JPH08188037A - 運転室の空調装置の吹き出し口構造 - Google Patents

運転室の空調装置の吹き出し口構造

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JPH08188037A
JPH08188037A JP193695A JP193695A JPH08188037A JP H08188037 A JPH08188037 A JP H08188037A JP 193695 A JP193695 A JP 193695A JP 193695 A JP193695 A JP 193695A JP H08188037 A JPH08188037 A JP H08188037A
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air
fins
duct
cab
driver
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Application number
JP193695A
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Inventor
Kazuhisa Tamura
和久 田村
Sadahisa Tomita
禎久 冨田
Yoshiyuki Kondo
芳幸 近藤
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直管を形成するダクト部分に吹き出し口を接
続し、しかも各フィン間からほぼ同量の風量を放出させ
ることができる運転室の空調装置の吹き出し口構造の提
供。 【構成】 吹き出し口12の空気の放出部をテーパ面2
1に形成し、このテーパ面21に連なる本体20の下方
部分を、空気の放出を不能にする壁面27に形成し、フ
ィン22の案内面が、ダクト10の鉛直方向伸長部11
の伸長方向に対して対向する形態、例えば直交するよう
に、当該フィン22のそれぞれを配列するとともに、こ
れらのフィン22のうち、隣合うフィン22のそれぞれ
の放出部に対して反対側に位置する端部を、鉛直方向伸
長部11に遠い側に位置するフィン22の端部が、鉛直
方向伸長部11に近い側に位置するフィン22の端部よ
りも突出するように、これらの両端部の間に段差28を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧ショベル等の車輌
に備えられる運転室の空調装置の吹き出し口構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の運転室の空調装置の吹き出
し口構造を示す要部縦断面図である。この図8に示す従
来技術は、例えば油圧ショベルの運転室に備えられる。
図8に示すダクト50は、図示しない運転室を空調する
図示しない空調装置に接続される。空調装置は例えば運
転席の後部下方に配置され、ダクト50の図示しない水
平方向伸長部の一端部が空調装置の吐き出し口に接続さ
れるとともに、その図示しない水平方向伸長部が運転室
の床に沿って延設される。その図示しない水平方向伸長
部は例えば図示しない運転席の前方位置で、上方に向か
って折り曲げられ、図8に示す鉛直方向伸長部51とな
り、さらに所定の高さ位置、例えば運転席に座った運転
者の顔に対応する高さ位置で、運転席に座った運転者の
顔に向かう方向に折り曲げられ、図8に示す水平方向伸
長部52となり、この水平方向伸長部52の先端に吹き
出し口53が装着される。
【0003】図8に示すように、吹き出し口53は、矢
印57に示すようにダクト50を介して導かれた空気の
放出部を形成する垂直面54を有するとともに、内部
に、上下方向に複数配列された回動可能なフィン55
と、これらのフィン55を互いに同じ傾きとなるように
連動させる連動手段、すなわち連結杆56とを備えてい
る。垂直面54に臨むように位置するフィン55の一端
部に対して反対側に位置するフィン55の他端部のそれ
ぞれは、連結杆56と相対的に回動可能に連結されてい
る。また、連結杆56は垂直面54の前面部分に配置さ
れ数枚のフィン55に係合する図示しないつまみを操作
することにより、鉛直方向に移動する。また図8に示す
ように、上述したフィン55のそれぞれは同一形状寸法
に設定されるとともに、基本的に、ダクト50の水平方
向伸長部52に沿う水平方向に配置される。
【0004】このように構成される従来技術にあって
は、図8に示すようにフィン55が水平となるように保
