JPH08186162A - 半導体ウェーハ用包装容器およびその製造方法およびこれを用いた半導体ウェーハの保管方法 - Google Patents

半導体ウェーハ用包装容器およびその製造方法およびこれを用いた半導体ウェーハの保管方法

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JPH08186162A
JPH08186162A JP32695094A JP32695094A JPH08186162A JP H08186162 A JPH08186162 A JP H08186162A JP 32695094 A JP32695094 A JP 32695094A JP 32695094 A JP32695094 A JP 32695094A JP H08186162 A JPH08186162 A JP H08186162A
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semiconductor wafer
container
molding
boiling point
lid
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Application number
JP32695094A
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English (en)
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Takashi Fukushima
隆 福島
Hiroshi Kato
弘 加藤
Naotaka Yamada
直貴 山田
Ikuo Uchino
郁夫 内野
Yoshiatsu Ozawa
義篤 小沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOMATSU KASEI KK
KYUSHU KOMATSU DENSHI KK
Sumco Techxiv Corp
Original Assignee
KOMATSU KASEI KK
KYUSHU KOMATSU DENSHI KK
Sumco Techxiv Corp
Komatsu Electronic Metals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の保存にも汚染することなく、清浄度
を維持することのできる半導体ウェーハ包装容器を提供
する。 【構成】 密封型容器内の低沸点の有機成分割合を増や
し、半導体ウェーハ表面に残留しやすい高沸点の有機成
分の蒸気圧を低減し、残留しやすい高沸点の有機成分と
の接触を抑制し、有機物による汚染の低減をはかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウェーハ用包装
容器およびその製造方法およびこれを用いた半導体ウェ
ーハの保管方法に係り、特に清浄度を維持しつつ長期保
存に耐えることのできる半導体ウェーハ用包装容器に関
する。
【0002】
【従来技術】従来、半導体ウェーハ用の包装容器は、ポ
リプロピレン製のケースとポリカーボネート製の蓋体と
から構成され、このケース内部に、ポリプロピレン製の
半導体ウェーハ用のキャリアが収容されるようになって
いる。
【0003】この包装容器では、容器材質からの揮発成
分を減少させることにより、ウェーハ表面への有機物汚
染を低減するという方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この容
器に、半導体ウェーハを収納し、100日程度経過する
と、半導体ウェーハ表面が汚染するという問題があっ
た。
【0005】これは、洗浄後の半導体ウェーハ表面は活
性であり、反応性が高いため、イオン性の不純物等が吸
着しやすい状況であるところに、包装容器内は有機ガス
の分圧が低いため、有機汚染の外乱を受けやすいこと等
に起因するものと考えられる。 このように従来の包装
容器に清浄なウェーハを保管すると、長期間経過後には
ウェーハ表面に異物を吸着してしまい、ウェーハに悪影
響を及ぼし、水をはじく(水との接触角が増大する)と
いう問題があった。
【0006】本発明は前記実情に鑑みてなされたもの
で、長期間の保存に対しても、水との接触角が増大した
りすることなく、清浄度を維持することのできる半導体
ウェーハ包装容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、密封
型容器内の低沸点の有機成分割合を増やすことにより、
半導体ウェーハ表面に残留しやすい高沸点の有機成分の
蒸気圧を低減する。そして、また吸着点を低沸点の有機
成分で覆うことにより、残留しやすい高沸点の有機成分
との接触を抑制し、有機物による汚染の低減をはかる。
【0008】すなわち、容器と蓋体とからなる密封性の
包装容器のウェーハに直接接触する部分は脱ガス処理の
なされた樹脂で構成するとともに、その他の部分の少な
くとも内壁面は、低分子量の有機ガスを積極的に発生さ
せる処理を施している。
【0009】本発明の第1では、容器本体と蓋体とから
