JPH08179887A - 座標検出装置 - Google Patents

座標検出装置

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JPH08179887A
JPH08179887A JP32212694A JP32212694A JPH08179887A JP H08179887 A JPH08179887 A JP H08179887A JP 32212694 A JP32212694 A JP 32212694A JP 32212694 A JP32212694 A JP 32212694A JP H08179887 A JPH08179887 A JP H08179887A
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electrodes
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 開発コストの上昇や歩留まりの低下を回避で
き、新たな設備投資を回避できる座標変換装置を提供す
る。 【構成】 電極106と電極107を有する液晶パネル
100と、電極の先端から交流電界を出力する電界発生
器208と、差動増幅器242と、差動増幅器242に
液晶パネル100の電極を逐次選択して接続する切換回
路249,250と、上記電極を選択するタイミングと
差動増幅器242の出力とに基づいて電界発生器208
が存在する座標を検出する座標検出回路105とを備え
ている。 【効果】 表示専用液晶パネルと同じ構造の液晶パネル
100を使用して座標検出機能を実現できる上に、液晶
パネル100の電極に閉ループを形成させる必要がない
から、液晶パネルの4辺に対向する基板を設ける必要が
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、座標検出装置に関
し、たとえば、X−Yマトリクス状に配置した電極構成
を有する1枚の液晶パネルを用いて、この液晶パネル自
体が座標入力機能を併せ持つようにしたマンマシンイン
ターフェースとして用いる座標入力機能付き液晶表示装
置に関する。より詳しくは、従来から用いられている液
晶パネルを何等変更することなくそのまま用いて構成で
きる座標検出装置に関する。特に、液晶パネルの電極を
電界発生を用いて座標入力する方法を使用する構成の一
部として兼用することができる座標検出装置に関する。
さらには、液晶パネルとは別体の電界発生手段から発生
する電界を液晶パネルの電極に作用させたて、この電極
に発生する誘導電圧を検出して、電界発生手段の座標を
検出することができる座標検出手段に関する。
【0002】
【従来の技術】ワードプロセッサやパーソナルコンピュ
ータにおけるマンマシンインターフェースは、近年著し
い発展を遂げている。特に、電子的な構造を持った座標
指示装置をペンとして用い、液晶表示パネルを記入用紙
として用いて、上記表示パネルに、直接、文字や図形を
書き込むことができる座標入力機能付き液晶表示装置が
提案されている(たとえば、第1の従来例としての特開
平5−53726号公報参照)。
【0003】この第1の従来例は、図41に示すよう
に、表示一体型タブレット装置である。図41に示すよ
うに、切り替え回路907は、制御回路9010の制御
に従って座標検出期間には座標検出制御回路906側に
切り替わり、制御回路906を選択する。そして、検出
制御回路906からの各信号にもとづいて、セグメント
駆動回路903がセグメント電極操作信号を生成して、
液晶パネル901のセグメント電極Xを順次走査する。
続いて、コモン駆動回路902は、コモン電極走査信号
を生成してコモン電極Yを順次走査する。x座標検出回
路908およびy座標検出回路909は、電子ペン90
11の先端電極に誘起された誘導電圧に基づいて、電子
ペン9011先端のx座標およびy座標を検出する。ま
た、表示期間には、切替回路907は、表示制御回路9
04側に切り替わり表示制御回路904を選択する。し
たがって、液晶パネル901に画像が表示される。
【0004】このように、上記第1の従来例によれば、
表示機能を一体化させたタブレット装置を構成できる。
【0005】つまり、上記第1の従来例によれば、座標
