JPH08183471A - 車両用実舵角制御装置 - Google Patents

車両用実舵角制御装置

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JPH08183471A
JPH08183471A JP32845894A JP32845894A JPH08183471A JP H08183471 A JPH08183471 A JP H08183471A JP 32845894 A JP32845894 A JP 32845894A JP 32845894 A JP32845894 A JP 32845894A JP H08183471 A JPH08183471 A JP H08183471A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操舵特性の変化による過剰な補助舵角の増大
を抑制する。 【構成】 操舵角θと車速Vとから車両の運動状態量の
目標値dψMを演算する手段101と、車両に発生して
いる運動状態量dψを検出する手段100と、検出した
運動状態量dψと運動状態量目標値dψMの偏差dψe
変化にのみ応じた補償を行う補償器102を備えて、補
償を施された偏差dψCに基づいて修正運動状態量を演
算する手段103と、修正運動状態量に基づいて舵角修
正量を演算する手段104と、操舵角と車速とから所定
の車輪に付与する補助舵角の主舵角操作量δREFを演算
する手段105と、この主舵角操作量δREFに舵角修正
量を加算して目標舵角量δRSを演算する手段106と、
目標舵角量に一致するよう所定の車輪に補助舵角を付与
する舵角調整手段107とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の実舵角を調整す
ることで車両の運動特性を制御する車両用実舵角制御装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からフィードフォワード制御とヨー
レートフィードバック制御によって後輪又は前輪の少な
くとも一方に、補助舵角を与えることで車両の実舵角を
制御するものが提案されており、例えば、本願出願人は
特願平5−332702号として車両用補助舵角制御装
置を提案した。
【0003】これは車両に発生するヨーレートと、演算
されたヨーレートの目標値との偏差に基づいて補助舵角
フィードバック操作量を演算するとともに、このフィー
ドバック操作量を演算する補償手段に1次/1次のフィ
ルタ構成による位相進み補償器を設け、車速の増大に応
じて位相進み補償ゲインを低減させることで、高周波を
含めた外乱に対して車両の安定性を確保するものであ
り、車両の動特性を所定の特性に設定して外乱に対する
収束性を向上させるものである。
【0004】このような車両用舵角制御装置としては、
このほか、本願出願人が提案した特開昭62−2479
79号公報等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の操舵
特性は装着するタイヤの種類によっても変化する場合が
あり、特に、雪道に備えてスタッドレスタイヤに交換し
た場合などでは、車両の操舵特性が当初に比較して大き
く変化する場合がある。
【0006】しかしながら、このような上記従来の車両
用実舵角制御装置にあっては、車両の操舵特性が変化し
た場合、過渡的な車両の動特性のみならず、定常的な動
特性までもが車両の操舵特性に呼応するよう補助舵角が
与えられ、例えば、上記のようにスタッドレスタイヤを
装着した場合に操舵特性はヨーレートゲインが低下して
アンダーステア側に変化するため、図12のような矩形
波の操舵入力を前輪に与えてレーンチェンジのシミュレ
ーションを行うと、図13〜図15に示すように、前輪
の操舵に対して後輪は定常的に逆相側に操舵されてしま
い、操舵が終了したにもかかわらず車両が回頭するよう
な違和感を運転者へ与えてしまうという問題点があっ
た。
【0007】そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされ
たもので、外乱に対する抑制を行いながらも、操舵特性
の変化に拘わらず所定の動特性を確保可能な車両用実舵
