JPH08185626A - 紙質層、非磁性金属層及び磁気情報記録層から少なくとも構成された反りの無い積層体 - Google Patents

紙質層、非磁性金属層及び磁気情報記録層から少なくとも構成された反りの無い積層体

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JPH08185626A
JPH08185626A JP6338963A JP33896394A JPH08185626A JP H08185626 A JPH08185626 A JP H08185626A JP 6338963 A JP6338963 A JP 6338963A JP 33896394 A JP33896394 A JP 33896394A JP H08185626 A JPH08185626 A JP H08185626A
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JP6338963A
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English (en)
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Toshinobu Ueda
田 利 信 上
Hisao Hayashi
久 夫 林
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HONGOU KK
N T T ADVANCE TECHNOL KK
NICHINOU KAGAKU HANBAI KK
NTT Advanced Technology Corp
Kurilon Chemicals Co Ltd
Original Assignee
HONGOU KK
N T T ADVANCE TECHNOL KK
NICHINOU KAGAKU HANBAI KK
NTT Advanced Technology Corp
Kurilon Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入手後に空白部に利用者が水墨、水性インク
等で自由に記入可能で、記入画像及び朱肉画像が明瞭に
保たれ、水濡れ・乾燥によって反らず、磁気カード利用
機で利用可能な磁気情報記録カードを開発する。 【構成】 図2で、紙質層(11):坪量15g/m2のレーヨ
ン紙//疎水性樹脂層(12):ポリプロピレン//非磁性金属
層(23):厚さ9μmの黄色アルミニウム箔//接着性重合体
層(14):ポリエチレン−無水マレイン酸グラフト改質物/
/磁気情報記録層(15):PET主体。 【効果】 紙質層を透過して黄金色の外観呈示;水濡れ
で黄金色一層輝り映え;繰り返し使用による毛羽立ち無
し。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気情報記録カード(以
下、「磁気カード」と略称することがある)等であっ
て、その最外層が水墨輪郭及び朱肉輪郭を明瞭に保持し
得る紙質層である積層体に関する。詳しくは、本発明は
テレホンカード、交通機関の運賃カードその他のプリペ
イドカード等の前以って記録された磁気情報に基づいて
各種の機能を果たす磁気カードであって、カード式電話
機、自動券売機又は自動改札機等のカードスロットに挿
入されて磁気情報記録層に記録された情報を該機械内部
の読み取りヘッド及び/又は書き込みヘッドで処理可能
な磁気カードに対して、発行後にその頂面に利用者等が
好みの文字、模様、記号その他を記入可能な手段を設け
得る磁気カードに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気情報記録カードであって、その頂面
(磁気情報記録層とは反対側の面)にその種類、発行
者、利用目的又は単なるムードもしくはイメージ付与の
為の印刷が施されたカードは既に広く知られ、用いられ
ている。例えば、プリペイドカードの典型であるテレホ
ンカードではその挿入方向矢印、度数表示、発行者(出
資者)の標識等が印刷され、鉄道運賃カードであるオレ
ンジカードに加えて、直接に乗車券の代わりを果たすイ
オカードとの区別模様、標識等が印刷されて利用者の理
