JPH08180824A - 電子線源、その製造方法、電子線源装置及びそれを用いた電子線装置 - Google Patents

電子線源、その製造方法、電子線源装置及びそれを用いた電子線装置

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JPH08180824A
JPH08180824A JP6320188A JP32018894A JPH08180824A JP H08180824 A JPH08180824 A JP H08180824A JP 6320188 A JP6320188 A JP 6320188A JP 32018894 A JP32018894 A JP 32018894A JP H08180824 A JPH08180824 A JP H08180824A
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electron
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Taku Oshima
卓 大嶋
Hiroyuki Shinada
博之 品田
Katsuhiro Kuroda
勝広 黒田
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Hitachi Ltd
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    • H01J2201/30403Field emission cathodes characterised by the emitter shape
    • H01J2201/30426Coatings on the emitter surface, e.g. with low work function materials

Abstract

(57)【要約】 【目的】単色で高輝度の電子線を発生できる電子線源を
提供すること。 【構成】先端の尖った、少なくとも表面が半導体単結晶
又は単結晶絶縁性物質からなる針状構造1の先端表面近
傍に伝導帯電子を形成するための電子形成手段、例え
ば、Siのドープ層2を設けた電子線源。針状構造1の
表面に表面パッシベーション層4を設けることが望まし
い。Siのドープ層2に代えて価電子帯の電子を励起す
る手段を設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子顕微鏡等に用いる
のに好適な高輝度、狭エネルギー幅の電子線源、その製
造方法、電子線源装置及びそれを用いた電子線装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】高分解能の電子顕微鏡には、高輝度、狭
エネルギー幅の電子線源として針状タングステン(W)
の電界放出型電子源が一般に広く使用されている。この
原理について記載されたものとしては、例えば、日本学
術振興会第132委員会編、電子・イオンビームハンド
ブック第2版(昭和61年日刊工業新聞社)、145〜
151ページ、がある。この電子線源は、W陰極の先端
を100nm径程度に鋭く尖せることによって先端部分
に電界を集中させ、その結果、先端部分から真空中に電
界放出される電子を用いている。
【0003】また、これに対してより高分解能化のため
に、半導体材料を用いて電子線源を構成した例として、
特開平5−74333号公報記載の量子化電子線発生装
置がある。この装置は、図3(a)に示すように、絶縁
領域の間に挟まれた表面に、InGaAs層からなる量
子井戸層とその内部のAlAsSb層からなる電子に対
する障壁層を設け、障壁層と真空中の電界とで2重障壁
構造を形成し、共鳴トンネル効果により伝導帯中の電子
の特定のエネルギー成分だけ強く引き出して単色の電子
線を得ようするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子顕微鏡の分解能を
向上させるには、よりエネルギー幅が狭く、また輝度の
高い電子線源が必須である。従来の電界放出型電子源
は、高電界中で金属(W陰極)から放出される電子線の
エネルギー幅が、図2(a)に示すように、電界集中に
より生じた真空準位三角ポテンシャル中のトンネル確率
とW陰極中の電子分布で決まっており、0.3eV程度
以上あるという問題があった。これは、金属中のフェル
ミ面(EF)からその下数eVまで電子が連続的に充満
していることに起因しており、原理的にこれ以上の単色
化は困難である。また、図2(b)に示すように、フェ
ルミ面付近の電子の運動量が大きいため、電子放出方向
に対して垂直方向の速度分布が大きくなり、電界により
引き出された電子線を収束させようとしても限界がある
という問題があった。
