JPH08188596A - リセプター型チロシンキナーゼの新規なリガンド - Google Patents
リセプター型チロシンキナーゼの新規なリガンドInfo
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- JPH08188596A JPH08188596A JP7003677A JP367795A JPH08188596A JP H08188596 A JPH08188596 A JP H08188596A JP 7003677 A JP7003677 A JP 7003677A JP 367795 A JP367795 A JP 367795A JP H08188596 A JPH08188596 A JP H08188596A
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Abstract
供する。 【構成】 リセプター型チロシンキナーゼに対する新規
なリガンドについて、その物理化学的性質、アミノ酸配
列、cDNA配列、作製方法、生産方法、リガンドに特
異的な抗体、生理作用から構成される。
Description
ナーゼの新規なリガンドである新規生理活性物質に関す
るものである。
それぞれが重要な役割を担っている。例えば、赤血球は
体内での酸素運搬を、血小板は止血作用を、白血球は免
疫系を構成して感染を防御している。これらの多様な細
胞は骨髄中の造血幹細胞に由来する。造血幹細胞は体内
の種々の造血因子や環境要因により影響を受け、各種血
液細胞、破骨細胞、肥満細胞などに分化することが近年
明らかにされてきた。この造血因子として、赤血球への
分化についてはエリスロポエチン(EPO)が、白血球
への分化については顆粒球コロニー刺激因子(G−CS
F)が、血小板産生細胞である巨核球への分化について
は血小板増殖因子(mpl−L)が発見され、前者の2
つは現在すでに臨床応用がなされている。しかし未だに
血液細胞の分化、増殖、特に造血幹細胞を含む血液未分
化細胞の増殖メカニズムには、不明な点が多い。
分化細胞に関しては、これらの分化や増殖のメカニズム
において特に不明点が多いために、これを特異的に増殖
させる因子は、その存在が指摘されているにも関わらず
発見されていない。この最大の原因として血液未分化細
胞の増殖を促す物質が十分に見いだされていないことに
ある。本発明の課題は、血液未分化細胞の増殖を促す新
規な化合物を提供することにある。
ゼが動物、昆虫の発生や分化に大きく関わっていること
が明らかになっており、血液未分化細胞の分化、増殖に
おいてもチロシンキナーゼが大きく関与していることが
考えられる。タンパク質中に存在するアミノ酸であるチ
ロシンを特異的にりん酸化する酵素であるチロシンキナ
ーゼは細胞外から細胞内、さらに細胞核内への転写調
節、シグナル伝達を司る重要な物質である。また、これ
らのチロシンキナーゼをコードする遺伝子の転座、点変
異により細胞が癌化したりする異常が起こることが知ら
れている。さらに、これらをコードする遺伝子に類似し
た遺伝子を持つウイルスに感染することにより、細胞が
癌化したり、生物個体に癌が生じることが知られてい
る。したがって、チロシンキナーゼを理解し、その遺伝
子構造、タンパク質構造を知ることは癌などに代表され
る細胞の異常増殖状態に起因する病気の診断・治療にと
って極めて重要である。たとえば、PCR(Polym
eraseChain Reaction)などの遺伝
子増幅法を利用したり、DNA、RNAプローブを用い
たり、制限酵素を用いたりして、チロシンキナーゼの遺
伝子の一部もしくは全部を検出することにより、生体中
の点変異や遺伝子組換え、発現量の有無を調べ、血液疾
患などの病気の診断に利用しうる。
0個のアミノ酸残基から構成されている。また、チロシ
ンキナーゼ群のアミノ酸配列の中には、きわめてよく保
存された配列があり(Hanks et al. Science 241:42,19
88)、保存されたアミノ酸配列に対応するDNA配列を
設計し、RT(Reverse Transcript
ion)−PCR法のプライマーとして利用すれば、新
たにチロシンキナーゼ遺伝子断片を得ることができる
(Wilks. Methods in Enzymology 200:533, 1991)。リ
セプター型チロシンキナーゼの一種であるc−kitは
血液未分化細胞の表面に発現しており、肥満細胞増殖因
子でなおかつ血液未分化細胞の増殖因子の1つでステム
セルファクター(SCF)のリセプターであることがわ
かっており(Witte. Cell 63: 5,1992)、リセプター型
チロシンキナーゼc−kitを介して細胞の分化が制御
されている。
たり、有効な手段はその目的に見合った細胞株、もしく
は細胞を利用することにあるが、ヒト巨核芽球白血病細
胞株UT−7(日本国、熊本大学医学部遺伝発生医学研
究施設分化制御部門、須田年生教授もしくは日本国、自
治医科大学血液科、小松則夫講師より入手可能)は顆粒
球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF),
インターロイキン3(IL−3)などの造血因子に依存
して増殖する細胞株であり、GM−CSF存在下でPM
A(Phorbol 12−Myristate 13
−Acetate)にて刺激すると巨核球に分化し、ま
た、エリスロポエチン存在下で酪酸にて刺激すると赤芽
球に分化する多分化能を持った細胞である(Komatu et
al. Cancer Res. 51:341,1991 )。したがって、UT−
7細胞の利用は血液細胞の分化、増殖、特に血液未分化
細胞の研究にとって有効であると考えられる。
ヒト巨核芽球白血病細胞株UT−7から造血幹細胞の分
化、増殖に関与するチロシンキナーゼ遺伝子のクローニ
ングを行った。その結果、UT−7細胞が未分化な状態
ではmRNA発現が強く認められるが、巨核球への分化
に伴い発現が認められなくなる新規なリセプター型チロ
シンキナーゼ遺伝子断片を見い出した。この遺伝子断片
をプローブとして用い、ヒト胎盤及びヒト胎児肝臓のc
DNAライブラリーから、全長をコードするcDNAを
得、その全塩基配列を決定し、本遺伝子を遺伝子導入し
た形質転換細胞株を作製し、本遺伝子がコードしている
ペプチドの発現細胞およびポリペプチド産生系を作製
し、このポリペプチドを用いてポリクローナル抗体及び
モノクローナル抗体を作製し、本遺伝子の発現を指標
に、有用な生理活性物質が探索できることなどについて
研究を行っていた。本遺伝子に関してはBennett
らの論文(Bennett et al.,J.Biol.Chem.,269,14211-14
218,1994)、及び本発明者らによる特願平5−3027
04号の明細書に記載されている。
するリガンドは、リセプターの細胞外部分に特異的に結
合して、さらに細胞内部分のチロシンキナーゼ酵素活性
を惹起し、自己りん酸化を引き起こす性質を有する物質
として規定され、リセプター型チロシンキナーゼにおい
ては、ほぼ1つのリセプターに対して1つのリガンドが
対応して生体内に存在する。また、リセプターの発現部
位、発現細胞、及び発現の変化などは、そのリガンドが
作用して、生理活性を発揮する場所並びに細胞を特定で
きるため、生体内の機能を知ることができる。本発明で
使用した上記の新規リセプター型チロシンキナーゼは参
考例7に記載したように、未分化な形質を有する血液由
来細胞株が、刺激剤により分化して増殖能力を失うと共
にそのmRNA発現が消失する。従って、このリセプタ
ー型チロシンキナーゼが未だ未知の血液細胞の増殖因子
のリセプターであり、その発現の変化から、特に未分化
な状態での血液細胞の増殖因子のリセプターであること
が推察される。この新規リセプター型チロシンキナーゼ
の細胞外部分に結合して、さらに細胞内部分のチロシン
キナーゼ酵素活性を惹起し、自己りん酸化を引き起こす
物質は本発明のリセプター型チロシンキナーゼの新規な
リガンドと考えられ、本新規リセプター型チロシンキナ
ーゼが血液細胞分化に伴い消失することから血液未分化
細胞の維持、増殖にとって、このリガンドが有効な医薬
品として利用できる。そこで、本発明で使用したリセプ
ター型チロシンキナーゼに1対1に対応するリガンドが
目的の物質と考えその発見に努めた。
ナーゼのリガンドつまりリセプターに特異的に結合し、
細胞内にシグナルを伝え、細胞を活性化する化合物の探
索を各種ヒト細胞培養上清の中から発見すべく進めた。
そして、鋭意研究の結果、リセプター型チロシンキナー
ゼの新規リガンドである血液未分化細胞の増殖を促す新
規タンパク質の発現細胞の同定に成功し、さらにその発
現細胞から本発明の化合物の精製法を確立し、精製を行
い単離した。そして、アミノ末端(N末端)のアミノ酸
配列を決定し、このアミノ酸配列を基にPCR法にてc
DNAプローブを作製し、全長のアミノ酸配列をコード
するcDNAを単離し、このcDNAを用いてリガンド
の発現系を作製した。このようにして作製されたこれら
天然型並びにリコンビナント型リガンドの生理活性を確
認した。その結果、これらリガンドが他の既知物質とは
異なった作用を有し、また血液未分化細胞の維持、増殖
にとって、有効な医薬品となる効果を示した。更にこれ
らを免疫原として抗体を作製し、精製法を確立し本発明
が完成した。
3500±1500ダルトンであり、呈色反応において
クマシー染色反応、パス染色反応に陽性であり、配列表
の配列番号1に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドに結合する、理化学的性質を有することを特徴とす
る化合物、さらに、当該化合物であって少なくとも配列
表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドの発現細胞に反応させることにより、少なくとも
当該ポリペプチドのチロシン残基をりん酸化させる化合
物、また、当該化合物が、そのアミノ末端のアミノ酸配
列として少なくとも配列表の配列番号4に記載のアミノ
酸配列を包含する化合物、また、当該化合物が、糖鎖を
有する化合物、また、当該化合物が少なくとも配列表の
配列番号5に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド
の一部もしくは全部を含有してなる化合物に関する。さ
らに、少なくとも配列表の配列番号5に記載のアミノ酸
配列を有するポリペプチドの一部もしくは全部を含有し
てなる化合物、また、少なくとも配列表の配列番号6に
記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの一部もしく
は全部を含有してなる化合物、さらに、少なくとも配列
表の配列番号5に記載のアミノ酸配列の一部もしくは全
部を含有するポリペプチドが2量体、もしくはそれ以上
の多量体の構造を有してなる複合体、また、少なくとも
配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列の一部もしく
は全部を含有するポリペプチドが2量体、もしくはそれ
以上の多量体の構造を有してなる複合体に関し、配列表
の配列番号5に記載のアミノ酸配列の一部もしくは全部
をコードするDNA、また、配列表の配列番号6に記載
のアミノ酸配列の一部もしくは全部をコードするDNA
に関する。また、さらに、配列表の配列番号5もしくは
6に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを用いて作
成された当該アミノ酸配列を含有するポリペプチドを含
有してなる化合物の生産方法、さらに、これらに示した
化合物群から選ばれる化合物もしくは配列表の配列番号
5もしくは6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドの一部もしくは全部を特異的に認識する抗体に関す
る。
作に必要なcDNAの作製、ノーザンブロットによる発
現の検討、ハイブリダイゼーションによるスクリーニン
グ、組換えDNAの作製、DNAの塩基配列の決定、c
DNAライブラリーの作製等の一連の分子生物学的な実
験は通常の実験書に記載の方法によって行うことができ
る。前記の通常の実験書としては、たとえば、Maniatis
らの編集した Molecular Cloning, A laboratory manua
l, 1989, Eds., Sambrook,J., Fritsch, E.F., and Man
iatis, T., Cold SpringHarbor Laboratory Pressを挙
げることができる。
新規なリガンドは配列表の配列番号5、6及び7のアミ
ノ酸配列からなる群より選ばれるアミノ酸配列の一部も
しくは全部を含有するが、自然界で生じることが知られ
ている生物種内変異、アレル変異等の突然変異及び人為
的に作製可能な点変異による変異によって生じる、リセ
プター型チロシンキナーゼの新規なリガンド活性を有す
る相同変異体も、本発明のリセプター型チロシンキナー
ゼの新規なリガンドに含まれる。なお、この”リセプタ
ー型チロシンキナーゼの新規なリガンド活性”とは、少
なくとも配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有
するポリペプチドに結合する活性、もしくは配列表の配
列番号2に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチド
の発現細胞に反応させることにより、少なくとも当該ポ
リペプチドのチロシン残基をりん酸化させる活性のいず
れかを含むものとする。
自然界から分離した、染色体DNA、またはcDNAに
おいて、遺伝コードの縮重により、そのDNAがコード
するアミノ酸配列を変化させることなくDNAの塩基配
列が変異した例はしばしば認められる。また、5’非翻
訳領域及び3’非翻訳領域はポリペプチドのアミノ酸配
列の規定には関与しないので、それらの領域のDNA配
列は変位しやすい。このような遺伝コードの縮重によっ
て得られる塩基配列も本発明のDNAに含まれる。
ンキナーゼのcDNAを得る行程は、後述する参考例1
〜6に記載した通りである。すなわち、チロシンキナー
ゼ遺伝子に特徴的なアミノ酸配列に対応したPCRプラ
イマーの作製並びにPCRはWilksの方法(Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 86:1603, 1989)で行うことができ
る。すなわち、市販のDNA合成機でオリゴヌクレオチ
ドを合成し、精製後、それをプライマーとしてPCRに
より特定部位を増幅する。これにより、チロシンキナー
ゼの一部分、約200bpを増幅することができる。こ
のPCR産物であるDNA断片をアガロース電気泳動な
どで分離し、精製し回収する。この回収したDNA断片
を各種ベクターにクローニングし、遺伝子配列を決定
し、各種チロシンキナーゼの配列との比較からチロシン
キナーゼ遺伝子の断片がクローニングされていることを
確認する。この方法に従いクローニングし、遺伝子配列
を決定した遺伝子断片は配列表の配列番号3のDNA配
列の2642番から2812番に相当する。この配列は
チロシンキナーゼの活性部分の中央に位置しており、細
胞内シグナル伝達に重要な役割を果たすアミノ酸配列を
コードする。
部分クローニングした遺伝子をアイソトープ標識、及び
各種非アイソトープ標識し、cDNAライブラリーをハ
イブリダイゼーションなどの方法にてスクリーニングす
ることによって得ることができる。アイソトープの標識
法としては、たとえば[32P]γ−ATPとT4ポリヌ
クレオチドキナーゼを用いて末端をラベルする方法や、
他のニックトランスレーション法またはプライマー伸長
法などによる標識法が利用できる。
ンキナーゼのcDNA塩基配列を配列表の配列番号3に
DNAの二本鎖のセンス配列及びそれに対応するアミノ
酸配列と共に示した。塩基配列は最初(5’側)の40
9塩基の5’非翻訳領域、それに続く2961塩基の新
規リセプター型チロシンキナーゼをコードする領域、及
びさらにそれに続く919塩基の3’非翻訳領域からな
る。また、新規リセプター型チロシンキナーゼのアミノ
酸配列は、配列表の配列番号3のアミノ酸配列の−15
番から−1番にあたる15アミノ酸から構成されるシグ
ナルペプチド、配列表の配列番号3のアミノ酸配列の1
番から522番にあたる522アミノ酸で構成される細
胞外部分、配列表の配列番号3のアミノ酸配列の523
番から548番にあたる26アミノ酸から構成される細
胞膜貫通部分、配列表の配列番号3のアミノ酸配列の5
49番から972番にあたる424アミノ酸から構成さ
れる細胞内部分、より構成される。さらに、細胞内部分
においては配列表の配列番号3のアミノ酸配列の600
番から859番にあたる260アミノ酸はチロシンキナ
ーゼ酵素活性部分である。尚、本新規リセプター型チロ
シンキナーゼcDNAの全塩基配列を含むベクターpB
SRTKFULLを大腸菌JM109(東洋紡社製)に
遺伝子導入した形質転換細胞は、日本国通産省工業技術
院生命工学工業技術研究所において寄託番号FERM
BP−4883として1994年11月11日に寄託さ
れている。
ンキナーゼは、すでにクローニングされているリセプタ
ー型チロシンキナーゼであるヒトEPH(Hirai et a
l., Science, 238, 1717-1720,1987)、ヒトECK(Li
ndberg and Hunter, Mol. Cell. Biol., 10, 6316-632
4, 1990)、ラットELK(Lhotak et al., Mol. Cell.