解、識別を助けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の頂面印刷磁気カ
ードは作成段階又はその発行前の段階で一括して印刷を
施す必要があった。即ち、従来の磁気カードの表面は水
墨、水性インク等による書写も朱肉による押印も不能で
あり、印刷だけが可能であった。不便なことに、印刷は
大量の通称「ホワイトテレホンカード」(「ホワイトカ
ード」と略称することがある)に対しては専門の印刷業
者が実用的対価で対応可能であるが、少量特に1枚の磁
気カードに対しては、特に対価の点で非現実的である。
【0004】処が、世人の好みは自分だけの個性的デザ
インを求める多品種少量の傾向にあることから、何等の
印刷も施されていないホワイトカードを入手して一枚毎
に異なる磁気カードを作成したいとする希望が高まって
は来ている。しかし、それを実行することは現状では手
段的にもコスト的にも殆ど不可能であった。本発明は従
来の磁気カードに伴う上記の制約を解消して、世人の要
求に応える磁気カードを提供することを目的とする。
【0005】この目的に対応するには、利用者等が頂面
無印刷カード(ホワイトカード)の形で磁気カードを入
手後に水墨、水性インク等で自由に書写可能にすると共
に、書写された画像が滲みによる画質低下を生じない様
にする手段を付加すると共に、朱肉による印形を保存す
る手段をも付加することが重要となる。
【0006】その解決手段として実際に紙質層を磁気情
報記録層に積層すると、得られた積層体が紙質層側に
「反る」という問題が生ずる。その解決の為に磁気情報
記録層自体の厚さを増大させる対策も試みられたが、反
りを十分に解消するには至らなかった。その理由はこの
種の磁気情報記録カードに課された厚さ制限にあり、制
限以内では達成不能であった。即ち、磁気情報記録層だ
けによる反り防止効果をその厚さ増大で実現することは
カード式電話機、自動券売機又は自動改札機等のカード
スロットに挿入可能でその内部で磁気情報の読み取り可
能な厚さ制限内では困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記の課題を
解決する手段を探索した結果、下記の構成要件からなる
手段が課題を解決し得ることを見出し、更に検討を重ね
て下掲の「製品の基本的構成」及び「製品の改良構成
1」〜「製品の改良構成8」並びに「製法の基本的構
成」及び「製法の改良構成1」〜「製法の改良構成3」
からなる発明を完成した。
【0008】[製品の基本的構成]紙質層として坪量9
〜25g/m2のレーヨン紙、レーヨン混抄紙及び和紙か
ら選ばれる紙質層(11)の裏面に厚さ6〜30μmの非磁
性金属層(13)もしくは(23)としてアルミニウム箔及びア
ルミニウム合金箔、銅箔及び銅合金箔並びに非磁性鉄系
合金から選ばれる1以上の金属層、その裏面に磁気情報
記録層(15)が積層され、カード式電話機、自動発券機又
は自動改札機等で利用し得る紙質層、非磁性金属層及び
磁気情報記録層から少なくとも構成された積層体。
【0009】[製品の改良構成1]紙質層(11)と非磁性
金属層(13)との間に疎水性の重合体層(12)が介在し、該
重合体層(12)が1-オレフィンの重合体又は共重合体であ
って、下記の群から選ばれる1種以上のオレフィン重合
体で構成されている「製品の基本的構成」に記載の積層
体:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリー1ーブテン及
びポリ-4-メチル-1-ペンテン並びにエチレン−プロピレ
ンエラストマー、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
エラストマー、エチレン−1-ブテンエラストマー及びプ
ロピレン−エチレンエラストマー。
【0010】[製品の改良構成2]非磁性金属層(13)が
アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔から選ばれる金
属層である「製品の基本的構成」及び「製品の改良構成
1」に記載の積層体。
【0011】[製品の改良構成3]非磁性金属層(13)と
磁気情報記録層(15)との間に接着性層(14)が介在し、該
