JPH08180892A - 燃料電池用集電体の製造方法 - Google Patents
燃料電池用集電体の製造方法Info
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- JPH08180892A JPH08180892A JP6337937A JP33793794A JPH08180892A JP H08180892 A JPH08180892 A JP H08180892A JP 6337937 A JP6337937 A JP 6337937A JP 33793794 A JP33793794 A JP 33793794A JP H08180892 A JPH08180892 A JP H08180892A
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- H01M8/0202—Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
- H01M8/0204—Non-porous and characterised by the material
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 いずれの方向においても固有抵抗の低い集電
体を製造することで、燃料電池の性能の向上を図る。 【構成】 熱膨張黒鉛の粉末をプレス治具に充填して、
X軸、Y軸、Z軸の3方向から順に押圧圧縮する。この
結果、熱膨張黒鉛粉末の各結晶の配向は上下方向および
横方向などのランダムな方向となり、集電体は特定方向
に固有抵抗が高いといったことがなくなる。
体を製造することで、燃料電池の性能の向上を図る。 【構成】 熱膨張黒鉛の粉末をプレス治具に充填して、
X軸、Y軸、Z軸の3方向から順に押圧圧縮する。この
結果、熱膨張黒鉛粉末の各結晶の配向は上下方向および
横方向などのランダムな方向となり、集電体は特定方向
に固有抵抗が高いといったことがなくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燃料電池に備えられ
る集電体を製造する燃料電池用集電体の製造方法に関す
る。
る集電体を製造する燃料電池用集電体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料の有しているエネルギを
直接電気的エネルギに変換する装置として燃料電池が知
られている。燃料電池は、通常、電解質膜を挟んで一対
の電極を配置するとともに、一方の電極の表面に水素等
の燃料ガスを接触させ、また他方の電極の表面に酸素を
含有する酸素含有ガスを接触させ、このとき起こる電気
化学反応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出
すようにしている。燃料電池は、燃料ガスと酸素含有ガ
スが供給されている限り高い効率で電気エネルギを取り
出すことができる。
直接電気的エネルギに変換する装置として燃料電池が知
られている。燃料電池は、通常、電解質膜を挟んで一対
の電極を配置するとともに、一方の電極の表面に水素等
の燃料ガスを接触させ、また他方の電極の表面に酸素を
含有する酸素含有ガスを接触させ、このとき起こる電気
化学反応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出
すようにしている。燃料電池は、燃料ガスと酸素含有ガ
スが供給されている限り高い効率で電気エネルギを取り
出すことができる。
【0003】ところで、こうした燃料電池は、電解質膜
と一対の電極とからなる接合体を複数積層することで、
高出力を実現している。このため、燃料電池は、通常、
接合体と接合体との境に集電体と呼ばれる部材を配置し
て、複数の接合体を直列接続する構造としている。
と一対の電極とからなる接合体を複数積層することで、
高出力を実現している。このため、燃料電池は、通常、
接合体と接合体との境に集電体と呼ばれる部材を配置し
て、複数の接合体を直列接続する構造としている。
【0004】こうした集電体は、通常、黒鉛化炭素を材
料として、次のようにして製造される。図9に示すよう
に、雌型A1を用意し、この雌型A1に黒鉛粉末A2を
詰めて、その雌型A1に嵌合する雄型A3で黒鉛粉末A
2を加圧圧縮して製造される(特開平3−167752
号公報)。この製造方法により、電気電導性、耐食性、
熱伝導性に優れ、かつガス不透過性を満たす集電体が製
造される。
料として、次のようにして製造される。図9に示すよう
に、雌型A1を用意し、この雌型A1に黒鉛粉末A2を
詰めて、その雌型A1に嵌合する雄型A3で黒鉛粉末A
2を加圧圧縮して製造される(特開平3−167752
号公報)。この製造方法により、電気電導性、耐食性、
熱伝導性に優れ、かつガス不透過性を満たす集電体が製
造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
技術では、黒鉛粉末を一方向からだけ加圧して集電体を
製造していることから、黒鉛粉末の結晶方向が一方向に
揃い、特定方向に固有抵抗が高い集電体が製造される問
題が生じた。
技術では、黒鉛粉末を一方向からだけ加圧して集電体を
製造していることから、黒鉛粉末の結晶方向が一方向に
揃い、特定方向に固有抵抗が高い集電体が製造される問
題が生じた。
【0006】集電体の材料である黒鉛は、図10に示す
ように、ハニカム構造の六角層を積層した結晶構造をも
ち、その六角層平面内の炭素原子は互いに強い共役二重
結合で結ばれており、その積層した層間は弱いファン・
デア・ワールス力で結ばれている。こうした黒鉛の粉末
が一方向から加圧圧縮されると、ランダムに存在してい
た各結晶の配向が一方向に揃い、各結晶が燐片状にきれ
いに並んだ形となる。このため、各結晶の面方向(六角
層平面の方向)では低い固有抵抗となるが、各結晶の積
層方向(六角層平面に垂直な方向)では、層間に空間が
