。ここで、上式(14)では、ロール角θ2の符号は失われてしまうが、一般的に、車両の旋回時におけるロール角θ2の符号変化は、ジャイロセンサ1が出力するヨー方向周りの角速度rの符号変化に一致するので、傾斜角算出部7は、ロール角θ2の符号を、ジャイロセンサ1からの角速度rの符号から決定すればよい。
次に、第一の加速度センサ9が第一の加速度g1として加速度gyを検出し、さらに第二の加速度センサ10が第二の加速度g2として加速度gzを検出する場合における、ピッチ角θ1及びロール角θ2の算出処理について説明する。この場合、前式(9)を前式(8)に代入することにより、次式(15)が得られる。
y≒f3(v,r)+gztanθ2 …(15)
上式(15)を変形することにより、θ2は、次式(16)で表される。
θ2≒tan-1[{gy−f3(v,r)}/gz] …(16)
傾斜角算出部7は、前述同様に求められる移動速度vと、第一の加速度センサ9からの加速度gyと、第二の加速度センサ10からの加速度gzと、ジャイロセンサ1からの角速度rとを、上式(16)に代入して、ロール角θ2を算出する。
また、上式(16)を前式(9)に代入した後で、前式(9)を整理すると、ピッチ角θ1は次式(17)で表される。
θ1≒cos-1(gz/Gcosθ2) …(17)
傾斜角算出部7は、今回算出したθ2と、今回得られたgzとを、上式(17)に代入して、ピッチ角θ1を算出する。ここで、上式(17)によれば、ピッチ角θ1の符号は失われてしまうが、傾斜角算出部7は、ピッチ角θ1の符号を、ジャイロセンサ1からの角速度rの符号から決定することができる。
次に、本角速度補正装置における角速度rの補正処理について具体的に説明する。まず、角速度補正部8は、上述のいずれかの方法で算出されたピッチ角θ1及びロール角θ2を使って、ジャイロセンサ1の出力値rを補正して、補正値r’を求める。具体的には、ジャイロセンサ1がピッチ方向及びロール方向にそれぞれ、角度θ1及びθ2傾斜するので、出力値rと、補正値r’との間には、次式(18)で表される関係が成り立つ。
r’=r/(cosθ1・cosθ2) …(18)
角速度補正部8は、上式(18)に、ジャイロセンサ1の出力値rと、傾斜角算出部7で算出されたピッチ角θ1及びロール角θ2とを代入して、補正値r’を算出する。なお、上式(18)から明らかなように、角速度補正部8による補正処理では、ピッチ角θ1及びロール角θ2の余弦成分が使われる。また、車両のピッチ角θ1及びロール角θ2はそれぞれ、−90°<θ1<90°及び−90°<θ2<90°の範囲内でしか変化しない。このような条件下では、cosθ1及びcosθ2は正の値である。従って、前述の傾斜角算出部7で算出される角度θ1及びθ2の符号は、補正値r’に影響を与えない。つまり、角速度rを補正するだけであれば、傾斜角算出部7は、角度θ1及びθ2の符号を特に確定する必要はない。
以上説明したように、本角速度補正装置によれば、ジャイロセンサ1にピッチ方向及び/又はロール方向に傾きが生じた場合であっても、遠心加速度の項を表す関数f1(v,r)及びf3(v,r)を導入することにより、遠心加速度の影響を考慮した正確なピッチ角θ1及びロール角θ2が算出される。このようなピッチ角θ1及びロール角θ2を使うことにより、鉛直軸周りの正確な角速度r’を得ることが出来る。これによって、さらに精度良くジャイロセンサ1の出力値rを補正することが可能な角速度補正装置を提供することが可能となる。また、本角速度補正装置が組み込まれた車両用ナビゲーションシステムは、常に正確な方位を算出することが可能となる。
(第三の実施形態)
図6は、本発明の第三の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図である。図6において、角速度補正装置は、図3に示すものと比較すると、傾斜角算出部7の代わりに、ピッチ角導出部11、パラメータ算出部12及び傾斜角算出部13を備える点で相違する。それ以外に両角速度補正装置の間に相違点は無いので、図6において、図3に示す構成に相当するものには、同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。なお、本実施形態では、第一の加速度センサ9及び第二の加速度センサ10のいずれかは、車両の進行方向への加速度gxを検出する。