なり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容するよう
に構成された半導体ウェーハ用包装容器において、内部
空間内に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点
100℃以下のアルコールが、封入せしめられているこ
とを特徴とする。
【0010】本発明の第2では、容器本体と蓋体とから
なり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容するよう
に構成された半導体ウェーハ用包装容器において、少な
くとも前記容器本体が炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水
素または沸点100℃以下のアルコールを含有してなる
樹脂で構成されていることを特徴とする。ここで望まし
くはベースとしてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リカーボネートなどが用いられる。
【0011】本発明の第3では、容器本体と蓋体とから
なり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容するよう
に構成された半導体ウェーハ用包装容器において、前記
半導体ウェーハ用包装容器の内部空間内に、炭素数6〜
8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のアル
コールを含浸した樹脂で構成され、低沸点の有機成分を
発生する蒸発源が封入せしめられたことを特徴とする。
【0012】本発明の第4では、n−ヘキサンを用いた
液相法により、架橋反応を誘発し、ポリプロピレン樹脂
を形成する工程と、前記ポリプロピレン樹脂からペレッ
トを形成し、該ペレットを成型することにより、容器本
体と蓋体とからなり、内部に密閉状態で半導体ウェーハ
を収容する容器を成型する成型工程とを含むことを特徴
とする。
【0013】本発明の第5では、気相法により、架橋反
応を誘発し、ポリプロピレン樹脂を形成する工程と、前
記ポリプロピレン樹脂をn−ヘキサンに浸漬して洗浄す
る工程と、前記ポリプロピレン樹脂からペレットを形成
し、該ペレットを成型することにより、容器本体と蓋体
とからなり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容す
る容器を成型する成型工程とを含むことを特徴とする。
【0014】本発明の第6では、原料樹脂から揮発有機
成分を除去する熱処理工程と、前記原料樹脂に炭素数1
0〜16程度の脂肪族炭化水素を添加し、ペレットを形
成する工程と、前記ペレットを成型することにより、容
器本体と蓋体とからなり、内部に密閉状態で半導体ウェ
ーハを収容する容器を成型する成型工程とを含むことを
特徴とする。
【0015】本発明の第7では、原料樹脂からペレット
を形成した後、このペレットから揮発有機成分を除去す
る熱処理工程と、このペレットを成型し、容器本体と蓋
体とからなり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容
する容器を成型する成型工程と、少なくとも前記容器本
体を炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点10
0℃以下のアルコールを含む溶液に浸漬し、表面に炭素
数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下
のアルコールを含浸せしめる工程とを含むことを特徴と
する。
【0016】本発明の第8では、原料樹脂からペレット
を形成する工程と、ペレットから揮発有機成分を除去す
る熱処理工程と、前記ペレットを炭素数6〜8程度の脂
肪族炭化水素または沸点100℃以下のアルコールを含
む溶液に浸漬し、表面に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化
水素または沸点100℃以下のアルコールを含浸せしめ
る工程と、前記ペレットを成型し、容器本体と蓋体とか
らなり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容する容
器を成型する成型工程とを含むことを特徴とする。
【0017】本発明の第9では、原料樹脂を成型し、容
器本体と蓋体とからなり、内部に密閉状態で半導体ウェ
ーハを収容する容器を成型する成型工程と、少なくとも
前記容器本体内に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素ま
たは沸点100℃以下のアルコールを含む溶液を入れ所
定時間放置したのち除去する工程とを含むことを特徴と
する。
【0018】本発明の第10では、容器本体内に半導体
ウェーハを配列する工程と、前記容器本体に符合するよ
うに蓋体を載置し、内部の気体を排気する排気工程と、
前記容器本体内に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素ま
たは沸点100℃以下のアルコールを気体状態で封入
