JPH08186959A - 小型精密モータに用いる単位シート磁石複合片とその連設体及びその製造方法並びに単位シート磁石複合片連設体の使用方法及び小型精密モータ - Google Patents

小型精密モータに用いる単位シート磁石複合片とその連設体及びその製造方法並びに単位シート磁石複合片連設体の使用方法及び小型精密モータ

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JPH08186959A
JPH08186959A JP6328740A JP32874094A JPH08186959A JP H08186959 A JPH08186959 A JP H08186959A JP 6328740 A JP6328740 A JP 6328740A JP 32874094 A JP32874094 A JP 32874094A JP H08186959 A JPH08186959 A JP H08186959A
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magnet
magnetic
motor
composite
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JP6328740A
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Yoshitaka Sato
義隆 佐藤
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環状磁石の薄肉化が容易であるとともに量産
性にも優れ、しかもモータ内部への組み込みに際して接
着剤も不要になる永久磁石とその製造方法を提供せんと
するものであり、加えてこの永久磁石を使用した小型精
密モータをも提案せんとするものである。 【構成】 環状状態で使用される小型精密モータのロー
タ又はステータ用の磁石部品であって、その構成が、希
土類系磁性粉体を主成分とする金属間化合物磁性粉体を
常温で柔軟性を有するゴム系合成樹脂に分散配合した樹
脂結合磁石材料を素材とし、且つその形状がモータ内部
に組み込んだときの環状長さに略一致する長さを有する
短冊状の単位シート磁石片の裏面に粘着剤層を一体的に
設けた小型精密モータ用の単位シート磁石複合片とその
連設体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小型精密モータ等の構成
部品として用いられる環状の永久磁石とこれを用いた小
型精密モータに関し、更に詳しくは高磁力を有するとと
もに量産性にも優れ、しかもモータへの組み込みに際し
て接着剤が不要な永久磁石と、この永久磁石をロータ又
はステータとして使用した小型精密モータに関する。
【0002】
【従来の技術】CD−ROM装置、MO(光磁気ディス
ク)装置、MD(光磁気ミニディスク)装置、LD(レ
ーザーディスク)装置、ハードディスク装置やフロッピ
ーディスク装置にはスピンドルモータ等の小型精密モー
タが内蔵されている。図10はハードディスク装置にお
いて、3枚のディスクa,a,aを回転可能に支持した
スピンドルモータを示し、図11はスピンドルモータの
断面図を示している。スピンドルモータM1はハブb、
ロータc、ブラケットdから主として構成されている。
ロータcはロータ外装体c1の内周面に環状磁石c2が
固着され、ロータ外装体c1の中心部には、前記ハブb
の内面中心部から延設されるとともにブラケットdを貫
通したシャフトc3の先端が固定されている。また図示
していないがブラケットdにはホール素子等の磁気検知
素子を配したプリント基板が固定され、このプリント基
板には界磁コイルeが取付けられ、且つこの界磁コイル
eの内周面に装着された軸受fを介して前記ロータcの
シャフトc3を回転可能に支持することにより、ロータ
c及びハブbを回転駆動できる構成となっている。この
ようなスピンドルモータM1の構造はボトムロータ構造
と呼ばれる。またスピンドルモータにはインハブ構造を
採用したものもある。図12及び図13で示すものがイ
ンハブ構造のスピンドルモータである。このスピンドル
モータM2はハブ内にロータ及びステータ(界磁コイ
ル)を内装することによりモータ高さを低くしたもので
ありハブb内面に環状磁石c2が直接固着されて、ハブ
b自体が実質上のロータとなり、他方、ブラケットdに
固定された界磁コイルeの内周面には軸受fが設けられ
て、この軸受fによりハブbを回転可能に支持したもの
である。 スピンドルモータとしては図例のもの以外に
も環状磁石c2と界磁コイルeとの配置関係を逆転させ
たものなど、多くの種類がある。
【0003】このようなスピンドルモータに用いられる
環状磁石c2は図14で示されるように内周面にN極と
S極が交互に着磁されている。従来、環状磁石としては
フェライト焼結体が用いられていたが、近年にいたって
成形が容易なことから樹脂結合磁石材料を圧縮成形した
りあるいは射出成形して得られる樹脂結合磁石が多用さ
れだしている。しかしながら樹脂結合磁石では焼結体に
比べて磁粉充填率が低下するため、フェライト磁粉では
充分な磁力が得られない問題がある。例えば従来の等倍
速のCD−ROM装置では最大磁気エネルギー積は1.
