JPH11209596A - 有機−無機ハイブリッド高分子材料及びその製造方法 - Google Patents

有機−無機ハイブリッド高分子材料及びその製造方法

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JPH11209596A
JPH11209596A JP32784297A JP32784297A JPH11209596A JP H11209596 A JPH11209596 A JP H11209596A JP 32784297 A JP32784297 A JP 32784297A JP 32784297 A JP32784297 A JP 32784297A JP H11209596 A JPH11209596 A JP H11209596A
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源臣 荒川
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一明 須方
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雅之 島田
Yasuyuki Agari
泰幸 上利
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、機械強度、及び耐水性が高く、工業
用プラスチック材料、特にプラスチック成形品、プラス
チックフィルム、シーリング材、接着剤・塗料等の原
料、構造材料、光学材料、高分子シランカップリング
材、樹脂添加物、表面改質剤、及びハードコート材等に
用いるのに適する、疎水性有機重合体を用いた有機−無
機ハイブリッド高分子材料を提供すること。 【解決手段】 主骨格としてポリカーボネート及び/又
はポリアリレート部分を有し、官能基として金属アルコ
キシド基を有する重合体を、加水分解及び重縮合するこ
とにより架橋して得られる有機−無機ハイブリッド高分
子材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種プラスチック材
料、樹脂添加物、及び塗料材等に有用な有機−無機ハイ
ブリッド高分子材料およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】無機材料はそれぞれの特徴や要求特性を
考慮し、様々なタイプのものが工業用に使用されてい
る。例えば炭化ケイ素、窒化ケイ素等のケイ素系セラミ
ックス類は機械的強度や化学的安定性、熱的安定性に優
れた材料である。更に酸化ケイ素、酸化チタン等の材料
は優れた光学的特性も有する。
【0003】しかしこれらの無機材料は一般に成形加工
性に乏しく硬くてもろい。また、有機重合体との密着性
も悪く、その用途が制限されている。
【0004】他方、有機重合体は一般に成形加工性や柔
軟性には優れているものの硬度や熱的安定性は無機材料
と比較するとかなり劣る。
【0005】このため、無機材料と有機重合体の特性を
相い補い、長所を活かす材料の開発が切望されている。
【0006】その一手段として、従来よりプラスチック
類の表面硬度、光沢、耐汚染性、耐衝撃性、強度、耐熱
性、耐候性、耐薬品性等の諸物性を向上させるために、
Si、Ti、Zrのような無機元素を骨格に導入した有
機−無機ハイブリッド高分子材料の研究が行われてい
る。
【0007】一般に、有機−無機ハイブリッド高分子材
料の調製方法には、有機単量体や有機重合体と、アルキ
ルシロキサンのような無機骨格含有化合物とを、ラジカ
ル共重合させる方法及び有機重合体に側鎖としてアルコ
キシシランのような無機官能基を結合させ、その後、こ
れを架橋させる方法などが知られている。
【0008】例えば、特開昭63−57642号公報、
特開平3−103486号公報及びJ.Appl.Po
lym.Sci.第35巻、第20〜39頁、1988
年、には、開始剤としてアルキルシロキサン含有化合物
を用いて有機単量体や有機重合体をラジカル重合し、有
機−無機ハイブリッド高分子材料を得ることが記載され
ている。
【0009】しかしながら、アルキルシロキサン含有化
合物を開始剤として用いる方法では、アルキルシロキサ
ン部分を分子の両端に導入することさえ困難であり、分
子内にシロキサン骨格を均一に導入することは殆ど不可
能である。さらに、ラジカル開始剤として用いるアルキ
ルシロキサン含有化合物の合成にも複雑な操作を要す
る。
【0010】また、例えば、Macromolecul
es、第24巻、第6号、第1431頁、1991年に
は、アニオン重合法によりシロキサン含有重合体を調製
する検討が行われている。
【0011】しかし、目的の有機−無機ハイブリッド高
分子材料を得るためには、用いる材料の反応性や物性の
相違に起因して、繁雑な反応条件のコントロールや合成
条件の検討が必要となる。また、アニオン重合法はコス
トがかかるため、工業的に行うことは現実的でない。
【0012】他方、例えば、特開平5−43679号公
報及び特開平5−86188号公報には、ビニル重合体
