JPH114698A - 分泌性タンパク質Frizbと類似する新規ヒト遺伝子(ATG−1639) - Google Patents

分泌性タンパク質Frizbと類似する新規ヒト遺伝子(ATG−1639)

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JPH114698A
JPH114698A JP10142888A JP14288898A JPH114698A JP H114698 A JPH114698 A JP H114698A JP 10142888 A JP10142888 A JP 10142888A JP 14288898 A JP14288898 A JP 14288898A JP H114698 A JPH114698 A JP H114698A
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Erding Hu
アーディング・フ
Yuan Zhu
ユアン・ズー
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SmithKline Beecham Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 心疾患、高血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、
肥満症、インシュリン抵抗性、糖尿病、CNS疾患など
を含め、機能不全または疾患の予防、改善または矯正に
おいて役割を果たしうる、分泌性タンパク質リガンド、
縮れたファミリーを同定および特徴付ける必要がある。 【解決手段】 本発明は、配列番号2のATG−163
9のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列とその
全長にわたって少なくとも80%の同一性を有するヌク
レオチド配列、またはそのヌクレオチド配列に相補的な
ヌクレオチド配列を有してなる単離されたポリヌクレオ
チドを提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定された
ポリヌクレオチド、それによりコードされるポリペプチ
ド、このようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの
使用およびその生成に関する。さらに詳しくは、本発明
のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは7−TMレセ
プターに対する分泌性タンパク質、縮んだ(frizzled)
ファミリー(以下、ATG−1639という)に関す
る。本発明はまた、かかるポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの作用を阻害または活性化することに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】7−
TMレセプターに対するタンパク質リガンドは、様々な
生物学的作用を調節する重要な分子である。グルカゴ
ン、モルフィン、オピエート(opiate)およびトロンビ
ンは、すべてこれらのタンパク質リガンドの例であり、
たとえば、グルカゴンは、グルカゴンレセプター、7−
TMレセプターと相互作用し、細胞のグルコース調節機
構にシグナルを伝達することにより血液グルコースレベ
ルを上昇させる。それゆえ、7−TMに対する新規なタ
ンパク質リガンドの同定により、正常および病的状態に
おける多くの生物学的プロセスへの新規な経路を明らか
にできるであろう。これは、7−TMレセプターに対す
る分泌性タンパク質リガンド、縮れたファミリー、が治
療標的として確立され、かつ立証された歴史を有するこ
とを示している。限定するものではないが、心疾患、高
血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥満症、インシュリン
抵抗性、糖尿病、CNS疾患などを含め、機能不全また
は疾患の予防、改善または矯正において役割を果たしう
る、さらなる分泌性タンパク質リガンド、縮れたファミ
リーを同定および特徴付ける必要があるのは明らかであ
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】一の態様において、本発
明はATG−1639のポリペプチドおよび組換え材料
ならびにその製法に関する。本発明の別の態様は、その
ようなATG−1639のポリペプチドおよびポリヌク
レオチドを用いる方法に関する。かかる使用は、とりわ
け心疾患、高血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥満症、
インシュリン抵抗性、糖尿病、CNS疾患などの治療を
包含する。さらに別の態様において、本発明は、該発明
により得られる材料を用いてアゴニストおよびアンタゴ
ニストを同定する方法、およびATG−1639の平衡
異常に付随する症状をその同定した化合物を用いて治療
することに関する。本発明のさらに別の態様は不適当な
ATG−1639活性またはレベルに伴う疾患を検出す
るための診断アッセイに関する。
【0004】
【発明の実施の形態】
定義 以下の定義は、本明細書で汎用する用語の理解を容易に
するためのものである。「ATG−1639」は、とり
わけ、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドまたはその対立遺伝子変種をいう。「ATG−
1639の活性またはATG−1639ポリペプチドの
活性」または「ATG−1639またはATG−163
9ポリペプチドの生物学的活性」とは、類似の活性また
は改良された活性あるいは望ましくない副作用の減じた
これらの活性を含め、該ATG−1639の代謝的また
は生理学的機能をいう。該ATG−1639の抗原的お
よび免疫原的活性も含まれる。
【0005】「ATG−1639遺伝子」とは、配列番
号1に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオ
チドまたはその対立遺伝子変種および/またはそれらの
相補物をいう。本明細書で用いる「抗体」は、ポリクロ
ーナルおよびモノクローナル抗体、キメラ、1本鎖、お
よびヒト化抗体、ならびにFabの産物または他の免疫
グロブリン発現ライブラリーを含め、Fabフラグメン
トを包含する。「単離」とは、「人間の手により」天然
の状態から変えられたことを意味する。「単離」された
組成物または物質が天然に存在する場合、その本来の環
境から変えられるかもしくは取り除かれ、またはその両
方がなされたことを意味する。例えば、天然の状態で生
存動物に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチド
は「単離」されていないが、その天然状態で共存する物
質から分離されているその同一のポリヌクレオチドまた
はポリペプチドは、本明細書に用いる用語である、「単
離」がなされている。
【0006】「ポリヌクレオチド」とは、一般に、修飾
されていないRNAもしくはDNA、または修飾された
RNAもしくはDNAであってよい、いずれかのポリリ
ボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを
いう。「ポリヌクレオチド」は、一本鎖および二本鎖D
NA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、
一本鎖および二本鎖RNA、および一本鎖および二本鎖
領域の混合物であるRNA、一本鎖もしくはより典型的
には二本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物で
あってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分
子を包含するが、これに限定されるものではない。加え
て、「ポリヌクレオチド」は、RNAもしくはDNAま
たはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域をいう。ポ
リヌクレオチドなる用語はまた、一つまたはそれ以上の
修飾された塩基を含有するDNAまたはRNA、ならび
に安定性またはその他の理由で修飾された骨格を有する
DNAまたはRNAを包含する。「修飾された」塩基
は、例えば、トリチル化された塩基およびイノシンなど
の通常でない塩基を包含する。種々の修飾がDNAおよ
びRNAに対してなされている。よって、「ポリヌクレ
オチド」は、典型的には天然において見いだされるよう
な化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態のポリ
ヌクレオチド、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的な
化学的形態のDNAおよびRNAを包含する。また、
「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチド
と称される比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0007】「ポリペプチド」は、ペプチド結合により
互いに結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を有
してなるペプチドまたはタンパク質または修飾されたペ
プチド結合により互いに結合している2個またはそれ以
上のアミノ酸を有してなるペプチドまたはタンパク質、
すなわち、ペプチドアイソスターをいう。「ポリペプチ
ド」は、通常、ペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴ
マーと称される短鎖、およびタンパク質と称される長鎖
の両方をいう。ポリペプチドは遺伝子によりコードされ
た20種のアミノ酸とは異なるアミノ酸を含有してもよ
い。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセッシングなどの
自然の工程により、または当業者に周知の化学修飾技法
により修飾されたアミノ酸配列を含有する。このような
修飾は基本テキストにて、およびさらに詳細な研究論文
にて、ならびに膨大な研究文献において詳しく記載され
ている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびア
ミノまたはカルボキシル末端を含め、ポリペプチドのど
こででも起こり得る。同一の型の修飾が所定のポリペプ
チドの幾つかの部位で、同一または異なる程度で存在し
得ることは理解されよう。また、所定のポリペプチドは
多くの型の修飾を含んでいてもよい。ポリペプチドはユ
ビキチネーションの結果として分岐していてもよく、分
岐しているかまたはしていない、環状であってもよい。
環状、分岐および分岐した環状ポリペプチドは翻訳後の
天然プロセスにより生じたものであってもよく、または
合成法により製造されたものであってもよい。修飾は、
アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド
化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレ
オチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質また
は脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの
共有結合、交差架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱
メチル化、交差架橋共有結合形成、システイン形成、ピ
ログルタメート形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシ
ル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、ヒドロキシル
化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タン
パク質分解的プロセッシング、リン酸化、プレニル化、
ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などの
トランスファーRNA媒介のタンパク質へのアミノ酸付
加、ならびにユビキチネーションを包含する。例えば、
PROTEINS‐STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES、第2
版、T.E.Creighton、W.H.Freemanand Company、New Yor
k(1993)およびPOSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICA
TION OF PROTEINS、B.C.Johnson編、Academic Press、N
ew York(1983)のWold,F.、Posttranslational Protei
n Modifications:Perspectives and Prospects、1〜12
頁;Seifterら、“Analysis for protein modification
s and nonproteincofactors”、Meth.Enzymol. 182:62
6-646(1990)およびRattanら、“ProteinSynthesis:P
osttranslational Modifications and Aging"、Ann.N.
Y.Acad.Sci.663:48-62(1992)を参照のこと。
【0008】本明細書で用いる「変種」なる用語は、各
々、対照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異な
るが、本質的な特性は保持している、ポリヌクレオチド
またはポリペプチドである。典型的なポリヌクレオチド
の変種は、別の対照ポリヌクレオチドとはヌクレオチド
配列が異なる。変種のヌクレオチド配列における変化
は、対照ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプ
チドのアミノ酸配列と変わっていてもよく、変わってい
なくてもよい。ヌクレオチドの変化は、後記するよう
に、対照配列によりコードされるポリペプチドにおいて
アミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切断をもた
らしうる。典型的なポリペプチドの変種は、別の対照ポ
リペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般に、差異
は、対照ポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に極
めて類似しており、多くの領域で同一であるように限定
される。変種および対照ポリペプチドは、1またはそれ
以上の置換、付加、欠失のいずれかの組み合わせによ
り、アミノ酸配列にて異なっていてもよい。置換または
挿入されたアミノ酸残基は、遺伝暗号によりコードされ
たものであってもなくてもよい。ポリヌクレオチドまた
はポリペプチドの変種は、対立遺伝子変種のような天然
物であってもよく、または天然に発生することが知られ
ていない変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドの天然に生じない変種は、突然変異誘発技
術により、または直接的合成により製造できる。
【0009】「同一性」は、ヌクレオチド配列またはア
ミノ酸配列のある程度の同一性をいう。一般に、配列は
最高の対合が得られるように配置される。「同一性」自
体は、当該分野にて認識されている意義を有しており、
公開されている方法を用いて計算することができる。例
えば、(COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY,Lesk,A.M.
