JP2005227026A - 角速度補正装置 - Google Patents

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徹 市川
Akira Ishida
明 石田
Tsutomu Nishisaka
努 西坂
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Abstract

【課題】 ジャイロセンサの出力を精度よく補正可能な角速度補正装置を提供すること
【解決手段】 角速度補正装置において、ジャイロセンサ11は、実質的に車両のヨー方向への角速度を検出する。角度算出部12は、車両について、ヨー方向以外への所定方向への傾斜角を定期的に算出する。情報取得部14は、車両の姿勢に関する姿勢情報を取得する。閾値設定部15は、上記所定方向への傾斜角について、少なくとも1つの閾値を設定する。補正項導出部16は、設定された閾値と、算出された傾斜角とに基づいて、補正項を導出する。ジャイロ補正部17は、ジャイロセンサ11により検出された角速度を、補正項導出部16で導出された補正項を使って補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、角速度補正装置に関し、ジャイロセンサにより検出された車両のヨー方向周りの角速度を補正する角速度補正装置に関する。
車両用ナビゲーションシステムの測位精度に対する要求は、都心部又は住宅地の入り組んだ細街路、又は複雑な形状を持つ立体駐車場でのナビゲーションを可能にするため、年々厳しくなっている。測位精度を決定する要因としては、自律航法、電波航法又は地図データの精度が挙げられる。
電波航法とは、GPS(Global Positioning System)及び/又はVICS(Vehicle Information and Communication System)のように、車両の外部システムから得られる電波を利用して、車両の位置を特定するものである。このような電波航法に関しては、インフラの整備、又はGPS及び/又はVICS自体の精度向上により、大きく精度の向上が図られている。しかし、トンネル内又は屋内のように、外部システムからの電波の届かない場所は必ず存在するので、そのような場所では、電波航法による高精度な測位を期待することはできない。
また、地図データの精度に関しても、地図データが未整備な場所においては、測位の精度は保証されない。
以上のことから、車両用ナビゲーションシステムの測位精度の向上には、自律航法による測位精度を向上させることが必要不可欠となる。車両用ナビゲーションシステムにおける自律航法では、ジャイロセンサの出力(典型的には、車両のピッチ方向周り及び/又はロール方向周りの角速度)を用いて車両の進行方位と、車速パルス発生装置又は加速度センサの出力を用いて車両の移動距離とが求められ、これら進行方向及び移動距離から車両の現在位置が算出される。
しかし、例えば坂道又は立体駐車場内のように、車両が傾斜面上を移動する場合には、ジャイロセンサもまた傾くため、車両用ナビゲーションシステムは、車両の正しい方位を得ることが出来ない。
このような問題に対して、従来の角速度補正装置の一例として、車両のピッチ方向への傾斜角(以下、ピッチ角と称する)を算出し、そのピッチ角に応じてジャイロセンサの出力を補正するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−243494号公報
しかしながら、従来の角速度補正装置では、必ずしも精度の高いピッチ角が算出されるとは限らず、算出されたピッチ角には誤差が含まれる場合もある。さらに、従来の角速度補正装置では、ジャイロセンサの出力は常時補正される。それ故、従来の角速度補正装置では、誤差を含むピッチ角を使って、ジャイロセンサの出力が補正される場合もある。このような場合、従来の角速度補正装置により補正されたジャイロセンサの出力には、ピッチ角の誤差が伝搬する。従って、従来の角速度補正装置は、かえって精度の低い補正を行う場合があるという問題点がある。
それ故に、本発明は、ジャイロセンサの出力を精度よく補正可能な角速度補正装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面は、角速度補正装置であって、実質的に車両のヨー方向への角速度を検出するジャイロセンサと、車両についてピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角を定期的に、ピッチ角及び/又はロール角として算出する角度算出部と、車両の姿勢に関する姿勢情報を取得する情報取得部と、情報取得部で取得された姿勢情報に基づいて、車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について、少なくとも1つの閾値を設定する閾値設定部と、閾値設定部により設定された閾値と、角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角とに基づいて、補正項を導出する補正項導出部と、ジャイロセンサにより検出された角速度を、補正項導出部で導出された補正項を使って補正するジャイロ補正部とを備える。
また、例示的には、閾値設定部は、車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について上限値を閾値として設定し、さらに、補正項導出部は、閾値設定部により設定された上限値を、角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角が超える場合には、当該上限値に基づいて補正項を導出する。
さらに例示的には、閾値設定部は、車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について下限値を閾値として設定し、さらに、補正項導出部は、閾値設定部により設定された下限値を、角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角が下回る場合には、当該下限値に基づいて補正項を導出する。