し、前記容器本体と蓋体との間を密閉したことを特徴と
する。
【0019】
【作用】上記構成によれば、容器内の低沸点の有機成分
の分圧を増加させるとともに半導体ウェーハの表面を低
沸点の有機成分で覆うことにより、ウェーハ表面への汚
染有機物質の量の低減をはかることができ、長期にわた
って、清浄な状態で、半導体ウェーハを保存することが
できる。
【0020】ところで、ここで炭素数6〜8としたの
は、半導体ウェーハ付着物の測定結果から、半導体ウェ
ーハ表面の残留物はC=9より大きいものであり、C=
8以下の脂肪族炭化水素は残留しないことを検知したた
めである。この結果を図4に示す。ここでは密閉容器中
で8インチのシリコンウェーハを100℃1時間加熱し
たのち、表面の付着物をかきとり、ガスクロマトグラフ
ィにかけた結果である。この結果から半導体ウェーハ表
面の残留物はC=9以上のもののみであった。また、C
=5以下のものは蒸発してしまうという問題がある。そ
こでC=6〜8の脂肪族炭化水素で容器内空間をみたし
ておくことにより、半導体ウェーハ表面に残留しやすい
高沸点の有機成分の蒸気圧を低減し、残留しやすい高沸
点の有機成分との接触を抑制し、有機物による汚染の低
減とパーティクルを抑制する。
【0021】また、沸点100℃以下のアルコールで同
様に容器内空間をみたしておくことにより、半導体ウェ
ーハ表面の吸着点を覆い、残留しやすい高沸点の有機成
分との接触を抑制し、有機物による汚染の低減とパーテ
ィクルを抑制する。これらの脂肪族炭化水素の温度と蒸
気圧との関係を図5に示す。縦軸は蒸気圧(atm )、横
軸は温度(℃)である。この結果からわかるようにC=
6〜8の脂肪族炭化水素を用いることにより、通常の使
用温度である20℃程度ではおおむね蒸気圧を1/10
0以上とすることができることがわかる。
【0022】また、図3のパーティクル発生なしの容器
に使われているポリプロピレン樹脂に含まれる炭素数6
〜8の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のアルコ
ールの総量が、50ppm以上であった。このことか
ら、半導体ウェーハ用包装容器の内部空間内に封入せし
められて効力を発生するには炭素数6〜8程度の脂肪族
炭化水素または沸点100℃以下のアルコールが、50
ppm以上とするのが望ましいことがわかる。
【0023】本発明の第1では、半導体ウェーハ用包装
容器の内部空間内に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素
または沸点100℃以下のアルコールが封入せしめられ
ているため、上述したように残留しやすい有機成分との
接触が抑制され、清浄なウェーハ表面を維持することが
できる。
【0024】さらに本発明の第2では、容器本体を炭素
数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下
のアルコールを含有してなる樹脂で構成しているため、
内部空間には、常時、炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水
素または沸点100℃以下のアルコールが、封入せしめ
られていることになり、上述したように残留しやすい有
機成分との接触が抑制され、清浄なウェーハ表面を維持
することができる。
【0025】ここで望ましくはベースとしてはポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどが用いら
れるが、耐薬品性および含浸し易さでは、ポリカーボネ
ートは前者の2つよりもやや劣る。
【0026】本発明の第3では、半導体ウェーハ用包装
容器の内部空間内に、炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水
素または沸点100℃以下のアルコールを含浸した樹脂
で構成され、低沸点の有機成分を発生する蒸発源を封入
せしめることにより、内部空間には、常時、炭素数6〜
8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のアル
コールが、封入せしめられていることになり、上述した
ように残留しやすい有機成分との接触が抑制され、清浄
なウェーハ表面を維持することができる。ここで望まし
くは蒸発源を構成するベース樹脂は蒸気乾燥を実施した
ポリプロピレンなど汚染源を含まないものを用いる必要
がある。
【0027】本発明の第4では、n−ヘキサンを用いた
液相法により、架橋反応を誘発し、ポリプロピレン樹脂
を形成し、これを原料樹脂として包装容器を形成するこ
とにより、内部空間には、常時、n−ヘキサンが、封入
せしめられていることになり、上述したように残留しや
すい有機成分との接触が抑制され、清浄なウェーハ表面
を維持することができる。
【0028】本発明の第5では、気相法により、架橋反
応を誘発し、ポリプロピレン樹脂を形成し、さらにこの
ポリプロピレン樹脂をn−ヘキサンに浸漬して洗浄し、
これを原料樹脂として包装容器を形成することにより、
内部空間には、常時、n−ヘキサンが、封入せしめられ
