JPH08188649A - ラダーポリシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents

ラダーポリシロキサンおよびその製造方法

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JPH08188649A
JPH08188649A JP1873095A JP1873095A JPH08188649A JP H08188649 A JPH08188649 A JP H08188649A JP 1873095 A JP1873095 A JP 1873095A JP 1873095 A JP1873095 A JP 1873095A JP H08188649 A JPH08188649 A JP H08188649A
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JP
Japan
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group
ladder
diamine
polysiloxane
same
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JP1873095A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nakazono
豊 中薗
Tokugen Shiyuu
徳元 周
Youhon Chiyou
榕本 張
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KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO
KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO
KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量であってもラダー骨格を維持し、溶
解性および成膜性の高いラダーポリシロキサンを得る。 【構成】 式(III) で表される化合物を、芳香族ジアミ
ンなどのジアミンでアミノリシスし、生成した式(IV)で
表される化合物を脱ジアミノ化とともに縮合することに
より、式(I) で表されるラダーポリシロキサンを製造す
る。 【化1】 (式中、R1 は、アルキル基、アリール基、重合性不飽
和基、ヒドロキシル基、アルコキシ基などを示し、Xは
ハロゲン原子、Yはジアミン残基を示す。nは10以上
の整数を示す。ただし、R1 がアルキル基、アリール
基、重合性不飽和基である場合、nは100以上の整数
である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解性基を有して
いてもよいラダーポリシロキサンおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ラダー型ポリシロキサンは、機械的特
性、耐熱性及び電気絶縁性が高く、電子部品や半導体の
保護膜や層間絶縁層用材料、感光性材料、ペリクル材
料、塗料材料などとして広く利用されている。
【0003】感光性材料に関して、特公昭60−250
61号公報および特公平1−36983号公報には、ア
ルキル基又はフェニル基を有するラダーポリシロキサン
とアジド化合物又はスルホニルアジド化合物とを含む感
光性シリコーン樹脂組成物が開示されている。特開平3
−274056号公報には、ビニル基、アリル基などを
有するラダーポリシロキサンを含む感光性組成物が開示
されている。
【0004】特開平2−13号公報、特開平2−105
881号公報、特開平2−221923号公報、特開平
4−265939号公報などには、アルキル基やフェニ
ル基を有する数平均分子量2000〜500000の末
端ヒドロキシラダーポリシロキサンと、金属アルコキシ
ドとを含む膜形成用組成物が開示されている。また、特
開平3−55828号公報には、アルキル基又はフェニ
ル基を有するラダーポリシロキサンと、金属アルコキシ
ド化合物との反応生成物を含む半導体素子の不純物拡散
層用組成物が開示されている。
【0005】しかし、これらの文献に記載の方法では、
ラダー骨格を維持しつつ高分子量のポリシロキサンを得
ることが困難である。すなわち、特開平3−55828
号公報に、ラダー骨格を有するシロキサン単位の繰返し
数10〜1000のうち、溶解性などの点から10〜1
00が好ましいと記載されていることから明らかなよう
に、高分子量化に伴なってラダー骨格が崩れ、架橋によ
り溶媒不溶性となる。さらに、実際に反応を行なうと、
繰返し単位数nが数十程度のポリシロキサンしか得られ
ず、高分子量体は溶媒に不溶である。従って、ラダーポ
リシロキサンの特色を有効に活用できない。
【0006】特公昭40−15989号公報には、固有
粘度0.01〜0.35dl/gとなるまでオクタフェ
ニルシルセスキオキサンをアルカリ性触媒の存在下で加
熱し、生成したフェニルポリシロキサンプレポリマーを
分離し、このプレポリマーをアルカリ性触媒の存在下で
高温で加熱することにより、固有粘度が少なくとも0.
4dl/gであるベンゼン可溶性フェニルセスキオキサ
ンポリマーを製造する方法が提案されている。
【0007】しかし、この方法においても、高分子量化
に伴なってゲル化しやすく、ラダー骨格を維持する立体
規則性の高いラダーポリシロキサンを得ることが困難で
ある。また、アルカリ加水分解触媒を用いるため、不純
物の含有量が多くなり易い。
【0008】特開平3−207719号公報には、不純
物の含有量が少なく、感光性を有する高分子量のポリシ
ロキサンに関し、フェニルトリクロロシランとアルケニ
ル基を有するトリクロロシランとの混合物に、アルカリ
加水分解触媒ではなく、超純水を添加して加水分解し、
アルケニル基またはフェニル基を有する末端ヒドロキシ
フェニルラダーポリシロキサンの製造方法が開示されて
いる。
【0009】しかし、この文献に記載の方法でも、ラダ
ー骨格を維持しつつ高分子量で溶解性の高いラダーポリ
シロキサンを得ることは困難である。すなわち、この文
献にも、ラダー骨格を有するシロキサン単位の繰返し数
の上限は、溶解性の点から1600であると記載されて
いるものの、重量平均分子量20万程度のポリシロキサ
ンしか得られない。しかも、高分子量のラダーポリシロ
キサンを得るためには、反応系の濃度を調製するなどの
特別の操作が必要となる。
【0010】特開昭53−88099号公報には、生成
する塩酸を補足するためアミンの存在下、メチルトリク
ロロシランをケトンとエーテルとの混合溶媒に溶解し、
混合液に水を添加して加水分解し、数平均分子量900
0〜10000のメチルポリシロキサンを生成させ、ア
ンモニウム塩を触媒としてさらに脱水縮合させることに
より、数平均分子量10000〜100000のメチル
ポリシロキサンを製造する方法が開示されている。この
方法では、アミンとしてトリエチルアミン、エチレンジ
アミンなどのアミンが使用されている。
【0011】しかし、この方法でもポリシロキサンをさ
らに高分子量化すると、ラダー骨格が崩れ、架橋により
不溶化し易い。そのため、ラダー骨格という高い立体規
則性を維持しつつ、溶媒可溶性の高分子量ポリシロキサ
ンを得ることが困難である。
【0012】特に、前記文献に記載の方法は、いずれも
加水分解に対して不活性のアルキル基、アラルキル基や
フェニル基を有するトリクロロシラン(例えば、メチル
トリクロロシランやフェニルトリクロロシランなど)を
用いる。そのため、アルコキシ基などの加水分解性基を
有するアルコキシトリクロロシランなどを用いると、比
較的低分子量であっても、加水分解により容易に架橋
し、ゲル化し易くなる。従って、加水分解性基を有する
高分子量のラダーポリシロキサンを得ることは困難であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子量であってもラダー骨格を維持し、溶解性および成膜