Biol., 11, 2496-2502, 1991)、ヒトHEK(Wicks et
al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA., 89, 1611-1615, 199
2)、マウスSEK(Gilardi-Hebenstreit et al., Onc
ogene, 7, 2499-2506, 1992)、チキンCek−5(Pas
quale, Cell Regulation, 2, 523-534, 1991 )と類似
した構造を持つが、そのアミノ酸配列のホモロジーは最
も高い場合のELKで56.3%であり、これらの物質
とは遺伝子が異にする新規なアミノ酸配列を有する新規
な物質であり、前掲の論文並びに本願の発明者により初
めて明らかにされた物質である。
列を有するポリペプチドは新規リセプター型チロシンキ
ナーゼの細胞外部分のシグナルペプチドを除いた部分の
アミノ酸配列を有するポリペプチドに相当する。また、
配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するポ
リペプチドは新規リセプター型チロシンキナーゼのシグ
ナルペプチドを除くアミノ酸配列を有するポリペプチド
に相当する。本発明に使用した新規リセプター型チロシ
ンキナーゼの遺伝子の入手法としては、参考例に記載の
方法以外にも、市販のヒト胎盤もしくは胎児肝臓cDN
AもしくはcDNAライブラリーを直接テンプレートと
して使用し、配列表の配列番号3に記載のDNA配列の
20mer程度のセンスプライマー及びアンチセンスプ
ライマーを作製し、PCRを行って作製したり、またこ
のPCR産物をプローブにしてライブラリーを参考例に
記載の方法でスクリーニングをして得ることができる。
型チロシンキナーゼのcDNAは、UT−7以外にも、
血液細胞株であるヒト慢性骨髄性白血病細胞株K562
(日本国理化学研究所、細胞開発銀行より入手可能、N
o.RCB0027)及びヒト急性巨核芽球性白血病細
胞株CMK(Blood 74:42,1989)などから、又非血液細
胞株では肝細胞ガン細胞株Hep3B(アメリカン・タ
イプ・カルチャー・コレクション(以下ATCCと示
す)より入手可能、HB8064)及びヒト胎児肺繊維
芽細胞株MRC−5(理化学研究所、細胞開発銀行より
入手可能、No.RCB0211)などから、後述する
参考例1〜6と実質的に同様の操作で得ることができ
る。またさらに、新規リセプター型チロシンキナーゼ遺
伝子の合成DNA法で人為的にオリゴヌクレオチドを作
製し、それらを連結して合成DNAを調整する方法によ
れば、遺伝子コードの縮重により、アミノ酸配列を変え
ることなく遺伝子配列を変化させることによって目的の
組換えDNAを調整することができる。
ンキナーゼの性質は参考例7に記載した通りである。す
なわち、本発明で使用したリセプター型チロシンキナー
ゼの遺伝子のmRNAは、未分化な形質を有する血液由
来細胞株が、刺激剤により分化して増殖能力を失うと共
に発現が消失する。従って、このリセプター型チロシン
キナーゼが未だ未知の血液細胞の増殖因子のリセプター
であり、その発現の変化から、特に未分化な状態での血
液細胞の増殖因子のリセプターであることが推察され
る。
チロシンキナーゼの遺伝子の発現方法並びにリガンド同
定に必要なポリペプチドの産生方法、精製方法は参考例
8から10に記載した通りである。すなわち、参考例に
示した方法並びに成書の方法により、配列表の配列番号
1及び配列番号2のアミノ酸配列をもつポリペプチドを
コードするDNAを適当な発現ベクターに組み込み、微
生物または細胞(たとえば昆虫細胞または動物細胞)な
どを宿主とする形質転換体を得て、その形質転換体に新
規リセプター型チロシンキナーゼのポリペプチドを産生
させることができる。さらに、新規リセプター型チロシ
ンキナーゼをより安定な条件で発現させる場合には有核
細胞、特に動物培養細胞を宿主として発現させるのが好
ましい。また、細胞外部分のポリペプチドの精製はアフ
ィニティークロマトグラフィーにより精製でき、これを
免疫原に用いることで抗体を作製することができる。
リガンド産生細胞を選択することが必要であり、本発明
におけるリガンド発現細胞の同定は実施例1から4に記
載した通りである。すなわち、その方法として、BIA
core(ファルマシア社製)を用いる方法が挙げられ
る。本機は表面プラズモン共鳴の原理に基づきタンパク
質の結合を検出することができる。すなわち、各種ヒト
細胞株の培養上清、細胞膜上の分子と配列表の配列番号
1に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとの結
合を調べ、結合する物質を産生する細胞株を選ぶことが
できる。
もしくは細胞そのものと配列表の配列番号2に記載のポ
リペプチド発現細胞株を共に培養し、新規リセプター型
チロシンキナーゼのチロシン残基のりん酸化を調べるこ
とにより、リガンドを発現している細胞株を決定でき
る。また更に、別の方法として配列表の配列番号1に記
載のポリペプチドもしくはこのポリペプチドに抗体認識
部位、例えば実施例に記載したヒトIgGのFc部分、
FLAG(IBI FLAG Epitope.1、
1、1992年 Kodak社参照)等のアミノ酸配列
がつながるようなアミノ酸配列をコードする遺伝子を作
製して、フローサイトメーターで細胞を染色して細胞表
面上にあるリガンドを発現している細胞を同定できる。
本発明に於いて、以上の方法を用いて本発明のリガンド
発現細胞として、少なくともヒト結腸ガン由来細胞株C
−1(株式会社免疫生物研究所より購入可能、参考文献
として佐藤ら.医学のあゆみ、96:876、1976
年)が同定された。
標にしてその発現細胞を同定できれば次にその精製が必
要である。本発明におけるリガンドの精製及び呈色反
応、N末端アミノ酸配列、分子量測定による同定は実施
例5から9に記載した通りである。すなわち、このよう
に決定された細胞株の培養上清、細胞膜画分、細胞を特
定の酵素処理して作製された溶液などを配列表の配列番
号1に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを用
いて作製されたアフィニティーゲル等の担体を用いて精
製し、更に配列表の配列番号1のアミノ酸配列を含有す
るポリぺプチドをに対する結合、もしくは配列表の配列
番号2に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの
発現細胞に反応させることによりその配列表の配列番号
2に記載のポリペプチドのチロシン残基をりん酸化させ
る活性を指標にしてゲル濾過、イオン交換等の分離操作
に行うことにより純品を精製する事ができる。
チロシンキナーゼの新規なリガンドは、すなわち少なく
ともポリアクリルアミド電気泳動において分子量が23
500±1500ダルトンであり、呈色反応においてク
マシー染色反応、パス染色反応に陽性であり、配列表の
配列番号1に記載のアミノ酸配列を少なくとも含有する
ポリペプチドに結合する理化学的性質を対比すれば公知
物とは異なる新規な化合物であることは明らかである。
さらに、この新規化合物に関し、当該化合物について少
なくとも配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含
有するポリペプチドの発現細胞に反応させることによ
り、少なくとも当該ポリペプチドのチロシン残基をりん
酸化させる化合物、当該化合物が、そのアミノ末端のア
ミノ酸配列として少なくとも配列表の配列番号4に記載
のアミノ酸配列を包含する化合物、当該化合物が、糖鎖
を有する化合物、当該化合物が少なくとも配列表の配列
番号5に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの一
部もしくは全部を含有してなる化合物に関していること
を見いだした。またさらに、少なくとも配列表の配列番
号5に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの一部
もしくは全部を含有してなる化合物、また、少なくとも
配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドの一部もしくは全部を含有してなる化合物、少
なくとも配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列の一
部もしくは全部を含有するポリペプチドが2量体、もし
くはそれ以上の多量体の構造を有してなる複合体、配列
表の配列番号6に記載のアミノ酸配列の一部もしくは全
部を含有するポリペプチドが2量体、もしくはそれ以上
の多量体の構造を有してなる複合体、配列表の配列番号
5に記載のアミノ酸配列の一部もしくは全部をコードす
るDNA、配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列の
一部もしくは全部をコードするDNA、配列表の配列番
号5もしくは6に記載のアミノ酸配列をコードするDN
Aを用いて作成された当該アミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドを含有してなる化合物の生産方法、これらに示
した化合物群から選ばれる化合物もしくは配列表の配列
番号5もしくは6に記載のアミノ酸配列を有するポリペ
プチドの一部もしくは全部を特異的に認識する抗体を見
いだした。
胞外部分である配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
列を含有するポリペプチド、もしくは該ポリペプチド配
列を含むポリペプチドを動物細胞において発現させた糖
タンパク質に結合し、本発明であるリガンドの細胞外部
分もしくは少なくとも配列表の配列番号5に記載のアミ
ノ酸配列は、該リセプター型チロシンキナーゼを調節し
得るものである。さらにその結合部位は、少なくとも配
列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列の全体、もしく
はその一部から成るアミノ酸配列を有するポリペプチド
を含むと考えられる。なお、ここでいう「一部」とは、
アミノ酸配列のうち、アミノ酸12残基以上をいう。
中心は、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含
有するポリペプチドの発現細胞に反応させることより当
該ポリペプチドのチロシン残基をりん酸化させる配列表
の配列番号5に記載のアミノ酸配列の一部として同定す
ることが可能である。配列表の配列番号4に記載したア
ミノ酸配列は分離精製された該リガンドのプロテインシ
ークエンサー(アプライドバイオシステム社)にて決定
されたアミノ基末端(N末端)の配列のN末端から8番
目までのアミノ酸配列を示す。また、配列表の配列番号
19にN末端から同定できた全アミノ酸配列を示す。こ
の配列表の配列番号4のアミノ酸配列をタンパク質デー
タベースであるNBRF−PDB(ナショナル・バイオ
メディカル・リサーチ・ファウンデーション、リリース
40.0、1994年3月)及びSWISS−PROT
(ユーロピアン・モレキュラー・バイオロジー・ラボラ
トリー、リリース29.0、1994年6月)において
検索を行ったところ、同一の配列を有する公知のタンパ
ク質は見いだされず、新規な配列であった。
少なくともポリアクリルアミド電気泳動において分子量
が23500±1500ダルトンであり、呈色反応にお
いてクマシー染色反応、パス染色反応に陽性であり、配
列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を少なくとも含
有するポリペプチドに結合することを対比し、さらにN
基末端のアミノ酸配列が配列表の配列番号4に記載の配
列であるポリペプチドを含有する化合物は、明らかに公
知物とは異なる新規物質と判断される。
ガンドはリガンドの発現細胞の細胞培養上清中より精製
ができ得るが、リガンド発現細胞の細胞膜上にも同様の
配列表の配列番号2のアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドが結合すること、さらに配列表の配列番号3に記載
のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの発現細胞を反
応させることにより、その配列表の配列番号3に記載の
アミノ酸配列を含有するポリペプチドのチロシン残基を
りん酸化させること、また、下記に示した該リガンドの
cDNA配列から予想されるアミノ酸配列の解析結果か
ら膜貫通部分が存在することなどから、細胞膜上にも該
リガンドが存在することは明らかであるため、別の方法
として細胞膜表面からも精製できる。その膜上に存在す
る分子は、分子量が細胞外部分のみの分子よりも大きく
なる。該リガンドの細胞膜表面における存在形態は遺伝
子配列から推察されるアミノ酸配列の構造から疎水性の
アミノ酸配列からなる膜貫通部分を有するペプチドアン
カー型物質と考えられる。
には、実施例10及び11に示した方法を参考として、
該リガンドのアミノ酸配列をコードする遺伝子を取得
し、動物細胞などの有核細胞、又は大腸菌等の原核細胞
に遺伝子導入し、このリガンドを生産させ、そこから単
離してくることができる。例えば、実施例9に示したよ
うに、単離精製したリガンドのポリペプチド部分のN末
端からのアミノ酸配列を決定し、さらに必要があればト
リプシンなどのプロテアーゼ処理、また化学物質処理に
より断片化して、アミノ酸配列を決定したり、カルボキ
シル基末端(C末端)のアミノ酸配列を決定することが
可能である。このようにして決定されたアミノ酸配列、
例えば、配列表の配列番号19に記載のアミノ酸配列お
よび、実施例10に記載した方法を参考として、オリゴ
DNAプローブもしくはPCRプライマーを設計して、
リガンドを発現している細胞株のcDNAもしくはcD
NAライブラリー、またゲノムDNAもしくはゲノムラ
イブラリーからハイブリダイゼーション法またはPCR
法、また両者を組み合わせた方法などでスクリーニング
することにより、リガンドの全長のアミノ酸配列をコー
ドする遺伝子を取得することができる。
cDNAライブラリーを発現ベクターに組み込み、CO
S細胞などで発現させ、目的の遺伝子をスクリーニング
する発現クローニングなどの手法でリガンドのcDNA
を分離することができる。発現クローニングには、配列
表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドの結合を利用したセルソーターによる分画法、ラ
ジオアイソトープを用いたフィルムエマルジョンによる
検出法、等の方法、もしくはcDNAライブラリー導入
細胞株自身もしくはその細胞培養上清と配列表の配列番
号2のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを発現する
細胞株との共培養により、該ポリペプチドのチロシン残
基がりん酸化されることを指標にした方法が挙げられ
る。
ドするcDNA塩基配列を配列表の配列番号7にDNA
の二本鎖のセンス配列及びそれに対応するアミノ酸配列
と共に示した。塩基配列は該リガンドをコードする領域
とその前後の数十DNA配列についてのみ示した。該c
DNA配列から予想されるアミノ酸配列をKyte−D
oolitleの方法(J.Mol.Biol. 157:105,1982)に
従って、アミノ酸配列から疎水性部分、親水性部分を解
析した。その結果、本発明のリガンドは細胞膜タンパク
として、細胞上に発現されることが明らかとなった。
ドのアミノ酸配列は、配列表の配列番号7のアミノ酸配
列の−25番から−1番にあたる25アミノ酸から構成
されるシグナルペプチド、配列表の配列番号7のアミノ
酸配列の1番から195番にあたる195アミノ酸で構
成される細胞外部分、配列表の配列番号7のアミノ酸配
列の196番から225番にあたる30アミノ酸から構
成される細胞膜貫通部分、配列表の配列番号7のアミノ
酸配列の226番から308番にあたる83アミノ酸か
ら構成される細胞内部分、より構成される。ただし、シ
グナルペプチド部分以外の各部分は、あくまでもアミノ
酸配列から予測されたドメイン構成であり、実際に細胞
上および溶液中での存在形態は、上記の構成と若干異な
ることも十分考えられ、上記に一応規定された各ドメイ
ンの構成アミノ酸が、1から10アミノ酸配列前後する
ことも考えられる。
ノ酸配列は配列表の配列番号7のアミノ酸配列の1番か
ら195番に当たる部分のアミノ酸配列、すなわちシグ
ナルペプチドを除く上記の細胞外部分のアミノ酸配列を
示し、また、配列表の配列番号6のアミノ酸配列は配列
表の配列番号7のアミノ酸配列の1番から308番のア
ミノ酸配列、すなわちシグナルペプチドを除く全体のア
ミノ酸配列を示す。
配列番号19に示すアミノ酸配列と、配列表の配列番号
7のアミノ酸配列の1番からの配列は、配列表の配列番
号19のアミノ酸が決定できなかった3箇所のXXX 部分
を除き、アミノ酸配列は完全に一致した。アミノ酸配列
から予想されることとして、糖鎖が付加される部分はN
−アセチル−D−グルコサミンがN−グリコシド結合可
能な部分として、配列表の配列番号7のアミノ酸配列の
11番及び114番のアスパラギン残基が挙げられる。
しかし、該11番のアスパラギンは実施例9で行ったア
ミノ酸シークエンスの際には、測定に何等影響を与えな
かったため、少なくとも本発明で使用した該C−1細胞
が産生している該リガンドにおいては糖鎖が付加されて
いない形態であると考えられる。また、N−アセチル−
D−ガラクトサミンのO−グリコシド結合を推定する部
分として、セリンまたはスレオニン残基の頻出する配列
表の配列番号7のアミノ酸配列の144番のセリン以降
の細胞外部分が挙げられる。特に、その可能性の高い部
分として、配列表の配列番号7のアミノ酸配列の155
番のスレオニン、及び168番のセリンから172番の
セリンまでのセリン残基もしくはスレオニン残基、及び
181番のセリンから183番のスレオニンまでのセリ
ン残基もしくはスレオニン残基が挙げられる。これらの
糖鎖が付加されたタンパクの方がポリペプチドそのもの
よりも一般に生体内での分解に対して安定性であり、ま
た強い生理活性を有していると考えられる。
た該リガンドは細胞外部分がメタロプロテアーゼ等のタ
ンパク質分解酵素により、細胞膜上のアミノ酸配列を切
断することで、細胞上清中に遊離した分子と考えられ
る。例えば、その切断部位は細胞外部分と細胞膜貫通部
分の配列表の配列番号7のアミノ酸配列の195番のイ
ソロイシンと196番のロイシンの間であり、その他の
部分において同様にタンパク質分解酵素等により消化さ
れて切断された可能性もある。
子配列並びにアミノ酸配列をジェンバンク(Genba
nk、1994年10月、リリース85)において検索
したところ、最も類似性のあるの物質として、LERK
−2(論文として Beckmannet al.,EMBO J. 13:3757,19
94.、Fletcher et al.,Oncogene 9:3241,1994. また特
許としてWO94/11384を参照)が挙げられた
が、アミノ酸配列では全体でホモロジーが54%であ
り、本発明のリガンドとLERK−2とは全く異なった
物質である。また、このLERK−2は上記に示した本
発明で使用した新規リセプター型チロシンキナーゼに最
もホモロジーのあった前述のリセプター型チロシンキナ
ーゼELKの結合タンパクもしくはリガンドとして同定
された物質である。本発明のリガンドの全長をコードし
ているcDNA配列から推定されたアミノ酸配列と上記
のLERK−2のアミノ酸配列を詳細に比較したとこ
ろ、ジスルフィド結合をしていると予想されるシステイ
ン残基4つ、すなわち配列表の配列番号7のアミノ酸配
列の37番、64番、76番及び128番のシステイン
残基は両者に共通している。また、N−アセチル−D−
グルコサミンがN−グリコシド結合可能な部分、すなわ
ち配列表の配列番号7のアミノ酸配列の114番のアス
パラギン残基も共通していることが挙げられる。さら
に、細胞内部分に当たる配列表の配列番号7のアミノ酸
配列の276番から308番の部分の33アミノ酸にわ
たって完全にそのアミノ酸配列が保存されている。
RK−2を対比するため、LERK−2の遺伝子をPC
R法にてヒト胎盤のcDNAより取得し、本発明同様に
発現させて、その本発明に使用した該リセプター型チロ
シンキナーゼに対する機能の解析を行った。その結果、
該リセプターに対して、弱いながら結合したが、その結
合は本発明のリガンドより十分に弱く、また、該リセプ
ターのりん酸化を引き起こす作用を有さなかった。した
がって、LERK−2は本発明のリガンドと構造上の類
似性はあるが、生理的な作用としては同等の効果を有さ
ない物質である。
ノ酸配列をコードするcDNAを用いた色々な形態を有
したリガンドの発現方法、精製方法は実施例13から1
4に記載した通りである。すなわち、上記の方法にて分