ていることになり、上述したように残留しやすい有機成
分との接触が抑制され、清浄なウェーハ表面を維持する
ことができる。
【0029】本発明の第6では、原料樹脂から熱処理に
より揮発有機成分を除去したのち、この原料樹脂に炭素
数10〜16程度の脂肪族炭化水素を添加し、ペレット
を形成し、半導体ウェーハ包装容器を成型しているた
め、熱工程によりこの脂肪族炭化水素は分解して成型後
には炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素を含有したもの
となっているため、内部空間には、常時、炭素数6〜8
程度の脂肪族炭化水素が、封入せしめられていることに
なり、上述したように残留しやすい有機成分との接触が
抑制され、清浄なウェーハ表面を維持することができ
る。
【0030】本発明の第7では、半導体ウェーハ包装容
器を成型したのち、少なくとも容器本体を炭素数6〜8
程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のアルコ
ールを含む溶液に浸漬し、表面に炭素数6〜8程度の脂
肪族炭化水素または沸点100℃以下のアルコールを含
浸せしめようにしているため、内部空間には、常時、炭
素数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以
下のアルコールが、封入せしめられていることになり、
上述したように残留しやすい有機成分との接触が抑制さ
れ、清浄なウェーハ表面を維持することができる。ここ
で、直接ウェーハに接触するキャリアや押さえは、接触
点から汚染物が拡散する原因となるため、炭素数6〜8
程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のアルコ
ールを含浸させず、容器本体および蓋体のみを含浸させ
るのが理想的である。
【0031】本発明の第8では、ペレットを、炭素数6
〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のア
ルコールを含む溶液に浸漬し、表面に炭素数6〜8程度
の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のアルコール
を含浸せしめているため、成型後の容器の内部空間に
は、常時、炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸
点100℃以下のアルコールが、封入せしめられている
ことになり、上述したように残留しやすい有機成分との
接触が抑制され、清浄なウェーハ表面を維持することが
できる。
【0032】本発明の第9では、半導体ウェーハ包装容
器を成型したのち、少なくとも前記容器本体内に炭素数
6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下の
アルコールを含む溶液を入れ所定時間放置したのち除去
することにより、内壁に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化
水素または沸点100℃以下のアルコールが含浸せしめ
られ、容器の内部空間には、常時、炭素数6〜8程度の
脂肪族炭化水素または沸点100℃以下のアルコール
が、封入せしめられていることになり、上述したように
残留しやすい有機成分との接触が抑制され、清浄なウェ
ーハ表面を維持することができる。
【0033】本発明の第10では、容器本体内に半導体
ウェーハを配列し、蓋体を載置したのち、内部気体を排
気して、炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点
100℃以下のアルコールを気体状態で封入し、前記容
器本体と蓋体との間を密閉しているため、蓋体を開ける
までは容器の内部空間には、常時、炭素数6〜8程度の
脂肪族炭化水素が、封入せしめられていることになり、
上述したように残留しやすい有機成分との接触が抑制さ
れ、清浄なウェーハ表面を維持することができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
つつ詳細に説明する。
【0035】この半導体ウェーハ用包装容器は、図1に
示すように液相法で製造したポリプロピレンからなるケ
ース本体1と、これを密閉できるように構成された蓋体
2と、半導体ウェーハ6を担持してこのケース本体1に
収納される脱ガス処理のなされたポリプロピレンからな
るキャリア3と、半導体ウェーハ6を押さえて固定する
ようにキャリア3に符合せしめられる押さえ4と、から
構成されている。ここでケース本体1と蓋体2とはゴム
パッキン5を介して密着せしめられている。
【0036】かかる包装容器によれば、容器内部は有機
ガスで満たされており、不純物が入っても外乱を生じる
ことなく、清浄な表面状態を維持することができるた
め、水を弾いたりすることもない。
【0037】次にこの半導体ウェーハ用包装容器の製造
方法について説明する。
【0038】n−ヘキサン中に単量体を充填し、液相法
により架橋反応を生ぜしめポリプロピレンを形成する。
このとき、不純物や触媒残渣をn−ヘキサンで洗浄する
