JPH08189556A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH08189556A
JPH08189556A JP148495A JP148495A JPH08189556A JP H08189556 A JPH08189556 A JP H08189556A JP 148495 A JP148495 A JP 148495A JP 148495 A JP148495 A JP 148495A JP H08189556 A JPH08189556 A JP H08189556A
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JP
Japan
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differential
oil pump
control valve
hydraulic actuator
friction clutch
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JP148495A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Kuroki
忠之 黒木
Masao Teraoka
正夫 寺岡
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 速度感応型の差動制限機能を有すると共に、
必要に応じてその差動制限力を緩和し車両の操縦性や安
定性を高く保つ。 【構成】 エンジンにより回転駆動されるデフケース2
1の回転を一対の出力軸に分配する差動機構61と、そ
の差動を制限する摩擦クラッチ67と、摩擦クラッチ6
7を締結する油圧アクチュエータ71と、差動機構61
の差動トルクを受けて駆動され油圧アクチュエータ71
を作動させるオイルポンプ69と、オイルポンプ69の
吸入側に空気を導く制御弁85と、車両の走行条件に応
じて制御弁85を操作するコントローラ109とを備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両に用いられるデ
ファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】U.S.Patent 5310388
号登録証に図3のようなデファレンシャル装置201が
記載されている。このデファレンシャル装置201は、
デフケース203側に回転自在に支承されたピニオンギ
ヤ205,205とこれらと噛み合うサイドギヤ20
7,209とからなるベベルギヤ式の差動機構211
と、差動制限用の多板クラッチ213と、多板クラッチ
213を締結させる油圧アクチュエータ215と、油圧
アクチュエータ215を作動させるオイルポンプ217
とを備えている。
【0003】多板クラッチ213とオイルポンプ217
とはサイドギヤ207側の車軸219とデフケース20
3との間に配置されており、オイルポンプ217は差動
機構211の差動トルクを受けて駆動され、油圧アクチ
ュエータ215に油圧を送って多板クラッチ213を締
結させる。また、差動回転が大きいほどオイルポンプ2
17の吐出圧が大きいから、図4のグラフ221のよう
に、多板クラッチ213の差動制限トルク(T)は回転
差(△N)が大きいほど強くなり、速度感応型の差動制
限機能を得ている。
【0004】従って、コーナリング中に矢印223で示
したような大きな差動制限トルク(T)が発生すると、
車両にはパワーオーバステアが発生し、トラックやオフ
ロード車のように重心の高い車両は転倒する恐れがあ
る。又、過大な差動制限トルク(T)はA.B.S(ア
ンチロック・ブレーキ・システム)と干渉して車体を不
安定にする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
速度(差動回転差)感応型の差動制限機能が得られると
共に、必要に応じてその差動制限力を緩和し車両の操縦
性や安定性を高く保つデファレンシャル装置の提供を目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケースの回転を一対の出力軸に分配す
る差動機構と、その差動を制限する摩擦クラッチと、こ
の摩擦クラッチを締結する油圧アクチュエータと、差動
機構の差動トルクを受けて駆動され油圧アクチュエータ
を作動させるオイルポンプと、オイルポンプの吸入側に
空気を導く制御弁と、車両の走行条件に応じてこの制御
弁を操作するコントローラとを備えたことを特徴とす
る。
【0007】請求項2のデファレンシャル装置は、コン
トローラにより車両の走行条件に応じて制御され、オイ
ルポンプへの空気流量を調節する流量制御弁を備えた請
求項1のデファレンシャル装置である。
【0008】請求項3のデファレンシャル装置は、差動
機構が、デフケース側に回転自在に支承されたピニオン
ギヤ及びピニオンギヤと噛み合う一対の出力側サイドギ
ヤとを有するベベルギヤ式の差動機構であり、摩擦クラ
ッチが、サイドギヤとデフケースとの間に配置された多
板クラッチであり、オイルポンプが、このサイドギヤと
デフケースとの間に配置されたギヤポンプであり、油圧
アクチュエータを、これらの多板クラッチとオイルポン
プとの間に配置した請求項1又は2のデファレンシャル
装置である。
【0009】請求項4のデファレンシャル装置は、エン
ジンの駆動力により回転駆動されるデフケースと、デフ
ケースの回転を一対の出力軸に分配する差動機構と、そ
の差動を制限する摩擦クラッチと、この摩擦クラッチを
締結する油圧アクチュエータと、差動機構の差動トルク
を受けて駆動され油圧アクチュエータを作動させるオイ
ルポンプと、オイルポンプからパイロット圧を受け、オ
イルポンプの吐出圧が所定値を超えると開放されオイル
ポンプの吸入側に空気を導く制御弁とを備えたことを特
徴とする。
【0010】
【作用】請求項1のデファレンシャル装置は、差動回転
が生じるとオイルポンプがその差動トルクを受けて駆動
され、油圧アクチュエータを作動させて摩擦クラッチを
締結し、速度感応型の差動制限機能を得ている。
【0011】更に、車両の走行条件に応じて、例えば速
度や操舵角が設定値を超えると、あるいはブレーキを掛
けると、コントローラによって制御弁が開放され、オイ
ルポンプの吸入側にエアが導かれ、油圧アクチュエータ
の作動油にエアが混入して摩擦クラッチの締結力を緩和
する。
【0012】こうして、高速旋回時、急旋回時、制動時
などに差動制限力が低く抑えられるから、パワーオーバ
ステアの発生が回避され、トラックやオフロード車のよ
うに重心の高い車両でも転倒が防止される。又、A.