離した該リガンドのアミノ酸配列をコードするcDNA
を適当な発現ベクターにつなぎ、動物細胞、昆虫細胞な
どの有核細胞、バクテリアなどの原核細胞を宿主として
リガンドを生産させることができ、この生産したリガン
ドは上記の方法で精製することができる。より安定した
生産条件としては動物細胞が望ましい。したがって、配
列表の配列番号5もしくは6に記載のアミノ酸配列の1
部もしくは全部をコードするDNAを使用して形質転換
を行った細胞、さらに、配列表の配列番号5もしくは6
に記載のアミノ酸配列の1部もしくは全部をコードする
DNAを使用して、配列表の配列番号5もしくは6記載
のアミノ酸配列の1部もしくは全部を含有してなる化合
物の製造方法に関しても本発明に含まれる。
記したリセプター型チロシンキナーゼの新規なリガンド
活性を有し、なおかつ配列表の配列番号5及び6からな
る群より選ばれるアミノ酸配列の一部もしくは全部を含
有するポリペプチドを含むことを特徴とした化合物が含
まれる。また、リセプター型チロシンキナーゼの新規な
リガンド活性を有する相同変異体をコードするDNA
も、本発明のDNAに含まれる。実施例13に記載した
ように、本発明のリガンドの発現させる形態としては、
配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドをコードするcDNAを用いる方法でもよい
が、この状態では膜結合型であり、精製、製剤化などを
より効率的に行うべく、実施例17および18に記載し
たように、少なくとも生理活性を有する部分としては配
列表の配列番号5に記載したアミノ酸配列、すなわち該
リガンドの細胞外部分のみ可能である。したがって、細
胞外部分を含有する形態を配列表の配列番号5に記載の
アミノ酸配列をコードするDNAを用い、分泌型で発
現、生産させる方が望ましい。
物でもかまわないが、複合体の形態を有するリガンドで
も可能である。本発明で使用する”複合体”は2種類以
上の物質を単に混ぜ合わせた混合物ではなく、1種類も
しくは2種類以上の化合物が共有結合を含む何らかの結
合様式を有してなる化合物、コンジュゲート、またはコ
ンプレックスの総称を意味する。その例としては、実施
例14で作製されたイムノグロブリンとのキメラタンパ
クのジスルフィド結合による共有結合を介した複合体、
実施例14および実施例16作製されたFLAG配列を
有するリガンドと抗FLAG抗体による抗原抗体反応を
介した複合体などの形態が挙げられる。
規リセプター型チロシンキナーゼ発現細胞において、よ
り低濃度で該リセプター型チロシンキナーゼの自己りん
酸化を引き起こし、なおかつより比活性の高いコロニー
刺激活性を有する形態として、多量体を形成し得る形態
で発現させることが望ましい。実施例に記載したヒトI
gGのFc部分とのキメラタンパク質として発現させて
抗体のヒンジ部分によりジスルフィド結合をした多量体
として発現させる方法、また、抗体認識部位をC末端も
しくはN末端に発現するキメラタンパクとして発現さ
せ、発現させた該リガンドの細胞外部分を含むポリペプ
チドをC末端もしくはN末端の抗体認識部位を特異的に
認識する抗体と反応させることにより多量体を形成させ
る方法が挙げられる。さらに、別の方法として、抗体の
ヒンジ領域部分のみとの融合タンパクを発現させて、ジ
スルフィド結合にて2量体を形成させる方法、もしくは
その他の該リガンドの活性に何等影響を与えない方法で
ジスルフィド結合を生じさせる形のペプチドをC末端、
N末端もしくはその他の部位に発現するように作成され
た融合タンパクから構成された2量体以上の高い比活性
を有する多量体型該リガンドを得ることもできる。ま
た、さらに配列表の配列番号5のアミノ酸配列をコード
するDNAをアミノ酸に翻訳するさいにフレームの合う
形で2つ以上直列に並べ多量体構造を発現させる方法な
どもある。その他、現在知られている2量体以上の多量
体構造を持たせるあらゆる方法が適応可能である。した
がって、遺伝子工学的な技術により2量体もしくはそれ
以上の形態を有す形の該リガンド、もしくは配列表の配
列番号5もしくは6に記載のアミノ酸配列の1部もしく
は全部を含有してなる化合物に関しても本発明に含まれ
る。
剤を用いて発現、精製された該リガンドの細胞外部分の
ポリペプチドを架橋する方法が挙げられる。例えば、リ
シン残基を架橋するジメチルスベロイミデート2塩酸塩
など、システイン残基のチオール基で架橋するN−(γ
−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドなど、ア
ミノ基とアミノ基を架橋するグルタールアルデヒドなど
が上げられ、これら及びその他のあらゆるタンパク質、
糖質の架橋反応を用いて、2量体以上の多量体を形成さ
せることができる。したがって、化学的な架橋剤により
2量体もしくはそれ以上の多量体の形態を有す形の該リ
ガンド、もしくは配列表の配列番号5もしくは6に記載
のアミノ酸配列の1部もしくは全部を含有してなる化合
物に関しても本発明に含まれる。なお、本発明で示した
リガンドの2量体及び多量体とは、本発明のリガンド、
すなわち少なくともリセプター型チロシンキナーゼの新
規なリガンド活性を有し、さらに配列表の配列番号5及
び6からなる群より選ばれるアミノ酸配列の一部もしく
は全部のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを含む化
合物からなる群より選ばれる2つもしくはそれ以上の化
合物から構成される物質を意味する。
に、配列表の配列番号6のアミノ酸配列をコードするD
NAを有する発現ベクターを用いて、細胞膜上の分子と
して細胞に発現させると、同様に生理活性を有する形態
を取る。したがって、配列表の配列番号6のアミノ酸配
列、もしくは配列表の配列番号5のアミノ酸配列のC末
端に疎水性にアミノ酸を有するようなアミノ酸配列を有
するポリペプチドが、N末端が外にでる形で、脂質、り
ん脂質などの生体膜などを模倣した、ミセルもしくはリ
ポソームの形態を有する物質上に存在し、膜上を自由に
動き廻れるような形態を取った形にすれば同様に強い生
理活性を有する。従って、このような形態を取った該リ
ガンド、すなわち膜の形態を有する物質上に存在する、
少なくともリセプター型チロシンキナーゼの新規なリガ
ンド活性を有し、さらに配列表の配列番号5及び6から
なる群より選ばれるアミノ酸配列の一部もしくは全部の
アミノ酸配列を含有するポリペプチドを含む化合物につ
いても医薬品などとして使用する際に有効な方法であ
る。
し、体内に細胞を戻す医療方法への適応には、上記のよ
うな形態を有した該リガンドを直接培地中に加えること
も可能だが、固定化する事が望ましい。固定化の方法と
しては該リガンドのアミノ基、カルボキシル基を利用し
たり、適当なスペーサーを用いたり、上記の架橋剤を用
いたりして、培養容器にリガンドを共有結合させること
ができる。したがって、固体表面に存在する形態を有
し、さらに少なくともリセプター型チロシンキナーゼの
新規なリガンド活性を有し、さらに配列表の配列番号5
及び6からなる群より選ばれるアミノ酸配列の一部もし
くは全部のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを含む
化合物に関しても本発明に含まれる。
ステップである精製において、上記に示した本発明で使
用した新規リセプター型チロシンキナーゼの細胞外部分
のポリペプチドを利用した方法以外に、実施例15に示
したように、該リガンドを適当な動物に免疫を行い、作
製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体を用
いたアフィニティークロマトグラフィーにより精製する
こともできる。
コロニー形成を促すことから、血液未分化細胞の増殖を
促す作用を有す。したがって、医薬品として用いるなら
ば、上記に示した形態を有する本発明のリガンドの凍結
乾燥品を、用時注射用蒸留水にて溶解もしくは懸濁して
使用し得る形状が望ましい。例えば0.1から1000
μg/mlの濃度に調製した注射剤、点滴剤として提供
することが簡便である。また、安定性保つために、ヒト
アルブミンなどの安定化剤と混合させることもできる。
さらに、血液系細胞を体外にて増殖、活性化させる場合
には医薬品同様に、凍結乾燥品、もしくは溶液剤を作製
して、培地に加える、もしくは培養に使用する容器に固
定化することができる。また、毒性については、マウス
に対して1μg/Kgを腹腔内投与したがマウスの死亡
例は確認されなかった。
あらゆる疾患モデルマウス、またはそれらに準ずる疾患
に似た症状を呈するラット、サル等の動物をモデルとし
て投与を行い、その身体的、生理的な機能の回復、異常
を調べることにより可能となる。例えば、造血細胞に関
する異常であれば、5−FU系の抗癌剤を投与して、骨
髄抑制モデルマウスを作製し、このマウスに本発明の化
合物を投与した群としなかった群の骨髄細胞、末梢血細
胞の数、生理的な機能を調べることで明らかになる。ま
た更に、体外で造血幹細胞を含む造血未分化細胞の培
養、増殖を調べる場合には、マウス骨髄細胞を培養器な
どを利用して、培養を行い、その際に本発明の化合物を
加えた群と加えなかった群で培養後の細胞を致死量放射
線照射マウスに細胞移植を行い、その結果の回復の度合
いを、生存率、血球数の変動などを指標にすることで調
べることが出来る。勿論、これらの結果が人にも外挿で
きるため、本化合物の薬効としての評価として有効なデ
ータを得ることが出来る。
ているmRNAがどの臓器において発現されているかを
示した実施例12の結果、並びにリセプターのmRNA
の発現結果である参考例7の結果を対比すれば、これら
の臓器でも何らかの作用を有している可能性があり、そ
の点から、本化合物が何らかの生理活性またそれに準じ
る薬効が生じるであろう臓器として肺、腎臓が挙げら
れ、この点からこの臓器が関連する疾患がその対象とし
て予想される。また、肝臓に関しては、本リセプター型
チロシンキナーゼ遺伝子が肝臓ガンにおいて強く発現さ
れていることが本発明の参考例7の肝臓ガン細胞株He
p3Bのノーザンブロットの結果、並びにBennet
tらの論文(Bennett et al.,J.Biol.Chem.,269,14211-
14218,1994)、及び本発明者らによる特願平5−302
704号の明細書に記載されており、その点から本発明
の化合物は肝臓ガン、肝臓正常組織の増殖等に関連し、
これらに関連する疾患に取って有効な薬剤もしくは有効
な薬剤のスクリーニング系などに応用できる。本発明の
化合物を医薬品として利用する場合、その適応疾患とし
て、白血病、骨髄移植時の早期回復剤、抗癌剤投与時の
骨髄抑制回復剤及びその予防剤などの造血細胞に関連す
る疾患が考えられる。その際の投与量としてはその形
態、活性にもよるが、具体的には0.1mg/Kgから
100mg/Kg程度投与すればよい。
配列番号の7の遺伝子配列の一部もしくは全部をコード
するDNAを用いれば、ノ−ザンブロットが可能であ
る。したがって、本遺伝子の発現を調べる方法として、
配列表の配列番号7の一部の遺伝子配列を有する16m
erもしくはそれ以上の長さを有する相補し得る核酸、
つまりアンチセンスDNA、RNA、及びそれらがメチ
ル化、メチルフォスフェート化、脱アミノ化、またはチ
オフォスフェート化された誘導体によって行うことが出
来る。実施例12に示した方法と同様な方法でマウス、
ラット等の他の生物の本遺伝子のホモログの検出や遺伝
子クローニングができる。さらに、人を含めたゲノム上
の遺伝子のクローニングも同様に可能である。従って、
そのようにしてクローニングされたこれら遺伝子を用い
れば、本リガンドの更に詳細な機能も明らかにすること
ができる。例えば、近年の遺伝子操作技術を用いれば、
トランスジェニックマウス、ジーターゲッティングマウ
ス、また、本遺伝子と関連する遺伝子を共に不活化した
ダブルノックアウトなどのあらゆる方法を用いることが
できる。また、本遺伝子のゲノム上の異常があれば、遺
伝子診断、遺伝子治療への応用も可能である。
を特異的に認識する抗体を用いれば、本発明の化合物群
の検出、測定が可能であり、上記に示した疾患などの診
断薬として使用でき得る。また、本発明に述べたあらゆ
る形態をとった該リガンド、すなわち少なくともリセプ
ター型チロシンキナーゼの新規なリガンド活性を有し、
さらに配列表の配列番号5及び6からなる群より選ばれ
るアミノ酸配列の一部もしくは全部のアミノ酸配列を含
有するポリペプチドを含む化合物およびそれらから構成
される複合体を組み合わせてなるものは本発明に含まれ
る。以下参考例及び実施例によって、本発明をより具体
的に説明するが、本発明は何らこれらによって限定され
るものではない。
(A)+RNAの調製 UT−7細胞の培養、継代は、培地として牛胎児血清
(FCS、以下本特許で用いたFCSは全てフィルトロ
ン社製)を10%含むイスコフ改変ダルベッコ培地(I
MDM、GIBCO−BRL社製)を用い、ヒト顆粒球
マクロファージコロニー刺激因子(hGM−CSF、I
ntergen社製)を2ng/mlとなるように加
え、CO2 インキュベーターにて37℃の条件で行っ
た。未刺激細胞は、同じ条件で培養した細胞を用いた。
巨核球に分化させる際には、細胞濃度2×105 cel
ls/mlに希釈し、hGM−CSFを2ng/mlと
なるように加え、さらにPhorbol 12−Myr
istate 13−Acetate(PMA:sig
ma社製)を10ng/mlとなるように加え、3日間
培養後細胞を回収した。これらの各条件で培養した細胞
を各々細胞数1×108 個回収し、PBS(−)(ニッ
スイ株式会社)にて3回洗浄し、RNAの抽出に用い
た。回収した細胞からLithium Chlorid
e/Urea法(Eur.J.Biochem.107:303 (1980))にて
TotalRNAを抽出した。次に、Oligotex
−dT 30(宝酒造社製)にて、Poly(A)+ R
NAを分離・精製した。
の作成 Wilksの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1603,1
989 )に従い、チロシンキナーゼのサブドメイン7と9
に対応し、かつ制限酵素の認識部位を連結した混合プラ
イマー、すなわちセンスプライマーPTKI: 5'-TTGT
CGACAC(AC)G(AG)GA(CT)(CT)T(CG)GC(ACGT)GC(ACGT)(AC)
G-3'、(27mer:制限酵素の認識部位としてSal
I部位が付加されている。配列表の配列番号8に記載)
およびアンチセンスプライマーPTKII:3'-CT(AG)C
A(CG)ACC(AT)(CG)(AG)A(AT)ACCTTAAGGT-5'(24me
r:制限酵素の認識部位としてEcoRI部位が付加さ
れている。配列表の配列番号9に記載)を用い以下のP
CRを行った。
する全自動DNA合成機を使用して作成した。全自動D
NA合成機としてはアプライドバイオシステム社391
PCR−MATEを使用した。ヌクレオチド、3'-ヌク
レオチドを固定した担体、溶液、および試薬は同社の指
示に従って使用した。所定のカップリング反応を終了
し、トリクロロ酢酸で5’末端の保護基を除去したオリ
ゴヌクレオチド担体を濃アンモニア中にて室温で1時間
放置することにより担体からオリゴヌクレオチドを遊離
させた。次に、核酸及びりん酸の保護基を遊離させるた
めに、核酸を含む反応液を、封をしたバイアル内におい
て濃アンモニア溶液中で55℃にて14時間以上放置し
た。担体及び保護基を遊離した各々のオリゴヌクレオチ
ドの精製をアプライドバイオシステム社のOPCカート
リッジを使用して行い、2%トリフルオロ酢酸で脱トリ
チル化した。精製後のプライマーは最終濃度が1μg/
μlとなるように脱イオン水に溶解してPCRに使用し
た。
てcDNAの合成を行った。すなわち、Poly(A)
+ RNAの2μgを脱イオン水12.3μlに溶解し、
10×緩衝液(500mM KCl、100mM Tr
is−HCl(pH8.3)、15mM MgCl2 、
0.01%ゼラチン)2μl、dNTPMixture
(宝酒造社製)4μl、前述のチロシンキナーゼに特異
的なアンチセンスプライマーPTKII(1μg/μ
l)1μl、アビアンミエロブラストシスウイルス逆転
写酵素(avian myeloblastosis
virus reverse transcripta
se:Life Science社製:32U/μl)
0.2μl、及びRNaseインヒビター(Boehr
inger社製:40U/μl)0.5μl加えて37
℃で75分間放置後、65℃で10分間放置した。
によるPCR PCRによる増幅は以下のように行った。参考例3で得
られたcDNA溶液20μlを使用し、10×緩衝液
(500mM KCl、100mM Tris−HCl
(pH8.3)、15mM MgCl2 、0.01%ゼ
ラチン)8μl、dNTP Mixture(宝酒造社
製)6.4μl、前述のチロシンキナーゼに特異的なセ
ンスプライマーPTKI(1μg/μl)1.5μl、
及びTaqDNAポリメラーゼ(AmpliTaq:P
erkin−Elmer社製、5U/μl)0.2μl
を加え、最後に脱イオン水を加えて全量を100μlと
して、94℃で1分間、37℃で2分間、72℃を3分
間からなる行程を1サイクルとして、この行程を40サ
イクル行い、最後に72℃にて7分間放置してPCRを
行った。このPCR産物の一部を2%アガロースゲル電
気泳動を行い、エチジュウムブロマイド(日本ジーン社
製)にて染色後、紫外線下で観察し、約210bpのc
DNAが増幅されていることを確認した。
の決定 PCR産物の全量を低融点アガロース(GIBCO B
RL社製)にて作成した2%アガロースゲルにて電気泳
動し、エチジュウムブロマイドにて染色後、紫外線照射
下にて約210bpのバンドを切り出し、ゲルと同体積
の蒸留水を加え、65℃にて10分間加熱し、ゲルを完
全に溶かしたのち、等量のTE飽和フェノール(日本ジ
ーン社製)を加えて、15000rpm5分間遠心分離
後上清を分離し、さらに同様な分離作業をTE飽和フェ
ノール:クロロフォルム(1:1)溶液、さらにクロロ
フォルムにて行った。最終的に得られた溶液からcDN
Aをエタノール沈澱して回収した。回収したcDNAを
制限酵素EcoRI(宝酒造社製)及びSalI(宝酒
造社製)にて消化したのち、ベクターへの組み込みに用
いた。
II KS(Stratagene社製、以下pBl
uescriptと示す)を用い、先のcDNAを組み
込む前に、制限酵素EcoRI及びSalIにて消化し
て、上記の方法で精製した。これらの処理を行ったベク
ターと先のcDNAのモル比が1:5となるように混ぜ
合わせて、New England BioLab社製
T4 DNAリガーゼにてベクターにcDNAを組み込
んだ。cDNAが組み込まれたpBluescript
を大腸菌JM109(東洋紡社製)に遺伝子導入し、ア
ンピシリン(Sigma社製)を50μg/ml含むL
−Broth(宝酒造社製)半固型培地のプレートに蒔
き、12時間程度37℃に放置し、現れてきたコロニー
をランダムに選択し、cDNAが組み込まれていること
を制限酵素EcoRI及びSalIにて消化して、21
0bpのcDNAが切れ出されてくることを確認し、確
認されたクローンについて、組み込まれているcDNA
の塩基配列をアプライドバイオシステム社の螢光シーク
エンサーにて決定した。その結果、未刺激のUT−7細
胞からはクローニングされたが、UT−7を巨核球に分
化させた場合にはクローニングされなかったチロシンキ
ナーゼ遺伝子断片を得た。この遺伝子断片は配列表の配
列番号3の2642番目から2812番目であった。
ロシンキナーゼ遺伝子の全長クローニング及びその解析 前述の方法にて分離精製された未刺激状態のUT−7細
胞のPoly(A)+RNAを用いてcDNAライブラ
リーを作成した。UT−7cDNAライブラリーの作成
にはpCDM8ベクターcDNAライブラリー作成キッ
ト(Invitrogen社製)を用い、添付の作成方
法に従って作成した。さらに、前述の方法に従ってヒト
胎盤よりPoly(A)+ RNAを精製し、cDNAラ
イブラリーを作成した。ヒト胎盤cDNAライブラリー
の作成にはλZAPcDNAライブラリー作成キット
(Stratagene社製)を用い、添付の作成方法
に従って作成した。
コロニーハイブリダイゼーションもしくはプラークハイ
ブリダイゼ−ションにて全長cDNAを持ったクローン
の検索を5×105 相当のコロニーもしくはプラークか
ら行った。出現したコロニーもしくはプラークをナイロ
ンフィルター(Hybond N+:Amersham
社製)に転写し、転写したナイロンフィルターをアルカ
リ処理(1.5M NaCl、0.5M NaOHを染
み込ませたろ紙上に7分間放置)し、次いで中和処理
(1.5M NaCl、0.5M Tris−HCl
(pH7.2)、1mM EDTAを染み込ませたろ紙
上に3分間放置)を2回行い、次にSSPE溶液(0.