編、Oxford University Press、New York、1988年;BIO
COMPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROJECTS、Smith,
D.W.編、Academic Press、New York、1993年;COMPUTER
ANALYSIS OF SEQUENCE DATA,PARTI,Griffin,A.M.お
よびGriffin,H.G.編、Humana Press、New Jersey、1994
年;SEQUENCE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY,von He
inje,G.、Academic Press、1987年;およびSEQUENCE AN
ALYSIS PRIMER,Gribskov,M.およびDevereux,J.編、M
Stockton Press、New York、1991年)を参照のこと。二
つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の間の同
一性を測定するのに多数の方法があるが、「同一性」な
る用語は当業者に周知である(Carillo,H.およびLipto
n,D.,SIAM J.Applied Math.,48:1073(1988))。2
つの配列間の同一性または類似性を測定するために通常
用いられる方法は、Guide to Huge Computers、Martin
J. Bishop,編、Academic Press、San Diego、1994年、
およびCarillo,H.およびLipton,D.,SIAM J.Applied Ma
th.,48:1073(1988)に開示されている方法を包含す
るが、これらに限定されるものではない。同一性および
類似性を決定するための方法はコンピュータープログラ
ムに集成されている。二つの配列間の同一性および類似
性を測定するための好ましいコンピュータープログラム
法は、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら、N
ucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BLAS
TP、BLASTN、FASTA(Atschul,S.F.ら、J.Molec.Biol. 2
15:403(1990))を包含するが、これらに限定される
ものではない。
【0010】一例として、配列番号1の対照ヌクレオチ
ド配列に対して少なくとも、例えば95%の「同一性」
を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド
は、そのポリヌクレオチド配列が配列番号1の対照ヌク
レオチド配列のヌクレオチド各100個当たり5個まで
の点突然変異を有していてもよいことを除き、ポリヌク
レオチドのヌクレオチド配列が対照配列と同一であるこ
とを意図とする。言い換えれば、対照ヌクレオチド配列
と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有す
るポリヌクレオチドを得るためには、その対照配列にお
けるヌクレオチドの5%までが欠失または別のヌクレオ
チドで置換されていてもよく、または対照配列における
全ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチドが対照配
列中に挿入されていてもよい。対照配列のこれらの変異
は、対照ヌクレオチド配列の5または3末端位置で、ま
たはそれら末端位置の間のどこで起こってもよく、対照
配列中のヌクレオチド間に個々に、または対照配列内の
一またはそれ以上の隣接する基において点在してもよ
い。
【0011】同様に、配列番号2の対照アミノ酸配列に
対して少なくとも、例えば95%の同一性を有するアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドは、そのポリペプチド配
列が配列番号2の対照アミノ酸のアミノ酸各100個当
たり5個までのアミノ酸変異を有していてもよいことを
除き、そのポリペプチドのアミノ酸配列が、対照配列と
同一であることを意図とする。言い換えれば、対照アミ
ノ酸配列に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸
配列を有するポリペプチドを得るためには、その対照配
列におけるアミノ酸残基の5%までが欠失または別のア
ミノ酸で置換されていてもよく、または対照配列におけ
る全アミノ酸残基の5%までの数のアミノ酸が対照配列
中に挿入されていてもよい。対照配列のこれらの変化は
対照アミノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端位置
で、またはそれら末端位置の間のどこで起こってもよ
く、対照配列中の残基間に個々に、または対照配列内の
一またはそれ以上の隣接する基において点在してもよ
い。
【0012】本発明のポリペプチド 一の態様において、本発明はATG−1639のポリペ
プチドに関する。ATG−1639のポリペプチドは、
配列番号2および4のポリペプチド;ならびに配列番号
2のアミノ酸配列からなるポリペプチド;および配列番
号2のアミノ酸配列とその全長にわたって少なくとも8
0%の同一性、より好ましくは配列番号2と少なくとも
90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95
%の同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド
を包含する。さらには、少なくとも97−99%の同一
性を有するポリペプチドが最も好ましい。ATG−16
39のポリペプチドはまた、配列番号2のアミノ酸配列
を有するポリペプチドとその全長にわたって少なくとも
80%の同一性、より好ましくは配列番号2と少なくと
も90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも9
5%の同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチ
ドも包含する。さらには、少なくとも97−99%の同
一性を有するポリペプチドが最も好ましい。好ましく
は、ATG−1639のポリペプチドは少なくとも1つ
のATG−1639の生物学的活性を示す。
【0013】ATG−1639のポリペプチドは「成
熟」タンパク質の形態であってもよく、あるいは融合タ
ンパク質などの大型のタンパク質の一部であってもよ
い。分泌またはリーダー配列、プロ配列、複数のヒスチ
ジン残基のごとき精製を促進する配列、または組換え操
作の間の安定性のための付加的な配列を含む付加的なア
ミノ酸配列を含んでいることが有利なことがよくある。
【0014】ATG−1639のポリペプチドのフラグ
メントも本発明に含まれる。フラグメントは、前記のA
TG−1639のポリペプチドのアミノ酸配列のすべて
ではなく一部に対して全く同一であるアミノ酸配列を有
するポリペプチドである。ATG−1639のポリペプ
チドでは、フラグメントは「自立している」であるか、
またはフラグメントが一部分もしくは一領域を形成する
大型のポリペプチド内に含まれていてもよく、最も好ま
しくは単一の連続した領域として含まれる。本発明のポ
リペプチドフラグメントの典型例は、例えば、ATG−
1639のポリペプチドのアミノ酸番号約1〜20、2
1〜40、41〜60、61〜80、81〜100およ
び101から末端までからなるフラグメントを包含す
る。この意味において、「約」とは、片方または両端に
おいて、特記された数よりも数個、5個、4個、3個、
2個または1個だけ多いかまたは少ない範囲を含む。
【0015】好ましいフラグメントは、例えば、アミノ
末端を含む一連の残基が欠失、またはカルボキシル末端
を含む一連の残基が欠失、あるいは一方がアミノ末端で
もう一方がカルボキシル末端を含む2つの一連の残基が
欠失していること以外は、ATG−1639のポリペプ
チドのアミノ酸配列を有する切断ポリペプチドを包含す
る。また、アルファーヘリックスおよびアルファーヘリ
ックス形成領域、ベータシートおよびベータシート形成
領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイ
ル形成領域、親水領域、疎水領域、アルファー両親媒性
領域、ベータ両親媒性領域、可変領域、表面形成領域、
基質結合領域および高抗原性指標領域を有するフラグメ
ントなどの構造的または機能的属性により特徴付けられ
るフラグメントも好ましい。他の好ましいフラグメント
は生物学的に活性なフラグメントである。生物学的に活
性なフラグメントは、類似活性または改良された活性を
有する、あるいは望ましくない活性を減じたものを含
め、ATG−1639活性を媒介する、フラグメントで
ある。動物、とりわけヒトにおいて抗原的または免疫原
的なフラグメントもまた含まれる。
【0016】好ましくは、これらのポリペプチドフラグ
メントはすべて、抗原的活性を含め、ATG−1639
の生物学的活性を保持している。最も好ましいフラグメ
ントには、配列番号4のアミノ酸配列を有するものがあ
る。定義した配列の変種およびフラグメントも本発明の
一部を形成する。好ましい変種は、同類アミノ酸置換に
より対照と異なるものであり、すなわち、一の残基が同
様の特徴を有する他の残基により置換されているもので
ある。典型的なかかる置換は、Ala、Val、LeuおよびIle
の間:SerおよびThrの間;酸性残基AspおよびGluの間;
AsnおよびGlnの間;ならびに塩基性残基Lysおよ
びArgの間;あるいは芳香族残基PheおよびTyrの間にお
けるものである。数個、5ないし10個、1ないし5
個、または1ないし2個のアミノ酸がいずれかの組み合
わせで置換、欠失または付加されている変種が特に好ま
しい。いずれか適当な方法にて本発明のATG−163
9のポリペプチドを製造することができる。かかるポリ
ペプチドは、単離された天然ポリペプチド、組換え技法
で産生されたポリペプチド、合成法により産生されたポ
リペプチド、またはこれらの方法の組み合わせにより産
生されたポリペプチドを包含する。かかるポリペプチド
の製造手段は当該分野においてよく知られている。
【0017】本発明のポリヌクレオチド 本発明のもう一つ別の態様はATG−1639のポリヌ
クレオチドに関する。ATG−1639のポリヌクレオ
チドは、ATG−1639のポリペプチドをコードする
単離ポリヌクレオチドおよびフラグメント、ならびにそ
のポリヌクレオチドに密接に関連するポリヌクレオチド
に関する。さらに詳細には、本発明のATG−1639
のポリヌクレオチドは、配列番号2のATG−1639
のポリペプチドをコードする配列番号1に示されるヌク
レオチド配列を有してなるポリヌクレオチド、および配
列番号1および3の特定の配列を有するポリヌクレオチ
ドを包含する。ATG−1639のポリヌクレオチド
は、さらには、配列番号2のATG−1639のポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列とその全長にわた
って少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチドか
らなるポリヌクレオチド、および配列番号1とその全長
にわたって少なくとも80%同一であるポリヌクレオチ
ドを包含する。この点において、少なくとも90%同一
であるポリヌクレオチドが特に好ましく、少なくとも9
5%同一であるのがさらに好ましい。さらには、少なく
とも97%同一であるのがより好ましく、少なくとも9
8−99%の同一性を有するものがより一層好ましく、
少なくとも99%の同一性を有するものが最も好まし
い。さらに、増幅させるのにあるいはプローブまたはマ
ーカーとしての用途に用いることのできる条件下で、ハ
イブリッド形成するのに配列番号1に含まれるヌクレオ
チド配列と十分な同一性を有するヌクレオチド配列もA
TG−1639のポリヌクレオチドに含められる。本発
明はまた、かかるATG−1639のポリヌクレオチド
に相補的なポリヌクレオチドを提供する。
【0018】ヒトATG−1639をコードするcDN
Aを配列決定した結果から明らかなように、本発明のA
TG−1639は、7−TMに対する分泌性タンパク質
リガンド、縮れたファミリー、の他のタンパク質に構造
的に関連付けられる。配列番号1のcDNA配列は、配
列番号2の369のアミノ酸のポリペプチドをコードす
る読み枠(ヌクレオチド番号200から1306まで)
を含んでいる。表1(配列番号2)のアミノ酸配列は、
キセノパス・リービス・フリッブ(Xenopus laevis Fri
zb)と、162アミノ酸残基にて、約50.9の同一性
(FASTA-Pを使用)を有する[Wang, S., Krinks, M., Li
n, K., Luyten, F. P. and Moos, M. Jr., Cell 88
(6), 757-766(1997)]。表1(配列番号2)のアミノ酸
配列は、また、キセノパス・リービス・フリッチルド
(Xenopus Laevis Frezzled)と、約49.8%の同一性
を有する[Leyns, L., Bouwmeester, T., Kim, S, H., P
iccolo, S. and De Robertis, E. M., Cell 88 (6), 74
7-756(1997)]。表1(配列番号1)のヌクレオチド配列
は、マウスsFRP−4のポリペプチドと、472ヌク
レオチド残基にて、約81.6%の同一性(FASTA-Nを
使用)を有する[Rattner,A., Hsieh, J.-C., Smallwoo
d, O. M., Gillbert, D. J., Copeland, N. G., Jenkin
s, N. A. and Nathans, J., Proc. Natl. Acad. Sci.
U. S. A. 94, 2859-2863(1997)]。表1(配列番号1)
のヌクレオチド配列は、ヒトEST#AA486838
(機能は未知)と、328ヌクレオチド残基にて、約9
7.9%の同一性を有する[Marra, M., Hillier, L., A
llen, M., Bowles, M., Dietrich, N., Dubuque, T., G
eisel, S., Kucaba, T., Lacy, M., Le, M., Martin,
J., Morris, M., Schellenberg, K., Steptoe, M., Ta
n, F., Underwood, K., Moore,B., Theising, B., Wyli
e, T., Lennon, G., Soares, B., Wilson, R., and Wat
erston, R., The WashU-HHMI Mouse EST Project, Unpu
blosehd (1996)]。
【0019】
【表1】 表1a TGCGGAGTCCGGGACTGGAGCTGCCCGGGCGGGTTCGCGCCCCGAAGGCTGAGAGCTGGCGCTGCTCGT GCCCTGTGTGCCAGACGGCGGAGCTCCGCGGCCGGACCCCGCGGCCCCGCTTTGCTGCCGACTGGAGTT TGGGGGAAgAAACTCTCCTGCGCCCCAGAGGATTTCTTCCTCGGCGAAGGGACaGCGAAAGATGAGGGT GGCAGGAAGAgAAGGGCGCTTTCTGTCTGCCgGGGTCgCAgCgCGAGAGGGCAGTGCCATGTTCCTCTC CATCCTAgTGGCGCTGTGCCTGTGGCTGCACCTGGCGCTGGGCGTGCGCGGCGCGCCCTGCGAGGCGGT GCGCATCCCTATGTGCCGGCACATGCCCTGGAACATCACGCGGATGCCCAACCACCTGCACCACAGCAC GCAGGAGAACGCCATCCTGGCCATCGAGCAGTACGAGGAGCTGGTGGACGTGAACTGCAGCGCCGTGCT GCGCTTCTTCCTCTGTGCCATGTACGCGCCCATTTGCACCCTGGAGTTCCTGCACGACCCTATCAAGCC GTGCAAGTCGGTGTGCCAACGCGCGCGCGACGACTGCGAGCCCCTCATGAAGATGTACAACCACAGCTG GCCCGAAAGCCTGGCCTGCGACGAgCTGCCTGTCTATGACCGTGGCGTGTGCATCTCGCCTGAAGCCAT CGTCACGGACCTCCCGGAgGATGTTAAGTGGATAgACATCACACCAgACATGATGGTACAGGAAAGGCC TCTTGATGTTGACTGTAAACGCCTAAgCCCCGATCGGTGCAAGTGTaAAAAgGTGAAgCCAACTTTGGC AACGTATCTCAGCAAAAAcTACAGCTATGTTATTCATGCCAAAATAAAAGCTGTGCAGAGGAGTGGCTG CAATGAGGTCACAACGGTGGTGGATGTAAAAGAGATCTTCAAGTCCTCATCACCCATCCCTCGAACTCA AGTCCCGCTCATTACAAATTCTTCTTGCCAGTGTCCACACATCCTGCCCCATCAAGATGTTCTCATCAT GTGTTACGAGTGGCGTTCAAGGATGATGCTTCTTGAAAATTGCTTAGTTGAAAAATGGAGAGATCAGCT TAGTAAAAGATCCATACAGTGGGAAGAGAGGCTGCAGGAACAGCGGAGAACAGTTCAGGACAAGAAGAA AACAGCCGGGCGCACCAGTCGTAGTAATCCCCCCAAACCAAAGGGAAAGCCTCCTGCTCCCAAACCAGC CAGTCCCAAGAAGAACATTAAAACTAGGAGTGCCCAGAAGAAAACAAACCCGAAAAGAgTGTGAGCTAA CTAGTTTCCAAAGCGGAGACTTCCGACTTCCTTACAGGATGAGGCTGGGCaTTGCCTGGGACAgCCtaT GTTAGGGCATGTGCCCCTTGCCCTAACAACTCCCTGCAGTGCTCTTTCATAgAcACATCTTGCAGCATT TTTCCTTAA aヒトATG−1639のヌクレオチド配列。(配列番号1)
【0020】
【表2】 表2b MRVAGREGRFLSAGVAAREGSAMFLSILVALCLWLHLALGVRGAPCEAVRIPMCRHMPWNITRMPNHLH HSTQENAILAIEQYEELVDVNCSAVLRFFLCAMYAPICTLEFLHDPIKPCKSVCQRARDDCEPLMKMYN HSWPESLACDELPVYDRGVCISPEAIVTDLPEDVKWIDITPDMMVQERPLDVDCKRLSPDRCKCKKVKP TLATYLSKNYSYVIHAKIKAVQRSGCNEVTTVVDVKEIFKSSSPIPRTQVPLITNSSCQCPHILPHQDV LIMCYEWRSRMMLLENCLVEKWRDQLSKRSIQWEERLQEQRRTVQDKKKTAGRTSRSNPPKPKGKPPAP KPASPKKNIKTRSAQKKTNPKRV bヒトATG−1639のアミノ酸配列。(配列番号2)
【0021】ヒト脂肪組織および軟骨肉腫の細胞中のm
RNAから由来のcDNAライブラリーより標準的クロ
ーニングおよびスクリーニングを用い、発現配列タグ
(EST)分析(Adams,M.D.ら、Science 252:1651-16
56(1991);Adams,M.D.ら、Nature 355:632-634(199
2);Adams,M.D.ら、Nature 377 Supp:3-174(199
5))を用いて、≪Receptor Name≫をコードする本発明
の1のポリヌクレオチドを得てもよい。ゲノムDNAラ
イブラリーのごとき天然源から本発明のポリヌクレオチ
ドを得ることもでき、あるいはよく知られ、かつ商業上
利用可能な方法を用いて合成することもできる。
【0022】配列番号2のATG−1639のポリペプ
チドをコードするヌクレオチド配列は、表1(配列番号
1のヌクレオチド番号200から1306)に含まれる
ポリペプチドをコードする配列と同一であってもよく、
または遺伝暗号の重複性(縮重性)の結果として、配列
番号2のポリペプチドをもコードする配列であってもよ
い。
【0023】本発明のポリヌクレオチドをATG−16
39のポリペプチドの組換え生産に用いる場合、ポリヌ
クレオチドはそれ自体、成熟ポリペプチドまたはそのフ
ラグメントのコーディング配列を含むものであってもよ
く;読み枠中に、リーダーまたは分泌配列、プレ、プ
ロ、もしくはプレプロタンパク質配列をコードするコー
ディング配列、または他の融合ペプチド部分などの、他
のコーディング配列を伴った、成熟ポリペプチドまたは
フラグメントのコーディング配列を含むものであっても
よい。例えば、融合ポリペプチドの精製を促進するマー
カー配列をコードすることもできる。本発明のこの態様
の特に好ましい具体例において、マーカー配列は、pQ
Eベクター(Qiagen,Inc.)で得られ、Gentzら、Proc.