B.Sは、差動制限力との干渉が防止されて正常に機能
し、車体の挙動が安定する。
【0013】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、オイルポンプへ
のエア流量を調節する流量制御弁を備え、コントローラ
によりこの流量制御弁を車両の走行条件に応じて開度調
整するように構成した。
【0014】このように、オイルに混入するエア量を制
御すれば差動制限特性を種々変えることができると共
に、差動制限特性を連続的に変えることが可能であり、
異なった走行条件及び車種に広く対応することができ
る。
【0015】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1又は2のデファレンシャル装置において、差動機構
をベベルギヤ式の差動機構にし、摩擦クラッチを差動機
構のサイドギヤとデフケースとの間に配置した多板クラ
ッチにし、オイルポンプを、このサイドギヤとデフケー
スとの間に配置されたギヤポンプにし、更に油圧アクチ
ュエータを、これらの多板クラッチとオイルポンプとの
間に配置したものである。
【0016】従って、請求項1は2のデファレンシャル
装置と同様に、高速旋回時、急旋回時、制動時などに差
動制限力が低く抑えられ、重心の高い車両でも転倒が防
止され、A.B.Sは正常に機能し、車体の挙動が安定
する。
【0017】ベベルギヤ式の差動機構は、ピニオンギヤ
との噛み合いによるサイドギヤの噛み合い反力を多板ク
ラッチの締結力に利用できるから、それだけ差動制限力
を強化できる。又、多板クラッチはクラッチ板の枚数を
変えることによって差動制限力を調節できる。
【0018】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置と同様に、差動回転が生じ
るとオイルポンプが差動トルクを受けて駆動され、油圧
アクチュエータを作動させて摩擦クラッチを締結し、速
度感応型の差動制限機能を得ている。
【0019】更に、オイルポンプの吐出圧が所定値を超
えると、オイルポンプからのパイロット圧により制御弁
が開放されてオイルポンプの吸入側にエアが導かれ、油
圧アクチュエータのオイルにエアが混入して摩擦クラッ
チの締結力が低下し、差動制限力の上昇が低く抑えられ
る。
【0020】従って、所定の車速あるいは操舵角以上で
オイルポンプの吐出圧が所定値を超えるように設定すれ
ば、重心の高い車両などが高速旋回や急旋回しても転倒
が避けられる。
【0021】この構成はコントローラやセンサーなどを
用いないから低コストに実施できると共に、各要素をデ
フケースの内部に組み込んでユニット化することが容易
である。
【0022】
【実施例】図1、2により一実施例を説明する。この実
施例は請求項1、2、3の特徴を備えている。図1はこ
の実施例を示す。左右の方向は図1での左右の方向であ
る。なお、符号を与えていない部材は図示されていな
い。
【0023】図1のように、デフキャリヤ23内にはオ
イル溜り31が形成されている。
【0024】デフケース21の内部には、ピニオンシャ
フト33がボス部35を中心にして放射状に配置されて
おり、各ピニオンシャフト33は端部をデフケース21
の溝37に軸方向移動可能に支持されている。各ピニオ
ンシャフト33上にはピニオンギヤ39が回転自在に支
承されている。
【0025】又、デフケース21の内部には左右のサイ
ドギヤ41,43(出力側サイドギヤ)が配置されてい
る。左のサイドギヤ41は外周部45とボス部47でデ
フケース21の支承部49,51に回転自在に支承され
ている。右のサイドギヤ43は外周部53でデフケース
21の支承部55に、又ボス部57でピニオンシャフト
33のボス部35内周に回転自在に支承されている。右
のサイドギヤ43とデフケース21との間にはワッシャ
59が配置されている。サイドギヤ41,43は各ボス
部47,57を介して左右の出力軸にスプライン連結さ
れている。
【0026】こうして、ベベルギヤ式の差動機構61が
構成されている。差動機構61のピニオンシャフト33
とピニオンギヤ39とサイドギヤ41,43は軸方向に
適度に移動可能である。
【0027】デフケース21を回転させるエンジンの駆
動力は、ピニオンシャフト33からピニオンギヤ39を
介してサイドギヤ41,43に分配され、出力軸に伝達
される。又、出力軸間に駆動抵抗差が生じると、ピニオ
ンギヤ39の自転によりエンジンの駆動力は左右各側に