36M NaCl、0.02M りん酸ナトリウム(p
H7.7)、2mM EDTA)の2倍溶液中で5分間
振とう後洗浄し、風乾した。その後、0.4M NaO
Hを染み込ませたろ紙上に20分間放置し、5倍濃度の
SSPE溶液で5分間振とう後洗浄し、再度風乾した。
このフィルターを用いて放射性同位元素32Pにて標識さ
れたcDNAプローブにてスクリーニングを行った。
Aプローブは以下のように作成した。すなわち、新規チ
ロシンキナーゼの部分cDNAが組み込まれたpBlu
escriptより、SalIとEcoRIにてベクタ
ーより切り出し、低融点アガロースゲルからDNA断片
を精製回収した。得られたcDNA断片をDNAラベリ
ングキット(Megaprime DNA label
ing system:Amersham社製)を用い
て標識した。すなわち、DNA25ngにプライマー液
5μl及び脱イオン水を加えて全量を33μlとして沸
騰水浴を5分間行い、その後、dNTPを含む反応緩衝
液10μl、α−32P−dCTP5μl、及びT4DN
Aポリヌクレオチドキナーゼ溶液2μlを加えて、37
℃で10分間水浴し、更にその後、セファデックスカラ
ム(Quick Spin Column Sepha
dex G−50:ベーリンガーマンハイム社製)で精
製し、5分間沸騰水浴をしたのち、2分間氷冷後使用し
た。
々の成分の最終濃度が5倍濃度のSSPE溶液、5倍濃
度のデンハルト液(和光純薬社製)、0.5%SDS
(ドデシル硫酸ナトリウム)、及び10mg/mlの沸
騰水浴により変性したサケ精子DNAであるプレハイブ
リダイゼーション液中に浸し、65℃にて2時間振とう
したのち、前述の方法で32P標識されたプローブを含む
プレハイブリダイゼーション液と同一組成のハイブリダ
イゼーション液に浸し、65℃にて16時間振とうし、
ハイブリダイゼーションを行った。
SSPE溶液に浸し、65℃にて振とうし2回洗浄後、
さらに0.1%SDSを含む10倍希釈したSSPE溶
液に浸し、65℃にて4回洗浄した。洗浄を終了したフ
ィルターを増感スクリーンを使用して、オートラジオグ
ラフィーを行った。その結果、強く露光された部分のク
ローンを拾い、再度コロニー及びプラークを蒔き直し前
述の方法にてスクリーニングを行い、完全に単独のクロ
ーンを分離した。
ローンのうちインサートサイズの大きい2クローンを前
掲のManiatisらの実験書に掲載の方法に従いプ
ラスミドを精製し、制限酵素XhoIにて消化し、低融
点アガロース電気泳動にてcDNAを精製し、pBlu
escriptに組み込んだ。組み込まれたcDNAの
サイズはおよそ3.0kbp及び1.6kbpであっ
た。また、ヒト胎盤ライブラリーから分離されたクロー
ンのうちインサートサイズの大きい2クローンをMan
iatisらの実験書に掲載の方法に従いファージDN
Aを精製し、制限酵素EcoRIにて消化し、同様にp
Bluescriptに組み込んだ。組み込まれたcD
NAのサイズはおよそ3.8kbp(clone2)及
び3.5kbp(clone9)であった。
子配列をファルマシア社ALFDNAシークエンサーお
よびファルマシア社ALFシークエンサー用ラベリング
キットを用い、添付の使用説明書に従い決定した。さら
に全長の塩基配列決定を行うため宝酒造株式会社キロシ
ークエンス用デリューションミュータント・キットを用
い、添付の使用説明書に従い、デリューションミュタン
トを作成し、cDNAの両方向についての塩基配列を決
定した。その結果、全長のcDNAがクローニングされ
ていないことが判明したため、さらにclone2の制
限酵素XhoIサイトから5’部分の約200bp(配
列表の配列番号3の484番から696番に当たる)を
用いて、市販のヒト胎児肝臓cDNAライブラリーλg
t11(Clontech社製)を同様な方法にてスク
リーニングした結果、XhoIサイトより5’方向のc
DNAを含むクローン(clone M1、配列表の配
列番号3の1番から1214番目に当たる)がクローニ
ングでき、遺伝子配列をシークエンスして、本発明の全
長cDNA遺伝子の塩基配列が決定された。
配列表の配列番号3に記載のDNAのXhoIサイトを
用いて上記のclone2とcloneM1のつなぎ、
ライブラリーのリンカーのEcoRIサイトを用いてp
BluescriptのEcoRIサイトにサブクロー
ニングして作製した。以下、本ベクターをpBSRTK
FULLと示す。以上のようにして作製した遺伝子の遺
伝子配列を配列表の配列番号3に示した。
子のノーザンブロッティングによるmRNAの発現 本新規リセプター型チロシンキナーゼのmRNAの発現
を調べるため、あらかじめmRNAが転写されているフ
ィルターである Clontech社 Human M
ultiple Tissue Northern B
lot 、Human Multiple Tissu
e Northern Blot II、Human
Fetal Multiple Tissue Nor
thern Blot並びに実施例1に示した方法にて
回収されたmRNAをアガロースゲル電気泳動し、Ze
ta−Prob(Bio−Rad社製)にトランスファ
ーして作成したフィルターを用い、pBSRTKFUL
Lを制限酵素SmaIにて消化して、1%のアガロース
ゲルで電気泳動を行い、746bpの断片(配列表の配
列番号3の610番目から1355番目)を切り出し、
GenecleanII(BIO101社製)を用いて
精製した遺伝子断片を前掲のDNAラベリングキット
(MegaPrime DNA labeling s
ystem:Amersham社製)にて前述の方法で
32P標識し発現を調べた。
盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、すい臓、脾臓、前立腺、
卵巣で発現が認められた。しかしながら、脳、胸腺、精
巣、小腸、大腸、末梢血リンパ球においては発現が認め
られなかった。また、ヒト胎児組織では心臓、肺、肝
臓、腎臓において発現が認められたが、脳においては発
現が認められなかった。
性白血病細胞株UT−7、ヒト慢性骨髄性白血病細胞株
K562(理化学研究所、細胞開発銀行より入手可能、
No.RCB0027)及びヒト急性巨核芽球性白血病
細胞株CMK(Blood 74:42,1989)に発現されており、
非血液細胞株では肝細胞ガン細胞株Hep3B(アメリ
カン・タイプ・カルチャー・コレクション(以下ATC
Cと示す)より入手可能、HB8064)及びヒト胎児
肺繊維芽細胞株MRC−5(理化学研究所、細胞開発銀
行より入手可能、No.RCB0211)に発現が認め
られた。さらに、UT−7、K562、CMKに於いて
はPMAによる細胞分化を起こさせるとその発現がほぼ
完全に認められなくなることが確認された。しかしなが
ら、ヒトさい帯血から樹立された細胞株KMT−2(理
化学研究所、細胞開発銀行より入手可能、No.RCB
0712),ヒト慢性骨髄性白血病細胞株KG1a(A
TCCより入手可能、CCL246.1)、急性リンパ
球性白血病細胞株MOLT−4(ATCCより入手可
能、CCL1582)に於いては発現が認められなかっ
た。以上のことから、この遺伝子は血液細胞が未分化の
状態において発現されており、血液細胞が分化すること
にともない、その発現が消失することが推察された。し
たがって、この新規リセプター型チロシンキナーゼは血
液幹細胞の維持、巨核球分化に関連すると考えられた。
チド発現細胞株の作成 配列表の配列番号2に記載のポリペプチドをコードする
DNAおよびコダック社製IBI FLAGを用いて、
配列表の配列番号2のアミノ酸配列のC末端に8アミノ
酸、すなわちアミノ酸配列として Asp Tyr Lys Asp Asp
Asp Asp Lysを持つポリペプチド(FLAG、配列表の
配列番号13に記載)を付加したポリペプチドをコード
するDNAを、SRαのプロモターとネオマイシン耐性
遺伝子を含む発現ベクターpMKITneo(丸山ら、
91年度日本分子生物学会予稿集、東京医科歯科大学丸
山より入手可能)に各々別々につなぎ、発現ベクターを
作製した。
するポリペプチド発現細胞の発現ベクター作製にあたっ
て、配列表の配列番号3の3’非転写領域を除き制限酵
素EcoRIサイトを付加するため、5'-AACTCGAGATCTC
TGCTGAGGACCTG-3'の配列であるオリゴDNA(プライマ
ー1、配列表の配列番号10に記載)、5'-AAGAATTCTCA
GTACTGCGGGGCCGGTC-3'の配列であるオリゴDNA(プラ
イマー2、配列表の配列番号11に記載)をプライマー
として用いて、pBSRTKFULLをテンプートとし
て用いてPCRを行った。およそ160bpのDNAが
増幅されていることをアガロースゲル電気泳動で確認
後、このPCR産物を参考例5記載の方法にて精製し
て、制限酵素XhoI及びEcoRIにて処理し、同様
に処理したpBluescriptにNew Engl
and Bio Lab社製T4 DNAリガーゼにて
この精製した遺伝子をつないでサブクローニングした。
その後、4クローンのコロニーからプラスミドDNAを
精製して、シークエンスをして遺伝子配列を確認し、遺
伝子配列に誤りがなく目的の遺伝子配列、すなわち配列
表の配列番号3のDNA配列の3230番から3373
番の配列を持ったフラグメントであることを確認した。
以下、本フラグメントを有するベクターをpBSF1と
する。
ター型チロシンキナーゼ全長アミノ酸配列のポリペプチ
ドのC末端に8アミノ酸、すなわちアミノ酸配列として
AspTyr Lys Asp Asp Asp Asp Lysを持つポリペプチド
(FLAG、配列表の配列番号13に記載)を付加した
ポリペプチドをコードする遺伝子配列を持つ発現ベクタ
ーの作製にあたって、同様な方法で上記のプライマー
1、5'-GGGAATTCATTTATCATCATCATCTTTATAATCGTACTGCGGG
GCCGGTCCTCCTGT-3' の配列であるオリゴDNA(プライ
マー3、配列表の配列番号12に記載)をプライマーと
してPCRを行い、pBluescriptにサブクロ
ーニングして、4クローンをシークエンスし、遺伝子配
列を確認して、目的の遺伝子配列、すなわち配列表の配
列番号3のDNA配列の3230番から3370番の配
列の3’端に5'-GATTATAAAGATGATGATGATAAATGA-3' (配
列表の配列番号13に記載)がつながった配列を有する
フラグメントであることを確認した。以下、本フラグメ
ントを有するベクターをpBSF2とする。
amHI(宝酒造社製)で消化し、上記と同様な方法で
精製したおよそ3kbpの遺伝子断片、すなわち配列表
の配列番号3のDNA配列の384番から4290番の
配列を有する遺伝子の3’末端にλZAPcDNAライ
ブラリー作製に使用したリンカー、すなわち宝酒造社製
EcoRI−NotI−BamHI Adaptorの
BamHI部分がつながった配列を有するDNA断片
を、同様にBamHIで消化後脱りん酸化処理を行った
pUC19(宝酒造社製)にT4 DNAリガーゼでつ
なぎ、サブクローニングした。遺伝子の方向は配列表の
配列番号3のDNA配列の5’方向のBamHIの部分
がpUC19のマルチクローニングサイトのSalI側
にあり、3’方向がEcoRI側にあることを確認され
たクローンを選択した。以下、このベクターをpUCR
TKFULLとする。
ULLを制限酵素SalIとBglIIにて消化し、ア
ガロースゲル電気泳動にておよそ3kbpのフラグメン
ト、すなわち配列表の配列番号3のDNA配列の384
番から3230番の配列の5’末端の先にpUC19の
制限酵素サイトのSalIからBamHIまでの部分が
つながったフラグメントを切り出し、前述の方法で精製
した。この遺伝子断片をF3とする。同様に、pBSF
1及びpBSF2ついて制限酵素SalI及びBglI
I消化を行い、マルチクローニングサイトのSalIサ
イトからベクター中のフラグメントのBglIIサイト
の部分およそ30bpの遺伝子断片を除いた遺伝子断片
を上記の方法にて精製した。これらの遺伝子断片を各々
F1,F2とする。そして、F1とF3、F2とF3を
各々前述の方法でつなぎ、制限酵素SalI及びNot
Iで配列表の配列番号3のポリペプチドをコードする部
分の遺伝子断片が切り出されるベクターpBSFULL
1及び制限酵素SalI及びNotIで配列表の配列番
号2のポリペプチドのC末端にFLAGアミノ酸配列を
有するポリペプチドをコードする部分に対応する遺伝子
断片が切り出されるベクターpBSFULL2を作製し
た。
FULL1、pBSFULL2を制限酵素SalI、N
otI、PvuIにて消化し、電気泳動にておよそ3k
bpの遺伝子断片、すなわち新規リセプター型チロシン
キナーゼのアミノ酸配列をコードする遺伝子断片部分を
含む遺伝子断片を分離し精製した。この2種の遺伝子断
片を前掲のpMKITneoを制限酵素SalI及びN
otI処理して、スタッファー部分を除いたものにT4
DNAリガーゼにてつなぎ、新規リセプター型チロシ
ンキナーゼの発現ベクターを構築した。以上のように作
製されたFLAG配列を含まないベクターをpMKFU
LL、FLAG配列を含むベクターをpMKFULLF
LAGとする。
cell line Ba/F3(理化学研究所、細
胞開発銀行より入手可能、No.RCB0805)及び
マウス繊維芽細胞Balb/3T3 clone A3
1(理化学研究所、細胞開発銀行より入手可能、No.
RCB0005)に行った。遺伝子導入前の細胞の培養
はBa/F3はRPMI1640(GIBCO−BRL
社製)、10%FCS、100μg/mlマウスIL−
3(Intergen社製)で培養し、Balb/3T
3はD−MEM(ダルベッコ改編MEM培地、GIBC
O−BRL社製)10%FCSにて培養した。
社製)にて消化して、直鎖型にしてから遺伝子導入し
た。Ba/F3での遺伝子導入細胞株の作製は次のよう
に行った。すなわち、前日に細胞の培地を交換し、細胞
数を5×105 cells/mlにして一晩培養した。
翌日、遠心分離にて細胞を沈澱させ、PBS(−)にて
2回遠心洗浄後、1mM MgCl2 、PBS(−)に
1×107 cells/mlとなるようにして細胞を調
製した。遺伝子導入はBio−Rad社製遺伝子導入装
置ジーンパルサー用いたエレクトロポレーション法で行
った。上記の細胞懸濁液を500μlエレクトロポレー
ション専用セル(0.4mm)に取り、発現ベクターを
20μg加え、氷中で5分間放置する。その後、1回目
は25μF,600Vの条件で電圧をかけ、1分間室温
で放置後、更に2回目は960μF、250Vの条件で
電圧をかけた。その後、氷中で5分間放置後、直径10
cm細胞培養用ディシュで上記の培地10mlで一晩培
養を行った。翌日、遠心にて上記の培地にG418(S
igma社製)を1mg/mlとなるように加えた培地
の20mlに懸濁し、24穴細胞培養プレートに1ml
分けて培養した。1mg/mlのG418入りの同様な
培地を用いて2日おきに半量の培地を交換して培養を1
0日間程度ほど行い、細胞が増殖してきたウエルから細
胞を培地量10mlで細胞濃度1×106 cells/
ml程度まで増やした後、細胞濃度が0.02から0.
05cells/mlになるよう96穴プレートに限外
希釈して培養し、クローニングをおこない、クローン化
された遺伝子の安定発現する細胞を得た。以降は、この
ようにして作製されたBa/F3に遺伝子導入し、配列
表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含有すポリペプ
チドを安定発現する細胞株をBa/F3/FULLと示
し、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含有す
るポリペプチドのC末端にFLAGアミノ酸配列を有す
るポリペプチド安定発現細胞株をBa/F3/FULL
FLAGと示す。また、同時に同じ方法でpMKITn
eoそのものを遺伝子導入したコントロールの形質転換
細胞株を作製しこれをBa/F3/CONと示す。
作製は次のように行った。すなわち、前日に細胞の培地
を交換し、細胞数を直径10cmの細胞培養用ディッシ
ュあたり5×106 個にして10mlの上記培地を加え
一晩培養した。翌日、遠心分離にて細胞を沈澱させ、P
BS(−)にて2回遠心洗浄後、1mM MgCl2、
PBS(−)に1×107 cells/mlとなるよう
にして細胞を調製した。遺伝子導入はBio−Rad社
製遺伝子導入装置用いたエレクトロポレーション法で行
った。上記の細胞懸濁液500μlをエレクトロポレー
ション専用セル(0.4mm)に取り、発現ベクターを
20μg加え、氷中で5分間放置する。その後、あいだ
を1分間室温で放置して、2回の3μF、450Vの電
圧をかけた。その後、氷中で5分間放置後、直径10c
m細胞培養用ディッシュで上記の培地10mlで3日間
培養を行った。3日後、上記の培地にG418(Sig
ma社製)を400μg/mlとなるように加えた培地
に交換し、その後2日おきに培地の1/3を交換して1
0日間ほど培養を続けた。10日後、ディッシュ上に形
成されたコロニーをトリプシン溶液(GIBCO−BR
L社製)を使ってはがし、クローン化された遺伝子の安
定発現細胞株を得た。以降は、このようにして作製され
たBalb/3T3の配列表の配列番号2に記載のアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチドの安定発現細胞株をB
alb/FULLと示し、配列表の配列番号2に記載の
アミノ酸配列を含有するポリペプチドのC末端にFLA
Gアミノ酸配列を有するポリペプチドの安定発現細胞株
をBalb/FULLFLAGと示す。また、同時に同
じ方法でpMKITneoそのものを遺伝子導入したコ
ントロールの形質転換細胞株を作製しこれをBalb/
CONと示す。
の細胞外部分、つまり配列表の配列番号1に記載のポリ
ペプチドを含有するポリペプチドを動物細胞に産生させ
る発現ベクターを構築した。すなわち、配列表の配列番
号1の新規リセプター型チロシンキナーゼ細胞外部分ア
ミノ酸配列のポリペプチドのC末端に8アミノ酸、すな
わちアミノ酸配列として Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp
Lysを持つポリペプチド(FLAG配列表の配列番号1
3に記載)を付加したポリペプチドをコードする遺伝子
配列を持つ発現ベクターの作製にあたって、全長の場合
と同様な方法で、5'-CGGAATTCGTGCGGTTCCTGAAGACGTCAG-
3'の配列であるオリゴDNA(プライマー4、配列表の
配列番号14に記載)、5'-GGGAATTCATTTATCATCATCATCT
TTATAATCCTGCTCCCGCCAGCCCTCGCTCTCA-3'の配列であるオ
リゴDNA(プライマー5、配列表の配列番号15に記
載)をプライマーとして、配列表の配列番号3の遺伝子
を含むpBluescriptをテンプートとして用い
てPCRを行った。およそ150bpのDNAが増幅さ
れていることをアガロースゲル電気泳動で確認後、この
PCR産物を参考例5記載の方法にて精製して、制限酵
素EcoRIにて消化し、同様の制限酵素処理をし、末
端の脱りん酸処理したpBluescriptにNew
England Bio Lab 社製T4 DNA
リガーゼにて遺伝子をつないでサブクローニングした。
その後、10クローンのコロニーからプラスミドDNA
を精製して、シークエンスをして遺伝子配列を確認し、
遺伝子配列に誤りがなく目的の遺伝子配列、すなわち配
列表の配列番号3のDNA配列の1853番から202
0番の配列の3’端に5'-GATTATAAAGATGATGATGATAAATGA
-3' (配列表の配列番号13に記載)がつながった配列
を有するフラグメントであることを確認した。また、p
Bluescriptつながった遺伝子断片の方向は遺
伝子配列確認の際に、配列表の配列番号3に示す配列の
5’末端部分の上流にpBluescriptのマルチ
クローニングサイトのSalIサイト、また、3’のF
LAG配列をコードする遺伝子配列の下流にNotIサ
イトが来るようにつながったクローンを選びだした。以
下、本ベクターをpBSF4とする。
限酵素SalI及びAatII(東洋紡社製)にて消化
し、上記の方法でおよそ1.6kbpの遺伝子断片を精
製した。本遺伝子断片は配列表の配列番号3のDNA配
列の384番から1852番までの配列を含む。同様
に、pBSF3を制限酵素SalI及びAatIIで消
化し、上記の方法でおよそ3.2kbpの遺伝子断片を
精製した。この2つの遺伝子断片をつなぎ作製されたベ
クターを、更に制限酵素SalI及びNotIにて消化
して上記の発現ベクターpMKITneoにつないで、
配列表の配列番号1のアミノ酸配列のC末端にFLAG
配列を有するポリペプチドを産生しうるベクターを作製
した。この発現ベクターをpMKEXFLAGとする。
のアミノ酸配列を有するポリペプチドのC末端にヒトイ
ムノグロブリンIgG1のヒンジ部分以下のFc部分の
アミノ酸配列を有するポリペプチドを産生しうるベクタ
ーは以下のように作製した。すなわち、配列表の配列番
号1の新規リセプター型チロシンキナーゼ細胞外部分ア
ミノ酸配列のポリペプチドのC末端にヒトIgGのヒン
ジ部分以下のFc部分のアミノ酸配列を付加したポリペ
プチドをコードする遺伝子配列を持つ発現ベクターの作
製にあたって、上記の場合と同様な方法で、プライマー
4、5'-AAGGATCCTGCTCCCGCCAGCCCTCGCTCTCA-3'の配列で
あるオリゴDNA(プライマー6、配列表の配列番号1
6に記載)をプライマーとして、配列表の配列番号3の
遺伝子を含むpBluescriptをテンプートとし
て用いてPCRを行った。およそ150bpのDNAが
増幅されていることをアガロースゲル電気泳動で確認
後、このPCR産物を参考例5記載の方法にて精製し
て、制限酵素EcoRI及びBamHIにて消化し、同
様の制限酵素処理をしたpBluescriptにNe
w England Bio Lab社製T4 DNA
リガーゼにて遺伝子をつないでサブクローニングした。
その後、得られた10クローンのコロニーからプラスミ
ドDNAを精製して、シークエンスをして遺伝子配列を
確認した結果、遺伝子配列に誤りがなく目的の遺伝子配
列、すなわち配列表の配列番号3のDNA配列の185
3番から2020番の配列を有するフラグメントである
ことを確認した。以下、このベクターをpBSF5とす
る。
融合タンパクの作製はZettlmeisslらの方法
(Zettlmeissl et al.,DNA cell Biol.,9,347-354,199
0)にしたがって、イントロンを含むゲノムDNAを用
いた遺伝子を利用し、その遺伝子をPCR法を用いて作
製した。すなわち、ヒトゲノムDNAをテンプレートと
して使用して、ヒトIgG1Fc部分をコードする遺伝
子配列を制限酵素BamHIサイトのついた5'-AACCATC
CCCGAGGGTGTCTGCTGGAAGCCAGGCTCA-3' の配列を有するオ
リゴDNA(プライマー7、配列表の配列番号17に記
載)、制限酵素XbaIサイトのついた5'-CCTCTAGAGTC
GCGGCCGTCGCACTCATTTACC-3' の配列を有するオリゴDN
A(プライマー8、配列表の配列番号18に記載)をプ
ライマーとして用いてPCRを行い、およそ1.4kb
pのバンドを精製し、制限酵素BamHI及びXbaI
(宝酒造社製)で処理をして、同様の制限酵素処理をし
たpBluescriptにNew England
Bio Lab社製T4 DNA ligaseにて遺
伝子をつないでサブクローニングした。その後、プラス
ミドDNAを精製して、シークエンスをして遺伝子配列
を確認し、遺伝子配列が確かにヒトIgG1のヘビーチ
ェーンのヒンジ部分にあたるゲノムDNAであることを
確認した(その配列はKabat et al.,Sequence of Immun
ological Interest, NIH publication No91-3242, 1991