第二の実施形態において、傾斜角算出部7は、ピッチ角θ1を算出するために、角速度r及び移動距離Dを使っていた。それに対して、ピッチ角導出部11は、角速度r及び移動距離Dを使うことなく、つまり、ジャイロセンサ1及び測距部3のような自律航法を行うための構成を用いずに、車両のピッチ角GPS_θの正弦sin(GPS_θ)を導出する。以下の説明では、GPS受信機から得られるデータ(以下、GPSデータと称する)を使って、車両のピッチ角の正弦sin(GPS_θ)を導出する方法について説明する。
ピッチ角導出部11は、GPSデータから、時刻t及び時刻t+1それぞれでの車両の高度GPS_h(t)及びGPS_h(t+1)を取得する。さらに、ピッチ角導出部11は、GPSデータから、時刻tから時刻t+1までの間の車両の移動距離GPS_Dを取得する。GPS_h(t)、GPS_h(t+1)及びGPS_Dと、sin(GPS_θ)との間には、次式(19)で示される関係が成り立つ。
sin(GPS_θ)=(GPS_h(t+1)−GPS_h(t))/GPS_D
…(19)
ピッチ角導出部11は、上式(19)に、GPS_h(t)、GPS_h(t+1)及びGPS_Dを代入して、sin(GPS_θ)を導出する。
なお、ピッチ角導出部11は、他にも、以下のようにしてsin(GPS_θ)を導出してもよい。つまり、ピッチ角導出部11は、GPS受信機(図示せず)から、車両の現在位置を取得する。ピッチ角導出部11は、ナビゲーションに必要な地図データベースにアクセスして、車両が現在位置する道路区間を表すリンクの傾斜角を、GPS_θとして取得する。その後、ピッチ角導出部11は、sin(GPS_θ)を導出する。
次に、パラメータ算出部12での処理について説明する。前述のように、車両には、走行による車両の加速度Axの他に、重力加速度Gが働き、さらには、遠心加速度が働く場合もある(図2参照)。従って、第一の加速度センサ9又は第二の加速度センサ10の出力値gxと、Ax、sin(GPS_θ)、G及びf1(v,r)との間には、調整項Kを用いて、次式(20)で表される関係が成り立つ。
x≒Ax+Gsin(GPS_θ)+K・f1(v,r) …(20)
上式(20)を変形することにより、Kは、次式(21)で表される。
K={Ax+Gsin(GPS_θ)−gx}/f1(v,r) …(21)
ここで、Ax及びvは、前式(3)及び(4)に従って算出される。
パラメータ算出部12は、前式(4)に従って、測距部3から受け取った移動距離Dを使って、車両の移動速度v及び加速度Axを求める。以上のように算出された移動速度v及び加速度Axと、加速度センサ部6から得られる加速度gxと、ジャイロセンサ1から得られる角速度rと、ピッチ角導出部11から得られるsin(GPS_θ)とを、上式(21)に代入して、パラメータ算出部12は調整項Kを算出する。
次に、傾斜角算出部13での処理について説明する。まず、第一の加速度センサ9が第一の加速度g1として加速度gxを検出し、さらに第二の加速度センサ10が第二の加速度g2として加速度gyを検出する場合における、ピッチ角θ1及びロール角θ2の算出処理について説明する。第二の実施形態では、θ1及びθ2は、前式(12)及び(13)で近似されていた。しかし、出力値rには、ジャイロセンサ1の定常ノイズ、温度変化によるドリフト又は感度誤差が含まれる場合がある。また、移動距離Dには、測距部3による測定誤差が含まれる場合がある。このような場合、f1(v,r)には、これら誤差が伝搬する。本実施形態では、傾斜角算出部13で算出されるピッチ角θ1及びロール角θ2の精度を高めるために、より精度の高いピッチ角GPS_θを使って算出された調整項Kが使われる。このような調整項Kを考慮した場合、ピッチ角θ1は、次式(22)で表される。また、ロール角θ2は、次式(23)で表される。
θ1≒sin-1((gx−Ax+K・f1(v,r))/G) …(22)