性の高いラダーポリシロキサンおよびその製造方法を提
供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、加水分解性基を有す
る新規なラダーポリシロキサンおよびその製造方法を提
供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、加水分解性基
を有する高分子量のラダーポリシロキサンおよびその製
造方法を提供することにある。
【0016】本発明の別の目的は、加水分解性基を有す
るシラン化合物を用いても、立体構造を高度に制御しつ
つ高分子量化できるラダーポリシロキサンの製造方法を
提供することにある。
【0017】本発明のさらに別の目的は、高分子量化に
伴なうゲル化を抑制しつつ溶解性の高い高分子量ラダー
ポリシロキサンの製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、モノ置換トリクロロシ
ランを剛直な骨格を有するジアミンを用いてアミノリシ
スし、ジアミンの脱離および加水分解とともに縮合する
と、高分子量化の程度に拘らず、ラダー骨格を維持しつ
つ溶解性の高い高分子量ラダーポリシロキサンが得られ
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0019】すなわち、本発明のラダーポリシロキサン
は、下記式(I)で表される。
【0020】
【化7】 (式中、R1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原
子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;アラ
ルキル基;アルケニル基、アクリロイルオキシ基、メタ
クリロイルオキシ基からなる群から選択された重合性不
飽和基;ヒドロキシル基;又は加水分解性基を示す。R
2a,R2b、R2cおよびR2dは、同一又は異なって、水素
原子又は低級アルキル基を示し、nは10以上の整数を
示す。ただし、R1a及びR1bが水素原子、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又は重合
性不飽和基である場合、nは100以上の整数である) 前記加水分解性基は、低級アルコキシ基又はリン酸エス
テル残基であってもよい。ラダーポリシロキサンは、芳
香族炭化水素、アルコール、ケトンまたはエーテルに可
溶である場合が多い。本発明のラダーポリシロキサン
は、立体規則性が高く、分子量が極めて大きくてもラダ
ー骨格を高度に維持している。ラダーポリシロキサンの
立体規則性は、赤外線吸収スペクトルにおいて、Si−
OHに由来する吸収ピークと、Si−O−Siに由来す
る吸収ピークとの割合で評価することができる。
【0021】前記ラダーポリシロキサンは、例えば、下
記式(III) R1 SiX3 (III) (式中、R1 は、水素原子;アルキル基;シクロアルキ
ル基;アリール基;アラルキル基;アルケニル基、アク
リロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基からなる群
から選択された重合性不飽和基;ヒドロキシル基;又は
加水分解性基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表さ
れる化合物の少なくとも一種を、芳香族ジアミン、脂環
式ジアミンおよび複素環式ジアミンから選ばれた少なく
とも一種のジアミンでアミノリシスし、生成した下記式
(IV)
【0022】
【化8】 (R1 及びXは前記に同じ。Yはジアミン残基を示す)
で表される化合物を脱ジアミノ化とともに縮合させ、下
記式(V)
【0023】
【化9】 (R1 およびXは前記に同じ。nは10以上の整数を示
す)で表されるポリシロキサンを生成させることにより
得ることができる。
【0024】リン酸エステル残基を有するラダーポリシ
ロキサンは、例えば、下記式(VI)
【0025】
【化10】 (式中、R1a及びR1bは、同一又は異なって、ヒドロキ
シル基又はアルコキシ基を示し、R2a,R2b、R2cおよ
びR2dは、同一又は異なって、水素原子又は低級アルキ
ル基を示し、nは10以上の整数を示す)で表されるラ
ダーポリシロキサンと、リン酸エステルとを反応させ、
下記式(VII)
【0026】
【化11】 (n、R2a,R2b、R2cおよびR2dは前記に同じ。R3
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基を示し、2つのR3 は同一又は異な
っていてもよい)で表されるポリシロキサンを生成させ
ることにより製造できる。
【0027】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0028】式(I)のラダーポリシロキサンにおい
て、R1a及びR1bで表されるアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−
ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、デシル基などの直
鎖状又は分岐状のC1 〜C10程度のアルキル基が挙げら
れる。好ましいアルキル基には、炭素数1〜4程度の低
級アルキル基、特にメチル基又はエチル基が含まれる。
【0029】シクロアルキル基には、例えば、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチ
ル基などのC3-10程度のシクロアルキル基が含まれる。
アリール基には、例えば、フェニル、α−ナフチル、β
−ナフチル基などが含まれ、アラルキル基には、例え
ば、ベンジル、フェネチル、フェニルブチル、フェニル
ヘキシル、α−ナフチルメチル基などのC7-20程度のア
ラルキル基が含まれる。好ましいアリール基にはフェニ
ル基が含まれ、好ましいアラルキル基にはベンジル基な
どが含まれる。
【0030】重合性不飽和基のアルケニル基には、例え
ば、ビニル、スチリル、アリル(2−プロペニル)、シ
ンナミル、3−ブテニル、4−ペンテニルなどの置換基
(例えば、フェニル基など)を有していてもよいC2-6
アルケニル基が例示される。好ましいアルケニル基に
は、ビニル、アリル、シンナル基などが含まれる。
【0031】加水分解性基には、低級アルコキシ基又は
下記式(II)
【0032】
【化12】 (R3 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基を示し、2つのR3 は同一又
は異なっていてもよい)で表される基が含まれる。
【0033】前記低級アルコキシ基としては、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキ
シ、n−ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6程度のアル
コキシ基が含まれる。
【0034】前記式(II)においてR3 で表されるアルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル
基には、R1a及びR1bと同様のアルキル基(例えば、C
1-6低級アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C
3-10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、フェニ
ル基)およびアラルキル基(例えば、ベンジル基などの
7-20アラルキル基)が含まれる。好ましい置換基R3
は、水素原子、炭素数1〜4程度、好ましくは炭素数1
〜3程度の低級アルキル基である。
【0035】R1a及びR1bで表される置換基のうち、水
素原子、重合性不飽和基、ヒドロキシル基、又は加水分
解性基(例えば、低級アルコキシ基)が好ましい。
【0036】好ましい置換基R1a及びR1bには、加水分
解性基、例えば、炭素数1〜4程度のアルコキシ基(好
ましくは炭素数1〜3程度のアルコキシ基)および式(I