を参照のこと)。以下、このベクターをpBShIgF
cとする。
mHI及びEcoRIにて消化し、上記の方法にておよ
そ150bpの遺伝子断片を精製し、ついで上記のベク
ターpBShIgFcを制限酵素BamHI及びEco
RIにて消化し、上記の方法にておよそ4.4kbpの
遺伝子断片を精製し、この両者をNew Englan
d Bio Lab社製T4 DNAリガーゼにて遺伝
子をつなぎ、次にこのように作製されたベクターを制限
酵素SalI及びAatIIで消化し、上記の方法でお
よそ4.4kbpの遺伝子断片を精製した。また同時
に、上記のベクターpUCRTKFULLを制限酵素S
alI及びAatIIで消化し、上記の方法でおよそ
1.6kbpの遺伝子断片を精製した。この2つの遺伝
子断片をつなぎ作製されたベクターを、更に制限酵素S
alI及びNotIにて消化して上記の発現ベクターp
MKITneoにつないで、配列表の配列番号1のアミ
ノ酸配列のC末端にヒトIgG1Fcのアミノ酸配列を
有するポリペプチド産生ベクターを作製した。この発現
ベクターをpMKEXIgとする。
MKEXIgの遺伝子導入はCOS−7(理化学研究
所、細胞開発銀行から入手可能、RCB0539)にて
行った。COS−7の培養法並びに遺伝子導入方法はB
alb/3T3と同様に行い、遺伝子を導入した細胞を
得た。遺伝子導入の翌日、細胞の培養上清無血清のD−
MEM(GIBCO−BRL社製)を4日間おきに交換
し、2週間にわたって培養上清を分取した。分取した培
養上清を各々セントリコン30(アミコン社製)にてバ
ッファーを培地からPBS(−)に交換及び10倍に濃
縮した。
リペプチドを含有するポリペプチドが産生されているこ
とを確認するため、以下のようにウエスタンブロットに
て確認した。すなわち、濃縮した培養上清をACIジャ
パン社製のSDS−PAGE用電気泳動槽及びSDS−
PAGE用ポリアクリルアミドゲル(グラディエントゲ
ル5〜10%)を用い、添付の取扱い説明書に従ってS
DS−PAGEをおこなった。サンプルは2ーメルカプ
トエタノール(2−ME)を加え過熱処理した還元条件
下のサンプルと、その処理を行わなかった非還元条件下
のサンプルについて行い、マーカーとしてはAmers
ham社製レインボーマーカー(高分子量用)を用い、
サンプルバッファー、泳動バッファーについては添付の
取扱い説明書に従って作製した。SDS−PAGE終了
後、アクリルアミドゲルをPVDFメンブランフィルタ
ー(BioRad社製)にBioRad社製ミニトラン
スブロットセルにより転写した。
SA(Sigma社製)、TBS−T(20mM Tr
is、137mM NaCl(pH7.6)、0.1%
Tweem 20)に4℃一晩揺すりながらブロッキン
グした。目的のタンパク質がFLAGキメラの場合は一
次抗体としてマウスモノクローナル抗体Anti−FL
AG M2(コダック社製)、二次抗体としてペルオキ
シダーゼ標識抗マウスIg羊抗体(Amersham社
製)を反応させた。また、IgGキメラの場合は、ペル
オキシダーゼ標識抗ヒトIg羊抗体(Amersham
社製)を反応させた。抗体の反応時間は各々室温で一時
間反応させ、各反応間はTBS−Tにて10分間室温で
揺すり洗浄する操作を3回づつ繰り返した。最後の洗浄
後、フィルターをAmersham社製ECLウエスタ
ンブロッティング検出システムの反応液に五分間浸し、
サランラップに包んでX線フィルムに感光させた。その
結果、FLAGキメラではいずれの場合もおよそ80k
ダルトン程度のタンパクが、また、IgGキメラでは2
−ME処理の場合は110kダルトン、未処理の場合は
220kダルトンの蛋白が検出できた。以上の結果か
ら、目的の配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を
含有するポリペプチド産生細胞を得ることが出来た。細
胞外部分はアミノ酸組成から予想される分子量よりとも
におよそ20キロダルトン大きく、糖鎖付加されている
と予想された。
外部分蛋白の精製 参考例8に記載のベクターpMKEXFLAG及びpM
KEXIgを用いて作製された細胞培養上清を各々5リ
ットル作製した。これらの培養上清をコダック社製An
ti−FLAG M2 Affinity Gelカラ
ムおよびファルマシア社製protein G セファ
ロースカラムもしくはProteinA セファロース
カラム通して、各々のタンパクをカラムに吸着させた。
カラムのサイズは共に1cm×3cmで容積はおよそ2
mlであり、流速は全て1ml/min.で行った。吸
着後、カラムをPBS(−)20mlで洗浄し、その
後、0.5MTrisーグリシン(pH3.0)で溶出
した。溶出画分を2mlずつ分取し、0.5MTris
−HCl(pH9.5)200μlづつ加えて、各々の
画分を上記の方法でSDS−PAGEを行った。泳動が
終わった後、和光純薬社製銀染キットワコーIIで添付
の説明書に従い染色した。その結果、FLAGキメラ、
IgGFcキメラとも参考例8に記載したウエスタンブ
ロットの結果と同様大きさのバンドに精製タンパクが得
られていることが確認できた。この結果から、配列表の
配列番号1記載のポリペプチドを純品で得ることが出来
た。より高純度なポリペプチドを得るために、上記の方
法で精製されたFLAGキメラ、IgGFcキメラタン
パクを各々のゲル濾過にて精製を行った。アフィニティ
ーカラムからの溶離液をアミコン社製セントリコン30
にて濃縮及びPBS(−)へのバッファー交換を行い、
ゲル濾過はファルマシア社製FPLCシステムを用い、
同社のSuperose12カラムにて行った。実施例
8の2−MEなしの条件のウエスタンブロット結果と同
様の分子量の位置に溶離されるメインピークを分取し
た。以下、このように精製された配列表の配列番号1に
記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドとFLAGも
しくはIgGFcとのキメラタンパクを各々EXFLA
G−PTN、EXIg−PTNと示す。
認識するモノクローナル抗体の樹立及び新規リセプター
型チロシンキナーゼの発現の確認 上記のように精製されたEXFLAG−PTNを免疫原
として、成書の方法に従いマウスモノクローナル抗体を
作成した。免疫は3回行い、1回に1匹あたり30μg
を免疫し、3回目の免疫前に採血を行い、血清を分取し
て、免疫したEXFLAG−PTNを用いた抗体価の測
定を行い、スクリーニングの際には細胞培養上清がEX
FLAG−PTN、EXIg−PTNを共に認識するウ
エルからクローニングを行った。その結果、マウスモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマが樹立され
た。
抗体を用いて、UT−7、MRC−5、および上記の形
質転換細胞株Ba/F3/FULL、Ba/F3/FU
LLFLAG、Balb/FULL及びBalb/FU
LLFLAGをコールター社製フローサイトメーターE
PICSエリートにて細胞表面の抗原解析を行った。抗
体による染色は成書の方法に従って行った。1次抗体と
してハイブリドーマ培養上清からファルマシア社製Ma
btrapGIIを用い、添付の説明書に従って精製し
た抗体を用い、2次抗体としてベクトンデッキンソン社
製ヤギ抗マウスIgFITC標識で行った。その結果、
UT−7、MRC−5及び新規リセプター型チロシンキ
ナーゼ遺伝子を導入した細胞が上記のモノクローナル抗
体により染色されることが確認された。
/FULLFLAG、Balb/FULL及びBalb
/FULLFLAGの細胞破砕物を用いて同モノクロー
ナル抗体によるウェスタンブロットを行った。細胞破砕
物の調整は以下のように行った。2×106 個の細胞を
セルリシスバッファー(50mM Hepes(pH
7.5)、1% TritonX100、10% グリ
セロール、10mM Na 4 P4 O7 、100mM N
aF、4mM EDTA、2mM Na3 VO4 、50
μg/ml Aprotinin、100μM Ler
peptin、25μM PepstatinA、1m
M PMSF)200μlに懸濁し、氷中に20分間放
置し、その後14000rpmで20分間遠心し上清を
取り細胞破砕物を得た。このようにして得た各種細胞破
砕物を同マウスモノクローナル抗体を用いて、参考例8
に記載の方法でウェスタンブロットを行った。その結
果、130キロダルトンのバンドを特異的に認識するこ
とが確認できた。以上の結果から新規リセプター型チロ
シンキナーゼを認識するモノクローナル抗体を樹立し、
なおかつ配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含
有するポリペプチド産生細胞株が確かに作製されている
ことを確認した。
製 上記の方法で精製した配列表の配列番号1に記載のアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチド2種、つまりFLA
G、及びIgGFcキメラタンパクを用いて、リガンド
を発現している細胞の同定をバイオセンサーBIAco
re(ファルマシア社製)にて行った。
は以下のように行った。細胞の名前、細胞の種類、細胞
増殖継代時の培地、細胞の入手先については表1にまと
めた。細胞の培養は表1に示すように各々の細胞に対応
した培地で培養し、付着細胞の場合はコーニング社製の
Tー225フラスコにコンフルエントになった時点で、
血清を含まないIMDM(GIBCO−BRL社製)、
10ng/mlPMAを含むIMDM、100U/ml
ヒトTNFを含むIMDMに交換し、4日間培養して培
養上清を回収した。付着細胞の場合は細胞濃度5×10
5 cells/mlとなるように上記の条件で4日間培
養し培養上清を回収した。回収した培養上清はアミコン
社製セントリプレップ10で濃縮して、溶液交換し、最
終的にファルマシア社製BIAcore用HBSバッフ
ァーに溶液交換濃縮倍率40倍から200倍としてサン
プルを得た。
細胞培養上清のスクリーニング BIAcoreのセンサーチップには参考例9に記載の
方法で作製、精製されたEXIg−PTN及びEXFL
AG−PTNを100μg/mlの濃度に10mM酢酸
ナトリウムバッファー(pH4.0)にて調製し、活性
化されたBIAcoreセンサーチップCM Cent
ified(ファルマシア社製)に添付の取扱い説明書
の方法にしたがってアミノカップリングにて結合させ
た。インジェクション量は50μlで2回行い、結合後
エタノールアミンでブロッキングして、ベースラインが
安定するまで、HBSバッファーで洗浄した。流速は以
下のサンプルの測定を含め全て5μl/minで行っ
た。結合前と結合後のBinding Activit
y(RU、Response Units)はおよそ1
0000RU程度であった。
件は以下のように行った。上記のペプチドが結合したセ
ンサーチップに対しサンプル量30μl(6分間)で流
した。そのプロファイルの1例を図1に示す。RU値は
初めのベースラインの部分、サンプルが入ることによる
マストランスポート(ベースラインの上がり)を起こし
リガンドがリセプターに結合する部分、通常のHSBバ
ッファーに置換される部分において異なっている。図1
に矢印で示した2点の値、つまり初めのベースラインの
値(サンプル導入の30秒前の値。図1のAで示す)と
最終的にHSBバッファーに置き変わった直後値(つま
りサンプル導入後6分10秒後の値。図1のBで示す)
の2点の値の差を上昇値として、最終的なBindin
g Activityとした。1回サンプルを測定しお
わった毎に50mM酢酸ナトリウムを含む0.5MNa
Cl(pH4.0)を15μl流してセンサーチップを
洗浄した。
よび表3から解るように、EXIg−PTN及びEXF
LAG−PTNの両方にわたって高い値を示したリガン
ド発現細胞候補の代表的な細胞株としてはC−1細胞、
リガンドを発現していない細胞株としてはBT−20細
胞が明らかになった。
外蛋白を用いたリガンド発現細胞の同定 もし、リガンドが細胞膜上にも存在するならば、細胞を
参考例9で作製した新規リセプター型チロシンキナーゼ
の細胞外部分を含むポリペプチドでリガンド発現細胞は
染色されるはずである。そこで、参考例9に示したよう
に作製された配列表の配列番号1のアミノ酸配列を含有
するポリペプチドEXIg−PTNを用いて、リガンド
発現細胞の同定をフローサイトメーターにて行った。
た、C−1及び発現されていないと考えられたBT−2
0について、5×106 個の細胞を調製し、まず初めに
2%FCSを含むPBS(−)(以下PBS−Fと示
す)に懸濁して、遠心分離3000rpm、1分間の条
件で遠心分離し、洗浄した。そして、これらの細胞を正
常マウス血清(Cappel社製)をPBS−Fにて1
00倍希釈した溶液の50μlに懸濁して、氷中1時間
放置した後、上記の方法で1回洗浄し、次に参考例9で
作製されたEXIg−PTNを500ng/μlの濃度
でPBS−Fにて作製された溶液の50μlもしくはP
BS−Fの50μlに懸濁し氷中にて30分間放置し
た。その後、上記の方法で2回洗浄した後、FITC標
識抗ヒトIgG1(Binding Site社製)を
同様に反応させて、2回洗浄した後、最終的に200μ
lのPBS−Fに懸濁してフローサイトメーターにて解
析した。フローサイトメーターはコールター社製EPI
CSエリートを使用した。
は細胞数を示す。横軸は相対蛍光強度を示し、右に行く
ほど強くなる。この結果から、C−1についてはEXI
g−PTNを加えなかったコントロールに比べ蛍光ピー
クのシフト見られ、細胞表面上にもリガンドが存在する
ことが判った。また、BT−20については、このよう
なピークのシフトは認められないことから細胞膜上にリ
ガンドが発現されていないことが判った。以上の結果か
ら、少なくとも結腸癌由来細胞株C−1はリガンド候補
分子を細胞表面にも発現していることが判明した。
子導入細胞を用いた自己りん酸化アッセイ系によるリガ
ンド発現細胞の同定実施例2及び3の結果、リガンドを
発現していると考えられる細胞株の1つC−1細胞が結
合だけではなく参考例8に記載の形質転換細胞Ba/F
3/FULLFLAGの細胞膜表面上に発現されている
新規リセプター型チロシンキナーゼの自己りん酸化を引
き起こすかどうかについて調べるため以下の実験を行っ
た。
されたC−1細胞培養上清濃縮液、C−1細胞それ自
身、参考例10に記載のモノクローナル抗体作製時の抗
体価測定時採取されたマウス抗血清について、新規リセ
プター型チロシンキナーゼが反応して自己りん酸化され
得るかどうか調べた。りん酸化を行う前日に新しい培地
に交換し、細胞数5×105 cells/mlにしたB
a/F3/FULLFLAGを実験当日細胞数を5×1
06 個取り出して以下の5種の液500μlに懸濁し
て、20分間、37℃にてC02 インキュベーター中で
反応させた。
1640、10%FCS、100μg/mlマウスIL
−3)のみ、反応系2.C−1細胞5×106 個を反応
系1の培地で懸濁した懸濁液、反応系3.参考例10に
記載のマウス抗血清を反応系1の培地で100倍希釈し
た溶液、反応系4.参考例10に記載のマウス抗血清を
反応系1の培地で500倍希釈した溶液、反応系5.実
施例2に記載した方法で作製されたC−1細胞の細胞培
養上清をセントリプレップ10(アミコン社製)にて5
0倍濃縮し、反応系1の培地に溶液交換を行った溶液、
で行った。
じめ冷やしておいた2mMバナジン酸ナトリウム(Na
3 VO4 )を含むPBS(−)を1ml加え、4℃にて
3000rpm、1分間遠心して細胞を沈降させ、同様
の作業をさらにもう1度行った後、参考例10記載の方
法で細胞破砕溶液を得た。この細胞破砕溶液にKoda
k社製Anti−FLAG M2 Affinity
Gelを30μl加えて、沈澱を起こさないようにゆっ
くりと回転させながら、4℃にて反応させて、ゲル上に
FLAGアミノ酸配列を有する配列表の配列番号2のア
ミノ酸配列を有するポリペプチドを吸着させた。反応
後、4℃、5000rpmの条件で3分間遠心を行いゲ
ルを沈澱させて、ゲルを吸わないように上清を除いた
後、参考例10に記載のセルリシスバッファーを200
μl加えて懸濁した。更に同様に遠心操作、懸濁操作を
3度行い、ゲルの沈澱物を得た。以上と同様な実験をB
a/F3/FULLFLAGだけではなくBa/F3/
CONについても行って同様のゲル沈澱物を得た。
ウェスタンブロットを行った。ゲルの沈澱物30μlの
SDS−PAGEサンプルバッファーを加えて、2−M
E存在下で沸騰水浴5分行い、15μlを1つのレーン
に流してSDS−PAGEを行った。同一サンプルが転
写されたPVDFメンブランを2組作り、1組は目的の
FLAG配列を有する配列表の配列番号2番のアミノ酸
配列を有するポリペプチドが回収されていることを確認
し、もう一方ではチロシン残基のりん酸化の有無の判定
に用いた。この結果を図3に示す。A及びBは目的の配
列表の配列番号2のアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドBa/F3/FULLFLAGの結果で、C及びDは
それのコントロールであるBa/F3/CONの結果で
ある。抗体の染色はA及びCが抗りん酸化チロシン抗体
(UBI社製)で、B及びDはAnti−FLAGM2
(Kodak社製)によっておこなった。各レーンの番
号は上記の反応系の番号に対応する。矢印はFLAG配
列を有する配列表の配列番号2に記載のポリペプチドの
位置を示す。
しくはマウス抗血清の刺激によって新規リセプター型チ
ロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性を活性化させ、
自己のチロシン残基のりん酸化を引き起こすことが判明
した。しかしながら、培地のみではそのようなチロシン
残基のりん酸化は見られなかった。さらに、マウス抗血
清の濃度条件を変化させても、C−1細胞との共培養ほ
ど強くりん酸化されていないことから、ポリクローナル
抗体は本発明のリガンドと同等の作用を有するが、明ら
かに本発明のリガンドの方がより強く新規リセプター型
チロシンキナーゼの酵素活性を上昇させ、より強くチロ
シン残基のりん酸化を引き起こし、新規リセプター型チ
ロシンキナーゼを通した生理活性作用を細胞に及ぼすと
考えられた。
液ではチロシン残基の極めて弱いりん酸化しか引き起こ
さなかったが、実施例2のBIAcoreの結果ではリ
ガンドが細胞培養上清に存在することから、細胞培養上
清中のリガンド量が極めて少なく50倍濃縮程度の濃度
では十分に新規リセプター型チロシンキナーゼの細胞内
部分のチロシンキナーゼ活性を上昇させない、もしくは
細胞表面上の方では部分的に高濃度になり高い活性を有
すためかは不明であるが、結果的に極めて弱いチロシン
自己りん酸化しか引き起こさなかったと推定された。
清、FCS、細胞株としてはBT−20について行った
がチロシン残基のりん酸化は確認できなかったことか
ら、この反応は新規リセプター型チロシンキナーゼに対
する、C−1細胞上にある特異的なリガンドによる作用
によると考えられた。以上の実施例2、3及び4の結果
からリガンド発現細胞としてすくなくともC−1があげ
られ、またそのリガンドはその細胞培養上清、及び細胞
膜上に存在し、これらから精製できることが示された。
いたリガンドのアフィニティーカラムによる精製 実施例4までの結果から、結腸癌由来細胞株C−1がリ
セプター型チロシンキナーゼの新規なリガンドを確実に
発現していると考えられることから、その培養上清から
pEXIg−PTNを結合させたアフィニティーゲルカ
ラムを用いて精製することを試みた。
製されて最終的に540ml分取し、これをアミコン社
製セントリプレップ10で45mlにした濃縮液を用い
た。この濃縮液を実施例2に記載した方法にて測定した
BIAcoreの値は134RUであった。アフィニテ
ィーカラムの作製はファルマシア社製CNBr活性化S
epharose4Bにて添付の取扱い説明書に従い行
った。最終的に4.1mgのEXIg−PTNが3.5
mlのゲルに結合したアフィニティーゲルが作製でき
た。カップリング効率は99.6%であった。このゲル
の2mlを2cm2 ×1cmのサイズのカラムを作製し
た。このカラムに対し上記の細胞培養上清濃縮液を20
ml/hrの速度で流し、その後同一速度でPBS
(−)を15ml流して洗浄し、最終的に0.1M酢酸
ナトリウム、0.5MNaCl(PH4.0)にて溶出
した。この溶離液を1mlづつ分取し、各画分に1MT
ris−HCl(pH9.5)を200μlづつ加え
て、中和した。
分画された溶液を各画分をSDS−PAGEにて中に含
まれているタンパク分子の分子量の確認を行った。その
際のサンプルバッファーは2−MEを含まないものを用
い、加熱しない非還元条件で行い、ゲルは15〜20%
のグラディエントゲルを用いて行った。分子量マーカー
はファルマシア社製LMW Kit Eを用いた。電気
泳動終了後、和光純薬社製ワコー銀染キットIIを用い
て、添付の染色方法に従って銀染色を行った。その結果
を図4に示す。溶出液に入れ替わった直後から溶離され
てくるバンドが各種確認されたが、この中のバンドのど
れが目的のリガンドに当たるかは、この時点では不明で
あった。そのため、濃縮前、カラム素通り画分、洗浄
液、及び分画した溶離液(これについては5分の1希
釈)の各画分を、ミリポア社製ウルトラフリーC3LG
C(10Kカット)を用いて、HBSバッファーに溶液
交換し、再度BIAcoreで実施例2に記載の方法で
測定した。その結果を表4に示す。この結果から、配列
表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプ
チドを含むポリペプチドに結合するリガンドと考えられ
る化合物が確かにフラクション番号4の画分をピークと
して濃縮、精製されていることが確認できた。
リガンドのゲル濾過精製及び分子量の測定 次に、実施例5に示したアフィニティー精製されたピー
クのフラクション番号4の画分の300μlをミリポア
社製ウルトラフリーC3LGC(10Kカット)を用い
て、0.02%Tween20を含むPBS(−)に溶
液交換し、同時に6倍に濃縮し、ゲル濾過を行った。
perdex75HR10/30を使用し、分離バッフ
ァーは0.02%Tween20を含むPBS(−)を
使用した。流速は40μl/minの条件でおこなっ
た。サンプルの分離前にファルマシア社製分子量マーカ
測定キットLMW用にて溶離位置の分子量の測定をおこ
なったのち、上記のサンプルのゲル濾過を行い、1画分
20μlに分画した。
BSバッファーにて10培希釈し、BIAcoreの測
定を行った。ゲル濾過フラクションの214nmの吸収
光度の値変化を図5に示し、各フラクションのBIAc
oreの測定結果を図6に示す。この結果からフラクシ
ョン番号13及び14にピークおよびフラクション番号
21及び22にピークを持つ配列表の配列番号2のアミ
ノ酸配列を有すポリペプチドに結合するリガンドのピー
クが検出された。特に、後者のフラクション番号21及
び22にピークとするリセプター型チロシンキナーゼの
新規なリガンドの分子量は、前もって行った分子量マー
カーの結果から、ゲル濾過の結果より28000±20
00ダルトンと推定された。
リガンドのアフィニティーカラムを用いた再精製及び純
品作製 さらに、上記のゲル濾過の活性画分(フラクション番号
20から23)を回収して、再度実施例5に記載の方法
で配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含有する
ポリペプチドを用いたアフィニティーカラムにて精製し
た。カラムは小スケールのベットボリューム150μl
のものを用いて、自然落下にて溶出した。上記の活性画
分フラクション番号12から15を集め、上記の小スケ
ールカラムに流した。その後、150μlの0.02%
Tween20を含むPBS(−)を8回流して洗浄し
た後、150μlの0.1M酢酸ナトリウム、0.5M
NaCl(PH4.0)を4回流して各画分に分画して
溶出した。溶出液には1MTris−HCl(pH9.