Natl. Acad. Sci., USA,86:821‐824(1989)に記載
されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチドであるか、
またはHAタグである。ポリヌクレオチドはまた、非コ
ーディング5’および3’配列、例えば、転写された非
翻訳配列、スプライスおよびポリアデニル化シグナル、
リボソーム結合部位およびmRNAを安定化する配列な
どを含有していてもよい。
【0024】さらなる好ましい具体例は、表2(配列番
号2)のATG−1639のポリペプチドのアミノ酸配
列を有し、数個、5ないし10個、1ないし5個、1な
いし3個、1ないし2個または1個のアミノ酸残基がい
ずれかの組み合わせで置換、欠失または付加されている
ATG−1639の変種をコードするポリヌクレオチド
である。本発明の好ましいポリヌクレオチドには、表4
(配列番号4)のアミノ酸配列をコードする表3(配列
番号3)に含まれるポリヌクレオチドがある。
【0025】
【表3】 表3c CACAGCACGCAGANAACGCCATCCTGGCCATCGAGCAGTANGAGGAGCTGGTGGACGTGA ACTGCAGCGCCNTGCTGCGCTTCTTCCTCTGTGCCATGTACGCGCCCATTTGCACCCTGG AAGTTTCTTGCANGGACCTATCAAAGCCGTGCAAGTCGGTGTNNCAANGCGCGNGNGAAC GNATTGCGAANCCCCTATGAANGATGTNNAAACCACANCTGGGCCGNANAACCTGGCCTT GCGANCGAGCTGGCTNGTCTANTACCGTTGGCTGTGCANCTCAGCCTGAAGGCATCGTCA ANGAACTTCCGGAAGGATGTTAAGTGGGTAGAAATCAACACCANGACATGANGGGTACAA GGANAGGCCTCTTGATGTTGGACTGTAAACGCCTAAGCCCCGANTTGGT cヒトATG−1639の部分ヌクレオチド配列。(配列番号3)
【0026】
【表4】 表4d NAILAIEQXEELVDVNCSAXLRFFLCAMYAPICTLE dヒトATG−1639の部分アミノ酸配列。(配列番号4)
【0027】本発明は、さらには、本明細書において前
記した配列とハイブリッド形成するポリヌクレオチドに
も関する。この点において、本発明は、特に、本明細書
において前記したポリヌクレオチドにストリンジェント
な条件下でハイブリダイゼーションするポリヌクレオチ
ドに関する。本明細書で用いる用語の「ストリンジェン
トな条件」とは、配列間に少なくとも95%、好ましく
は少なくとも97%の同一性がある場合にのみハイブリ
ダイゼーションが起こることを意味する。
【0028】本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1
に含まれるヌクレオチド配列またはそのフラグメント
(配列番号3のヌクレオチド配列を含む)に対して同一
または十分に同一であり、cDNAおよびゲノムDNA
用のハイブリダイゼーションプローブとして用いてAT
G−1639をコードする全長のcDNAおよびゲノム
クローンを単離し、ATG−1639遺伝子に対して高
配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノム
クローンを単離することができる。かかるハイブリダイ
ゼーション法は当業者に知られている。典型的には、こ
れらのヌクレオチド配列は、対照配列と80%同一、好
ましくは90%同一、より好ましくは95%同一であ
る。一般に、プローブは少なくとも15個のヌクレオチ
ドを含むであろう。好ましくは、かかるプローブは少な
くとも30個のヌクレオチドを有し、少なくとも50個
のヌクレオチドを有していてもよい。特に好ましいプロ
ーブは30ないし50個のヌクレオチドの範囲にある。
【0029】一の具体例において、ATG−1639の
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを得るに
は、適当なライブラリーをストリンジェントなハイブリ
ダイゼーション条件下で配列番号1を有する標識したプ
ローブまたはそのフラグメント(配列番号3のヌクレオ
チド配列を含む)でスクリーニングし、該ポリヌクレオ
チド配列を含有する全長のcDNAおよびゲノムクロー
ンを単離する工程からなる。そのようなハイブリダイゼ
ーション法は当業者に周知である。それゆえ、他の態様
において、本発明のATG−1639のポリヌクレオチ
ドは、ストリンジェントな条件下で配列番号1またはそ
のフラグメント(配列番号3のヌクレオチド配列を含
む)を有するヌクレオチド配列に対しハイブリダイズす
るヌクレオチドからなるヌクレオチド配列をさらに含有
する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
は、前記されているとおりであるか、あるいはまた50
%ホルムアミド、5xSSC(150mM NaCl、15
mM クエン酸ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウ
ム(pH7.6)、5xDenhardt's溶液、10%硫酸デ
キストランおよび20マイクログラム/mlの変性切断
サケ精子DNAを有してなる溶液中で一夜42℃でイン
キュベートし、つづいてそのフィルターを約65℃で
0.1xSSCにて洗浄する条件である。研究試薬なら
びに動物およびヒトの疾患の治療および診断を見いだす
ための材料として本発明のポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドを用いてもよい。
【0030】ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド(複数でも
可)を含むベクター、本発明のベクターで遺伝子操作す
る宿主細胞および組換え技法による本発明のポリペプチ
ドの製造にも関する。無細胞翻訳系を用い、本発明のD
NA構築物から由来のRNAを用いてかかるタンパク質
を製造できる。
【0031】組換え体を製造するために、宿主細胞を遺
伝子操作して、本発明のポリヌクレオチドについての発
現系もしくはそれらの一部を組み込むことができる。ポ
リヌクレオチドの宿主細胞への導入は、Davisら、BASIC
METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1986);Sambrook
ら、MOLECUR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版、
Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring H
arbor、N.Y.(1989)のような、多くの標準的な実験マ
ニュアルに記載される方法により行うことができ、例え
ばリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−
デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベク
ション、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介
トランスフェクション、エレクトロポレーション、トラ
ンスダクション、スクレープ負荷、バリスティック導入
または感染等がある。
【0032】適当な宿主の代表的なものとして、細菌細
胞、例えば連鎖球菌属(streptococci)、ブドウ球菌属
(staphylococci)、大腸菌(E.coli)、ストレプトミ
セス(Streptomyces)および枯草菌(Bacillus subtili
s)細胞;真菌細胞、例えば酵母細胞およびアスペルギ
ルス属(Aspergillus)細胞;昆虫細胞、例えばドロソ
フィラS2(Drosophila S2)およびスポドプテラSf
9(Spodoptera Sf9)細胞;動物細胞、例えばCHO、CO
S、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293およびボ
ウズ(Bows)黒色腫細胞;ならびに植物細胞が挙げられ
る。
【0033】多種の発現系を用いることができる。この
ような系として、とりわけ、染色体、エピソームおよび
ウイルス由来系、例えば細菌プラスミドから、バクテリ
オファージから、トランスポゾンから、酵母エピソーム
から、挿入エレメントから、酵母染色体エレメントか
ら、バキュロウイルス、パポバウイルスなどの、例えば
SV40、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘
ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルス等
のウイルスから由来のベクター、ならびにその組み合わ
せから由来のベクター、例えばコスミドおよびファージ
ミドなどのプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝因
子から由来のベクターが挙げられる。発現系は発現を制
御および引き起こす調節領域を含有していてもよい。一
般に、ポリヌクレオチドを保持、伸長または発現させ、
宿主にてポリペプチドを産生するのに適した系またはベ
クターを使用できる。種々の周知かつ慣用的な技法、例
えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING、A LABORATORY
MANUAL(前掲)に記載されている技法により、適当なヌ
クレオチド配列を発現系に挿入できる。
【0034】翻訳タンパク質を、小胞体内腔、周辺腔ま
たは細胞外環境へ分泌させるために、適当な分泌シグナ
ルを所望のポリペプチドに組み込むことができる。これ
らのシグナルはポリペプチドに固有のシグナルであって
もよく、あるいは異種性のシグナルであってもよい。A
TG−1639のポリペプチドをスクリーニングアッセ
イにて用いるために発現させる場合、一般に、そのポリ
ペプチドを細胞表面で生成させることが好ましい。この
場合、スクリーニングアッセイに使用する前に細胞を集
めてもよい。ATG−1639のポリペプチドが培地中
に分泌されるならば、培地を回収してポリペプチドを回
収し精製することができる。細胞内に生成されるなら
ば、まず細胞を溶解し、次いで、ポリペプチドを回収し
なければならない。
【0035】ATG−1639のポリペプチドは、硫酸
アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン
または陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロ
ースクロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフ
ィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシ
ルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマ
トグラフィーを含め、周知の方法により、組換え細胞培
養物から回収および精製できる。高性能液体クロマトグ
ラフィーを精製に用いるのが最も好ましい。ポリペプチ
ドが単離および/または精製中に変性する場合、タンパ
ク質を再生するための周知方法を用い、再び活性な立体
配座とすることができる。
【0036】診断アッセイ 本発明はまた診断薬として用いるためのATG−163
9のポリヌクレオチドの使用にも関する。機能不全に関
与するATG−1639遺伝子の変異形の検出は、AT
G−1639の過少発現、過剰発現または発現の変化よ
りもたらされる疾患の診断または罹病し易さを特定する
ことのできる診断手段を提供する。ATG−1639遺
伝子に変異のある個体は、種々の方法によりDNAレベ
ルで検出できる。
【0037】診断に供する核酸は、対象の細胞、例え
ば、血液、尿、唾液、組織生検または剖検材料より得る
ことができる。ゲノムDNAは、検出するのに直接使用
してもよく、または分析の前にPCRもしくはその他の
増幅法を用いることにより酵素的に増幅させてもよい。
RNAまたはcDNAもまた同じ方法で用いることがで
きる。正常な遺伝子型との比較における増幅産物の大き
さの変化により、欠失および挿入を検出できる。点突然
変異は、増幅DNAを標識化ATG−1639のヌクレ
オチド配列とハイブリッド形成させることにより同定で
きる。完全に対合した配列はRNase消化により、また
は融解温度の違いにより、誤対合二重らせんから区別で
きる。DNA配列の違いはまた、変性物質と一緒にまた
はなしで、ゲル中のDNAフラグメントの電気泳動の移
動度の変化により、または直接的DNA配列決定法によ
り検出できる。例えばMyersら、Science 230:1242(19
85)を参照のこと。特異的な位置での配列の変化はま
た、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えばRNaseおよびS
1保護または化学的切断法によっても明らかにすること
ができる。Cottonら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA,8
5:4397-4401(1985)を参照のこと。もう1つの具体例
において、ATG−1639のヌクレオチド配列または
そのフラグメントからなるオリゴヌクレオチドプローブ
のアレイ(array)を構築して、例えば遺伝的変異の効
果的なスクリーニングを行うことができる。アレイ法は
よく知られており、適用範囲が広く、その方法を用い
て、遺伝子発現、遺伝的連鎖および遺伝的変化を含め、
分子遺伝学における種々の問題と取り組むことができる
(例えば、M.Cheeら、Science, Vol 274, pp610-613(1
996)を参照のこと)。
【0038】診断アッセイは、記載した方法によりAT
G−1639遺伝子中の変異を検出することによる、心
疾患、高血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥満症、イン
シュリン抵抗性、糖尿病、CNS疾患などの罹病し易さ
を診断または測定する方法を提供する。加えて、心疾
患、高血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥満症、インシ
ュリン低抗性、糖尿病、CNS疾患などは、対象から由
来の試料より、異常に上昇または低下したATG−16
39のポリペプチドまたはATG−1639のmRNA
のレベルを測定することを特徴とする方法によって診断
することができる。発現の増加または低下は、ポリヌク
レオチドの定量法として当該分野で周知の方法、例え
ば、PCR、RT-PCR、RNase保護、ノーザンブロ