角制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図16に
おいて、車両の操舵角度θを検出する操舵角検出手段8
と、前記車両の速度Vを検出する速度検出手段9と、少
なくとも前記操舵角θと車速Vとから車両の運動状態量
の目標値dψMを演算する運動状態量目標値演算手段1
01と、実際に車両に発生している運動状態量dψを検
出する実運動状態量検出手段100と、検出された運動
状態量dψと前記運動状態量目標値dψ Mの偏差dψe
変化にのみ応じた補償を行う補償器102を備えて、補
償を施された前記偏差dψCに基づいて修正運動状態量
を演算する制御演算手段103と、前記修正運動状態量
に基づいて舵角修正量を演算する舵角修正量決定手段1
04と、前記舵角修正量に一致するよう所定の車輪に補
助舵角を付与する舵角調整手段107とを備える。
【0009】また、第2の発明は、図17に示すよう
に、車両の操舵角度θを検出する操舵角検出手段8と、
前記車両の速度Vを検出する速度検出手段8と、少なく
とも前記操舵角θと車速Vとから車両の運動状態量の目
標値dψMを演算する運動状態量目標値演算手段101
と、実際に車両に発生している運動状態量dψを検出す
る実運動状態量検出手段100と、前記検出された運動
状態量dψと前記運動状態量目標値dψMの偏差dψe
変化にのみ応じた補償を行う補償器102を備えて、前
記補償を施された前記dψCに基づいて修正運動状態量
を演算する制御演算手段103と、前記修正運動状態量
に基づいて舵角修正量を演算する舵角修正量決定手段1
04と、少なくとも前記操舵角と車速とから所定の車輪
に付与する補助舵角の主舵角操作量δREFを演算する主
舵角操作量決定手段105と、この主舵角操作量δREF
に前記舵角修正量を加算して目標舵角量δRSを演算する
目標舵角演算手段106と、前記目標舵角量に一致する
よう所定の車輪に補助舵角を付与する舵角調整手段10
7とを備える。
【0010】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、図18に示すように、運動状態量目標値演算手段
101が、操舵角θと車速Vに加えて主舵角操作量δ
REFに基づいて車両の運動状態量の目標値dψMを演算す
る。
【0011】また、第4の発明は、前記第1ないし第3
の発明のいずれかひとつにおいて、前記補償器が、第1
のフィルタ定数をT1、第2のフィルタ定数をT2、微分
演算子をsとしたとき、この補償器を構成するフィルタ
の伝達関数Gc(s)を次式のように設定し、 Gc(s)={T1s/(T2s+1)}×dψ この伝達関数Gc(s)に基づいて前記偏差dψを補
償をする。
【0012】また、第5の発明は、前記第4の発明にお
いて、前記補償器におけるフィルタ定数は車速に応じて
設定される。
【0013】
【作用】したがって、第1の発明は、補償器は、検出さ
れた車速と操舵角に基づいて演算された車両の運動状態
量の目標値と車両に発生した実際の運動状態量との偏差
に定常項を含まない所定のフィルタ定数のみによって補
償を行い、この補償で得られた修正運動状態量から舵角
修正量を演算して、舵角調整手段はこの舵角修正量と一
致するように所定の車輪へ補助舵角を付与し、定常項を
含まないフィルタ定数のみによって偏差の変化にのみ応
じた補償が行われるため、車両のヨーレートゲインが低
下した場合に、補助舵角が定常的に逆相側へ操舵される
のを抑制することができる。
【0014】また、第2の発明は、補償器は、検出され
た車速と操舵角に基づいて演算された車両の運動状態量
の目標値と車両に発生した実際の運動状態量との偏差に
定常項を含まない所定のフィルタ定数のみによって補償
を行い、この補償で得られた修正運動状態量から舵角修
正量を演算する一方、目標舵角演算手段は、少なくとも
操舵角と車速とから主舵角操作量決定手段で演算された
主舵角操作量にこの舵角修正量を加算して目標舵角量を
演算し、舵角調整手段はこの目標舵角量と一致するよう
に所定の車輪へ補助舵角を付与し、定常項を含まないフ
ィルタ定数のみによって偏差の変化にのみ応じた補償が
行われるため、車両のヨーレートゲインが低下した場合