θ2≒sin-1((K・f6(v,r)−gy)/Gcosθ1) …(23)
ここで、f6(v,r)は、遠心加速度成分を表す項であり、ジャイロセンサ1の出力値r、及び測距部3で算出された移動距離Dから導出可能な車両の移動速度vの関数である。但し、f6(v,r)は、f1(v,r)とは異なる。
傾斜角算出部13は、移動距離Dから導出される移動速度v及び加速度Axと、第一の加速度センサ9からの加速度gxと、ジャイロセンサ1からの角速度rと、パラメータ算出部12から得られる調整項Kを、上式(22)に代入して、ピッチ角θ1を算出する。
さらに、傾斜角算出部13は、算出した移動速度v及びピッチ角θ1と、第二の加速度センサ10からの加速度gyと、ジャイロセンサ1からの角速度rと、今回得られた調整項Kとを、上式(23)に代入して、ロール角θ2を算出する。
なお、第一の加速度センサ9が第一の加速度g1として加速度gxを検出し、さらに第二の加速度センサ10が第二の加速度g2として加速度gzを検出する場合においても、傾斜角算出部13は、前式(22)に従ってピッチ角θ1を算出する。
また、第一の加速度センサ9が第一の加速度g1として加速度gyを検出し、さらに第二の加速度センサ10が第二の加速度g2として加速度gzを検出する場合においては、傾斜角算出部13は、前式(16)におけるf3(v,r)の代わりに、K・f3(v,r)を代入することにより、ロール角θ2を算出する。
以上のような調整項Kを用いることにより、ジャイロセンサ1の出力値rに含まれる様々な誤差、測距部3で算出される移動距離Dに含まれる誤差が、補正値r’に伝搬することを防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、調整項Kを算出するには、GPS受信機が必要であった。周知のようにGPS受信機は、GPS(Grobal Positioning System)に収容される人工衛星からの電波を受信できない場合もある。このような場合であっても、角速度補正装置内の記憶装置に、過去に求めた調整項Kを保存しておくことにより、たとえGPS受信機が電波を受信できない場合であっても、傾斜角算出部13は、記憶装置内の調整項Kを使うことにより、相対的に正確なピッチ角θ1及びロール角θ2を算出することが可能となる。
また、本実施形態において、調整項Kは、前式(21)に基づいて算出されていた。また、調整項Kを予め導出し、本角速度補正装置に格納しておくことも可能である。この場合、本角速度補正装置を搭載したナビゲーションシステムの出荷時に調整項Kを使って、傾斜角算出部13は、ピッチ角θ1及びロール角θ2を算出することが好ましい。
さらに、第三の実施形態は、第二の実施形態の変型例として記載されたが、これに限らず、第一の実施形態に、第三の実施形態の特徴である調整項Kを応用しても構わない。
(第四の実施形態)
図7は、本発明の第四の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図である。図7において、角速度補正装置は、図3に示すものと比較すると、傾斜角算出部7及び角速度補正部8の代わりに、取り付け角算出部14、傾斜角算出部15及び角速度補正部16を備える点で相違する。それ以外に両角速度補正装置の間に相違点は無いので、図7において、図3に示す構成に相当するものには、同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。なお、本実施形態では、第一の加速度センサ9は、車両の進行方向への加速度gxを検出し、第二の加速度センサ10は、車両の左右方向への加速度gyを検出すると仮定する。
取り付け角算出部14は、第一の加速度センサ9からの第一の加速度g1を用いて、ジャイロセンサ1及び/又は第一の加速度センサ9の取り付け角αを算出する。取り付け角αは、より具体的には、本角速度補正装置が車両に設置された時における、鉛直軸に対する、第一の加速度センサ9及び/又はジャイロセンサ1のピッチ方向への角度である。
傾斜角算出部15は、前述の傾斜角算出部8と比較すると、取り付け角算出部14で算出された取り付け角αをさらに用いて、ピッチ角θ1及びロール角θ2を算出する点で相違する。