ッティングおよび他のハイブリダイゼーション法を用い
てRNAレベルで測定できる。宿主から由来の試料中の
ATG−1639のポリペプチドなどのタンパク質のレ
ベルを決定するために用いることができるアッセイ法
は、当業者に周知である。このようなアッセイ法には、
ラジオイムノアッセイ、競争結合アッセイ、ウェスタン
ブロット分析およびELISAアッセイが挙げられる。
【0039】染色体アッセイ 本発明のヌクレオチド配列は染色体の同定にも価値があ
る。該配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置を特異
的に標的とし、これとハイブリッド形成しうる。本発明
に従って、関連する配列を染色体にマッピングする工程
は、それらの配列を遺伝子関連疾患と関連づける重要な
第1工程である。配列を正確な染色体位置にマッピング
したならば、染色体上の配列の物理的位置を遺伝地図の
データと関連づけることができる。かかるデータは、例
えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man(J
ohns Hopkins University Welch Medical Libraryから
オンラインで利用できる)にて見られる。ついで、連鎖
分析(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝)により、同
じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との関係
を同定する。罹病個体と未罹病個体との間のcDNAま
たはゲノム配列の相違も測定することができる。いくつ
かまたはすべての罹病個体において変異が観察される
が、正常個体においては観察されない場合、その変異は
該疾患の原因である可能性がある。
【0040】抗体 本発明のポリペプチドもしくはそれらのフラグメントま
たはそのアナログ、あるいはそれらを発現する細胞を免
疫原として用いて、ATG−1639のポリペプチドに
対して免疫特異的な抗体を得ることもできる。「免疫特
異的」なる語は、抗体が先行技術における他の関連ポリ
ペプチドに対するアフィニティーよりも、本発明のポリ
ペプチドに対して実質的により大きなアフィニティーを
有することを意味する。
【0041】ATG−1639のポリペプチドに拮抗し
て生じる抗体は、ポリペプチドまたはエピトープ担持フ
ラグメント、アナログまたは細胞を、動物、好ましくは
ヒト以外の動物に、通常の実験法を用いて投与すること
により得ることができる。モノクローナル抗体の産生に
は、連続的セルライン培養により得られる抗体を提供す
るいずれの方法も用いることができる。例えば、ハイブ
リドーマ法(Kohler,G.およびMilstein,C.、Nature 25
6:495-497(1975)、トリオーマ法、ヒトB-細胞ハイブ
リドーマ法(Kozborら、Immunology Today 4:72(198
3)およびEBV-ハイブリドーマ法(Coleら、MONOCLONAL
ANTIBODIES AND CANCER THERAPY、77−96頁、Alan
R. Liss, Inc.,(1985))が挙げられる。
【0042】一本鎖抗体を産生するのに記載された技術
(米国特許第4946778号)を適用して、本発明の
ポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生できる。また、
トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動物を含め、
他の生物を用いて、ヒト化抗体を発現させることができ
る。前記した抗体を用いて、ポリペプチドを発現するク
ローンを単離または同定してもよく、あるいはアフィニ
ティークロマトグラフィーによりポリペプチドを精製し
てもよい。ATG−1639のポリペプチドに対する抗
体を用いて、とりわけ、心疾患、高血圧、心臓血管系疾
患、腎疾患、肥満症、インシュリン低抗性、糖尿病、C
NS疾患などを治療してもよい。
【0043】ワクチン 本発明の別の態様は、哺乳動物における免疫学的応答を
誘起する方法であって、抗体および/またはT細胞免疫
応答を生じさせるに十分なATG−1639のポリペプ
チドまたはそのフラグメントを哺乳動物に接種して、と
りわけ、心疾患、高血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥
満症、インシュリン低抗性、糖尿病、CNS疾患などか
ら該動物を防御することからなる方法に関する。本発明
のもう1つ別の態様は、哺乳動物における免疫学的応答
を誘導する方法であって、ATG−1639のポリペプ
チドを、インビボにてATG−1639のポリヌクレオ
チドの発現を指令するベクターを介してデリバリーし、
かかる免疫学的応答を誘発させ、抗体を産生し、該動物
を疾患から保護することからなる方法に関する。
【0044】本発明のさらなる態様は免疫学的/ワクチ
ン処方(組成物)であって、哺乳動物宿主中に導入され
た場合、その哺乳動物にてATG−1639のポリペプ
チドに対する免疫学的応答を誘導する処方(該組成物は
ATG−1639のポリペプチドまたはATG−163
9遺伝子を含んでなる)に関する。ワクチン処方は、さ
らに適当な担体を含んでいてもよい。ATG−1639
のポリペプチドは胃で分解されるかもしれないため、好
ましくは非経口的(皮下、筋肉内、静脈内、皮内注射等
を包含する)に投与する。非経口投与に適した処方は、
抗酸化剤、バッファー、静菌剤および処方を患者の血液
と等張にする溶質を含有してもよい水性および非水性滅
菌注射用溶液;ならびに懸濁剤または増粘剤を含んでい
てもよい水性および非水性滅菌懸濁液を包含する。処方
を1回投与または複数回投与用容器、例えば、密封アン
プルおよびバイアルに入れて提供してもよく、使用直前
に滅菌液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態にて
保存してもよい。またワクチン処方は、水中油系および
当該分野で知られた他の系などの処方の免疫原性を高め
るためのアジュバント系を含んでいてもよい。用量は、
ワクチンの個々の活性に依存しており、通常の実験によ
り容易に決定することができる。
【0045】スクリーニングアッセイ 本発明のATG−1639のポリペプチドは、本発明の
ATG−1639のポリペプチドの活性を活性化(アゴ
ニスト)または阻害(アンタゴニスト)する化合物につ
いてのスクリーニング法にて用いてもよい。かくして、
本発明のポリペプチドを用いて、例えば細胞、無細胞調
製物、化学ライブラリーおよび天然物の混合物における
小型分子基質およびリガンドの結合を評価してもよい。
これらの天然の基質およびリガンドは、天然の基質およ
びリガンドであってもよく、あるいは構造または機能を
模倣したものであってもよい。Coliganら、Current Pro
tocols in Immunology 1(2):第5章(1991)を参照の
こと。
【0046】ATG−1639のポリペプチドは、種々
の病原性を含め、多くの生物学的機能に関与している。
したがって、一方でATG−1639のポリペプチドを
刺激する化合物および薬剤を、他方でATG−1639
のポリペプチドの機能を阻害しうる化合物または薬剤を
見いだすことが望ましい。一般に、アゴニストは、心疾
患、高血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥満症、インシ
ュリン低抗性、糖尿病、CNS疾患などのような症状に
ついての治療および予防目的に利用される。アンタゴニ
ストは、心疾患、高血圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥
満症、インシュリン低抗性、糖尿病、CNS疾患などな
どの症状の種々の治療および予防目的に利用できる。
【0047】一般に、かかるスクリーニング操作は、本
発明のATG−1639のポリペプチドを発現するかま
たはATG−1639のポリペプチドに応答する適当な
細胞を作り出すことからなる。かかる細胞は、哺乳動
物、酵母、DrosophilaまたはE.coli由来の細胞を包含す
る。ついで、ATG−1639のポリペプチドを発現す
る(または発現したポリペプチドを有する細胞膜)かま
たはATG−1639のポリペプチドに応答する細胞
を、試験化合物と接触させて結合または機能的応答の刺
激もしくは阻害を観察する。候補化合物と接触させた細
胞の能力を接触させていない同じ細胞と、ATG−16
39の活性について比較する。
【0048】この完全長タンパク質をこれと相互作用す
るタンパク質レセプターをスクリーニングするのに用い
ることができる。たとえば、GST融合タンパク質は、
細菌またはバキュロウイルス系において生産することが
でき、ATG−1639と結合できるさらなるレセプタ
ーを同定するために用いることができる(実施例参照の
こと)。加えて、完全長ATG−1639のタンパク質
は、細菌および/またはバキュロウイルス中に大量に生
成させる事ができ、古典的な結合アッセイにおいて、相
互作用するレセプターを見つけるために、ヨー素化する
ことができる。加えて、このタンパク質は、古典的な競
合実験において、このタンパク質のその7−TMレセプ
ターへの結合を阻害できる潜在的な阻害剤の解析におい
ても有用である。
【0049】該アッセイは、候補化合物に直接または間
接的に結合した標識を用いて、あるいは標識競争物質と
の競争を用いるアッセイにおいて、ATG−1639を
有する細胞への付着を検出する、候補化合物の結合を簡
単に試験することができる。さらには、候補化合物がA
TG−1639の活性化により発生するシグナルを生じ
るかどうかを、ATG−1639を有する細胞に適した
検出系を用いて、これらのアッセイにより試験してもよ
い。活性化の阻害剤は、一般に、既知アゴニストの存在
下でアッセイされ、候補化合物の存在がアゴニストによ
る活性化に及ぼす作用を観察する。
【0050】また、ATG−1639のcDNA、タン
パク質およびタンパク質に対する抗体も、細胞内のAT
G−1639のmRNAおよびタンパク質の生成におけ
る添加された化合物の効果を検出するためのアッセイを
形成するのに用いることができる。たとえば、ELIS
Aを技術分野において知られる標準的な方法により、モ
ノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いて、AT
G−1639の分泌されたまたは細胞関連のレベルを測
定するために構築することができ、これを適当に操作さ
れた細胞または組織からのATG−1639の生成を阻
害または増強する物質(それぞれ、アンタゴニストまた
はアゴニストと呼ばれる)を見出すのに用いることがで
きる。
【0051】ATG−1639のタンパク質を、技術分
野において知られる標準的なレセプター結合方法により
膜結合または可溶性レセプターを同定するのに用いるこ
とができる。これらには、これに限定されるものではな
いが、ATG−1639が放射活性アイソトープにより
標識されるか(たとえば、125I)、化学的に修飾さ
れるか(たとえば、ビオチニル化)、または検出または
精製に適当なペプチド配列と融合され、推定されるレセ
プター源(細胞、細胞膜、細胞上澄、組織抽出物、体
液)とインキュベートされるリガンド結合および架橋ア
ッセイが含まれる。他の方法には、表面プラスモン共鳴
および分光学などの生物理学方法が含まれる。レセプタ
ーの精製およびクローニングに用いるのに加え、これら
の結合アッセイは、ATG−1639のそのレセプター
への結合と競合するATG−1639のアゴニストおよ
びアンタゴニストを同定するのに用いることができる。
スクリーニングアッセイを行うための標準的な方法は、
技術分野において周知である。
【0052】潜在的なATG−1639のポリペプチド
のアンタゴニストの例は、抗体、またはある場合には、
場合によって、ATG−1639ポリペプチドの、リガ
ンド、基質、レセプターなどに密接に関連するオリゴヌ
クレオチドまたはタンパク質、例えば、リガンドのフラ
グメント、基質またはレセプターの活性が妨げられるよ
うに、該レセプターに結合するが、応答を惹起しない、
小型分子を包含する。
【0053】予防および治療方法 本発明は、過剰および不十分な量の両方のATG−16
39のポリペプチドの活性に関連する、心疾患、高血
圧、心臓血管系疾患、腎疾患、肥満症、インシュリン抵
抗性、糖尿病、CNS疾患などの、異常な症状の治療方
法を提供する。ATG−1639のポリペプチドの活性
が過剰な場合、いくつかの方法を用いることができる。
1の方法は、リガンド、基質などとの結合を遮断するこ
とにより、または別のシグナルを阻害することによりA
TG−1639のポリペプチドの機能を阻害するのに効
果的な量にて前記した阻害化合物(アンタゴニスト)を
医薬上許容される担体と共に対象に投与し、そのことに
より異常な症状を改善することからなる。もう1つ別の
方法において、内在性ATG−1639のポリペプチド
と競争してリガンド、基質などとの結合能を有する可溶
形のATG−1639のポリペプチドを投与してもよ
い。かかる競争物質の典型例はATG−1639のポリ
ペプチドのフラグメントからなる。
【0054】もう1つ別の方法において、内在性ATG
−1639のポリペプチドと競争してリガンドとの結合
能を有する可溶形のATG−1639のポリペプチドを
投与してもよい。かかる競争物質の典型例はATG−1
639のポリペプチドのフラグメントからなる。さらに
もう1つ別の方法において、発現遮断法を用いて内在性
ATG−1639のポリペプチドをコードする遺伝子の
発現を阻害してもよい。公知のかかる方法は、内部生成
した、あるいは別個に投与されたアンチセンス配列の使
用からなる。例えば、Oligodeoxynucleotides as Antis
ense Inhibitors of Gene Expression,CRC Press,Boc
a Raton, FL(1988)中、O'Connor、J.Neurochem 56:5
60(1991)を参照のこと。別法として、遺伝子と共に三
重らせんを形成するオリゴヌクレオチドを供給すること
もできる。例えば、Leeら、Nucleic Acids Res 6:3073
(1979);Cooneyら、Science 241:456(1988);Derv
anら、Science 251:1360(1991)を参照のこと。これ
らのオリゴマーはそれ自体投与することができ、あるい
は関連するオリゴマーをインビボで発現させることもで
きる。
【0055】ATG−1639およびその活性の過少発
現に関連する異常な症状を治療するのに、またいくつか
の方法が利用可能である。1の方法は、ATG−163
9のポリペプチドを活性化する治療上有効量の化合物
(すなわち、前記のアゴニスト)を医薬上許容される担
体とともに対象に投与し、そのことにより異常な状態を