5)を30μlづつ加えて中和した。
その純度を確かめるために、各画分をミリポア社製ウル
トラフリーC3LGC(10Kカット)を用いて10μ
lに濃縮後、各画分ごとにSDS−PAGEにて中に含
まれている物質の確認を行った。その際のサンプルバッ
ファーは2−MEを含まないものを用い、加熱しない非
還元条件で行い、ゲルは15〜20%のグラディエント
ゲルを用いて行った。分子量マーカーはファルマシア社
製LMW Kit Eを用いた。電気泳動終了後、和光
純薬社製ワコー銀染キットIIを用いて、添付の染色方
法に従って銀染色を行った。
0±1500ダルトンのバンドがフラクション番号1及
び2に単一物として精製されていることが確認された。
以上の結果から、これらの方法で本発明のリセプター型
チロシンキナーゼの新規なリガンドが精製できることが
示され、純品を得ることが出来た。実施例6のゲル濾過
の分子量の結果とSDS−PAGEの分子量の結果は一
致しないがゲル濾過はゲルとの相互作用などによりその
推定分子量が実際の物質と異なることがあるため、SD
S−PAGEの値である23500±1500ダルトン
が本発明のリセプター型チロシンキナーゼの新規なリガ
ンドの分子量と推察された。
リガンドの呈色反応 実施例7に記載の方法で精製されたリガンドの純品を、
実施例5に記載の方法で同様にSDS−PAGEをおこ
なった。このようにして新規なリガンドが泳動されたポ
リアクリルアミドゲルを、タンパク質の特異的な染色法
であるクマシーブリリアントブルー染色和光純薬社製ク
イックCCBキットを用いて、添付の実験方法に従って
染色を行ったところ、本発明のリガンドであるおよそ2
4000ダルトンのバンドが染色され、本発明のリガン
ドにはタンパク質が含まれていることが判明した。
ドゲルを糖鎖の特異的な染色法であるPAS染色にて検
出した。すなわち、リガンドが泳動されたポリアクリル
アミドゲルを12.5%のトリクロロ酢酸溶液に30分
間振とうしながら浸し、次に蒸留水にて同様に30秒間
振とうしながら浸し、ついで1%過ヨウ素酸を含む3%
酢酸溶液にて50分間振とうしながら浸した。その後、
蒸留水にてよく振とうして洗浄をおこなった。洗浄は1
回10分間で8回行った。洗浄後、暗所にてフクシン液
(1gの塩基性フクシン(和光純薬社製)を60℃に加
熱した200mlの蒸留水に溶かし、これに対して1g
の亜硫酸水素ナトリウム、20mlの1NHClを加え
て作製した。)に1時間程度浸して染色した。最後に
0.5%亜硫酸ナトリウム溶液にて10分間振とうして
洗浄し、更にこれを2回繰り返し、最終的に蒸留水中に
置きバンドの観察を行ったところ、PAS染色されてい
る赤色バンドが分子量およそ24000ダルトンに確認
できた。この結果から本発明のリガンドは糖を含むこと
が判明した。以上の2つの呈色反応の結果から、本発明
のリガンドは糖タンパク質を含む化合物であることが判
明した。
リガンドのN末端からのアミノ酸配列の決定 実施例7に記載した方法により精製した新規リガンドを
含む溶液を、プロスピン(アプライドバイオシステム社
製)にのせ、遠心後、専用のポンチでプロスピン中のP
VDFフィルターを取り出した。フィルターは、50%
メタノール水溶液、及び精製水でよく洗浄後、ペプチド
シークエンサー解析機にてN末端の配列を決定した。ペ
プチドシークエンサーは、アプライドバイオシステム社
のプロテイン・シークエンサーmodel492を使用
し、附属の取扱い説明書に従って解析を行った。
号19に記載したアミノ酸配列、すなわちN末端からLy
s-SerーIleーValーLeuーGluーProーIleーTyrーTrpーAsnーSerーSerー
AsnーーSer-Lys-Phe-Leu-Pro-Gly-Gln-Gly-Leu-Val-Leu-T
yr-Pro-Gln-Ile-Gly-Asp-Lys-Leu-Asp-Ile-Ile-XXX-Pro
-Lys-Val-Asp-XXX-Lys-Thr-Val-Gly-XXX-Tyrの配列を有
していることが示された。ただし、このアミノ酸配列に
はアミノ酸残基が決定できなかった残基が3つあり、こ
れらの残基については各々XXX と示した。この結果か
ら、本発明のリガンドは配列表の配列番号1のアミノ酸
配列を有すポリペプチドを含む化合物であることが示さ
れた。アミノ酸残基が不明である部分に関して、配列表
の配列番号19のアミノ酸配列の37番のアミノ酸残基
前後のアミノ酸配列が明瞭に判断できていることから、
ジスルフィド結合したシステイン残基、もしくは糖鎖な
どで修飾されたアミノ酸残基など、アミノ酸が何らかの
修飾を受けた結果アミノ酸配列が決定できなかったと考
えられる。
ローブの作成 実施例9で行ったN末端からのアミノ酸配列より、オリ
ゴヌクレオチド混合プライマーを用いたPCR法にてc
DNAプローブの作成を行った。すなわち、実施例1に
記載のPMAを含む条件で培養された該C−1細胞のm
RNAよりcDNAを作成し、実施例9の結果判明した
アミノ酸配列よりセンス及びアンチセンスの20mer
の混合プライマーを合成し、RT−PCRを行い、pB
luescriptにサブクローニングして、遺伝子配
列を決定し、その遺伝子がコードしているアミノ酸配列
と実施例9で決定されたアミノ酸配列を比較して、確か
にリガンドのアミノ酸配列の一部をコードしているcD
NAプローブであることを確認した。
ly(A)+ RNAの分離、精製は次のように行った。
実施例1の条件で培養したC−1細胞をセルスクレイパ
ー(コーニング社製)で剥し、PBS(−)で2回遠心
分離洗浄を行った。この細胞沈澱物の細胞数3×108
個を4Mグアニジン・イオシアネート、20mM酢酸ナ
トリウム(pH5.2)、0.1M DTT,0.5%
N−ラウリルサルコシルから構成される全RNA抽出溶
液20mlに懸濁させ、テルモ社製の20Gの針を通す
ことにより完全に溶解、分散させた。その後、5000
gで遠心分離を20分間行い、上清を回収した。次に、
上記の全RNA抽出溶液で全量を25mlとした後、
5.7M塩化セシウム、0.1M EDTA(pH8.
0)溶液の12mlを前もって入れておいた遠心分離チ
ューブに重層し、18℃にて25000回転で一晩遠心
分離した。
回収し、それにTES溶液(10mM Tris(pH
7.4)、5mM EDTA、1% SDS)の720
μlを加えて室温に10分間放置して溶解し、この溶液
を1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、溶液に
対して同体積のクロロフォルム/1−ブタノール(4:
1)を加えて良く撹拌し、15000回転、5分間遠心
分離し、上層を回収し同様の操作を更にもう1度繰り返
し、上層を回収した。
チューブに等量ずつ分注し、各々に3M酢酸ナトリウム
溶液(pH5.2)を30μl、エタノールを850μ
l加えて、−80℃に30分間放置後、4℃にて150
00回転で遠心分離を15分間行い、全RNAを沈澱さ
せた。更に同様に、全RNAを含む沈澱物を各々360
μlの滅菌蒸留水に溶かして、3M酢酸ナトリウム溶液
(pH5.2)を36μl、エタノールを1ml加え、
−80℃に30分間放置後、4℃にて15000回転で
遠心分離を15分間行い、再度全RNAを沈澱させて精
製した。このようにして得られた全RNAを70%エタ
ノールで洗浄し、風乾した後、各々100μlの滅菌蒸
留水に溶解し、260nmの吸光度にてRNA量を定量
した。この結果、2.4mgの全RNAが回収されてい
ることが確認された。次に、上記の方法で得られたC−
1細胞の全RNAからmRNA、すなわちPoly
(A)+ RNAの分離を行った。分離はファルマシア社
製のmRNA purification Kitを用
い、添付の説明書に従って、オリゴdTカラムによる精
製を行った。この結果、600μgの全RNAより15
μgのPoly(A)+ RNAが回収された。
(A)+ RNAをライフサイセンス社製First−s
trand cDNA Synthesis Kit
(宝酒造株式会社より購入)を用いて、添付の取扱い説
明書に従って、cDNAの合成を行った。すなわち、上
記のPoly(A)+ RNAの2μgを最終的に体積が
16μlになるように希釈し、これに対して本キットに
添付のオリゴdT(12−18)溶液(0.5μg/μ
l)もしくはランダムヘキサマー(100ng/μl)
を1μl加え、70℃に10分間放置し、次いで氷中に
10分間放置した。次に、キットに添付の5×緩衝液を
5μl、RNaseインヒビターであるRNasin溶
液を1μl、0.25M DTTを1μl、アビアンミ
エロブラストシスウイルス逆転写酵素(avian m
yeloblastosis virus rever
se transcriptase:25U/μl)溶
液を1μlを各々加え、41℃で60分間放置してcD
NAを合成した、その後72℃に10分間放置して酵素
を失活させ、これを次のPCRに用いた。
るcDNAプローブの作製の為のPCRは次のように行
った。すなわち、配列表の配列番号19に記載のリガン
ドのN末端からアミノ酸配列の5番目のロイシンから1
1番目のアスパラギンまでのアミノ酸配列、すなわちLe
uーGluーProーIleーTyrーTrpーAsn のアミノ酸配列をコードす
るcDNA配列のあらゆる可能性に対応した20mer
のオリゴヌクレオチド混合センスプライマー、すなわち
配列表の配列番号20に記載の配列(5'-(TC)T(ACGT)GA
(AG)CC(ACGT)AT(TCA)TA(TC)TGGAA-3',プライマー9)を
有す合成DNA、更にこのアミノ酸配列のC末端方向の
アミノ酸配列、すなわち配列表の配列番号19に記載の
アミノ酸配列の34番目のアスパラギン酸から41番目
のバリンまでのアミノ酸配列、すなわちAsp-Ile-Ile-XX
X-Pro-Lys-Val のアミノ酸配列に関して、アミノ酸配列
が不明であるXXX 部分については、実施例9に示したよ
うにリガンドが内部でジスルフィド結合しているシステ
イン残基であり、ペプチドシークエンサーで解析不能で
あったと予想されたため、Asp-Ile-Ile-Cys-Pro-Lys-Va
l のアミノ酸配列をコードするcDNA配列のあらゆる
可能性に対応した20merのオリゴヌクレオチド混合
アンチセンスプライマー、すなわち配列表の配列番号2
1に記載の配列(5'-AC(TC)TT(ACGT)GG(AG)CA(AGT)AT(A
GT)AT(AG)TC-3'、プライマー10)を有す合成DNAの
以上2種を参考例2に記載した方法に従って作製した。
行った。上記の方法で作製されたC−1のcDNA溶液
を2種混合し、この混合液の10μlを使用し、10倍
濃度緩衝液(500mM KCl、100mM Tri
s−HCl(pH8.3)、15mM MgCl2 、
0.01%ゼラチン)10μl、dNTP Mixtu
re(宝酒造社製)8μl、及びTaqDNAポリメラ
ーゼ(AmpliTaq:Perkin−Elmer社
製、5U/μl)0.5μlを加え、上記のプライマー
9及び10が最終濃度で10μMになるように加え、最
後に脱イオン水を加えて全量を100μlとして、95
℃で0.5分間、42℃で0.5分間、72℃を1分間
からなる行程を1サイクルとして、この行程を5サイク
ル行い、続いて、95℃で0.5分間、48℃で0.5
分間、72℃を1分間からなる行程を1サイクルとし
て、この行程を35サイクル行い、最後に72℃にて7
分間放置してPCRを行った。このPCR産物の一部を
3%アガロースゲル電気泳動を行い、エチジュウムブロ
マイド(日本ジーン社製)にて染色後、紫外線下で観察
し、約110bpのDNAが増幅されていることを確認
した。
ースにて作成した3%アガロースゲルにて電気泳動し、
エチジュウムブロマイドにて染色後、紫外線照射下にて
約110bpのバンドを切り出し、ゲルの3倍量のTE
溶液を加え、65℃にて10分間加熱し、ゲルを完全に
溶かしたのち、等量のTE飽和フェノール(日本ジーン
社製)を加えて、15000rpm5分間遠心分離後上
清を分離し、さらに同様な分離作業をTE飽和フェノー
ル:クロロフォルム(1:1)溶液、さらにクロロフォ
ルムにて行った。最終的に得られた溶液からDNAをエ
タノール沈澱して回収した。回収したDNAを宝酒造社
製のDNA Blunting Kitを用いて、添付
の取扱い説明書に従い、末端の平滑化を行い、次いで宝
酒造社製T4 Polynucleotide Kin
aseを用いて、同社発行の遺伝子工学製品ガイド(1
994ー1995年版)に記載の方法に従って、末端の
りん酸化を行った。
PCR産物を、前もって制限酵素EcoRV(宝酒造社
製)で消化し、末端を宝酒造社製Alkaline P
hosphatase(CIAP)にて、同社発行の遺
伝子工学製品ガイド(1994ー1995年版)に記載
の方法に従って末端の脱りん酸化したpBluescr
iptに宝酒造社製DNA Ligation Kit
Ver2を用いて、添付の取扱い説明書に従ってライ
ゲーションを行った。
M109(東洋紡社製)に遺伝子導入し、アンピシリン
を50μg/ml含むL−Broth(宝酒造社製)半
固型培地のプレートに蒔き、12時間程度37℃に放置
し、現れてきたコロニーをランダムに選択し、cDNA
が組み込まれていることをM13ユニバーサルプライマ
ー、リバースプライマー(これらのプライマーの配列な
どに付いてはストラタジーン社のpBleuscrip
tの取扱い説明書を参考にして参考例2に記載した方法
で作製した。)を用いたPCR法にて、インサートを含
まないpBluescriptより110bp大きなバ
ンドが確認されるクローンを選択した。確認されたクロ
ーンについて、組み込まれているcDNAの塩基配列を
アプライドバイオシステム社の螢光DNAシークエンサ
ーにて決定した。
NA配列の138番から204番の配列を有す遺伝子断
片を有しているPCR産物がクローニングされているこ
とが確認され、リガンドのアミノ酸配列の一部のアミノ
酸配列をコードしているcDNA断片のプローブが作製
された。そのDNAプローブの遺伝子配列を配列表の配
列番号22にそれがコードするアミノ酸配列と共に示
す。本DNA配列と配列表の配列番号7に記載のDNA
配列の118番から224番の配列とは5カ所異なって
いるが、これらはPCRプライマー由来のDNA配列部
分にあたり、PCRにより人工的に作製されたものに由
来すると考えられる。
成及びリガンドの全長cDNAクローニング並びにその
解析 実施例10で作製したcDNAプローブを用いて、リガ
ンドのアミノ酸配列の全長をコードするcDNAのクロ
ーニングを行った。まず初めに、実施例10で精製され
たPolyA+ RNAを用いて、C−1細胞のcDNA
ライブラリーを作製した。cDNAの作製はGIBCO
BRL社のSuper Script II RNa
seH- を使用した。実施例10で精製されたPoly
A+ RNAの2μgを最終的な体積が6μlとなるよう
に5mM Tris(pH7.5)で希釈し、65℃で
5分間放置し、次いで氷上に5分間放置後、次の溶液を
加えた。すなわち、上記のGIBCO BRL社のSu
per Script II RNaseH- に添付の
5×ReverseTranscriptase バッ
ファー(0.25M Tris−HCl(pH8.
3)、0.375M塩化カリウム、15mM塩化マグネ
シウム)を5μl、0.1M DTTを2.5μl、1
0mMdNTP溶液(ベーリンガーマンハイム社製の1
00mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP溶
液を等量混ぜ合わせて作製し、各々の最終濃度が10m
Mとなるように蒸留水で希釈して作製した溶液)を1.