検出期間には、液晶パネルに走査電圧を印加して、その
走査電圧が電子ペンに誘導する電圧を検出して電子ペン
の座標を確定するよう動作する一方、表示期間には、従
来の液晶パネルと全く同一の動作原理によって画像表示
を行なうことができる。
【0006】これにより、従来の液晶表示パネルを何等
変更することなく、電子ペンによる座標入力機能を付加
することが可能になった。
【0007】次に、第2の従来例(特開昭54−245
39号公報参照)を説明する。この第2の従来例は、図
42に示すように、座標入力機能付き液晶表示装置に用
いる液晶パネルの一構成例である。図42において、3
1は液晶パネルである。この液晶パネル31はガラス基
板32とガラス基板35を有している。この一方のガラ
ス基板32は、内面にX軸方向に延在している表示用の
太い電極33と入力座標検出用の細い電極34とが交互
に形成されている。また、他方のガラス基板35の内面
にも、太い電極33および細い電極34と直交した方向
に延在しているY軸方向の表示用の太い電極36と入力
座標確認用の細い電極37とが交互に形成されている。
そして、上記2枚のガラス基板32と35との間の隙間
に、液晶物質が封入されている。そして、上記ガラス基
板32にはコネクタ38と39とが取り付けられてお
り、ガラス液晶基板35にはコネクタ40と41とが取
り付けられている。そして、上記ガラス基板32と35
は、上記コネクタ38,39と40,41によって、外
部回路に接続される。
【0008】この第2の従来例は、1枚の液晶パネルで
座標入力と表示の機能を兼用して行うものである。この
第2の従来例は、2つの動作モードすなわち画像表示モ
ードと画像入力モードとを有している。
【0009】上記第2の従来例は、画像表示モードで
は、広く知られたドットマトリクス液晶の動作原理によ
って、互いに直交した太い電極33と36を用いて動作
するものと考えられる。液晶ディスプレーが広く使われ
るようになった今日、この画像表示に関しては特に説明
は要しないものと思われる。
【0010】一方、上記第2の従来例は、座標入力モー
ドでは、図42に示した液晶パネル31上に形成されて
いる細い電極34と37と、コネクタ38と39と40
と41とを用いて、図43に示すように、たとえばX方
向について、3つのループ42,43,44を形成す
る。このループ42,43,44を形成することによっ
て、液晶パネル31上のX座標は2の3乗個、即ち8つ
の領域に分類できる。
【0011】ここで、交流電源47で駆動されるコイル
48を備えた磁界発生器45を、図43中の記号Aの位
置に配置すると、上記磁界発生器45が発生した磁界
は、ループ42を貫通するから、ループ42に誘導電流
を生じさせる。一方、上記磁界は他のループ43,44
をほとんど貫通しないから、他のループ43と44には
ほとんど誘導電流を生じさせない。
【0012】また、上記磁界発生器45を、記号Bの位
置に位置させると、磁界発生器45が発生した磁界は、
ループ43と44を貫通するから、ループ43と44に
誘導電流を生じさせる。一方、上記磁界はループ42を
ほとんど貫通しないから、他のループ42にはほとんど
誘導電流を生じさせない。
【0013】したがって、各ループ42,43,44に
所定の増幅器51を接続して、比較器52を用いて、出
力電流の大きさを常に観察して、ある閾値と比較して各
ループからの出力電流の大きさを2値化し、各ループか
ら得られる1/0出力を2進数化すれば、磁界発生器4
5が上記8つの領域の中のどこに磁界発生器45がある
のかを判定できる。たとえば前記した記号Aの位置は1
00、記号Bの位置は011というように表わされるか
ら、出力値と位置の関係を示した表を用いればよい。
【0014】Y軸方向の位置の検出も上記X軸方向の位
置の検出とまったく同様に行うことができる。このよう
に、X−Y軸方向の2つの位置を確定することによって
磁界発生器45の液晶パネル上の座標を検出できる。
【0015】以上のごとく、第2の従来例は、複数のコ
イル(ループ)を形成して、磁気発生器45から各コイル
(ループ)に誘起される誘導電流の大きさを常に監視し
て、磁気発生器の位置を特定する技術を用いて、1枚の
液晶パネル31を座標入力と画像表示に共用することが