層(14)がポリオレフィンへのマレイン酸グラフトによる
改質物、ポリオレフィンへの無水マレイン酸グラフトに
よる改質物、酸コポリマー、ホットメルト接着性物質及
び常温粘着性物質から選ばれる1種以上又はそれとエチ
レン酢酸ビニル共重合体で構成されている「製品の基本
的構成」並びに「製品の改良構成1」及び「製品の改良
構成2」に記載の積層体。
【0012】[製品の改良構成4]酸コポリマーがエチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体、該酸のアルカリ金
属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる1種以上並び
に該酸のメチルエステル及びエチルエステルから選ばれ
る1種以上で構成されている「製品の基本的構成」及び
「製品の改良構成1」〜「製品の改良構成3」に記載の
積層体。
【0013】[製品の改良構成5]ホットメルト接着性
物質がエチレン−酢酸ビニル共重合体から形成されてい
る「製品の基本的構成」及び「製品の改良構成1」〜
「製品の改良構成4」に記載の積層体。
【0014】[製品の改良構成7]非磁性金属層(13)の
表面であって紙質層(11)に対向する面に彩色が施された
「製品の基本的構成」及び「製品の改良構成1」〜「製
品の改良構成6」に記載の積層体。
【0015】[製品の改良構成8]非磁性金属層(13)に
彩色が施されている「製品の基本的構成」及び「製品の
改良構成1」〜「製品の改良構成7」に記載の積層体。
【0016】「製法の基本的構成」非磁性金属層(13)の
片面に疎水性重合体を被層して疎水性重合体層(12)を形
成させ、その表面に紙質層(11)を被層すると共に、非磁
性金属層(13)もしくは(23)としてアルミニウム箔及びア
ルミニウム合金箔、銅箔及び銅合金箔並びに非磁性鉄系
合金から選ばれる1以上の金属層の裏面に接着性物質を
被層して接着性層(14)を形成させ、更にその表面に磁気
情報記録層(15)を挟圧することからなるカード式電話
機、自動発券機又は自動改札機等で利用し得る紙質層、
非磁性金属層及び磁気情報記録層から少なくとも構成さ
れた積層体の製造方法。「製法の基本的構成」に記載の
製造方法。
【0017】[製法の改良構成1]積層体を製造する工
程を疎水性重合体層(12)及び接着性層(14)を押出ラミネ
ーション法又は共押出ラミネーション法によって他層に
被層する「製法の基本的構成」に記載の製造方法。
【0018】[製法の改良構成2]非磁性金属層(13)表
面に疎水性重合体で形成された疎水性重合体層(12)を被
層する工程を押出ラミネーション法又は共押出ラミネー
ション法で行なう「製法の基本的構成」及び「製法の改
良構成1」に記載の製造方法。
【0019】[製法の改良構成3]非磁性金属層(13)に
接着性物質で形成された接着性層(14)を被層する工程を
押出ラミネーション法又は共押出ラミネーション法で行
なう「製法の基本的構成」並びに「製法の改良構成1」
及び「製法の改良構成2」に記載の製造方法。
【0020】[発明の好適態様] <図面に基づく説明>本発明の積層体を図面に基づいて
説明する。ここで、図番が異なっても、同一と見て良い
層は同一の符号で表わす。 ◆図1は本発明の積層体の中で汎用態様を表わし、図1
において1は本発明の積層体全体を表わし、積層体1に
おいて(11)は紙質層、(12)は疎水性重合体層、(13)は非
磁性金属層、(14)は接着性層及び(15)は磁気PET層で
ある。 ◆図2は本発明の積層体の中で変形態様を表わし、図2
において2は本発明の積層体全体を表わし、積層体2に
おいて(11)は紙質層、(12)は疎水性重合体層、(23)は非
磁性金属層、(14)は接着性重合体層及び(15)は磁気PE
T層である。
【0021】<紙質層(11)>本発明の積層体を形成する
紙質層(11)はレーヨン紙、レーヨンパルプ紙/木質パル
プ紙混抄紙(本発明では「レーヨン混抄紙」と略称する
ことがある)及び和紙から選ばれるものである。紙業界
における分類では、この「レーヨン紙」とは通常の木質
繊維に代えてレーヨンパルプを用いると共に、ポリオレ
フィン等の疎水性熱可塑性樹脂からなる繊維を混抄して
得られた紙状物である。レーヨン紙は和紙風の外観を呈