また、好ましくは、閾値設定部は、車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について上限値及び下限値の双方を、閾値として設定し、さらに、補正項導出部は、角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角が、閾値設定部により設定された下限値以上でかつ閾値設定部により設定された上限値以下である場合には、当該ピッチ角及び/又は当該ロール角に基づいて補正項を導出する。
また、好ましくは、角速度補正装置は、車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角をピッチ角及び/又はロール角として、不定期的に提供する角度提供部をさらに備える。ここで、情報取得部は、角度提供部で算出されたピッチ角及び/又はロール角を姿勢情報として取得する。
また、角度提供部は典型的には、人工衛星からの受信信号に基づいて、車両のピッチ角及び/又はロール角を算出する、電波ベースの傾斜角算出部、道路網を構成する複数の道路区間毎に、車両のピッチ方向及び/又はロール方向への代表的な傾斜角を格納する道路網格納部、補正項導出部により過去に導出されたいくつかの補正項を統計処理することにより、車両のピッチ角及び/又はロール角を推定する統計処理部、及び、予め定められたピッチ角及び/又はロール角を格納する既定値格納部のいずれか一つを少なくとも含む。
また、本発明の第2の局面は、ジャイロセンサにより検出される、車両のヨー方向への実質的な角速度を補正する角速度補正方法であって、車両についてピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角を定期的に、ピッチ角及び/又はロール角として算出する角度算出ステップと、車両の姿勢に関する姿勢情報を取得する情報取得ステップと、情報取得ステップで取得された姿勢情報に基づいて、車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について、少なくとも1つの閾値を設定する閾値設定ステップと、閾値設定ステップにより設定された閾値と、角度算出ステップで算出されたピッチ角及び/又はロール角とに基づいて、補正項を導出する補正項導出ステップと、ジャイロセンサにより検出された角速度を、補正項導出ステップで導出された補正項を使って補正するジャイロ補正ステップとを備える。
以上のように、第1の局面によれば、補正項導出部により、閾値設定部により設定された閾値と、角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角とに基づいて、補正項が導出される。このように、第1の局面では、角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角が、閾値設定部により設定された閾値に基づいて補正される。それ故、ジャイロ補正部は、より高精度なピッチ角及び/又はロール角を使って、ジャイロセンサから得られる角速度を補正することになる。これによって、ジャイロセンサの出力を精度よく補正可能な角速度補正装置を提供することが可能となる。
また、第2の局面に係る角速度補正方法でも、第1の局面と同様に、ジャイロセンサの出力を精度よく補正することが可能となる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図である。図1において、角速度補正装置は、典型的には車両用ナビゲーションシステムに搭載され、ジャイロセンサ11と、角度算出部12と、角度提供部13と、情報取得部14と、閾値設定部15と、補正項導出部16と、ジャイロ補正部17とを備える。
ジャイロセンサ11は、角速度補正装置が車両用ナビゲーションシステムに搭載されるという観点から、安価な振動型であることが好ましい。振動型のジャイロセンサ11は、理想的には、角速度ベクトルが水平面に平行になるように取り付けられる。その結果、振動型のジャイロセンサ11は、実質的に車両のヨー方向周りの角速度rを検出して、ジャイロ補正部17に出力する。なお、ジャイロセンサ11としては、振動型に限らず、例えば、ガスレート式又は光ファイバ式のように、どのような種類が用いられても構わない。どのような種類が用いられたとしても、ジャイロセンサ11は、上述のような角速度rを検出して、ジャイロ補正部17に出力する。
角度算出部12は、本実施形態では、図1に示すように、ピッチ角算出部121を含む。ピッチ角算出部121は、水平面に対する車両のピッチ方向への傾斜角度をピッチ角θ1として、自律的に算出する。換言すれば、ピッチ角算出部121は、車両自体又は車両用ナビゲーションシステムに取り付けられた各種センサ(図示せず)の出力信号から、ピッチ角θ1を算出する。このような自律性を有することにより、ピッチ角算出部121は、ピッチ角θ1を定期的に算出することが可能となる。ここで、本実施形態において、定期的とは、分レベル以上の長い期間毎ではなく、秒レベル以下の短い期間毎という意味である。なお、定期的の意味については、後述の第2及び第3の実施形態でも同様である。ピッチ角算出部121は典型的には、車両内部に設置される傾斜角センサ又は加速度センサの出力値を使ってピッチ角θ1を算出する。
代替例として、ピッチ角算出部121は、車両の前輪及び後輪それぞれのサスペンション近傍に取り付けられるセンサ(図示せず)から、各サスペンションの変動量を取得し、取得した変動量の双方からピッチ角θ1を自律的に算出することも可能である。
また、他の代替例として、ピッチ角算出部121は、車輪近傍に取り付けられる車速パルス発生器から得られる車速パルス、又は車両に取り付けられる加速度センサから得られる加速度と、車両のステアリング機構に取り付けられる操舵角センサから得られる操舵量とから、ピッチ角θ1を算出することも可能である。