5〜1.8MGOe程度で充分であったが、近年のハー
ドディスク装置やCD−ROM装置等はアクセスタイム
の高速化に伴ってモータ回転速度の一層の向上が求めら
れていることから5〜10MGOe程度の最大磁気エネ
ルギー積が求められ出しており、しかも同時に小型化、
薄肉化の要望も強まっていることから、より高磁力を発
揮できる磁性粉の採用が必要となってきており、これら
要望に応えるために特にNdFeB系磁性粉を用いた樹
脂結合磁石(以下、NdFeB系ボンド磁石と称す)を
環状磁石の素材として採用することが急増しつつある。
NdFeB系ボンド磁石は、従来のフェライト系ボンド
磁石にない高磁力を発揮することから、小型精密モータ
に適し、特に倍速から4倍速へと加速度的にその速度向
上が求められているCD−ROM装置や高密度化や高速
化が著しいハードディスク装置に適している。このよう
な傾向はCD−ROM装置やハードディスク装置以外に
もMO装置、MD装置、FD装置等の記憶装置に用いる
スピンドルモータ全般についてもいえることであり、更
にはスピンドルモータに限らず、環状磁石を用いる小型
精密モータ全般についても共通していえることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにNdFeB
系ボンド磁石の使用により環状磁石の高磁力化が可能と
なったが、以下列記するような未だ解決されるべき課題
が残されていた。 環状磁石はNdFeB系ボンド磁石材料を圧縮成形法
や射出成形法によって直接、環状体に成形されるが、こ
のような成形法では、環状磁石の薄肉化に限界があり、
環状磁石の更なる薄肉化の要望に応えられない。また圧
縮成形法や射出成形法は生産性が低く、低コスト化をは
かりにくい。 環状磁石のハブ内面やプリント基板の取付けは接着剤
によって行っているが、接着剤塗布作業は煩雑であるば
かりか、接着箇所以外への接着剤の漏出の問題がある。
【0005】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
で、環状磁石の薄肉化が容易であるとともに量産性にも
優れ、しかもモータ内部への組み込みに際して接着剤も
不要になる永久磁石とその製造方法を提供せんとするも
のであり、加えてこの永久磁石を使用した小型精密モー
タをも提案せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、環状磁石を最初から環状体
に成形するのではなく、先ず柔軟性を有する平板シート
状の永久磁石を成形しておき、これをモータに組み込む
際に環状になせば、薄肉化、量産性の課題に応えられる
のではないかとの着想を得た。またこのシート状に形成
した柔軟性を有する永久磁石の背面に粘着剤層を予め形
成しておけば、モータへの組み込みに際して接着剤も不
要となせることに思い至った。このような着想を基礎と
して、次の第1発明〜第5発明を完成させた。
【0007】第1発明は次の内容を有している。環状状
態で使用される小型精密モータのロータ又はステータ用
の磁石部品であって、その構成が、R−T−B(但し、
RはNd及び/又はPr、あるいはこれらの一部を1種
又は2種以上の他の希土類元素で置換したもの:TはF
eを主体とする3d族遷移金属元素:Bはホウ素)を主
成分とする金属間化合物磁性粉体を常温で柔軟性を有す
るゴム系合成樹脂に分散配合した樹脂結合磁石材料を素
材とし、且つその形状がモータ内部に組み込んだときの
環状長さに略一致する長さを有する短冊状の単位シート
磁石片の裏面に粘着剤層を一体的に設けた小型精密モー
タ用の単位シート磁石複合片。
【0008】第2発明は次の内容を有している。R−T
−Bを主成分とする金属間化合物磁性粉体を常温で柔軟
性を有するゴム系合成樹脂に分散配合した樹脂結合磁石
材料を素材とする磁性シート体に粘着剤層及び離型紙が
順次積層されているとともに、当該積層体には離型紙を
残して肉厚方向にハーフカットが所定間隔で刻設され、
ハーフカットで区分された単位シート磁石複合片の形状
がモータ内部に環状状態で組み込んだときの環状長さに
略一致しているとともに各単位シート磁石複合片には着
磁が施されている小型精密モータに用いる単位シート磁
石複合片の連設体。
【0009】常温で柔軟性を有するゴム系合成樹脂とし
ては、ポリ塩化ビニル、ニトリルゴム、ポリスルフォン
化ポリエチレン、ポリブタジエンのうちから選択される
一種又は複数種が使用できる。
【0010】金属間化合物磁性粉体の含率は40重量%
〜95重量%であることが好ましい。また金属間化合物