に、補助舵角が定常的に逆相側へ操舵されるのを抑制す
ることができる。
【0015】また、第3の発明は、前記運動状態量目標
値演算手段は、操舵角と車速に加えて主舵角操作量決定
手段で演算された主舵角操作量に基づいて運動状態量目
標値を演算し、主舵角操作量を加味した舵角修正量を得
ることができる。
【0016】また、第4の発明は、前記補償器において
偏差の変化にのみ応じた補償を行う所定のフィルタ定数
が、第1の定数T1と第2の定数T2とから構成され、フ
ィルタの伝達関数Gc(s)は、 Gc(s)=T1s/(T2s+1) に設定されて、分子に定常的な車両の運動量に対応した
項を含まないため、すなわち、検出された運動状態量と
運動状態量目標値の偏差の変化にのみ対応するフィルタ
としたため、車両の操舵特性がアンダーステア側へ変化
した場合にも、定常的に補助舵角の操舵量が逆相側へ増
大されるのを抑制できる。
【0017】また、第5の発明は、前記補償器における
フィルタ定数T1、T2は車速に応じて設定されるため、
車両の動特性を車速の変化に応じた特性に設定すること
ができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0019】図1〜図2は、本発明を四輪操舵装置に適
用した場合の一例を示し、図1において前輪1、2は、
運転者のステアリング操作によって作動する機械リンク
式のステアリング装置3にぞれぞれ操舵される。
【0020】後輪4、5は補助舵角を付与する舵角アク
チュエータ6によってそれぞれ操舵される。
【0021】ここで、舵角アクチュエータ6はマイクロ
プロセッサ等を主にして構成されたコントローラ7に駆
動される。
【0022】このコントローラ7には、操舵角を検出す
る手段としての操舵角センサ8が検出した操舵角θと、
車速検出手段としての車速センサ9が検出した車速V
と、車両の実運動状態量を検出する手段としてのヨーレ
ートセンサ10が検出したヨーレートdψと、後輪舵角
センサ11が検出した実後輪舵角δRがそれぞれ入力さ
れ、これら各検出値に基づいて後輪舵角目標値δRSを算
出し、実後輪舵角δRがこの後輪舵角目標値δRSに一致
するよう舵角アクチュエータ6を駆動するのである。
【0023】図2はコントローラ7において行われる処
理をブロック化したもので、後輪舵角演算部21は、操
舵角センサ8からの操舵角θと車速センサ9からの車速
Vから主後輪舵角δREFを演算する。
【0024】一方、目標運動状態量演算部22は、操舵
角θ、車速V及び後輪舵角演算部21からの主後輪舵角
δREFに基づいて運動状態量目標値としての目標ヨーレ
ートdψMを演算する。
【0025】制御演算部23は、ヨーレートセンサ10
が検出した発生ヨーレートdψと目標運動状態量演算部
22で得た目標ヨーレートdψMの偏差dψeを演算する
とともに、この偏差dψeに内部に備えた補償器によっ
て後述するようなフィルタ処理を施して補償した後、補
償ヨーレートdψcを演算する。
【0026】後輪舵角修正量決定部24は、制御演算部
23からの補償ヨーレートdψcに基づいて後輪舵角修
正量δRFBを演算して、目標後輪舵角決定部25へ送出
する。
【0027】目標後輪舵角決定部25では、主後輪舵角
δREFに後輪舵角修正量δRFBを加算することで後輪舵角
目標値δRSを演算する。
【0028】後輪舵角調整部26は実後輪舵角δRが後
輪舵角目標値δRSに一致するよう舵角アクチュエータ6
を駆動し、不整路などの悪路や横風等が車両に与える外
乱の影響を抑制するのである。
【0029】このように構成されたコントローラ7にお
いて行われる制御の一例を図3のフローチャートに示
し、以下、このフローチャートを参照しながら詳述す
る。
【0030】[後輪舵角制御動作]ステップS1では所
定の制御起動時間を経過したかを判定し、所定時間を経
過していれば、ステップS2で操舵角センサ8からの操
舵角θ、車速センサ9からの車速V、ヨーレートセンサ
10からの発生ヨーレートdψ、及び後輪舵角センサ1
1からの後輪舵角δRをそれぞれ読み込む。
【0031】ステップS3では、検出された操舵角θと
車速Vに基づいて主後輪舵角δREFを算出する。主後輪
舵角δREFの算出は、前記従来例に示した特開昭62−
