JPH08188540A - 尋常性天疱瘡患者自己抗体に認識される融合蛋白質、並びに尋常性天疱瘡の治療薬、治療器具、診断剤及び診断方法 - Google Patents

尋常性天疱瘡患者自己抗体に認識される融合蛋白質、並びに尋常性天疱瘡の治療薬、治療器具、診断剤及び診断方法

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JPH08188540A
JPH08188540A JP7165632A JP16563295A JPH08188540A JP H08188540 A JPH08188540 A JP H08188540A JP 7165632 A JP7165632 A JP 7165632A JP 16563295 A JP16563295 A JP 16563295A JP H08188540 A JPH08188540 A JP H08188540A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 尋常性天疱瘡患者自己抗体に認識される融合
蛋白質を提供すると共に、副作用の影響の少ない尋常性
天疱瘡の治療薬や治療器具を提供すること、更に尋常性
天疱瘡の有効な診断剤及び診断方法を提供することを目
的とする。 【構成】 本発明の融合蛋白質は、尋常性天疱瘡抗原蛋
白質の細胞外領域(PVAg)のC末端に、IgGの定常領域
がヒンジ部を介して結合されている。本発明ではPVAgを
用いたため、該融合蛋白質をコードする遺伝子を動物細
胞等に導入し該融合蛋白質を発現させた際、発現された
融合蛋白質は細胞外に確実に排出される。また、IgGの
定常領域のヒンジ部と結合したため該融合蛋白質を安定
に生産すると共にPVAgの高次構造が天然のものと同等に
なり、C末端側の切断部分にIgGを結合したため確実に
自己抗体に認識される。更に、IgGを存在させたため、
細胞導入後の発現の有無を容易に検査でき、発現後の融
合蛋白質の精製が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、尋常性天疱瘡患者自己
抗体に認識される融合蛋白質、並びに、尋常性天疱瘡の
治療薬、治療器具、診断剤及び診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】尋常性天疱瘡(以下、PVという)は皮
膚、粘膜に水疱を生じ、ときには致死的に至る水疱性自
己免疫疾患である。臨床的には、PVの初期の水疱は弛
緩性水疱で、その疱膜は容易に破れ、大きなびらん面を
呈するようになる。びらん面は滲出性で出血しやすい。
重篤な例では、びらん面からの体液喪失、2次感染を伴
い、致死的になることがある。PV患者の健常部を指で
こすると、表皮上層部がずれ落ちる、いわゆるニコルス
キ−現象がみられる。病変部の病理組織像では表皮細胞
の細胞間結合が矢われ、遊離した表皮細胞が認められ
る。
【0003】また病変部皮膚を、蛍光抗体法で調べてみ
ると、表皮細胞膜表面にIgGの沈着が認められる。さら
にPV患者血中には、表皮細胞膜表面に結合するIgGが
検出される。この患者血中のIgGを新生マウスに注射す
ると、マウス皮膚にPVに特徴的な組織像を持つ水疱が
誘導される。またPV患者IgGを培養液に入れた状態で
皮膚を器官培養すると、その皮膚にPVと同様の表皮融
解が認められることなどから、PV患者に認められるIg
Gは、水疱形成において病因的な役割を担っていると考
えられていた。
【0004】天谷らは、正常ヒト培養表皮細胞より作製
されたcDNA発現ライブラリーを、PV患者血清よりアフ
ィニティー精製された抗13OkD天疱瘡抗原蛋白質認識Ig
Gを用いて免疫スクリーニングし、特異的に反応するク
ローンを得て尋常性天疱瘡抗原蛋白質のcDNA配列を決定
した(Cell, 1991年第67巻, 869-77頁)。
【0005】DNA配列をもとに得られたアミノ酸からな
る蛋白質は、重層偏平上皮に発現の見られる新しいタイ
プのカドヘリン分子であることを発見した。同様に別の
タイプの抗表皮細胞膜抗体を持つ自己免疫性水疱症疾患
である落葉状天疱瘡、ブラジル落葉状天疱瘡のcDNA配列
も決定された(European Journal of Cell Biology 199
0年第53巻, 10-12頁, Amagaya et al.)。
【0006】このようにPV患者では、上皮中にある細
胞接着因子力ドヘリンの1種である尋常性天疱瘡抗原蛋
白質に対する自己抗体が産生される。その抗体が尋常性
天疱瘡抗原蛋白質と反応することにより、接着因子とし
ての尋常性天疱瘡抗原蛋白質の機能を阻害し、2次的に
プラスミン、補体などを活性化し、表皮の遊離に至ると
考えられた(Journal of Investigative Dermatology 1
995年第104巻, 146-152頁, Amagaya)。
【0007】現在PV患者に対する治療の試みは、ステ
ロイドや免疫抑制剤による一次的な症状の軽減を期待す
る対症療法のみであり、副作用も強く、根本的なものは
なく、疾患の病態を考慮した上での特異的な治療法は存
在しない。一方、天疱瘡の診断は、専門医による臨床的
所見、病変部の病理組織学的所見、及び患者血清を用
い、正常表皮切片を基質とした蛍光抗体法による免疫組
織学的所見に基づき、なされている。これらの診断法は
簡便性、客観性に欠ける。
【0008】最近、尋常性天疱瘡抗原蛋白質を大腸菌の
発現系を用い遺伝子組換えにより人工的に合成し、この