磁性粉体の粒径は32mesh〜500meshである
ことが望まれる。
【0011】第3発明は次の内容を有している。R−T
−Bを主成分とする金属間化合物磁性粉体を常温で柔軟
性を有するゴム系合成樹脂に分散配合した樹脂結合磁石
材料をカレンダーロール成形にてシート状となし、次い
でこの磁性シート体に粘着剤層及び離型紙を積層して磁
性シート複合体を構成するとともに、続いて離型紙を残
す深さのハーフカットを前記磁性シート複合体に所定間
隔で刻設して、前記磁性シート複合体を、モータ内部に
環状状態で組み込んだときの環状長さに略一致した長さ
を有する短冊状の単位シート磁石複合片の連設体とな
し、且つ前記磁性シート体形成段階、前記磁性シート複
合体形成段階、又は前記単位シート磁石複合片形成段階
のいずれかの段階において着磁を施してなる小型精密モ
ータに用いる単位シート磁石複合片の連設体製造方法。
【0012】第4発明は次の内容を有している。請求項
2記載の単位シート磁石複合片の連設体から剥がした単
位シート磁石複合片を小型精密モータの取付け箇所に環
状状態で位置づけるとともに背面の粘着剤層の粘着力に
よって固着し、ロータ用又はステータ用磁石を構成して
なる単位シート磁石複合片連設体の使用方法。
【0013】第5発明は次の内容を有している。請求項
2記載の単位シート磁石複合片の連設体から剥がした単
位シート磁石複合片を取付け箇所に環状状態で位置づけ
るとともに背面の粘着剤層の粘着力によって固着してロ
ータ用又はステータ用磁石を構成してなる小型精密モー
タ。
【0014】
【作用】本発明の単位シート磁石複合片は、離型紙の上
に多数の単位シート磁石複合片が連設した形態でモータ
組み立て工程に供される。単位シート磁石複合片連設体
から剥がされた単位シート磁石複合片はロータ側である
ハブ内周面やステータ側の取付け箇所に環状形態にして
取りつけられる。単位シート磁石複合片はハーフカット
によって区分されているので剥離は容易であり、また単
位シート磁石複合片は常温下で柔軟性を有しているから
取付け箇所に沿わすことによって容易に環状に形成でき
る。そして単位シート磁石複合片の取付け箇所への固着
は単位シート磁石複合片裏面の粘着剤層によって行うこ
とができるから接着剤は不要である。また単位シート磁
石複合片はその長さをモータ内部に組み込んだときの環
状長さに略一致するよう設定されているので、取付け箇
所に環状に固着させた単位シート磁石複合片の両端縁は
緊密に接合され、実質上切れ目のない環状磁石としての
磁気特性を発揮することができる。単位シート磁石複合
片連設体はシート体であることから、カレンダーロール
成形によって成形することが可能であり、裏面への粘着
剤層及び離型紙の積層も容易である。また単位シート磁
石複合片への多極着磁も着磁対象が平面的なシート体で
あることから、従来の環状成形体に多極着磁する場合に
比べて遙に容易である。
【0015】
【実施例】次に本発明の詳細を実施例に基づき説明す
る。ここでは、インハブ構造のスピンドルモータへの適
用を例にして述べるが、本発明がボトムロータ構造のス
ピンドルモータや、その他、スピンドルモータ以外の小
型精密モータにも適用できることはいうまでもない。図
1はインハブ構造のスピンドルモータに適用した一実施
例である。その基本的構成は図13で説明したスピンド
ルモータと同じであり、シャフト1を有するハブ2の内
周面に環状磁石10が取りつけられ、他方、前記環状磁
石10に対面してステータとしての環状の界磁コイル4
がブラケット5に固定されている。また界磁コイル4の
内周部には軸受6が固定され、この軸受6を介して前記
シャフト1を回転可能に支持することにより、ハブ2を
回転駆動できるように構成されている。尚、図では界磁
コイル4に関係づけて設けられるホール素子やプリント
基板は省略している。本発明はこのような構成におい
て、環状磁石10の構成を工夫したことが特徴である。
【0016】図2は環状磁石10をシャフト1の外周面
に取付け、界磁コイル4とハブ2との間に軸受6を介在
させてハブ2を回転可能に支持した場合である。本発明
はこのような態様のスピンドルモータにも適用される。
【0017】図3は図1で示した実施例に使用される環
状磁石10を示している。環状磁石10は外周面側の粘
着剤層12aによってハブ2の内周面に添わせて固着さ
れる。環状磁石10はハブ2内周面に添わせることによ
って初めて環状体となるものであり、添わせる前は図4
に示すような短冊状のシート体(以下、単位シート磁石
複合片20と称す)である。