生じていることから、高い固有抵抗となる。実際、積層
方向の固有抵抗は面方向の固有抵抗の約50〜100倍
もの大きさを示した。こうした問題は、当然、燃料電池
の性能を低下するに至った。
ように、ハニカム構造の六角層を積層した結晶構造をも
ち、その六角層平面内の炭素原子は互いに強い共役二重
結合で結ばれており、その積層した層間は弱いファン・
デア・ワールス力で結ばれている。こうした黒鉛の粉末
が一方向から加圧圧縮されると、ランダムに存在してい
た各結晶の配向が一方向に揃い、各結晶が燐片状にきれ
いに並んだ形となる。このため、各結晶の面方向(六角
層平面の方向)では低い固有抵抗となるが、各結晶の積
層方向(六角層平面に垂直な方向)では、層間に空間が
生じていることから、高い固有抵抗となる。実際、積層
方向の固有抵抗は面方向の固有抵抗の約50〜100倍
もの大きさを示した。こうした問題は、当然、燃料電池
の性能を低下するに至った。
【0007】この発明の燃料電池用集電体の製造方法
は、こうした問題に鑑みてなされたもので、いずれの方
向においても固有抵抗の低い集電体を製造することで、
燃料電池の性能の向上を図ることを目的としている。
は、こうした問題に鑑みてなされたもので、いずれの方
向においても固有抵抗の低い集電体を製造することで、
燃料電池の性能の向上を図ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
べく、前記課題を解決するための手段として、以下に示
す構成をとった。
べく、前記課題を解決するための手段として、以下に示
す構成をとった。
【0009】即ち、本発明の請求項1記載の燃料電池用
集電体の製造方法は、集電体材料を型に充填して加圧圧
縮することにより、燃料電池用の集電体を製造する燃料
電池用集電体の製造方法において、前記加圧圧縮を複数
の方向から行なうことを、その要旨としている。
集電体の製造方法は、集電体材料を型に充填して加圧圧
縮することにより、燃料電池用の集電体を製造する燃料
電池用集電体の製造方法において、前記加圧圧縮を複数
の方向から行なうことを、その要旨としている。
【0010】こうした構成の燃料電池用集電体の製造方
法において、前記集電体材料は、導電性物質を添加した
ものとしてもよい。
法において、前記集電体材料は、導電性物質を添加した
ものとしてもよい。
【0011】
【作用】以上のように構成された請求項1記載の燃料電
池用集電体の製造方法によれば、加圧圧縮を複数の方向
から行なっていることから、集電体材料の結晶の配向を
上下方向および横方向などのランダムな方向として集電
体を製造することができる。このため、この製造方法で
製造される集電体は、特定の方向に固有抵抗が高くなる
ようなことがない。
池用集電体の製造方法によれば、加圧圧縮を複数の方向
から行なっていることから、集電体材料の結晶の配向を
上下方向および横方向などのランダムな方向として集電
体を製造することができる。このため、この製造方法で
製造される集電体は、特定の方向に固有抵抗が高くなる
ようなことがない。
【0012】請求項2記載の燃料電池用集電体の製造方
法によれば、導電性物質を添加していることから、結晶
間にその導電性物質が充填されることになる。このた
め、複数の方向から押圧圧縮することで各結晶の配向を
ランダムな方向とした上で、さらに、結晶の層間の固有
抵抗をより一層低下する。
法によれば、導電性物質を添加していることから、結晶
間にその導電性物質が充填されることになる。このた
め、複数の方向から押圧圧縮することで各結晶の配向を
ランダムな方向とした上で、さらに、結晶の層間の固有
抵抗をより一層低下する。
【0013】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0014】まず、第1実施例としての燃料電池用集電
体の製造方法により製造された集電体を使用した固体高
分子型燃料電池10の構成について先に説明する。図1
は、この固体高分子型燃料電池10の構造図である。こ
の図に示すように、固体高分子型燃料電池10は、単一
のセルとして、電解質膜11と、この電解質膜11を両
側から挟んでサンドイッチ構造とするガス拡散電極とし
てのカソード12およびアノード13と、このサンドイ
ッチ構造20を両側から挟みつつカソード12およびア
ノード13とで材料ガスおよび燃料ガスの流路を形成す
る集電体15とにより構成されている。
体の製造方法により製造された集電体を使用した固体高
分子型燃料電池10の構成について先に説明する。図1
は、この固体高分子型燃料電池10の構造図である。こ
の図に示すように、固体高分子型燃料電池10は、単一
のセルとして、電解質膜11と、この電解質膜11を両
側から挟んでサンドイッチ構造とするガス拡散電極とし
てのカソード12およびアノード13と、このサンドイ
ッチ構造20を両側から挟みつつカソード12およびア
ノード13とで材料ガスおよび燃料ガスの流路を形成す
る集電体15とにより構成されている。
【0015】電解質膜11は、高分子材料、例えばフッ
素系樹脂により形成されたイオン交換膜であり、湿潤状
態で良好な電気電導性を示す。ここでは、米国E.I.デ
ュポン社製の商標名ナフィオン(Nafion)を使用する。
カソード12およびアノード13は、炭素繊維からなる
糸で織成したカーボンクロスにより形成されており、こ
のカーボンクロスの表面には、触媒としての白金または
白金と他の金属からなる合金等を担持したカーボン粉が
塗布されている。
素系樹脂により形成されたイオン交換膜であり、湿潤状
態で良好な電気電導性を示す。ここでは、米国E.I.デ
ュポン社製の商標名ナフィオン(Nafion)を使用する。
カソード12およびアノード13は、炭素繊維からなる
糸で織成したカーボンクロスにより形成されており、こ
のカーボンクロスの表面には、触媒としての白金または
白金と他の金属からなる合金等を担持したカーボン粉が
塗布されている。
【0016】白金を担持したカーボン粉は次のような方