【0005】また、特開平5−74333号公報記載の
電子線源(図3(a))は、電子線源の絶縁領域の間に
挟まれたInGaAs層表面の形状が平面構造をしてい
るため、電界放出に十分な電界が得難く、また得られた
としても、図3(b)に示すように、半導体表面の準位
の存在により、半導体表面のポテンシャルエネルギーが
大きくなり、空乏領域(Wd)が形成されるため、単色
性が期待される伝導帯電子の放出が抑えられ、価電子帯
からの放出電子が多くなり、十分な量の単色電子が得ら
れないという問題があった。
【0006】本発明の第1の目的は、エネルギー幅が狭
くかつ輝度の高い電子線を発生することのできる電子線
源を提供することにある。本発明の第2の目的は、その
ような電子線源を容易に製造することのできる電子線源
の製造方法を提供することにある。本発明の第3の目的
は、エネルギー幅が狭くかつ輝度の高い電子線を発生す
ることのできる電子線源装置を提供することにある。本
発明の第4の目的は、そのような電子線源装置を用いた
電子線装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の電子線源は、先端の尖った、少なく
とも表面が半導体単結晶又は単結晶絶縁性物質からなる
針状構造を有し、この針状構造の先端表面近傍に伝導帯
電子を形成するための電子形成手段を設けるようにした
ものである。
【0008】電子形成手段は、針状構造の一部又は全部
にn型領域を設けてもよく、針状構造の先端表面に形成
されるバンドギャップ中の表面準位密度を越えたn型不
純物ドープ層を設けてもよく、或は、価電子帯の電子を
励起する手段、例えば、光励起手段であってもよい。
【0009】さらに、上記第1の目的を達成するため
に、本発明の電子線源は、先端の尖った、少なくとも表
面が半導体単結晶又は単結晶絶縁性物質からなる針状構
造を有し、その針状構造の先端表面に形成されるバンド
ギャップ中の表面準位を低減するために、針状構造の先
端表面に表面準位低減手段を設けるようにしてもよい。
【0010】表面準位低減手段は、表面準位の数を表面
原子1000個に1つ程度以下に抑える効果のある材料
の表面パッシベーション層、例えば、カルコゲン元素、
水素又はカルコゲン元素と水素の化合物のパッシベーシ
ョン層であればよい。この表面パッシベーション層を構
成する元素又は化合物の量は、バンドギャップ内の表面
準位の数が表面原子1000個当たり一つ以下になるよ
うに定めることが好ましい。
【0011】また、表面準位低減手段は、表面原子の再
配列層であってもよい。特に、上記針状構造を半導体単
結晶とし、{110}面の放線を電子引き出し方向と2
0度以内で一致させることは、表面の清浄化時にできる
表面再配列層のため、バンドギャップ内から表面準位が
殆どなくなるので好ましい。
【0012】表面準位低減手段を設けた針状構造も、そ
の先端表面に形成されるバンドギャップ中の表面準位密
度を越えたn型不純物ドープ層を設けることが好まし
い。
【0013】さらに、上記第1の目的を達成するため
に、本発明の電子線源は、先端の尖った、少なくとも表
面が、少なくとも1種類のIV族の半導体、例えば、Si
の単結晶又はIV族の半導体の混晶、例えばSi−Geか
らなる針状構造を有し、伝導帯中の有効状態密度を越え
る密度の不純物を有するようにしたものである。
【0014】この電子線源においても、針状構造の先端
表面に形成されるバンドギャップ中の表面準位を低減す
るために、その先端表面に表面準位低減手段を設けるこ
とができる。表面準位低減手段は、上記と同様なカルコ
ゲン元素等の表面パッシベーション層であってよい。
【0015】上記の電子線源のすべてに、上記針状構造
上に、Cs、TiO、HfO、ThO、VO、NbO、
YO、ScO、MgO、ZrO、AlO、BeO、Ce
O、CsO、TiN、ZrN、HfN、VN、NbN、
YN、MgN、AlNからなる群から選ばれた少なくと
も一種の材料からなる表面吸着層を設けることができ
る。この表面吸着層は、バンドギャップ内の表面順位を
低減するためのものである。
【0016】表面吸着層は、表面の仕事関数が、針状構
造の先端表面に形成されるバンドギャップの2.5倍以
下、実質的にゼロ近傍以上となるように配置されること
が好ましい。また、表面吸着層は、表面の仕事関数が1
eV以上となるように配置されることが好ましい。さら
に上記電子線源のすべての場合に、針状構造の先端部の
内部に、量子井戸層と、さらにその内側の障壁層とを少
なくとも1組設けた構造としてもよい。
【0017】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の電子線源の製造方法は、先端の尖った、少なく
とも表面が半導体単結晶又は単結晶絶縁性物質からなる
針状構造を準備し、この針状構造の先端表面に形成され