なお、ピッチ角θ1について自律的な算出については、上述に限らず、他の周知技術が用いられても構わない。
角度提供部13は、上述の角度算出部12とは異なる方法でかつ不定期的に車両のピッチ角を提供可能である。また、角度提供部13は好ましくは、相対的に信頼度の低いピッチ角も提供可能である。ピッチ角を提供するために、本実施形態では、図1に示すように、角度提供部13は、電波ベースのピッチ角算出部131(以下、単に、ピッチ角算出部131と称する)と、道路網格納部132と、統計処理部133と、既定値格納部134とを含んでいる。
ピッチ角算出部131は、図示しない受信機から情報を取得する。ここで、受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)のような車外の測位システムに収容される人工衛星から送られてくる信号から、車両の現在位置を定期的に計算する。計算された現在位置は典型的には、車両が現在位置する緯度、経度及び高度を表す。ピッチ角算出部131は、受信機から車両の現在位置を定期的に取得し、少なくとも、前回受け取った車両位置と、今回受け取った車両位置とを保持する。ピッチ角算出部131はさらに、前回の車両位置と今回の車両位置との高度差と、前回の車両位置から今回の車両位置までの移動距離とから、車両の現在のピッチ角aを算出する。
ここで注意を要するのは、車両は、トンネル内、又は周囲に高層ビルが乱立する道路のように、人工衛星からの信号を受信できない場所を走行する場合がある点である。このような場所を走行中、ピッチ角算出部131は、ピッチ角aを算出できない。言い換えれば、人工衛星からの信号を受信可能という条件下で、ピッチ角算出部131は、車両のピッチ角を提供することができる。さらに換言すれば、ピッチ角算出部131は定期的にピッチ角aを提供できない。
道路網格納部132は、いくつかのノード及びリンクを使って道路網が表現された道路網データを格納する。ノードは、道路網における特徴点を、少なくとも経度座標及び緯度座標で表す。ここで、特徴点の典型例としては、交差点、屈曲点、又は行き止まりの地点である。また、リンクは、2個のノード間、つまり2個の特徴点間の道路区間を表す。本実施形態では、各リンクには、自身が表す道路区間を車両が走行した時における、車両のピッチ角の代表値(以下、単にピッチ角と称する)bが割り当てられる。道路網格納部132は、このようなピッチ角bを提供する。
ここで注意を要するのは、新たな道路が造られたり、取り壊されたりすることは頻繁に起こるため、道路網データで表現される道路網は、実際の道路網と異なる場合がある点である。つまり、現在車両が走行中の道路が、道路網データにリンクとして表現されていない場合がある。従って、車両が走行中の道路区間がリンクとして表現されているという条件下で、道路網格納部132は、ピッチ角bを提供することができる。換言すれば、道路網格納部132は定期的にピッチ角bを提供できない。
統計処理部133は、補正項導出部16の出力値θ1、K・R1又はK・R2を定期的に取得する。これら出力値θ1、K・R1又はK・R2は、従来の技術よりも信頼性の高い車両のピッチ角である。統計処理部133は、補正項導出部16から出力値を受け取り、好ましくは、最近の出力値を予め定められた個数保持する。また、統計処理部133は、現在保持する出力値の全て又はいずれかを定期的に統計処理して、統計値cを算出する。統計値cの典型例としては平均値又は分散値がある。このような統計値cの基礎は車両のピッチ角であるため、統計処理部133は、車両の現在のピッチ角cを推定していることになる。
ここで、注意を要するのは、たとえ、出力値θ1、K・R1又はK・R2自体の信頼性が高くても、ピッチ角c自体の信頼性は、上述のピッチ角a又はbのそれよりも劣る点である。なぜなら、車両は起伏のある場所を走行するので、車両が現在走行している道路が登り道から下り道(又は平坦路)へと変化した直後、若しくは下り道から登り道(又は平坦路)に変化した直後では、保持中の出力値の極性が変わってしまう。それ故、このような場合には、統計値(ピッチ角)cの信頼性は低くなってしまう。
他にも注意を要するのは、統計処理部133が揮発性メモリに出力値θ1、K・R1又はK・R2を保持する場合、車両のエンジンを始動させた直後には、揮発性メモリには出力値は保持されていない。また、たとえ不揮発性メモリに出力値θ1、K・R1又はK・R2を保持する場合であっても、エンジン始動直後、保持されている過去の出力値は、今回の車両の走行とは無関係になるため、統計処理部133は、信頼性の低いピッチ角cを算出する可能性が高い。
以上のことから、統計処理部133は、アップダウンが頻繁な道路を車両が走行中には、又は車両のエンジンを始動させた直後には、ピッチ角cを算出しない方が好ましい。このような場合、統計処理部133は、信頼度の高いピッチ角cを情報取得部14に渡せない。
既定値格納部134は、予め定められたピッチ角dを格納する。ピッチ角dは典型的には、本角速度補正装置の工場出荷前に、メーカ側により定められた値である。また、ピッチ角dは、工場出荷後、本角速度補正装置のユーザにより設定されても構わない。このようなピッチ角dは、実際の車両の走行に関係無く、固定的な値であるため、ピッチ角cよりも信頼度の低い値となる。
次に、情報取得部14、閾値設定部15、補正項導出部16及びジャイロ補正部17について説明するが、これらの説明については、図1だけでなく図2のフローチャートをさらに参照する。ここで、図2は、本角速度補正装置の主要な処理の手順を示すフローチャートである。
まず、情報取得部14は、車両の姿勢に関する情報としてピッチ角a−dのいずれかを取得し、取得したものを閾値設定部15に渡す。具体的には、図2に示すステップS1−S7に従って、情報取得部14は動作する。