改善することからなる。別法として、遺伝子治療を用い
て、対象中の関連細胞によるATG−1639の内因的
生成を有効ならしめてもよい。例えば、前記のごとく、
複製欠損レトロウイルスベクターにて発現するように、
本発明のポリヌクレオチドを操作してもよい。ついで、
該レトロウイルス発現構築物を単離し、本発明のポリペ
プチドをコードするRNA含有のレトロウイルスプラス
ミドベクターでトランスダクションしたパッケージング
細胞中に導入して、パッケージング細胞が目的とする遺
伝子を含む感染性ウイルス粒子を生成するようにしても
よい。これらのプロデューサー細胞を対象に投与して細
胞をインビボで操作し、インビボでポリペプチドを発現
するようにしてもよい。遺伝子治療の概説としては、Hu
man Molecular Genetics,T.Strachan and A. P. Read,
BIOS Scientific Publishers Ltd(1996)中、第20
章、Gene Therapy and other Molecular Genetic-based
Therapeutic Approaches(およびその中の引用文献)
を参照のこと。別法は、治療量のATG−1639のポ
リペプチドを適当な医薬担体と組み合わせて投与するこ
とである。
【0056】処方および投与 可溶形のATG−1639のポリペプチドのごときペプ
チド、ならびにアゴニストおよびアンタゴニストペプチ
ドまたは小型分子を、適当な医薬担体と組み合わせて処
方してもよい。かかる処方は、治療上有効量のポリペプ
チドまたは化合物、および医薬上許容される担体または
賦形剤を含んでなる。かかる担体としては、食塩水、緩
衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノ
ール、およびその組み合わせを包含するが、これらに限
定されない。処方は投与経路に適したものとすべきであ
り、当業者によく知られている。さらに本発明は、前記
した本発明の組成物の1種またはそれ以上の成分を充填
した、1個またはそれ以上の容器を含んでなる医薬パッ
クおよびキットにも関する。
【0057】本発明のポリペプチドおよび他の化合物を
単独で使用してもよく、あるいは治療化合物のごとき他
の化合物と一緒に使用してもよい。医薬組成物の全身系
投与の好ましい形態は、典型的には静脈注射による注射
を包含する。皮下、筋肉内または腹腔内などの他の注射
経路を用いることもできる。全身系投与のための別の手
段は、胆汁酸塩またはフシジン酸などの浸透剤または他
の界面活性剤を用いる経粘膜または経皮投与を包含す
る。加えて、腸溶処方またはカプセル処方にうまく処方
されるならば、経口投与も可能である。これらの化合物
の投与は、膏薬、パスタ、ゲル等の形態にて、局所的お
よび/または局在化であってもよい。
【0058】必要な用量範囲は、ペプチドの選択、投与
経路、処方の性質、対象の症状の性質、および顧問医の
判断に依存する。しかしながら、適当な用量は対象1k
g当たり0.1ないし100μgの範囲である。しか
し、使用可能な種々の化合物および種々の投与経路の効
力の違いを考慮すれば、必要な用量は広範囲なものと思
われる。例えば、経口投与には静脈注射よりも多い用量
が必要であると考えられる。当該分野においてよく知ら
れた最適化のための標準的な経験的慣用操作を用いてこ
れらの用量の変更を行うことができる。しばしば「遺伝
子治療」と称される前記した治療方法において、治療に
用いられるポリペプチドを対象中において内在的に得る
こともできる。よって、例えば、レトロウイルスプラス
ミドベクターを用いて対象由来の細胞をDNAまたはR
NAなどのポリヌクレオチドで操作し、ポリペプチドを
エクスビボでコードしてもよい。次いで、細胞を対象に
導入する。
【0059】
【実施例】以下の実施例は、特記する場合を除き、当業
者に周知かつ慣用的な、標準方法を用いて行う。実施例
は例示であって、本発明を限定するものではない。
【0060】実施例1 ATG−1639のクローニング手法 部分的クローン(ATG−1639、ヒトゲノムサイエ
ンス(Human Genome Sciences(HGS)EST#1742405、配列
番号3に対応)をヒトゲノムサイエンスデータベースの
ランダムサーチからはじめに同定した。この部分的クロ
ーン(410bp)は、ウシFrzbと有意な相同性(36アミ
ノ酸において69%)を示した。完全長cDNAを得るた
めに、5’および3’レース(RASE)の両方を記載され
たように行った(J. Sambrook, E. F. Fritch and T. M
aniatis(1989) A Laboratory Manaul Second. Ed. Cold
Sprig Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbo
r, New York)。レース産物をTAクローニングベクター
(In Vitrogene Inc.)中にクローニングし、細菌クロー
ンを選択し、配列決定した。全部で1458塩基対の配
列を決定し、これは、369アミノ酸のペプチドをコー
ドする読み枠を含む。Fasta解析により、このペプ
チドがキセノパスFrzbと高い相同性を有することが示さ
れる。
【0061】真核および原核系におけるATG−163
9の発現の実施例 実施例1:イー・コリ(E.coli)におけるATG−163
9の発現および精製 ATG−1639は、分泌性ヒトタンパク質をコードす
る。これは、N−末端に分泌性シグナルペプチドを有し
ており、開裂される。それゆえ、原核発現系(イー・コ
リ)は、ヒスチジンタグでタグされた細胞発現ATG−
1639のC−末端を有する純粋なATG−1639タ
ンパク質を大量に製造するのに用いる。実験方法の詳細
を以下に示す。細胞発現ベクターpOE60をこの実施例に
おける細胞発現のために用いる。(OIAGEN, Inc., 9259
Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311) pOE60は、アン
ピシリン抗生物質耐性("Ampr")をコードしており、細
胞起源の複製("ori")、IPTG誘導性プロモーター、リボ
ソーム結合部位("RBS")、ニッケル−ニトリロ−トリ酢
酸("Ni-NTA")アフィニティレジン(OIAGEN, Inc., 前掲
により販売)を用い、アフィニティ精製を可能にするヒ
スチジン残基をコードする6つのコドン、および、適当
な単一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレメント
は、挿入されたポリペプチドコードするDNAフラグメン
トが、ポリペプチドのカルボキシル末端に共有的に結合
する6個のHis残基(すなわち、"6X His tag")とともに
ポリペプチドを発現するようにアレンジされる。
【0062】疎水性リーダー配列を欠くATG−163
9のタンパク質の所望の部分をコードするDNA配列を、
寄託cDNAクローンから、ATG−1639タンパク質の
所望の部分のアミノ末端配列および3’からcDNAコ
ーディング配列までの寄託構築物中の配列とアニールす
るPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、増幅
する。pOE60ベクター中のクローニングを促進する制限
部位を含む別のヌクレオチドを、5’および3’配列
に、それぞれ、添加する。成熟タンパク質をクローニン
グするために、表1の成熟ATG−1639配列のアミ
ノ末端コーディング配列と相補性の21ヌクレオチドが
続く、下線のEcoRI制限部位を含む、5'GAATTCATGa
gggtggcaggaagagaa3'(配列番号5)配列を5’プライ
マーは有する。当然ながら、当業者は、5’プライマー
が始まるタンパク質コーディング配列におけるポイント
は、成熟形よりも短いかまたは長い完全タンパク質の消
耗の部位をコードするDNAセグメントを増幅するため
に変わり得ることを認識するであろう。3’プライマー
は、表1中のATG−1639DNA配列の終止コドン
直前のコーディング配列の3’末端と相補性の21ヌク
レオチドが続く、下線のEcoRI制限部位をpOE60ベ
クター中の6個のHisコドンの読み枠と共にその読み枠
を維持するための制限部位が並ぶコーディング配列とと
もに含む、5'GAATTCcactctttcgggtttgttt3'(配列番号
6)の配列を有する。増幅されたATG−1639DN
AフラグメントおよびベクターpOE60をEcoRIで消
化し、ついで、消化DNAフラグメントをともにライゲ
ートする。IPTG−誘導プロモーターから下流のAT
G−1639タンパク質コーディング領域および開始A
UGおよび6個のヒスチジンコドンを有するフレーム
で、ATG−1639DNAを制限pOE60ベクター中へ
挿入する。
【0063】実施例2:イー・コリ中のタグのないAT
G−1639の発現および精製 タグが生物学的活性に影響する場合、ATG−1639
をイー・コリ中においてそれぞれの末端にタグなしで発
現させる。細胞発現ベクターpOE60をこの実施例におけ
る細胞発現のために用いる。(OIAGEN, Inc., 9259 Eton
Avenue, Chatsworth, CA, 91311) pOE60は、アンピシ
リン抗生物質耐性("Ampr")をコードしており、細胞起
源の複製("ori")、IPTG誘導性プロモーター、リボソー
ム結合部位("RBS")、ニッケル−ニトリロ−トリ酢酸("N
i-NTA")アフィニティレジン(OIAGEN, Inc., supraによ
り販売)を用い、アフィニティ精製を可能にするヒスチ
ジン残基をコードする6つのコドン、および、適当な単
一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレメントは、
ポリペプチドをコードするDNAフラグメントが、ポリペ
プチドのカルボキシル末端に共有的に結合する6個のHi
s残基(すなわち、"6X His tag")とともにポリペプチド
を発現するようにアレンジされる。しかしながら、本実
施例においては、6個のHisコドンの翻訳が妨害さ
れ、それゆえ、6X His タグを有さずにポリペプチドが
生成されるように、ポリペプチドコーディング配列が挿
入される。
【0064】疎水性リーダー配列を欠くATG−163
9のタンパク質の所望の部分をコードするDNA配列を、
寄託cDNAクローンから、ATG−1639タンパク質の
所望の部分のアミノ末端配列および3’からcDNAコ
ーディング配列までの寄託構築物中の配列とアニールす
るPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、増幅
する。pOE60ベクター中のクローニングを促進する制限
部位を含む別のヌクレオチドを、5’および3’配列
に、それぞれ、添加する。成熟タンパク質をクローニン
グするために、表1の成熟ATG−1639配列のアミ
ノ末端コーディング配列と相補性の21ヌクレオチドが
続く、下線のEcoRI制限部位を含む、5'GAATTCATGa
gggtggcaggaagagaa3'(配列番号5)配列を5’プライ
マーは有する。当然ながら、当業者は、5’プライマー
が始まるタンパク質コーディング配列におけるポイント
は、成熟形よりも短いかまたは長い完全タンパク質の所
望の部位を増幅するために変わり得ることを認識するで
あろう。3’プライマーは、表1中のATG−1639
DNA配列の終止コドン直前のコーディング配列の3’
末端と相補性の21ヌクレオチドが続く、下線のEco
RI制限部位を含む、5'GAATTCCTAcactcttttcgggtttgt
3'(配列番号7)の配列を有する。
【0065】増幅されたATG−1639DNAフラグ
メントおよびベクターpOE60をEcoRIで消化し、つ
いで、消化DNAフラグメントをともにライゲートす
る。IPTG−誘導プロモーターから下流の付随する終
止コドンおよび開始AUGを有するフレームを含むタン
パク質コーディング領域で、ATG−1639DNA
を、制限pOE60ベクター中へ挿入する。付随終止コドン
は挿入ポイントの下流の6個のヒスチジンコドンの翻訳
を妨害する。このライゲーション混合物を、Sambrool
ら、Molecular Cloning: a Laboratory Manual, 2nd E
d; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Sprin
g Harbor, NY(1989) に記載されるような標準的な手法
を用いて、コンピテントイー・コリ細胞中にトランスフ
ォームする。プラスミドpREP4の多数のコピーを含み、
lacリプレッサーおよびカナマイシン耐性("Kanr")で
あるイー・コリ株M15/rep4を、ここに記載する実施例を
行うために用いる。この株は、ATG−1639タンパ
ク質発現に適当な多くのなかで唯一、商業的にOIAGEN I
nc.前掲から利用可能である。形質転換株をアンピシリ
ンおよびカナマイシンの存在するLBプレート上の生育能
力により同定した。プラスミドDNAを耐性コロニーから
単離し、クローニングされたDNAの同定を、制限解析、P
CRおよびDNA配列により確認する。
【0066】所望の構築物を有するクローンをアンピリ
シン(100mg/ml)およびカナマイシン(25mg/ml)の両方
を加えたLB媒地の液体培養中で一晩("O/N")生育させ
る。O/N培養物を約1:25ないし1:250の希釈
で、大きな培養に接種するのに用いる。細胞を600n
mでの吸光度("OD600")が0.4および0.6の間に
まで生育させる。ついで、イソプロピル−b−D−チオ
ガラクトピラノシド("IPTG")を最終濃度1mMで添加
し、lacIリプレッサーの不活性化により、lacリ
プレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導する。
続けて、細胞をさらに3ないし4時間培養する。つい
で、細胞を遠心により収集する。ついで、細胞を4℃で
6Mグアニジン-HCl、pH8中で3−4時間攪拌する。
細胞残骸を遠心により除去し、ATG−1639を含む
上澄を200mMNaClを加えた50mM酢酸ナトリウム緩衝液p
H6に対し、透析する。別法として、タンパク質をプロ
テアーゼ阻害剤を含有する、500mMNaCl、20%グリセロ
ール、25mMTris/HCl、pH7.4に対する透析により、首尾
よく再生することができる。再生後、タンパク質をイオ
ン交換、疎水的相互作用およびサイズ排除クロマトグラ
フィーにより、精製できる。別法として、抗体カラムな
どの親和性クロマトグラフィー工程を純粋なATG−1
639のタンパク質を得るために用いることができる。
精製タンパク質を4℃または−80℃で凍結して保存す
る。
【0067】実施例3:バキュロウイルス発現系におけ
るATG−1639タンパク質のクローニングおよび発