するが、その親水性と疎水性との比率を大幅に選択する
ことができる点では通常の和紙とは全く異なる紙状物で
ある。
【0022】これに加えて、レーヨン混抄紙も本発明に
おいては有用である。この「レーヨン混抄紙」とは、上
記のレーヨン紙に木質パルプを所定量配合したもので、
レーヨン紙よりも当然ながら和紙の風合いを強く備えて
いる。更に、和紙は本来的には楮又は三椏等の樹皮から
得られる長繊維を平行に整列させる様に抄紙して製造さ
れる紙で、繊維の走る方向の引張には特に強く、独特の
風合いを備えたものである。
【0023】本発明の積層体を形成する紙質層を構成す
る為に適するレーヨン紙、レーヨン混抄紙及び和紙はそ
の坪量9〜25g/m2、好ましくは12〜22g/m2のも
のであることを要する。即ち、この特定範囲の坪量が紙
質層に対する素墨もしくは水性インクによる筆写又は印
刷による画像の形状特に細線に滲み等を生じさせずに明
瞭に保持する能力を確保する為に必須であると共に、朱
肉による印形又は印刷画像等の形状特に輪郭及び細線か
らなる文字、記号等を滲み無しに明瞭に保持する能力を
確保する為に必須である。
【0024】<疎水性の重合体層(12)>本発明の積層体
を形成する疎水性の重合体層(12)は少なくとも半透明で
通常は熱可塑性の樹脂状物である。ここで「少なくとも
半透明」とはその層を介してその裏面に位置する非磁性
金属層(13)の頂面を視認できる程度に透明であることを
要するという意味である。それに加えて、この形成重合
体の役割は紙質層(11)中に適度に浸透してそれに墨又は
インク用の水性媒体及び朱肉用の油性媒体の何れをも滲
ませない性状を与えるという重要な役割をも果たす。
【0025】上記の疎水性の熱可塑性重合体は低級1-オ
レフィンの単独重合体、共重合体、2種以上の単独重合
体の組成物、2種以上の共重合体の組成物及び単独重合
体と共重合体との組成物から選ばれる1種以上のオレフ
ィン重合体(「ポリオレフィン」と略称することがあ
る)から形成される。本発明で「樹脂状物」と称する重
合体は結晶性樹脂に限らず、低結晶性重合体又は非晶性
重合体であっても樹脂加工業界で樹脂として認識され、
取扱われている重合体を包含する。
【0026】疎水性の熱可塑性重合体とはポリオレフィ
ンであって例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン及びそれらの
2種以上の組合せからなる組成物である。上記において
「ポリ」は特に指定しない限り、単独重合体に限らず、
他の1-オレフィンとの共重合体に加えてその基材である
ポリオレフィンの主要性状を温存しながら他の性状を付
与し得る量の極性モノマー等との共重合体及び基材ポリ
オレフィン幹ポリマーに極性モノマー等がグラフトされ
た改質(共)重合体をも包含する。
【0027】<非磁性金属層(13)及び(23)>本発明の積
層体(1)又は(2)を形成する「非磁性金属層(13)及び(2
3)」は本発明の積層体(1)又は(2)がカード式電話機、自
動券売機又は自動改札機等のカードスロットに挿入され
て磁気情報記録層に記録された情報を該機械内部の読み
取りヘッド及び/又は書き込みヘッドで処理される為に
必要な剛性に加えて曲がるくねった通路を通過しても変
形されずに原形に復元する為の靱性を積層体(1)又は(2)
に付与する役割と共に、紙質層(11)が該層(13)又は(23)
を介せずに磁気情報記録層(15)に積層された場合に避け
難い「反り」を防止するという重要な役割を果たす。
【0028】非磁性金属層(13)及び(23)は通常はアルミ
ニウム及びその合金、銅及びその合金並びに非磁性鉄系
合金から選ばれる厚さ6〜30μmの薄板である。ここ
で厚さ6〜30μmという要件は本発明の積層体(1)又は
(2)がカード式電話機、自動券売機又は自動改札機又等
のカードスロットに挿入されて磁気情報記録層に記録さ
れた情報を該機械内部の読み取りヘッド及び/又は書き
込みヘッドで処理可能である為に必須の要件である。
【0029】アルミニウムの合金としては、磁性の有無
は論ずるまでもないが、その厚さにおいて上記の範囲に
属する合金であれば、何れでも用い得る。銅合金として
は、真鍮(別名「砲金」)、青銅(錫との合金)及び燐
青銅等を挙げることができる。また、非磁性の鉄係合金