I)で表されるホスフェート基が含まれる。
【0037】R2a,R2b、R2cおよびR2dで表される低
級アルキル基には、前記アルキル基のうち、炭素数1〜
4程度の低級アルキル基、特にメチル又はエチル基が含
まれる。R2a,R2b、R2cおよびR2dは、通常、水素原
子である場合が多い。
【0038】本発明のラダーポリシロキサンは、重合度
が高くても、ラダー骨格を高度に維持している。そのた
め、前記ラダーポリシロキサンは、重合度が高くても架
橋やゲル化することなく立体規則性が高く、種々の有機
溶媒に可溶であるとともに成膜性が高いという特色があ
る。
【0039】前記式(I)において、nは10以上の整
数(例えば、10〜数万程度)、好ましくは50〜10
0000、さらに好ましくは100〜75000(例え
ば、150〜75000)程度であり、100〜500
00程度の整数である場合が多い。
【0040】ただし、R1a及びR1bが水素原子、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又
は重合性不飽和基である場合、nは100以上の整数、
好ましくは150〜100000(例えば、200〜1
00000)程度、さらに好ましくは250〜5000
0程度の整数である場合が多い。
【0041】なお、nが2000〜50000程度の整
数であるラダーポリシロキサンは、前記置換基R1a及び
1bの種類に拘らず、重合度の点から従来のラダーポリ
シロキサンと明瞭に区別される。また、取扱い性および
反応操作性などの点から、nは50〜10000(例え
ば、100〜7000)程度である場合が多い。
【0042】本発明のラダーポリシロキサンは、種々の
溶媒に可溶であり、このような有機溶媒には、例えば、
ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキ
サンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン化炭
化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタ
ノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル
類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ
類、これらの混合溶媒などが含まれる。ラダーポリシロ
キサンが可溶な好ましい溶媒には、芳香族炭化水素など
の非極性溶媒、アルコール、ケトン、エーテルなどの極
性溶媒、およびこれらの混合溶媒が含まれる。
【0043】ラダーポリシロキサンが高い分子量を有し
ていても、高い溶媒可溶性および成膜性を有することを
利用して、塗布、スプレー、ディッピングなどを利用し
て、基材に皮膜を形成したり基材を含浸することがで
き、ラダーポリシロキサンの適用範囲を拡げることがで
きる。
【0044】本発明のラダーポリシロキサンは、架橋点
やゲル化点が極めて少なく、ラダー骨格を保持してお
り、立体規則性が高い。ポリシロキサンの立体規則性
は、赤外線吸収スペクトルにおいて、Si−OHに由来
する吸収ピークと、Si−O−Siに由来する吸収ピー
クとの比で評価できる。すなわち、Si−OHに由来す
る波数3500cm-1近傍(3500cm-1±300c
-1)の吸収ピーク面積をA3500、Si−O−Siに由
来する波数1100cm-1近傍(1100cm-1±20
0cm-1)の吸収ピーク面積をA1100とするとき、A35
00/A1100=0.065以下、好ましくは0.03〜
0.062(例えば、0.045〜0.062)程度で
ある。なお、ラダーポリシロキサンの分子量が増加する
につれてポリマー中のヒドロキシル基の濃度が低下し、
吸収ピーク面積比A3500/A1100は小さくなる。
【0045】ラダーポリシロキサンは、ラダー骨格を高
度に維持しているため、ポリシロキサンの機械的特性
(例えば、強度、弾性、強靭性など)が高い。例えば、
式(I)においてR1a及びR1bが水素原子であるラダー
ポリシロキサンは、極性溶媒に可溶であり、透明で均一
な硬質の皮膜を形成でき、R1a及びR1bがアルコキシ基
であるラダーポリシロキサンは、極性溶媒に可溶であ
り、透明で均一な男性を有する皮膜を形成する場合が多
い。さらに、R1a及びR1bが式(II)で表されるホスフェ
ート基であるラダーポリシロキサンは、極性溶媒以外の
慣用の溶媒に可溶であり、強靭な皮膜を形成する場合が
多い。
【0046】本発明のラダーポリシロキサンは、高い立
体規則性を利用して機械的特性を向上させたり、配向性
を改善でき、強化材料として利用すると、複合材料の高
性能化が可能である。例えば、ポリエステル(不飽和ポ
リエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなど)、ポリアミド(ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン11、ナイロン12など)、スチ
レン−ブタジエン共重合体、アクリロニリル−スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリプロピレンなどの熱可塑性
樹脂や熱硬化性樹脂などにラダーポリシロキサンを添加
すると、強度、靭性などの機械的特性を改善できる。ま
た、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエー
テルケトン、液晶性高分子などの高性能ポリマーやエン
ジニアリングプラスチックに添加すると、さらに性能を
向上できる。
【0047】さらに、前記式(I)で表されるポリシロ
キサンのうち、R1a及びR1bが、水素原子;アルケニル
基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基か
らなる群から選択された重合性不飽和基;ヒドロキシル
基又は加水分解性基であるラダーポリシロキサンは、反
応性を有している。そのため、このようなラダーポリシ
ロキンは種々の機能性を有するとともに、ラダーポリシ
ロキサンの反応性を利用して種々の修飾が可能である。
【0048】すなわち、R1a及びR1bが水素原子である
ラダーポリシロキサンは、ハイドロシリレーションを利
用して種々の官能基を導入する上で有用であるととも
に、フィッシュボーン(魚の骨)状の構造を有する液晶
ポリマーを得るための機能性ポリマーとして有用であ
る。
【0049】R1a及びR1bがアルケニル基、アクリロイ
ルオキシ基、メタクリロイルオキシ基からなる群から選
択された重合性不飽和基であるラダーポリシロキサン
は、感光性を有し、光線硬化性ポリシロキサン、光硬化
性接着剤や塗料などとして有用である。
【0050】R1a及びR1bで表される置換基が、ヒドロ
キシル基又は加水分解性基であるラダーポリシロキサン
は新規であり、種々の利点を有する。すなわち、ラダー
骨格の繰返し数に応じてヒドロキシル基又は加水分解性
基を導入できるので、反応点として機能するヒドロキシ
ル基や加水分解性基の濃度を著しく増加させることがで
きる。そのため、例えば、ラダーポリシロキサンを縮合
反応に供すると、架橋密度の増加に伴って機械的強度を
向上できるとともに、ヒドロキシル基や加水分解性基を
機能性分子や機能性ポリマーに対する結合部位として利
用でき、加水分解を利用した種々の修飾が可能である。
また、加水分解性を利用して、セメント、顔料(酸化チ
タン、酸化鉄、カーボンブラックなど)、磁性体や無機
基材などの無機材料との接合にも利用できるとともに、
ヒドロキシル基による水素結合を利用すると、ハイブリ
ッド化に有利である。さらに、R1a及びR1bが式(II)で
表されるホスフェート基である場合には、高い難燃性を
付与できる。
【0051】本発明のラダーポリシロキサン(I)は、
ジアミンによりアミノリシスするプレアミノリシス工
程、および脱ジアミノ化を伴う縮合工程を経ることによ
り製造できる。
【0052】前記プレアミノリシス工程では、下記式(I