【0018】単位シート磁石複合片20(環状にしたと
きは環状磁石10となる)は単位シート磁石片11aの
背面に粘着剤層12aを積層した複合体であり、その長
さは前記環状磁石10の外径Rに対してπRの関係に設
定されている。そして単位シート磁石片11aには長手
方向にわたってN極とS極が交互に多極着磁されてい
る。このような単位シート磁石複合片20は図5に示す
ように共通の離型紙7の上に連設した状態で供給され、
離型紙7から各単位シート磁石複合片20を一枚ずつ剥
がし、これをハブ内周面に貼り付けて使用する。単位シ
ート磁石複合片20の剥離は人手で行うことも、あるい
は離型紙7上に単位シート磁石複合片20が連設された
テープ体をロボットへの供給カートリッジに装填したう
え、ロボットによって貼り付け作業を行うこともでき
る。図5として示すものは単位シート磁石複合片20を
離型紙7の長手方向のみに連設した場合であったが、図
6に示すように長手方向及び幅方向の両方向に連設して
もよい。また図中仮想線で示すように単位シート磁石複
合片20の連設体よりも離型紙7の幅を大きくして、単
位シート磁石複合片20を剥がしやすくすることも好ま
しい。
【0019】図7は離型紙7上に単位シート磁石複合片
20を連設させたテープ体(以下、磁性シート複合体9
と称す)の側面図である。各単位シート磁石複合片2
0,20……間には破断用溝部としてのハーフカット
8,8……が形成されている。ハーフカット8は離型紙
7を残して磁性シート体11と粘着剤層12の両方を切
断する深さに設定されている。図7では粘着剤層12は
単層で表現されているが、実際には図8に示すように不
織布等の基材12Aに粘着剤を含浸又は塗布した形態で
あり、基材12Aの表裏両面に粘着剤12B,12Bが
積層されている。ここで述べた粘着剤層12の構成は一
例に過ぎず、基材を除去した粘着剤層を用いることもで
きる。粘着剤としてはアクリル系粘着剤やゴム系粘着
剤、また溶剤を含むものや含まないものが適宜使用でき
る。
【0020】このような単位シート磁石複合片20の連
設体としての磁性シート複合体9の作製手順としては、
例えば図9に示すように、粘着剤層12と離型紙7との
積層体が巻かれた原反ロール30から積層体を引き出
し、これに別の原反ロール40から引き出した磁性シー
ト体11を積層して磁性シート複合体9を作製し、その
のち切り込み装置60によりハーフカットを形成するこ
と等が採用可能である。そして作製された磁性シート複
合体9は原反ロール50の形態で保管したり、図示しな
いがハーフカット形成時に同時に所定長さ単位に切断し
て、これらを積段して保管すること等が考えられる。
【0021】磁性シート体11の成形方法としては、例
えばカレンダーロール成形が採用できる。カレンダーロ
ール成形は連続的生産が可能で、圧縮成形や射出成形に
比べて格段に量産性に優れている。磁性シート体は磁性
粉を合成樹脂に分散配合した樹脂結合磁石材料を素材と
している。磁性粉としてはR−T−Bを主成分とする金
属間化合物磁性粉体が用いられバインダーとしては常温
で柔軟性を有するゴム系合成樹脂が用いられる。RはN
d及び/又はPr、あるいはこれらの一部を1種又は2
種以上の他の希土類元素で置換したものであり、TはF
eを主体とする3d族遷移金属元素である。希土類元素
(R)としてはイットリウム(Y)を含む希土類元素の
1種以上であって、ネオジウム(Nd)、プラセオジウ
ム(Pr)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、サ
マリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、プロメシウ
ム(Pm)、ユーロピウム(Eu)、ルテチウム(L
u)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、
ホルミウム(Ho)などが例示出来る。イットリウム
(Y)は希土類元素ではないが本発明では他の希土類元
素と同様に扱える。本発明において好ましい希土類元素
(R)はNdもしくはPrを主体とするものであるが、
複合希土類であるミッシュメタルやジジムあるいは他の
希土類元素を含んでもかまわない。
【0022】金属間化合物磁性粉体はその粒子径が50
0mesh〜32meshの範囲に設定することが好ま
しい。500meshより小さいと磁粉の表面酸化によ
る影響のために所望の磁気特性が得られず、また32m
eshより大きいと成形が困難となるとともに磁粉の合
成樹脂への分散性が低下するため、磁粉の充填率が下が