持されている状態では、図示しない空調装置で作成され
た空気がダクト50に導かれ、矢印57で示すようにそ
の水平方向伸長部52からフィン55の上下面すなわち
案内面に沿って流れ、この空気は垂直面54の開口部分
からほぼ水平方向に運転室内に放出され、図示しない運
転席に座った運転者の顔に向かって、各フィン55間を
通過する風量がほぼ同量となるように供給される。な
お、図示しないつまみを操作すると、連結杆56を介し
てフィン55のそれぞれが水平面に対してほぼ同じ傾き
となり、垂直面54からの空気の放出方向を、斜め上方
向に、あるいは斜め下方向に変えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように構成される
従来技術では、吹き出し口53の各フィン55間を通過
する風量を同量とするためには、各フィン55間の間隔
寸法をほぼ同等に設定するとともに、吹き出し口53が
接続されるダクト50の水平方向伸長部52の長さSを
十分に長く設定せざるを得ない。
【0006】なお、仮に吹き出し口53の配置形態を図
8に示すように保ち、ダクト50の水平方向伸長部52
の長さSをほとんど0にしようとすると、例えばダクト
50の鉛直方向伸長部51に導かれた空気のうちの相当
量が、フィン55のうちの最下段に配置されるフィン5
5と、吹き出し口53の外殻を形成する本体の底部との
間の通路を経て放出され、上段に配置されるフィン55
間の通路に空気が流れにくくなる事態を生じる。このよ
うな事態を生じると、垂直面54から放出される風量の
分布が下方は多量になり、上方は少量になってしまい、
運転者の顔全体からみて均等でない風量が与えられ、好
ましくない。
【0007】このようなことから、上述のように従来で
は、吹き出し口53が接続されるダクト50の水平方向
伸長部52の長さSを十分に長く設定してある。しかし
ながら、このように水平方向伸長部52の長さSを十分
に長くすることに伴い、空気抵抗が増加し、これに応じ
て図示しない空調装置の容量として比較的大きな容量が
要求されており、空調装置も含めた全体構造の原価高を
招いている。
【0008】また、油圧ショベルの運転室などには、上
述した運転席をはじめとして各種の操作装置、油圧機器
等が配置されており、ダクト50の配置スペースに制約
を受けやすい。このような状況あって、吹き出し口53
が接続される水平方向伸長部52の長さSが長い従来技
術では、ダクト50の配置設計に困難さを伴う。このこ
とは、油圧ショベルが小型になるほど顕著であり、より
小さく設定された運転室内にダクト50を配置すること
が大変に難しくなる。
【0009】本発明は、上記した従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その目的は、直管を形成する
ダクト部分に吹き出し口を接続し、しかも各フィン間か
らほぼ同量の風量を放出させることができる運転室の空
調装置の吹き出し口構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のうちの請求項1に記載の発明は、空調装置に
接続されるダクトに装着され、上記空調装置で作成さ
れ、上記ダクトを介して導かれる空気を運転室に放出す
る放出部と、この放出部に臨むようにそれぞれの一端部
が配置されるとともに、上記ダクトを介して導かれる空
気を上記放出部まで案内する案内面をそれぞれ有し、空
気の放出方向を変更可能な複数のフィンとを備えた運転
室の空調装置の吹き出し口構造において、上記フィンの
案内面が、上記ダクトの伸長方向に対して対向する形態
となるように当該フィンのそれぞれを配列するととも
に、これらのフィンのうち、隣合うフィンのそれぞれの
上記放出部に対して反対側に位置する他端部を、上記ダ
クトに遠い側に位置するフィンの他端部が、上記ダクト
に近い側に位置するフィンの他端部よりも突出するよう
に、これらの両他端部の間に段差を設けた構成にしてあ
る。
【0011】また、本発明のうちの請求項2に記載の発
明は、上述した請求項1に記載の発明において、上記放
出部をテーパ面に形成し、上記複数のフィンのそれぞれ
を同一形状寸法に設定するとともに、上記複数のフィン
のうちの上記ダクトに最も近い側に位置するフィンの上
記一端部の近傍の、上記テーパ面に連なる部分を、空気
の放出を不能にする壁面に形成した構成にしてある。
【0012】また、本発明のうちの請求項3に記載の発
明は、上述した請求項1に記載の発明において、上記放
出部を鉛直面に形成し、上記複数のフィンのそれぞれの