247979号公報と同様にして、位相反転ディレイ制
御などによるフィードフォワードの目標値として算出さ
れる。
【0032】ステップS4では操舵角θ、車速V及び主
後輪舵角δREFとから目標ヨーレートdψMが演算され
る。
【0033】この目標ヨーレートdψMは、例えば次式
で求められるものである。
【0034】 dψM=V×θ/{N×L×(1+A02)} ただし、 L=LF+LR0=M(LRR−LFF)/(2L2FR) なお、L:ホイールベース LF:車両重心〜前車軸間距離 LR:車両重心〜後車軸間距離 KF:前輪コーナリングパワー KR:後輪コーナリングパワー M:車両重量 N:ステアリングギア比 である。
【0035】一方、ステップS5では、検出された発生
ヨーレートdψと目標ヨーレートdψMの偏差dψeを次
式により算出する。
【0036】 dψe = dψ−dψM …(1) 次に、ステップS6において、ヨーレートの偏差dψe
に次式のようなフィルタ補償を施すことにより補償ヨー
レートdψCの演算を行う。
【0037】
【数1】
【0038】ただし、sは微分演算子である。
【0039】ここで、フィルタ定数T1、T2は、図5に
示すように、車速Vの関数あるいはマップとして与えら
れるもので、それぞれ車速Vに応じた時定数が設定され
るのである。
【0040】次に、ステップS7では、ステップS6で
演算された補償ヨーレートdψCより後輪舵角修正量δ
RFBが演算され、ステップS8では、こうして得られた
後輪舵角修正量δRFBと主後輪舵角REFとから次式により
後輪舵角目標値δRSが演算される。
【0041】δRS = δRFB + δREF この後輪舵角目標値δRSに後輪舵角センサ11の実後輪
舵角δRが一致するよう、後輪舵角調整部26は舵角ア
クチュエータ6を駆動するのである。
【0042】[制御演算部のヨーレートフィードバック
補償]制御演算部23で行われるヨーレートフィードバ
ックの補償部を示すブロック図を図4に示し、23Aは
車両モデル、23Bは比例ゲインKp、23Cは補償器
を示す。
【0043】ここで、車両の運動状態方程式は、2自由
度、平面2輪モデルを用いた場合、次のように表すこと
ができる。
【0044】dx=Ax+Bu すなわち、
【0045】
【数2】
【0046】
【数3】
【0047】ここで、 A1=−a11−a220=a1122−a12221=b120=a1222−a221211=−2(LF 2eKF+LR 2R)/IZV a12=−2(LFeKF−LRR)/IZV a21=−2(LFeKF−LRR)/MV−V a22=−2(eKF+KR)/MV b11=2LFeKF/IZN b12=−2LRR/IZ21=2eKF/MV b22=2KR/M ただし、Vy:横速度 LF:車両重心〜前車軸間距離 LR:車両重心〜後車軸間距離 KF:前輪コーナリングパワー KR:後輪コーナリングパワー M:車両重量 IZ:ヨー慣性モーメント N:ステアリングギア比 上記(2)式より、後輪舵角δRを入力、ヨーレートを
出力とした場合の後輪舵角〜ヨーレートの伝達関数GP
(s)は次式で表現される。
【0048】
【数4】
【0049】さらに、ヨーレートフィードバック部分の
みを取り出して考えると、伝達関数GT(s)は次のよ
うになる。
【0050】
【数5】
【0051】ただし、
【0052】
【数6】
【0053】これら上記(5)〜(8)式から、比例ゲ
インKp、フィルタ定数T1、T2を任意に設定すること
により車両の動特性を所定の値に設定することができ、
上記(2)式に示したように、目標ヨーレートdψM
発生ヨーレートdψの偏差dψeに応じて、上記(2)
式に示したように、T1s/(T2s+1)により分子に
定常的な車両の運動量に対応した項をもたない補償を施
すことにより、操舵特性が変化した場合にも所定の動特
性を確保するとともに、外乱に対して車両の挙動を安定
させることが可能となりるのである。
【0054】以上に示した演算に基づいて、次のような
値を各定数に代入すると、 LF:車両重心〜前車軸間距離 =1.167(m) LR:車両重心〜後車軸間距離 =1.553(m) eKF:等価前輪コーナリングパワー =79611.