II) で表される化合物の少なくとも一種を、芳香族ジア
ミン、脂環式ジアミンおよび複素環式ジアミンから選ば
れた少なくとも一種のジアミンでアミノリシスする。
【0053】R1 SiX3 (III) (式中、R1 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基;アラルキル基;アルケニル基、アク
リロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基からなる群
から選択された重合性不飽和基;ヒドロキシル基;又は
加水分解性基を示し、Xはハロゲン原子を示す) 上記式(III) で表されるオルガノトリハロシランにおい
て、R1 で表されるアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基;アラルキル基;アルケニル基、重合性不飽和
基;及び加水分解性基は、前記式(I)における置換基
1a、R1bに対応する。また、前記Xで表されるハロゲ
ン原子には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が含ま
れる。好ましいハロゲン原子には、塩素原子が含まれ
る。
【0054】前記式(III) で表されるオルガノトリハロ
シランとしては、例えば、トリクロロシランなどのトリ
ハロシラン;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロ
ロシラン、プロピルトリクロロシラン、イソプロピルト
リクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ペンチルト
リクロロシランなどのアルキルトリクロロシラン(好ま
しくはC1-4 アルキルトリクロロシラン)、シクロヘキ
シルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ベ
ンジルトリクロロシランなどのシクロアルキル基、アリ
ール基やアラルキル基を有するトリクロロシラン;ビニ
ルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、アクリ
ロイルオキシトリクロロシラン、メタクリロイルオキシ
トリクロロシランなどの重合性不飽和基を有するトリク
ロロシラン;メトキシトリクロロシラン、エトキシトリ
クロロシラン、プロポキシトリクロロシラン、イソプロ
ポキシトリクロロシラン、ブトキシトリクロロシラン、
t−ブトキシトリクロロシラン、ペンチルオキシトリク
ロロシラン、ヘキシルオキシトリクロロシランなどのア
ルコキシトリクロロシラン(好ましくはC1-4 アルコキ
シトリクロロシラン)などが挙げられる。これらのオル
ガノトリハロシランは、一種又は二種以上組合せて使用
できる。
【0055】本発明の方法ではアミノリシスを利用する
ことによりラダー骨格を維持しつつ縮合できるので、本
発明は、加水分解性基を有するトリハロシラン、特にC
1-4アルコキシトリクロロシランなどに好適に適用され
る。
【0056】前記ジアミンとしては、剛直鎖又は環を有
するジアミン(例えば、芳香族ジアミン、脂環族ジアミ
ン、複素環式ジアミン)が使用される。環を有するジア
ミンにおいて、アミノ基はアルキレン基などを介して環
に結合していてもよいが、アミノ基が環に直接結合して
いるジアミンを用いる場合が多い。
【0057】芳香族ジアミンとしては、例えば、2,4
−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,
5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジ
エチル−2,6−ジアミノトルエン、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジア
ミン、p−キシリレンジアミン;4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン、2,3−ジクロロ−4,4′−
ジアミノジフェニルメタン;1,2−ビス(2−アミノ
フェニルチオ)エタン、1,2−ビス(4−アミノフェ
ニルチオ)エタン、1,2−ビス(3−クロロ−4−ア
ミノフェニルチオ)エタン;1,3−ビス(4−アミノ
ベンゾイルオキシ)プロパン、1,3−ビス(3−クロ
ロ−4−アミノベンゾイルオキシ)プロパン、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジメチル−
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
エチル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン;3,
5−ジアミノ−4−クロロ安息香酸メチル、3,5−ジ
アミノ−4−クロロ安息香酸エチル、3,5−ジアミノ
−4−クロロ安息香酸n−プロピル、3,5−ジアミノ
−4−クロロ安息香酸イソブチルなどが例示される。こ
れらの芳香族ポリアミンは、一種又は二種以上の混合物
として使用できる。
【0058】脂環族ジアミンには、例えば、イソホロン
ジアミン、メンセンジアミンなどの外、上記芳香族ジア
ミンの芳香環が水素添加されたジアミンが含まれる。複
素環式ジアミンには、アミノエチルピペラジンなどが含
まれる。
【0059】前記ジアミンのうち、フェニレンジアミン
などの芳香族ジアミンを用いる場合が多い。また、アミ
ノリシスにより生成した化合物から縮合反応によりジア
ミンを脱離するため、前記ジアミンのうち、塩基性度の
小さなジアミン、例えば、pKaが2〜6、好ましくは
3〜5.5程度のジアミンが好ましい。
【0060】前記ジアミンの使用量は、式(III) で表さ
れる化合物1モルに対して、ジアミン0.45〜0.5
5モル程度、好ましくは0.48〜0.52モル、さら
に好ましくは0.49〜0.51モル程度である。
【0061】プレアミノリシス工程では、通常、前記式
(III) で表されるオルガノトリハロシランとジアミンと
を、有機溶媒中で反応せることにより、下記式(IV)で表
される化合物を生成させる。
【0062】
【化13】 (R1 及びXは前記に同じ。Yはジアミン残基を示す) 前記溶媒としては反応に悪影響を及ぼさない種々の溶媒
が使用できる。有機溶媒としては、例えば、ヘキサンな
どの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環族炭
化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエス
テル類;これらの混合溶媒(例えばエーテル類とケトン
類との混合溶媒、芳香族炭化水素とケトン類との混合溶
媒など)が挙げられる。
【0063】前記溶媒の使用量は、通常、式(III) で表
されるオルガノトリハロシランとジアミンとの合計量1
00重量部に対して、50〜2000重量部(例えば、
100〜1000重量部)程度である場合が多い。反応
は、適当な条件、例えば、温度−20℃〜30℃程度
で、10分〜10時間程度行なうことができる。
【0064】なお、プレアミノリシス反応により生成し
たハロゲン化水素を捕捉するため、反応混合液には、ア
ミンを添加してもよい。アミンの種類は、特に制限され
ず、例えば、前記ジアミンの他、第三アミン(トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリ
エタノールアミン、ピリジンなど)などの活性水素原子
を有しないアミン、その他のアミンが含まれる。
【0065】縮合工程では、前記プレアミノリシス工程
で生成した前記式(IV)で表される化合物を、脱ジアミノ
化(脱ジアミン)を伴う加水分解及び縮合反応に供し、
下記式(V) で表されるラダーポリシロキサンを生成させ
る。式(IV)で表される化合物は単離した後、縮合工程に
供してもよいが、通常、単離することなく縮合工程に供
する場合が多い。
【0066】
【化14】 (R1 およびXは前記に同じ。nは10以上の整数を示
す) 縮合工程では、反応系に縮合剤としての水を添加し、加