情報取得部14は、ピッチ角算出部131がピッチ角aを算出可能か否かを判断する(図2;ステップS1)。具体的には、受信機が人工衛星からの信号を受信できれば、情報取得部14は、ステップS1においてYESと判断する。このように判断した場合、情報取得部14は、ピッチ角算出部131からピッチ角aを受け取り、閾値設定部15に渡す(ステップS2)。逆に、ステップS1でNOと判断した場合、情報取得部14は、道路網格納部132に、車両が走行中の道路区間を表すリンクが存在するか否かを判断する(ステップS3)。
具体的には、周知技術に従って算出された車両の現在位置が、道路網データを構成するリンクのいずれかにマップマッチングできれば、情報取得部14は、ステップS3においてYESと判断する。このように判断した場合、情報取得部14は、対象となるリンクに割り当てられたピッチ角bを道路網格納部132から読み出し、閾値設定部15に渡す(ステップS4)。
逆に、ステップS3でNOと判断した場合、情報取得部14は、統計処理部133が信頼度の高いピッチ角cを算出可能か否かを判断する(ステップS5)。YESと判断した場合、情報取得部14は、統計処理部133からピッチ角cを受け取り、閾値設定部15に渡す(ステップS6)。逆に、ステップS6でNOと判断した場合、情報取得部14は、既定値格納部134からピッチ角dを取得して、閾値設定部15に渡す(ステップS7)。なお、信頼度の高いピッチ角cを算出できない場合としては、統計処理部133が統計処理に適した個数の出力値θ1、K・R1又はK・R2を保持していない場合、又は、現在保持する出力値の極性が頻繁に時間変化している場合が典型的である。
次に、閾値設定部15について説明する。閾値設定部15は、情報取得部14から受け取ったピッチ角a、b、c及びdのいずれかに、予め定められた許容範囲Mを加算して、上限値R1を算出する(ステップS8)。
さらに、閾値設定部15は、今回受け取ったピッチ角a、b、c及びdのいずれかから、許容範囲Mを減算して、下限値R2を算出する(ステップS9)。なお、本実施形態では、ステップS8及びS9で用いられる許容範囲は同じ値Mとして説明したが、これに限らず、両許容範囲は互いに異なる値であってもよい。
閾値設定部15は、以上のようにして算出した上限値R1及び下限値R2を、閾値R1及びR2として補正項導出部16に渡す(ステップS10)。
次に、補正項導出部16について説明する。補正項導出部16は、ピッチ角算出部121からピッチ角θ1を、さらに閾値設定部15から閾値R1及びR2を受け取る(ステップS11)。
その後、補正項導出部16は、今回得られたピッチ角θ1が、今回得られた上限値R1以下であるかを判断する(ステップS12)。NOと判断した場合、補正項導出部16は、何らかの理由でピッチ角算出部121により自律的に算出されたピッチ角θ1に誤差が重畳されているとみなして、上限値R1に所定値Kを乗算して、補正項K・R1を導出する(ステップS13)。ここで、所定値Kは、各種センサのノイズマージンを考慮して予め設定される正の値である。また、ステップS12でYESと判断した場合、補正項導出部16は、今回のピッチ角θ1が、今回の下限値R2以上であるかを判断する(ステップS14)。
ステップS14でNOと判断した場合、補正項導出部16は、上述と同様にピッチ角θ1に誤差があるとみなして、下限値R2に所定値Kを乗算して、補正項K・R2を導出する(ステップS15)。なお、本実施形態では、ステップS13及びS15で用いられる所定値は同じ値Kとして説明したが、これに限らず、両所定値は互いに異なる値であってもよい。逆にステップS14でYESと判断した場合、つまり、ピッチ角θ1が下限値R2以上であって上限値R1以下の値である場合には、補正項導出部16は、今回のピッチ角θ1を補正項として決定する(ステップS16)。
以上の判断結果に応じて、補正項導出部16は、補正項K・R1、K・R2及びθ1のいずれかを、ジャイロ補正部17及び統計処理部133に渡す(ステップS17)。
次に、ジャイロ補正部17について説明する。ジャイロ補正部17は、補正項導出部16から補正項K・R1、K・R2及びθ1のいずれかを受け取り、さらに、ジャイロセンサ11から角速度rを受け取る(ステップS18)。その後、ジャイロ補正部17は、次式(1)に従って、今回受け取った角速度rを、鉛直軸周りの角速度r’に補正する(ステップS19)。
r’=r/cosα …(1)
ここで、αは、R2≦θ1≦R1の場合、θ1である。また、R1<θ1の場合、αは、K・R1である。さらに、θ1<R2の場合、αは、K・R2である。
以上説明したように、ピッチ角算出部121は、車両に取り付けられる各種センサを用いて、ピッチ角θ1を自律的に算出する。ここで、各種センサからの出力値は、ドリフトに代表される様々な要因により誤差を含む場合がある。このような出力値の誤差は、ピッチ角θ1に伝搬する場合があり、さらには、角速度r’にも伝搬しうる。しかしながら、本角速度補正装置によれば、不定期的にではあるが、角度提供部13から得られる高精度なピッチ角a又はbを使って、閾値設定部15は、上限値R1及び下限値R2を設定する。さらに、補正項導出部16は、ピッチ角算出部121から得られるピッチ角θ1が上限値R1を超えたり、下限値R2を下回ったりすると、ピッチ角θ1には大きな誤差が含まれているとみなし、ピッチ角θ1を使うことなく、補正項K・R1又はK・R2を導出する。ジャイロ補正部17は、このような補正項を使って、ジャイロセンサ11から得られる角速度rを補正する。このように、本角速度補正装置によれば、ピッチ角θ1が角速度r’に与えうる誤差の影響を好適に抑え、ジャイロセンサ11の出力値rを精度よく補正することが可能となる。
また、前述したように、角度提供部13において、ピッチ角算出部131及び道路網格納部132は不定期的にしかピッチ角a及びbを提供できない。それ故、本角速度補正装置では、ピッチ角算出部131及び道路網格納部132の組み合わせを備え、これによって、情報取得部14が精度の高いピッチ角a又はbを高い確率で得ることができるようにしている。さらに、統計処理部133を備えることにより、たとえ、ピッチ角a及びbの双方を取得できなくとも、情報取得部14は、補正項導出部16が過去に出力した補正項(ピッチ角)θ1、K・R1及びK・R2から統計処理部133により算出されたピッチ角cを得ることができる。これによって、閾値設定部15は、ほぼ全ての時間にわたって、精度の高い上限値R1及び下限値R2を設定することが可能となる。