5μl、プロメガ社製のRNaseインヒビター溶液を
1μl、GIBCO BRL社製の500μg/mlオ
リゴdT(12−18)溶液を2.5μl、滅菌蒸留水
を10.5μlを加えた。その後、10分間室温で放置
し、次にGIBCO BRL社のSuper Scri
pt II RNaseH- 酵素溶液を1μl加え、3
7℃で1時間放置した。そして、更に同酵素溶液を1μ
l加え、45℃で30分間放置し、次に氷中で20分間
放置した。以上の過程により一本鎖cDNAが作製され
た。
d−Strand反応用バッファー(180mM Tr
is−HCl(pH8.3)、906mM塩化カリウ
ム、46mM塩化マグネシウム)を20μl、0.1M
DTTを7.5μl、上記の10mMdNTP溶液を
3μl、滅菌蒸留水を134.4μlを各々加え、氷中
に5分間放置後、ファルマシア社製RNaseH(2u
nit/μl)を2μl、ファルマシア社製DNAポリ
メラーゼ(50unit/μl)を8.1μlを加え、
16℃に2時間半放置した。その後、フェノール/クロ
ロフォルム(1:1)溶液を200μl加え、良く混ぜ
合わせた後、15000回転で5分間遠心分離した後、
上層を回収し、さらにクロロフォルムを200μl加
え、同様に遠心分離し上層を回収した。次に、3M酢酸
ナトリウム溶液(pH5.2)を16.7μl、エタノ
ールを434μl加え、−80℃に30分間放置した
後、4℃、15000回転で15分間遠心分離し、2本
鎖になったC−1のcDNAを沈澱させた。その後、7
0%エタノールで洗浄した後、風乾し、滅菌蒸留水で1
/10に希釈したTEバッファー(日本ジーン社製)の
30μlに溶解した。
Blunting Kitを用いて、添付の取扱い説
明書に従い、末端の平滑化を行い、最終的に20μlの
TEバッファーに溶解した。このcDNAを用いて、ア
マシャム社製cDNAクローニングシステムλgt10
にて、添付の実験方法に従って、C−1細胞のλgt1
0cDNAライブラリーを作製した。最終的に作製され
たcDNAのタイターはホストとしてNM514(上記
キットに添付されている)使用して測定したところ、お
よそ1×108 pfu/μg polyA+ RNAであ
った。
リーを参考例6に記載した方法と同様の方法でプラーク
ハイブリダイゼーション法にてスクリーニングした。検
索したライブラリーのプラーク数は4×105 個で、ス
クリーニングに用いたプローブは配列表の配列番号22
に記載のDNA配列を有するDNAをPCR法にて作製
し、そのラベリング方法は同様に参考例6に記載したラ
ベリング方法で32Pラベルした。
ン分離された。クローン名はT2、T3、T5、T6と
命名した。各々クローンのファージDNAをMania
tisらの編集した前述の成書の方法に従い、精製し
た。これらの4種のDNAを制限酵素EcoRIにて消
化してアガロールゲル電気泳動にて、λgt10からリ
ガンドのcDNAのインサート部分を切り出し、アガロ
ールゲル電気泳動にてそのサイズを調べたところ、全て
のクローンとも3つのバンドが確認された。それらのお
およそのDNAのサイズは各々T2が300bp、50
0bp、1800bpで、T3が300bp、800b
p、4000bpで、T5が300bp、800bp、
1500bpで、T6が300bp、800bp、20
00bpであった。そこでこれらの12種のバンドをア
ガロースゲルから切り出して、前述の方法で精製し、前
もって制限酵素EcoRIにて消化し、末端の脱りん酸
化を行ったpBluescriptに前述の方法でライ
ゲーションし、大腸菌JM109に遺伝子導入した。こ
れらのクローンに各々の遺伝子断片がサブクローニング
されていることを確認後、プラスミドDNAを精製し
て、アプライドバイオシステム社製DNAシークエンサ
ーと同社の蛍光ラベリングキットを使用して遺伝子配列
を決定した。また、上記の300bp以上のサイズのD
NAについては各々制限酵素サイトのマッピングを行
い、その結果生じた遺伝子断片を上記の方法でサブクロ
ーニングを行うこと及び宝酒造社製のキロシーキエンス
用デリューションミュータント・キットを用い、添付の
取扱い説明書に従ってデリューションミュータント作製
することを組み合わせて両方向からの遺伝子配列を決定
した。
ら、上記のT2、T3、T5、T6の4クローンとも共
通であった約300bpの遺伝子断片は配列表の配列番
号7のDNA配列の135番から381番の部分にあた
る246bp遺伝子配列を有する遺伝子断片であること
が明らかとなった。したがって、ちょうどこれらの遺伝
子断片は配列表の配列番号7のDNA配列の135番か
ら140番及び376番から381番にある制限酵素E
coRIのサイトで切り出されたものであることが明ら
かになった。次に、T2の500bp、T3の800b
p、T5の800bp、T6の500bpの1方向にお
いて遺伝子配列に一致部分が見いだされ、さらにその一
致しなかった方向に関しては、ライブラリー作製に使用
したアマシャム社製cDNAクローニングシステムλg
t10のアダプターの配列が見いだされた。また、T2
の1800bp、T3の4000bp、T5の1500
bp、T6の2000bpにおいても同様に1方向にお
いて遺伝子配列に一致部分が見いだされ、さらにその一
致しなかった方向に関しては、ライブラリー作製に使用
したアマシャム社製cDNAクローニングシステムλg
t10のアダプターの配列が見いだされた。また、最も
大きな遺伝子断片T3の約4000bpの遺伝子断片に
ついては、そのアダプター配列に続きPolyAの配列
が見いだされた。
各々の遺伝子断片方向とつながり方をPCR法を用いた
方法及び上記のファージDNAの制限酵素サイトのマッ
ピング、さらにそれらの遺伝子配列を決定し、これらを
対比した結果、リガンドをコードしているcDNAは、
その5’方向には各々のクローンの約500〜800b
pの遺伝子断片が位置し、ついで約300bpの遺伝子
断片が、そして3’方向には残りの約1500〜400
0bpの遺伝子断片が位置していることが明らかになっ
た。上記のように並べたcDNA遺伝子配列をそれがコ
ードしているアミノ酸配列を配列表の配列番号19に記
載したリガンドのN末端アミノ酸配列を対比した結果、
該リガンドがタンパク質として翻訳された際のアミノ酸
配列は配列表の配列番号7に記載したアミノ酸配列であ
ることが明らかとなった。また、上記のクローンT3由
来のアミノ酸配列をコードしているcDNAの遺伝子配
列をその遺伝子配列がアミノ酸をコードしている部分及
びその前後の遺伝子配列を同様に配列表の配列番号7に
記載した。
記のクローンT3であるため、各々の制限酵素EcoR
IサイトにおいてcDNAの方向が合う形でつないで
(およそ5000bp)、pBluescriptのマ
ルチクローニングサイト上につないで作製したプラスミ
ドをpBS−LIG−FULLとし、配列表の配列番号
7に記載のDNA配列を有する遺伝子断片(およそ10
00bp)のみを同様にpBluescriptのマル
チクローニングサイト上につないで作製したプラスミド
をpBS−LIG−CODEとした。
のmRNA発現の解析本発明のリガンドをコードしてい
るmRNAの発現を調べるため、あらかじめmRNAが
転写されているフィルターであるClontech社
HumanMultiple Tissue Nort
hern Blot、HumanMultiple T
issue Northern Blot II、Hu
man Fetal Multiple Tissue
Northern Blotを用い、実施例11で分
離された配列表の配列番号7のDNA配列の138番か
ら381番の246bpの遺伝子断片、すなわちリガン
ドのアミノ酸配列をコードしている部分の制限酵素Ec
oRIで切り出されるおよそ300bpの遺伝子断片を
用いて、前述の方法にて32P標識してそのmRNAのサ
イズ、発現臓器を調べた。
00bであり、バンドは1種類しか確認されなかった。
また、発現臓器に関しては、ヒト成人組織のうち心臓、
脳、胎盤、肺、骨格筋、腎臓、脾臓、前立腺、精巣、卵
巣、小腸で発現が認められ、特に胎盤、肺、腎臓におい
て若干は強く発現が認められた。しかしながら、肝臓、
すい臓、胸腺、大腸、末梢血リンパ球においては発現が
極めて弱いか、もしくは発現が認められなかった。ま
た、ヒト胎児組織では心臓、脳、肺、腎臓において発現
が認められたが、肝臓においては発現が認められなかっ
た。
法でラットの臓器における発現をClontech社
Rat Multiple Tissue North
ern Blotを用いて調べたところ、mRNAのサ
イズはおよそ5000bであり、心臓、脳、脾臓、肺、
骨格筋、精巣に発現が認められ、特に肺において強い発
現が認められた。しかしながら、肝臓、腎臓においては
発現が認められなかった。これらの結果から、実施例1
1でクローニングされたcDNAのクローンT3はほぼ
全mRNAの遺伝子配列を含んでいると予想される。
作成 上記の配列表の配列番号7記載の遺伝子を用いて、リガ
ンドの発現ベクター並びにリガンドとのキメラタンパク
の発現ベクターを作製し、リガンドの遺伝子を発現させ
た。発現させた形態及び方法を1)〜5)に上げた。す
なわち、 1)配列表の配列番号7に記載したDNA配列、すなわ
ち全長のcDNAを、発現ベクターを用いて、動物細胞
に遺伝子導入してシグナルペプチドを含む膜結合型とし
て発現させ、最終的にシグナルペプチドを含まない形
態、すなわち配列表の配列番号6のアミノ酸配列を含有
する形態のリガンドとして細胞表面上に発現させ、最終
的に培養上清中に発現させる方法。
するため、配列表の配列番号7に記載のDNA配列の終
止コドンの前、すなわち配列表の配列番号7のDNA配
列の1029番のCと1030番のTの間に、配列表の
配列番号13のDNA配列を有するDNAが挿入された
遺伝子配列を有するDNAを、発現ベクターを用いて、
1)と同様に発現させ、細胞内部分のC末端に配列表の
配列番号13に記載のアミノ酸配列、すなわちFLAG
配列を有する形態を取るように発現させる方法。
列の31番から690番のDNA配列の3’末端に停止
コドンが挿入された遺伝子配列を有するDNA、すなわ
ち配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列の−25番
から195番のアミノ酸配列のみをコードするcDNA
を、発現ベクターを用いて、動物細胞に遺伝子導入し
て、シグナルペプチドを含む分泌型として発現させ、最
終的にシグナルペプチドを含まない形態、すなわち配列
表の配列番号5に記載のアミノ酸配列を含有する形態の
リガンドとして、培養上清中に発現させる方法。
列の31番から690番のDNA配列の3’末端に配列
表の配列番号13のDNA配列を有するDNA、次いで
停止コドンが挿入された遺伝子配列を有するDNA、す
なわち配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列の−2
5番から195番のアミノ酸配列のC末端に配列表の配
列番号13のアミノ酸配列が結合したアミノ酸配列をコ
ードするDNAを、発現ベクターを用いて、3)と同様
に発現させ、最終的にシグナルペプチドを含まない形
態、すなわち配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列
のC末端に配列表の配列番号13のアミノ酸配列、すな
わちFLAG配列を有する形態を取るリガンドとして、
培養上清中に発現させる方法。
列の31番から690番のDNA配列の3’末端に、参
考例8に示した方法で作製されたヒトIgGFc部分を
コードするゲノム遺伝子配列を有するDNAがつながっ
た配列を有するDNA、すなわち配列表の配列番号7に
記載のアミノ酸配列の−25番から195番のアミノ酸
配列コードするDNAとそのC末端にヒトIgG1のF
c部分のアミノ酸配列をイントロンを含む形態でコード
するDNAを、発現ベクターを用いて、3)と同様に発
現させ、最終的にシグナルペプチドを含まない形態、す
なわち配列表の配列番号5に記載のアミノ酸配列のC末
端にヒトIgG1のFc部分のアミノ酸配列を有する形
態で発現され、最終的にそのIgGFc部分のヒンジ領
域のシステイン残基がおこすジスルフィド結合により、
2量体を形成した形態を有するリガンドとして、培養上
清中に発現させる方法。これらの1)から5)の形態を
取り得る発現ベクター参考例8に示した発現ベクターp
MKITneoを用いて作製した。作製の詳細は参考例
8に示した方法と同様の方法に従い、PCR法等を用い
て作製した。作製された1)から5)の発現ベクターを
各々、1)はpMKLigFULL、2)はpMKLi
gFULLFLAG、3)はpMKLigEX、4)は
pMKLigEXFLAG、5)はpMKLigEXI
gとする。
ては該COS−7細胞及び該C−1細胞に行い、残りの
は該COS−7細胞のみで行い、その遺伝子導入法は参
考例8に示したエレクトロポレーション法で行い、その
他の培養条件等については参考例8に記載したCOS−
7細胞の条件で行った。1)に示した方法で作製された
C−1細胞を、遺伝子導入後、1日間10%FCS入り
の条件で培養し、その後無血清培地に置き換え、培養上
清を4日間おきに3回を分取した。同様操作を、リガン
ド遺伝子を含まない発現ベクターを用いて、遺伝子導入
を行い、コントロールとした。この様にして作製された
培養上清2種を、実施例1に記載の方法で10倍に濃縮
し、実施例2に記載した方法に従い、BIAcoreを
用いて、それらのBinding Activityを
EXIg−PTNの結合したチップで測定した。その結
果、コントロールではBinding Activit
yが結合活性が98RUであったが、リガンド遺伝子導
入サンプルでは310RUであった。
ら7に記載の方法と同様の方法でリガンドの精製を行っ
たところ、23500±1500ダルトンのリガンドが
精製された。精製されたリガンドの精製量は、ポリアク
リルアミド電気泳動ゲルの銀染色の結果から、視覚的に
確認したところ、リガンド遺伝子導入サンプルはコント
ロールに比べておよそ3倍程度であった。また、この様
に精製されたリガンドを、再度同様にBIAcoreに
てBinding Activityを測定したとこ
ろ、コントロールに比べておよそ3.5倍のBindi
ng Activityを有していることが明らかにな
った。この結果から、配列表の配列番号7の遺伝子導入
細胞株はリガンドをより効率的に産生することが出来る
ことが明らかになった。
培養上清分取、培養上清からのリガンドの精製をCOS
−7細胞にて行い、参考例8に記載した方法に従い、非
還元条件下でサンプルを調製し、SDS−PAGEを行
い、銀染色を行ってバンドの確認を行ったところ、コン
トロールでは23500±1500ダルトンのバンドは
確認されなかったが、遺伝子導入細胞上清中には235
00±1500ダルトンのバンドが同様に確認された。
この精製されたリガンドを実施例9に記載の方法でN末
端のアミノ酸配列を決定したところ、配列表の配列番号
4に記載したアミノ酸配列を有していた。これらの結果
から、リガンドを発現していない、もしくは発現の弱い
細胞株に配列表の配列番号7の遺伝子導入を行うことに
より、リガンドを産生させることが出来ることが明らか
になった。
導入を行ったCOS−7細胞を、FCS入り培地で4日
間培養後、参考例9に記載した方法で細胞の破砕物を得
て、参考例8に記載した方法に従い、還元条件下でサン
プルを調製し、SDS−PAGE及び抗FLAG抗体を
用いた抗体染色法にてウエスタンブロットを行い、上記
の2)に示したC末端にFLAG配列を有する配列表の
配列番号6のアミノ酸配列を含有するリガンドが細胞上
に発現されているかを調べた。その結果、分子量が30
000から60000ダルトン程度の極めて幅広い部分
が染色された。しかしながら、コントロールのCOS−
7細胞はそのようなバンドは認められなかったことか
ら、本リガンドが細胞上で発現された場合、極めて幅広
い分子量を有してなる物質として発現されることが明ら
かになった。
1細胞を、遺伝子導入後、1日間10%FCS入りの条
件で培養後、無血清培地に置き換え、培養上清を4日間
おきに3回を分取した。この様にして作製された培養上
清を、実施例1に記載の方法で10倍に濃縮し、実施例
5から7に記載の方法と同様の方法でリガンドの精製を
行ったところ、23500±1500ダルトンのリガン
ドが精製された。この精製されたリガンドを実施例9に
記載の方法でN末端のアミノ酸配列を決定したところ、
配列表の配列番号4に記載したアミノ酸配列を有してい
た。これらの結果から、リガンドを発現していない、も
しくは発現の弱い細胞株に、少なくとも3)で示した遺
伝子を遺伝子導入を行うことにより、リガンドを産生さ
せることが出来ることが明らかになった。
1細胞を、遺伝子導入後、1日間10%FCS入りの条
件で培養後、無血清培地に置き換え、培養上清を4日間
おきに3回を分取した。この様にして作製された培養上
清を、実施例1に記載の方法で10倍に濃縮した。この
濃縮液を参考例8に記載した方法に従い、非還元条件下
でサンプルを調製し、SDS−PAGE及び抗FLAG
抗体を用いた抗体染色法にてウエスタンブロットを行な
った。このようにして、上記の4)に示したC末端にF
LAG配列を有する配列表の配列番号5のアミノ酸配列
を含有するポリペプチドを含むリガンドが培養上清中に
発現されているかを調べた。その結果、分子量がおよそ
20000から50000ダルトン程度の極めて幅広い
部分が染色され、特に強く染まった部分は、42000
ダルトンを中心とした部分と、24000ダルトンを中
心とした部分であった。しかしながら、コントロールの
COS−7細胞の培養上清では、そのようなバンドは認
められなかったことから、上記の4)に示したC末端に
FLAG配列を有する配列表の配列番号5のアミノ酸配
列をコードするDNAを動物細胞に遺伝子導入すると、
およそ20000から50000ダルトンのリガンド、
またこれらには少なくとも分子量が42000ダルトン
付近、24000ダルトン付近であるリガンドが含まれ
ていることが明らかになった。
1細胞を、遺伝子導入後、1日間10%FCS入りの条
件で培養後、無血清培地に置き換え、培養上清を4日間
おきに3回を分取した。この様にして作製された培養上
清を、実施例1に記載の方法で10倍に濃縮した。この
濃縮液を参考例8に記載したSDS−PAGE及びペル
オキシダーゼ標識抗ヒトIg羊抗体を用いた抗体染色法
にてウエスタンブロットを行なった。但し、SDS−P
AGEのさいのサンプル調製の条件として、還元条件下
のサンプルと非還元条件下のサンプルの2つで行った。
このようにして、上記の5)に示したC末端にヒトIg
GのFc部分のアミノ酸配列を有する配列表の配列番号
5のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを含むリガン
ドが培養上清中に発現されているかを調べた。その結
果、還元条件下では、分子量の中心がおよそ60000
ダルトン程度の極めて幅広い部分のバンドが染色され、
非還元条件では150000ダルトン程度の極めて幅広
いの部分のバンドが染色された。しかしながら、コント
ロールのCOS−7細胞の培養上清では、そのようなバ
ンドは認められなかったことから、上記の5)に示した
C末端にヒトIgGのFc部分のアミノ酸配列を有する
配列表の配列番号5のアミノ酸配列をコードするDNA
を動物細胞に遺伝子導入すると、還元条件下では、分子
量の中心がおよそ60000ダルトン程度、非還元条件
では150000ダルトン程度をのヒトIgGのFc部
分とリガンドと融合物が培養上清中に産生し、また分子
量の大きさとヒトIgGのFc部分のアミノ酸配列の構
造から、この融合物は2量体もしくはそれ以上の多量体
構造を有していることが明らかになった。
方法を用いれば、該リガンドの生産効率の向上、並びに
該リガンド未産生細胞に該リガンドを産生させることが
出来、さらに配列表の配列番号5及び6のアミノ酸配列
を有するポリペプチドの1部もしくは全部を含有してな
る化合物が作製でき、また、それらの2量体もしくはそ
れ以上の多量体構造を有す複合体が作製することができ
ることが示された。
ンド細胞外部分の精製 実施例13記載の4)及び5)の方法で作製されたCO
S−7の培養上清を用いて、参考例9に記載した方法に
て各々の細胞培養上清中からアフィニティーカラムにて
リガンドとの融合蛋白を精製した。4)の培養上清に関
しては、培養上清の5lをコダック社製Anti−FL
AG M2 Affinity Gelカラムに通し
て、リガンドをC末端部分のFLAG配列を有する部分
でカラムに吸着させた。カラムのサイズは共に1cm×
3cmで容積はおよそ2mlであり、流速は全て1ml
/min.で行った。吸着後、カラムをPBS(−)2
0mlで洗浄し、その後、0.5MTrisーグリシン
(pH3.0)で溶出した。溶出画分を2mlずつ分取
し、0.5MTris−HCl(pH9.5)200μ
lずつ加えて、各々の画分を中和した。また、5)の培
養上清に関しては、培養上清の5lをファルマシア社製
Protein A セファロースカラムに通して、上
記と同じカラムのサイズ、流速で行った。また、洗浄、
溶離に関しても同様に行った。
FLAG配列を有する配列表の配列番号5のアミノ酸配
列を含有するポリペプチドを含むリガンド、及びC末端
にヒトIgGのFc部分のアミノ酸配列を有する配列表
の配列番号5のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを
含むリガンドを各々のゲル濾過にて精製を行った。アフ
ィニティーカラムからの溶離液をアミコン社製セントリ
コン30にて濃縮及びPBS(−)へのバッファー交換
を行い、ゲル濾過はファルマシア社製FPLCシステム
を用い、同社のSuperose12カラムにて行っ
た。その溶離画分を各々実施例2に記載したBIAco
reを用いて、それらのBindingActivit
yをEXIg−PTNの結合したチップで測定した。次
に、Binding Activityの高い画分を
4)の培養上清由来、5)の培養上清由来各々別々にま
とめ、さらに、上記の方法で濃縮し、それらを実施例1
4に記載した方法でSDS−PAGEを行い、さらに銀
染色を行った。その結果、実施例14で得られたウエス
タンブロットの結果染色された部分に対応する部分が銀
染色された。したがって、C末端にFLAG配列を有す
る配列表の配列番号5のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドを含むリガンド(以降この物質をLigFLAG
−PTNとする)及び、C末端にヒトIgGのFc部分
のアミノ酸配列を有する配列表の配列番号5のアミノ酸
配列を含有するポリペプチドを含むリガンド(以降この
物質をLigIg−PTN)の精製物を得た。これら精
製産物を実施例9に記載の方法でN末端のアミノ酸配列
を決定したところ、配列表の配列番号4に記載したアミ
ノ酸配列を共に有していた。この様にして、LigFL
AG−PTN及びLigIg−PTNを精製できること