蛋白質を用いた抗原型診断薬の試みがなされているが、
陽性率は約5〜6割と低く(Journal of Clinical Inve
stigation 1992年第90巻、919-926頁, Amagaya et a
l.)、実用的ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように現在の
免疫抑制剤による治療は、すべての免疫反応を一様に抑
制するものであり、副作用も強く、その効果も一次的で
あるという問題があった。
【0010】従って本発明は、従来の全ての免疫反応を
一様に抑制するという問題点に鑑みてなされたものであ
って、尋常性天疱瘡に関係する免疫反応のみを選択的に
抑制するものである。すなわち、原因物質である尋常性
天疱瘡自己抗体の除去あるいは、自己抗体産生細胞の破
壊をおこなうものである。
【0011】また、従来有効な診断法がない尋常性天疱
瘡は、特異性、感度に優れ、早期の診断に役立ち、かつ
病勢と相関する実用的な診断薬の開発が課題とされてい
た。よって本発明は、尋常性天疱瘡患者自己抗体に認識
される融合蛋白質を提供すると共に、副作用の影響の少
ない尋常性天疱瘡の治療薬や治療器具を提供すること、
更に尋常性天疱瘡の有効な診断剤及び診断方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段、作用及び発明の効果】上
記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、本発明者らは以下
の発明を完成させた。請求項1の融合蛋白質は、尋常性
天疱瘡患者自己抗体に認識される融合蛋白質であって、
尋常性天疱瘡抗原蛋白質の細胞外領域である配列番号1
に表される蛋白質のC末端に、IgGの定常領域がヒンジ
部を介して結合されたものである。
【0013】尋常性天疱瘡抗原蛋白質は膜貫通蛋白質で
あり、自己抗体はin vivoの状態で細胞膜を通過できな
いため、本発明者らは自己抗体の認識する領域を細胞外
領域と考え、この細胞外領域(配列番号1)のみをコー
ドする遺伝子を調製した(以下、特にことわりのない限
り細胞外領域を単にPVAgと呼ぶ)。このように細胞外領
域であるPVAgのアミノ酸配列を用いたため、請求項1の
融合蛋白質をコードする遺伝子を動物細胞または昆虫細
胞に導入して該融合蛋白質を発現させた際、発現された
融合蛋白質が細胞内に閉じ込められることなく細胞外に
確実に排出されるという作用効果を奏する。また、請求
項1の融合蛋白質ではPVAgにIgGの定常領域のヒンジ部
を結合したため、該融合蛋白質を安定に生産すると共に
PVAgの高次構造が天然のものと同等になるという作用効
果を奏する。更に、請求項1の融合蛋白質ではC末端側
の切断部分にIgGを結合したため、もとの蛋白質(尋常
性天疱瘡抗原蛋白質)のN末端からはじまりC末端に向
かう途中で切断されている細胞外領域は、より確実に自
己抗体に認識されるという作用効果を奏する。更にま
た、請求項1の融合蛋白質にIgGを存在させたため、細
胞導入後の発現の有無を市販の抗IgG抗体を用いること
により容易に検出が可能となり、また、発現後の融合蛋
白質の精製においてIgGと親和性のあるプロテインAを
リガンドとして持つセファロースカラムクロマトグラフ
ィーを行うことにより容易に精製が行えるという作用効
果を奏する。尚、請求項1の融合蛋白質の原料となるIg
Gは種類、動物種により限定されるものではない。
【0014】請求項2の融合蛋白質は、尋常性天疱瘡患
者自己抗体に認識される融合蛋白質であって、尋常性天
疱瘡抗原蛋白質の細胞外領域である配列番号1に表され
る蛋白質のC末端に、タッグ抗原が結合されたものであ
る。ここにおいてタッグ抗原とは、目的とされる蛋白質
(ここではPVAg)との融合蛋白質として発現され、既に
特異性の明らかになっているモノクローナル抗体によっ
て認識される抗原部位(エピトープ)をいい、目的とす
る蛋白質を遺伝子工学的に産生する場合に、その精製、
局在解析を容易にする目的で使われる。例えば、所定数
のヒスチジンをつなげたもの(例えば6つのヒスチジン
をつなげたものは「His tag」という)、Etag、β−ガ
ラクトシダーゼ、A蛋白質、Z領域、G蛋白質、グルタ
チオン−S−トランスフェレース、ポリアルギニン、ポ
リグルタミン、Sペプチド、Tac抗原、グリーンフルオ
レッセントプロテイン、HA、c-myc等が挙げられる
(雑誌「実験医学」Vol.13,No.4,p85-90(1995))。請求
項2の融合蛋白質において、細胞外領域であるPVAgのア
ミノ酸配列を用いたことによる作用効果、C末端側の切
断部分にタッグ抗原を結合したことによる作用効果は、
請求項1と同様である。更にまた、請求項2の融合蛋白
質にタッグ抗原を存在させたため、発現後の融合蛋白質
の精製が容易化されるという作用効果を奏する。例え
ば、タッグ抗原としてヒスチジンをつなげた場合にはヒ
スチジンと親和性のある金属イオンをリガンドとして持
つセファロースカラムクロマトグラフィーを行うことに
より容易に精製が行える。また、Etagをつなげた場合に
は抗Etag抗体を用いることによって目的とする蛋白質
(PVAg)の産生を検出することができる。
【0015】請求項1、2の融合蛋白質(以下、本発明
の融合蛋白質という)を製造する方法としては、例え
ば、本発明の融合蛋白質をコードする遺伝子を動物細胞
または昆虫細胞に導入して該融合蛋白質を発現させ、培
養上清を回収した後、適当なカラムクロマトグラフィー