なお、以上の説明では、角速度補正装置は、ピッチ角算出部131及び道路網格納部132の双方を備えるとして説明したが、これに限らず、角速度補正装置は、いずれか一方を備えている場合にも、上述と同様の効果を奏する。
また、以上の説明では、図2から明らかなように、情報取得部14は、まず、ピッチ角算出部131からピッチ角aを取得するように試み、ピッチ角aを取得できない場合に、道路網格納部132からピッチ角bを取得するように試みていた。以上から明らかなように、情報取得部14は、ピッチ角算出部131を優先していた。しかし、ピッチ角a及びbの精度については優劣をつけがたいので、情報取得部14は、ピッチ角算出部131に先だって、道路網格納部132からピッチ角bを取得するように試みても構わない。
また、以上の説明では、閾値設定部15は、上限値R1及び下限値R2のみを設定するとして説明したが、これに限らず、下限値R2から上限値R1までの範囲を、いくつかの小さな範囲に区分し、さらに区分された各範囲に代表値を割り当てても構わない。この場合、補正項導出部16は、ピッチ角θ1が属する範囲に割り当てらた代表値を、補正項として決定する。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図である。図3において、角速度補正装置は、ジャイロセンサ21と、角度算出部22と、角度提供部23と、情報取得部24と、閾値設定部25と、補正項導出部26と、ジャイロ補正部27とを備える。
ジャイロセンサ21については、第1の実施形態におけるジャイロセンサ11と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
角度算出部22は、本実施形態では、図3に示すように、ロール角算出部221を含む。ロール角算出部221は、水平面に対する車両のロール方向への傾斜角度をロール角θ2として、自律的に算出する。換言すれば、ロール角算出部221は、車両自体又は車両用ナビゲーションシステムに取り付けられた各種センサ(図示せず)の出力信号から、ロール角θ2を算出する。このような自律性を有することにより、ロール角算出部221は、ロール角θ2を定期的に算出することが可能となる。ロール角θ2の算出には、車両内部に設置される傾斜角センサ又は加速度センサの出力値を使うことが典型的である。
代替的には、車両の左右両輪のサスペンション近傍に取り付けられるセンサ(図示せず)から得られる各サスペンションの変動量からもロール角θ2を算出することができる。
さらに代替的には、車速パルス発生器からの車速パルス、又は加速度センサからの加速度と、車両のステアリング機構に取り付けられる操舵角センサから得られる操舵量とからも、ロール角θ2を算出することも可能である。
なお、ロール角θ2について自律的な算出については、上述に限らず、他の周知技術が用いられても構わない。
角度提供部23は、上述の角度算出部22とは異なる方法でかつ不定期的に車両のロール角を提供可能である。また、角度提供部13は好ましくは、相対的に信頼度の低いロール角も提供可能である。ロール角を提供するために、本実施形態では、図3に示すように、角度提供部23は、道路網格納部231と、統計処理部232と、既定値格納部233とを含んでいる。
道路網格納部231は、第1の実施形態で説明したような道路網データを格納する。ただし、本実施形態では、各リンクには、自身が表す道路区間を車両が走行した時における、車両のロール角の代表値(以下、単にロール角と称する)eが割り当てられる。道路網格納部231は、このようなロール角eを提供する。ここで、第1の実施形態における道路網格納部132の場合と同様、道路網格納部231は、リンクとして表現されている道路区間を車両が走行中の間に限り、ロール角eを提供できる。
統計処理部232は、補正項導出部26の出力値θ2、K・R3又はK・R4を定期的に取得する。これら出力値θ2、K・R3又はK・R4は、従来の技術よりも信頼性の高い車両のロール角である。統計処理部232は、前述の統計処理部133と同様に、補正項導出部26から最近受け取ったいくつかの出力値を定期的に統計処理して、典型的には平均値又は分散値である統計値fを算出する。統計値fの基礎は車両のロール角であるため、統計処理部232は、車両の現在のロール角fを推定していることになる。ここで、第1の実施形態における統計処理部133の場合と同様に、統計値(ロール角)fの信頼性はロール角eよりも低くなってしまう。
既定値格納部233は、予め定められたロール角gを格納する。ロール角gは、ピッチ角dと同様、本角速度補正装置の工場出荷前にメーカ側により設定されたり、工場出荷後、本角速度補正装置のユーザにより設定されたりする。このようなロール角gは、固定的な値であるため、ロール角eよりも信頼度の低い値となる。
次に、情報取得部24、閾値設定部25、補正項導出部26及びジャイロ補正部27について説明するが、これらの説明については、図3だけでなく図4のフローチャートをさらに参照する。ここで、図4は、本角速度補正装置の主要な処理の手順を示すフローチャートである。
まず、情報取得部24は、車両の姿勢に関する情報としてロール角e−gのいずれかを取得し、取得したものを閾値設定部25に渡す。具体的には、図4に示すステップS21−S25に従って、情報取得部24は動作する。
情報取得部24は、まず、道路網格納部231に、図2のステップS3と同様にして、車両が走行中の道路区間を表すリンクが存在するか否かを判断する(ステップS21)。YESと判断した場合、情報取得部24は、対象となるリンクに割り当てられたロール角eを道路網格納部231から読み出し、閾値設定部25に渡す(ステップS22)。逆に、ステップS21でNOと判断した場合、情報取得部24は、統計処理部232が信頼度の高いロール角fを算出可能か否かを判断する(ステップS23)。