が示された。
ク発現の確認 配列表の配列番号7に記載のアミノ酸配列の11番から
37番のアミノ酸配列から構成されるオリゴペプチドを
常法に従い、アプライドバイオシステム社製ペプチド合
成機により作製し、カブトガニ由来ヘモシアニン(KL
H、シグマ社製)と末端のシステイン残基で結合させ
て、これを免疫原としてウサギに免疫して、抗体価の測
定後、全血の採血を行い、血清を採取して、BioRa
d社製のエコノパック血清IgG精製キットを用いて、
添付の取扱い説明書に従って、抗リガンドウサギポリク
ローナル抗体を精製して作製した。
れたLigFLAG−PTNを免疫原として、上記の方
法と同様に、ウサギに免疫して抗リガンドウサギポリク
ローナル抗体を作製した。また、実施例14に記載した
方法で精製されたLigFLAG−PTNを免疫原とし
て、成書の方法に従いマウスモノクローナル抗体を作成
した。すなわち、上記のように精製されたLigFLA
G−PTNをBalb/cマウス(日本エスエルシー社
製)に1匹あたり10μgを皮下・皮内に免疫した。2
回の免疫後、眼底採血を行い血清中の抗体価の上昇を認
めた後、3回目の免疫を行ってからマウスの脾臓細胞を
取り出し、マウスミエローマ細胞株P3X63Ag8
(ATCC TIB9)とポリエチレングリコール法に
て細胞融合を行った。HAT培地(日本免疫生物研究所
製)にてハイブリドーマを選択し、酵素抗体法にてリガ
ンドの細胞外部分を認識する抗体を培地中に産生してい
るハイブリドーマ株を株を分離し、リガンドを特異的に
認識するマウスモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマ産生株が樹立された。
の培養上清をファルマシア社製Mab TrapG I
Iを用いて、添付の取扱い説明書に従って、抗リガンド
モノクローナル抗体を精製し作製した。これらの抗体を
用いて、実施例7で精製されたリガンド、及び実施例1
3の1)、2)及び3)の方法で作製した遺伝子導入さ
れたCOS−7細胞の細胞培養から、実施例5から7に
記載の方法で精製された各々のリガンドの濃縮液を、参
考例8に記載の条件でウエスタンブロットを行った。た
だし、ウサギで作製したポリクローナル抗体に関して
は、2次抗体としてアマシャム社製抗ウサギIg羊抗体
を使用した。その結果、すべて25000ダルトン付近
のブロードな部分のバンドを染色でき、これらの抗体は
何れもリガンドを特異的に識別できることが明らかにな
った。同様に、実施例13の4)及び5)に記載の方法
で作製し、実施例14に記載の方法で作製したLigF
LAG−PTN及びLigIg−PTNについては、B
ioRad社製のPVDFメンブランを用い、添付の取
扱い説明書に従って、ドットブロットをおこなった。す
なわち、LigFLAG−PTN及びLigIg−PT
Nの溶液の5μlをBioRad社製PVDF上に落と
し、風乾後、実施例8に記載したウエスタンブロットの
条件と同様の方法で抗体染色した。その結果、共にコン
トロール抗体では染色されなかったが上記の精製抗体全
てにより染色されることが明らかになった。
して、C−1細胞及び実施例13の1)の方法で遺伝子
導入され、4日後のCOS−7細胞について、参考例1
0に記載した方法でコールター社製フローサイトメータ
ーEPICSエリートにて細胞表面のリガンドの発現の
解析を行った。抗体による染色は成書の方法に従って行
った。1次抗体として上記の精製されたモノクローナル
抗体を用い、2次抗体としてベクトンデッキンソン社製
ヤギ抗マウスIgFITC標識で行った。その結果、C
−1細胞の全て、並びに遺伝子導入COS−7細胞およ
そ20%が上記のモノクローナル抗体により染色される
ことが確認された。以上の結果から、本実施例に示され
た抗体は実施例7で精製されたリガンド、C−1細胞上
に存在するリガンド、並びに実施例13の各々の条件で
発現が確認されたリガンドを特異的に認識することが確
認された。
反応 実施例7で精製されたリガンド、及び実施例14で得ら
れたLigFLAG−PTN及びLigIg−PTNが
参考例8に記載の形質転換細胞Ba/F3/FULLF
LAGの細胞膜表面上に発現されている新規リセプター
型チロシンキナーゼの自己りん酸化を引き起こすかどう
かについて調べるため以下の実験を行った。
し、細胞数5×105 cells/mlにしたBa/F
3/FULLFLAGを実験当日細胞数を5×106 個
取り出して以下の3種の液500μlに懸濁して、20
分間、37℃にてC02 インキュベーター中で反応させ
た。反応液は反応系1.培地(RPMI1640、10
%FCS、100μg/mlマウスIL−3)のみ、反
応系2.C−1細胞5×106 個を反応系1の培地で懸
濁した懸濁液、反応系3.実施例7で精製されたリガン
ドを500μg/mlの濃度で含む反応系1の培地、反
応系4.実施例7で精製されたリガンドを100μg/
mlの濃度で含む反応系1の培地、反応系5.LigF
LAG−PTNを500μg/mlの濃度で含む反応系
1の培地、反応系6.LigFLAG−PTNを100
μg/mlの濃度で含む反応系1の培地、反応系7.L
igIg−PTNを500μg/mlの濃度で含む反応
系1の培地、反応系8.LigIg−PTNを100μ
g/mlの濃度で含む反応系1の培地、で行った。
め冷やしておいた2mM Na3 VO4 を含むPBS
(−)を1ml加え、4℃にて3000rpm、1分間
遠心して細胞を落とし、同様の作業をさらにもう1度行
った後、参考例10記載の方法で細胞破砕溶液を得た。
この細胞破砕溶液にKodak社製Anti−FLAG
M2 Affinity Gelを30μl加えて、
沈澱を起こさないようにゆっくりと回転させながら、4
℃にて反応させて、ゲル上にFLAGアミノ酸配列を有
する配列表の配列番号3のアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドを吸着させた。反応後、4℃、5000rpm
の条件で3分間遠心を行いゲルを沈澱させて、ゲルを吸
わないように上清を除いた後、参考例10に記載のセル
リシスバッファーを200μl加えて懸濁した。更に同
様に遠心操作、懸濁操作を3度行い、ゲルの沈澱物を得
た。同様の方法によりコントロール実験実験をBa/F
3/FULLFLAGだけではなくBa/F3/CON
についても行って同様のゲル沈澱物を得た。
ウェスタンブロットを行った。ゲルの沈澱物30μlの
SDS−PAGEサンプルバッファーを加えて、2−M
E存在下で沸騰水浴を5分行い、15μlを1つのレー
ンに流してSDS−PAGEを行った。同一サンプルが
転写されたPVDFメンブランを2組作り、1組は目的
のFLAG配列を有する配列表の配列番号3番のアミノ
酸配列を有するポリペプチドが回収されていることを確
認し、もう一方ではそれのチロシン残基がりん酸化され
ているかの判定に用いた。
系2、3、5、7及び8であり、そのりん酸化の程度は
反応系2、7、及び8が強く、反応系3、5はそれより
も弱く、視覚的にみたところ半分以下程度であった。し
たがって、C−1細胞との共培養と同様実施例8で精製
されたリガンド、実施例14で得られたLigFLAG
−PTN及びLigIg−PTNは新規リセプター型チ
ロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性を活性化させ、
自己のチロシン残基のりん酸化を引き起こすことが判明
した。しかしながら、培地のみではそのようなチロシン
残基のりん酸化は見られなかった。しかしながら、実施
例8で精製されたリガンド、実施例14で得られたLi
gFLAG−PTNは希釈された条件、すなわち反応系
4、6の条件ではりん酸化を惹起しなかった。一方、L
igIg−PTNは同様な濃度に希釈した条件下でも十
分なりん酸化活性を有し、前の2者よりもずっと強い活
性を有していた。
め、実施例14で得られたLigFLAG−PTNにつ
いて、反応系9.反応系5に対して、コダック社製モノ
クローナル抗体Anti−FLAG M2を100μg
/mlとなるように添加した反応系、反応系10.反応
系6に対して、コダック社製モノクローナル抗体Ant
i−FLAG M2を100μg/mlとなるように添
加した反応系、そしてコントロールとして、反応系1
1.反応系1に対して、コダック社製モノクローナル抗
体Anti−FLAG M2を100μg/mlとなる
ように添加した反応系、で同様な実験を行った。
ん酸化がされており、反応系2、7、及び8と同等な程
度のりん酸化活性を有していた。また、コントロールの
反応系11ではりん酸化は見られなかった。したがっ
て、実施例8の方法で精製されたリガンドは配列表の配
列番号3に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチド
をりん酸化する活性を有することが明らかになった。ま
た、実施例14で得られたLigFLAG−PTN及び
LigIg−PTNに付いても同様であった。また、こ
の中で最も高い活性を有している形態はLigIg−P
TNの形態であり、さらにLigFLAG−PTNもC
末端部分を認識する抗FLAG抗体を投与することによ
り、同様の強い活性を示すことから、2量体もしくはそ
れ以上の多量体構造を有してなる形態の方が、より強い
活性を有するリガンドの形態として望ましいことが明ら
かになった。よって、これらの化合物は本リガンドは新
規リセプター型チロシンキナーゼを発現している細胞に
作用して、チロシン残基のりん酸化を促して増殖のシグ
ナルを伝え得る化合物であることが示された。
れたLigFLAG−PTN及びLigIg−PTNを
用いてその生理活性の確認を行った。ヘパリンを加えた
さい帯血にPBS(−)を等量加え、フィコールパック
(ファルマシア社製)にてさい帯血中の単核細胞を遠心
分離により分離した。
PBS(−)にて遠心分離で洗浄し最終的に細胞濃度が
5×106 cells/mlにIMDM培地にて懸濁し
てさい帯血単核球懸濁液を調製した。コロニーアッセイ
に必要な試薬は前もって以下のように調製した。3%メ
チルセルロース溶液はメチルセルロース(和光純薬社
製)を沸騰水にて撹拌しながら溶かし、体温程度まで冷
えた後に、前もって作製した2倍濃度のIMDM培地を
等量加え、4℃にて5日間程度放置して作製した。10
%BSA溶液はSigma社製BSAを蒸留水に加え
て、ゆっくりと撹拌しながら4℃にて2日間放置して、
完全に溶けたら、0.22μmのメンブランフィルター
(ミリポア社製)にて濾過して作製した。この溶液につ
いては使用直前に7.5%重炭酸ナトリウム溶液(GI
BCO−BRL社製)を10%BSA溶液5mlあたり
200μl加えた。5637コンディションメディウム
(5637CM)はヒト細胞株5637をコーニング社
製Tー225フラスコを用いて10%FCSを含むRP
MI1640培地50mlにて、およそ5日間培養した
培養上清を0.22μmのメンブランフィルター(ミリ
ポア社製)にて濾過し作製した。
たさい帯血単核球細胞懸濁液を30μl、10%BSA
溶液を300μl、10mM2ーメルカプトエタノール
溶液を15μl、400U/mlのヒトエリスロポエチ
ン(中外製薬社製)溶液を15μl,これらを混ぜ合わ
した溶液に対して、反応系1.IMDM培地のみ、反応
系2.5637CMを300μl、反応系3.実施例7
で精製されたリガンドを700μg、反応系4.実施例
14で得られたLigFLAG−PTNを900μg、
反応系5.実施例14で得られたLigIg−PTNを
300μg、の各々を加え、最終的な体積が1.8ml
になるようにIMDM培地を加えた。
3%メチルセルロース溶液を1.2ml加えて、良く撹
拌して均一にし静置して、気泡が抜けた後、シリンジを
用いて1mlをファルコン社製35mmディッシュに均
一になるようにまき、37℃のCO2 インキュベーター
にて2週間培養した。2週間の培養後、1つのディッシ
ュあたりのコロニー数を倒立顕微鏡(オリンパス社製)
にて計測した。その結果、反応系1のIMDMのみでは
コロニー形成が極めて少なく(1個及び0個)、反応系
2の5637CMではコロニーの形成が多くみられ(5
6個及び48個)、反応系3のリガンドを含むディッシ
ュはその中間的な値(22個及び28個)の数のコロー
ニ形成が観察できた。
験から、反応系1のIMDMのみではコロニー形成が極
めて少なく(1個及び0個)、反応系2の5637CM
ではコロニーの形成が多くみられ(35個及び28
個)、反応系3のリガンドを含むディッシュはその中間
的な値(8個及び12個)、反応系4のLigFLAG
−PTNを含むディシュでは3とほぼ同じ(12個と1
4個)、反応系5のLigIg−PTNを含むディシュ
ではそれらよりも若干多く(20個と22個)の数のコ
ロニー形成が観察できた。
プルにおいて、コロニー形成を促すことが知られている
ヒトインターロイキン3(IL−3、インタージェン社
製)、ヒトGM−CSF(インタージェン社製)、ヒト
SCF(インタージェン社製)を加えた条件に対し、さ
らにコロニーの形成を促すかについて調べた。すなわ
ち、上記の反応系1、反応系3、反応系4に加えて、反
応系5.最終濃度がIL−3が10ng、GM−CSF
が20ng、SCFが200ng、反応系6.反応系5
の条件に実施例7で精製されたリガンドを500μg、
反応系7.反応系5の条件に実施例14で得られたLi
gIg−PTNを100μg、とした各々の反応系にお
いて同様のコロニーアッセイを行った。
系3は7個及び8個、反応系4は15個及び12個、反
応系5は55個と68個、反応系6は63個と75個、
反応系7は80個と89個であった。また、顕微鏡下で
観察した結果、反応系7のコロニーは他の反応系に比べ
て視覚的に判断したところ、2割から5割程度大きかっ
た。これらの結果からリガンドは血液未分化細胞の増殖
を促し、コロニー形成作用を有し、2量体もしくはそれ
以上の多量体を有する構造の方がよりその活性が高いこ
とが判明した。
の新規なリガンドは血液未分化細胞の増殖にとって有効
な化学品となり、医薬品として使用が可能である。
T)GC(ACGT)(AC)G-3' 配列番号9 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 起源:化学合成法による 配列:5'-TGGAATTCCA(AT)A(AG)(CG)(AT)CCA(CG)AC(AG)T
C-3' 配列番号10 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 起源:化学合成法による 配列:5'-AACTCGAGATCTCTGCTGAGGACCTG-3' 配列番号11 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 起源:化学合成法による 配列:5'-AAGAATTCTCAGTACTGCGGGGCCGGTC-3' 配列番号12 配列の長さ:57 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 起源:化学合成法による 配列:5'-GGGAATTCATTTATCATCATCATCTTTATAATCGTACTGCG
GGGCCGGTCCTCCTGT-3' 配列番号13 配列の長さ:27及び8 配列の型:核酸及びアミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA及びアミノ酸 起源:化学合成法による 配列番号14 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 起源:化学合成法による 配列:5'-CGGAATTCGTGCGGTTCCTGAAGACGTCAG-3' 配列番号15 配列の長さ:58 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 起源:化学合成法による 配列:5'-GGGAATTCATTTATCATCATCATCTTTATAATCCTGCTCCC
GCCAGCCCTCGCTCTCA-3'
AA-3' 配列番号21 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 起源:化学合成法による 配列:5'-AC(TC)TT(ACGT)GG(AG)CA(AGT)AT(AGT)AT(AG)T
C-3' 配列番号22 配列の長さ:107及び35 配列の型:核酸及びアミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA及びアミノ酸 起源:化学合成法及びヒト 配列 CTT GAG CCG ATC TAT TGG AAT TCC TCG AAC TCC AAA TTT CTA CCT GGA 48 Leu Glu Pro Ile Tyr Trp Asn Ser Ser Asn Ser Lys Phe Leu Pro Gly 1 5 10 15 CAA GGA CTG GTA CTA TAC CCA CAG ATA GGA GAC AAA TTG GAT ATA ATT 96 Gln Gly Leu Val Leu Tyr Pro Gln Ile Gly Asp Lys Leu Asp Ile Ile 20 25 30 TGC CCG AAA GT 107 Cys Pro Lys 35
ivity測定の1例の図
の蛍光ピークを測定した図
気泳動のX線写真
図
g Activityの図
Claims (13)
- 【請求項1】 少なくとも分子量が23500±150
0ダルトンであり、呈色反応においてクマシー染色反
応、パス染色反応に陽性であり、配列表の配列番号1に
記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドに結合す
る、理化学的性質を有することを特徴とする化合物。 - 【請求項2】 少なくとも配列表の配列番号2に記載の
アミノ酸配列を含有するポリペプチドの発現細胞に反応
させることにより、少なくとも当該ポリペプチドのチロ
シン残基をりん酸化させる請求項1に記載の化合物。 - 【請求項3】 化合物が、そのアミノ末端のアミノ酸配
列として少なくとも配列表の配列番号4に記載のアミノ
酸配列を包含する請求項1記載の化合物。 - 【請求項4】 化合物が、糖鎖を有する化合物である請
求項1記載の化合物。 - 【請求項5】 化合物が少なくとも配列表の配列番号5
に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの一部もし
くは全部を含有してなる請求項1記載の化合物。 - 【請求項6】 少なくとも配列表の配列番号5に記載の
アミノ酸配列を有するポリペプチドの一部もしくは全部
を含有してなる化合物。 - 【請求項7】 少なくとも配列表の配列番号6に記載の
アミノ酸配列を有するポリペプチドの一部もしくは全部
を含有してなる化合物。 - 【請求項8】 少なくとも配列表の配列番号5に記載の
アミノ酸配列の一部もしくは全部を含有するポリペプチ
ドが2量体、もしくはそれ以上の多量体の構造を有して
なる複合体。 - 【請求項9】 少なくとも配列表の配列番号6に記載の
アミノ酸配列の一部もしくは全部を含有するポリペプチ
ドが2量体、もしくはそれ以上の多量体の構造を有して
なる複合体。 - 【請求項10】 配列表の配列番号5に記載のアミノ酸
配列の一部もしくは全部をコードするDNA。 - 【請求項11】 配列表の配列番号6に記載のアミノ酸
配列の一部もしくは全部をコードするDNA。 - 【請求項12】 配列表の配列番号5もしくは6に記載
のアミノ酸配列をコードするDNAを用いて作成された
当該アミノ酸配列を含有するポリペプチドを含有してな
る化合物の生産方法。 - 【請求項13】 請求項1に記載の化合物もしくは配列
表の配列番号5もしくは6に記載のアミノ酸配列を有す
るポリペプチドの一部もしくは全部を特異的に認識する
抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7003677A JPH08188596A (ja) | 1994-10-19 | 1995-01-13 | リセプター型チロシンキナーゼの新規なリガンド |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25384894 | 1994-10-19 | ||
JP6-253848 | 1994-11-09 | ||
JP6-275411 | 1994-11-09 | ||
JP27541194 | 1994-11-09 | ||
JP7003677A JPH08188596A (ja) | 1994-10-19 | 1995-01-13 | リセプター型チロシンキナーゼの新規なリガンド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08188596A true JPH08188596A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=27275932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7003677A Pending JPH08188596A (ja) | 1994-10-19 | 1995-01-13 | リセプター型チロシンキナーゼの新規なリガンド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08188596A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770088A1 (en) * | 1994-07-08 | 1997-05-02 | Immunex Corporation | Novel cytokine designated lerk-5 |
-
1995
- 1995-01-13 JP JP7003677A patent/JPH08188596A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770088A1 (en) * | 1994-07-08 | 1997-05-02 | Immunex Corporation | Novel cytokine designated lerk-5 |
EP0770088A4 (en) * | 1994-07-08 | 1999-10-13 | Immunex Corp | NEW DESIGNED LERK-5 CYTOKINE |
US6479459B1 (en) | 1994-07-08 | 2002-11-12 | Immunex Corporation | Cytokine designated lerk-5 |
US6492140B2 (en) | 1994-07-08 | 2002-12-10 | Immunex Corporation | Polynucleotides encoding cytokine designated LERK-5 |
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