る。また磁粉が粗いため成形品の表面の平滑性が劣り、
粉落ちの原因となる。
【0023】磁粉の含率は40重量%〜95重量%の範
囲に設定することが好ましい。40重量%未満であると
モータ用磁石として使用するのに充分な磁気特性が得ら
れず、また95重量%を超えるとカレンダーロール成形
が不可能となる。表面磁束密度を増加させる目的で、R
−T−Bを主成分とする金属間化合物磁性粉体のTの一
部をコバルトで置換することも適宜採用される。
【0024】バインダーとしては常温で柔軟性を有する
ゴム系合成樹脂が用いられ、例えばポリ塩化ビニル、ニ
トリルゴム、ポリスルフォン化ポリエチレン、ポリブタ
ジエンのうちから選択される一種又は複数種を用いるこ
とができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、小型精密モータに環状
状態で組み込まれる永久磁石を柔軟性を有する短冊状の
平板磁性シート体の形態で供給することとしたので、小
型精密モータ用の永久磁石を安価に量産することができ
る。またカレンダーロール成形を採用することができる
ので薄肉磁石を作ることが容易であり、モータの小型化
及び薄型化にも柔軟に対応することができる。更に平板
磁性シート体の形態で供給するため多極着磁が容易であ
るという利点もある。また磁性シート体の背面には粘着
剤層を一体的に設けているから、小型精密モータへの組
み込みに際して接着剤等を必要とせず、組み立ての作業
性が向上し、且つ接着剤の漏出等の問題も発生しない。
また磁性粉としてR−T−Bを主成分とする希土類系磁
性粉を用いているから高磁力が発揮でき、近年の高密度
ハードディスク装置や倍速CD−ROM装置や4倍速C
D−ROM装置等の高性能記憶媒体に対応することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したインハブ構造のスピンドル
モータの一例を示す断面説明図
【図2】 本発明を適用したインハブ構造のスピンドル
モータの他の例を示す断面説明図
【図3】 本発明の単位シート磁石複合片を環状にした
状態を示す説明図
【図4】 本発明の単位シート磁石複合片の一例を示す
斜視図
【図5】 本発明の単位シート磁石複合片連設体の一例
を示す斜視図
【図6】 本発明の単位シート磁石複合片連設体の他の
例を示す平面図
【図7】 同単位シート磁石複合片連設体の側面図
【図8】 同単位シート磁石複合片連設体における粘着
剤層の詳細を示す要部拡大説明図
【図9】 同単位シート磁石複合片連設体の製造方法の
一例を示す説明図
【図10】 ハードディスク装置に組み込まれたボトム
ロータ構造のスピンドルモータを示す説明図
【図11】 同ボトムロータ構造のスピンドルモータの
断面説明図
【図12】 ハードディスク装置に組み込まれたインハ
ブ構造のスピンドルモータを示す説明図
【図13】 同インハブ構造のスピンドルモータの断面
説明図
【図14】 従来の小型精密モータに使用されている環
状磁石を示す説明図
【符号の説明】
1 シャフト 2 ハブ 4 界磁コイル 5 ブラケット 6 軸受 7 離型紙 8 ハーフカット 9 磁性シート複合
体 10 環状磁石 11 磁性シート体 11a 単位シート磁石片 12 粘着剤層 12a 粘着剤層 12A 基材 12B 粘着剤 20 単位シート磁石複合片 30 原反ロール 40 原反ロール 50 原反ロール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状状態で使用される小型精密モータの
    ロータ又はステータ用の磁石部品であって、その構成
    が、 R−T−B(但し、RはNd及び/又はPr、あるいは
    これらの一部を1種又は2種以上の他の希土類元素で置
    換したもの:TはFeを主体とする3d族遷移金属元
    素:Bはホウ素)を主成分とする金属間化合物磁性粉体
    を常温で柔軟性を有するゴム系合成樹脂に分散配合した
    樹脂結合磁石材料を素材とし、且つその形状がモータ内
    部に組み込んだときの環状長さに略一致する長さを有す
    る短冊状の単位シート磁石片の裏面に粘着剤層を一体的
    に設けた小型精密モータに用いる単位シート磁石複合
    片。
  2. 【請求項2】 R−T−B(但し、RはNd及び/又は
    Pr、あるいはこれらの一部を1種又は2種以上の他の
    希土類元素で置換したもの:TはFeを主体とする3d
    族遷移金属元素:Bはホウ素)を主成分とする金属間化