るバンドギャップ中の表面準位を低減するための表面パ
ッシベーション層を、この針状構造の先端表面に形成す
るようにしたものである。
【0018】この表面パッシベーション層の形成は、表
面パッシベーション層を構成する元素を含む溶液に針状
構造を浸漬するか、針状構造にこの溶液を塗布するか、
針状構造に表面パッシベーション層を構成する元素を蒸
着、例えば、真空蒸着、化学気相蒸着するかの方法によ
り行うことができる。
【0019】また、上記第3の目的を達成するために、
本発明の電子線源装置は、上記のいずれか一の電子線源
を用い、この電子線源に対向して正極を配置し、電子線
源の伝導帯の電子を真空中に放出するために、正極に対
して負の電圧を印加する手段を設けるようにしたもので
ある。この電子線源装置で、前記のCs等の表面吸着層
を有するものは、この表面吸着層を構成する材料を供給
する手段を設けるようにすることが好ましい。このとき
電子線源を、10~7パスカル以上の真空雰囲気に置くこ
とが好ましい。
【0020】また、上記第4の目的を達成するために、
本発明の電子線装置は、上記のいずれか一の電子線源装
置を用い、この電子線源装置から放出された電子を加速
するための加速電極と、加速された電子を制御するため
の少なくとも1個の制御電極とを設けるようにしたもの
である。
【0021】
【作用】エネルギー幅が狭くかつ輝度の高い電子線源を
形成するためには、電子のエネルギー分布が小さく、フ
ェルミ面付近の電子の運動量の小さいバンドを持った材
料を用いればよい。そしてこのバンド内の電子を選択的
に真空に放出することにより、高輝度、狭エネルギー幅
の電子線を得ることができる。
【0022】単結晶体の半導体又は絶縁性物質は、禁制
帯近傍にフェルミ準位があり、図4(a)に示されるよ
うに、伝導帯の電子のエネルギー分布が小さく、従って
このような材料を針状にし、高電界をかけて電界放出さ
せると、0.1eV程度以下と極めて単色性の良い電子
線が得られることが期待される。なお、図4においてk
は固体中の電子の運動量、Egはバンドギャップエネル
ギーである。また、電子放出方向に対して垂直方向の運
動エネルギー分布は、自由電子近似によれば、フェルミ
エネルギーの平方根に比例するが、金属の数eVに比べ
て半導体中では0.1eV程度以下とほぼ1桁小さい。
さらに、半導体中では真空中に比べて電子波の波長が数
倍以上長いために、電子の走行方向が半導体と真空界面
で屈折し、界面に対してより垂直に近くなる。これらの
ため、半導体の伝導帯から真空中に放出される電子線の
直進性が良く、従って輝度の高い電子線源が期待され
る。
【0023】このような高性能の電子線源を形成するに
は、n型半導体を電子線源として用いればよいが、半導
体表面にはバンドギャップ内に表面準位が存在するため
に、表面のポテンシャルは内部と異なり、図4(b)に
示されるように、Egだけ増加し、表面に深さWdの電
子の空乏領域が形成される。従ってこのままでは伝導帯
の電子はほとんど放出されず、もっぱら価電子帯の電子
が放出される。ここで、図4(c)に示すように、表面
近傍数nm以内にバンドギャップ中の表面準位密度を超
えたn型不純物ドープ層を入れると、電子の空乏領域は
極めて薄くなり、伝導帯内の電子が容易にトンネル効果
等により表面を通り抜けて真空に放出する。
【0024】また、表面パッシベーション層を設けた
り、再配列等の表面層を形成すれば、バンドギャップ内
の表面準位が低減し、電子の空乏領域は殆どなくなり、
図5(f)に示すように、エネルギー半値幅0.1eV
程度以下と極めて単色で、かつ高輝度の電子線源が得ら
れる。
【0025】図6(a)は放出電流密度と真空中の電界
強度Fの関係を示したもので、n型GaAsについては
仕事関数4.18であり、価電子帯からの電流は線D
に、また、伝導帯からの電流は不純物濃度依存性がある
ために、不純物濃度が1.3×1018/cm2の場合線
Cに、1×1017/cm2の場合線Eに示す。また、表
面パッシベーション層等により、仕事関数が3に減少し
た場合の伝導帯及び価電子帯からの放出電流をそれぞれ
線A、Bに示す。図6(b)は電子線のエネルギー半値
幅と真空中の電界強度の関係を示す図である。
【0026】さて、価電子帯と伝導帯ではバンドギャッ
プがあるため、電子のトンネルする障壁の高さと厚さが
異なっており、トンネル効果による透過確率Dを比べる
と、価電子帯(図5(a))の方は伝導帯(図5
(b))よりも小さい。しかし、図5(c)、(d)に
放出される電子濃度Sのエネルギー分布を示すように、
電子濃度は、価電子帯(図5(c))の方が伝導帯(図
5(d))より桁違いに大きくなる。なお、図におい
て、Exはエネルギーの放出成分である。放出電流は電
子濃度Sと透過確率Dで決定され、そのエネルギー分布
は図5(e)、(f)に示すようになる。ここで、大き