2(N/rad) KR:後輪コーナリングパワー =93100(N/r
ad) M:車両重量 =1702(kg) IZ:ヨー慣性モーメント =2598.225(kg
2) N:ステアリングギア比 =17.2 V:車速 =120(km/h 比例ゲインKp=0.01176となり、このときのフ
ィルタ定数T1、T2は、それぞれ次のようになる。
【0055】T1=0.231 T2=0.171 これに対して、前記従来例に上記と同様の値を代入した
場合のフィルタ定数T1、T2は、 T1=0.443 T2=0.164 となる。
【0056】ここで、本実施例と前記従来例との差を明
確にすべく前輪1、2へ正弦波状の外乱を入力してヨー
レートの応答特性のシミュレーションを行った結果、周
波数とゲイン及び周波数と位相の関係はそれぞれ図6、
図7に示すとうりとなった。
【0057】これら図6、図7より、本実施例と従来例
とでは定常的な量を除けば過渡的な応答特性は略一致し
ており、本実施例は前記従来例と同様の外乱抑制作用を
備え、不整路あるいは横風等に対して車両の安定性を確
保することが可能となるのである。
【0058】さらに、車両の操舵特性の変化による後輪
舵角及びヨーレートについて、本実施例と前記従来例と
の差を明確にすべく、レーンチェンジのシミュレーショ
ンを行ったものを図8〜図11に示し、これは図8に示
すようにほぼ矩形波の操舵入力を前輪1、2へ加えた場
合の後輪舵角、ヨーレート及び後輪舵角修正量を図9〜
図11にそれぞれ示す。
【0059】これら図9〜図11を前記従来例に示した
図13〜図15とそれぞれ比較すると、本実施例では、
前輪1、2の操舵方向に対して逆相側への後輪舵角修正
量δRFBが従来例に比して低減されるため、スタッドレ
スタイヤの装着等によって、車両の操舵特性が当初に比
してアンダーステア側に変化した場合にも、後輪が定常
的に逆相側へ操舵されるのを抑制することが可能となっ
て、前記従来例のように運転者の操舵が終了したにも拘
わらず車両が回頭するのを低減して操縦性を向上させる
ことができ、さらに、前記従来例と同様に外乱に対する
安定性を具備することができ、操縦性及び安定性に優れ
た車両を提供することが可能となる。
【0060】なお、上記実施例におけるアクチュエータ
6は、詳述はしないが、電動あるいは油圧駆動などの駆
動手段によって構成することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、車両
の操舵角度を検出する操舵角検出手段と、前記車両の速
度を検出する速度検出手段と、少なくとも前記操舵角と
車速とから車両の運動状態量の目標値を演算する運動状
態量目標値演算手段と、実際に車両に発生している運動
状態量を検出する実運動状態量検出手段と、検出された
運動状態量と前記運動状態量目標値の偏差の変化にのみ
応じた補償を行う補償器を備えて、前記補償を施された
前記偏差に基づいて修正運動状態量を演算する制御演算
手段と、前記修正運動状態量に基づいて舵角修正量を演
算する舵角修正量決定手段と、前記舵角修正量に一致す
るよう所定の車輪に補助舵角を付与する舵角調整手段と
を備え、運動状態量の偏差は定常的な車両の運動量に対
応する項を含まないフィルタ定数のみによって補償が行
われるため、車両の操舵特性が当初に比してアンダース
テア側に変化した場合にも、後輪が定常的に逆相側へ操
舵されるのを抑制することが可能となって、前記従来例
のように操舵終了後に車両が回頭するのを抑制して運転
者に違和感を与えることがなくなって操縦性を向上させ
ることができ、さらに、前記従来例と同様に外乱に対す
る安定性を備えるため、操縦性及び安定性に優れた車両
を提供することが可能となる。
【0062】また、第2の発明は、車両の操舵角度を検
出する操舵角検出手段と、前記車両の速度を検出する速
度検出手段と、少なくとも前記操舵角と車速とから車両
の運動状態量の目標値を演算する運動状態量目標値演算
手段と、実際に車両に発生している運動状態量を検出す
る実運動状態量検出手段と、前記検出された運動状態量
と前記運動状態量目標値の偏差の変化にのみ応じた補償
を行う補償器を備えて、前記補償を施された前記に基づ
いて修正運動状態量を演算する制御演算手段と、前記修
正運動状態量に基づいて舵角修正量を演算する舵角修正
量決定手段と、少なくとも前記操舵角と車速とから所定
の車輪に付与する補助舵角の主舵角操作量を演算する主
舵角操作量決定手段と、この主舵角操作量に前記舵角修
正量を加算して目標舵角量を演算する目標舵角演算手段
と、前記目標舵角量に一致するよう所定の車輪に補助舵
角を付与する舵角調整手段とを備え、運動状態量の偏差
は定常的な車両の運動量に対応する項を含まないフィル
タ定数のみによって補償が行われ、車両の操舵特性が当
初に比してアンダーステア側に変化した場合にも、後輪