法で作成されている。塩化白金酸水溶液とチオ硫酸ナト
リウムを混合して、亜硫酸白金錯体の水溶液を得る。こ
の水溶液を攪拌しながら、過酸化水素水を摘下して、水
溶液中にコロイド状の白金粒子を析出させる。次に担体
となるカーボンブラック(例えばVulcan XC−
72(米国のCABOT社の商標)やデンカブラック
(電気化学工業株式会社の商標)を添加しながら、攪拌
し、カーボンブラックの表面にコロイド状の白金粒子を
付着させる。次に溶液を吸引ろ過または加圧ろ過して白
金粒子が付着したカーボンブラックを分離した後、脱イ
オン水(純水)で繰り返し洗浄した後、室温で完全に乾
燥させる。
法で作成されている。塩化白金酸水溶液とチオ硫酸ナト
リウムを混合して、亜硫酸白金錯体の水溶液を得る。こ
の水溶液を攪拌しながら、過酸化水素水を摘下して、水
溶液中にコロイド状の白金粒子を析出させる。次に担体
となるカーボンブラック(例えばVulcan XC−
72(米国のCABOT社の商標)やデンカブラック
(電気化学工業株式会社の商標)を添加しながら、攪拌
し、カーボンブラックの表面にコロイド状の白金粒子を
付着させる。次に溶液を吸引ろ過または加圧ろ過して白
金粒子が付着したカーボンブラックを分離した後、脱イ
オン水(純水)で繰り返し洗浄した後、室温で完全に乾
燥させる。
【0017】次に、凝集したカーボンブラックを粉砕器
で粉砕した後、水素還元雰囲気中で、250℃〜350
℃で2時間程度加熱することにより、カーボンブラック
上の白金を還元するとともに、残留していた塩素を完全
に除去して、白金を担持したカーボン粉が完成する。こ
こでは、カーボンブラックの重量に対して白金の重量が
20[%](重量%)になるようにして制作している。
で粉砕した後、水素還元雰囲気中で、250℃〜350
℃で2時間程度加熱することにより、カーボンブラック
上の白金を還元するとともに、残留していた塩素を完全
に除去して、白金を担持したカーボン粉が完成する。こ
こでは、カーボンブラックの重量に対して白金の重量が
20[%](重量%)になるようにして制作している。
【0018】集電体15は、ち密質のカーボンプレート
により形成されている。集電体15は、カソード12の
表面とで材料ガスである酸素含有ガスの流路をなすと共
にカソード12で生成する水の集水路をなす酸素含有ガ
ス流路15aを形成し、また、アノード13の表面とで
燃料ガスである水素ガスと水蒸気との混合ガスの流路を
なす水素ガス流路15bを形成する。なお、この集電体
15の製造方法については後ほど詳しく説明する。
により形成されている。集電体15は、カソード12の
表面とで材料ガスである酸素含有ガスの流路をなすと共
にカソード12で生成する水の集水路をなす酸素含有ガ
ス流路15aを形成し、また、アノード13の表面とで
燃料ガスである水素ガスと水蒸気との混合ガスの流路を
なす水素ガス流路15bを形成する。なお、この集電体
15の製造方法については後ほど詳しく説明する。
【0019】以上説明した電解質膜11、カソード1
2、アノード13および集電体15が固体高分子型燃料
電池10の単一セルの構成であり、実際には、集電体1
5、カソード12、電解質膜11、アノード13、集電
体15をこの順に複数組(図1では2組)積層して、固
体高分子型燃料電池10は構成されている。
2、アノード13および集電体15が固体高分子型燃料
電池10の単一セルの構成であり、実際には、集電体1
5、カソード12、電解質膜11、アノード13、集電
体15をこの順に複数組(図1では2組)積層して、固
体高分子型燃料電池10は構成されている。
【0020】こうした構成の固体高分子型燃料電池10
の集電体15の製造方法について、以下、詳しく説明す
る。なお、この集電体15は、次のようにして製造され
た熱膨張黒鉛の粉末を材料として製造される。天然の燐
片状の黒鉛粉末を用意し、この黒鉛粉末を濃硫酸や濃硝
酸および混酸などに浸して、黒鉛粉末を湿式酸化させ
る。その後、この黒鉛粉末を900[℃]以上の高温で
急速加熱すると、黒鉛の結晶構造における層間の距離が
50〜500倍に膨張して、熱膨張黒鉛の粉末が形成さ
れる。この熱膨張黒鉛粉末を材料として集電体15が製
造される。
の集電体15の製造方法について、以下、詳しく説明す
る。なお、この集電体15は、次のようにして製造され
た熱膨張黒鉛の粉末を材料として製造される。天然の燐
片状の黒鉛粉末を用意し、この黒鉛粉末を濃硫酸や濃硝
酸および混酸などに浸して、黒鉛粉末を湿式酸化させ
る。その後、この黒鉛粉末を900[℃]以上の高温で
急速加熱すると、黒鉛の結晶構造における層間の距離が
50〜500倍に膨張して、熱膨張黒鉛の粉末が形成さ
れる。この熱膨張黒鉛粉末を材料として集電体15が製
造される。
【0021】図2は、その集電体15の製造方法の工程
を示すフローチャートである。この図2に示すように、
まず、第1のプレス治具をセットする工程を実行する
(ステップS1)。この工程では、具体的には、図3に
示すように、前後、左右、上下の6面の内の右方向(−
x方向)の側面を除く雌型52と、この雌型52に嵌合
してx軸方向に移動する雄型54とからなるプレス治具
50を用意し、この雌型52内に熱膨張黒鉛粉末Cを入
れる。
を示すフローチャートである。この図2に示すように、
まず、第1のプレス治具をセットする工程を実行する
(ステップS1)。この工程では、具体的には、図3に
示すように、前後、左右、上下の6面の内の右方向(−
x方向)の側面を除く雌型52と、この雌型52に嵌合
してx軸方向に移動する雄型54とからなるプレス治具
50を用意し、この雌型52内に熱膨張黒鉛粉末Cを入
れる。
【0022】次いで、第1のプレス治具50の雄型54
を押圧移動して、熱膨張黒鉛粉末Cをx軸方向に圧縮す
る工程を実行する(図2のステップS2)。即ち、図3
に示すように、雄型54により、熱膨張黒鉛粉末Cにx
軸方向の力Pxを加えることにより、熱膨張黒鉛粉末C
をx軸方向に圧縮する。なお、こうして製作される予備