形状寸法を互いに異ならせるとともに、上記複数のフィ
ンのうちの上記ダクトに最も近い側に位置するフィンの
上記一端部の近傍の、上記鉛直面に連なる部分を、空気
の放出を不能にする壁面に形成した構成にしてある。
【0013】また、本発明のうちの請求項4に記載の発
明は、上述した請求項1〜3に記載の発明において、上
記フィンのそれぞれの両側縁部に、空気の流通を許容す
る切欠きを設けた構成にしてある。
【0014】
【作用】本発明のうちの請求項1に記載の発明では、各
フィンの案内面がダクトの伸長方向に対して対向する形
態、例えばダクトの伸長方向に対してほぼ直交する形態
に配置され、しかもダクトに遠い側に位置するフィンの
他端部がダクトに近い側に位置するフィンの他端部より
も突出するように、各フィン間に段差を形成してあるこ
とから、ダクトに導かれた空気を上記の段差を介して各
フィン間に形成される通路にほぼ同量の風量となるよう
に分配することができるとともに、各フィンの案内面が
空気の流れ方向を90°変更させる役割を果たす。した
がって、例えばダクトの鉛直方向伸長部と吹き出し口の
間に、空気の流れ方向を90°変えるための水平方向伸
長部を設けずに、ダクトの鉛直方向伸長部すなわち直管
を形成する部分に吹き出し口を直接に接続し、しかも吹
き出し口の各フイン間からほぼ同量の風量を運転室に放
出させることができる。
【0015】また、本発明のうちの請求項2に記載の発
明では、ダクトに最も近い側に位置するフィンの近傍
の、放出部であるテーパ面に連なる部分を、空気の放出
を不能にする壁面に形成してあることから、ダクトに導
かれた空気の一部は壁面で流れを阻止され、反転してダ
クトに最も近い側に位置するフィンの案内面に沿って進
み、ダクトに導かれた他の空気に合流し、上記の段差を
介して各フィン間に形成される通路に精度良く分配する
ことができる。また、この請求項2に記載の発明では、
フィンのそれぞれを同一形状寸法に設定してあることか
ら、フィンの製作が容易である。
【0016】また、本発明のうちの請求項3に記載の発
明では、請求項2に記載の発明と同様に、ダクトに最も
近い側に位置するフィンの近傍の、放出部である鉛直面
に連なる部分を、空気の放出を不能にする壁面に形成し
てあることから、ダクトに導かれた空気の一部は壁面で
流れを阻止され、反転してダクトに最も近い側に位置す
るフィンの案内面に沿って進み、ダクトに導かれた他の
空気に合流し、上記の段差を介して各フィン間に形成さ
れる通路に精度良く分配することができる。
【0017】また、本発明のうちの請求項4に記載の発
明では、フィンの両側縁部に空気の流通を許容する切欠
きを設けたことから、フィンの両側縁部における空気の
渦流の発生を防ぐことができ、ダクトに導かれた空気を
滑らかに放出部から放出させることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の運転室の空調装置の吹き出し
口構造の実施例を図に基づいて説明する。図1は本発明
の請求項1,2,4,5,6,7に対応する運転室の空
調装置の吹き出し口構造の第1の実施例を示す外観図、
図2は図1に示す第1の実施例に備えられる吹き出し口
を示す斜視図、図3は図2に示す吹き出し口の要部縦断
面図、図4は図2に示す吹き出し口のフィンの配置形
態、及びこの配置形態に伴う空気の流れを示す説明図、
図5は図2に示す吹き出し口の要部横断面図である。
【0019】図1は車輌に備えられる運転室を模式的に
示したもので、例えば油圧ショベルの運転室1を示して
いる。この運転室1は、床2と、天井3と、図示しない
運転席の前方に位置する前面部4と、図示しない運転席
の後方に位置する後面部5と、2つの側面部6とを備え
ている。前面部4にはフロントガラスが設けられ、後面
部5の上方部分にもガラスが設けられており、側面部6
のうちの1つには開閉自在な出入口ドアが設けられてい
る。図示しない運転席の後部下方に位置する床2上に
は、空調装置7を配置してあり、この空調装置7の空気
吐き出し口には、3つのダクト8,9,10のそれぞれ
の一端部を接続してある。これらのダクト8,9,10
のうち、ダクト10の鉛直方向伸長部11に本実施例の
吹き出し口構造を設けてある。
【0020】ダクト10は、図示しない運転席の側部下
方に位置する床2に延設され、3ヵ所の折曲げ部を有す
るとともに、先端部分を形成する鉛直方向伸長部11
は、例えば図示しない運転席の右前方の前面部4付近に
位置させてある。この直管部分を形成する鉛直方向伸長
部11の上端に、吹き出し口12を設けてある。この吹
