JPH08183760A - マクロモノマー、グラフトポリマー及びそれらの製造法 - Google Patents

マクロモノマー、グラフトポリマー及びそれらの製造法

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JPH08183760A
JPH08183760A JP32732794A JP32732794A JPH08183760A JP H08183760 A JPH08183760 A JP H08183760A JP 32732794 A JP32732794 A JP 32732794A JP 32732794 A JP32732794 A JP 32732794A JP H08183760 A JPH08183760 A JP H08183760A
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JP
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isopropylacrylamide
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poly
macromonomer
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JP32732794A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Akashi
満 明石
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規感熱応答性マクロモノマー、グラフトポ
リマー及びそれらの製造法を提供する。 【構成】 末端に脂肪族N−イソプロピルアクリルアミ
ドを繰り返し単位に持つ水溶性マクロモノマー及びその
製造法。また、末端に脂肪族N−イソプロピルアクリル
アミドを繰り返し単位に持つ疎水性幹−親水性枝型グラ
フトポリマー及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規感熱応答性水溶性マ
クロモノマーに関する。
【0002】水溶性マクロモノマーを重合して得られる
くし型ポリマーは両親媒性、ミクロ相分離構造及び温度
感受性相変遷等の特性を生かして相溶化剤、界面改質
剤、接着剤、医用材料、ドラッグデリバリーシステム
や、金属キレート剤等への応用が期待されている。
【0003】また、本発明は新規感熱応答性グラフトポ
リマーに関する。更に詳しくは、ポリN−イソプロピル
アクリルアミド化合物をグラフト鎖とするグラフトポリ
マーに関する。この種のグラフトポリマーは両親媒性、
ミクロ相分離構造及び温度感受性相変遷等の特性を生か
して相溶化剤、界面改質剤、接着剤、医用材料、ドラッ
グデリバリーシステムや、金属キレート剤等への応用が
期待されている。
【0004】
【従来の技術】近年、機能性高分子材料として各種マク
ロモノマーを重合し、くし型のグラフトポリマーを得る
方法が提案されている。
【0005】マクロモノマーを製造するに当たっては、
目的に応じて様々なモノマーの選択が可能であるが、こ
れまでに報告された数多くのマクロモノマーはそのほと
んどが有機溶媒に可溶な疎水性のものであった。
【0006】従来知られている水溶性マクロモノマーと
しては末端にビニルベンジル基やメタクリロイル基を持
つポリエチレングリコールマクロマ−(ポリマージャー
ナル第17巻、827頁、1985年)、ポリビニルピ
ロリドンマクロモノマー(ディ−・アンゲパンテ・マク
ロモレキュラー・ヘミイ 第132巻、81頁、198
5年)等があるにすぎない。また、温度感受性相変遷す
るものは知られていなかった。
【0007】さらに、グラフトポリマーを製造するに当
たっては、目的に応じて様々なモノマーの選択が可能で
あるが、これまでに報告された数多くのグラフトポリマ
ーはそのほとんどが有機溶媒に可溶な疎水性のものであ
るか、あるいは親水性幹に疎水性の枝をつけたものであ
った。
【0008】ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル
などの疎水性幹に親水性枝をもつグラフトポリマーとし
てはわずかに親水性枝としてポリエチレングリコールを
有するグラフトポリマ−(ポリマージャーナル 第17