とシラン基(Si−H基)を有するケイ素化合物とをハ
イドロシリレーション反応した後、ゾル−ゲル法により
これらを架橋して有機−無機ハイブリッド高分子材料を
得る方法が記載されている。
【0013】特開平8−104710号公報及び特開平
8−104711号公報には、アルコキシシリル基末端
アゾ系開始剤を用いてビニル単量体をラジカル重合さ
せ、得られるアルコキシシリル基末端ビニル重合体を加
水分解、縮合して有機−無機ハイブリッド高分子材料を
得る方法が記載されている。
【0014】ここには、ビニル重合体としてポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂等が記載されてい
る。しかしながら、これらビニル重合体は耐熱性及び機
械強度が低く、工業用プラスチック材料、特に構造材料
やハードコート材に用いるには不適切である。
【0015】Macromolecules、第25
巻、第4309頁、1992年には、ポリアルキレンオ
キサイド重合体の主鎖にアルコキシシリル基を結合さ
せ、次いで、加水分解、縮合する方法が記載されてい
る。更に、Macromol.Chem.Macrom
ol.Symp.第42/43巻、第303頁、199
1年には、上記主鎖としてポリオキサゾリン重合体が、
J.Inorg.Organomet.Polym.第
5巻、第4頁、1995年にはポリアミン重合体が、そ
してJ.Appl.Polym.Sci.第58巻、第
1263頁、1995年にはセルロース重合体が記載さ
れている。しかしながら、これら先行技術で主鎖として
開示されている重合体は全て親水性である。親水性重合
体は、吸湿性であり、耐水性に乏しいので、プラスチッ
ク成形品、シーリング材、塗料の原料、構造材料、及び
ハードコート材等に用いるには不適切である。
【0016】これに対し、疎水性有機重合体、特にエン
ジニアリングプラスチックは耐熱性、機械強度、及び耐
水性に優れ、工業用プラスチックとしても応用範囲が広
く、需要も多い。それにもかかわらず、疎水性有機重合
体を用いた無機−有機高分子系ハイブリッド材料の報告
例はない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、耐
熱性、機械強度、及び耐水性が高く、工業用プラスチッ
ク材料、特にプラスチック成形品、プラスチックフィル
ム、シーリング材、接着剤・塗料等の原料、構造材料、
光学材料、高分子シランカップリング材、樹脂添加物、
表面改質剤、及びハードコート材等に用いるのに適す
る、疎水性有機重合体を用いた有機−無機ハイブリッド
高分子材料を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、主骨格として
ポリカーボネート及び/又はポリアリレート部分を有
し、官能基として金属アルコキシド基を有する重合体
を、加水分解及び重縮合することにより架橋して得られ
る有機−無機ハイブリッド高分子材料を提供するもので
あり、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】本発明の好ましい一局面は、少なくとも1
個の官能基を分子内に有し、主骨格としてポリカーボネ
ート及び/又はポリアリレート部分を有する重合体
(A)と、上記官能基と反応して結合を形成する官能基
を有する金属アルコキシド(B)とを反応させることに
より、分子内に官能基として金属アルコキシド基を有す
る重合体を得、次いで、得られた重合体をゾル−ゲル法
によって加水分解及び重縮合させて、3次元構造に架橋
した有機−無機ハイブリッド高分子材料を得ることであ
る。
【0020】主骨格としてポリカーボネート及び/又は
ポリアリレート部分を有する重合体(A) 本発明において重合体(A)として好ましいものは、ポ
リカーボネート、ポリエステルカーボネート、及びポリ
アリレート等である。
【0021】この重合体(A)は、1成分の重合体でも
よく、多成分の共重合体でもよい。また、複数種を混合
したものでもよい。重合体(A)は分岐状、線状いずれ
の性状でもよい。但し、炭化水素系、ハロゲン化炭化水
素系、及びエーテル系のような溶剤に可溶性であること
が好ましい。数平均分子量は500〜50000、好ま
しくは1000〜10000である。
【0022】これらの重合体は分子内に少なくとも1
個、好ましくは2個以上の官能基を有する必要がある。
官能基としては、金属アルコキシド(B)の官能基と反
応し得るものであれば特に限定されない。
【0023】具体的には、水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基、チオール基、アルケニル基、アルキニル基、酸
ハロゲン基、酸エステル基、ホルミル基、ハロゲン基、
エポキシ基、及びイソシアネート基等が例示できる。好
ましいものは、水酸基、アミノ基、カルボキシル基のよ
うな活性水素を有する官能基である。重合体(A)の官
能基当量は1〜50、好ましくは2〜10である。
【0024】官能基を有する金属アルコキシド(B) 本発明において金属アルコキシド(B)として好ましい