が定常的に逆相側へ操舵されるのを抑制することが可能
となって、前記従来例のように操舵終了後に車両が回頭
するのを抑制して運転者に違和感を与えることがなくな
って操縦性を向上させることができ、さらに、前記従来
例と同様に外乱に対する安定性を備えるため、操縦性及
び安定性に優れた車両を提供することが可能となる。
【0063】また、第3の発明は、運動状態量目標値演
算手段が、操舵角と車速に加えて主舵角操作量に基づい
て車両の運動状態量の目標値を演算し、舵角修正量に主
舵角操作量を加味することで不整路や横風等の外乱に対
する車両の挙動を効果的に抑制することが可能となる。
【0064】また、第4の発明は、前記補償器が、第1
のフィルタ定数をT1、第2のフィルタ定数をT2、微分
演算子をsとしたとき、この補償器を構成するフィルタ
の伝達関数Gc(s)を次式のように設定し、 Gc(s)={T1s/(T2s+1)}×dψe この伝達関数Gc(s)に基づいて前記偏差dψeを補
償し、この伝達関数は、分子に定常的な車両の運動量に
対応する項を含まないため、車両の操舵特性がアンダー
ステア側へ変化した場合にも、定常的に補助舵角の操舵
量が逆相側へ増大されるのを抑制でき、操舵特性の変動
による定常的な動特性の変動を抑制できる。
【0065】また、第5の発明は、前記補償器における
フィルタ定数は車速に応じて設定され、車両の動特性を
車速の変化に応じた特性に設定することが可能となっ
て、操縦性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す4輪操舵車両の概略構成
図。
【図2】同じくコントローラのブロック図。
【図3】同じくコントローラで行われる制御の一例を示
すフローチャートである。
【図4】同じくコントローラを主体に行われるフィード
バック系のブロック図。
【図5】車速とフィルタ定数の関係を示す図である。
【図6】外乱を与えた場合のゲインと周波数の関係を示
すグラフで、本実施例を実線で、従来例を破線でそれぞ
れ示す。
【図7】同じく外乱を与えた場合の位相と周波数の関係
を示すグラフで、本実施例を実線で、従来例を破線でそ
れぞれ示す。
【図8】レーンチェンジのシミュレーションを示し、操
舵角と時間の関係を示すグラフである。
【図9】同じく、後輪舵角と時間の関係を示すグラフで
ある。
【図10】同じく、ヨーレートと時間の関係を示すグラ
フである。
【図11】同じく、後輪舵角修正量と時間の関係を示す
グラフである。
【図12】従来例におけるレーンチェンジのシミュレー
ションを示し、操舵角と時間の関係を示すグラフであ
る。
【図13】同じく従来例における、後輪舵角と時間の関
係を示すグラフである。
【図14】同じく従来例における、ヨーレートと時間の
関係を示すグラフである。
【図15】同じく従来例における、後輪舵角修正量と時
間の関係を示すグラフである。
【図16】第1の発明に対応するクレーム対応図であ
る。
【図17】第2の発明に対応するクレーム対応図であ
る。
【図18】第3の発明に対応するクレーム対応図であ
る。
【符号の説明】
3 ステアリング装置 4、5 後輪 6 アクチュエータ 7 コントローラ 8 操舵角センサ 9 車速センサ 10 ヨーレートセンサ T1、T2 フィルタ定数 100 実運動状態量検出手段 101 運動状態量目標値演算手段 102 補償器 103 制御演算手段 104 舵角修正量決定手段 105 主舵角操作量決定手段 106 目標舵角演算手段 107 舵角調整手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、第2の発明は、図17に示すよう
に、車両の操舵角度θを検出する操舵角検出手段8と、
前記車両の速度Vを検出する速度検出手段と、少なく
とも前記操舵角θと車速Vとから車両の運動状態量の目
標値dψを演算する運動状態量目標値演算手段101
と、実際に車両に発生している運動状態量dψを検出す
る実運動状態量検出手段100と、前記検出された運動
状態量dψと前記運動状態量目標値dψの偏差dψ
の変化にのみ応じた補償を行う補償器102を備えて、
前記補償を施された前記dψに基づいて修正運動状態
量を演算する制御演算手段103と、前記修正運動状態
量に基づいて舵角修正量を演算する舵角修正量決定手段
104と、少なくとも前記操舵角と車速とから所定の車
輪に付与する補助舵角の主舵角操作量δREFを演算す
る主舵角操作量決定手段105と、この主舵角操作量δ
REFに前記舵角修正量を加算して目標舵角量δRS
演算する目標舵角演算手段106と、前記目標舵角量に
一致するよう所定の車輪に補助舵角を付与する舵角調整