ため、ポリプロピレン樹脂に多量のn−ヘキサン(C=
6)が含まれている。
【0039】このポリプロピレン樹脂に、酸化防止剤等
を添加しペレットを形成し、金型を用いてケース本体
1、蓋体2、の各部品の成型を行う。さらにこのペレッ
トに100℃30〜40時間の熱処理を施し、揮発有機
成分を十分に除いた後、金型を用いてキャリア3、押さ
え4の各部品の成型を行う。
【0040】このようにして形成された半導体ウェーハ
包装容器のキャリア3に、8インチのシリコンウェーハ
を25枚収納し、密封して、常温で3か月経過した後、
容器を開いたとき、どのシリコンウェーハも、清浄な表
面を維持することができた。次に、これら脂肪族炭化水
素の添加量と、ウェーハ表面の汚染度との関係を測定す
べく、清浄なガラス製の密閉容器の中へ汚染物質が除去
されていないポリプロピレン樹脂ペレットと洗浄したシ
リコンウェーハを接触しないように入れ保管した時のn
−オクタン(C=8)の添加量を変化させて汚染度を測
定した。その結果を図2に示す。ここではウェーハ表面
を削り取り、590℃のヘリウム中で加熱脱離させ脱離
成分をGC−MS(ガスクロマトグラフィ)で分析す
る。n−デカンを使用して検量線を作成し、重量に換算
した。この測定量をウェーハ面積で除し、単位面積当た
りの吸着量とした。縦軸はウェーハ表面の汚染有機物質
の量(ng/cm2 )、横軸は添加量/飽和量(40
℃)である。この結果から添加量/飽和量を大きくすれ
ばするほど着実に高沸点成分の汚染は低減されているこ
とが明らかである。
【0041】また密閉時の内部空間の状態を測定するた
め、4つの容器A〜Dを用意しこの中に同じシリコンウ
ェーハを封入した。これらの容器は次表に示すような構
成をとるものである。
【0042】 そして、シリンジの先に吸着管を取り付け、前記容器本
体にそれぞれ穴をあけ、この穴に吸着管を挿入して、1
リットルの内部蒸気を吸引する。この吸着管をGC−M
Sにセットし、脱離ガスを分析し、そのときの容器内低
沸点揮発成分量を測定した。その結果を図3に示す。こ
こで縦軸は10-1μg/1とする。このときABはパー
ティクルの発生はなく、良好にウェーハを維持すること
ができたが、CDはパーティクルが発生した。このこと
からも、容器内低沸点揮発成分量の多いものほど、汚染
が少なく、またケースは低沸点成分が多いものがよりよ
いが、直接ウェーハに接触するキャリアや押さえは、低
沸点成分が少ない方がよいこともわかる。
【0043】次に本発明の第2の実施例として、この半
導体ウェーハ用包装容器の製造方法の他の例について説
明する。
【0044】気相法により架橋反応を生ぜしめポリプロ
ピレンを形成する。こののち、ケース本体および蓋体用
のポリプロピレンのみをn−ヘキサンで洗浄する。この
とき、ポリプロピレン樹脂に多量のn−ヘキサン(C=
6)が含まれている。この後の工程は前記第1の実施例
と全く同様に形成する。
【0045】このように気相法で形成したポリプロピレ
ンの場合も架橋後、n−ヘキサンで洗浄するようにすれ
ば、液相法で形成したポリプロピレンを用いた半導体ウ
ェーハ包装容器と同様に、常温で3か月経過した後、容
器を開いたとき、どのシリコンウェーハも水を弾くよう
な現象を生じることなく、清浄な表面を維持することが
できた。
【0046】次に本発明の第3の実施例として、この半
導体ウェーハ用包装容器の製造方法の他の例について説
明する。
【0047】まずポリプロピレン樹脂に100℃30〜
40時間の熱処理を施し、揮発有機成分を十分に除いた
後、このポリプロピレンに炭素数10〜16程度の脂肪
族炭化水素を0.01%程度添加し、こののち炭素数が
およそ10〜16程度の脂肪族炭化水素を混合し、ペレ
ットを製造し、この後、金型を用いてケース本体1およ
び蓋体2の各部品の成型を行う。
【0048】一方キャリア3および押さえは脂肪族炭化
水素の添加工程を除いて同様に形成する。
【0049】このようにして、形成された半導体ウェー
ハ包装容器によっても同様に、常温で3か月経過した
後、容器を開いたとき、どのシリコンウェーハも、清浄
な表面を維持することができた。
【0050】次に、本発明の第4の実施例として、この
半導体ウェーハ用包装容器の製造方法のさらに他の例に
ついて説明する。
【0051】まずポリプロピレンを原料として100℃
30〜40時間の熱処理を施し、揮発有機成分を十分に
除いた後、金型を用いてケース本体1、蓋体2、キャリ
ア3、押さえ4の各部品の成型を行う。
【0052】ついで、ケース本体および蓋体について
は、イソプロピルアルコール溶液に数日浸し、含浸させ
る。
【0053】このようにして、形成された半導体ウェー
ハ包装容器によっても同様に、常温で3か月経過した
後、容器を開いたとき、どのシリコンウェーハも、清浄
な表面を維持することができた。
【0054】次に、本発明の第5の実施例として、この
半導体ウェーハ用包装容器の製造方法のさらに他の例に
ついて説明する。
【0055】まずポリプロピレンを原料としてペレット
を形成した後、100℃30〜40時間の熱処理を施
し、揮発有機成分を十分に除いた後、さらに金型を用い
てケース本体1、蓋体2、キャリア3、押さえ4の各部
品の成型を行う。