ものは、式
【化1】RlmM(R’X)n (1) [式中、Rは炭素数1〜12、好ましくは1〜5のアル
キル基、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコ
キシ基、MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、
B、Al、Ge、Ce、及びTaからなる群、好ましく
はSi、Ti、及びZrからなる群から選択される金属
元素、R'は炭素数1〜4、好ましくは2〜4のアルキ
レン基又はアルキリデン基、Xはイソシアネート基、エ
ポキシ基、カルボキシル基、酸ハロゲン基、及び酸無水
物基からなる群から選択される官能基、そしてlは0〜
3の整数であり、m及びnは独立して1〜3の整数であ
る。]で示す化合物である。
【0025】このような金属アルコキシド(B)を具体
的に例示すれば、3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシ
シラン、2−イソシアネートエチルトリエトキシシラ
ン、2−イソシアネートエチルトリプロポキシジルコニ
ウム、2−イソシアネートエチルトリブトキシスズ等の
モノイソシアネートトリアルコキシメタル類;
【0026】3−イソシアネートプロピルエチルジエト
キシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジイソ
プロポキシチタン、2−イソシアネートエチルエチルジ
プロポキシジルコニウム、2−イソシアネートエチルメ
チルジブトキシスズ、イソシアネートメチルジメトキシ
アルミニウム等のモノイソシアネートジアルコキシメタ
ル類;
【0027】3−イソシアネートプロピルジエチルエト
キシシラン、3−イソシアネートプロピルジメチルイソ
プロポキシチタン、2−イソシアネートエチルジエチル
プロポキシジルコニウム、2−イソシアネートエチルジ
メチルブトキシスズ、イソシアネートメチルメチルメト
キシアルミニウム等のモノイソシアネートモノアルコキ
シメタル類;
【0028】ジ(3−イソシアネートプロピル)ジエト
キシシラン、ジ(3−イソシアネートプロピル)メチル
イソプロポキシチタン等のジイソシアネートアルコキシ
メタル類;
【0029】エトキシシラントリイソシアネート等のト
リイソシアネートアルコキシメタル類;
【0030】γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシチタ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロポキシ
チタン、γ−グリシドキシプロピルジメチルイソプロポ
キシチタン、3,4−エポキシブチルトリプロポキシジ
ルコニウム、3,4−エポキシブチルメチルジプロポキ
シジルコニウム、3,4−エポキシブチルジメチルプロ
ポキシジルコニウム、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリエトキシスズ等のエポキシ基を官能
基とする金属アルコキシド;
【0031】メチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシラ
ン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、トリメチ
ルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリイ
ソプロピルイソプロポキシシラン等のアルコキシ基を官
能基とするアルキルアルコキシシラン類;
【0032】3−(トリエトキシシリル)−2−メチル
プロピルコハク酸無水物等の酸無水物基を官能基とする
金属アルコキシド;
【0033】2−(4−クロロスルフォニルフェニル)
エチルトリエトキシシラン等の酸ハロゲン化物を官能基
とする金属アルコキシド;を挙げることができる。
【0034】その他、3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、等のアミノ基やメルカ
プト基を官能基とするアルコキシシラン類等を用いても
よい。
【0035】金属アルコキシド(B)の他の例は、式
【化2】ApM (2) [式中、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコ
キシ基、MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、Sn、
B、Al、Ge、Ce、及びTaからなる群、好ましく
はSi、Ti、及びZrからなる群から選択される金属
元素を示す。]で示す化合物である。
【0036】具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラア
ルコキシシラン類;
【0037】テトラプロポキシチタン、テトライソプロ
ポキシチタン、テトライソプロポキシジルコニウム、テ
トラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシスズ、テ