き出し口12は水平面内の回転可能に鉛直方向伸長部1
1に装着させてある。図1に示す状態は、図示しない運
転席に座った運転者の顔に向かってダクト10を導かれ
た空気が放出される状態であるが、この状態から吹き出
し口12を水平面内で180°近く回転させると、前面
部4を形成するフロントガラスに向けて空気が放出さ
れ、例えばフロントガラスの霜除去操作をおこなうこと
ができる。
【0021】吹き出し口12は図2,3に示すように、
外殼を形成し、先すぼまりの形状の本体20と、この本
体20に形成され、開口部を含むテーパ面21から成る
空気の放出部と、本体20の内部の上下方向に複数段、
それぞれ軸23を中心に回動可能に配列され、かつ、そ
れぞれ上下面に空気の案内面を有するフィン22と、こ
れらのフィン22の他端部のそれぞれが相対的回動可能
に連結され、フィン22を回動させる連結杆25と、例
えば3枚のフィン22に係着されるようにテーパ面21
部分に装着され、上下方向に操作されることにより、上
述の3枚のフィン22を介して連結杆25を上下方向に
移動させるつまみ26とを備えている。上記したつまみ
26と連結杆25とは、水平面に対するフィン22の傾
きが全て同じになるように、これらのフィン22を連動
して回動させる連動手段を構成している。
【0022】上述したフィン22は、図4に示すよう
に、それぞれの案内面が、ダクト10の鉛直方向伸長部
11の伸長方向に対して対向する形態となるように、例
えば鉛直方向伸長部11の伸長方向に対してほぼ直交す
る形態となるように配列してある。また、これらのフィ
ン22は、それぞれの一端部を放出部を構成するテーパ
面21を臨むように配置してあるとともに、それぞれの
他端部を階段状に配置してある。すなわち、隣合うフィ
ン22の他端部のうち、ダクト10の鉛直方向伸長部1
1に遠い側に位置するフィン22の他端部が、鉛直方向
伸長部11に近い側に位置するフィン22の他端部より
も突出するように、これらの両他端部の間に段差28を
形成させてある。この段差28は、各隣合うフィン22
間のそれぞれとも同等の寸法に設定してある。また、図
5に示すように、フィン22のそれぞれの両側縁部に
は、空気の流通を許容する切欠き30を形成してある。
なお、後述する図6で示すように、各フィン22のそれ
ぞれは長さ寸法t1を含めて全て同一形状寸法に設定し
てあり、また隣合うフィン22間の間隔寸法t2も、そ
れぞれ同等の寸法に設定してある。
【0023】また、ダクト10の鉛直方向伸長部11に
最も近い側である最下段のフィン22の上述した一端部
の近傍の、上記テーパ面21に連なる本体20部分を、
鉛直方向伸長部11に導かれた空気の放出を不能にする
壁面27に形成してある。
【0024】このように構成した第1の実施例では、例
えば図3、図4に示されるようにフィン22のそれぞれ
が水平状態に保たれているとき、図1に示した空調装置
7を駆動すると、この空調装置7で作成された空気がダ
クト8,9,10に導かれる。このうち、ダクト10に
導かれた空気は鉛直方向伸長部11に導かれる。この鉛
直方向伸長部11に導かれた空気は、図4に示すように
吹き出し口12に流入するが、その一部は矢印32で示
すように、壁面27で流れを規制され、反転して最下段
のフィン22の下面の案内面によって案内され、吹き出
し口12に流入した他の空気と合流して上昇する。この
とき、隣合うフィン22間に形成された各段差28によ
り、上述の合流した空気は各フィン22間に形成される
通路に分配して供給される。また、このときダクト10
の鉛直方向伸長部11の伸長方向に対して各フィン22
がほぼ直交するように配列されているので、鉛直方向伸
長部11を通過する空気の流れ方向に対してその流れ方
向が90°変えられる。そして特に各フィン22の両側
縁部付近の空気は、図5の矢印31で示すようにそれぞ
れのフィン22の切欠き30を通過するので、これらの
各フィン22の両縁部付近で空気の渦流を発生すること
がなく、より円滑な空気の流れをおこなわせることがで
きる。
【0025】このようにして各フィン22間に形成され
る通路に導かれた空気は、テーパ面21の開口部からほ
ぼ水平方向に運転室1内に放出され、図示しない運転席
に座った運転者の顔全体に風量のむらの少ない風が供給
される。これにより、例えば運転者に好ましい涼風感を
与えることができる。
【0026】なお、つまみ26を適宜上下動させること
により、3枚のフィン22を介して連結杆25が上下動
し、これにより各フィン22のそれぞれが水平面に対し
て同程度傾き、テーパ面21の開口部から放出される空