巻、827頁、1985年)、あるいはポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミドを有するグラフトポリマー
(ディー・アンゲパンテ・マクロモレキュラー・ヘミイ
第132巻、81頁、1985年)等があるにすぎな
い。また、温度感受性相変遷するものは知られていなか
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の水溶性マクロモ
ノマーはその種類が極めて少なく、特に末端に脂肪族N
−イソプロピルアクリルアミドを繰り返し単位に持つ水
溶性マクロモノマーは全く知られていなかった。
【0010】また、従来の疎水性幹に親水性枝をもつグ
ラフトポリマーはその種類が極めて少なく、特に末端に
脂肪族N−イソプロピルアクリルアミドを繰り返し単位
に持つ疎水性幹−親水性枝型グラフトポリマーは全く知
られていなかった。また温度感受性相変遷するものはな
かった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記実状に
鑑み、新規水溶性マクロモノマーを開発すべく鋭意検討
を重ねた結果、簡便な合成経路でかつ従来の水溶性マク
ロモノマーにはない多くの機能を有する新規水溶性マク
ロモノマーを見いだした。
【0012】さらに、新規水溶性マクロモノマーを用
い、疎水性幹に親水性枝を持つ新規グラフトポリマーを
開発すべく鋭意検討を重ねた結果、簡便な合成経路でか
つ従来のグラフトポリマーにはない機能を有する、ポリ
N−イソプロピルアクリルアミドを親水性枝とする新規
グラフトポリマーを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】すなわち本発明は、下記の式(1)で表さ
れるN−イソプロピルアクリルアミドを繰り返し単位に
もつ水溶性マクロモノマーに関する。
【0014】
【化12】
【0015】(式中、Q1は水素原子またはメチル基で
あり、Q2
【0016】
【化13】
【0017】または式(2)
【0018】
【化14】
【0019】であり、ここでRは炭素数1〜10のアル
キレン基であり、Q3は酸素原子または −NH− で
あり、Q4は炭素数1〜10のアルキレン基であり、Q5
は酸素原子または硫黄原子であり、Yは酸素原子または
2個の水素原子であり、nは1≦n≦50の整数を表わ
す。)
【0020】また、下記の式(3)で表されるN−イソ
プロピルアクリルアミドを繰り返し単位にもつ水溶性マ
クロモノマーに関する。
【0021】
【化15】
【0022】(式中、Q3、Q4、Q5、Y及びnの定義
は前記と同じ。) さらに、下記の式(4)で表されるN−イソプロピルア
クリルアミドを繰り返し単位にもつ水溶性マクロモノマ
ーに関する。
【0023】
【化16】 (式中、nの定義は前記と同じ。)
【0024】また、アミノ基、水酸基またはカルボキシ
ル基を分子内に有する連鎖移動剤の存在下N−イソプロ
ピルアクリルアミドをラジカル重合させて得られる末端
にアミノ基、水酸基またはカルボキシル基の入ったポリ
N−イソプロピルアクリルアミドと、ハロメチルスチレ
ンまたはメタクリル酸アルキルエステルジオキシドとを
反応させることを特徴とするN−イソプロピルアクリル
アミドを繰り返し単位にもつ請求項1、2または3に記
載の水溶性マクロモノマーの製造法に関する。
【0025】さらに、下記の式(5)及び(6)で表さ
れる構造単位からなり、構造単位(5):(6)のモル
比が1:999〜1000:0の範囲であるポリN−イ
ソプロピルアクリルアミドをグラフト鎖とするグラフト
ポリマーに関する。
【0026】
【化17】
【0027】(式中、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Y及
びnの定義は前記と同じ。)
【0028】
【化18】
【0029】(式中、Q6は水素原子、メチル基または
シアノ基であり、Q7は水素原子、
【0030】
【化19】
【0031】であり、ここでAは水素原子または −C
2X(Xはハロゲン原子を表わす。)であり、Bは炭
素数1〜10のアルキル基を表わす。) また、下記の式(7)及び(8)で表される構造単位か
らなり、構造単位(7):(8)のモル比が1:999
〜1000:0の範囲であるポリN−イソプロピルアク
リルアミドをグラフト鎖とするグラフトポリマーに関す
る。