角速度補正部16は、前述の角速度補正部9と比較すると、取り付け角算出部14で算出された取り付け角αをさらに用いて、補正値r’を算出する点で相違する。
以下には、まず、取り付け角算出部14での処理について説明する。図8は、本角速度補正装置を搭載する車両が水平面に静止している時の様子を示す模式図である。図8において、本角速度補正装置が取り付け角αで車両に対して搭載され、この車両が水平面に静止する場合、次式(24)の関係が成り立つ。
x=g1=Gsinα…(24)
上式(24)から、αは次式(25)で表される。
α=sin-1(g1/G)…(25)
取り付け角算出部14は、第一の加速度センサ9からの第一の加速度g1(つまり、加速度gx)を、上式(25)に代入して、取り付け角αを算出する。ここで、取り付け角αを算出するには、車両は水平面に静止している必要がある。それ故、角速度補正装置を車両にメーカ又はディーラが取り付けた直後に、上記のような条件で取り付け角度算出部14を動作させることで、取り付け角αを導出することができる。また、ユーザが自分で角速度補正装置を車両に取り付けた場合には、上記のような条件を満たすと想定可能な場所で、取り付け角度算出部14を動作させることで、取り付け角αを導出することができる。いずれにしても、取り付け角αの算出は、角速度補正装置を車両に取り付けた後に、一回だけ行われればよく、それ以降、このようにして算出された取り付け角αは継続的に利用される。
次に、傾斜角算出部15での処理について説明する。図9は、水平面に対して車両のピッチ方向に角度θ1だけ傾く傾斜路を走行中の車両を示す模式図である。なお、図9において、角速度補正装置は上述の取り付け角αを持った状態で車両に取り付けられている。図9において、車両には、主として、走行による車両の加速度Axの他に、重力加速度Gが働く。さらに、旋回時、車両には遠心加速度が働く。従って、第一の加速度センサ9の出力値g1と、Ax、θ1、G、α及びf1(v,r)との間には、次式(26)で表される関係が成り立つ。
1=gx≒Axcosα+Gsin(θ1+α)+f1(v,r) …(26)
ここで、Ax及びf1(v,r)は、第一の実施形態で説明した通りである。
上式(26)を変形することにより、θ1は次式(27)で表される。
θ1≒sin-1{(gx−Axcosα+f1(v,r))/G}−α …(27)
また、図10は、水平面に対して車両のロール方向に角度θ2だけ傾く面を移動中の車両のリアビューを示す模式図である。なお、図10において、角速度補正装置は上述の取り付け角αを持った状態で車両に取り付けられている。図10において、車両には、移動による加速度Axの他に、重力加速度Gが働き、さらには、遠心加速度が働く場合もある。ここで、第二の加速度センサ10の出力値g2と、θ1、θ2、G、α及びf3(v,r)との間には、次式(28)で表される関係が成り立つ。
2=gy≒f5(v,r,α)−Gcosθ1cosθ2 …(28)
ここで、f5(v,r,α)は、遠心加速度成分を表す項であり、出力値r、移動速度v及び取り付け角αの関数である。
上式(27)及び(28)より、θ2は次式(29)で表される。
θ2≒sin-1[{f5(v,r,α)−gy}/Gcosθ1] …(29)
傾斜角算出部15は、傾斜角算出部4と同様に、測距部3からの移動距離Dを使って、車両の移動速度v及び加速度Axを求める。その後、傾斜角算出部15は、算出した移動速度v及び加速度Axと、第一の加速度センサ9からの加速度gxと、ジャイロセンサ1からの角速度rと、取り付け角算出部14で算出された取り付け角αとを、上式(27)に代入して、ピッチ角θ1を算出する。
さらに、傾斜角算出部15は、算出した移動速度v及びピッチ角θ1と、第二の加速度センサ10からの加速度gyと、ジャイロセンサ1からの角速度rと、取り付け角算出部14で算出された取り付け角αとを、上式(29)に代入して、ロール角θ2を算出する。
次に、角速度補正部16での処理について説明する。第一の実施形態で説明からも明らかな通り、ピッチ方向に角度Θだけ傾くジャイロセンサ1の出力値rを、鉛直軸周りの角速度r’に変換するには、次式(30)が用いられる。