により精製する方法が挙げられる。この場合、従来の大
腸菌を宿主とした発現系と異なり、COS7細胞のような動
物細胞、あるいはバキュロウイルスをべクターとして利
用し昆虫細胞を宿主とした発現系を用いることが好まし
い。
【0016】請求項3の尋常性天疱瘡の治療薬は本発明
の融合蛋白質を有効成分として含有するものである。例
えば、本発明の融合蛋白質とコレラトキシン、マイトマ
イシンC等の毒素とを共有結合などで結合した結合体を
尋常性天疱瘡患者に投与することにより自己抗体産生細
胞の選択的破壊を行うことができるため、該結合体を尋
常性天疱瘡の治療薬として用いることができる。この
際、マウスを用いた急性毒性実験の結果は、融合蛋白質
1000mg/kgを腹腔に注射した投与群で50%の致死毒性が
発現したが、それ以下の投与量では2週間後でも影響は
みられなかった。この融合蛋白質は本来、生体に存在す
る組織結合蛋白質であり、毒性は極めて低い。このLD
50値は、成人一人当たりの治療における最大投与量の約
100000倍量であり問題とならない。また、本発明の融合
蛋白質に毒素、例えばコレラトキシン、マイトマイシン
Cなどを結合したものでもLD50は10mg/kgであるが、
この値も成人一日当たりの治療における最大投与量の約
1OO倍量であり問題とならない。 かかる尋常性天疱瘡
の治療薬の成人一日当たりの投与量は投与方法および病
状によっても異なるが、通常の投与量は本発明の融合蛋
白質の量で3×1O-9Mないし3×10-10 M程度であり、
投与経路は主として静脈注射または筋肉注射が好まし
い。また、具体的な製剤例として、生理食塩水またはク
エン酸緩衝液中に3×10-3Mないし3×10-6M含むもの
を挙げることができる。また、これに加えてその他の任
意成分として、医薬上許容可能な安定剤、崩壊剤、溶解
補助剤なども適宜添加し得る。
【0017】請求項4の尋常性天疱瘡の治療器具は、本
発明の融合蛋白質を担体に固定した吸着剤を有するもの
である。例えば、本発明の融合蛋白質を水不溶性の担体
に固定化して、尋常性天疱瘡患者IgGを選択的に吸着す
る抗原とし、血漿交換による天疱瘡自己抗体の選択的除
去を行うことにより、尋常性天疱瘡の治療に用いること
ができる。使用される担体としては、アガロース系、セ
ルロース系、ポリアクリルアミド系、ポリスチレン系、
アクリル酸エステル系、等の有機高分子、コラーゲン、
キトサン等の生体由来の天然有機高分子あるいは活性炭
素、セラミック等の無機物が挙げられ、その形態として
平板状、粒子状等様々な形態を使用し得るが、表面積を
大きく採れるものが好ましい。PVAg-IgG融合蛋白質と担
体との固定化は共有結合によって行われる。例えば、担
体がその表面に有するエポキシ基やアルデヒド基等の反
応性官能基に水性溶液中で直接結合することによって実
施される。また、アミノ基等の官能基を表面に有する担
体を用いる場合は、PVAg-IgG融合蛋白質と担体との混合
水性溶液にジアルデヒドやジエポキシ化合物等の反応性
多官能基を有する化合物をを添加し、反応させることに
よっても実施することができる。
【0018】請求項5の尋常性天疱瘡の診断剤は、本発
明の融合蛋白質を免疫診断の抗原として用いるものであ
る。例えば、本発明の融合蛋白質は、ウェスタンブロッ
ト法、RIA法、EIA法などの免疫診断方法の抗原蛋白質と
して用いられ、患者血液中の自己抗体の測定を行うこと
ができる。これにより、従来有効な診断剤がなかった尋
常性天疱瘡において、特異性、感度に優れ、早期の診断
に役立つ診断剤を提供することができる。
【0019】請求項6の尋常性天疱瘡の診断方法は、請
求項2の融合蛋白質を結合させた不溶性担体に患者血清
を加えることによりこの融合蛋白質と前記患者血清中の
尋常性天疱瘡患者自己抗体とを結合させ、次いで前記尋
常性天疱瘡患者自己抗体に特異的に結合する標識抗体を
反応させ、該反応物の標識量を測定する方法である。こ
こで、標識抗体における標識物質としては、例えばペル
オキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、マイクロペ
ルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ビオチン等
の各種酵素やアイソトープの標識抗体が挙げられる。本
診断方法によれば、従来のように正常表皮切片を基質と
する必要がないため簡便性、客観性に優れるという効果
が得られ、また、特異性及び感度に優れるため尋常性天
疱瘡の早期発見に役立つという効果も得られる。尚、請
求項2の蛋白質に代えて請求項1の融合蛋白質を用いた
場合、尋常性天疱瘡患者自己抗体に特異的に結合する標
識抗体は請求項1の融合蛋白質のIgG領域にも結合して
しまうため、上記自己抗体の定量性が失われ、的確に診
断できないという問題がある。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について詳細に
説明する。尚、本発明は下記の実施例に何ら限定される
ものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々
の態様で実施できることはいうまでもない。 [実施例1]PVAgにIgGが結合された融合蛋白質(PVAg-
IgG) [1−1]動物細胞COS7細胞によるPVAg-IgGの発現 PVAg-IgG蛋白質発現領域(シグナルペプチド領域−プロ
シークエンス領域−細胞外蛋白領域(配列番号1)−ヒ