【0032】
【化20】
【0033】(式中、Q3、Q4、Q5、Y及びnの定義
は前記と同じ。)
【0034】
【化21】
【0035】(式中、Aの定義は前記と同じ。) さらに、下記の式(9)及び前記式(8)で表される構
造単位からなり、構造単位(9):(8)のモル比が
1:999〜1000:0の範囲であるポリN−イソプ
ロピルアクリルアミドをグラフト鎖とするグラフトポリ
マーに関する。
【0036】
【化22】
【0037】(式中、nの定義は前記と同じ。) また、アミノ基、水酸基またはカルボキシル基を分子内
に有する連鎖移動剤の存在下N−イソプロピルアクリル
アミドをラジカル重合させて得られる末端にアミノ基、
水酸基またはカルボキシル基の入ったポリN−イソプロ
ピルアクリルアミドと、ハロメチルスチレンまたはメタ
クリル酸アルキルエステルジオキシドと2を反応させ、
さらにこうして得られたN−イソプロピルアクリルアミ
ドを繰り返し単位にもつ水溶性マクロモノマーを単独重
合ないしはスチレン、ハロメチルスチレン、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、シアノアクリル酸エ
ステル、ビニルアルコールエステルあるいはアクリロニ
トリルと共重合することを特徴とするポリN−イソプロ
ピルアクリルアミドをグラフト鎖とする請求項5、6ま
たは7に記載のグラフトポリマーの製造法に関する。
【0038】さらに、アミノ基、水酸基またはカルボキ
シル基を分子内に有する連鎖移動剤の存在下N−イソプ
ロピルアクリルアミドをラジカル重合させて得られる末
端にアミノ基、水酸基またはカルボキシル基の入ったポ
リN−イソプロピルアクリルアミドを、スチレン、ハロ
メチルスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、シアノアクリル酸エステル、ビニルアルコール
エステルあるいはアクリロニトリルの単独重合体あるい
は共重合体と反応させることを特徴とするポリN−イソ
プロピルアクリルアミドをグラフト鎖とする請求項5、
6または7に記載のグラフトポリマーの製造法に関す
る。
【0039】本発明の式(1)、(2)、(3)及び
(4)で表されるマクロモノマー中と、式(5)で表さ
れるグラフトポリマーの構造単位中の、R及びQ4は炭
素数1〜10のアルキレン基であり、好ましくは炭素数
1〜5のアルキレン基である。また、本発明の式(5)
で表されるグラフトポリマーの構造単位中の、Aは水素
原子または −CH2X(Xはハロゲン原子を表す。)
であり、好ましくは水素原子、 −CH2Cl、 −C
2Br または −CH2I である。さらに、同構造
単位中のBは炭素数1〜10のアルキル基を表し、好ま
しくは炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに好まし
くは、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロ
ピル基である。
【0040】本発明の、Nーイソプロピルアクリルアミ
ドを繰り返し単位に持つマクロモノマーは、N−イソプ
ロピルアクリルアミドを連鎖移動剤の存在下ラジカル重
合させ、末端にアミノ基、水酸基またはカルボキシル基
を持つポリN−イソプロピルアクリルアミドを合成した
後、ビニルベンジルハライド、メタクリル酸アルキルエ
ステルジオキシド等と反応させることにより容易に製造
できる。
【0041】また、連鎖移動剤としてはメルカプトアル
キルアミン類、メルカプトアルカノール類、ω−メルカ
プトカルボン酸類、アルキレングリコール類等が使用で
きるが、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプト
エタノール、β−メルカプトプロピオン酸が特に好まし
い。更に、末端のビニル基を与える化合物としてはクロ
ロメチルスチレンやメタアクリル酸プロピレンジオキシ
ドが好ましい。
【0042】N−イソプロピルアクリルアミドの重合
は、例えば連鎖移動剤、ラジカル重合開始剤の存在下に
行なうことができる。その際、溶媒は存在してもしなく
てもよいが、反応の制御、操作面から、溶媒が存在した
方が好ましい。溶媒としては、水、アルコール類、ジメ
チルホルムアミド(以下DMFと略す)、ベンゼン等が
使用可能であるが、溶媒の種類に特に限定はない。
【0043】N−イソプロピルアクリルアミドの重合度
