JPH08184537A - 鋼中非金属介在物試料の抽出方法 - Google Patents

鋼中非金属介在物試料の抽出方法

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JPH08184537A
JPH08184537A JP6337658A JP33765894A JPH08184537A JP H08184537 A JPH08184537 A JP H08184537A JP 6337658 A JP6337658 A JP 6337658A JP 33765894 A JP33765894 A JP 33765894A JP H08184537 A JPH08184537 A JP H08184537A
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JP
Japan
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sample
steel
inclusions
tape
inclusion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6337658A
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English (en)
Inventor
Minoru Fujiwara
藤原  稔
Toshio Kibe
寿夫 木部
Kazunori Watanabe
和則 渡辺
Yoshihiro Fujisao
佳弘 藤竿
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼中における非金属介在物の形態、組成を損
なわずに、しかも短時間で、鋼中非金属介在物の3次元
形態、組成を走査型電子顕微鏡を用いて正確に評価する
ための非金属介在物の抽出方法。 【構成】 非金属介在物を含有する鋼サンプルを電解
し、鋼マトリックスより非金属介在物を浮かせた後、該
非金属介在物試料の表面に付着する不純物を除去し、更
に該非金属介在物試料表面に蒸着膜を形成させ、その後
導電性テープを該試料表面に密着させ、該テープに試料
を転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼中非金属介在物の抽
出方法及び評価方法に関し、具体的には、介在物の3次
元形態および組成を、走査型電子顕微鏡を用いて迅速に
評価するのに適した非金属介在物抽出方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼中非金属介在物の形態や組成を
評価するための介在物抽出方法としては、介在物が表面
に出るまで鋼サンプルを研磨した後、研磨部の鋼マトリ
ックスを電解溶融して除去し、該介在物を浮上がらせる
方式であるSPEED法もしくは鋼マトリックスを電解
した後、電解残渣を抽出する電解残渣法がよく知られて
おり、そしてこの抽出した介在物を走査型電子顕微鏡に
より評価する方法がある。しかし、各々に問題点があ
り、鋼中非金属介在物の全体観を把握するにはいずれも
不十分であった。
【0003】すなわち、SPEED法では厚みをもっ
た介在物の場合には、介在物の下部が鋼マトリックス内
に埋れていることから、介在物下部が観察できない。
鋼マトリックス上に介在物が乗ったまま、電子顕微鏡で
観察するために、鋼マトリックスの「Fe」を検出する
ことから、正確な組成分析ができない等の問題点があ
る。
【0004】また、電解残渣法では、電解抽出に時間
がかかる(1時間程度)、介在物によっては電解液の
吸引中に形態が壊れ正確な観察ができない、介在物は
フィルター上に乗っているだけで固定が充分でないため
電子線を当てると介在物がチャージアップして飛んでし
まい観察ができない場合がある、微小な介在物は捕集
が困難で逸流したり、電解生成物が生成して正確な組成
分析ができない等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼中におけ
る非金属介在物の形態、組成を損なわずに、しかも短時
間で、鋼中非金属介在物の3次元形態、組成を走査型電
子顕微鏡を用いて正確に評価するための非金属介在物の
抽出方法の確立を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
することを要旨とするもので、その手段は、非金属介
在物を含有する鋼サンプルを電解し、鋼マトリックスよ
り非金属介在物を浮かせた後、該非金属介在物試料の表
面に付着する不純物を除去し、更に該非金属介在物試料
表面に蒸着膜を形成させ、その後導電性テープを該試料
表面に密着させ、該テープに試料を転写することを特徴
とする鋼中非金属介在物試料の抽出方法。
【0007】請求項1記載の非金属介在物試料表面へ
の蒸着膜の形成を、カーボンによって行うことを特徴と
する非金属介在物の抽出方法。請求項1記載の非金属
介在物試料表面への蒸着膜の形成を、金によって行うこ
とを特徴とする非金属介在物の抽出方法。請求項1記
載の非金属介在物試料表面に密着させ、試料を写し取る
テープを、カーボンを主材とする導電性両面粘着テープ
によって行うことを特徴とする非金属介在物の抽出方法
にある。
【0008】
【作用】本発明者らは、従来法における問題点を解決す
るために、鋼中非金属介在物の評価法に対して種々の試
験を実施した結果、きわめて簡便な方法にて、かつ正確
に非金属介在物の3次元形態と介在物成分組成を走査型
電子顕微鏡を用いて評価し得る方法を開発するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明者らは、種々の試験を実