水分解を伴う縮合反応を行なう場合が多い。水は、適当
な溶媒、例えば、アセトン、テトラヒドロフランなどの
有機溶媒に溶解又は分散して使用してもよい。水は間欠
的又は連続的に徐々に添加する場合が多い。水の使用量
は、通常、一般式(IV)の化合物1モルに対して4〜10
モル、好ましくは4〜6モル程度である。なお、反応溶
媒およびその使用量は前記プレアミノリシス工程の条件
と同様の範囲内から選択でき、反応溶媒は水混和性溶媒
である場合が多い。
【0067】縮合反応は、一段の反応で行なってもよい
が、ラダー骨格を高度に維持したポリマーを得るため、
温和な条件から次第に厳しい条件へ移行させながら縮合
反応させる多段工程(特に予備縮合工程および後縮合工
程)を経て行なうのが好ましい。このような多段工程で
縮合反応を行なうと、予備縮合工程で、架橋、ゲル化な
どの副反応を抑制しつつラダー骨格を確実に構築でき、
確立されたラダー骨格のプレポリマーを、後縮合工程
で、円滑に縮合できる。そのため、後縮合工程で架橋や
ゲル化を確実に抑制できる。なお、予備縮合工程でジア
ミンが脱離し、強固なラダー骨格が確立されるものと推
測される。
【0068】予備縮合工程は、通常、温度−20℃〜4
0℃(好ましくは−10℃〜25℃)程度で、30分〜
6時間程度行なうことができる。予備縮合工程では、生
成するハロゲン化水素を捕捉するため、前記プレアミノ
リシス工程と同様のアミンを添加してもよい。
【0069】なお、必要に応じて、予備縮合工程で生成
した反応混合液を濾過するとともに、濾液中の水分を、
例えば、乾燥剤(硫酸ナトリウムなど)などを用いて除
去した後、後縮合工程に供してもよい。
【0070】予備縮合させた後、後縮合工程で反応生成
物をさらに縮合させることにより、ラダーポリシロキサ
ンが得られる。後縮合工程では、反応温度を高めること
により縮合反応を進行させてもよいが、触媒の存在下、
縮合するのが好ましい。触媒には、酸触媒および塩基触
媒などの加水分解触媒が使用できる。
【0071】酸触媒(固体酸触媒を含む)としては、例
えば、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、有機スルホン
酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸など)などの有機酸が挙げられ、塩基触媒
としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無
機塩基、前記と同様の第三アミンなどの有機塩基などが
挙げられる。好ましい触媒には酸触媒が含まれる。触媒
の使用量は、一般式(IV)の化合物に対して、0.001
〜10重量%、好ましくは0.005〜5重量%程度で
あり、0.01〜3重量%程度である場合が多い。
【0072】また、後縮合工程では、加水分解反応を促
進するため、水を添加してもよい。水は、前記縮合工程
と同様に、適当な溶媒(有機溶媒)に溶解又は分散して
使用してもよい。水の添加量は、例えば、一般式(IV)の
化合物1モルに対して2モル以上(例えば、2〜10モ
ル)、好ましくは2〜7モル程度である。
【0073】後縮合工程における反応条件は、広い範囲
から選択でき、例えば、温度5〜140℃、好ましくは
10〜100℃程度、反応時間1〜24時間程度であ
る。
【0074】このような方法では、縮合度を高めても反
応過程でゲル化が生じる可能性が殆どなく、高度に制御
されたラダー骨格を有するラダーポリシロキサンを円滑
に製造することができる。
【0075】なお、下記式(VII)
【0076】
【化15】 (n、R2a,R2b、R2cおよびR2dは、同一又は異なっ
て、水素原子又は低級アルキル基を示し、R3 は、水素
原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基を示し、2つのR3 は同一又は異なっていて
もよい。nは10以上の整数である)で表されるラダー
ポリシロキサンは、下記式(VI)
【0077】
【化16】 (式中、R2a,R2b、R2c、R2dおよびnは前記に同
じ。R1a及びR1bは、同一又は異なって、ヒドロキシル
基又はアルコキシ基を示す)で表されるラダーポリシロ
キサンと、リン酸エステルとを反応させることにより得
ることができる。
【0078】R1a、R1b、R2a,R2b、R2c、R2dで表
される置換基およびnは前記と同様である。式(VI)で表
されるラダーポリシロキサンは、前記プレアミノリシス
工程とその後の縮合工程とを経ることにより得ることが
できる。式(VI)で表されるラダーポリシロキサンは、前
記予備縮合工程で生成する程度の縮合度を有していても
よい。
【0079】なお、R1a及びR1bが水素原子である場
合、酸化剤、例えば、過酸化水素、過マンガン酸カリウ
ム、重クロム酸カリウムなどを用いて酸化することによ
り、水素原子をヒドロキシル基に変換することができ
る。また、稀薄なアルカリを用いて、水素原子をヒドロ
キシル基に変換してもよい。
【0080】前記リン酸エステルとしては、式 O=P
−(OR3 3 (式中、R3 は、水素原子、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を示
し、3つのR3 は同一又は異なっていてもよい)で表さ
れる種々のリン酸エステル(ホスフェート)が使用でき
る。リン酸エステルには、リン酸モノエステル、リン酸
ジエステル、リン酸トリエステルが含まれる。リン酸エ
ステルとしては、例えば、リン酸モノメチル、リン酸モ
ノエチル、リン酸モノプロピル、リン酸モノブチルなど
のリン酸モノアルキル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチ
ル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチルなどのリン酸ジ
アルキル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン
酸トリブチルなどのリン酸トリアルキル、リン酸モノフ
ェニル、リン酸モノクレジルなどのリン酸モノアリー
ル、リン酸ジフェニル、リン酸ジクレジルなどのリン酸
ジアリール、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル
などのリン酸トリアリールなどが挙げられる。好ましい
リン酸エステルには、リン酸アルキルエステル、特にリ
ン酸トリアルキル、中でもアルキル基の炭素数が1〜4
程度のリン酸トリ低級アルキルが含まれる。
【0081】リン酸エステルとの反応により、前記式
(I)においてR1a及び/又はR1bが式(II)で表される
ホスフェート基であるラダーポリシロキサン(I)を得
ることができる。
【0082】前記リン酸エステルの使用量は、例えば、
式(VI)で表される繰返し単位1モルに対して1〜10モ
ル、好ましくは2〜8モル程度である。
【0083】反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。
有機溶媒としては、前記プレアミノリシス工程および縮
合工程と同様の溶媒、例えば、ヘキサン、おくたんなど
の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭
化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールな
どのアルコール類、アセトンなどのケトン類、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル類やこれらの混合溶媒が挙げ
られる。
【0084】前記反応に際して触媒(例えば、前記酸触
媒及び塩基触媒)を用いてもよい。触媒としては、例え
ば塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸を用いる場合が多
い。触媒の使用量は、例えば、式(VI)で表される繰返し
単位1モルに対して0.01〜5モル、好ましくは0.