現 この実施例においてプラスミドシャトルベクターpA2
を、Summersら、A Manual of Methods for Baculovirus
Vectors and Insect Cell Culture Procedures, Texas
Agricultural Experimental Station Bulletin No. 15
55(1987) に記載されるようは標準的な手法を用い、天
然の結合分泌シグナル(リーダー)配列を含む、完全タン
パク質をコードする、クローニングされたDNAを挿入
し、成熟ATG−1639のタンパク質を発現するのに
用いた。この発現ベクターは、BamH1およびAsp
718などの通常の制限部位が続く、オートグラファ・
カリフォルニカ・ニュークレア・ポリヘドリス・ウイル
ス(Autographa californica nuclear polyhedrosis vir
us、AcMNPV)の強いポリヘドリン(polyhedrin)プロモー
ターを含む。シミアン(simian)ウイルス40("SV40")の
ポリアデニレーション部位を効果的なポリアデニレーシ
ョンのために用いる。組換えウイルスを容易に選択する
ために、ポリヘドリン遺伝子のポリアデニレーションシ
グナルが続く、同じ方向に、弱いドロソフィアプロモー
ターの制御下のイー・コリ由来のベータ−ガラクトシダ
ーゼ遺伝子を含む。挿入された遺伝子は、両方の側にお
いて、野生型ウイルスDNAと細胞−媒介相同組換えの
ためのウイルス配列に接しており、クローニングされた
ポリペプチドを発現する生存可能なウイルスを生成す
る。
【0068】pAc373、pVL941およびpAc
IM1などの、当業者が容易に認識できるものを、構築
物が転写、翻訳、分泌などのための、シグナルペプチド
および必要なインフレームAUGを含む、適当に位置す
るシグナルを提供する限りにおいて、上記のベクターに
代えて用いることができる。そのようなベクターは、た
とえば、Luckowら、Virology 170: 31-39 に記載されて
いる。寄託クローン中のAUG開始コドンおよび表1に
示される天然に結合リーダー配列を含む、完全長ATG
−1639タンパク質をコードするcDNA配列を遺伝
子の5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレ
オチドプライマーを用いて増幅する。5’プライマー
は、表1に示される、AUG開始コドンで開始する、完
全なATG−1639タンパク質の配列の21塩基が続
く、下線のEcoR1制限酵素部位、Kozak, M., J. Mo
l. Biol. 196:947-957(1987)に記載されるような、真核
細胞における翻訳の開始のための効果的なシグナルを含
む、配列5'GAATTCAAGATGagggtggcaggaagagaa3'(配列番
号8)を有する。3'プライマーは、表1におけるAT
G−1639のDNA配列における終止コドン直前のコ
ーディング配列の3'末端と相補的な21ヌクレオチド
が続く、下線のEcoR1制限部位を含む、配列5'GAAT
TCCTAcactcttttcgggtttgt3'(配列番号7)である。
【0069】増幅したフラグメントを商業的に利用可能
なキット("Geneclean", BIO 101 Inc., La Jolla, C
a.)を用いて1%アガロースゲルから単離する。対で、
フラグメントをEcoRIで消化し、再度1%アガロー
スゲルで生成する。このフラグメントをここで、”F
1”と呼ぶ。プラスミドを制限酵素EcoRIで消化
し、および所望により、技術分野において知られる通常
の手法により、子ウシ小腸ホスファターゼを用い脱リン
酸化できる。ついで、DNAを商業的に利用可能なキッ
ト("Geneclean" BIO 101 Inc.,La Jolla, Ca.)を用い
て1%アガロースゲルから単離する。このベクターDN
Aをここで”V1”と呼ぶ。フラグメントF1および脱
リン酸化プラスミドV1を一緒にT4DNAリガーゼで
ライゲーションする。イー・コリHB101またはXL
−1ブルーなどの他の適当なイー・コリ宿主(Stratage
ne Cloning Systems, La Jolla, CA)細胞をライゲーシ
ョン混合物でトランスフォームし、培養プレート上に広
げる。ヒトATG−1639遺伝子を含むプラスミドを
含有する細胞を、遺伝子を増幅するのに用いたプライマ
ーの一つおよび2番目のプライマーがベクター中によく
形成され、ATG−1639遺伝子フラグメントを含有
する細菌コロニーのみがDNAの増幅を示す、PCR法
を用いて同定した。クローニングされたフラグメントの
配列をDNA配列決定により確証した。このプラスミド
をここで、pBacATG-1639と呼ぶ。
【0070】5mgのpBacATG-1639を1.0mgの商業的
に利用可能な直鎖状バキュロウイルスDNA("BaculoG
oldヤ baculovirus DNA", Pharmingen, San Diego, CA.)
と、リポフェクチン方法(Felgnerら、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 84:7413-7417(1987)に記載)を用いて、一
緒にトランスフェクトした。1mgのBaculoGoldヤウイ
ルスDNAおよび5mgのプラスミドpBacATG-1639を50
mlの血清を含まないグレースの培地(Grace's medium,
Life Technologies Inc., Gaithersburg, MD)を含むマ
イクロタイタープレートの滅菌ウェル中で混合する。そ
の後、10mlリポフェクチン+90mlグレースの培地を添加
し、混合し、室温で15分間培養する。ついで、トランス
フェクション混合物を1mlの血清を含まないグレースの
培地の35mm組織培養プレート中にまいたSf9昆虫細胞(AT
CC CRL 1711)に滴下する。プレートを揺り動かし、新し
く添加した溶液と混合するようにする。ついで、プレー
トを27℃で5時間培養する。5時間後、トランスフェク
ション溶液をプレートから除去し、10%のウシ胎児血清
を含む1mlのグレースの昆虫培地を添加する。プレート
を培養器に戻し、培養を27℃で4日間続ける。
【0071】4日後、上澄を収集し、Summers and Smit
h、上記参照、に記載されるようにプラークアッセイを
行う。" Blue Gal" を含むアガロースゲルを青色染色プ
ラークを生成する、gal−発現クローンの同定および
単離を容易にするために用いる。4日後、上澄を収集
し、Summers and Smith、上記参照、に記載されるよう
にプラークアッセイを行う。" Blue Gal"(Life Techno
logies Inc., Gaithersburg)を含むアガロースゲルを青
色染色プラークを生成する、gal−発現クローンの同
定および単離を容易にするために用いる。(この種類
の"プラークアッセイ"の詳細は、Life Technologies In
c., Gaithersburg, page 9-10により頒布される昆虫細
胞培養およびバキュロバイロロジーのための使用者ガイ
ド中に見出すことができる。)適当な培養の後、青色染
色プラークをマイクロピペッター(たとえばエッペンド
ルフ)のチップで取り上げる。ついで、組換えウイルス
を含有する寒天を200mlのグレース培地を含むマイクロ
遠心管中で再度懸濁し、組換えバキュロウイルスを含有
する懸濁液を35mm皿にまいた昆虫Sf9細胞に用いた。4日
後、これらの培養皿の上澄を収集し、ついで、4℃で保
存する。組換えウイルスをV-ATG-1639と呼ぶ。
【0072】ATG−1639遺伝子の発現を証明する
ために、Sf9細胞を10%加熱不活性化FBSを含むグレース
の培地中で生育させる。細胞を約2の感染の多重度で組
換えバキュロウイルスV-ATG-1639で感染させる。6時間
後、培地を除去し、メイチオニンおよびシステインを除
いたSF900II培地(Life Technologies Inc., Rockvill
e, MDから利用可能)で置きかえる。放射活性標識のタン
パク質が所望される場合、42時間後、5mCiの35S−メ
チオニンおよび5mCiの35S−システイン(Amershamから
利用可能)を添加する。さらに、細胞を16時間培養し、
ついで、遠心により収集する。上澄中のタンパク質なら
びに細胞内タンパク質をSDS-PAGE、ついで、オートラジ
オグラフィー(放射活性標識している場合)により解析
する。精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列のマ
イクロシークエンシングを成熟タンパク質のアミノ末端
配列の決定、および、それゆえ、開裂ポイントおよび分
泌シグナルペプチドの長さを決定するのに用いることが
できる。
【0073】実施例4:哺乳動物細胞におけるATG−
1639のクローニングおよび発現 典型的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始
を媒介するプロモーターエレメント、タンパク質コーデ
ィング配列、および、転写および転写のポリアデニレー
ションの終了に必要なシグナルを含有する。他のエレメ
ントには、エンハンサー、コザック(Kozak)配列およ
びRNAスプライシングのドナーおよびアクセプター部位
の側面に位置する介在配列が含まれる。きわめて効果的
な転写は、SV40由来の初期および後期プロモーター、た
とえばRSV、HTLVI、HIVIなどのレトロウイルス由来のロ
ングターミナルリピート(LTR)、および、サイトメガロ
ウイルス(CMV)の初期プロモーターにより、行うことが
できる。しかしながら、細胞性エレメントもまた用いる
ことができる(たとえば、ヒトアクチンプロモーター)。
本発明を実行するための適当な発現ベクターには、たと
えば、PSVLおよびPMSG(Pharmacia, Uppsala, Swede
n)、pRSVcat(ATCC37152)、pSV2dhfr(ATCC37146)およ
びpBC12MI(ATCC67109)が含まれる。用いることので
きる哺乳動物宿主細胞には、ヒトHela293、H9およびジ
ャーカット(Jurkat)細胞、マウスNIH3T3およびC127細
胞、Cos1、Cos7およびCV1、ウズラOC1-3細胞、マウスL
細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が含
まれる。
【0074】別法として、遺伝子を染色体中に組み込ま
れた遺伝子を含む安定な細胞系において発現させること
ができる。dhfr、gpt、ネオマイシンまたはヒグロマイ
シンなどの選択マーカーとともにトランスフェクション
すると、トランスフェクトされた細胞の同定および単離
ができる。トランスフェクトされた遺伝子は、増幅させ
て、コードするタンパク質を大量に発現させることがで
きる。DHFR(ジヒドロフォレートレダクターゼ)マーカ
ーは、対象の遺伝子の数百または数千のコピーを有する
細胞系を構築するのに有用である。他の有用な選択マー
カーは、酵素グルタチオンシンターゼ(GS)である(Mur
phyら、Biochem. J., 227:277-279(1991); Bebbington
ら、Bio/Technology, 10:169-175(1992))。これらのマ
ーカーを用い、哺乳動物細胞を選択培地で生育させ、も
っとも耐性のある細胞を選択する。これらの細胞系は、
染色体中に組み込まれた増幅遺伝子を含有する。チャイ
ニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO細胞は、しばし
ば、タンパク質の生成に用いられる。発現ベクターpC1
およびpC4は、ラオスザルコーマ(Rous Sarcoma)ウイ
ルス(Cullenら、Molecular and Cellular Biology, 43
8447(3月、1985))とCMV-エンハンサーのフラグメント
(Boshartら、Cell 41:521-530(1985))を含有する。さ
まざまなクローニング部位、たとえば、制限酵素切断部
位、BamHI、XbaIおよびAsp718、により、対象の遺伝子
のクローニングが促進される。ベクターは、3’イント
ロンに加え、ラットプレプロインシュリン遺伝子のポリ
アデニレーションおよびターミネーションシグナルを有
する。
【0075】実施例4(a):COS細胞におけるクロ
ーニングおよび発現 発現プラスミド、pATG-1639HAを、ATG−1639を
コードするcDNAを発現ベクターpcDNAI/Ampまたはpc
DNAIII(Invitrogen, Inc. より入手可能)中にクロー
ニングすることにより作成する。発現プラスミド、pcDN
AI/Ampは、(1)イー・コリおよび他の原核細胞中の増
殖に有効なイー・コリ起源の複製;(2)プラスミド含
有原核細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子;
(3)真核細胞中の増殖のためのSV40起源の複製;
(4)CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロ
ン;(5)cDNAがCMVプロモーターの発現制御下にあ
り、ポリリンカー内の制限部位によりSV40およびポ
リアデニレーションシグナルと関連して作動できるよう
にアレンジされた、終止コドンおよびポリアデニレーシ
ョンシグナルが続く、ヘマグルチニンフラグメントをコ
ードするいくつかのコドン(すなわち、精製を促進す
る"HA"タグ)を含んでいる。HAタグは、インフルエン
ザヘマグルチニンタンパク質(Wilsonら、Cell 37:767
(1984)に記載される)由来のエピトープと対応する。H
Aタグの標的タンパク質への融合により、HAエピトー
プを認識する抗体により組換えタンパク質の検出と回収
が容易になる。pcDNAIIIは、加えて、ネオマイシンマー
カーを含む。
【0076】ATG−1639をコードするDNAフラ
グメントを、組換えタンパク質発現がCMVプロモータ
ーにより支配されるように、ベクターのポリリンカー領
域にクローニングする。プラスミド構築手法は、以下の
ようである。寄託クローンのATG−1639cDNA
をイー・コリにおけるATG−1639の発現のための
ベクターの構築について上記したような、通常の制限部
位を含むプライマーを用いて、増幅する。適当なプライ
マーには、以下の、この実施例において用いられるもの
が含まれる。下線のEcoRI部位、コザック配列、A
UG開始コドン、完全ATG−1639の5’コーディ
ング領域の6個のコドンを含む、5’プライマーは:5'
GAATTCAAGATGagggtggcaggaagagaa3'(配列番号8)の配
列を有する。下線のEcoRI部位、終止コドン、3’
コーディング配列の21塩基対を含む3’プライマーは