手段107とを備える。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】ここで、 A=−a11−a22=a1122−a 1221 =b12=a1222−a221211=−2(L eK+L )/IV a12=−2(LeK−L)/IV a21=−2(LeK−L)/MV−V a22=−2(eK+K)/MV b11=2LeK/IN b12=−2L/I21=2eK/MV b22=2K/M ただし、Vy:横速度 L:車両重心〜前車軸間距離 L:車両重心〜後車軸間距離 K:前輪コーナリングパワー K:後輪コーナリングパワー M:車両重量 I:ヨー慣性モーメント N:ステアリングギア比 上記(2)式より、後輪舵角δを入力、ヨーレートを
出力とした場合の後輪舵角〜ヨーレートの伝達関数G
(s)は次式で表現される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】これら上記(5)〜(8)式から、比例ゲ
インKp、フィルタ定数T、Tを任意に設定するこ
とにより車両の動特性を所定の値に設定することがで
き、上記(2)式に示したように、目標ヨーレートdψ
と発生ヨーレートdψの偏差dψに応じて、上記
(2)式に示したように、Ts/(Ts+1)によ
り分子に定常的な車両の運動量に対応した項をもたない
補償を施すことにより、操舵特性が変化した場合にも所
定の動特性を確保するとともに、外乱に対して車両の挙
動を安定させることが可能となるのである
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の操舵角度を検出する操舵角検出手
    段と、前記車両の速度を検出する速度検出手段と、少な
    くとも前記操舵角と車速とから車両の運動状態量の目標
    値を演算する運動状態量目標値演算手段と、実際に車両
    に発生している運動状態量を検出する実運動状態量検出
    手段と、検出された運動状態量と前記運動状態量目標値
    の偏差の変化にのみ応じた補償を行う補償器を備えると
    ともに、補償を施された前記偏差に基づいて修正運動状
    態量を演算する制御演算手段と、前記修正運動状態量に
    基づいて舵角修正量を演算する舵角修正量決定手段と、
    前記舵角修正量に一致するよう所定の車輪に補助舵角を
    付与する舵角調整手段とを備えたことをことを特徴とす
    る車両用実舵角制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の操舵角度を検出する操舵角検出手
    段と、前記車両の速度を検出する速度検出手段と、少な
    くとも前記操舵角と車速とから車両の運動状態量の目標
    値を演算する運動状態量目標値演算手段と、実際に車両
    に発生している運動状態量を検出する実運動状態量検出
    手段と、前記検出された運動状態量と前記運動状態量目
    標値の偏差の変化にのみ応じた補償を行う補償器を備え
    るとともに、補償を施された前記偏差に基づいて修正運
    動状態量を演算する制御演算手段と、前記修正運動状態
    量に基づいて舵角修正量を演算する舵角修正量決定手段
    と、少なくとも前記操舵角と車速とから所定の車輪に付
    与する補助舵角の主舵角操作量を演算する主舵角操作量
    決定手段と、この主舵角操作量に前記舵角修正量を加算
    して目標舵角量を演算する目標舵角演算手段と、前記目
    標舵角量に一致するよう所定の車輪に補助舵角を付与す
    る舵角調整手段とを備えたことを特徴とする車両用実舵
    角制御装置。
  3. 【請求項3】 運動状態量目標値演算手段が、操舵角と
    車速に加えて主舵角操作量に基づいて車両の運動状態量
    の目標値を演算することを特徴とする請求項2に記載の
    車両用実舵角制御装置。
  4. 【請求項4】 前記補償器が、第1のフィルタ定数をT
    1、第2のフィルタ定数をT2、微分演算子をsとしたと
    き、この補償器を構成するフィルタの伝達関数Gc
    (s)を次式のように設定し、 Gc(s)={T1s/(T2s+1)}×dψe この伝達関数Gc(s)に基づいて前記偏差dψeを補
    償をすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
    ずれかひとつに記載の車両用実舵角制御装置。
  5. 【請求項5】 前記補償器におけるフィルタ定数は車速
    に応じて設定されることを特徴とする請求項4に記載の
    車両用実舵角制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1120728A (ja) * 1997-07-03 1999-01-26 Honda Motor Co Ltd 車両用操舵装置

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