な電流を得ようとして電界強度を大きくするとトンネル
障壁が十分薄くなり、価電子帯からの電子放出が支配的
になる。これを図6(a)中に線C、Dで示す。価電子
帯からの放出電子のエネルギー幅は0.2eV程度以上
あり(図5(e))、より多くの電流を引き出そうとし
て電界を強くすると0.4eV程度にまで拡がる(図6
(b))。また、価電子帯内の電子は、バンド内に充満
しているため(図4(a))、電子放出方向に対して垂
直方向の運動量分布も数eVと極めて広く輝度が低くな
る。従ってこの場合、表面に仕事関数を小さくする層を
設けることにより、バンドギャップに対する仕事関数の
比率を小さくし、より大きな電流領域でも価電子帯から
の電界放出を抑えて(図6(a))、伝導帯からの単色
で高輝度の電子線を得ることができる。この効果は、仕
事関数が半導体のバンドギャップの2.5倍程度以下に
なると顕著となる。
【0027】
【実施例】
〈実施例1〉図1(a)に本発明の電子線源の一実施例
の断面図を示す。<100>方向に伸びた高濃度n型G
aAs単結晶の針状構造1を用い、分子線エピタキシー
(MBE)法により、この先端付近に厚さ5nmの単結
晶GaAs膜12を成長させ、その表面に高濃度不純物
層としてSiのドープ層2を1平方cm当たり1013
濃度に形成し、その上に厚さ2nmのGaAs層3を成
長させる。これを真空装置に導入し、107Torr程
度のAs蒸気中で540℃、5分間の加熱により表面を
清浄化した後、表面準位低減手段として、表面にSeの
単原子層からなる表面パッシベーション層4を蒸着す
る。図1(b)に示すように、Se吸着の結果生ずる分
子軌道5は禁制帯の外周付近にあり、この結果禁制帯内
にあった表面準位が伝導帯又は価電子帯内に移行し、表
面ポテンシャルの増加が抑制される。対向する陽極に対
して先端付近の電界が3〜5V/nm程度になるまで負
の電圧をかけると、図5(f)に示されるような極めて
エネルギー幅の狭い電子線が得られる。室温においては
70meV幅となる。
【0028】本実施例では表面準位低減手段としてSe
を用いたが、この他にS等のカルコゲンや水素或いはS
e、Sと水素との化合物等を用いても同様の効果があ
る。また、これらの吸着物は、蒸着の他に、硫化アンモ
ニウム((NH42S)、硫化水素ナトリウム、硫化ナ
トリウム等の水溶液を電子線源表面に塗布するか、或は
これらの水溶液中に電子線源を浸漬する等して形成する
こともできる。表面準位の数は、表面原子1000個に
1つ程度以下に抑えると表面空乏領域がなくなる。それ
故、表面パッシベーション層を構成する元素又は化合物
は、表面準位の数を表面原子1000個に1つ程度以下
に抑える効果のある材料であれば、上記以外の材料でも
よい。
【0029】なお、本実施例においては、電子放出方位
として、結晶成長のし易さから<100>方位を選んだ
が、<110>方位を選ぶと表面の清浄化時にできる表
面原子の再配列層のためにバンドギャップ内から殆どの
表面準位がなくなり、表面パッシベーション層が不要に
なるという利点がある。この場合、電子放出面内に占め
る(110)面の領域が広い程この効果は大きいため、
電子放出方向は<110>方位から20度以内がよく、
5度以内がさらに好適である。
【0030】また、本実施例においては、電子線源の材
料としてn型GaAsを用いているが、この他にも他の
III−V族化合物半導体、例えばAlAs、AlGaA
s混晶、InGaAsP混晶等、或はII−VI族化合物半
導体、例えば高濃度n型ZnSe、ZnS等、或はIV族
半導体、例えば高濃度n型Ge、Si−Ge、Si等、
或は絶縁性物質、例えばダイヤモンド等を用いても、同
様の効果が得られる。なお、GeやSiのような間接遷
移型の半導体の場合、電子のたまっている谷(バレー)
の方位を電子の走行方向に選ぶと、直進性の良い電子線
が得られ、電子顕微鏡等に応用する際の高分解能化に有
利となる。
【0031】また、Siのような伝導帯中の有効状態密
度の高い材料の場合、これを超える高不純物濃度の材料
を用いれば、表面準位低減手段はなくともよく、また、
全体に高濃度不純物層があることになるので、特別に高
濃度不純物層を形成しなくともよい。この場合も、上記
と同様に、表面準位低減手段として、表面にSe等のカ
ルコゲン元素、水素又はカルコゲン元素と水素の化合物
の単原子層からなる表面パッシベーション層を形成して
もよい。
【0032】また、本実施例においては、材料として半
導体を用いたが、真空中へのトンネル効果に寄与する領
域、すなわち表面から数十nm程度の厚さの領域を半導
体とすればよく、それより内部の電子線源の母材となる
針状構造1として金属、半金属等を用いると、電気抵抗
が半導体よりも小さいために、より大電流量の電子線源
が得られる。例えば、単結晶NiAlを用いると、高濃