トライソプロポキシスズ、トリイソプロポキシアルミニ
ウム、等の金属アルコキシド類;が挙げられる。
【0038】金属アルコキシド(B)は1種類だけでも
よく、2種類以上を併用しても良い。また、1分子内に
2種類以上の金属元素が含まれているような金属アルコ
キシドや1分子内に2個以上の繰り返し単位を有するオ
リゴマータイプの金属アルコキシドを用いても良い。
【0039】官能基として金属アルコキシド基を有する
重合体 重合体(A)は常法により金属アルコキシド(B)と反
応させることができ、その結果、分子内に金属アルコキ
シド基を有する重合体が得られる。反応に際しては、触
媒を使用しても良い。
【0040】触媒としては、金属アルコキシド(B)の
官能基がイソシアネート基、酸ハロゲン化物基であり、
重合体(A)の官能基が水酸基、アミノ基、カルボキシ
ル基、及びチオール基等である場合には、1,4−ジア
ゾビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセ
ン(DBU)、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ピペリジン等の有機塩基が一般に用いられる。
【0041】金属アルコキシド(B)の官能基がエポキ
シ基であり、重合体(A)の官能基が水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、及びチオール基等である場合に
は、塩酸や硫酸、硝酸、酢酸等の酸類が一般に用いられ
る。
【0042】金属アルコキシド(B)の官能基がカルボ
キシル基、酸無水物基、アルコキシ基であり、重合体
(A)の官能基が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、
及びチオール基等である場合には、塩基性触媒、酸性触
媒の双方を用いることができる。
【0043】また重合体(A)の官能基がアルケニル基
やアルキニル基等の場合にはSi−H基を有するケイ素
化合物とのハイドロシリレーション反応によってアルコ
キシシリル基を導入することができる。
【0044】重合体(A)と金属アルコキシド(B)と
の反応の具体例を以下に説明する。
【0045】まず第一の方法では、水酸基、アミノ基、
カルボキシル基、チオール基等の活性水素を有する官能
基を持つ重合体(A)と、イソシアネート基、エポキシ
基、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基等
の官能基を有する金属アルコキシド(B)とを溶剤中
で、好ましくは不活性ガス雰囲気下で反応させる。用い
る溶剤は重合体と金属アルコキシドを共によく溶解させ
るものであればよい。
【0046】一般には、重合体溶液中へ金属アルコキシ
ド溶液あるいは金属アルコキシドをそのまま徐々に添加
した後、室温下あるいはゆるやかに加温しながら反応さ
せる。重合体(A)中の官能基に対する金属アルコキシ
ド(B)中の官能基量は1/10〜10当量比とするこ
とが望ましい。
【0047】反応終了後は反応液をそのまま用いて次ス
テップのゾル−ゲル反応へ移っても良いし、反応液を濃
縮するか多量の貧溶媒へ投入して反応生成物を析出さ
せ、洗浄、精製、乾燥等の処理を行った後、ゾル−ゲル
反応へ用いても良い。
【0048】第2の方法では活性水素を有する官能基を
持つ重合体(A)とテトラアルコキシ金属、トリアルコ
キシ金属である金属アルコキシド(B)とを溶剤中で、
好ましくは不活性ガス雰囲気下で反応させる。反応を有
利に進めるためには重合体(A)中の官能基は脂肪族系
の分子鎖に隣接した官能基が良く、金属アルコキシド
(B)のアルコキシドは炭素数が少ないものほど良い。
【0049】用いる溶剤は重合体と金属アルコキシドと
を溶解できるものでなければならず、また、禁水系での
反応が望ましいので、非極性溶媒や脱水溶剤を用いて反
応を行うことが好ましい。塩酸、硫酸、酢酸等の酸性触
媒やトリエチルアミン、DBU、ピペリジン等の塩基性
触媒あるいは塩化鉄、塩化亜鉛等の金属触媒を触媒量添
加する方がよい。
【0050】また重合体(A)中の官能基に対する金属
アルコキシド(B)中の官能基量は1/4〜100当量
比とすることが望ましい。
【0051】第1の方法と同様に反応液をそのまま用い
てゾル−ゲル反応へ移っても良いし、反応生成物を取り
出し、洗浄、精製、乾燥等の処理を行った後、ゾル−ゲ
ル反応を行っても良い。
【0052】第3の方法では、アルケニル基やアルキニ
ル基等の官能基を持つ重合体(A)とSi−H基を有す
るケイ素化合物である金属アルコキシド(B)とをハイ
ドロシリレーション反応させる。
【0053】この場合も溶液中での反応が望ましく、触
媒には一般的に塩化白金酸、1,3−ジビニル−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体やトリ
ス(トリフェニルホスフィン)ロジウムクロライド等の
遷移金属触媒が用いられる。