差動分配される。
【0028】各サイドギヤ41,43は、ピニオンギヤ
39の背面(デフケース21の径方向外側の面)まで延
長されており、この背面と摺動する支承部63を形成し
ている。支承部63の摺動面は球面形状であり、サイド
ギヤ41,43との噛み合いによるピニオンギヤ39の
噛み合い反力とピニオンギヤ39の遠心力とを負担す
る。
【0029】又、支承部63が受けるこれらの力の軸方
向成分力に、サイドギヤ41,43自身の噛み合い反力
が加算されて、各サイドギヤ41,43にはそれぞれ軸
方向外側向きのスラスト力が生じる。更に、右のサイド
ギヤ43はワッシャ59を介してデフケース21に突き
当たっているから、左のサイドギヤ41にはピニオンギ
ヤ39を介してサイドギヤ43からの噛み合い反力も入
力し、これらの合計であるスラスト力65を受けて左方
に押圧される。
【0030】左のサイドギヤ41のボス部47とデフケ
ース21との間には、多板クラッチ67(摩擦クラッ
チ)と内接式のギヤポンプ69(オイルポンプ)とが配
置され、これらの間には油圧アクチュエータ71が配置
されている。油圧アクチュエータ71の押圧部材73は
ギヤポンプ69のケーシング部材75とデフケース21
との間にシール77,79を介して軸方向移動自在に配
置されている。
【0031】差動機構61に差動回転が生じると、ギヤ
ポンプ69はボス部47とデフケース21間の差動トル
クを受けて駆動され、ケーシング部材75の吐出孔81
からアクチュエータ71に油圧を加え、アクチュエータ
71は押圧部材73を介して多板クラッチ67を押圧し
締結させる。押圧部材73にはオリフィス74が設けら
れオイル又はエアの圧力開放を行う。多板クラッチ67
が締結されるとサイドギヤ41とデフケース21の相対
回転が制動され、差動機構61の差動が制限される。
又、上記のように、多板クラッチ67は左のサイドギヤ
41に掛かるスラスト力65によって常時押圧されてお
り、この押圧力により差動制限力が強化される。
【0032】ギヤポンプ69はデフキャリヤ23に設け
られているオイル溜り31からオイルフィルタ83と制
御弁85とオイルコネクタ87と吸入孔89とを介して
オイルを吸入する。
【0033】オイルコネクタ87はデフケース21に液
密に固定された中空部材91と、中空部材91に止め輪
93で取り付けられた摺動リング95とからなってお
り、摺動リング95の内周には周溝が設けられ、中空部
材91には常時この周溝と連通するオイル孔が設けられ
ている。摺動リング95はオイルパイプ97に固定され
ており、デフケース21が回転するときは中空部材91
との間で摺動しながら周溝からオイル孔を介してオイル
を流入させる。
【0034】制御弁85の吸入ポートには、オイルパイ
プ97の他に、エアフィルタ99と流量制御弁101と
を介してエアを導くエアパイプ103が接続されてい
る。制御弁85のスプール104はソレノイド105と
ばね107とにより移動操作され、エアを遮断してオイ
ルを流す図1の位置と、エアとオイルの両方を流しエア
をオイルに混入させる位置とに切り換えられる。
【0035】制御弁85の位置切り換えはコントローラ
109によりソレノイド105を介して行われる。又、
コントローラ109は流量制御弁101の開度を調整し
てオイルに対するエアの混入量を調節する。
【0036】コントローラ109には車速センサー11
1から車速信号が送られ、ブレーキセンサー113から
ブレーキのON−OFF信号が送られ舵角センサー11
4からステアリングの操舵信号が送られる。コントロー
ラ109は、これらの信号に基づいて、車両の走行速度
が40km/h以下のときはエアを遮断しオイルを流す
位置に制御弁85を切り換え、走行速度が40km/h
を超えるか又はブレーキを掛けたとき又はステアリング
切れ角が設定値を超えた時エアとオイルの両方が流入す
る位置に制御弁85を切り換える。
【0037】図2は制御弁85を切り換えたときのデフ
ァレンシャル装置7の差動制限特性変化を示すものであ
り、グラフ115はエアを遮断したときの特性であり、
グラフ117は流量制御弁101を全開にしてエアを混
入させたときの特性である。エアを遮断するとギヤポン
プ69にはオイルだけが供給され、グラフ115のよう
に、回転差(△N)が大きくなると差動制限トルク
(T)が急激に上昇する。又、オイルにエアを混入させ
るとギヤポンプ69の吐出圧が下がり多板クラッチ67
の締結力が低下するから、グラフ117のように、差動