情報取得部24は、ステップS23においてYESと判断した場合、統計処理部232からロール角fを受け取り、閾値設定部25に渡す(ステップS24)。逆に、ステップS23でNOと判断した場合、情報取得部24は、既定値格納部233からロール角gを取得して、閾値設定部25に渡す(ステップS25)。なお、信頼度の高いロール角gを算出できない場合としては、図2のステップS7で説明したものと同様の例がある。
次に、閾値設定部25について説明する。閾値設定部25は、情報取得部24からのロール角e、f又はgに、前述の許容範囲Mを加算して、上限値R3を算出する(ステップS26)。さらに、閾値設定部25は、今回のロール角e、f又はgから、許容範囲Mを減算して、下限値R4を算出する(ステップS27)。なお、許容範囲Mについては、第1の実施形態と同様、互いに異なる値であってもよい。以上のようにして算出した上限値R3及び下限値R4を、閾値設定部25は、閾値R3及びR4として補正項導出部26に渡す(ステップS28)。
次に、補正項導出部26について説明する。補正項導出部26は、ロール角算出部221からロール角θ2を、さらに閾値設定部25から閾値R3及びR4を受け取り(ステップS29)、その後、今回のロール角θ2が、今回得られた上限値R3以下であるかを判断する(ステップS30)。NOと判断した場合、補正項導出部26は、今回受け取ったロール角θ2が大きな誤差を含むとして、第1の実施形態で述べた所定値Kを、上限値R3に乗算して、補正項K・R3を導出する(ステップS31)。逆に、YESと判断した場合、補正項導出部26は、今回のロール角θ2が、今回の下限値R4以上であるかを判断する(ステップS32)。
補正項導出部26は、ステップS32でNOと判断した場合、上述と同様にロール角θ2に誤差があるとみなして、下限値R4に所定値Kを乗算して、補正項K・R4を導出する(ステップS33)。逆に、ステップS32でYESと判断した場合、補正項導出部26は、今回のロール角θ2を補正項として決定する(ステップS34)。
以上の判断結果に応じて、補正項導出部26は、補正項K・R3、K・R4及びθ2のいずれかを、ジャイロ補正部27及び統計処理部232に渡す(ステップS35)。
次に、ジャイロ補正部27について説明する。ジャイロ補正部27は、補正項導出部26から補正項K・R3、K・R4及びθ2のいずれかを受け取り、さらに、ジャイロセンサ21から角速度rを受け取る(ステップS36)。その後、ジャイロ補正部27は、次式(2)に従って、今回受け取った角速度rを、鉛直軸周りの角速度r”に補正する(ステップS37)。
r”=r/cosβ …(2)
ここで、βは、R4≦θ2≦R3の場合、θ2である。また、R3<θ2の場合、βは、K・R3である。さらに、θ2<R4の場合、αは、K・R4である。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の処理により、ロール角θ2が角速度r”に与えうる誤差の影響を好適に抑え、ジャイロセンサ11の出力値rを精度よく補正することが可能となる。
また、前述したように、角度提供部23において、道路網格納部231は不定期的にしかロール角eを提供できない。それ故、本角速度補正装置では、統計処理部232を備えることにより、たとえ、ロール角eを取得できなくとも、情報取得部24は、統計処理部232により算出されたロール角fを得ることができる。これによって、閾値設定部25は、ほぼ全ての時間にわたって、精度の高い上限値R3及び下限値R4を設定することが可能となる。
また、以上の説明では、本角速度補正装置は、道路網格納部231を備えるとして説明したが、これに限らず、角速度補正装置は、第1の実施形態のピッチ角算出部131と同様に、電波ベースのロール角算出部を備えていても構わない。ただし、ロール角θ2は、ピッチ角θ1とは異なり、車両の進行方向周りの角度であるため、人工衛星からの信号を受信するアンテナを車両の左右両端に設置しなければ、正確なロール角を算出することができない。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図である。図5において、角速度補正装置は、極めて簡単に述べると、従前の2実施形態に係るものの組み合わせであって、ジャイロセンサ31と、角度算出部32と、角度提供部33と、情報取得部34と、閾値設定部35と、補正項導出部36と、ジャイロ補正部37とを備える。
ジャイロセンサ31については、前述のジャイロセンサ11及び21と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
角度算出部32は、本実施形態では、図5に示すように、前述のピッチ角算出部121及びロール角算出部221を含む。
角度提供部33は、上述の角度算出部32とは異なる方法でかつ不定期的に車両のロール角及びピッチ角を提供可能である。また、角度提供部33は好ましくは、相対的に信頼度の低いロール角及びピッチ角も提供可能である。ロール角及びピッチ角を提供するために、本実施形態では、図5に示すように、角度提供部33は、前述の電波ベースのピッチ角算出部131(以下、単に、ピッチ角算出部131と称する)と、道路網格納部331と、統計処理部332と、既定値格納部333とを含んでいる。
道路網格納部331は、従前の実施形態で説明したような道路網データを格納する。ただし、本実施形態では、各リンクには、自身が表す道路区間を車両が走行した時における、車両のピッチ角の代表値(以下、単にピッチ角と称する)b、及び車両のロール角の代表値(以下、単にロール角と称する)eの双方が割り当てられる。道路網格納部331は、このようなピッチ角b及びロール角eの双方を提供する。従前の実施形態の説明から明らかなように、道路網格納部331は、リンクとして表現されている道路区間を車両が走行中の間に限り、ピッチ角b及びロール角eを提供できる。