トIgG ヒンジ部−ヒトIgG CH2部−ヒトIgG CH3部)を含
むpcDNA1-PVAg-IgG発現プラスミドDNAを作製した(尚、
pcDNA1はインビトロゲン(Invitorogen)社の商品名であ
る)。以下にpcDNA1-PVAg-IgG発現プラスミドDNAの作製
法を説明する。
【0021】基本的に、必要なcDNAは増幅されるcDNAの
両側の配列に相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法によって増幅した。オ
リゴヌクレオチドは制限酵素の切断位置もしくは付加さ
れるペプチドのコーディング領域を作り出すようにデザ
インされた。PCRは、94℃1分、55℃2分、72℃3分を2
0乃至25サイクル繰り返した。
【0022】COS7細胞用の発現ベクターを構築するため
に、まず、PVAgをコードするcDNAを、PVAgとマウスEカ
ドヘリンの細胞質領域からなるキメラ蛋白質を含む哺乳
動物の発現ベクターであるpcDNA1-PVECIII(Journal of
Investigative Dermatology1994年第102巻, 402-408
頁, Amagaya et al.)上でPCR増幅した。5'プライマー
としてはベクター配列中のT7プライマーを用い、3'プラ
イマーとしては以下の配列を用いた。
【0023】5'-CCTGCTCGAGCCTCCCTGAGTGCGGCCT-3'(PV
AgのEC5領域の末端のすぐ上流にあるアンチセンス配列
及びXhoI切断部位を含む) このPCR産物は5'非コード領域及びシグナルペプチド、
プロシークエンス及びPVAg(ヌクレオチド1-1929)をカ
バーするコード領域を持っていた。
【0024】一方、ヒトIgG1の定常領域をコードするcD
NAは、pTJ5(Journal of Biotechnology 1988年第8巻,
141-148頁, Nakamura et al.)上でPCR増幅によってつ
くられた。プライマーとしては以下の配列のものを用い
た。 5'フ゜ライマー:5'-CCTGCTCGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACA
TGCCCACCGTGCCCA-3'(全ヒンジ領域及びXhoIサイトを含
む) 3'フ゜ライマー:5'-CCATCTAGATCATTTACCCGGGGACAG-3'(スト
ップコドン直上のアンチセンス配列及びXhoIサイトをコ
ードする) 以上のようにして得られたPVAgのPCR産物及びIgG1のPCR
産物はNotI-XhoI及びXhoI-XbaIでそれぞれ消化し、NotI
-XbaIでカットしたサイトメガロウイルス(CMV)プロモー
タを有する真核生物の発現ベクターであるpcDNA1/Amp
(インビトロゲン社製)と結合させた。これをpcDNA1-P
VAg-IgGと命名した。
【0025】このpcDNA1-PVAg-IgG発現プラスミドDNA
を、リポソーム(商品名:リポフェクチン、ギブコ社
製)を使用して一時的にCOS7細胞へトランスフェクショ
ンした。すなわち、直径1OOmmの大きさのCOS7細胞を培
養したプレートに、1Oμgの発現プラスミドDNAと、血清
を含まないDMEM5mlとリポフェクチン5Oμ1の混合液を入
れてトランスフェクションを行い、37℃で4時間インキ
ュベーションした後に牛胎児血清を2O%含むDMEMを5ml
加え、一昼夜インキュベーションを行った。
【0026】翌日、その培養上清を除き、血清を含まな
いDMEM6mlで置き換えた。インキュベーションは37℃で
3日間続け、培養上清を採取し、血清を含まないDMEM6
mlに置き換えた。更に37℃で3日間インキュベーション
し、上清を採取して細胞を捨てた。
【0027】採取した上清は遠心分離して非付着性細胞
や残骸を除き、2回分を一ケ所に集めて使用時まで-70
℃で保存した。平均して上清中には約O.1〜O.5μg/mlの
PVAg-IgG蛋白質が含まれていることが、蛋白質測定キッ
ト(プロテインアッセイキット、BioRad社製)による測
定でわかった。
【0028】図3は、PVAg-IgGの分子構造を表す説明図
である。PVAg-IgGは、シグナルペプチド(S)、プロシー
クエンス(P)、PVAg(EC1〜EC5)、及びヒトIgG1の定常
領域(ヒンジ(H)、CH2、CH3領域を含む)を含む。図1
の下段には融合位置周辺のアミノ酸配列が示されている
が、新たな制限酵素位置を構築するために一つのロイシ
ンが導入された。 [1−2]昆虫細胞Sf9によるPVAg-IgGの発現 pcDNA-PVAg-IgGと同様にPVAg-IgG蛋白発現領域を含むプ
ラスミドであるpEVmod-PVAg-IgGのDNA(尚、pEVmodはPh
armingen社の商品名である)と、バキュロウイルスであ
るバキュロゴールド(Pharmingen社製)のDNAの両者をS
f9昆虫細胞にコトランスフェクションすることにより、
組換え型のPVAg-IgG-Sf9を生成する組み換えバキュロウ
イルスを得た。
【0029】すなわち、常法により、約3×1O6個のSf9
細胞を直径6Ommの大きさの培養用ディッシュに1O%牛胎
児血清を含むGrace's昆虫細胞用培地1Omlとともに入
れ、細胞が付着するように27℃で15分間インキュベーシ
ョンを行った。その間に、pEVmod-PVAg-IgGのDNA2μg、
バキュロゴールドDNA 0.5μg、DNA導入用リポソーム
(商品名:リポフェクチン、ギブコ社製)3Oμlを、血