気の方向を斜め上方向に、あるいは斜め下方向に調整す
ることができる。
【0027】図6は上述した第1の実施例で得られる風
量特性の一例を示すものである。テーパ面21の角度を
鉛直面に対して15°傾くように設定し、ダクト10に
風量Q=255〔m3/hr〕を供給させたところ、最
下方のフィン22の下側の通路では12〔m3/hr〕
と比較的少ない風量であるものの、上方に向かうにした
がって、35〔m3/hr〕、40〔m3/hr〕、43
〔m3/hr〕、45〔m3/hr〕、52〔m3/h
r〕の風量がそれぞれ得られ、各フィン22間の通路か
らほぼ同等の風量を放出させることができた。
【0028】このように構成した第1の実施例にあって
は、上述のように各フィン22間に段差28を形成して
あることから、ダクト10に導かれた空気を上記の段差
28を介して各フィン22間に形成される通路にほぼ同
量の風量となるように分配することができるとともに、
各フィン22の案内面が空気の流れ方向を90°変更さ
せる役割を果たし、したがって、例えばダクト10の鉛
直方向伸長部11と吹き出し口12の間に、空気の流れ
方向を90°変えるための水平方向伸長部を設けずに、
ダクト10の鉛直方向伸長部11すなわち直管を形成す
る部分に吹き出し口12を直接に接続し、しかも吹き出
し口12の各フイン22間からほぼ同量の風量を運転室
1に放出させることができる。これにより、上述した水
平方向伸長部に相当する長さだけ、ダクト10を短く製
作することができ、その分だけ空気抵抗を少なくするこ
とができ、これに応じて空調装置7の容量を小さくする
ことが可能となり、空調装置7も含めた全体構造の製作
費を安くすることができる。また、ダクト10を短くす
ることができることから、比較的狭い運転室1内におけ
るダクト10の配置設計に余裕が生まれ、より小さく設
定された運転室であっても容易に配置することができ
る。
【0029】また、上記した第1の実施例では、吹き出
し口12のテーパ面21に連ねて壁面27を形成し、ダ
クト10に導かれた空気の一部を壁面27で反転させ
て、最下段のフィン22の下面を形成する案内面に沿っ
て導くようにしてあることから、運転室1内に放出され
る空気の全量を各段差28で精度良く分配させることが
できる。また、フィン22のそれぞれを同一形状寸法に
設定してあることからフィン22の製作が容易であり、
このフィン22の製作費も安くすることができる。
【0030】また、上記第1の実施例では、フィン22
の両側縁部に空気の流通を許容する切欠き30を設けて
あることから、フィン22の両側縁部における空気の渦
流の発生を防ぎ、ダクト10に導かれた空気を滑らかに
放出部を形成するテーパ面21から放出させることがで
き、これによっても空気抵抗を抑制することができる。
図7は本発明の請求項1,3,4,5,6,7に対応
する運転室の空調装置の吹き出し口構造の第2の実施例
を示す要部縦断面図である。
【0031】この図7に示す40は、前述したダクト1
0の鉛直方向伸長部11と同等の鉛直方向伸長部であ
る。この第2の実施例では、鉛直方向伸長部40の上端
に装着される吹き出し口41の形状だけが前述した第1
の実施例に示すものと異なっている。
【0032】図7に示す吹き出し口41は、本体42の
開口面、すなわち空気を放出する放出部を鉛直面43に
形成してある。そして、本体42の内部に複数段配列さ
れるフィン44は、最下方に位置するフィン44の長さ
寸法(前述した図6の寸法t1に相当する寸法)を最小
寸法に設定し、上に位置するフィン44は順にその長さ
寸法が長くなるように設定してある。
【0033】その他の構成は第1の実施例と同等であ
る。例えば、フィン44は、鉛直方向伸長部40の伸長
方向に対してほぼ直交する形態となるように配列してあ
る。また、これらのフィン44は、それぞれの一端部を
放出部を構成する鉛直面43を臨むように配置してある
とともに、それぞれの他端部を階段状に配置してある。
すなわち、隣合うフィン44の他端部のうち、鉛直方向
伸長部40に遠い側に位置するフィン44の他端部が、
鉛直方向伸長部40に近い側に位置するフィン44の他
端部よりも突出するように、これらの両他端部の間に段
差45を形成させてある。この段差45は、各隣合うフ
ィン44間のそれぞれとも同等の寸法に設定してある。
また、鉛直方向伸長部40に最も近い側である最下段の
フィン44の近傍の、鉛直面43に連なる本体42部分
を、鉛直方向伸長部40に導かれた空気を放出させない
ようにする壁面に形成してある。