度n型GaAsを単結晶成長させることができ、単結晶
CoSi2を用いるとSi、Ge系を単結晶成長させる
ことができる。また、単結晶CaF2、SiC等の絶縁
体を用いても伝導帯に電子を供給する構造とすれば、本
実施例と同様の効果が得られる。この場合半導体に比べ
て耐熱性が高く、大きな電流密度でも壊れずに動作する
という利点がある。
【0033】なお、ここでは結晶成長方法としてMBE
法を用いたが、この他にMOCVD(有機金属気相成
長)法やCVD(気相成長)法等、単結晶薄膜を成長で
きる方法であれば同様に用いることができる。
【0034】また、本実施例においては、表面近傍の伝
導帯電子供給手段として、高濃度ドープ層を用いたが、
このほかに価電子帯の電子を光等により伝導帯中に励起
しても同様の効果がある。図9に示すように、基板73
上にエミッタ72を設け、これに対向してコーン型のア
ノード71を置き、レーザダイオード90と集光レンズ
91によりエミッタ72に光を照射すると、半導体内部
電子のバンド間遷移が誘起され、伝導帯中の電子が増加
する。この場合、単結晶GaAsはn型よりもp型が効
果的である。また、バンド間遷移を誘起させるに十分な
エネルギーの光であれば紫外線でもよい。さらに、基板
の裏面から照射しても同様の効果がある。さらに光で励
起する場合、照射する光の強度によって、得られる電子
線の強度を調節できるという利点がある。
【0035】また、上記実施例においては、表面の仕事
関数の低減手段を用いていないが、表面パッシベーショ
ン層4を設けることなく、GaAs層3の上に、Cs、
Ti−O、Hf−O、Th−O、V−O、Nb−O、Y
−O、Sc−O、Mg−O、Zr−O、Al−O、Be
−O、Ce−O、Cs−O、TiN、ZrN、HfN、
VN、NbN、YN、Mg−N、Al−N等の単分子層
程度の表面吸着層を設け、仕事関数を半導体のバンドギ
ャップの2.5倍程度以下とすると、より大きな電流が
得られる。なお、高輝度な電子線源を得るには、電子放
出源先端に電界集中する必要があるため、表面の仕事関
数は1eV以上有ることが好ましい。従って、CsやC
sO等の仕事関数の極端に低い吸着層は、単原子層より
少なくすることが望ましく、0.1から0.5分子層程
度が好適である。なお、表面パッシベーション層4を設
けた上に表面吸着層を設けてもよい。
【0036】また、上記実施例においては、電子線源
は、単一の単結晶半導体であったが、ヘテロ構造とし、
表面の量子井戸層とその内部の障壁層を用いるとより単
色の電子線が得られる。すなわち、図1に示した電子線
源の針状構造1には前記と同様の高濃度n型GaAs単
結晶を用い、この針状構造1と単結晶GaAs膜12と
の間に障壁層として、1.5nmの厚さのAlAs層を
設ける。量子井戸層を構成する単結晶GaAs膜12、
Siのドープ層3及びGaAs層3の厚さは前記と同じ
とする。さらに、Seの表面パッシベーション層4を同
様に蒸着する。
【0037】この構造により、高電界中の真空準位によ
りできる障壁層との組み合わせで2重障壁構造が得ら
れ、これによる共鳴トンネル効果によって、量子井戸内
にできる量子準位に一致したエネルギーの電子のみを取
り出すことができる。そのため、室温で20〜30me
V、液体窒素温度で5〜6meV程度の極めて単色性の
よい電子線が得られる。なお、障壁層の厚さは、電子波
の浸透長程度以下であればよく、0.5nmから10n
mの範囲とすることが好ましい。
【0038】ヘテロ構造の材料系としては、上記のGa
As/AlAs系の外に、その他のIII−V族化合物半
導体、ZnSe/ZnS系等のII−VI族化合物半導体、
Ge/Si系等のIV族半導体、或いは半導体/絶縁体
系、金属/半導体系等の2重障壁構造を形成できるもの
を用いて、ほぼ同様の効果が得られた。
【0039】〈実施例2〉図7(a)に、本発明の電子
線源装置の一実施例の模式図を示す。高濃度n型GaA
s(110)面基板73をエッチングにより加工し、基
板73上に先端の尖ったコーン型のエミッタ72を格子
状に形成する。全体を真空度10~7パスカル以上の真空
中に置く。大気中から挿入した基板73は、裏面にある
ヒータ75により加熱し、表面を清浄化する。エミッタ
72近くにるつぼ76とヒータ77を配し、加熱により
CsO等の仕事関数を低下させる材料の分子線74を発
生させ、エミッタ72表面に表面吸着層を作る。基板7
2と対向してコーン型のアノード71を置き、両者の相
対位置を調節可能にする。この結果、コーン型エミッタ
の一つに選択的に電界をかけて、伝導帯からの単色で輝
度の高い電子線を引き出すことができる。蒸着するCs
Oの量は、基板73とアノード71間に一定の電圧を印
加しておき、電流値の増加により検出して調節すること
ができる。エミッタ72は1個でもよいが、破損したと