制限トルク(T)の上昇は低く抑えられる。
【0038】更に、エアを混入させながら流量制御弁1
01を閉じて行くと、グラフ119,121のように差
動制限トルク(T)が上昇し、種々の差動制限特性が得
られると共に、グラフ115とグラフ117との間で差
動制限特性を連続的に変えることができる。
【0039】こうして、デファレンシャル装置7が構成
されている。
【0040】図3の車両にデファレンシャル装置7を適
用した場合、悪路などで左右の出力軸の一方が空転する
と、多板クラッチ67とピニオンギヤ41のスラスト力
65とによって大きな差動制限力が生じ、デファレンシ
ャル装置7を介して他方の出力軸にエンジンの駆動力が
送られ、悪路走破性が向上する。又、差動回転数が小さ
い緩旋回時には差動制限力が緩和され、円滑で安定した
旋回走行ができる。
【0041】又、走行速度が40km/hを超えたとき
は、上記のように、差動制限力が低く抑えられるから、
急旋回や高速旋回をしてもパワーオーバステアが防止さ
れ、車両がトラックやオフロード車のように重心の高い
車両であっても転倒が避けられる。これに加えて、ブレ
ーキを掛けたときも差動制限力を緩和してA.B.Sと
の干渉を防止するから、A.B.Sが正常に作動し、制
動時の車体の挙動が安定する。
【0042】更に、種々の走行条件に応じて流量制御弁
101によるエア混入量を制御するように構成すれば、
異なった走行条件毎に最適な差動制限特性が得られ、車
両の操安性が大幅に向上する。
【0043】ベベルギヤ式の差動機構61は、上記のよ
うに、ピニオンギヤ39との噛み合いによるサイドギヤ
41,43の噛み合い反力を多板クラッチ67の締結力
に利用できるから、それだけ差動制限力を強化すること
ができる。又、多板クラッチ67はクラッチ板の枚数を
変えることによって差動制限力を調節できる。
【0044】なお、上記実施例のように、サイドギヤと
デフケースとの間に摩擦クラッチを配置する構成では、
両方のサイドギヤとデフケースとの間に摩擦クラッチを
それぞれ配置してもよい。差動制限力発生用のオイルは
デフキャリア内のデファレンシャル装置潤滑オイルを共
用しているのでユニット外部への配管がなく、装置を簡
単にできる。
【0045】この発明において、車速やブレーキのON
−OFF状態に限らず、例えば、横Gセンサーなどを用
いて旋回加速度のような走行条件に応じてエアの断続や
エア流量の調節を行ってもよい。これらの条件を、乗用
車かトラックか、オンロード車かオフロード車か、など
の車種に応じて設定すれば、種々の車種に広く対応でき
る。
【0046】差動機構はベベルギヤ式に限らず、ギヤ同
志の歯面摩擦力やギヤとデフケースとの摩擦抵抗を利用
してトルク感応式の差動制限力を得る差動機構でもよ
い。このような差動機構を用いれば、トルク感応型の差
動制限機能と上記のような摩擦クラッチによる速度感応
型の差動制限機能とを併せ持つデファレンシャル装置が
得られる。
【0047】又、摩擦クラッチは、多板クラッチに限ら
ず、例えばコーンクラッチでもよい。
【0048】以上、この発明のデファレンシャル装置は
リヤデフ(後輪側の車軸デフ)に限らず、フロントデフ
(前輪側の車軸デフ)又はセンターデフ(前輪と後輪と
に駆動力を分配するデファレンシャル装置)に用いるこ
とができる。
【0049】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、差
動機構の差動トルクを受けて駆動されるオイルポンプに
より摩擦クラッチを締結し、速度感応型の差動制限機能
を得ている。
【0050】又、高速旋回時、急旋回時、制動時などで
はオイルにエアが混入して差動制限力が緩和され、トラ
ックやオフロード車のように重心の高い車両でも転倒が
防止されると共に、A.B.Sは、差動制限力との干渉
が防止されて正常に機能し、車体の挙動が安定する。
【0051】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、流量制御弁を設
けてエアの混入量を調節するように構成したから、差動
制限特性を連続的に変えることが可能になり、種々の走
行条件及び車種に広く対応できる。
【0052】請求項3のデファレンシャル装置は、ベベ
ルギヤ式の差動機構を用い、そのサイドギヤとデフケー
スとの間に多板クラッチと油圧アクチュエータとギヤポ
ンプとを配置して構成し、請求項1又は2のデファレン
シャル装置と同様に、高速旋回時、急旋回時、制動時な