成形品は、図3に示すように、ピン56,58を熱膨張
黒鉛粉末C中に予め埋設しておくことで、ガスマニホー
ルドを一体成形するように構成したものでもよい。ここ
で、ステップS2で雄型54を押圧する圧力は0.3
[ton/cm2]とした。
を押圧移動して、熱膨張黒鉛粉末Cをx軸方向に圧縮す
る工程を実行する(図2のステップS2)。即ち、図3
に示すように、雄型54により、熱膨張黒鉛粉末Cにx
軸方向の力Pxを加えることにより、熱膨張黒鉛粉末C
をx軸方向に圧縮する。なお、こうして製作される予備
成形品は、図3に示すように、ピン56,58を熱膨張
黒鉛粉末C中に予め埋設しておくことで、ガスマニホー
ルドを一体成形するように構成したものでもよい。ここ
で、ステップS2で雄型54を押圧する圧力は0.3
[ton/cm2]とした。
【0023】図2のフローチャートに戻り、続いて、ス
テップS2で熱膨張黒鉛粉末Cを圧縮して製作した予備
成形品に第1のプレス治具50に換えて第2のプレス治
具60をセットする工程を実行する(ステップS3)。
この工程では、図4に示すように、前後、左右、上下の
6面の内の前方向(−y方向)の側面を除く雌型62
と、この雌型62に嵌合してy軸方向に移動する雄型
(図示せず)とからなるプレス治具60を用意し、ステ
ップS2で熱膨張黒鉛粉末Cを圧縮して製作した予備成
形品をこの雌型62内にセットする。次いで、その第2
のプレス治具60の雄型を押圧移動して、予備成形品を
y軸方向に圧縮する工程を実行する(ステップS4)。
即ち、図4に示すように、雄型により、予備成形品にy
軸方向の力Pyを加えることにより、予備成形品をy軸
方向に圧縮する。なお、ここで、雄型を押圧する圧力は
0.3[ton/cm2]とした。
テップS2で熱膨張黒鉛粉末Cを圧縮して製作した予備
成形品に第1のプレス治具50に換えて第2のプレス治
具60をセットする工程を実行する(ステップS3)。
この工程では、図4に示すように、前後、左右、上下の
6面の内の前方向(−y方向)の側面を除く雌型62
と、この雌型62に嵌合してy軸方向に移動する雄型
(図示せず)とからなるプレス治具60を用意し、ステ
ップS2で熱膨張黒鉛粉末Cを圧縮して製作した予備成
形品をこの雌型62内にセットする。次いで、その第2
のプレス治具60の雄型を押圧移動して、予備成形品を
y軸方向に圧縮する工程を実行する(ステップS4)。
即ち、図4に示すように、雄型により、予備成形品にy
軸方向の力Pyを加えることにより、予備成形品をy軸
方向に圧縮する。なお、ここで、雄型を押圧する圧力は
0.3[ton/cm2]とした。
【0024】図2のフローチャートに戻り、続いて、こ
れまでに圧縮を施してきた予備成形品に第2のプレス治
具60に換えて第3のプレス治具70をセットする工程
を実行する(ステップS5)。この工程では、図5に示
すように、前後、左右、上下の6面の内の上方向(−z
方向)の側面を除く雌型72と、この雌型72に嵌合し
てz軸方向に移動する雄型74とからなるプレス治具7
0を用意し、予備成形品をこの雌型72内にセットす
る。次いで、その第3のプレス治具70の雄型74を押
圧移動して、その予備成形品をz軸方向に圧縮する工程
を実行する(ステップS6)。即ち、図5に示すよう
に、雄型74により、予備成形品にz軸方向の力Pzを
加えることにより、予備成形品をz軸方向に圧縮する。
なお、雄型74の押圧面74sと、雌型72の雄型74
と対向する面72sとには、複数の溝がそれぞれ形成さ
れており、この溝により、製作される成形品は複数のリ
ブを備えたものとなる。ここで、雄型74を押圧する圧
力は1.0[ton/cm2]とした。
れまでに圧縮を施してきた予備成形品に第2のプレス治
具60に換えて第3のプレス治具70をセットする工程
を実行する(ステップS5)。この工程では、図5に示
すように、前後、左右、上下の6面の内の上方向(−z
方向)の側面を除く雌型72と、この雌型72に嵌合し
てz軸方向に移動する雄型74とからなるプレス治具7
0を用意し、予備成形品をこの雌型72内にセットす
る。次いで、その第3のプレス治具70の雄型74を押
圧移動して、その予備成形品をz軸方向に圧縮する工程
を実行する(ステップS6)。即ち、図5に示すよう
に、雄型74により、予備成形品にz軸方向の力Pzを
加えることにより、予備成形品をz軸方向に圧縮する。
なお、雄型74の押圧面74sと、雌型72の雄型74
と対向する面72sとには、複数の溝がそれぞれ形成さ
れており、この溝により、製作される成形品は複数のリ
ブを備えたものとなる。ここで、雄型74を押圧する圧
力は1.0[ton/cm2]とした。
【0025】ステップS6により予備成形品をz軸方向
に圧縮する工程を終えると、この製造方法を終了させ
る。この結果、図6に示すように、4つの辺に沿って細
長い孔81,82,83,84が形成され、孔82と孔
84との間に、孔81,83の長手方向と平行に複数の
リブ86が形成された集電体15が製造される。孔81
〜84は、燃料電池10を積層した際、燃料電池10を
積層方向に貫通する燃料ガスの給排用の2つのマニホー
ルドと酸素含有ガスの給排用の2つのマニホールドを構
成する。また、リブ86は、カソード12の表面とで酸
素含有ガスの流路を構成し、あるいはアノード13の表
面とで水素ガスの流路を構成する。
に圧縮する工程を終えると、この製造方法を終了させ
る。この結果、図6に示すように、4つの辺に沿って細
長い孔81,82,83,84が形成され、孔82と孔
84との間に、孔81,83の長手方向と平行に複数の
リブ86が形成された集電体15が製造される。孔81
〜84は、燃料電池10を積層した際、燃料電池10を
積層方向に貫通する燃料ガスの給排用の2つのマニホー
ルドと酸素含有ガスの給排用の2つのマニホールドを構
成する。また、リブ86は、カソード12の表面とで酸
素含有ガスの流路を構成し、あるいはアノード13の表
面とで水素ガスの流路を構成する。
【0026】以上詳述したように、この第1実施例の集