き等の予備として、複数個設けた方がよい。表面吸着層
は、CsO以外の実施例1で述べた他の材料を用いても
同様の効果が得られる。
【0040】なお、表面吸着層を形成する方法として
は、るつぼ76とヒータ77を設ける他に、図7(b)
に示すように、基板73上に表面吸着層70となる材料
の拡散源78を置き、加熱してこの材料を表面に拡散さ
せて材料を供給してもよく、この場合るつぼが不要とな
り、簡便に装置が形成できるという利点がある。また、
本実施例においても、実施例1と同様に、表面準位低減
手段として、表面にSe等のカルコゲン元素、水素又は
カルコゲン元素と水素の化合物の単原子層からなる表面
パッシベーション層を蒸着して設けてもよい。
【0041】図8は、本発明の電子線源装置を電子顕微
鏡等の装置に用いた一例の部分断面図である。基板73
は、裏面にオーミックコンタクト用のAu−Ge−Ni
−W合金の被膜があり、カソード支持筒82上に金の薄
膜を挟み加熱によって接着されている。カソード支持筒
82は、ベローズ84によりシールされた平行移動ステ
ージ83に固定され、電子銃筒85の内部が真空でも、
外部の大気中からx方向への移動を可能にしている。な
お、88は真空容器である。
【0042】一方、アノード71はアノード支持筒17
に固定され、凸部が基板73の電子放出源に近接するよ
うになっている。また、カソード支持筒82内部にはヒ
ーター75が置かれ、エミッタを500℃から600℃
に加熱して表面を清浄化することができる。さらに、こ
の場合水素や酸素等は、10~5パスカルから10~2パス
カル程度のガスとして導入される。このため、Csは蒸
着で、酸素はガスで独立に供給量が決定できるため、よ
り最適な表面吸着種が得られるという利点がある。
【0043】なお、本実施例においては、基板表面を加
熱清浄化するためにヒータを設置しているが、他の方法
で清浄表面が得られれば必ずしも必要ではない。例え
ば、水素ガスやフロロカーボン、四塩化炭素等を導入
し、アノードとエミッタ間に数百〜数千Vの電圧をか
け、発生したプラズマで表面を清浄化してもよい。
【0044】〈実施例3〉本発明の電子線装置の一実施
例の断面図を図10に示す。アノード71と電子放出源
を有する基板73とに印加された電圧V1(約2.5k
V)により、電子放出源から電子線が放出される。引き
出し電圧(V1)は、エミッタとアノードの間隔で決定
されるが、実用的には、10V〜10kVの範囲で動作
させればよい。次ぎに加速電極103に電圧V2(約1
00V)を印加し、所望の加速電圧の電子線を得る。加
速電極103を通過した電子線は、コンデンサレンズ1
04や、絞り100や、対物レンズ105により細く絞
られて、試料107を照射する。このとき発生する2次
電子は、2次電子検出器108で検出し、その検出信号
強度を、電子線を試料107の表面上で2次元的に走査
する偏向器106の偏向信号と同期してCRT上に表示
すれば、SEM像が得られる。本発明によれば、単色で
輝度の高い電子線が得られるため、極めて分解能が高い
という利点がある。
【0045】この電子線装置は、電子線のエネルギー幅
(ΔV)が狭いため、これに比例する色収差(Ac∝Δ
V/V2)を劣化させずに加速電圧(V2)を下げること
ができる。従って、低ダメージの測長SEM等の低加速
電子線(5V〜700V程度、好ましくは10V〜50
0V程度)が求められる装置をより高性能化できる。ま
た、加速電圧(V2)が従来のSEM(加速電圧:80
0V〜30kV程度)や透過型電子顕微鏡(加速電圧:
20kV〜2000kV程度)と同じでも、色収差が
(Ac)が小さいため、レンズ系の最適化により、色収
差係数(α=Ac・V2/ΔV)は大きくとも、他の収
差係数の小さいレンズ系を用いることができ、設計の自
由度が増加する。
【0046】以上、電子線装置の一例を示したが、レン
ズや偏向器の数や配置は本実施例に限られないことはい
うまでもない。また、本実施例では走査電子顕微鏡の例
を示したが、電子エネルギー損失分光等の単色の電子線
を要する電子分光装置等に、この電子線源装置を用いて
も有用である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
単色で高輝度の電子線を発生することのできる電子線源
を得ることができた。また、このような電子線源を容易
に製造することができた。また、単色で高輝度の電子線
を発生することのできる電子線源装置を得ることができ
た。さらに、そのような電子線源装置を用いた電子線装
置を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電子線源の部分断面図及び
その原理の説明図。
【図2】従来の電子線源の原理の説明図とその部分断面
図。
【図3】従来の電子線源の断面模式図とその原理の説明