としては例えば、或種の耐食鋼(通称「ステンレス」)
であって18-8ニクローム(ニッケル8%・クロム18%を
含有する耐食鋼)を挙げることができる。
【0030】図2には、上記の非磁性金属層(13)の変形
態様として「その頂面が着色された」非磁性金属層(23)
を提案することができる。図2において、23cは非磁
性金属層(23)の頂面に設けられた着色層である。該層(2
3)頂面の着色には諸種の色彩を用いることができる。中
でも着色された色彩が「黄色」である非磁性金属層(23)
を用いて得られる積層体2は予期とは異なって「黄金
色」の色感を与える。この黄金色は積層体2が水等に濡
れた状態になると一層輝り映える。
【0031】<接着性層(14)>本発明の積層体を形成す
る「接着性層(14)」は生産性の見地から最も優れた方式
に用いられる接着性樹脂、エチレンと不飽和脂肪酸誘導
体との共重合体又はホットメルト接着剤で通常は構成さ
れ、該接着性樹脂として有力なものはポリオレフィン通
常的にはポリエチレン、ポリプロピレンもしくはエチレ
ン−プロピレンエラストマー又はエチレン−酢酸ビニル
共重合体から選ばれる1種以上が無水マレイン酸等の主
としてグラフトによって改質された改質重合体からなる
層等である。
【0032】ここでエチレンと不飽和脂肪酸誘導体との
共重合体とは、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、その金属塩及びメチル又はエチルエステルから選ば
れる重合性不飽和結合を含有する1種以上の極性化合物
で、ホットメルト接着性物質とは例えばエチレン−酢酸
ビニル等の共重合体である。
【0033】本発明においては、このエチレン−酢酸ビ
ニル等の共重合体は単独で用いられるよりも接着性層(1
4)の項において前出の接着性物質から選ばれる1種以
上、中でも好ましい改質重合体であるポリエチレン、ポ
リプロピレンもしくはエチレン−プロピレンエラストマ
ーが無水マレイン酸等の主としてグラフトによって改質
された改質重合体の1以上に添加された組成物の形態と
して用いられることが接着性の一層向上の見地から好ま
しい。なお、この非改質のエチレン−酢酸ビニル等の共
重合体に上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体が無水マ
レイン酸等の主としてグラフトによって改質された改質
重合体を殊更に組み合わせる意義は無い。単味の改質エ
チレン−酢酸ビニル等の共重合体を用いれば足りる。
【0034】<<不飽和酸誘導体が酢酸ビニルである場
合>>エチレン−酢酸ビニル共重合体は軟質の重合体で
あって、熱融着(ホットメルト)性を備えており、製本
等には広く用いられている。この共重合体は酢酸ビニル
単位の含有量に応じて数種のものが市販されている。常
用されているものは酢酸ビニル単位を25〜35重量%
含有している。この酢酸ビニル単位は少なくとも部分的
に加水分解(鹸化)されていても良い。
【0035】<<不飽和酸誘導体が(メタ)アクリル酸
金属塩である場合>>エチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体において、それらが金属塩である共重合体は例え
ば、「アイオノマー樹脂」として既に市販されている。
「アイオノマー樹脂」は機械的強度に著しく優れる。そ
の原因は金属イオンとカルボン酸イオンとの間に作用す
る静電的引力によるとされている。また、アルミニウム
箔に押出コートした場合には金属箔表面にアンカーコー
トも表面処理も無しで強力に接着する。該金属塩を形成
する金属とは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から
選ばれる1種以上である。該アルカリ金属は通常、ナト
リウム及び亜鉛から選ばれている。
【0036】<磁気情報記録層(15)>本発明の積層体を
構成する磁気情報記録層(15)は通常の磁気カードに用い
られているもので、通常は熱可塑性樹脂からなる基層に
磁気情報記録用の磁性層が貼付けられた構成である。こ
の熱可塑性樹脂として最も普及している樹脂は熱可塑性
ポリエステル類、その中でもポリエチレンテレフタレー
ト(PET)を主体とするものである。その理由を例示