電体の製造方法では、集電体15の材料である熱膨張黒
鉛粉末Cを互いに垂直となる3軸方向から押圧圧縮して
いる。このため、1軸方向に押圧圧縮した際、即ち、ス
テップS2の実行後には、図7の(A)に示すように、
熱膨張黒鉛粉末の各結晶の配向が一方向に揃い、各結晶
が燐片状にきれいに並んだ形となったのに対して、この
製造方法を最後まで完了した際には、図7の(B)に示
すように、熱膨張黒鉛粉末の各結晶の配向は上下方向お
よび横方向などのランダムな方向となる。したがって、
集電体15は特定方向に固有抵抗が高いといったことが
ない。これは、この集電体15を用いた固体高分子型燃
料電池10の性能を高める効果を招来する。
電体の製造方法では、集電体15の材料である熱膨張黒
鉛粉末Cを互いに垂直となる3軸方向から押圧圧縮して
いる。このため、1軸方向に押圧圧縮した際、即ち、ス
テップS2の実行後には、図7の(A)に示すように、
熱膨張黒鉛粉末の各結晶の配向が一方向に揃い、各結晶
が燐片状にきれいに並んだ形となったのに対して、この
製造方法を最後まで完了した際には、図7の(B)に示
すように、熱膨張黒鉛粉末の各結晶の配向は上下方向お
よび横方向などのランダムな方向となる。したがって、
集電体15は特定方向に固有抵抗が高いといったことが
ない。これは、この集電体15を用いた固体高分子型燃
料電池10の性能を高める効果を招来する。
【0027】本発明の第2実施例について、次に説明す
る。この第2実施例は、第1実施例の固体高分子型燃料
電池10と同じ構成の燃料電池に関するもので、その固
体高分子型燃料電池10に使用される集電体15の製造
方法が第1実施例と相違する。図8は、この第2実施例
における集電体の製造方法の内容を示す構成図である。
る。この第2実施例は、第1実施例の固体高分子型燃料
電池10と同じ構成の燃料電池に関するもので、その固
体高分子型燃料電池10に使用される集電体15の製造
方法が第1実施例と相違する。図8は、この第2実施例
における集電体の製造方法の内容を示す構成図である。
【0028】図8に示すように、この第2実施例の集電
体の製造方法によれば、ゴム製の雌型101内に熱膨張
黒鉛粉末Cを充填し、同じくゴム製の雄型103により
その雌型101に蓋をし、これら雄型103と雌型10
1とを、水を充填し密封した容器105内に配置する。
そして、この容器105内を加圧ポンプ107により加
圧する。こうした構成により、熱膨張黒鉛粉末Cをどの
方向にも等しい圧力で加圧圧縮する。なお、このときの
加圧する圧力が1.0[ton/cm2]となるように、加圧
ポンプ107の吐出量を調整している。
体の製造方法によれば、ゴム製の雌型101内に熱膨張
黒鉛粉末Cを充填し、同じくゴム製の雄型103により
その雌型101に蓋をし、これら雄型103と雌型10
1とを、水を充填し密封した容器105内に配置する。
そして、この容器105内を加圧ポンプ107により加
圧する。こうした構成により、熱膨張黒鉛粉末Cをどの
方向にも等しい圧力で加圧圧縮する。なお、このときの
加圧する圧力が1.0[ton/cm2]となるように、加圧
ポンプ107の吐出量を調整している。
【0029】また、雄型103の押圧面103sと、雌
型101の雄型103に対向する面103sとには、複
数の溝がそれぞれ形成されており、この溝により、集電
体15に複数のリブを形成することが可能となる。この
リブは水素ガスまたは酸素含有ガスの流路となる。
型101の雄型103に対向する面103sとには、複
数の溝がそれぞれ形成されており、この溝により、集電
体15に複数のリブを形成することが可能となる。この
リブは水素ガスまたは酸素含有ガスの流路となる。
【0030】以上詳述したように、この第2実施例の集
電体の製造方法によれば、熱膨張黒鉛粉末Cをどの方向
からも等しい圧力で圧縮している。このため、1軸方向
に押圧圧縮した従来例では、熱膨張黒鉛粉末の各結晶の
配向が一方向に揃ったのに対して、この実施例では、そ
の配向を上下方向および横方向などのランダムな方向と
することができる。したがって、この第2実施例の集電
体の製造方法で製造した集電体は、特定方向に固有抵抗
が高いといったことがない。この結果、第1実施例と同
様に、この集電体を用いた固体高分子型燃料電池10の
性能を高める効果を招来する。
電体の製造方法によれば、熱膨張黒鉛粉末Cをどの方向
からも等しい圧力で圧縮している。このため、1軸方向
に押圧圧縮した従来例では、熱膨張黒鉛粉末の各結晶の
配向が一方向に揃ったのに対して、この実施例では、そ
の配向を上下方向および横方向などのランダムな方向と
することができる。したがって、この第2実施例の集電
体の製造方法で製造した集電体は、特定方向に固有抵抗
が高いといったことがない。この結果、第1実施例と同
様に、この集電体を用いた固体高分子型燃料電池10の
性能を高める効果を招来する。
【0031】なお、前記第2実施例では、容器105内
に水を充填して、その水を介して、雌型101および雄
型103を押圧していたが、これに換えて、容器105
内に油を充填して、その油を介して、雌型101および
雄型103を押圧する構成としてもよく、第2実施例と
同様な効果を奏することができる。
に水を充填して、その水を介して、雌型101および雄
型103を押圧していたが、これに換えて、容器105
内に油を充填して、その油を介して、雌型101および
雄型103を押圧する構成としてもよく、第2実施例と
同様な効果を奏することができる。
【0032】前述した第1実施例および第2実施例の製
造方法で製造した集電体の固有抵抗値と強度とを従来の
集電体と比較したので、次に説明する。比較する従来の
集電体は、第1実施例および第2実施例と同じ熱膨張黒
鉛粉末を用い、1軸方向からのプレス成形(面圧1.0
[ton/cm2])で製造したものである。その比較結果を
以下の表に示す。
造方法で製造した集電体の固有抵抗値と強度とを従来の
集電体と比較したので、次に説明する。比較する従来の
集電体は、第1実施例および第2実施例と同じ熱膨張黒