図。
【図4】本発明の原理の説明図。
【図5】本発明の原理の説明図。
【図6】本発明の原理を説明するための放出電流密度と
電界強度の関係を示す図及びエネルギー半値幅と電界強
度の関係を示す図。
【図7】本発明の実施例2の電子線源装置の模式図。
【図8】本発明の実施例2の電子線源装置の断面図。
【図9】本発明の実施例1の電子線源装置の模式図。
【図10】本発明の実施例3の電子線装置の断面模式
図。
【符号の説明】
1…針状構造 2…ドープ層 3…GaAs層 4…表面パッシベーション層 5…分子軌道 12…単結晶GaAs膜 17…アノード支持筒 70…表面吸着層 71…アノード 72…エミッタ 73…基板 74…分子線 75…ヒータ 76…るつぼ 77…ヒータ 78…拡散源 82…カソード支持筒 83…平行移動ステージ 84…ベローズ 85…電子銃筒 88…真空容器 90…レーザダイオード 91…集光レンズ 100…絞り 103…加速電極 104…コンデンサレンズ 105…対物レンズ 106…偏向器 107…試料 108…2次電子検出器

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端の尖った、少なくとも表面が半導体単
    結晶又は単結晶絶縁性物質からなる針状構造と、該針状
    構造の先端表面近傍に伝導帯電子を形成するための電子
    形成手段とを有することを特徴とする電子線源。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電子線源において、上記電
    子形成手段は、上記針状構造の一部又は全部に形成され
    たn型領域であることを特徴とする電子線源。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電子線源において、上記電
    子形成手段は、上記針状構造の先端表面に形成されるバ
    ンドギャップ中の表面準位密度を越えたn型不純物ドー
    プ層であることを特徴とする電子線源。
  4. 【請求項4】請求項1記載の電子線源において、上記電
    子形成手段は、価電子帯の電子を励起する手段であるこ
    とを特徴とする電子線源。
  5. 【請求項5】請求項4記載の電子線源において、上記価
    電子帯の電子を励起する手段は、光励起手段であること
    を特徴とする電子線源。
  6. 【請求項6】先端の尖った、少なくとも表面が半導体単
    結晶又は単結晶絶縁性物質からなる針状構造と、該針状
    構造の先端表面に形成されるバンドギャップ中の表面準
    位を低減するために、針状構造の先端表面に設けられた
    表面準位低減手段を有することを特徴とする電子線源。
  7. 【請求項7】請求項6記載の電子線源において、上記表
    面準位低減手段は、表面パッシベーション層であること
    を特徴とする電子線源。
  8. 【請求項8】請求項7記載の電子線源において、上記表
    面パッシベーション層は、カルコゲン元素、水素又はカ
    ルコゲン元素と水素の化合物のパッシベーション層であ
    ることを特徴とする電子線源。
  9. 【請求項9】請求項7又は8記載の電子線源において、
    上記表面パッシベーション層を構成する元素又は化合物
    の量を、バンドギャップ内の表面準位の数が表面原子1
    000個当たり一つ以下になるように定めたことを特徴
    とする電子線源。
  10. 【請求項10】請求項6記載の電子線源において、上記
    表面準位低減手段は、表面原子の再配列層であることを
    特徴とする電子線源。
  11. 【請求項11】請求項10記載の電子線源において、上
    記針状構造は、半導体単結晶であり、{110}面の放
    線を電子引き出し方向と20度以内で一致させたことを
    特徴とする電子線源。
  12. 【請求項12】請求項6から11のいずれか一に記載の
    電子線源において、上記針状構造は、その先端表面に形
    成されるバンドギャップ中の表面準位密度を越えたn型
    不純物ドープ層を有することを特徴とする電子線源。
  13. 【請求項13】請求項1から12のいずれか一に記載の
    電子線源において、上記針状構造は、III−V族化合物
    半導体又はそれらの混晶からなることを特徴とする電子
    線源。
  14. 【請求項14】先端の尖った、少なくとも表面が、少な
    くとも1種類のIV族の半導体の単結晶又はIV族の半導体
    の混晶からなる針状構造からなり、伝導帯中の有効状態
    密度を越える密度の不純物を有することを特徴とする電
    子線源。
  15. 【請求項15】請求項14記載の電子線源において、上
    記IV族の半導体はSiであることを特徴とする電子線