(3’末端において):5'GAATTCCTAcactcttttcgggtttg
t3'(配列番号7)の配列を有する。
【0077】PCR増幅DNAフラグメントおよびベク
ター、pcDNAI/AmpをEcoRIで消化し、ついで、ライ
ゲートする。ライゲーション混合物をイイー・コリ株S
URE(Stratagene Cloning Systems, 11099 North Tor
rey Pines Road, La Jolla,CA92037より利用可能)中
に、トランスフォームし、トランスフォームした培養物
をアンピシリン培地プレート上にまき、ついで、これを
培養し、アンピリシン耐性コロニーを生育させる。プラ
スミドDNAを耐性コロニーから単離し、ATG−16
39をコードするフラグメントの存在について、制限解
析または他の手段により、調べる。組換えATG−16
39の発現のため、COS細胞を上記したような発現ベ
クターで、たとえば、Sambrookら、Molecular Cloning:
a Laboratory Manual, Cold Spring Laboratory Pres
s, Cold Spring Harbor, New York(1989)に記載される
ようなDEAE−DEXTRANを用いて、トランスフ
ェクションする。細胞をベクターによりATG−163
9が発現される条件下で培養する。
【0078】ATG−1639−HA融合タンパク質の
発現を放射標識および免疫沈降により、たとえば、Harl
owら、Antibodies: A Laboratory Manual, 2nd Ed.;Col
d Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harb
or, New York(1988)に記載されるような方法を用いて、
検出する。この目的のため、トランスフェクションの2
日後、細胞を35S−システイン含有培地中で8時間培
養して標識化する。細胞および培地を収集し、細胞を洗
浄し、上記に引用したWilsonらに記載されるようなRI
PA緩衝液:150mMNaCl、1%NP-40、0.1%SDS、0.5%DO
C、50mMTRIS、pH7.5を含む界面活性剤により溶解す
る。タンパク質をHA-特異的モノクローナル抗体を用い
て細胞溶解物および培養培地から沈殿させる。ついで、
沈殿したタンパク質をSDS-PAGEおよびオートラジオグラ
フィーにより解析する。期待される大きさの発現生成物
が細胞溶解物中に見られ、これは負の対象中では見られ
ない。
【0079】実施例4(b):CHO細胞におけるクロー
ニングおよび発現 ベクターpC4をATG−1639のタンパク質の発現の
ため用いる。プラスミドpC4は、プラスミドpSV2-dhfr
(ATCC 受け入れ番号37146)の誘導体である。プラスミ
ドは、SV40初期プロモーターの制御下にマウスDHFR遺伝
子を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされ
た、ジヒドロフォレート活性を欠く、チャイニーズハム
スター卵巣または他の細胞を、化学治療剤メトトレキセ
ートを含む選択培地(アルファ マイナス MEM、Life Te
chnologies)中で細胞を生育させて選択できる。メトト
レキセート(MTX)に耐性の細胞中のDHFR遺伝子の増幅は
よく示されている(たとえば、Alt, F. W., Kellems,
R. M., Bertino, J. R., and Schimke, R. T., 1978,
J. Biol. Chem. 253:1357-1370, Hamlin, J. L. andMa,
C. 1990, Biochem. et Biophys. Acta, 1097:107-143,
Page, M. J. and Sydenham, M. A. 1991, Biotechnolo
gy 9:64-68参照)。増加した濃度のMTX中で生育する細
胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果、標的酵素、DHFRの過剰
生成により、薬剤に対し耐性となる。もし、2番目の遺
伝子がDHFR遺伝子と連結していれば、これは、通常、と
もに増幅され、過剰発現される。当該技術分野におい
て、この方法は、1000コピー以上の増幅された遺伝子
(複数でも可)を持つ細胞系を確立するのに有用である
ことが知られている。その後、メトトレキセートを除去
すると、宿主細胞の一つまたはそれ以上の染色体中に組
み込まれた増幅遺伝子を含む細胞系が得られる。
【0080】プラスミドpC4は、対象の遺伝子の発現の
ため、ラオスザルコーマウイルス(Cullenら、Molecular
and Cellular Biology, March 1985:438-447)のロング
ターミナルリピート(LTR)の強いプロモーター、およ
び、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshartら、Cel
l 41: 521-530(1985))の即時初期遺伝子のエンハンサー
から単離されたフラグメントを含有する。プロモーター
の下流は、遺伝子の結合を可能にする、BamHI、XbaIお
よびAsp718制限酵素開裂部位である。これらのクローニ
ング部位の後ろに、プラスミドは、ラットプレプロイン
シュリンの3’イントロンおよびポリアデニレーション
部位を含む。たとえば、ヒトb−アクチンプロモータ
ー、SV40初期または後期プロモーターまたはHIVおよびH
TLVIなどの他のレトロウイルスからのロングターミナル
リピートなどの、他のとても効果的なプロモーターもま
た、発現のために用いることができる。クロンテック
(Clontech)のTet-OffおよびTet-On遺伝子発現系および
同様な系を、哺乳動物細胞において調節されるように、
ATG−1639を発現するのに用いることができる
(Gossen, M., & Bujard, H. 1992, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 89:5547-5551)。mRNAのポリアデニレー
ションために、たとえばヒト成長ホルモンまたはグロビ
ン遺伝子からの他のシグナルもまた用いることができ
る。染色体中に組み込まれた対象の遺伝子を有する安定
した細胞系をgpt、G418またはヒグロマイシン(hygromy
cin)などの選択マーカーとともにトランスフェクション
して選択することもできる。はじめに、たとえば、G418
とメトトレキセートなどの一つ以上の選択マーカーを用
いることが有利である。
【0081】プラスミドpC4を制限酵素EcoRIで消化
し、ついで、子ウシ小腸ホスファターゼを用い、当該分
野において知られる方法により脱リン酸化する。つい
で、ベクターを1%アガロースゲルから単離する。リー
ダー配列を含む完全なATG−1639のタンパク質を
コードするDNA配列を遺伝子の5’および3’配列に
対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて
増幅する。5’プライマーは、Kozak, M., J. Mol. Bio
l. 196:947-950(1987)に記載されるように、真核細胞に
おいて翻訳の開始のために効果的なシグナル、および、
表1に示されるATG−1639のコーディング配列の
21塩基対(配列番号1)が続く、下線のEcoRI制限酵
素部位を含む、配列5'GAATTCAAGATGagggtggcaggaagagaa
3'(配列番号8)を有する。3'プライマーは、表1に示
されるATG−1639遺伝子の3’領域(配列番号
1)と相補的な21ヌクレオチドが続く、下線のEco
R1制限部位を含む、配列5'GAATTCCTAcactcttttcgggtt
tgt3'(配列番号7)である。
【0082】増幅フラグメントをエンドヌクレアーゼEc
oRIで消化し、ついで、1%アガロースゲル上で再度精
製する。ついで、単離されたフラグメントおよび脱リン
酸化ベクターをT4DNAライゲースでライゲーションす
る。ついで、イー・コリHB101またはXL-1ブルー細胞を
トランスフォームし、たとえば制限酵素解析を用いて、
プラスミドpC4中に挿入されたフラグメントを有する細
胞を同定する。活性なDHFR遺伝子を欠くチャイニーズハ
ムスター卵巣細胞をトランスフェクションに用いる。リ
ポフェクチンを用い、5mgの発現プラスミドpC4を0.5m
gのプラスミドpSV-neoとともにトランスフェクションす
る(Felgnerら、上記引用)。プラスミドpSV2neoは、優
勢的な選択マーカー、G418を含む抗生物質の群に対し抵
抗性を与える酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子を含
む。細胞を1mg/mlのG418を含むアルファ・マイナス・ME
M中にまく。2日後、細胞をトリプシン処理し、10、25ま
たは50ng/mlのメトトレキセートおよび1mg/mlのG418を
含むアルファ・マイナス・MEM中のハイブリドーマクロ
ーニングプレート(Greiner, Germany)中にまく。10ない
し14日後、単一クローンをトリプシン処理し、ついで、
異なる濃度のメトトレキセートを用い(50nM、100nM、2
00nM、400nM、800nM)、6穴ぺトリ皿または10mlフラス
コにまく。ついで、最高濃度のメトトレキセートで生育
するクローンを、さらに高い濃度のメトトレキセート
(1mM、2mM、5mM、10mM、20mM)を含む新しい6穴プレ
ートに移す。同じ手法を、100-200mMの濃度で生育する
クローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の
発現を、たとえば、SDS-PAGEおよびウエスタンブロット
または逆相HPLC解析により、解析する。
【0083】実施例5:ATG−1639mRNA発現
の組織分布 ノザンブロット解析をヒト組織におけるATG−163
9遺伝子の発現を調べるために、とりわけ、上記に引用
したSambrookらに記載される方法を用いて行う。ATG
−1639のタンパク質の完全ヌクレオチド配列(配列
番号1)を含むcDNAプローブをレジプリムヤ(redip
rime ヤ)DNA標識システム(Amersham Life Science)を用
い、製造者の指示にしたがって、32Pで標識する。標
識化の後、プローブをCHROMA SPIN-100 ヤカラム(Clont
ech Laboratories, Inc.)を用い、製造者のプロトコー
ル番号PT1200−1にしたがって、精製する。つい
で、精製標識化プローブを用い、ATG−1639mR
NAについて様々なヒト組織を調べる。様々なヒト組織
(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含む、多数の組
織ノザン(multiple Tissue Northern(MTN))ブロットを
Clntechから入手し、製造者のプロトコール番号PT-1190
-1にしたがって、発現Hyb ヤハイブリダイゼーション溶
液を用いて、標識化プローブで調べる。ハイブリダイゼ
ーションおよび洗浄に続けて、ブロットを固定し、−7
0℃で一晩フィルムに曝し、フィルムを標準的な手法に
したがい確立する。
【0084】
【配列表】
(2)配列番号1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:1458塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:cDNA (xi)配列の記載:配列番号1: TGCGGAGTCC GGGACTGGAG CTGCCCGGGC GGGTTCGCGC CCCGAAGGCT GAGAGCTGGC 60 GCTGCTCGTG CCCTGTGTGC CAGACGGCGG AGCTCCGCGG CCGGACCCCG CGGCCCCGCT 120 TTGCTGCCGA CTGGAGTTTG GGGGAAGAAA CTCTCCTGCG CCCCAGAGGA TTTCTTCCTC 180 GGCGAAGGGA CAGCGAAAGA TGAGGGTGGC AGGAAGAGAA GGGCGCTTTC TGTCTGCCGG 240 GGTCGCAGCG CGAGAGGGCA GTGCCATGTT CCTCTCCATC CTAGTGGCGC TGTGCCTGTG 300 GCTGCACCTG GCGCTGGGCG TGCGCGGCGC GCCCTGCGAG GCGGTGCGCA TCCCTATGTG 360 CCGGCACATG CCCTGGAACA TCACGCGGAT GCCCAACCAC CTGCACCACA GCACGCAGGA 420 GAACGCCATC CTGGCCATCG AGCAGTACGA GGAGCTGGTG GACGTGAACT GCAGCGCCGT 480 GCTGCGCTTC TTCCTCTGTG CCATGTACGC GCCCATTTGC ACCCTGGAGT TCCTGCACGA 540 CCCTATCAAG CCGTGCAAGT CGGTGTGCCA ACGCGCGCGC GACGACTGCG AGCCCCTCAT 600 GAAGATGTAC AACCACAGCT GGCCCGAAAG CCTGGCCTGC GACGAGCTGC CTGTCTATGA 660 CCGTGGCGTG TGCATCTCGC CTGAAGCCAT CGTCACGGAC CTCCCGGAGG ATGTTAAGTG 720 GATAGACATC ACACCAGACA TGATGGTACA GGAAAGGCCT CTTGATGTTG ACTGTAAACG 780 CCTAAGCCCC GATCGGTGCA AGTGTAAAAA GGTGAAGCCA ACTTTGGCAA CGTATCTCAG 840 CAAAAACTAC AGCTATGTTA TTCATGCCAA AATAAAAGCT GTGCAGAGGA GTGGCTGCAA 900 TGAGGTCACA ACGGTGGTGG ATGTAAAAGA GATCTTCAAG TCCTCATCAC CCATCCCTCG 960 AACTCAAGTC CCGCTCATTA CAAATTCTTC TTGCCAGTGT CCACACATCC TGCCCCATCA 1020 AGATGTTCTC ATCATGTGTT ACGAGTGGCG TTCAAGGATG ATGCTTCTTG AAAATTGCTT 1080 AGTTGAAAAA TGGAGAGATC AGCTTAGTAA AAGATCCATA CAGTGGGAAG AGAGGCTGCA 1140 GGAACAGCGG AGAACAGTTC AGGACAAGAA GAAAACAGCC GGGCGCACCA GTCGTAGTAA 1200 TCCCCCCAAA CCAAAGGGAA AGCCTCCTGC TCCCAAACCA GCCAGTCCCA AGAAGAACAT 1260 TAAAACTAGG AGTGCCCAGA AGAAAACAAA CCCGAAAAGA GTGTGAGCTA ACTAGTTTCC 1320 AAAGCGGAGA CTTCCGACTT CCTTACAGGA TGAGGCTGGG CATTGCCTGG GACAGCCTAT 1380 GTTAGGGCAT GTGCCCCTTG CCCTAACAAC TCCCTGCAGT GCTCTTTCAT AGACACATCT 1440 TGCAGCATTT TTCCTTAA 1458