nは、1≦n≦50の範囲である。重合度nは5≦n≦
30が好ましく、更に10≦n≦20が好ましい。ま
た、末端にアミノ基、水酸基あるいはカルボキシル基の
入ったポリN−イソプロピルアクリルアミドとビニルモ
ノマーの反応は、一般の酸アミド反応、エーテル化反応
あるいはエステル化反応などにより容易に達成しうる。
例えば、末端に水酸基を有するポリN−イソプロピルア
クリルアミドとクロロメチルスチレンとの反応は、例え
ばDMF等の溶媒中、50%水酸化カリウム水溶液及び
必要であれば相間移動触媒の存在下0〜100℃の反応
温度で行なわれる。
【0044】本発明のマクロモノマーは単独重合、及び
ラジカル重合可能なビニル化合物と共重合することがで
きる。共重合し得るビニル化合物としては、スチレン、
ハロメチルスチレン、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、イソブチルシアノアクリレート、アクリロ
ニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられ
る。更に、好ましくはスチレン、ハロメチルスチレン、
メチルアクリレート及びメチルメタクリレートが挙げら
れる。
【0045】このようにして得られたN−イソプロピル
アクリルアミドを繰り返し単位に持つ新規水溶性マクロ
モノマーは、従来の水溶性マクロモノマーの持たない多
くの機能を有している。例えば、適当なビニルモノマー
と共重合を行なうことにより親水性枝をもつグラフトポ
リマーへと変換され、粒径や物性の制御された水分散性
ミクロスフェアーを合成することができる。
【0046】さらに、得られたマクロモノマーは、温度
感受性相変換という性質を持ち、ドラッグデリバリーシ
ステムへの応用などが可能である。
【0047】グラフトポリマーを製造する方法として
は、例えばN−イソプロピルアクリルアミドを連鎖移動
剤の存在下、重合を行ない、更に末端をビニルベンジル
基、メタクリロイル基等に変換した後、単独重合あるい
はスチレン等の疎水性モノマーと共重合する方法、ある
いはN−イソプロピルアクリルアミドを連鎖移動剤の存
在下重合を行ない、それをハロメチル基等の官能基を有
するポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリ
ビニル化合物の幹に高分子反応によって結合させる方法
等が挙げられる。
【0048】つまり、上述の新規水溶性マクロモノマー
は単独重合、あるいはラジカル重合可能なビニル化合物
と共重合することによって疎水性幹に親水性枝を持つグ
ラフトポリマーへと変換される。あるいは、先に述べた
ように、末端にアミノ基、水酸基ないしはカルボキシル
基を有するポリN−イソプロピルアクリルアミドとハロ
メチル基を有するポリビニル化合物との高分子反応によ
っても所望のグラフトポリマーを製造することが可能で
ある。重合度を変えることにより、水、アルコール、ク
ロロホルム及びDMSOなどに可溶な両親媒性を有する
ものを作ることができる。
【0049】得られた、グラフトポリマーも、温度感受
性相変遷という性質を持ち、ドラッグデリバリーシステ
ムへの応用などが可能である。
【0050】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、これらの実施例に限定されるものではない。
【0051】実施例1 (N−イソプロピルアクリルアミドの重合)N−イソプ
ロピルアクリルアミド(興人株式会社製)20g、2.
2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略
す)0.6g及び2−メルカプトエタノール0.35g
をエタノール80mlに溶かし、窒素気流下、60℃、
7時間で重合を行なった。重合後、反応液中に含まれる
溶媒をエバポレーターにより除去した。さらに、プレポ
リマーを蒸留水に再溶解させ、加熱し、60℃以上で遠
心分離して精製した後、凍結乾燥した。ポリマーの収率
は86%であった。ポリマーの数平均分子量をGPCに
より求めると、2500であった。
【0052】(マクロモノマーの合成)上の反応で得ら
れたポリN−イソプロピルアクリルアミド8gをDMF
50mlに溶かし、50%水酸化カリウム2gを加え、
30℃で30分間攪拌した。次に、臭化テトラブチルリ
ン酸270mgを加えた後、クロロメチルスチレン3.