施した結果、鋼サンプルを電解し、鋼マトリックスより
非金属介在物を浮かせ、導電性テープを使用して非金属
介在物を写し取り(以下転写という)、この写し取った
介在物の反テープ側を前記顕微鏡で観察することで、該
介在物を立体的に評価することに成功したものである。
【0010】非金属介在物を3次元的に観察するには、
非金属介在物を鋼マトリックスより転写可能な状態にす
る必要がある。図1にこの工程を図に示した。すなわ
ち、本発明者らは非金属介在物を含有する鋼から試料を
切り出し鏡面状態に仕上げ、その試料(図1・a)をキ
レート系の非水溶媒(アセチルアセトン:10v/v
%、テトラメチルアンモニュウムクロライド:1w/v
%、メチルアルコールを成分とする鉄鋼中介在物抽出分
解用電解液)中で鋼のみが電解される電位で定電位電解
し、介在物の3次元形態を損なうことなく浮き上がらせ
る(図1・b)。その後、試料表面に付着した不純物
(電解液や電解生成物)をアルコール洗浄し除去する
(図1・c)。
【0011】次に、図2に示す工程により作業を逐次進
める。すなわち、転写テープの剥離性向上のために試料
表面に蒸着膜を形成させる(図2・a)。この試料の表
面に導電性テープを密着させ、介在物を転写する(図2
・b)。転写したテープを走査型電子顕微鏡の試料ホル
ダーにセットする(図2・c)。しかる後、非金属介在
物の観察および組成分析を行う。
【0012】図3の(a),(b)は、上記操作後にア
ルミナ系介在物の形態を写真で示したが、図で明らかな
ようにその形態が3次元的に浮き出ているのがわかる。
このように、本発明方法を用いて非金属介在物の3次元
形態を精度よく観察するためには、観察対象物のチャー
ジアップ(チャージアップすると介在物が光って見え難
くなる)を避ける必要がある。このため、非金属介在物
を転写するテープは導電性に優れ、かつ、試料台もしく
は試料ホルダーに直接セットしてもチャージアップを起
こさない材質が要求される。そのためには、導電性粘着
テープを使用する必要があり、試料台もしくは試料ホル
ダーへのセット時の簡便性を考慮し、両面がテープにな
っている物を使用することや、組成分析時のマトリック
スの影響等を排除するため、テープの主材が軽元素(カ
ーボン)で構成されている物を使用するのが望ましい。
【0013】さらに、電解後非金属介在物の浮き上がっ
た試料の表面に、直接テープを密着させると、テープを
剥す際にテープの一部や粘着材が試料表面に残存し、完
全に剥離できない場合があるため、テープの剥離性を高
める方法として、電解後の試料表面に蒸着膜の形成を行
う。この蒸着源としてはカーボンや金等が好ましいが、
後の非金属介在物の組成分析への影響を考慮した場合蒸
着源は、カーボンを選択するのが最も望ましいことであ
る。
【0014】
【実施例】極低炭素鋼を供試鋼として、従来法であるS
PEED法、電解残渣法と本発明の方法による介在物観
察を行い。評価法としての優劣を比較した。表1にその
結果をまとめて示す。これらの比較より、全サイズにわ
たって、形態、組成を損なうことなく評価できる方法は
本発明例のみである。処理時間に関しては、同程度の電
解量を対象とした電解残渣法に比べて、はるかに迅速な
評価が可能である。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明は鋼材サ
ンプルに対して、非金属介在物の3次元形態を損なわず
に抽出、観察ができ、マトリックスの影響を受けずに非
金属介在物のみの組成分析が行え、従来より短時間で鋼
中非金属介在物を正確に抽出及び評価することが可能で
あり、その工業的な効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中非金属介在物の抽出状況を示す工程前半図
【図2】鋼中非金属介在物の抽出状況を示す工程後半図
【図3】介在物の顕微鏡組織を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤竿 佳弘 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非金属介在物を含有する鋼サンプルを電
    解し、鋼マトリックスより非金属介在物を浮かせた後、
    該非金属介在物試料の表面に付着する不純物を除去し、
    更に該非金属介在物試料表面に蒸着膜を形成させ、その
    後導電性テープを該試料表面に密着させ、該テープに試
    料を転写することを特徴とする鋼中非金属介在物試料の
    抽出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の非金属介在物試料表面へ
    の蒸着膜の形成を、カーボンによって行うことを特徴と
    する非金属介在物の抽出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の非金属介在物試料表面へ
    の蒸着膜の形成を、金によって行うことを特徴とする非
    金属介在物の抽出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の非金属介在物試料表面に
    密着させ、試料を写し取るテープを、カーボンを主材と
    する導電性両面粘着テープによって行うことを特徴とす
    る非金属介在物の抽出方法。
JP6337658A 1994-12-28 1994-12-28 鋼中非金属介在物試料の抽出方法 Withdrawn JPH08184537A (ja)

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