【0054】これらの反応に用いられる溶剤を具体的に
例示すれば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶剤;四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロエタン、ジ
クロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ト
リクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
サン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテ
ル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】有機−無機ハイブリッド高分子材料 次に、官能基として金属アルコキシド基を有する重合体
をゾル−ゲル反応により加水分解、重縮合させる。この
重合体は調製直後の反応液に溶解した状態でも、単離さ
れた状態のいずれでも良い。
【0056】ゾル−ゲル法による加水分解、重縮合と
は、分子内に金属アルコキシド基を有する重合体を水と
反応させることで、アルコキシ基を水酸基に変換し、次
いでこの水酸基を同時進行的に重縮合させることにより
ヒドロキシ金属基(例えば−Si(OH)3)を有する
重合体が脱水反応あるいは隣接した分子と脱アルコール
反応を生じ、無機的な共有結合を介して三次元的に架橋
する反応をいう。
【0057】加水分解反応に用いられる水は全てのアル
コキシ基を水酸基に変換するために必要な量を添加して
も良いし、反応系中の水分を利用したり、大気中の水分
を吸湿させておこなっても良い。反応条件としては室温
〜100℃で0.5〜24時間程度が望ましい。またそ
の際、塩酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p-トル
エンスルホン酸等の酸性触媒や水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジ
ン、DBU等の塩基性触媒を用いてもよい。
【0058】更に縮合反応を進め、架橋をより強固なも
のとしたい場合には、その後50〜400℃で5分〜4
8時間程度、熱処理を行う。
【0059】本発明における全ての加水分解過程では強
度、硬度、耐候性、耐薬品性、難燃性、帯電防止性等の
機能を向上または改たに付与する目的で無機物含有量や
重合体間の架橋密度を調整するためにSi、Ti、Z
r、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、及びT
a等の金属、金属酸化物、金属錯体や無機塩あるいは金
属アルコキシド類を共存させても良い。
【0060】
【発明の効果】無機材料が有する耐熱性、耐候性、表面
硬度、剛性、耐水性、耐薬品性、耐汚染性、機械的強
度、難燃性等の特性を有機重合体に付与することができ
る。工業用プラスチック材料、特にプラスチック成形
品、プラスチックフィルム、シーリング材、接着剤・塗
料等の原料、構造材料、光学材料、高分子シランカップ
リング材、樹脂添加物、表面改質剤、及びハードコート
材等に用いるのに適する、疎水性有機重合体を用いた有
機−無機ハイブリッド高分子材料が提供された。
【0061】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0062】実施例1 ポリカーボネートジオール(PC−diol)のアルコ
キシシリル化 特公平7−33441号公報に記載された方法を参考と
して作製した数平均分子量3,900のPC−diol
(70.00g)をクロロホルム500mLに溶解させ
た。その後、この溶液に3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシラン(IPTES)13.32gを添加
し、還流下で10時間加熱した後、室温に冷却した。こ
の反応液をメタノール7L中に滴下し、反応物を析出さ
せた。析出物を濾別し、メタノールで洗浄した後、減圧
乾燥した(収率97.0%)。
【0063】得られた生成物の1H−NMRによる測定
結果を図1に示した。これより生成物の両末端にアルコ
キシシリル基が導入されていることが確認された。また
GPC測定の結果、生成物の数平均分子量は4,400
であった。
【0064】実施例2 PC−diolのアルコキシシリル化 特公平7−33441号公報に記載された方法を参考と
して作製した数平均分子量6,600のPC−diol
(70.00g)をクロロホルム500mLに溶解させ
た。その後、この溶液にIPTES(7.87g)を添
加し、還流下で15時間加熱した後、実施例1と同様に
後処理を行い反応生成物を得た(収率99.3%)。生
成物は1H−NMRにより両末端にアルコキシシリル基
が導入されていることが確認された。また、GPC測定
の結果、生成物の数平均分子量は7,500であった。
【0065】実施例3 PC−diolのアルコキシシリル化 特公平7−33441号公報に記載された方法を参考と