05〜2モル程度の範囲から適当に選択できる。反応
は、例えば、温度10〜100℃程度、時間30分〜2
0時間程度で行なうことができる。
【0085】このようにして得られたラダーポリシロキ
サンは、高分子量であっても立体規則性、溶解性および
成膜性が高いので、種々の用途、例えば、導電性ポリマ
ーの前駆体、光学材料、磁気材料、液晶配向膜材料、ポ
リマーアロイなどの複合材料、半導体の保護膜、絶縁
膜、感光性材料、塗料、離型剤などに利用できる。
【0086】
【発明の効果】本発明のラダーポリシロキサンは、高分
子量であっても整然としたラダー骨格を維持し、溶解性
のみならず成膜性が高い。また、加水分解性基を有して
いても、前記のような特性を有するため、加水分解性基
を利用して種々の機能を付与できる。
【0087】本発明の方法では、プレアミノリシス工程
を経て縮合させるので、加水分解性基を有するシラン化
合物を用いても、立体構造を高度に制御しつつラダーポ
リシロキサンを高分子量化できる。また、高分子量化に
伴なうゲル化を抑制しつつ溶解性の高い高分子量ラダー
ポリシロキサンを得ることができる。
【0088】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0089】なお、ポリマーの分子量および成膜性は下
記の方法で評価した。
【0090】分子量:ポリスチレンを標準物質としてゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法に
より重量平均分子量を測定した。
【0091】成膜性:ポリマーが可溶な溶媒溶液をガラ
ス板上に塗布し、均一な塗膜が形成されるか否かで判断
した。
【0092】実施例1および2 トリクロロシラン(HSiCl3 )3.4g(0.02
5モル)とトルエン40mlとの混合液に、p−フェニ
レンジアミン2.7g(0.025モル)とアセトン5
0mlとの混合液を、撹拌下、−15〜−6℃に保ちな
がら滴下した。30分間撹拌した後、アセトン10ml
と水0.9mlとの混合液を添加し、−5℃で30分間
撹拌した。さらに、アセトン5mlと水0.45mlと
の混合液を−5℃で加え、2時間室温で撹拌した。
【0093】反応終了後、反応混合液を濾過し、濾液を
無水硫酸ナトリウムを用いて一昼夜乾燥した。硫酸2滴
を濾液に添加し、25℃で12時間撹拌した。得られた
反応混合液の半量を、蒸留水で中性になるまで水洗し、
減圧乾燥することにより、白色の固形状ポリマー0.6
g(収率90%)を得た(実施例1)。
【0094】反応過程でゲル化や不溶物の生成は認めら
れず、ポリマーはトルエンに可溶であり、成膜性は良好
であった。また、成膜により得られたフィルムは透明、
均質で強靭であった。
【0095】分子量:1.5×104 (n=約140) IR(cm-1);2259,835,1138,107
29 Si−NMR(ppm);−92.66 反応混合液の残り半量を、さらに50℃で12時間撹拌
し、前記と同様に水洗、乾燥することにより、白色の固
形状ポリマー0.6g(収率90%)を得た(実施例
2)。
【0096】反応過程でゲル化や不溶物の生成は認めら
れず、ポリマーはトルエンに可溶であり、成膜性は良好
であった。また、成膜により得られたフィルムは透明、
均質で強靭であった。
【0097】分子量:5×105 (n=約4700) IR(cm-1);2259、835、1138,107
29 Si−NMR(ppm);−92.66 実施例3 実施例1において、トリクロロシランに代えてメチルト
リクロロシランを用いるとともに、トルエンに代えてキ
シレンを用いる以外、実施例1と同様にして反応させる
ことにより、ポリマーを得た。
【0098】反応過程でゲル化や不溶物の生成は認めら
れず、ポリマーはトルエンに可溶であり、成膜性は良好
であった。また、成膜により得られたフィルムは透明、
均質で強靭であった。
【0099】分子量:5×105 (n=約3700) 実施例4 エトキシトリクロロシラン7.2g(0.04モル)と
アセトン(硫酸カルシウムにて乾燥)20mlとの溶液
に、p−フェニレンジアミン(0.04モル)のアセト
ン30ml溶液を、撹拌下、−10〜−5℃に保ちなが
ら1時間滴下した。得られた反応溶液に、水1.1ml
(0.06モル)、アセトン10ml、エタノール10
mlおよびピリジン5.5ml(0.068モル)から
なる溶液を−10℃〜−5℃℃で1時間に亘って滴下
し、−5℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合液に、
エタノール10mlを添加し、ロータリーエバポレータ
ーによりアセトンを除去した。残った溶液に硫酸を添加
することによりpH3に調整し、室温で10時間撹拌し
た。反応混合液を濃縮することによりポリマーを得た
(収率75%)。
【0100】上記反応過程でゲル化および不溶物の生成
はなく、ポリマーは、エタノールに可溶であり、成膜性
は良好であった。また、得られたフィルムは、透明、均
質で弾性に富み、強靭であった。
【0101】分子量:1.5×104 (n=約80) IR(cm-1);2818、107829 Si−NMR(ppm);−110.12、−10
3.09(β−Si)、−95.81、−91.92
(α−Si)、 P/Si比:0% 実施例5 ビニルトリクロロシラン6.1g(37.5ミリモル)
とトルエン60mlとの溶液を−15℃に冷却し、p−
フェニレンジアミン4.1g(37.5ミリモル)とア
セトン75mlとの溶液を、撹拌下、−10℃以下の温
度で1.5時間に亘り滴下した後、混合液を徐々に昇温
させ、室温で一晩放置した。
【0102】反応混合液を−12℃以下に冷却し、水
1.4ml(75ミリモル)とアセトン15mlとの溶
液を−5℃以下の温度で滴下した後、さらに−5℃で3
時間撹拌した。次いで、反応混合液に、水0.7ml
(37.5ミリモル)とアセトン8mlとの溶液を−2
℃以下の温度で滴下し、−2℃〜0℃の冷却下、5時間
撹拌した後、一晩放置した。
【0103】得られた懸濁液をグラスフィルターで濾過
し、濾液を飽和食塩水で洗浄し、アセトンを減圧留去し
た。残存するトルエン溶液に濃硫酸150μlを添加
し、室温で72時間撹拌した。得られた反応混合液を飽
和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する
ことにより、ポリシロキサンを得た(収率95%)。
【0104】上記反応過程で、ゲル化や不溶物が生成す