統計処理部332は、補正項導出部36の出力値θ1、K・R1又はK・R2と、出力値θ2、K・R3又はK・R4とを定期的に取得する。統計処理部332は、前述の統計処理部133及び232と同様にして、車両の現在のピッチ角c及びロール角fを推定する。
既定値格納部333は、前述のピッチ角d及びロール角gを格納する。
次に、情報取得部34、閾値設定部35、補正項導出部36及びジャイロ補正部37について説明するが、これらの説明については、図5だけでなく図6及び図7のフローチャートをさらに参照する。ここで、図6及び図7は、本角速度補正装置の主要な処理の手順を示すフローチャートの前半部分及び後半部分である。
まず、情報取得部34は、車両の姿勢に関する情報として、ピッチ角a−dのいずれかと、ロール角e−gのいずれかとを取得し、取得したものを閾値設定部35に渡す。具体的には、以下のように、情報取得部34は動作する。
情報取得部34は、まず、前述のステップS1と同様にして、ピッチ角算出部131がピッチ角aを算出可能か否かを判断する(図6;ステップS41)。YESと判断した場合、情報取得部34は、ピッチ角算出部131からピッチ角aを受け取り、保持する(ステップS42)。逆に、ステップS41でNOと判断した場合、またはステップS42の後、情報取得部34は、前述のステップS3と同様にして、道路網格納部331に、車両が走行中の道路区間を表すリンクが存在するか否かを判断する(ステップS43)。
ステップS43でYESと判断した場合であって、さらに現在ピッチ角aを保持している場合(ステップS44)、情報取得部34は、対象となるリンクに割り当てられたロール角eを道路網格納部331から読み出す。その後、情報取得部34は、現在保持しているピッチ角a及びロール角eを、閾値設定部35に渡す(ステップS45)。また、ステップS44において、ピッチ角aを保持していない場合には、情報取得部34は、対象となるリンクに割り当てられたピッチ角b及びロール角eの双方を道路網格納部331から読み出し、それらを閾値設定部35に渡す(ステップS46)。
また、ステップS43でNOと判断した場合、情報取得部34は、統計処理部332が信頼度の高いピッチ角c及びロール角fを算出可能か否かを判断する(ステップS47)。YESと判断した場合であって、さらに現在ピッチ角aを保持している場合(ステップS48)、情報取得部34は、統計処理部332からロール角fを受け取る。その後、情報取得部34は、現在保持しているピッチ角a及びロール角fを、閾値設定部35に渡す(ステップS49)。ステップS48においてピッチ角aを保持していない場合、情報取得部34は、統計処理部332からピッチ角c及びロール角fの双方を受け取り、これらを閾値設定部35に渡す(ステップS50)。
また、ステップS47でNOと判断した場合であって、さらに現在ピッチ角aを保持している場合(ステップS51)、情報取得部34は、固定値格納部333からロール角gを受け取る。その後、情報取得部34は、現在保持しているピッチ角a及びロール角gを、閾値設定部35に渡す(ステップS52)。また、ステップS51においてピッチ角aを保持していない場合、情報取得部34は、既定値格納部333からピッチ角d及びロール角gの双方を受け取り、これらを閾値設定部35に渡す(ステップS53)。
次に、閾値設定部35について説明する。閾値設定部35は、前述のステップS8及びS9と同様にして、ピッチ角θ1について上限値R1及び下限値R2を算出する(図7;ステップS54及びS55)。さらに、閾値設定部35は、前述のステップS26及びS27と同様にして、ロール角θ2について上限値R3及び下限値R4を算出する(ステップS56及びS57)。ステップS54−S57の全てが終了後、閾値設定部35は、上限値R1及び下限値R2を閾値R1及びR2として、さらに、上限値R3及び下限値R4を閾値R3及びR4として、補正項導出部36に渡す(ステップS58)。
次に、補正項導出部36について説明する。補正項導出部36は、ピッチ角算出部121からピッチ角θ1を、ロール角算出部221からロール角θ2と、さらに閾値設定部35から閾値R1−R4を受け取る(ステップS59)。その後、補正項導出部36は、前述のステップS12−S16(図2参照)と同様の処理を行って、補正項K・R1、K・R2及びθ1のいずれかを導出する(ステップS60−64)。さらに、補正項導出部36は、前述のステップS30−S34(図4参照)と同様の処理を行って、補正項K・R3、K・R4及びθ2のいずれかを導出する(ステップS65−S69)。以上の処理により得られた補正項K・R1、K・R2及びθ1のいずれかと、補正項K・R2、K・R4及びθ2のいずれかとを、補正項導出部36は、ジャイロ補正部37及び統計処理部332に渡す(ステップS70)。
次に、ジャイロ補正部37について説明する。ジャイロ補正部37は、補正項導出部36から2個の補正項を受け取り、さらに、ジャイロセンサ11から角速度rを受け取る(ステップS71)。その後、ジャイロ補正部37は、次式(3)に従って、今回受け取った角速度rを、鉛直軸周りの角速度r* に補正する(ステップS72)。
* =r/(cosα・cosβ) …(3)
ここで、α及びβについては、従前の実施形態で説明した通りである。
以上説明したように、本実施形態によれば、従前の実施形態を組み合わせることにより、ピッチ角θ1及びロール角θ2の双方が角速度r* に与えうる誤差の影響を好適に抑え、ジャイロセンサ11の出力値rを精度よく補正することが可能となる。
また、本角速度補正装置は、第2の実施形態で説明したような電波ベースのロール角算出部を備えていても構わない。