清を含まないGrace's 昆虫細胞用培地 1.5mlに溶かし、
室温で15分間インキュベーションしてDNA-リポソーム混
合物を調製した。
【0030】培養ディッシュ上でインキュベーションを
行ったSf9細胞に先に調製したDNA-リポソーム混合物を
含み血清を含まないGrace's培地を徐々に1.5ml加え、ト
ランスフェクションした細胞を27℃で4時間インキュベ
ーションした。インキュベーション後、細胞は血清を含
まないGrace's培地で一度洗い、1O%の牛胎児血清を含
むGrace's培地に置き換えて27℃で4日間インキュベー
ションした。
【0031】その後、培養上清を採取し直径1OOmmのデ
ィッシュのセミコンフルエント状態のSf9細胞に感染さ
せ、3〜5日間インキュベーションした。この操作を3
回繰り返し、高力価のPVAg-IgG-Sf9を生成するバキュロ
ウイルスを含む上清を得た。高力価の組換え型バキュロ
ウイルスで感染したSf9細胞を5日間培養した上清は、
遠心分離して細胞残骸を除いた後、-70℃で保存した。
平均して、上清中には約5〜10μg/mlのPVAg-IgG蛋白質
が含まれていることが蛋白質測定キット(プロテインア
ッセイキット、バイオラッド社製)での定量によりわか
った。 [1−3]PVAg-IgG融合蛋白質の精製濃縮 PVAg-IgG融合蛋白質の精製濃縮するため、常法通り、プ
ロテインAセファロース(ファルマシア社製)5OμlをC
OS7またはSf9細胞の上清5mlに加え、4℃で一昼夜イン
キュべーションし、PBSで2度洗いした後、2×SDSサン
プル緩衝液(125mM Tris-HCl pH7.5, 2%SDS, 0.005% br
omophenol blue, 2O% glycerol, 5% 2-mercaptoethano
l)5O-1OOμlで再懸濁した。 [1−4]PVAg-IgG融合蛋白質の発現の確認 濃縮されたPVAg-IgG融合蛋白質はSDS-PAGEで分離され、
PVDF膜(ミリポア社製、商品名:Immobilon)に転写さ
れた。PVAg-IgG融合蛋白質を検出するため、3%スキム
ミルク溶液でブロッキングを行い、PVDF膜はアルカリホ
スファターゼと結合したヤギの抗ヒトIgG抗体(Zymed L
abaratories lnc.製)の1OOO倍希釈溶液と、室温で1時
間インキュベーションした。その後アルカリホスファタ
ーゼ発色キット(BioRad社)により一本のバンドとして
検出され、その分子量は約11OkDであった。 [1−5]イムノブロット解析 患者または健常人の血清中PVAg抗体とCOS7細胞またはSf
9細胞によって得られたPVAg-IgGの反応性を見るため、P
VAg-IgGを転写したPVDF膜は、まずヒト血清の5O倍希釈
溶液とインキュベーションし、次にマウスの抗ヒトIgG4
抗体(Oxoid社製)の3O倍希釈溶液、アルカリホスファ
ターゼと結合したヤギの抗マウス抗体(Zymed Laborato
ries Inc. 社製)の1000倍希釈溶液とインキュベーショ
ンし、その発色を調べた。用いた血液は、35人の尋常性
天疱瘡患者(PV)、1O人の落葉状天疱瘡患者(P
F)、16人のブラジル落葉状天疱瘡患者(BPF)、1O
人の水疱性類天疱瘡患者(BP)、5人の健常人血清
(N)である。35人の尋常性天疱瘡患者の血清は全てCO
S7細胞で生成したPVAg-IgGと反応は陽性であったが、36
人の水疱症患者対照群、または5人の健常人からは全く
反応か認められなかった(図1)。
【0032】Sf9細胞で生成したPVAg-IgGもまた、35人
の天疱瘡の患者血清は全て反応は陽性であったが、36人
の水疱症患者対照群、または5人の健常人からは、全く
反応が認められなかった(図2)。 [1−6]新生児マウスを用いたPVAgによる自己抗体吸
収実験 次に新生児マウスを用いたPVAgによる自己抗体吸収実験
を行った。天疱瘡患者血清1Omlに、PVAg-IgG組換えバキ
ュロウイルスを感染させたSf9細胞の上清5Omlと室温で
4時間インキュベーションし、4℃、13000×gで3O分間
遠心分離して沈澱を除いた。その後、IgG画分は40%硫
酸アンモニウムで沈澱させ、PBS-Ca溶液で透析して小型
濃縮器CentriconlOO(アミコン社製)で1ml(元の容量
の1/1O)まで濃縮した。これらの濃縮されたIgGs(マウ
ス1匹当たり100-15Oμ1)は文献(N.Engl.J.Med., 198
2年第3O6巻 1189-1196頁、J.Clin.lnvest., 1992年第9O
巻919-926頁)を参考にして新生児BALB/cマウス(生誕2
4時間以内)に皮下注射した。新生児マウスは注射後18
〜24時間の間、生検を実施した。
【0033】コントロール実験として、上記の実験系に
おいてPVAg-IgG組換えバキュロウイルスを感染させたSf
9細胞にかえてバキュロウイルスを感染させていないSf9
細胞の上清5Omlを加えた系では、新生児マウスに広範囲
の水疱、びらんが観察されたがPVAg-IgG組換えバキュロ
ウイルスを感染させたSf9細胞の上清をインキュベ一シ
ョンした系においては、水疱の形成は肉眼的にも、病理
組織学的にも認められず水疱症を誘発する病原活性は失
われたことが明らかになった。 [1−7]尋常性天疱瘡の治療器 上記知見に基づき天疱瘡の治療器を作製した。液体流入
口および排出口を上下端にそれぞ設けた筒状のポリカー
ボネート製ハウジング内に、表面にPVAg-IgGを介して共
有結合せしめた球状担体(商品名:EAH Sepharose4