すれば下記の通りである: ◆カードが所定の寸法び形状で量産され易い ◆カードが耐久性例えば、多数回の使用に対しても優れ
た寸法安定性及び形状安定性を備えている ◆カードが化学的安定性、生体無害性、適度の耐水性と
共に、接着可能性、印刷インク受容性(塗装性)を備え
ている。
【0037】更に、この種の磁気カードは各種の磁気情
報記録カード処理機中で行なわれる各種の処理例えば、
下記の何れの処理にも耐えることを要する: ◆自動改札機等に挿入されて記録されている磁気情報の
読み取り及び/又は必要な磁気情報の書き込み(書換)
が施される処理又は ◆自動発券機(自動券売機)等から発行される際に受け
る必要な磁気情報の書き込み処理。
【0038】即ち、これらの処理の際に加えられる曲げ
及び/又は捻り等の機械的外力に耐えると共に、磁気カ
ード面に施される通常の印刷処理の際の部分的押圧力に
よっては永久変形しない強度及び耐久力を備えることが
要求される。
【0039】<積層体の製造方法>本発明の積層体を製
造する積層方法としては、公知の各種方法を適宜用いる
ことができる。本発明の積層体を製造する場合には、下
記のものを例示できる: ◆全ての構成層をその供給源から供給しながら一斉に積
層工程を実行する方式、 ◆貼合わせられるべき2層以上の層の間に疎水性重合体
及び/又は接着性物質を流動状態で層状に塗布するか又
は固化層状態で介在させて該介在物質又は介在層を少な
くとも半融状態等の接合可能な状態に加熱して接合させ
る方式。
【0040】<積層体の製造装置>本発明の積層体を製
造する積層装置としては、公知の各種装置を適宜用いる
ことができる。本発明の積層体を製造する場合には、下
記のものを例示できる: ■押出ラミネーション装置又は共押出ラミネーション装
置 ■ドライラミネーション装置。 上記のラミネーション装置の中では押出ラミネーション
装置の方が好ましく、中でも共押出ラミネーション装置
が最も好ましい。その理由は製品に付与される風合の優
位性にある。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例及び必要な場合には比
較例を参照して説明する。しかし、本発明はそれらに限
定されるものではない。
【0042】
【実施例1】共押出積層成形において、非磁性金属層と
してアルミニウム箔(層厚9μm)の片面に低密度ポリ
エチレン(MI7.0g/10min;密度0.92g/cc)を溶融
状態でフィルム(層厚0.015mm)状に押出しながら
積層すると共に、その表面に紙質層としてレーヨン紙
(坪量15g/m2)を原反から載置しながら連続的に積
層した。
【0043】また、該アルミニウム箔の裏面に接着性層
としてポリエチレン−無水マレイン酸グラフト改質物
(MI1.8g/10min;ビカット軟化点100℃;融点1
20℃)の改質樹脂[商品名:アドマーNF500(三井石
油化学社製)]を温度250℃で押出積層し、更にその
表面に磁気情報記録層が形成されたポリエチレンテレフ
タレート樹脂製の通称ホワイトテレホンカード(層厚
0.29mm)と接着させて5層(磁性材料フィルムを別
に数えれば6層)積層体(総括層厚0.4mm)を得た。
この積層体を上記ホワイトテレホンカードの形状に合わ
せて裁断し、テレホンカード試験片を作成した。この試
験片には「反り」は殆ど観測されなかった。
【0044】この積層体(カード)は電話機のカードス
ロットに挿入可能で、それによる通話可能であった。ま
た、このカードの紙質層に濃墨でその略全域に亙る太直
線、太曲線、細直線、細曲線、点、画数の多い漢字等を
試書した処、滲みによるそれらの輪郭の乱れ等は観測さ
れなかった。また、紙質層に朱肉を用いて画数の多い字
体の印鑑を押印した処、印字の滲み、変色又は乱れの何
れも観測されなかった。
【0045】
【比較例1】上記の共押出積層において非磁性金属層を
用いない点を除いて実施例1におけると同様に積層成形
を行なって4層(磁性材料フィルムを別に数えれば5
層)積層体を成形した。しかし、得られる積層体には反
りが明らかに認められた。ホワイトテレホンカードの外
形に合わせて裁断した段階でその反りの程度を測定した
結果、積層体の対向する長手縁を結ぶ線(弦)に対する
中央部の陥入長さで約8mmであったところから、電話機