r’=r・cosΘ …(30)
以上のことから、Θと、θ1、θ2及びαとの関係式を導出することにより、角速度補正部16は、取り付け角αで取り付けられたジャイロセンサ1の出力値rを鉛直軸周りの角速度r’に補正することが可能となる。
ここで、図11A−図11Cは、cosΘの算出方法を示す模式図である。図11Aにおいて、X、Y及びZ軸はそれぞれ、車両の進行方向、左右方向及び鉛直方向を示す。また、XY平面は水平面である。また、図11Aに示すように、取り付け角αは、車両が水平面上を走行中のジャイロセンサ1の傾きに等しい。ここで、水平面の車両が走行中におけるジャイロセンサ1の検出軸をZ’軸とする。
次に、図11Bに示すように、図11Aの状態から、車両がロール方向に角度θ2だけ傾斜した場合、Z’軸は、X軸周りに角度θ2だけ回転する。ここで、Z’軸をX軸周りに角度θ2だけ回転させた軸を、Z”軸とする。さらに、図11Cに示すように、図11Bの状態から、車両がピッチ方向に角度θ1だけ傾斜した場合、Z”軸は、車両の進行方向(X軸の方向)を示す軸周りに角度θ1だけ回転する。ここで、回転後のZ”軸、つまり、取り付け角αだけ傾いた状態で角速度補正装置が取り付けられた車両がピッチ方向及びロール方向にそれぞれ角度θ1及びθ2だけ傾いた場合における、ジャイロセンサ1の検出軸をZΘとおく。
以上のような場合、角度Θは、検出軸ZΘと鉛直軸とがなす角である。以下、cosΘの算出方法を詳細に説明する。上述のZ軸、Z’軸、Z”軸及びZΘ軸をそれぞれ、ベクトルで表すと、Zは(0,0,r)となり、Z’は(rsinα,0,rcosα)となり、Z”は(rsinα,−rcosαsinθ2,rcosαcosθ2)となり、さらに、ZΘは(rsin(α+θ1)−rcosαsinθ1(1−cosθ2),−rcosαsinθ1,rcos(α+θ1)−rcosαcosθ1(1−cosθ2))となる。
これらから、ベクトルZ及びZΘの内積演算を用いることにより、cosΘは、次式(31)で表される。
cosΘ=cos(α+θ1)−cosαcosθ1(1−cosθ2) …(31)
角速度補正部16は、取り付け角算出部14で算出される取り付け角αと、傾斜角算出部15で算出される角度θ1及びθ2とを、上式(31)に代入して、cosΘを算出する。その後、算出したcosΘと、ジャイロセンサ1で検出されたrとを、上式(30)に代入して、補正値r’を算出する。
以上説明したような処理により、本角速度補正装置を組み込んだ車載用ナビゲーションシステムを車両のインダッシュに取り付けた場合のように、ジャイロセンサ1が初期状態でピッチ方向へ傾斜を持つときでも、ジャイロセンサ1の出力値rを正確に補正することが可能となる。
なお、本実施形態において、取り付け角αは、取り付け角算出部14により算出されていた。しかし、これに限らず、取り付け角αは、車両の種類に応じて予め実測された値でもあっても良い。もし、車両の出荷時に本角速度補正装置がすでに車両に搭載されているのであれば、予め導出された取り付け角αを使って、傾斜角算出部15及び角速度補正部16は処理を行う。また、本角速度補正装置が車両の出荷後に車両に取り付けられる場合も想定し、角速度補正装置は、車種毎の取り付け角αが記述されたデータベースを保持する。そして、角速度補正装置が車両に搭載された時点で、ユーザ又は設置者が、リモートコントローラに代表される入力装置を使って、データベースから、車種に合った取り付け角αを選択する。このようにして選択された取り付け角αを使って、傾斜角算出部15及び角速度補正部16は処理を行う。
また、本実施形態では、cosΘは、前式(31)に従って算出されていた。しかし、これに限らず、cosΘは、前式(31)の近似式に従って算出されても構わない。
また、第四の実施形態は、第二の実施形態の変型例として記載されたが、これに限らず、第一の実施形態に、第四の実施形態の特徴である、取り付け角αに基づくピッチ角θ1、ロール角θ2及び補正値r’の算出処理を応用しても構わない。
本発明に係る角速度補正装置は、車両のヨー方向への角速度をより正確に求めるという技術的効果が要求される車両用ナビゲーションシステム等の用途にも適用できる。