B、平均粒径45〜165μm、Pharmacia社製)を充填し、
流入口及び排出口にはそれぞれ150メッシュのポリエス
テル製フィルターを固定したものを作製した。
【0034】この治療器が有効に機能することを確認す
るため、天疱瘡患者血清1Omlをペリスタルティックポン
プを用い、約1ml/minの流速で注入した。排出口より流
出する血清を集め、イムノブロット解析を行い、自己抗
体の存在を調べたが、その存在は全く確認できず、この
治療器が天疱瘡患者自己抗体を有効に吸収することが明
らかになった。
【0035】従って、この治療器によれば、従来の免疫
抑制剤を使用した場合には全ての免疫反応が抑制される
ため副作用が強かったのに対して、尋常性天疱瘡に関係
する免疫反応のみが選択的に抑制されるため副作用が軽
減されるという効果が得られる。 [実施例2]PVAgにHis tagが結合された融合蛋白質(P
VAg-His) [2−1]PVAg-His発現プラスミドの構築 以下のようにXho1切断部位及びE tagをコードするプラ
イマーと、His tag及びKpn1切断部位をコードするプラ
イマーを調製し、PCR法によりE tag及びHis tagをコー
ドするcDNAの構築を行った。
【0036】 [Xho1切断部位及びE tag をコードするプライマー] 5'フ゜ライマー(DN516)GCCCTCGAGGGTGCGCCGGTGCCGTATA [His tag及びKpn1切断部位をコードするプライマー] 3'フ゜ライマー(DN517)CGGGGTACCTCAATGATGATGATGATGGCC PCRは94℃で1分処理した後94℃1分、55℃1分、72℃
1分を20サイクル繰り返し、72℃7分処理して、クロロ
ホルムを加えた後エタノールを加えてPCR産物を沈殿し
た。これらのPCR産物は制限酵素Xho1及びKpn1で37℃2
時間処理後、ゲル内電気泳動により目的とするHis tag
及びE tagをコードするDNAを採取し、QIAEX kit(キア
ゲン社製)でDNAを精製した。精製したDNAは制限酵素Xh
o1及びKpn1で消化し、IgGをコードする領域を除いたpEV
mod-PVAg-IgGと結合させることにより、PVAg-His発現プ
ラスミドpEVmod-PVAg-Hisを作製した。このpEVmod-PVAg
-Hisは配列表の配列番号1のアミノ酸配列をコードする
DNA配列を含む。 [2−2]昆虫細胞Sf9によるPVAg-Hisの発現 pEVmod-PVAg-Hisとバキュロゴールド(ファーミンゲン
社)のDNAの両者を、上記[1−2]と同様にしてSf9細
胞にコトランスフェクトすることにより、組換え型のPV
Ag-His-Sf9を生成するバキュロウイルスを含む上清を得
た。 [2−3]PVAg-His融合蛋白質の精製濃縮 PVAg-His融合蛋白質を精製濃縮するため、1mlのNi2+-NT
A- アガロース(キアゲン社製)に0.22μmのフィルター
でろ過した上記培養上清を添加し、8mlの結合バッファ
ー(20mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH
7.8)で洗浄した後さらに洗浄バッファー(20mMリン酸
ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH6.3)で2回洗浄
した。次いで溶出バッファー(200mMイミダゾールを含
む洗浄バッファー)0.6mlで溶出しさらに溶出バッファ
ー1.2mlで2回溶出した。
【0037】イムノブロッティングによりPVAg-Hisを含
む分画を確認し、Ca加生理的トリス塩酸緩衝液(TBS)
で十分透析し、4℃で保存した。尚、PVAg-Hisの分子構
造は、シグナルペプチド(S)、プロシークエンス(P)、PV
Ag(EC1〜EC5)、及びPVAgのEC5に結合した6つのヒス
チジンを含む。 [2−4]ELISA法によるPV診断 尋常性天疱瘡患者であるか否かの診断は以下のようにし
て行うことができる。
【0038】96穴平底マイクロタイタープレート(タ
イターテック社製)の各ウエルに50μlのPVAg-His溶液
を加え、4℃で一晩インキュベイトした後、PVAg-His溶
液を除き、1%BSA,0.005% tween20を含むCa加TBS(ブロ
ッキングバッファー)200μlを加え、室温で1時間ブロ
ッキングし、0.005%ツイーン20を含むCa加TBS(洗浄バッフ
ァー)で洗浄する。これにブロッキングバッファーで10
0倍希釈した患者血清50μlを加え室温で1時間反応させ
る。洗浄バッファーで4回洗浄し、50μlのペルオキシ
ダーゼ標識抗体を加え室温で1時間反応させ、再度洗浄
した後100μlの発色基質(オルトフェニレンジアミン4m
g、31%過酸化水素6μl を含む0.1Mクエン酸/0.2Mリン
酸2ナトリウム溶液(pH4.8-5.0))を加え、室温で30分
反応させ発色させた後、50μl の4N硫酸を加えて反応を
停止し、波長492nmの吸光度を測定する。 この際、尋
常性天疱瘡患者50例の血清を測定し、その平均値に相
当する患者血清を集めて標準血清とし、この標準血清と
患者血清につき測定を行い、以下の式から患者血清のイ
ンデックス値を求める。
【0039】
【数1】
【0040】別に正常人の血清200例を測定し、その
インデックス値の平均値+3×標準偏差を正常範囲とし
て、これを越えた場合PV抗体を持っていると判断す
る。かかる診断法によれば、従来のように正常表皮切片