ることはなく、得られたポリマーは、トルエン、テトラ
ヒドロフラン、アセトンに可溶であり、良好な成膜性を
示した。また、成膜により得られたフィルムは、透明、
均質で弾力性を有し、強靭であった。得られたポリマー
の赤外線吸収スペクトルを図1に示す。Si−OHに由
来する波長3500cm-1近傍の吸収ピーク面積A3500
と、Si−O−Siに由来する波長1100cm-1近傍
の吸収ピーク面積A1100との比A3500/A1100は0.0
61である。
【0105】比較例 特開昭53−88099号公報の実施例2に記載の方法
に準じて、ビニルトリクロロシラン16.2g(0.1
モル)およびトリエチルアミン14ml(0.1モル)
を、メチルイソブチルケトン45ml及びテトラヒドロ
フラン45mlとの混合溶媒に溶解し、溶液を氷冷し、
攪拌しながら水を約20ml滴下した。次いで、混合液
を、還流下、100〜110℃で4時間攪拌した。
【0106】反応混合液の有機層を分離し、洗浄水が中
性になるまで水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮によりポリマーを析出させ、メタノール中に注入し、
沈澱物を回収した。なお、前記濃縮工程において一部ゲ
ル化が生じた。沈澱物をメタノールで洗浄し、真空乾燥
することにより、分子量9500のポリマーを得た。
【0107】得られたポリマーの赤外線吸収スペクトル
を図2に示す。Si−OHに由来する波長3500cm
-1近傍の吸収ピーク面積A3500と、Si−O−Siに由
来する波長1100cm-1近傍の吸収ピーク面積A1100
との比A3500/A1100は0.076である。
【0108】分子量:5×104 (n=約320) IR(cm-1):3064,2964,111829 Si−NMR(ppm):−80.51 H−NMR(ppm):6.0 実施例6 実施例2で得られたポリマー96mgとエタノール20
mlとの混合液に、10重量%NaOH水溶液10滴を
滴下し、室温で40分間撹拌した。得られた反応混合液
を、エタノール5ml、リン酸トリエチル0.3mlお
よび36%HCl水溶液3滴の溶液に滴下し、80℃で
2時間撹拌した。得られた透明溶液のpHは約4であっ
た。次いで、減圧下で濃縮し、無色の固形状ポリマー
(収率60%)を得た。
【0109】上記反応過程で、ゲル化や不溶物が生成す
ることはなく、得られたポリマーは、エタノール、アセ
トンに可溶であり、良好な成膜性を示した。また、成膜
により得られたフィルムは、透明、均質であり、実施例
2のフィルムよりも強靭であった。
【0110】分子量:5×104 (n=約420) IR(cm-1):2929,1163,107731 P−NMR(ppm):−0.5819 P/Si比:4.9% 実施例7 実施例4と同様にして得たポリマーのエタノール溶液
を、無水エタノール4mlおよびリン酸トリエチル4m
lからなる溶液に、撹拌下、還流温度(約80℃)で2
時間に亘り徐々に添加した後、混合液を一昼夜撹拌し
た。次いで、油浴温度を120℃に上昇させて3時間に
亘り還流させ、反応混合液を冷却した後、濃縮すること
により、無色液状のポリマーを得た(収率90%)。
【0111】上記反応過程で、ゲル化や不溶物が生成す
ることはなく、得られたポリマーは、エタノール、アセ
トンに可溶であり、良好な成膜性を示した。また、成膜
により得られたフィルムは、透明、均質で弾力性を有
し、強靭であった。
【0112】分子量:2.0×104 (n=約80) IR(cm-1):2825,105931 P−NMR(ppm):−0.5498 P/Si比:18.7% 実施例8 ビニルトリクロロシラン37.5ミリモルに代えて、ト
リクロロシラン37.5ミリモルを用いる以外、実施例
5と同様にして、無色の固形状ポリマーを得た。上記反
応過程で、ゲル化や不溶物が生成することはなく、得ら
れたポリマーの分子量は、ポリスチレン換算で約5×1
6 (溶媒:トルエン)であり、ポリマーのトルエン溶
液を用いてフィルムを作製したところ、均質な無色透明
のフィルムが得られた。
【0113】実施例9 ビニルトリクロロシラン37.5ミリモルに代えて、メ
チルトリクロロシラン37.5ミリモルを用いる以外、
実施例5と同様にして、無色の固形状ポリマーを得た。
上記反応過程で、ゲル化や不溶物が生成することはな
く、得られたポリマーの分子量は、ポリスチレン換算で
約6×105 (溶媒:トルエン/テトラヒドロフラン混
合溶媒)であり、ポリマーのキシレン溶液を用いてフィ
ルムを作製したところ、均質な無色透明のフィルムが得
られた。
【0114】実施例10 ビニルトリクロロシラン37.5ミリモルに代えて、フ
ェニルトリクロロシラン37.5ミリモルを用いる以
外、実施例5と同様にして、無色の固形状ポリマーを得
た。上記反応過程で、ゲル化や不溶物が生成することは
なく、得られたポリマーの分子量は、ポリスチレン換算
で約3×106 (溶媒:トルエン/テトラヒドロフラン
混合溶媒)であり、ポリマーのガラス転移温度Tgは約
160℃であった。また、ポリマーのキシレン溶液を用
いてフィルムを作製したところ、均質な無色透明のフィ
ルムが得られた。
【0115】そして、実施例8〜10で得られたフィル
ムの熱的特性を熱分析により調べたところ、表に示す結
果を得た。なお、フィルムの膜厚の変化、重量の減少
量、および耐熱温度は、次のようにして測定した。
【0116】(1)フィルムの膜厚の変化:フィルムの
当初の膜厚μ0 と、300℃で30分間加熱した後のフ
ィルムの膜厚μt に基づいて、膜厚の変化率△μを下記
式により算出した。また、300℃で30分間加熱した
後のフィルムの外観をも観察した。
【0117】△μ=(μt −μ0 )/μ0 (2)重量の減少量:TGA(thermogravimetric anal
ysis)により、空気中、昇温速度10℃/分で室温から
700℃に昇温したときの重量の減少量を測定した。ま
た、TGAにより、空気中、300℃での重量の減少量
も測定した。
【0118】(3)耐熱温度:DSC(differential s
canning calorimeter )により、空気中、昇温速度10
℃/分で室温から700℃に昇温し,チャートから熱的
変化が認められない最高温度を測定した。
【0119】
【表1】 表より明らかなように、実施例8〜10で得られたポリ
マーは、いずれも高い耐熱性を示し、高い温度でも熱的
特性が殆ど変化しなかった。なお、実施例8で得られた
フィルムは加熱に伴なって若干の重量増加が認められ