【0056】ついで、ケース本体および蓋体に、その重
量の50ppm以上の炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水
素や沸点が同等のアルコールを入れ、数日放置し、含浸
させ、不要部は洗浄により除去し、容器内を低沸点成分
で満たす。
【0057】このようにして、形成された半導体ウェー
ハ包装容器によっても同様に、常温で3か月経過した
後、容器を開いたとき、どのシリコンウェーハも、清浄
な表面を維持することができた。
【0058】なお前記第5の実施例では成型後のケース
本体および蓋体に、炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素
を含浸させたが、ペレットに含浸させるようにしてもよ
い。次に、本発明の第6の実施例として、この半導体ウ
ェーハ用包装容器の製造方法のさらに他の例について説
明する。
【0059】まずポリプロピレンを原料としてペレット
を形成したのち、100℃30〜40時間の熱処理を施
し、揮発有機成分を十分に除いた後、さらに金型を用い
てケース本体1、蓋体2、キャリア3、押さえ4の各部
品の成型を行う。
【0060】このようにして形成された、包装容器に半
導体ウェーハを収納して密封する際に炭素数6〜8程度
の脂肪族炭化水素や沸点が同等のアルコールなどの有機
物質を容器の内容積を飽和蒸気圧で満たす量だけいれる
ようにする。
【0061】この場合も同様に、常温で1か月経過した
後、容器を開いたとき、どのシリコンウェーハも、清浄
な表面を維持することができた。
【0062】なお、前記第6の実施例では気体状態で炭
素数6〜8程度の脂肪族炭化水素を封入したが、炭素数
6〜8程度の脂肪族炭化水素を含浸せしめたベース(図
示せず)を容器内に封入するようにしてもよい。
【0063】次に本発明の他の実施例について説明す
る。
【0064】この包装容器は図6に示すようにキャリア
と容器本体が一体的に形成されたもので、この場合は蓋
体12のみが、炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素を含
浸せしめたポリプロピレンで構成されている。そして直
接ウェーハに接触する容器本体11や押さえ14は揮発
有機成分を十分に除去したポリプロピレンで構成され
る。15はシール部材である
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、長期にわたって清浄な
半導体ウェーハ表面を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の半導体ウェーハ用包装
容器を示す図。
【図2】ウェーハ表面への汚染有機物質の量と容器への
低沸点有機成分の添加量との関係を示す図。
【図3】容器内低沸点揮発成分量とパーティクル発生と
の関係を示す図。
【図4】ウェーハ表面の付着物の分析結果を示す図。
【図5】各脂肪族炭化水素の温度と蒸気圧との関係を示
す図。
【図6】本発明の第6の実施例の半導体ウェーハ用包装
容器を示す図。
【符号の説明】
1 ケース本体 2 蓋体 3 キャリア 4 押さえ 5 シール部材 11 ケース本体 12 蓋体 14 押さえ 15 シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 弘 宮崎県宮崎郡清武町大字木原1112 九州コ マツ電子株式会社内 (72)発明者 山田 直貴 宮崎県宮崎郡清武町大字木原1112 九州コ マツ電子株式会社内 (72)発明者 内野 郁夫 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 小沢 義篤 東京都目黒区大橋1−6−3 小松化成株 式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体と蓋体とからなり、内部に密閉
    状態で半導体ウェーハを収容するように構成された半導
    体ウェーハ用包装容器において、 内部空間内に、炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素また
    は沸点100℃以下のアルコールが、封入せしめられて
    いることを特徴とする半導体ウェーハ用包装容器。
  2. 【請求項2】 容器本体と蓋体とからなり、内部に密閉
    状態で半導体ウェーハを収容するように構成された半導
    体ウェーハ用包装容器において、 少なくとも前記容器本体が炭素数6〜8程度の脂肪族炭
    化水素または沸点100℃以下のアルコールを含有して
    なる樹脂で構成されていることを特徴とする半導体ウェ
    ーハ用包装容器。
  3. 【請求項3】 容器本体と蓋体とからなり、内部に密閉
    状態で半導体ウェーハを収容するように構成された半導
    体ウェーハ用包装容器において、 前記半導体ウェーハ用包装容器の内部空間内に、炭素数
    6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点100℃以下の
    アルコールを含浸した樹脂で構成され、低沸点の有機成