【0085】(2)配列番号2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:368アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:タンパク質 (xi)配列の記載:配列番号2: Met Arg Val Ala Gly Arg Glu Gly Arg Phe Leu Ser Ala Gly Val Ala 1 5 10 15 Ala Arg Glu Gly Ser Ala Met Phe Leu Ser Ile Leu Val Ala Leu Cys 20 25 30 Leu Trp Leu His Leu Ala Leu Gly Val Arg Gly Ala Pro Cys Glu Ala 35 40 45 Val Arg Ile Pro Met Cys Arg His Met Pro Trp Asn Ile Thr Arg Met 50 55 60 Pro Asn His Leu His His Ser Thr Gln Glu Asn Ala Ile Leu Ala Ile 65 70 75 80 Glu Gln Tyr Glu Glu Leu Val Asp Val Asn Cys Ser Ala Val Leu Arg 85 90 95 Phe Phe Leu Cys Ala Met Tyr Ala Pro Ile Cys Thr Leu Glu Phe Leu 100 105 110 His Asp Pro Ile Lys Pro Cys Lys Ser Val Cys Gln Arg Ala Arg Asp 115 120 125 Asp Cys Glu Pro Leu Met Lys Met Tyr Asn His Ser Trp Pro Glu Ser 130 135 140 Leu Ala Cys Asp Glu Leu Pro Val Tyr Asp Arg Gly Val Cys Ile Ser 145 150 155 160 Pro Glu Ala Ile Val Thr Asp Leu Pro Glu Asp Val Lys Trp Ile Asp 165 170 175 Ile Thr Pro Asp Met Met Val Gln Glu Arg Pro Leu Asp Val Asp Cys 180 185 190 Lys Arg Leu Ser Pro Asp Arg Cys Lys Cys Lys Lys Val Lys Pro Thr 195 200 205 Leu Ala Thr Tyr Leu Ser Lys Asn Tyr Ser Tyr Val Ile His Ala Lys 210 215 220 Ile Lys Ala Val Gln Arg Ser Gly Cys Asn Glu Val Thr Thr Val Val 225 230 235 240 Asp Val Lys Glu Ile Phe Lys Ser Ser Ser Pro Ile Pro Arg Thr Gln 245 250 255 Val Pro Leu Ile Thr Asn Ser Ser Cys Gln Cys Pro His Ile Leu Pro 260 265 270 His Gln Asp Val Leu Ile Met Cys Tyr Glu Trp Arg Ser Arg Met Met 275 280 285 Leu Leu Glu Asn Cys Leu Val Glu Lys Trp Arg Asp Gln Leu Ser Lys 290 295 300 Arg Ser Ile Gln Trp Glu Glu Arg Leu Gln Glu Gln Arg Arg Thr Val 305 310 315 320 Gln Asp Lys Lys Lys Thr Ala Gly Arg Thr Ser Arg Ser Asn Pro Pro 325 330 335 Lys Pro Lys Gly Lys Pro Pro Ala Pro Lys Pro Ala Ser Pro Lys Lys 340 345 350 Asn Ile Lys Thr Arg Ser Ala Gln Lys Lys Thr Asn Pro Lys Arg Val 355 360 365
【0086】(2)配列番号3に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:409塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:cDNA (xi)配列の記載:配列番号3: CACAGCACGC AGANAACGCC ATCCTGGCCA TCGAGCAGTA NGAGGAGCTG GTGGACGTGA 60 ACTGCAGCGC CNTGCTGCGC TTCTTCCTCT GTGCCATGTA CGCGCCCATT TGCACCCTGG 120 AAGTTTCTTG CANGGACCTA TCAAAGCCGT GCAAGTCGGT GTNNCAANGC GCGNGNGAAC 180 GNATTGCGAA NCCCCTATGA ANGATGTNNA AACCACANCT GGGCCGNANA ACCTGGCCTT 240 GCGANCGAGC TGGCTNGTCT ANTACCGTTG GCTGTGCANC TCAGCCTGAA GGCATCGTCA 300 ANGAACTTCC GGAAGGATGT TAAGTGGGTA GAAATCAACA CCANGACATG ANGGGTACAA 360 GGANAGGCCT CTTGATGTTG GACTGTAAAC GCCTAAGCCC CGANTTGGT 409
【0087】(2)配列番号4に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:36アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:タンパク質 (xi)配列の記載:配列番号4: Asn Ala Ile Leu Ala Ile Glu Gln Xaa Glu Glu Leu Val Asp Val Asn 1 5 10 15 Cys Ser Ala Xaa Leu Arg Phe Phe Leu Cys Ala Met Tyr Ala Pro Ile 20 25 30 Cys Thr Leu Glu 35
【0088】(2)配列番号5に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:cDNA (xi)配列の記載:配列番号5: GAATTCATGA GGGTGGCAGG AAGAGAA 27
【0089】(2)配列番号6に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:cDNA (xi)配列の記載:配列番号6: GAATTCCACT CTTTTCGGGT TTGTTTT 27
【0090】(2)配列番号7に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:cDNA (xi)配列の記載:配列番号7: GAATTCCTAC ACTCTTTTCG GGTTTGT 27
【0091】(2)配列番号8に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:cDNA (xi)配列の記載:配列番号8: GAATTCAAGA TGAGGGTGGC AGGAAGAGAA
30
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 39/395 ADP A61K 48/00 ABN 48/00 ABN C07K 14/52 C07K 14/52 16/24 16/24 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/566 C12Q 1/02 C12P 21/08 G01N 33/566 A61K 37/02 AAB // C12P 21/08 C12N 5/00 B C (72)発明者 ユアン・ズー アメリカ合衆国19406ペンシルベニア州キ ング・オブ・プルシア、ウェイン・ドライ ブ525番

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2のATG−1639のポリペ
    プチドをコードするヌクレオチド配列とその全長にわた
    って少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配
    列、またはそのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチ
    ド配列を有してなる単離されたポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 DNAまたはRNAである請求項1記載
    のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ヌクレオチド配列が配列番号1に含まれ
    るヌクレオチド配列とその全長にわたって少なくとも8
    0%同一である請求項1記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 ヌクレオチド配列が配列番号1に含まれ
    るATG−1639のポリペプチドをコードする配列を
    有してなる請求項3記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号1のポリヌクレオチドである請
    求項3記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 発現系を有してなるDNAまたはRNA
    分子であって、発現系が適合可能な宿主細胞中にある場
    合に、その発現系が配列番号2のポリペプチドと少なく
    とも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有してなる
    ATG−1639のポリペプチドを産生することができ
    るDNAまたはRNA分子。
  7. 【請求項7】 請求項6の発現系を有してなる宿主細
    胞。
  8. 【請求項8】 請求項7の宿主を、そのポリペプチドを
    産生するのに十分な条件下で培養し、そのポリペプチド
    を培養物から回収することからなるATG−1639の
    ポリペプチドの産生法。
  9. 【請求項9】 ATG−1639のポリペプチドを産生
    する細胞の産生法であって、宿主細胞が、適当な培養条
    件下、ATG−1639のポリペプチドを産生するよう
    に、該宿主細胞を請求項6の発現系で形質転換またはト
    ランスフェクションすることからなる方法。
  10. 【請求項10】 配列番号2のアミノ酸配列とその全長
    にわたって少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸
    配列からなるATG−1639のポリペプチド。
  11. 【請求項11】 配列番号2のアミノ酸配列からなる請
    求項10記載のポリペプチド。
  12. 【請求項12】 請求項10のATG−1639のポリ
    ペプチドに免疫特異的な抗体。
  13. 【請求項13】 請求項10のATG−1639のポリ
    ペプチドの活性または発現を強化する必要性のある対象
    の治療法であって、 (a)該対象に治療上有効量の該ポリペプチドに対する
    アゴニストを投与し;および/または(b)配列番号2
    のATG−1639のポリペプチドをコードするヌクレ
    オチド配列とその全長にわたって少なくとも80%の同
    一性を有するヌクレオチド配列、またはそのヌクレオチ
    ド配列に相補的なヌクレオチド配列を有してなる単離さ
    れたポリヌクレオチドを、インビボにて該ポリペプチド
    活性を生じさせるような形態にて対象に付与することか
    らなる方法。
  14. 【請求項14】 請求項10のATG−1639のポリ
    ペプチドの活性または発現を阻害する必要性のある対象
    の治療法であって、 (a)該対象に治療上有効量の該レセプターに対するア
    ンタゴニストを投与し;および/または(b)該対象に
    該レセプターをコードするヌクレオチド配列の発現を阻
    害する核酸分子を投与し;および/または(c)該対象
    にそのリガンド、基質、またはレセプターについて、該
    ポリペプチドと競合する治療上有効量のポリペプチドを
    投与することからなる方法。
  15. 【請求項15】 対象での請求項10のATG−163
    9のポリペプチドの発現または活性に関連付けられる対
    象の疾患または罹病し易さの診断方法であって、 (a)該対象のゲノム中のATG−1639のポリペプ
    チドをコードするヌクレオチド配列における変異の有無
    を測定し;および/または(b)該対象から由来の試料
    中のATG−1639のポリペプチドの発現の存在また
    は量について分析することからなる方法。
  16. 【請求項16】 請求項10のATG−1639のポリ
    ペプチドを阻害(拮抗)または作動する化合物の同定方
    法であって、 (a)ATG−1639ポリペプチド(またはATG−
    1639ポリペプチドを発現する細胞膜)、または、A
    TG−1639ポリペプチドに応答する細胞を、候補化
    合物と接触させ、 (b)結合、または機能的応答の刺激または阻害を観察
    する;または候補化合物と接触させた細胞(または細胞
    膜)の能力を接触させていない同じ細胞と、ATG−1
    639ポリペプチド活性について比較することからなる
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項16の方法により同定されるア
    ゴニスト。
  18. 【請求項18】 請求項16の方法により同定されるア
    ンタゴニスト。
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