どで差動制限力を低く抑え、重心の高い車両でも転倒を
防止すると共に、A.B.Sが正常に機能し、車体の挙
動を安定させる。
【0053】又、ベベルギヤ式の差動機構は、サイドギ
ヤの噛み合い反力を多板クラッチの締結力に利用して差
動制限力を強化することができ、多板クラッチはクラッ
チ板の枚数を変えることによって差動制限力を調節でき
る。
【0054】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置と同様に、差動機構の差動
トルクを受けて駆動されるオイルポンプにより摩擦クラ
ッチを締結させ、速度感応型の差動制限機能を得てい
る。
【0055】更に、オイルポンプの吐出圧が所定値を超
えると、オイルポンプからのパイロット圧によって制御
弁を開放し、オイルにエアを混入させて差動制限力を緩
和し、所定の車速あるいは操舵角以上で重心の高い車両
が高速旋回や急旋回しても転倒が避けられる。
【0056】又、この構成はコントローラやセンサーな
どを用いないから低コストに実施できると共に、各要素
をデフケースの内部に組み込んでユニット化することが
容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の断面図である。
【図2】図1の実施例の特性を示すグラフである。
【図3】従来例の断面図である。
【図4】従来例の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
7 デファレンシャル装置 9,11 出力軸 21 デフケース 39 ピニオンギヤ 41,43 出力側サイドギヤ 61 ベベルギヤ式差動機構 67 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 69 ギヤポンプ(オイルポンプ) 71 油圧アクチュエータ 85 制御弁 101 流量制御弁 109 コントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケースの回転を一対の出力軸に分配
    する差動機構と、その差動を制限する摩擦クラッチと、
    この摩擦クラッチを締結する油圧アクチュエータと、差
    動機構の差動トルクを受けて駆動され油圧アクチュエー
    タを作動させるオイルポンプと、オイルポンプの吸入側
    に空気を導く制御弁と、車両の走行条件に応じてこの制
    御弁を操作するコントローラとを備えたことを特徴とす
    るデファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】 コントローラにより車両の走行条件に応
    じて制御され、オイルポンプへの空気流量を調節する流
    量制御弁を備えた請求項1のデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 差動機構が、デフケース側に回転自在に
    支承されたピニオンギヤ及びピニオンギヤと噛み合う一
    対の出力側サイドギヤとを有するベベルギヤ式の差動機
    構であり、摩擦クラッチが、サイドギヤとデフケースと
    の間に配置された多板クラッチであり、オイルポンプ
    が、このサイドギヤとデフケースとの間に配置されたギ
    ヤポンプであり、油圧アクチュエータを、これらの多板
    クラッチとオイルポンプとの間に配置した請求項1又は
    2のデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケースの回転を一対の出力軸に分配
    する差動機構と、その差動を制限する摩擦クラッチと、
    この摩擦クラッチを締結する油圧アクチュエータと、差
    動機構の差動トルクを受けて駆動され油圧アクチュエー
    タを作動させるオイルポンプと、オイルポンプからパイ
    ロット圧を受け、オイルポンプの吐出圧が所定値を超え
    ると開放されオイルポンプの吸入側に空気を導く制御弁
    とを備えたことを特徴とするデファレンシャル装置。
JP148495A 1995-01-09 1995-01-09 デファレンシャル装置 Pending JPH08189556A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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