    源。
  16. 【請求項16】請求項14又は15記載の電子線源にお
    いて、上記針状構造の先端表面に形成されるバンドギャ
    ップ中の表面準位を低減するために、上記針状構造の先
    端表面に表面準位低減手段を設けたことを特徴とする電
    子線源。
  17. 【請求項17】請求項16記載の電子線源において、上
    記表面準位低減手段は、表面パッシベーション層である
    ことを特徴とする電子線源。
  18. 【請求項18】請求項17記載の電子線源において、上
    記表面パッシベーション層は、カルコゲン元素、水素又
    はカルコゲン元素と水素の化合物のパッシベーション層
    であることを特徴とする電子線源。
  19. 【請求項19】請求項17又は18記載の電子線源にお
    いて、上記表面パッシベーション層を構成する元素又は
    化合物の量を、バンドギャップ内の表面準位の数が表面
    原子1000個当たり一つ以下になるように定めたこと
    を特徴とする電子線源。
  20. 【請求項20】請求項1から19のいずれか一に記載の
    電子線源において、上記針状構造上に、Cs、TiO、
    HfO、ThO、VO、NbO、YO、ScO、Mg
    O、ZrO、AlO、BeO、CeO、CsO、Ti
    N、ZrN、HfN、VN、NbN、YN、MgN、A
    lNからなる群から選ばれた少なくとも一種の材料から
    なる表面吸着層が設けられたことを特徴とする電子線
    源。
  21. 【請求項21】請求項20記載の電子線源において、上
    記表面吸着層は、表面の仕事関数が、針状構造の先端表
    面に形成されるバンドギャップの2.5倍以下となるよ
    うに配置されたことを特徴とする電子線源。
  22. 【請求項22】請求項20記載の電子線源において、上
    記表面吸着層は、表面の仕事関数が1eV以上となるよ
    うに配置されたことを特徴とする電子線源。
  23. 【請求項23】請求項1から22のいずれか一に記載の
    電子線源において、上記針状構造の先端部は、その内部
    に配置された量子井戸層と、さらにその内側に配置され
    た障壁層の少なくとも1組を有することを特徴とする電
    子線源。
  24. 【請求項24】先端の尖った、少なくとも表面が半導体
    単結晶又は単結晶絶縁性物質からなる針状構造を準備
    し、該針状構造の先端表面に形成されるバンドギャップ
    中の表面準位を低減するための表面パッシベーション層
    を、該針状構造の先端表面に形成することを特徴とする
    電子線源の製造方法。
  25. 【請求項25】請求項24記載の電子線源の製造方法に
    おいて、上記表面パッシベーション層の形成は、表面パ
    ッシベーション層を構成する元素を含む溶液に上記針状
    構造を浸漬するか、上記針状構造に該溶液を塗布するか
    又は上記針状構造に、表面パッシベーション層を構成す
    る元素を蒸着するかにより行うことを特徴とする電子線
    源の製造方法。
  26. 【請求項26】請求項1から23のいずれか一に記載の
    電子線源と、該電子線源に対向して配置された正極と、
    電子線源の伝導帯の電子を真空中に放出するために、該
    正極に対して負の電圧を印加する手段とを有することを
    特徴とする電子線源装置。
  27. 【請求項27】請求項20記載の電子線源と、該電子線
    源に対向して配置された正極と、電子線源の伝導帯の電
    子を真空中に放出するために、該正極に対して負の電圧
    を印加する手段と、上記表面吸着層を構成する材料を供
    給する手段とを有することを特徴とする電子線源装置。
  28. 【請求項28】請求項27記載の電子線源装置におい
    て、上記電子線源は、10~7パスカル以上の真空雰囲気
    に置かれていることを特徴とする電子線源装置。
  29. 【請求項29】請求項26から28のいずれか一に記載
    の電子線源装置と、該電子線源装置から放出された電子
    を加速するための加速電極と、加速された電子を制御す
    るための少なくとも1個の制御電極とを有することを特
    徴とする電子線装置。
  30. 【請求項30】電子線源装置と、該電子線源装置から放
    出された電子を加速するための加速電極と、加速された
    電子を制御するための少なくとも1個の制御電極とを有
    する電子線装置において、上記加速電極は、5Vから7
    00Vの範囲の電圧が印加される加速電極であることを
    特徴とする電子線装置。
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