本発明の第一の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図 水平面に対して車両のピッチ方向に角度θ1だけ傾く面上を移動中の車両を示す第一の模式図 本発明の第二の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図 水平面に対して車両のロール方向に角度θ2だけ傾く面上を移動中の車両のリアビューを示す第一の模式図 図3に示す傾斜角算出部7により算出されたピッチ角θ1を例示するグラフ 図3に示す傾斜角算出部7により算出されたロール角θ2を例示するグラフ 本発明の第三の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図 本発明の第四の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図 本角速度補正装置を搭載する車両が水平面に静止している時の様子を示す模式図 水平面に対して車両のピッチ方向に角度θ1だけ傾く面上を移動中の車両を示す第2の模式図 水平面に対して車両のロール方向に角度θ2だけ傾く面上を移動中の車両のリアビューを示す第2の模式図 ジャイロセンサ1の検出軸Zを取り付け角αだけピッチ方向に傾けることにより得られる検出軸Z’を示す模式図 図11Aに示す検出軸Zをロール方向に角度θ2だけ回転させることで得られる検出軸Z”を示す模式図 図11Bに示す検出軸Z”をピッチ方向に角度θ1だけ回転させることで得られる検出軸ZΘを示す模式図
符号の説明
1 ジャイロセンサ
2 加速度センサ
3 測距部
4,7,13,15 傾斜角算出部
5,8,16 角速度補正部
6 加速度センサ部
9 第一の加速度センサ
10 第二の加速度センサ
11 ピッチ角導出部
12 パラメータ算出部
14 取り付け角算出部
r ジャイロセンサ1の出力値
r’ 角速度補正部5,8又は16の出力値
x 加速度センサ2又は加速度センサ部6により検出される車両の進行方向への加速度
D 測距部3で算出される車両の移動距離
v 移動距離Dを1階微分して得られる車両の移動速度
x 移動距離Dを2階微分して得られる車両の加速度
G 重力加速度
θ1 車両のピッチ角
y 加速度センサ部6で検出される車両の左右方向への加速度
z 加速度センサ部6で検出される車両の鉛直方向への加速度
θ2 車両のロール角
K 調整項
α ジャイロセンサ1の取り付け角

Claims (13)

  1. 角速度補正装置であって、
    車両のヨー方向への角速度を検出するジャイロセンサと、
    車両の所定方向への加速度を、第一の加速度として検出する加速度センサ部と、
    車両の移動距離を算出する測距部と、
    前記ジャイロセンサで検出された角速度と、前記加速度センサで検出された第一の加速度と、前記測距部で算出された移動距離とに基づいて、車両のピッチ方向への傾斜角を、ピッチ角として算出する傾斜角算出部と、
    前記傾斜角算出部で算出されたピッチ角を用いて、前記ジャイロセンサで検出された角速度を補正する角速度補正部とを備える、角速度補正装置。
  2. 前記第一の加速度は、車両の進行方向への加速度である、請求項1に記載の角速度補正装置。
  3. 前記加速度センサ部は、車両について、前記第一の加速度とは異なる向きへの加速度を、第二の加速度として検出し、
    前記傾斜角算出部は、前記加速度センサ部で検出された第二の加速度をさらに用いて、前記車両のロール方向への傾斜角をロール角として算出し、
    前記角速度補正部は、前記傾斜角算出部で算出されたロール角をさらに用いて、前記ジャイロセンサで検出された角速度を補正し、
    前記第一及び前記第二の加速度は、車両の進行方向、左右方向及び鉛直方向のいずれかである、請求項1に記載の角速度補正装置。
  4. 前記第一の加速度は車両の進行方向への加速度であり、前記第二の加速度は車両の左右方向への加速度であり、
    前記傾斜角算出部は、