4gを加えて、30℃で72時間反応させた。反応液の
沈殿物をろ過により除去した後、反応液を透析し、凍結
乾燥した。マクロモノマーの収率は79%であった。マ
クロモノマーの数平均分子量をGPCにより求めると、
3400であった。このマクロモノマーは水とエタノー
ルに可溶であった。
【0053】こうした得られたN−イソプロピルアクリ
ルアミドマクロモノマーのDMSO−D6 中におけるプ
ロトンNMRのチャートを図1に示す。
【0054】δ=5.3〜6.0ppm及び6.6〜
7.0ppmにスチレン基のビニルプロトン、7.5p
pm付近にベンゼン核のプロトンのピークがみられた。
【0055】(グラフトポリマーの合成)数平均分子量
1600のマクロモノマー160mg、スチレン520
mg及びAIBN8.4mgをエタノール5mlに溶か
し、60℃で24時間反応させた。重合終了後、未反応
物と溶媒は透析により除去した。このポリマーはクロロ
ホルム、DMSOに可溶であった。収率は91%であっ
た。
【0056】こうして得られたグラフトポリマーのDM
SO−D6中におけるプロトンNMRのチャートを図2
に示す。
【0057】マクロモノマーにおいてみられたδ=5.
3〜6.0ppm及び6.6〜7.0ppmのスチレン
基のビニルプロトンが消失し、代わりに1.8〜2.6
ppmにスチレンのメチレン基のプロトンのピーク及び
7.5ppm付近にベンゼン核のプロトンのピークがみ
られた。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、これまで全く知られて
いなかった、N−イソプロピルアクリ1ルアミドを繰り
返し単位に持つ水溶性のマクロモノマーを簡便に製造す
ることが可能である。
【0059】こうして得られたマクロモノマーは、構造
の特定されたグラフトポリマーへ容易に変換することが
可能であり、疎水性ポリマーの改質、水分散性塗料への
応用、生医学材料への応用、金属キレート剤及びドラッ
グデリバリーシステムなどへの応用が期待される。
【0060】また、N−イソプロピルアクリルアミドを
繰り返し単位に持つ水溶性のマクロモノマー、それから
誘導される疎水性幹−親水性枝型グラフトポリマーは、
温度感受性相変遷の特性も合わせ持ち、ドラッグデリバ
リーシステムへの応用をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はN−イソプロピルアクリルアミドマクロ
モノマーのプロトンNMRのチャートを示す。
【図2】図2は、ポリスチレンを疎水性幹、ポリN−イ
ソプロピルアクリルアミドを親水性枝とするグラフトポ
リマーのプロトンNMRのチャートを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 212/14 MJY 299/00 MRN

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)で表されるN−イソプロ
    ピルアクリルアミドを繰り返し単位にもつ水溶性マクロ
    モノマー。 【化1】 (式中、Q1は水素原子またはメチル基であり、 Q2は 【化2】 または式(2) 【化3】 であり、ここでRは炭素数1〜10のアルキレン基であ
    り、 Q3は酸素原子または −NH− であり、 Q4は炭素数1〜10のアルキレン基であり、 Q5は酸素原子または硫黄原子であり、 Yは酸素原子または2個の水素原子であり、 nは1≦n≦50の整数を表わす。)
  2. 【請求項2】 下記の式(3)で表されるN−イソプロ
    ピルアクリルアミドを繰り返し単位にもつ水溶性マクロ
    モノマー。 【化4】 (式中、Q3、Q4、Q5、Y及びnの定義は前記と同
    じ。)
  3. 【請求項3】 下記の式(4)で表されるN−イソプロ
    ピルアクリルアミドを繰り返し単位にもつ水溶性マクロ
    モノマー。 【化5】 (式中、nの定義は前記と同じ。)
  4. 【請求項4】 アミノ基、水酸基またはカルボキシル基
    を分子内に有する連鎖移動剤の存在下N−イソプロピル
    アクリルアミドをラジカル重合させて得られる末端にア
    ミノ基、水酸基またはカルボキシル基の入ったポリN−
    イソプロピルアクリルアミドと、ハロメチルスチレンま
    たはメタクリル酸アルキルエステルジオキシドとを反応