    合物磁性粉体を常温で柔軟性を有するゴム系合成樹脂に
    分散配合した樹脂結合磁石材料を素材とする磁性シート
    体に粘着剤層及び離型紙が順次積層されているととも
    に、当該積層体には離型紙を残して肉厚方向にハーフカ
    ットが所定間隔で刻設され、ハーフカットで区分された
    単位シート磁石複合片の形状がモータ内部に環状状態で
    組み込んだときの環状長さに略一致しているとともに各
    単位シート磁石複合片には着磁が施されている小型精密
    モータに用いる単位シート磁石複合片の連設体。
  3. 【請求項3】 常温で柔軟性を有するゴム系合成樹脂と
    して、ポリ塩化ビニル、ニトリルゴム、ポリスルフォン
    化ポリエチレン、ポリブタジエンのうちから選択される
    一種又は複数種を用いてなる請求項2記載の小型精密モ
    ータに用いる単位シート磁石複合片の連設体。
  4. 【請求項4】 金属間化合物磁性粉体の含率が40重量
    %〜95重量%である請求項2又は3記載の小型精密モ
    ータに用いる単位シート磁石複合片の連設体。
  5. 【請求項5】 金属間化合物磁性粉体の粒径が32me
    sh〜500meshである請求項2、3又は4記載の
    小型精密モータに用いる単位シート磁石複合片の連設
    体。
  6. 【請求項6】 R−T−B(但し、RはNd及び/又は
    Pr、あるいはこれらの一部を1種又は2種以上の他の
    希土類元素で置換したもの:TはFeを主体とする3d
    族遷移金属元素:Bはホウ素)を主成分とする金属間化
    合物磁性粉体を常温で柔軟性を有するゴム系合成樹脂に
    分散配合した樹脂結合磁石材料をカレンダーロール成形
    にてシート状となし、次いでこの磁性シート体に粘着剤
    層及び離型紙を積層して磁性シート複合体を構成すると
    ともに、続いて離型紙を残す深さのハーフカットを前記
    磁性シート複合体に所定間隔で刻設して、前記磁性シー
    ト複合体を、モータ内部に環状状態で組み込んだときの
    環状長さに略一致した長さを有する短冊体状の単位シー
    ト磁石複合片の連設体となし、且つ前記磁性シート体形
    成段階、前記磁性シート複合体形成段階、又は前記単位
    シート磁石複合片形成段階のいずれかの段階において着
    磁を施してなる小型精密モータに用いる単位シート磁石
    複合片の連設体製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の単位シート磁石複合片連
    設体から剥がした単位シート磁石複合片を小型精密モー
    タの取付け箇所に環状状態で位置づけるとともに背面の
    粘着剤層の粘着力によって固着し、ロータ用又はステー
    タ用磁石を構成してなる単位シート磁石複合片連設体の
    使用方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の単位シート磁石複合片の
    連設体から剥がした単位シート磁石複合片を取付け箇所
    に環状状態で位置づけるとともに背面の粘着剤層の粘着
    力によって固着してロータ用又はステータ用磁石を構成
    してなる小型精密モータ。
JP6328740A 1994-12-28 1994-12-28 小型精密モータに用いる単位シート磁石複合片とその連設体及びその製造方法並びに単位シート磁石複合片連設体の使用方法及び小型精密モータ Pending JPH08186959A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG84571A1 (en) * 1999-03-03 2001-11-20 Riken Plasma discharge truing apparatus and fine-machining methods using the apparatus
JP2010183791A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Nissan Motor Co Ltd 分割永久磁石の製造方法とその分割永久磁石を用いた電動機
JP2013228597A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Nichirei Magnet Kk 切り込み付き可撓性シート

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