して作製した数平均分子量8,600のPC−diol
(70.00g)をクロロホルム500mLに溶解させ
た。その後、この溶液にIPTES(6.04g)を添
加し、還流下で15時間加熱した後、実施例1と同様に
後処理を行い反応生成物を得た(収率99.1%)。生
成物は1H−NMRにより両末端にアルコキシシリル基
が導入されていることが確認された。またGPC測定の
結果、生成物の数平均分子量は9,000であった。
【0066】実施例4 PC−diolのアルコキシシリル化 特公平7−33441号公報に記載された方法を参考と
して作製した数平均分子量3,400のPC−diol
(3.00g)をトルエン30gに溶解させた。その
後、この溶液にIPTES(0.65g)を添加し、還
流下で8時間加熱した後、メタノール500mL中に滴
下し、反応物を析出させた。析出物を濾別しメタノール
で洗浄した後減圧乾燥した(収率88.9%)。生成物
1H−NMRにより両末端にアルコキシシリル基が導
入されていることが確認された。またGPC測定の結
果、生成物の数平均分子量は4,300であった。
【0067】実施例5 PC−diolのアルコキシシリル化 反応溶媒をトルエンから1,2,4−トリクロロベンゼ
ンに変更した以外は、実施例4と同様に実験を行い、反
応生成物を得た(収率91.9%)。生成物は1H−N
MRにより両末端にアルコキシシリル基が導入されてい
ることが確認され、またGPC測定の結果、生成物の数
平均分子量は4,200であった。
【0068】実施例6 PC−diolのアルコキシシリル化 特公平7−33441号公報に記載された方法を参考と
して作製した数平均分子量3,400のPC−diol
(3.00g)をクロロホルム30gに溶解させた。そ
の後、この溶液にβ−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン0.65gと極微量の酢
酸を添加し、還流下で8時間加熱した後、実施例4と同
様に後処理を行い、反応生成物を得た(収率88.8
%)。生成物は1H−NMRにより両末端にアルコキシ
シリル基が導入されていることが確認され、GPC測定
の結果、生成物の数平均分子量は4,200であった。
【0069】実施例7 PC−diolのアルコキシシリル化 特公平7−33441号公報に記載された方法を参考と
して作製した数平均分子量3,400のPC−diol
(3.00g)をクロロホルム30gに溶解させた。そ
の後、この溶液にγ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン0.74gと極微量の酢酸を添加し、還流下で
8時間加熱した後、合成例4と同様に後処理を行い反応
生成物を得た(収率92.0%)。生成物は1H−NM
Rにより両末端にアルコキシシリル基が導入されている
ことが確認され、GPC測定の結果、生成物の数平均分
子量は4,200であった。
【0070】実施例8 PC−diolのアルコキシシリル化 特公平7−33441号公報に記載された方法を参考と
して作製した数平均分子量3,400のPC−diol
(5.00g)をジメチルホルムアミド100gに溶解
させた。その後、この溶液に炭酸ナトリウム4.6gと
アリルブロマイド0.53gを添加し、75℃下で10
時間加熱した。放冷後、この反応液をメタノール1L中
に滴下し反応物を析出させた。析出物を濾別しメタノー
ルで洗浄した後、減圧乾燥を行い両端にアリル基を有す
るポリカーボネートを得た(収率85%)。
【0071】次に、得られた両末端にアリル基を有する
ポリカーボネート(3.00g)をテトラヒドロフラン
60gに溶解した後、微量の塩化白金酸とトリエトキシ
シラン0.42gを添加し、還流下で5時間加熱した。
放冷後、反応液をメタノール600ml中に滴下し、反
応物を析出させた。析出物を濾別しメタノールで洗浄し
た後減圧乾燥した(収率82%)。生成物は1H−NM
Rにより両末端にアルコキシシリル基が導入されている
ことが確認され、GPC測定の結果、生成物の数平均分
子量は3,900であった。
【0072】実施例9 ゾル−ゲル法によるフィルムの作製 実施例1で合成した数平均分子量4,400のアルコキ
シシリル化ポリカーボネート(4.62g)をテトラヒ
ドロフラン46gに溶解後、1N−塩酸水0.34gを
添加し室温下1時間強攪拌することにより加水分解を行
った。この溶液をスピンコーターを用いてポリアミド基
板上にコーティングした(フィルム厚18.5μm)。
【0073】また、室温下、バット上にキャストし、溶
媒を蒸発させた後、150℃で熱処理して、透明で良好
なフィルムを得た。
【0074】それらのフィルムについて鉛筆硬度による
表面硬度測定、動的粘弾性測定、及び引張試験を行った
結果を表1に示す。
【0075】実施例10 ゾル−ゲル法によるフィルムの作製 実施例2で合成した数平均分子量7,500のアルコキ
シシリル化ポリカーボネート(4.62g)をテトラヒ
ドロフラン46gに溶解後、1N−塩酸水0.20gを
添加し実施例9と同様の処理を行い、透明で良好なフィ