のカードスロットには挿入不可(装置内部の曲がりくね
った通路を通過し得ない恐れあり)の程度であると判断
された。
【0046】
【実施例2】実施例1におけるアルミニウム箔の頂面
(紙質層の下に位置する面)を黄色の塗料で被層した市
販の黄色アルミニウム箔を用いる外には実施例1と同様
に操作して5層(磁性材料フィルムを別に数えれば6
層)積層体を作成した。得られた積層体を紙質層側から
水で濡らして目視すると、黄金色に輝く色感が得られ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明の積層体は下記の様な種々の効果
を奏する。 (1)利用者が入手後にその頂面に特に水墨を用いて自由
に文字、符号及び/又は模様等を自身で施すことがで
き、所要費用も問題にならない (2)有名人、大家又は個人的に重要な人物等の自筆書画
及び/又は署名に加えて認証印を受けても、署名にも印
形にも変色又は滲み変形が生じない (3)読み取り機への繰り返し挿入に曝されても表面に毛
羽立ち等が生じにくい (4)水濡れ又は乾燥による反りが殆ど生じないと共に、
水切り容易である (5)頂面が「黄色」に彩色された非磁性金属層からなる
積層体は「黄金色」の色感を与え、この黄金色は積層体
が水等に濡れた状態になると一層輝り映える。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の積層体の中で通常態様のものの
模式的断面図である。
【図2】図2は本発明の積層体の中で変形態様のものの
模式的断面図である。
【符号の説明】
1 本発明の積層体の中で通常態様のものの全体 2 本発明の積層体の中で変形態様のものの全体 11 本発明の積層体を形成する紙質層 12 本発明の積層体を形成する疎水性重合体層 13 本発明の積層体を形成する非磁性金属層 14 本発明の積層体を形成する接着性層 15 本発明の積層体を形成する磁気情報記録層 23 本発明の積層体の中で変形態様のものを形成する
非磁性金属層であってその頂面に彩色が施されたもの 23c 変形態様の非磁性金属層の頂面に設けられた着
色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 33/00 B42D 15/10 541 Z 551 A G06K 19/06 // B32B 15/12 D21H 19/04 (71)出願人 392027438 株式会社ホンゴウ 東京都江東区住吉1−2−16 丸富ビル (72)発明者 上 田 利 信 東京都武蔵野市緑町3−9−11 エヌ・テ ィ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 研究開発センター内 (72)発明者 林 久 夫 東京都千代田区内神田3丁目2番9号 日 農化学販売株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙質層として坪量9〜25g/m2のレー
    ヨン紙、レーヨン混抄紙及び和紙から選ばれる紙質層(1
    1)の裏面に厚さ6〜30μmの非磁性金属層(13)もしく
    は(23)としてアルミニウム箔及びアルミニウム合金箔、
    銅箔及び銅合金箔並びに非磁性鉄系合金から選ばれる1
    以上の金属層、その裏面に磁気情報記録層(15)が積層さ
    れ、カード式電話機、自動発券機又は自動改札機等で利
    用し得る紙質層、非磁性金属層及び磁気情報記録層から
    少なくとも構成された積層体。
  2. 【請求項2】 紙質層(11)と非磁性金属層(13)との間に
    疎水性の重合体層(12)が介在し、該重合体層(12)が1-オ
    レフィンの重合体又は共重合体であって、下記の群から
    選ばれる1種以上のオレフィン重合体で構成されている
    請求項1に記載の積層体:ポリエチレン、ポリプロピレ
    ン、ポリー1ーブテン及びポリ-4-メチル-1-ペンテン並び
    にエチレン−プロピレンエラストマー、エチレン−プロ
    ピレン−非共役ジエンエラストマー、エチレン−1-ブテ
    ンエラストマー及びプロピレン−エチレンエラストマ
    ー。
  3. 【請求項3】 非磁性金属層(13)がアルミニウム箔及び