本発明に係る角速度補正装置は、ジャイロセンサの出力を精度よく補正できるという技術的効果が要求される車両用ナビゲーションシステム等の用途に適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図 図1に示す角速度補正装置の主要な処理の手順を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図 図3に示す角速度補正装置の主要な処理の手順を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る角速度補正装置の全体構成を示すブロック図 図5に示す角速度補正装置の主要な処理の手順を示すフローチャートの前半部分 図5に示す角速度補正装置の主要な処理の手順を示すフローチャートの後半部分
符号の説明
11,21,31 ジャイロセンサ
12,22,32 角度算出部
121 ピッチ角算出部
221 ロール角算出部
13,23,33 角度提供部
131 電波ベースのピッチ角算出部
132,231,331 道路網格納部
133,232,332 統計処理部
134,233,333 既定値格納部
14,24,34 情報取得部
15,25,35 閾値設定部
16,26,36 補正項導出部
17,27,37 ジャイロ補正部

Claims (7)

  1. 角速度補正装置であって、
    実質的に車両のヨー方向への角速度を検出するジャイロセンサと、
    前記車両についてピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角を定期的に、ピッチ角及び/又はロール角として算出する角度算出部と、
    前記車両の姿勢に関する姿勢情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部で取得された姿勢情報に基づいて、前記車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について、少なくとも1つの閾値を設定する閾値設定部と、
    前記閾値設定部により設定された閾値と、前記角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角とに基づいて、補正項を導出する補正項導出部と、
    前記ジャイロセンサにより検出された角速度を、前記補正項導出部で導出された補正項を使って補正するジャイロ補正部とを備える、角速度補正装置。
  2. 前記閾値設定部は、前記車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について上限値を閾値として設定し、
    前記補正項導出部は、前記閾値設定部により設定された上限値を、前記角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角が超える場合には、当該上限値に基づいて補正項を導出する、請求項1に記載の角速度補正装置。
  3. 前記閾値設定部は、前記車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について下限値を閾値として設定し、
    前記補正項導出部は、前記閾値設定部により設定された下限値を、前記角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角が下回る場合には、当該下限値に基づいて補正項を導出する、請求項1に記載の角速度補正装置。
  4. 前記閾値設定部は、前記車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について上限値及び下限値の双方を、前記閾値として設定し、
    前記補正項導出部は、前記角度算出部で算出されたピッチ角及び/又はロール角が、前記閾値設定部により設定された下限値以上でかつ前記閾値設定部により設定された上限値以下である場合には、当該ピッチ角及び/又は当該ロール角に基づいて補正項を導出する、請求項1に記載の角速度補正装置。
  5. 前記車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角をピッチ角及び/又はロール角として、不定期的に提供する角度提供部をさらに備え、
    前記情報取得部は、前記角度提供部で算出されたピッチ角及び/又はロール角を姿勢情報として取得する、請求項1に記載の角速度補正装置。
  6. 前記角度提供部は、
    人工衛星からの受信信号に基づいて、前記車両のピッチ角及び/又はロール角を算出する、電波ベースの傾斜角算出部、
    道路網を構成する複数の道路区間毎に、前記車両のピッチ方向及び/又はロール方向への代表的な傾斜角を格納する道路網格納部、
    前記補正項導出部により過去に導出されたいくつかの補正項を統計処理することにより、前記車両のピッチ角及び/又はロール角を推定する統計処理部、及び、
    予め定められたピッチ角及び/又はロール角を格納する既定値格納部のいずれか一つを少なくとも含む、請求項5に記載の角速度補正装置。
  7. ジャイロセンサにより検出される、車両のヨー方向への実質的な角速度を補正する角速度補正方法であって、
    前記車両についてピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角を定期的に、ピッチ角及び/又はロール角として算出する角度算出ステップと、
    前記車両の姿勢に関する姿勢情報を取得する情報取得ステップと、
    前記情報取得ステップで取得された姿勢情報に基づいて、前記車両のピッチ方向及び/又はロール方向への傾斜角について、少なくとも1つの閾値を設定する閾値設定ステップと、
    前記閾値設定ステップにより設定された閾値と、前記角度算出ステップで算出されたピッチ角及び/又はロール角とに基づいて、補正項を導出する補正項導出ステップと、
    前記ジャイロセンサにより検出された角速度を、前記補正項導出ステップで導出された補正項を使って補正するジャイロ補正ステップとを備える、角速度補正方法。


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