【0034】また、図示しないが、フィン44のそれぞ
れの両側縁部には、空気の流通を許容する切欠きを形成
してある。同様に、図示しないが連動手段を構成するつ
まみや連結杆も備えている。その他についても第1の実
施例と同等であり、鉛直方向伸長部40を有するダクト
は、例えば油圧ショベルの運転室内に備えられる空調装
置の吐き出し口に接続される。
【0035】このように構成した第2の実施例にあって
も、第1の実施例と同様に、ダクトの鉛直方向伸長部4
0すなわち直管を形成する部分に吹き出し口41を直接
に接続し、しかも段差45を介して吹き出し口41の各
フィン44間の通路からほぼ同量の風量を運転室に放出
させることができ、これに伴って鉛直方向伸長部40を
含むダクトの長さを短くすることができ、その分だけ空
気抵抗を少なくすることができ、これに応じて空調装置
の容量を小さくすることができ、空調装置も含めた全体
構造の製作費を安くすることができる。また、第1の実
施例におけるのと同様に、比較的狭い運転室内における
ダクトの配置設計に余裕が生まれ、より小さく設定され
た運転室であっても容易に配置することができる。さら
に、第1の実施例におけるのと同様に、吹き出し口41
の鉛直面43に連ねて壁面を形成し、ダクトに導かれた
空気の一部をその壁面で反転させて、最下段のフィン4
4の下面を形成する案内面に沿って導くようにしてある
ことから、運転室内に放出される空気のほぼ全量を各段
差45で精度良く分配させることができる。
【0036】なお、上記実施例では、空調装置の吹き出
し口構造が備えられる車輌の一例として油圧ショベルを
挙げたが、本発明はこの油圧ショベルに適用されること
には限られず、運転室を有する他の建設機械等にも適用
可能である。
【0037】また、上記実施例では、吹き出し口12等
を運転室1の前面部4付近に配置したが、本発明はこれ
に限られず、吹き出し口12を後面部5や側面部6付近
に配置してもよい。
【0038】また、上記実施例では、図5に示すように
フィン22の両側縁部に切欠き30を設けたが、このよ
うに切欠き30を設ける代りに、フィン22の形状を例
えば半月板状に形成し、これにより本体20の内壁と半
月板状のフィン22の両側縁部との間に空気の流通を良
好にさせる空隙部を形成させるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明の運転室の空調装置の吹き出し口
構造は、以上の構成にしてあることから、請求項1に記
載の発明にあっては、直管を形成するダクト部分に吹き
出し口を接続し、しかも各フィン間からほぼ同量の風量
を放出させることができ、これにより従来の水平方向伸
長部に相当する長さだけ、ダクトを短く製作することが
でき、その分だけ空気抵抗を少なくすることができ、こ
れに応じて空調装置の容量を小さくすることができ、空
調装置も含めた全体構造の製作費を安くすることがで
き、また、ダクトを短くすることができることから、比
較的狭い運転室内におけるダクトの配置設計に余裕が生
まれ、より小さく設定された運転室であっても容易に配
置することができる。
【0040】また、請求項2,3に記載の発明は、ダク
トに導かれた空気の一部の流れを壁面で阻止し、その空
気をダクトに最も近い側に位置するフィンの案内面に沿
って案内し、空気の外部への漏れをほとんど生じること
なく、段差を介して各フィン間に形成される通路に精度
良く分配することができる。
【0041】また、請求項4に記載の発明は、フィンの
両側縁部における空気の渦流の発生を防ぐことができ、
ダクトに導かれた空気を滑らかに放出部から放出させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1,2,4,5,6,7に対応
する運転室の空調装置の吹き出し口構造の第1の実施例
を示す外観図である。
【図2】図1に示す第1の実施例に備えられる吹き出し
口を示す斜視図である。
【図3】図2に示す吹き出し口の要部縦断面図である。
【図4】図2に示す吹き出し口のフィンの配置形態、及
びこの配置形態に伴う空気の流れを示す説明図である。
【図5】図2に示す吹き出し口の要部横断面図である。
【図6】第1の実施例で得られる風量特性を示す説明図
である。
【図7】本発明の請求項1,3,4,5,6,7に対応
する運転室の空調装置の吹き出し口構造の第2の実施例
を示す要部縦断面図である。
【図8】従来の運転室の空調装置の吹き出し口構造を示