ルムを得た。
【0076】それらのフィルムについて鉛筆硬度による
表面硬度測定、動的粘弾性測定、及び引張試験を行った
結果を表1に示す。
【0077】実施例11 ゾル−ゲル法によるフィルムの作製 実施例3で合成した数平均分子量9,000のアルコキ
シシリル化ポリカーボネート(4.62g)をテトラヒ
ドロフラン46gに溶解後、1N−塩酸水0.16gを
添加し、実施例9と同様の処理を行い、半透明で良好な
フィルムを得た。
【0078】それらのフィルムについて鉛筆硬度による
表面硬度測定、動的粘弾性測定、及び引張試験を行った
結果を表1に示す。
【0079】実施例12 ゾル−ゲル法によるフィルムの作製 数平均分子量5,900のアルコキシシリル化ポリカー
ボネート(4.62g)をテトラヒドロフラン46gに
溶解後、1N−塩酸水0.24gを添加し、160℃で
熱処理すること以外は実施例9と同様にして、透明で良
好なフィルムを得た。
【0080】それらのフィルムについて鉛筆硬度による
表面硬度測定、動的粘弾性測定、及び引張試験を行った
結果を表1に示す。
【0081】実施例13 ゾル−ゲル法によるフィルムの作製 数平均分子量7,200のアルコキシシリル化ポリカー
ボネート(4.62g)をテトラヒドロフラン46gに
溶解後、1N−塩酸水0.20gを添加し、160℃で
熱処理すること以外は実施例9と同様にして、透明で良
好なフィルムを得た。
【0082】それらのフィルムについて鉛筆硬度による
表面硬度測定、動的粘弾性測定、及び引張試験を行った
結果を表1に示す。
【0083】実施例14 ゾル−ゲル法によるフィルムの作製 数平均分子量9,400のアルコキシシリル化ポリカー
ボネート(4.62g)をテトラヒドロフラン46gに
溶解後、1N−塩酸水0.16gを添加し、160℃で
熱処理すること以外は実施例9と同様にして、半透明で
良好なフィルムを得た。
【0084】それらのフィルムについて鉛筆硬度による
表面硬度測定、動的粘弾性測定、及び引張試験を行った
結果を表1に示す。また、動的粘弾性の測定結果の特性
図を図2に示す。
【0085】比較例1 数平均分子量36,000の登録商標ユーピロン(Iu
pilon)ポリカーボネート樹脂(4.62g)をジ
クロロメタン100gに溶解後、溶液をスピンコーター
を用いてポリアミド基板上にコーティングした(フィル
ム厚7.7μm)。また、室温下、バット上にキャスト
し、溶媒を蒸発させ、透明なポリカーボネートフィルム
を得た。
【0086】その後、得られたフィルムを120℃で熱
処理した後、他の試料の比較用として、鉛筆硬度による
表面硬度測定と動的粘弾性測定、引張試験を行った。結
果を表1に示す。また、動的粘弾性の測定結果の特性図
を図3に示す。
【0087】ここで、図2と図3とを比較すると、比較
例1のポリカーボネートフィルムは140℃付近から弾
性率が急激に低下し始め、ガラス転移点をすぎた後、1
70℃付近で軟化溶融した。これに対し、実施例14の
シリル基架橋ポリカーボネートフィルムは145℃付近
から弾性率が低下し始めてはいるものの、その低下は比
較例1の場合よりも緩やかである。そして、広いガラス
転移領域を経て、230℃付近で軟化溶融している。す
なわち、本発明のシリル基架橋ポリカーボネートフィル
ムは230℃付近まで形状を保っており、市販のポリカ
ーボネートフィルムよりも、約60℃も高い耐熱性を示
した。
【0088】比較例2 数平均分子量3,900のPC−diol(0.39
g)をテトラヒドロフラン4gに溶解後、1N−塩酸水
0.03gを添加し、室温下、1時間強攪拌した。
【0089】この溶液を広口容器に移し、室温下24時
間静置することにより溶媒を蒸発させたが、白粉状とな
りフィルムは得られなかった。
【0090】比較例3 1N−塩酸水を添加しなかったことを除いては全て比較
例2と同様の処理を行った。溶媒蒸発後は白粉状となり
フィルムは得られなかった。
【0091】比較例4 数平均分子量8,600のPC−diol(0.39
g)をテトラヒドロフラン4gに溶解後、1N−塩酸水
0.015gを添加し、比較例1と同様の処理を行っ
た。溶媒蒸発後は白粉状となり、フィルムは得られなか
った。
【0092】比較例5 1N−塩酸水を添加しなかったことを除いては全て比較
例4と同様の処理を行った。溶媒蒸発後は白粉状となり
フィルムは得られなかった。
【0093】比較例6 数平均分子量4,400のアルコキシシリル化ポリカー
ボネート(0.39g)をテトラヒドロフラン4gに溶
解後、広口容器に移し、室温下24時間静置することに
より溶媒を蒸発させた。白色の細かな固形状となりフィ
ルムは得られなかった。
【0094】比較例7 数平均分子量9,400のアルコキシシリル化ポリカー
ボネート(0.39g)をテトラヒドロフラン4gに溶
解後、比較例6と同様の処理を行った。溶媒蒸発後は白
色の細かな固形状となりフィルムは得られなかった。
【0095】