    させることを特徴とするN−イソプロピルアクリルアミ
    ドを繰り返し単位にもつ請求項1、2または3に記載の
    水溶性マクロモノマーの製造法。
  5. 【請求項5】 下記の式(5)及び(6)で表される構
    造単位からなり、構造単位(5):(6)のモル比が
    1:999〜1000:0の範囲であるポリN−イソプ
    ロピルアクリルアミドをグラフト鎖とするグラフトポリ
    マー。 【化6】 (式中、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Y及びnの定義は
    前記と同じ。) 【化7】 (式中、Q6は水素原子、メチル基またはシアノ基であ
    り、 Q7は水素原子、 【化8】 であり、ここでAは水素原子または −CH2X(Xは
    ハロゲン原子を表わす。)であり、Bは炭素数1〜10
    のアルキル基を表わす。)
  6. 【請求項6】 下記の式(7)及び(8)で表される構
    造単位からなり、構造単位(7):(8)のモル比が
    1:999〜1000:0の範囲であるポリN−イソプ
    ロピルアクリルアミドをグラフト鎖とするグラフトポリ
    マー。 【化9】 (式中、Q3、Q4、Q5、Y及びnの定義は前記と同
    じ。) 【化10】 (式中、Aの定義は前記と同じ。)
  7. 【請求項7】 下記の式(9)及び前記式(8)で表さ
    れる構造単位からなり、構造単位(9):(8)のモル
    比が1:999〜1000:0の範囲であるポリN−イ
    ソプロピルアクリルアミドをグラフト鎖とするグラフト
    ポリマー。 【化11】 (式中、nの定義は前記と同じ。)
  8. 【請求項8】 アミノ基、水酸基またはカルボキシル基
    を分子内に有する連鎖移動剤の存在下N−イソプロピル
    アクリルアミドをラジカル重合させて得られる末端にア
    ミノ基、水酸基またはカルボキシル基の入ったポリN−
    イソプロピルアクリルアミドと、ハロメチルスチレンま
    たはメタクリル酸アルキルエステルジオキシドとを反応
    させ、さらにこうして得られたN−イソプロピルアクリ
    ルアミドを繰り返し単位にもつ水溶性マクロモノマーを
    単独重合ないしはスチレン、ハロメチルスチレン、アク
    リル酸エステル、メタクリル酸エステル、シアノアクリ
    ル酸エステル、ビニルアルコールエステルあるいはアク
    リロニトリルと共重合することを特徴とするポリN−イ
    ソプロピルアクリルアミドをグラフト鎖とする請求項
    5、6または7に記載のグラフトポリマーの製造法。
  9. 【請求項9】 アミノ基、水酸基またはカルボキシル基
    を分子内に有する連鎖移動剤の存在下N−イソプロピル
    アクリルアミドをラジカル重合させて得られる末端にア
    ミノ基、水酸基またはカルボキシル基の入ったポリN−
    イソプロピルアクリルアミドを、スチレン、ハロメチル
    スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
    ル、シアノアクリル酸エステル、ビニルアルコールエス
    テルあるいはアクリロニトリルの単独重合体あるいは共
    重合体と反応させることを特徴とするポリN−イソプロ
    ピルアクリルアミドをグラフト鎖とする請求項5、6ま
    たは7に記載のグラフトポリマーの製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006523726A (ja) * 2003-01-30 2006-10-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー アミド官能性ポリマー、組成物および方法
JP2007146149A (ja) * 2005-11-02 2007-06-14 Fujifilm Corp 蛍光性重合体微粒子、蛍光性重合体微粒子の製造方法、蛍光検出キット及び蛍光検出方法
JP2012241188A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Senka Kk 温度応答性高分子微粒子及びその分散体の製造方法

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