    前記測距部で算出された移動距離から、車両の移動速度と、車両の進行方向への第三の加速度とを求め、さらに、求めた移動速度及び第三の加速度と、前記ジャイロセンサで検出された角速度と、前記加速度センサ部で検出された第一の加速度とから、前記ピッチ角を算出し、
    算出したピッチ角及び移動速度と、前記ジャイロセンサで検出された角速度と、前記加速度センサ部で検出された第二の加速度とから、前記ロール角を算出する、請求項3に記載の角速度補正装置。
  5. 前記第一の加速度は車両の進行方向への加速度であり、前記第二の加速度は車両の鉛直方向への加速度であり、
    前記傾斜角算出部は、
    前記測距部で算出された移動距離から、車両の移動速度及び第三の加速度を求め、さらに、求めた移動速度及び第三の加速度と、前記ジャイロセンサで検出された角速度と、前記加速度センサ部で検出された第一の加速度とから、前記ピッチ角を算出し、
    算出したピッチ角と、前記加速度センサ部で検出された第二の加速度とから、前記ロール角を算出する、請求項3に記載の角速度補正装置。
  6. 前記第一の加速度は車両の左右方向への加速度であり、前記第二の加速度は車両の鉛直方向への加速度であり、
    前記傾斜角算出部は、
    前記測距部で算出された移動距離から車両の移動速度を求め、さらに、求めた移動速度と、前記ジャイロセンサで検出された角速度と、前記加速度センサ部で検出された第一及び第二の加速度とから、前記ロール角を算出し、
    算出したロール角と、前記加速度センサ部で検出された第二の加速度とから、前記ピッチ角を算出する、請求項3に記載の角速度補正装置。
  7. 前記傾斜角算出部は、所定の調整項をさらに用いて、前記ピッチ角を算出する、請求項1に記載の角速度補正装置。
  8. 前記加速度センサ部は、前記車両について、前記第一の加速度とは異なる向きへの加速度を、第二の加速度として検出し、
    前記傾斜角算出部は、前記加速度センサ部で検出された第二の加速度及び前記調整項をさらに用いて、前記ロール角をさらに算出する、請求項7に記載の角速度補正装置。
  9. 前記傾斜角算出部とは異なる方法で、車両のピッチ方向への傾斜角を、ピッチ角として導出するピッチ角導出部と、
    前記ピッチ角導出部で導出されたピッチ角と、前記ジャイロセンサで検出された角速度と、前記加速度センサで検出された第一の加速度と、前記測距部で算出された移動距離とに基づいて、前記調整項を算出するパラメータ算出部とをさらに備える、請求項7に記載の角速度補正装置。
  10. 前記調整項は、前記傾斜角算出部で算出されるピッチ角の誤差を補正可能な値である、請求項7に記載の角速度補正装置。
  11. 前記加速度センサ部で検出された第一の加速度に基づいて、前記ジャイロセンサの取り付け角度を算出する取り付け角算出部をさらに備え、
    前記傾斜角算出部は、前記取り付け角算出部で算出された取り付け角度をさらに用いて、前記ピッチ角を算出し、
    前記角速度補正部は、前記取り付け角算出部で算出された取り付け角をさらに用いて、前記ジャイロセンサで検出された角速度を補正する、請求項2に記載の角速度補正装置。
  12. 前記角速度補正部は、車両の種類毎で予め定められる、前記ジャイロセンサの取り付け角度をさらに用いて、前記ジャイロセンサで検出された角速度を補正する、請求項2に記載の角速度補正装置。
  13. 角速度算出方法であって、
    車両のヨー方向への角速度を検出する角速度検出ステップと、
    車両の進行方向への加速度を検出する加速度検出ステップと、
    車両の移動距離を算出する測距ステップと、
    前記角速度検出ステップで検出された角速度と、前記加速度検出ステップで検出された加速度と、前記測距ステップで算出された移動距離とに基づいて、車両のピッチ方向への傾斜角を、ピッチ角として算出する傾斜角算出ステップと、
    前記傾斜角算出ステップで算出されたピッチ角を用いて、前記角速度検出ステップで検出された角速度を補正する角速度補正ステップとを備える、角速度算出方法。


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