た。また、300℃で30分間加熱した後のフィルム
は、いずれも室温で硬質であり、実施例9及び10のフ
ィルムは、実施例8のフィルムに比べて、若干軟質であ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例5で得られたポリマーの赤外線吸
収スペクトルである。
【図2】図2は比較例で得られたポリマーの赤外線吸収
スペクトルである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、R1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原
    子;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;アラ
    ルキル基;アルケニル基、アクリロイルオキシ基、メタ
    クリロイルオキシ基からなる群から選択された重合性不
    飽和基;ヒドロキシル基;又は加水分解性基を示す。R
    2a,R2b、R2cおよびR2dは、同一又は異なって、水素
    原子又は低級アルキル基を示し、nは10以上の整数を
    示す。ただし、R1a及びR1bが水素原子、アルキル基、
    シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又は重合
    性不飽和基である場合、nは100以上の整数である)
    で表されるラダーポリシロキサン。
  2. 【請求項2】 加水分解性基が、低級アルコキシ基又は
    下記式(II) 【化2】 (R3 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、
    アリール基、アラルキル基を示し、2つのR3 は同一又
    は異なっていてもよい)で表される基である請求項1記
    載のラダーポリシロキサン。
  3. 【請求項3】 R1a及びR1bが、同一又は異なって、炭
    素数1〜4のアルコキシ基であり、R2a,R2b、R2c
    よびR2dが水素原子である請求項1又は2記載のラダー
    ポリシロキサン。
  4. 【請求項4】 nが50〜100000(但し、R1a
    びR1bが水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基又は重合性不飽和基であると
    き、nは200〜100000の整数)である請求項1
    記載のラダーポリシロキサン。
  5. 【請求項5】 nが100〜50000の整数である請
    求項1記載のラダーポリシロキサン。
  6. 【請求項6】 芳香族炭化水素、アルコール、ケトン又
    はエーテルに可溶である請求項1〜5のいずれかの項に
    記載のラダーポリシロキサン。
  7. 【請求項7】 赤外線吸収スペクトルにおいて、Si−
    OHに由来する吸収ピーク面積と、Si−O−Siに由
    来する吸収ピーク面積との割合が、前者/後者=0.0
    65以下である請求項1記載のラダーポリシロキサン。
  8. 【請求項8】 R1a及びR1bが、同一又は異なって、炭
    素数1〜3のアルコキシ基、R2a,R2b、R2cおよびR
    2dが水素原子であり、nが100〜75000の整数で
    ある請求項1記載のラダーポリシロキサン。
  9. 【請求項9】 下記式(III) R1 SiX3 (III) (式中、R1 は、水素原子;アルキル基;シクロアルキ
    ル基;アリール基;アラルキル基;アルケニル基、アク
    リロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基からなる群
    から選択された重合性不飽和基;ヒドロキシル基;又は
    加水分解性基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表さ
    れる化合物の少なくとも一種を、芳香族ジアミン、脂環
    式ジアミンおよび複素環式ジアミンから選ばれた少なく
    とも一種のジアミンでアミノリシスし、生成した下記式
    (IV) 【化3】 (R1 及びXは前記に同じ。Yはジアミン残基を示す)
    で表される化合物を脱ジアミノ化とともに縮合させ、下
    記式(V) 【化4】 (R1 およびXは前記に同じ。nは10以上の整数を示
    す)で表されるポリシロキサンを生成させるラダーポリ
    シロキサンの製造方法。
  10. 【請求項10】 ジアミンが芳香族ジアミンである請求
    項9記載のラダーポリシロキサンの製造方法。
  11. 【請求項11】 ジアミンのpKaが2〜6である請求
    項9又は10記載のラダーポリシロキサンの製造方法。
  12. 【請求項12】 式(III) で表される化合物1モルに対
    してジアミン0.45〜0.55モルを用いる請求項9
    記載のラダーポリシロキサンの製造方法。
  13. 【請求項13】 縮合反応を酸触媒の存在下で行なう請
    求項9記載のラダーポリシロキサンの製造方法。
  14. 【請求項14】 C1-4 アルコキシトリクロロシラン1
    モルに対して、剛直鎖又は環を有するジアミン0.48
    〜0.52モルを用いてアミノリシスした後、予備縮合
    させ、酸触媒の存在下、生成したポリシロキサンをさら
    に縮合させ、nが50〜10000の溶媒可溶性ポリシ
    ロキサンを生成させる請求項9記載のラダーポリシロキ
    サンの製造方法。
  15. 【請求項15】 下記式(VI) 【化5】 (式中、R1a及びR1bは、同一又は異なって、ヒドロキ
    シル基又はアルコキシ基を示し、R2a,R2b、R2cおよ
    びR2dは、同一又は異なって、水素原子又は低級アルキ
    ル基を示し、nは10以上の整数を示す)で表されるラ
    ダーポリシロキサンと、リン酸エステルとを反応させ、
    下記式(VII) 【化6】 (n、R2a,R2b、R2cおよびR2dは前記に同じ。R3
    は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
    ル基、アラルキル基を示し、2つのR3 は同一又は異な
    っていてもよい)で表されるポリシロキサンを生成させ
    るラダーポリシロキサンの製造方法。
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