を基質とする必要がないため簡便性、客観性に優れると
いう効果が得られ、また、特異性及び感度に優れるため
尋常性天疱瘡の早期発見に役立つという効果も得られ
る。
【0041】また、PV抗体の濃度を測定する方法とし
ては、高力価の患者血清を標準品として倍々希釈により
検量線を作製し、診断対象となる患者血清中のPV抗体
の濃度を求めることもできる。このようにしてPV抗体
の濃度を測定することにより治療効果の判定、患者の臨
床症状の推移を追うことができるという効果が得られ
る。
【0042】尚、PVAg-IgGを含む溶液を抗原溶液に用い
ると、ペルオキシダーゼ標識抗体はPV抗体に結合する
ばかりでなく、PVAg-IgGのIgG部位にも結合してしまう
ため、ペルオキシダーゼ標識抗体を用いて上記ELISA法
により診断することはできない。
【0043】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:7O4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 Met Gly Leu Phe Pro Arg Thr Thr Gly Ala Leu Ala Ile Phe Val 1 5 10 15 Val Val Ile Leu Val His Gly Glu Leu Arg Ile Glu Thr Lys Gly 20 25 30 Gln Tyr Asp Glu Glu Glu Met Thr Met Gln Gln Ala Lys Arg Arg 35 40 45 Gln Lys Arg Glu Trp Val Lys Phe Ala Lys Pro Cys Arg Glu Gly 50 55 60 Glu Asp Asn Ser Lys Arg Asn Pro Ile Ala Lys Ile Thr Ser Asp 65 70 75 Tyr Gln Ala Thr Gln Lys Ile Thr Tyr Arg Ile Ser Gly Val Gly 80 85 90 Ile Asp Gln Pro Pro Phe Gly Ile Phe Val Val Asp Lys Asn Thr 95 100 105 Gly Asp Ile Asn Ile Thr Ala Ile Val Asp Arg Glu Glu Thr Pro 110 115 120 Ser Phe Leu Ile Thr Cys Arg Ala Leu Asn Ala Gln Gly Leu Asp 125 130 135 Val Glu Lys Pro Leu Ile Leu Thr Val Lys Ile Leu Asp Ile Asn 140 145 150 Asp Asn Pro Pro Val Phe Ser Gln Gln Ile Phe Met Gly Glu Ile 155 160 165 Glu Glu Asn Ser Ala Ser Asn Ser Leu Val Met Ile Leu Asn Ala 170 175 180 Thr Asp Ala Asp Glu Pro Asn His Leu Asn Ser Lys Ile Ala Phe 185 190 195 Lys Ile Val Ser Gln Glu Pro Ala Gly Thr Pro Met Phe Leu Leu 200 205 300 Ser Arg Asn Thr Gly Glu Val Arg Thr Leu Thr Asn Ser Leu Asp 305 310 315 Arg Glu Gln Ala Ser Ser Tyr Arg Leu Val Val Ser Gly Ala Asp 320 325 330 Lys Asp Gly Glu Gly Leu Ser Thr Gln Cys Glu Cys Asn Ile Lys 335 340 345 Val Lys Asp Tyr Asn Asp Asn Phe Pro Met Phe Arg Asp Ser Gln 350 355 360 Tyr Ser Ala Arg Ile Glu Glu Asn Ile Leu Ser Ser Glu Leu Leu 365 370 375 Arg Phe Gln Val Thr Asp Leu Asp Glu Glu Tyr Thr Asp Asn Trp 380 385 390 Leu Ala Val Tyr Phe Phe Thr Ser Gly Asn Glu Gly Asn Trp Phe 395 400 405 Glu Ile Gln Thr Asp Pro Arg Thr Asn Glu Gly Ile Leu Lys Val 410 415 420 Val Lys Ala Leu Asp Tyr Glu Gln Leu Gln Ser Val Lys Leu Ser 425 430 435 Ile Ala Val Lys Asn Lys Ala Glu Phe His Gln Ser Val Ile Ser 440 445 450 Arg Tyr Arg Val Gln Ser Thr Pro Val Thr Ile Gln Val Ile Asn 455 460 465 Val Arg Glu Gly Ile Ala Phe Arg Pro Ala Ser Lys Thr Phe Thr 470 475 480 Val Gln Lys Gly Ile Ser Ser Lys Lys Leu Val Asp Tyr Ile Leu 485 490 495 Gly Thr Tyr Gln