鉛粉末を用い、1軸方向からのプレス成形(面圧1.0
[ton/cm2])で製造したものである。その比較結果を
以下の表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】この表に示すように、第1実施例および第
2実施例では、集電体の面方向の抵抗値R1について
は、従来品と比べて、ほほ同じ値(多少は高い)である
のに対して、集電体の層方向の抵抗値R2については、
従来品と比べて、10分の1ほどの極端に小さい値とな
っている。一方、強度については、第1実施例、第2実
施例、従来品の3者とも、ほぼ等しい値となっている。
2実施例では、集電体の面方向の抵抗値R1について
は、従来品と比べて、ほほ同じ値(多少は高い)である
のに対して、集電体の層方向の抵抗値R2については、
従来品と比べて、10分の1ほどの極端に小さい値とな
っている。一方、強度については、第1実施例、第2実
施例、従来品の3者とも、ほぼ等しい値となっている。
【0035】この測定結果からも、第1実施例および第
2実施例の製造方法で製造した集電体の固有抵抗は、層
方向の値を従来品の10分の1と極端に小さくすること
ができ、いずれの方向にも小さな値となっていることが
わかる。また、この測定結果から、第1実施例および第
2実施例の製造方法によっても、従来品のものと比べて
強度が低下するようなこともない。
2実施例の製造方法で製造した集電体の固有抵抗は、層
方向の値を従来品の10分の1と極端に小さくすること
ができ、いずれの方向にも小さな値となっていることが
わかる。また、この測定結果から、第1実施例および第
2実施例の製造方法によっても、従来品のものと比べて
強度が低下するようなこともない。
【0036】本発明の第3実施例について、次に説明す
る。この第3実施例は、第2実施例とほぼ同じ構成で、
相違する点は集電体15の材料として、熱膨張黒鉛粉末
にカーボンブラックの粉末を添加した点が相違する。即
ち、熱膨張黒鉛粉末にカーボンブラックの粉末を添加し
た材料を、静水圧加圧によってどの方向からも等しい圧
力で圧縮加圧することにより、集電体15を製造する。
る。この第3実施例は、第2実施例とほぼ同じ構成で、
相違する点は集電体15の材料として、熱膨張黒鉛粉末
にカーボンブラックの粉末を添加した点が相違する。即
ち、熱膨張黒鉛粉末にカーボンブラックの粉末を添加し
た材料を、静水圧加圧によってどの方向からも等しい圧
力で圧縮加圧することにより、集電体15を製造する。
【0037】なお、この第3実施例では、カーボンブラ
ックとして、白金触媒で使用したものと同じVulca
n XC−72(米国のCABOT社の商標:平均粒径
30[nm])を使用し、その添加量を、熱膨張黒鉛粉
末の重量に対してカーボンブラックの重量が5〜150
[%](以下、重量部と呼ぶ)、好ましくは、50〜1
00[重量部]とした。
ックとして、白金触媒で使用したものと同じVulca
n XC−72(米国のCABOT社の商標:平均粒径
30[nm])を使用し、その添加量を、熱膨張黒鉛粉
末の重量に対してカーボンブラックの重量が5〜150
[%](以下、重量部と呼ぶ)、好ましくは、50〜1
00[重量部]とした。
【0038】この第3実施例の集電体の製造方法では、
材料にカーボンブラックといった導電性の物質を添加し
ていることから、その材料である熱膨張黒鉛粉末の結晶
間に導電性物質が充填されることになる。このため、ど
の方向からも等しい圧力で圧縮加圧することで各結晶の
配向をランダムな方向とした上で、さらに、結晶の層間
の固有抵抗をより小さくすることができる。したがっ
て、固有抵抗のより低い集電体を製造することができ、
その結果、その集電体を燃料電池に使用することで、燃
料電池の性能をより優れたものとすることができる。
材料にカーボンブラックといった導電性の物質を添加し
ていることから、その材料である熱膨張黒鉛粉末の結晶
間に導電性物質が充填されることになる。このため、ど
の方向からも等しい圧力で圧縮加圧することで各結晶の
配向をランダムな方向とした上で、さらに、結晶の層間
の固有抵抗をより小さくすることができる。したがっ
て、固有抵抗のより低い集電体を製造することができ、
その結果、その集電体を燃料電池に使用することで、燃
料電池の性能をより優れたものとすることができる。
【0039】なお、熱膨張黒鉛粉末に添加量100[重
量部]だけカーボンブラックを添加したときのこの第3
実施例の製造方法で製造した集電体について、固有抵抗
値と強度とを実際に測定したので、その測定結果を以下
の表に示す。
量部]だけカーボンブラックを添加したときのこの第3
実施例の製造方法で製造した集電体について、固有抵抗
値と強度とを実際に測定したので、その測定結果を以下
の表に示す。
【0040】
【表2】
【0041】この表の値と、表1で示した第2実施例の
値とを比較してみると、集電体の面方向の抵抗値R1お
よび層方向の抵抗値R2について共により一層小さい値
となっている。一方、強度については、第3実施例およ
び第2実施例とも、ほぼ等しい値となっている。即ち、
この測定結果からも、製造される集電体は、強度の低下
を引き起こすことなしに、固有抵抗値がより一層低いも
のとなっていることがわかる。
値とを比較してみると、集電体の面方向の抵抗値R1お
よび層方向の抵抗値R2について共により一層小さい値
となっている。一方、強度については、第3実施例およ
び第2実施例とも、ほぼ等しい値となっている。即ち、
この測定結果からも、製造される集電体は、強度の低下
を引き起こすことなしに、固有抵抗値がより一層低いも
のとなっていることがわかる。
【0042】なお、この第3実施例では、熱膨張黒鉛粉
末にカーボンブラックを添加した材料を用いた上で、第
2実施例の製造方法を採用する構成としたが、これに換
えて、同じ材料で、前記第1実施例の製造方法を採用す
る構成としてもよい。こうした構成によれば、第3実施
例と同様に、より一層固有抵抗の低い集電体を製造する