    分を発生する蒸発源が封入せしめられたことを特徴とす
    る半導体ウェーハ用包装容器。
  4. 【請求項4】 n−ヘキサンを用いた液相法により、架
    橋反応を誘発し、ポリプロピレン樹脂を形成する工程
    と、 前記ポリプロピレン樹脂からペレットを形成し、該ペレ
    ットを成型することにより、容器本体と蓋体とからな
    り、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容する容器を
    成型する成型工程とを含むことを特徴とする半導体ウェ
    ーハ用包装容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 気相法により、架橋反応を誘発し、ポリ
    プロピレン樹脂を形成する工程と、 前記ポリプロピレン樹脂をn−ヘキサンに浸漬して洗浄
    する工程と、 前記ポリプロピレン樹脂からペレットを形成し、該ペレ
    ットを成型することにより、容器本体と蓋体とからな
    り、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容する容器を
    成型する成型工程とを含むことを特徴とする半導体ウェ
    ーハ用包装容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 原料樹脂から揮発有機成分を除去する熱
    処理工程と、 前記原料樹脂に炭素数10〜16程度の脂肪族炭化水素
    を添加し、ペレットを形成する工程と、 前記ペレットを成型することにより、容器本体と蓋体と
    からなり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容する
    容器を成型する成型工程とを含むことを特徴とする半導
    体ウェーハ用包装容器の製造方法。
  7. 【請求項7】 原料樹脂からペレットを形成するペレッ
    ト形成工程と、 前記ペレットから揮発有機成分を除去する熱処理工程
    と、 このペレットを成型し、容器本体と蓋体とからなり、内
    部に密閉状態で半導体ウェーハを収容する容器を成型す
    る成型工程と、 少なくとも前記容器本体を炭素数6〜8程度の脂肪族炭
    化水素または沸点100℃以下のアルコールを含む溶液
    に浸漬し、表面に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素ま
    たは沸点100℃以下のアルコールを含浸せしめる工程
    と、を含むことを特徴とする半導体ウェーハ用包装容器
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 原料樹脂からペレットを形成する工程
    と、 前記ペレットから揮発有機成分を除去する熱処理工程
    と、 前記ペレットを炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素また
    は沸点100℃以下のアルコールを含む溶液に浸漬し、
    表面に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素または沸点1
    00℃以下のアルコールを含浸せしめる工程と、 前記ペレットを成型し、容器本体と蓋体とからなり、内
    部に密閉状態で半導体ウェーハを収容する容器を成型す
    る成型工程と、を含むことを特徴とする半導体ウェーハ
    用包装容器の製造方法。
  9. 【請求項9】 原料樹脂を成型し、容器本体と蓋体とか
    らなり、内部に密閉状態で半導体ウェーハを収容する容
    器を成型する成型工程と、 少なくとも前記容器本体内に炭素数6〜8程度の脂肪族
    炭化水素または沸点100℃以下のアルコールを含む溶
    液を入れ、所定時間放置したのち前記溶液を除去する工
    程とを含むことを特徴とする半導体ウェーハ用包装容器
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 容器本体内に半導体ウェーハを配列す
    る工程と、 前記容器本体に符合するように蓋体を載置し、内部の気
    体を排気する排気工程と、 前記容器本体内に炭素数6〜8程度の脂肪族炭化水素ま
    たは沸点100℃以下のアルコールを気体状態で封入
    し、前記容器本体と蓋体との間を密閉したことを特徴と
    する半導体ウェーハの保管方法。
JP32695094A 1994-12-28 1994-12-28 半導体ウェーハ用包装容器およびその製造方法およびこれを用いた半導体ウェーハの保管方法 Pending JPH08186162A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016207770A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 東京エレクトロン株式会社 被処理体を処理する方法

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