す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 運転室 4 前面部 7 空調装置 10 ダクト 11 鉛直方向伸長部 12 吹き出し口 20 本体 21 テーパ面(放出部) 22 フィン 23 軸 24 軸 25 連結杆 26 つまみ 27 壁面 28 段差 30 切欠き 40 鉛直方向伸長部 41 吹き出し口 42 本体 43 鉛直面 44 フィン 45 段差

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調装置に接続されるダクトに装着さ
    れ、 上記空調装置で作成され、上記ダクトを介して導かれる
    空気を運転室に放出する放出部と、 この放出部に臨むようにそれぞれの一端部が配置される
    とともに、上記ダクトを介して導かれる空気を上記放出
    部まで案内する案内面をそれぞれ有し、空気の放出方向
    を変更可能な複数のフィンとを備えた運転室の空調装置
    の吹き出し口構造において、 上記フィンの案内面が、上記ダクトの伸長方向に対して
    対向する形態となるように当該フィンのそれぞれを配列
    するとともに、 これらのフィンのうち、隣合うフィンのそれぞれの上記
    放出部に対して反対側に位置する他端部を、上記ダクト
    に遠い側に位置するフィンの他端部が、上記ダクトに近
    い側に位置するフィンの他端部よりも突出するように、
    これらの両他端部の間に段差を設けたことを特徴とする
    運転室の空調装置の吹き出し口構造。
  2. 【請求項2】 上記放出部をテーパ面に形成し、 上記複数のフィンのそれぞれを同一形状寸法に設定する
    とともに、 上記複数のフィンのうちの上記ダクトに最も近い側に位
    置するフィンの上記一端部の近傍の、上記テーパ面に連
    なる部分を、空気の放出を不能にする壁面に形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の運転室の空調装置の吹き
    出し口構造。
  3. 【請求項3】 上記放出部を鉛直面に形成し、 上記複数のフィンのそれぞれの形状寸法を互いに異なら
    せるとともに、 上記複数のフィンのうちの上記ダクトに最も近い側に位
    置するフィンの上記一端部の近傍の、上記鉛直面に連な
    る部分を、空気の放出を不能にする壁面に形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の運転室の空調装置の吹き出
    し口構造。
  4. 【請求項4】 上記フィンのそれぞれの両側縁部に、空
    気の流通を許容する切欠きを設けたことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の運転室の空調装置の吹き
    出し口構造。
  5. 【請求項5】 上記フィンの案内面の傾きが互いに等し
    くなるように、これらのフィンを連動させる連動手段を
    設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の運転室の空調装置の吹き出し口構造。
  6. 【請求項6】 運転室が、油圧ショベルの運転室である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の運転
    室の空調装置の吹き出し口構造。
  7. 【請求項7】 上記放出部を上記運転室の前面部付近に
    位置させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の運転室の空調装置の吹き出し口構造。
JP193695A 1995-01-10 1995-01-10 運転室の空調装置の吹き出し口構造 Pending JPH08188037A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037080A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 株式会社ヴァレオジャパン 車両用空調装置の配風ユニット

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JP2016037080A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 株式会社ヴァレオジャパン 車両用空調装置の配風ユニット

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