    アルミニウム合金箔から選ばれる1以上の金属層である
    請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 非磁性金属層(13)と磁気情報記録層(15)
    との間に接着性層(14)が介在し、該層(14)がポリオレフ
    ィンへのマレイン酸グラフトによる改質物、ポリオレフ
    ィンへの無水マレイン酸グラフトによる改質物、酸コポ
    リマー、ホットメルト接着性物質及び常温粘着性物質か
    ら選ばれる1種以上又はそれとエチレン酢酸ビニル共重
    合体で構成されている請求項1〜3の何れかに記載の積
    層体。
  5. 【請求項5】 酸コポリマーがエチレン−(メタ)アク
    リル酸共重合体、該酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土
    類金属塩から選ばれる1種以上並びに該酸のメチルエス
    テル及びエチルエステルから選ばれる1種以上で構成さ
    れている請求項1〜4の何れかに記載の積層体。
  6. 【請求項6】 ホットメルト接着性物質がエチレン−酢
    酸ビニル共重合体から形成されている請求項1〜5の何
    れかに記載の積層体。
  7. 【請求項7】 磁気情報記録層(15)がポリエチレンテレ
    フタレート(PET)を主体とする基材層と磁性層との複合
    体である請求項1〜6の何れかに記載の積層体。
  8. 【請求項8】 非磁性金属層(13)の表面であって紙質層
    (11)に対向する面に彩色が施された請求項1〜7の何れ
    かに記載の積層体。
  9. 【請求項9】 非磁性金属層(13)の片面に疎水性重合体
    を被層して疎水性重合体層(12)を形成させ、その表面に
    紙質層(11)を被層すると共に、非磁性金属層(13)の裏面
    に接着性物質を被層して接着性層(14)を形成させ、更に
    その表面に磁気情報記録層(15)を挟圧することからなる
    カード式電話機、自動発券機又は自動改札機等で利用し
    得る紙質層、非磁性金属層及び磁気情報記録層から少な
    くとも構成された積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 積層体を製造する工程を疎水性重合体
    層(12)及び接着性層(14)を押出ラミネーション法又は共
    押出ラミネーション法によって他層に被層する請求項9
    に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 非磁性金属層(13)表面に疎水性重合体
    で形成された疎水性重合体層(12)を被層する工程を押出
    ラミネーション法又は共押出ラミネーション法で行なう
    請求項9又は10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 非磁性金属層(13)に接着性物質で形成
    された接着性層(14)を被層する工程を押出ラミネーショ
    ン法又は共押出ラミネーション法で行なう請求項9〜1
    1に記載の製造方法。
JP6338963A 1994-12-28 1994-12-28 紙質層、非磁性金属層及び磁気情報記録層から少なくとも構成された反りの無い積層体 Pending JPH08185626A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000340187A (ja) * 1999-05-26 2000-12-08 Dainippon Printing Co Ltd ポリマー電池用包装材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000340187A (ja) * 1999-05-26 2000-12-08 Dainippon Printing Co Ltd ポリマー電池用包装材料
JP4736146B2 (ja) * 1999-05-26 2011-07-27 大日本印刷株式会社 ポリマー電池用包装材料

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