ことができ、その結果、その集電体を燃料電池に使用す
ることで、燃料電池の性能をより優れたものとすること
ができる。
末にカーボンブラックを添加した材料を用いた上で、第
2実施例の製造方法を採用する構成としたが、これに換
えて、同じ材料で、前記第1実施例の製造方法を採用す
る構成としてもよい。こうした構成によれば、第3実施
例と同様に、より一層固有抵抗の低い集電体を製造する
ことができ、その結果、その集電体を燃料電池に使用す
ることで、燃料電池の性能をより優れたものとすること
ができる。
【0043】また、前記第3実施例では、集電体の材料
に添加する導電性物質として、カーボンブラックを用い
ていたが、これに換えて、銀粉末、銅粉末等の金属材料
を用いる構成としてもよい。また、前記導電性物質とし
て、フッ素系イオン交換樹脂(アルドリッチ社製)、ポ
リアセチレン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用い
る構成としてもよい。さらに、その導電性樹脂材料とし
ては、エポキシ、フェノール、ナイロン、シリコーンお
よびポリプロピレン等の樹脂基材にカーボン粉末、カー
ボン繊維、銀粉末、銅粉末等の導電性材料を添加したも
のを用いる構成としてもよい。
に添加する導電性物質として、カーボンブラックを用い
ていたが、これに換えて、銀粉末、銅粉末等の金属材料
を用いる構成としてもよい。また、前記導電性物質とし
て、フッ素系イオン交換樹脂(アルドリッチ社製)、ポ
リアセチレン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用い
る構成としてもよい。さらに、その導電性樹脂材料とし
ては、エポキシ、フェノール、ナイロン、シリコーンお
よびポリプロピレン等の樹脂基材にカーボン粉末、カー
ボン繊維、銀粉末、銅粉末等の導電性材料を添加したも
のを用いる構成としてもよい。
【0044】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、この発明で製造された接合体を燃料電池に
換えて、水電解に用いた構成等、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において、種々なる態様で実施し得ることは
勿論である。
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、この発明で製造された接合体を燃料電池に
換えて、水電解に用いた構成等、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において、種々なる態様で実施し得ることは
勿論である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の燃料
電池用集電体の製造方法では、加圧圧縮を複数の方向か
ら行なうことにより、集電体材料の結晶の配向を上下方
向および横方向などのランダムな方向として集電体を製
造することができる。このため、集電体の固有抵抗をい
ずれの方向でも低くすることができ、この結果、燃料電
池の性能を向上することができる。
電池用集電体の製造方法では、加圧圧縮を複数の方向か
ら行なうことにより、集電体材料の結晶の配向を上下方
向および横方向などのランダムな方向として集電体を製
造することができる。このため、集電体の固有抵抗をい
ずれの方向でも低くすることができ、この結果、燃料電
池の性能を向上することができる。
【0046】請求項2記載の燃料電池用集電体の製造方
法では、材料に導電性物質を添加していることから、集
電体の結晶間にその導電性物質が充填されることにな
る。このため、集電体の固有抵抗をより一層低くして、
燃料電池の性能の向上をより一層図ることができる。
法では、材料に導電性物質を添加していることから、集
電体の結晶間にその導電性物質が充填されることにな
る。このため、集電体の固有抵抗をより一層低くして、
燃料電池の性能の向上をより一層図ることができる。
【図1】本発明の第1実施例の製造方法で製造される集
電体を使用した固体高分子型燃料電池10の単一セルの
構造図である。
電体を使用した固体高分子型燃料電池10の単一セルの
構造図である。
【図2】その集電体の製造方法の工程を示すフローチャ
ートである。
ートである。
【図3】x軸方向への押圧圧縮を行なう第1のプレス治
具50を示す説明図である。
具50を示す説明図である。
【図4】y軸方向への押圧圧縮を行なう第2のプレス治
具60を示す説明図である。
具60を示す説明図である。
【図5】z軸方向への押圧圧縮を行なう第3のプレス治
具70を示す説明図である。
具70を示す説明図である。
【図6】その集電体の製造方法で製造される集電体の平
面図である。
面図である。
【図7】熱膨張黒鉛粉末の結晶の配向の変化を示す説明
図である。
図である。
【図8】第2実施例における集電体の製造方法の内容を
示す構成図である。
示す構成図である。
【図9】従来の集電体の製造方法の内容を示す構成図で
ある。
ある。
【図10】黒鉛の結晶構造の模式図である。
10…固体高分子型燃料電池 11…電解質膜 12…カソード 13…アノード 15…集電体 15a…酸素含有ガス流路 15b…水素ガス流路 20…サンドイッチ構造 50…第1のプレス治具 52…雌型 54…雄型 56,58…ピン 60…第2のプレス治具 62…雌型 70…第3のプレス治具 72…雌型 74…雄型 101…雌型 103…雄型 105…容器 107…加圧ポンプ C…熱膨張黒鉛粉末
Claims (2)
- 【請求項1】 集電体材料を型に充填して加圧圧縮する
ことにより、燃料電池用の集電体を製造する燃料電池用
集電体の製造方法において、 前記加圧圧縮を複数の方向から行なうことを特徴とする
燃料電池用集電体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池用集電体の製造