【表1】 シリル基架橋ポリカーボネート系高分子材料のフィルム特性 実施例 熱処理 表面 カ゛ラス転移 引張降伏 引張破断時 引張 温度(℃) 硬度 温度(℃) 強度*3) 伸び率(%) 弾性率*3) *1) *2) (106・Pa) *3) (106・Pa) 比較例1 120 HB 156 54 63.1 1730 (市販品) 実施例9 150 5H 155 73 3.7 2750 実施例10 150 6H 161 80 7.0 2690 実施例11 150 4H 191 75 9.2 2650 実施例12 160 6H 156 78 5.4 2720 実施例13 160 6H 157 81 6.9 2690 実施例14 160 4H 165 75 9.3 2650 1)表面硬度:鉛筆引っかき試験(JIS K 5400);(軟)6B〜B、HB、F、H 〜9H(硬) 2)ガラス転移温度:動的粘弾性装置により測定したtanδピークの温度 3)引張試験:JIS K 7127
【0096】表1の結果より、本発明の有機−無機ハイ
ブリッド高分子材料のフィルムは、市販品のポリカーボ
ネートフィルムと比較して、ガラス転移温度が高くな
り、表面硬度、引張強度及び引張弾性率がそれぞれ向上
し、そして引張伸びが低くなっていることが解る。すな
わち、本発明の高分子材料フィルムは、市販のポリカー
ボネートフィルムよりも高い耐熱性と機械的強度を示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたアルコキシシリル化ポリ
カーボネートの1H−NMRによる測定結果を示すスペ
クトル図である。
【図2】 実施例14で得られたシリル基架橋ポリカー
ボネートフィルムの動的粘弾性測定による結果を示す特
性図である。
【図3】 比較例1で得られたポリカーボネートフィル
ムの動的粘弾性測定による結果を示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 雅之 大阪府堺市高倉台3丁11番6号 (72)発明者 上利 泰幸 大阪府大阪市中央区東平1丁目1番53の 1001号

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主骨格としてポリカーボネート及び/又
    はポリアリレート部分を有し、官能基として金属アルコ
    キシド基を有する重合体を、加水分解及び重縮合するこ
    とにより架橋して得られる有機−無機ハイブリッド高分
    子材料。
  2. 【請求項2】 金属アルコキシド基の金属元素がSi、
    Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種
    である請求項1記載の有機−無機ハイブリッド高分子材
    料。
  3. 【請求項3】 金属アルコキシド基の金属元素がSiで
    ある請求項1記載の有機−無機ハイブリッド高分子材
    料。
  4. 【請求項4】 前記重合体の数平均分子量が500〜5
    0000である請求項1記載の有機−無機ハイブリッド
    高分子材料。
  5. 【請求項5】 前記重合体の金属アルコキシド基当量が
    1〜100である請求項1記載の有機−無機ハイブリッ
    ド高分子材料。
  6. 【請求項6】 主骨格としてポリカーボネート及び/又
    はポリアリレート部分を有し、官能基として金属アルコ
    キシド基を有する重合体を、加水分解及び重縮合して架
    橋させる工程を包含する有機−無機ハイブリッド高分子
    材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属アルコキシド基の金属元素がSi、
    Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも一種
    である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 金属アルコキシド基の金属元素がSiで
    ある請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記重合体の数平均分子量が500〜5
    0000である請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記重合体の金属アルコキシド基当量
    が1〜100である請求項6記載の方法。
  11. 【請求項11】 主骨格としてポリカーボネート及び/
    又はポリアリレート部分を有し、官能基として金属アル
    コキシド基を有する重合体。
  12. 【請求項12】 少なくとも1個の官能基を分子内に有
    し、主骨格としてポリカーボネート及び/又はポリアリ
    レート部分を有する重合体と、該官能基と反応して結合
    を形成する官能基を有する金属アルコキシドとを反応さ
    せる工程を包含する主骨格としてポリカーボネート及び
    /又はポリアリレート部分を有し、官能基として金属ア
    ルコキシド基を有する重合体の製造方法。
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