Ala Ile Asp Glu Asp Thr Asn Lys Ala Ala Ser 500 505 510 Asn Val Lys Thr Val Met Gly Arg Asn Asp Gly Gly Tyr Leu Met 515 520 525 Ile Asp Ser Lys Thr Ala Glu Ile Lys Phe Val Lys Asn Met Asn 530 535 540 Arg Asp Ser Thr Phe Ile Val Asn Lys Thr Ile Thr Ala Glu Val 545 550 555 Leu Ala Ile Asp Glu Tyr Thr Gly Lys Thr Ser Thr Gly Thr Val 560 565 570 Tyr Val Arg Val Pro Asp Phe Asn Asp Asn Cys Pro Thr Ala Val 575 580 585 Leu Glu Lys Asp Ala Val Cys Ser Ser Ser Pro Ser Val Val Val 590 595 600 Ser Ala Arg Thr Leu Asn Asn Arg Tyr Thr Gly Pro Tyr Thr Phe 605 610 615 Ala Leu Glu Asp Glu Pro Val Lys Leu Pro Ala Val Trp Ser Ile 620 625 630 Thr Thr Leu Asn Ala Thr Ser Ala Leu Leu Arg Ala Gln Glu Gln 635 640 645 Ile Pro Pro Gly Val Tyr His Ile Ser Leu Val Leu Thr Asp Ser 650 655 660 Gln Asn Asn Arg Cys Glu Met Pro Arg Ser Leu Thr Leu Glu Val 665 670 675 Cys Gln Cys Asp Asn Arg Gly Ile Cys Gly Thr Ser Tyr Pro Thr 680 685 690 Thr Ser Pro Gly Thr Arg Tyr Gly Arg Pro His Ser Gly Arg 695 700 704
【図面の簡単な説明】
【図1】 動物細胞(COS7)によって得られたPVAg-IgG
と各種血清のイムノブロット解析の結果を表す説明図で
ある。
【図2】 昆虫細胞(SF9)によって得られたPVAg-IgG
と各種血清のイムノブロット解析の結果を表す説明図で
ある。
【図3】 PVAg-IgGの分子構造を表す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/47 16/28 19/00 8318−4H G01N 33/564 Z // A61M 1/36 545 C12N 15/09 C12P 21/02 ZNA C (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 西川 武二 神奈川県横浜市保土ヶ谷区峰岡町2−217 −8 (72)発明者 浦上 研一 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尋常性天疱瘡患者自己抗体に認識される
    融合蛋白質であって、 尋常性天疱瘡抗原蛋白質の細胞外領域である配列番号1
    に表される蛋白質のC末端に、IgGの定常領域がヒンジ
    部を介して結合されたことを特徴とする融合蛋白質。
  2. 【請求項2】 尋常性天疱瘡患者自己抗体に認識される
    融合蛋白質であって、 尋常性天疱瘡抗原蛋白質の細胞外領域である配列番号1
    に表される蛋白質のC末端に、タッグ抗原が結合された
    ことを特徴とする融合蛋白質。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の融合蛋白質を有効
    成分として含有する尋常性天疱瘡の治療薬。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の融合蛋白質を担体
    に固定した吸着剤を有することを特徴とする尋常性天疱
    瘡の治療器具。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の融合蛋白質を免疫
    診断の抗原として用いることを特徴とする尋常性天疱瘡
    の診断剤。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の融合蛋白質を結合させた
    不溶性担体に患者血清を加えることにより前記融合蛋白
    質と前記患者血清中の尋常性天疱瘡患者自己抗体とを結
    合させ、次いで前記尋常性天疱瘡患者自己抗体に特異的
    に結合する標識抗体を反応させ、該反応物の標識量を測
    定する尋常性天疱瘡の診断方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001016600A1 (fr) * 1999-08-31 2001-03-08 Mitsubishi Chemical Corporation Methode d'analyse d'une interaction mutuelle entre une proteine et une molecule
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