方法であって、 前記集電体材料は、導電性物質を添加したものである燃
料電池用集電体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6337937A JPH08180892A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 燃料電池用集電体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6337937A JPH08180892A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 燃料電池用集電体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08180892A true JPH08180892A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18313408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6337937A Pending JPH08180892A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 燃料電池用集電体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08180892A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000082476A (ja) * | 1998-06-25 | 2000-03-21 | Hitachi Chem Co Ltd | 燃料電池、燃料電池用セパレ―タ及びその製造方法 |
WO2002035631A1 (fr) * | 2000-10-23 | 2002-05-02 | Nippon Pillar Packing Co., Ltd. | Separateur pour pile a combustible |
WO2002035630A1 (fr) * | 2000-10-23 | 2002-05-02 | Nippon Pillar Packing Co., Ltd. | Separateur pour pile a combustible |
WO2002035629A1 (fr) * | 2000-10-23 | 2002-05-02 | Nippon Pillar Packing Co., Ltd. | Separateur d'element a combustible et procede |
US6579083B2 (en) * | 2000-01-20 | 2003-06-17 | Nisshinbo Industries, Inc. | Mold for producing fuel cell separator |
JP2005332660A (ja) * | 2004-05-19 | 2005-12-02 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
WO2013005329A1 (ja) * | 2011-07-07 | 2013-01-10 | トヨタ自動車株式会社 | 二次電池 |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP6337937A patent/JPH08180892A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000082476A (ja) * | 1998-06-25 | 2000-03-21 | Hitachi Chem Co Ltd | 燃料電池、燃料電池用セパレ―タ及びその製造方法 |
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WO2002035631A1 (fr) * | 2000-10-23 | 2002-05-02 | Nippon Pillar Packing Co., Ltd. | Separateur pour pile a combustible |
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EP1253659A1 (en) * | 2000-10-23 | 2002-10-30 | Nippon Pillar Packing Co., Ltd. | Fuel cell separator |
US7029783B1 (en) | 2000-10-23 | 2006-04-18 | Nippon Pillar Packing Co., Ltd. | Fuel cell separator and production method therefor |
US7033692B1 (en) | 2000-10-23 | 2006-04-25 | Nippon Pillar Packing Co., Ltd. | Fuel cell separator |
EP1253659A4 (en) * | 2000-10-23 | 2007-05-09 | Nippon Pillar Packing | SEPARATOR FOR FUEL CELL |
JP2005332660A (ja) * | 2004-05-19 | 2005-12-02 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
WO2013005329A1 (ja) * | 2011-07-07 | 2013-01-10 | トヨタ自動車株式会社 | 二次電池 |
JPWO2013005329A1 (ja) * | 2011-07-07 | 2015-02-23 | トヨタ自動車株式会社 | 二次電池 |
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