できる。
【0016】このような第1,第2の従来例を更に発展
させたものとして、第3の従来例(特開昭61−286
918号公報に記載の「座標入力機能付液晶表示装
置」)がある。この第3従来例の座標入力機能付き液晶
表示装置は、図44に示すように、座標入力表示パネル
としてX−Yマトリクス状に電極XとYが配置された液
晶パネルを備えている。図44には、X軸の電極Xを8
本だけ示している。また、Y軸の電極Yについても部分
的に示している。
【0017】図44に示すように、上記第3従来例は、
双方向性のスイッチング素子13aと13bを備えてい
る。このスイッチング素子13は、液晶パネルを入力装
置として用いる場合に、素子上の電極をループ状のコイ
ルに形成するために用いられる。上記スイッチング素子
13aとbのコントロール線はすべて入出力切り替え制御
線18に接続されている。
【0018】また、上記第3従来例は、上記液晶パネル
を表示装置として用いる場合に用いるスイッチング素子
14を有している。スイッチング素子14には画像信号
制御回路15によって画像信号が与えられ、スイッチン
グ素子14のドレインにはすべて抵抗器16を介して所
定の電位が与えられる。
【0019】また、差動増幅器19は、上記液晶パネル
を入力装置として用いる場合に上記ループ上のコイルに
発生する微弱な誘導電流を、取り扱いが容易な信号レベ
ルまで増幅する。
【0020】上記スイッチング素子13aとスイッチン
グ素子14と画像信号制御回路15は集積化された一体
回路20aとしてパネルの上側面から各電極に接続さ
れ、また、差動増幅器19とスイッチング素子13bは
同じく集積化された一体回路20bとしてパネルの下側
面から各電極に接続される。
【0021】上記第3従来例は、上記X軸の電極につい
ての構成と同様の構成をY軸の電極についても有してい
る。
【0022】次に、図44を参照して、第3従来例の座
標入力機能付き液晶表示装置の動作について説明する。
まず、表示動作では、入出力切り替え制御線18がオフ
になり、スイッチング素子13aと13bは全てオフにな
る。その結果、X軸電極X1,X2,X3,Xmはすべ
て独立した状態になる。そして、制御回路15によって
画像信号がスイッチング素子14のゲートに与えられ、
画像信号によってオン状態になっているスイッチング素
子に接続されている電極に電位が与えられる。
【0023】これと同期して、Y軸電極Y1,Y2,Y
3,Ymは順次いずれかひとつがオン状態になるように
制御される。ここにおいて、液晶パネルは一般のドット
マトリクス型液晶表示素子と同様の原理で表示動作を行
う。
【0024】次に入力動作では、入出力切り替え制御線
18がオンになり、スイッチング素子13a,13bも全
てオンになる。その結果、X軸電極X1,X2,X3,
Xmは、図45に示した配置をなすループ状の電極10
を形成する。さらに、画像信号制御回路15からの全て
の画像信号はオフ状態で出力され、スイッチング素子1
4もすべてオフになる。
【0025】図45において、11はカーソルコイル、
12は交流信号源である。ここで、カーソルコイル11
が交流信号源12によって駆動されると、カーソルコイ
ルからの交流磁界によってループ状に接続された電極1
0に誘導電流が流れる。
【0026】この誘導電流を検出すれば、X軸のどの電
極にカーソルコイルがもっとも接近しているかが検出で
きる。この検出の原理と類似した原理は、先述の第2従
来例(特開昭54−24539号公報)にも記載されて
いる。
【0027】さらに、第3従来例では、液晶パネルを周
辺回路とともにこのような構成にして、入出力一体で用
いる装置とするために、入力と出力を時分割で用いるこ
とが提案されている。図46にそのタイミングチャート
の一例を示す。
【0028】この例では、表示のために、あるY軸電極
Ypがオンになり、次に隣の電極Yp+1がオンになる間
に、入出力切り替え制御端子をオンとし、制御回路15
によりスイッチング素子14を全てオフにして、入力動
作させ、位置情報を得る。その後、Y軸電極Yp+1がオ
ンとなり、表示動作に移る。このようにして表示動作と
入力動作が交互に時分割的に繰り返されるものである。
【0029】以上述べたように、この第3従来例は、入
力装置として用いるときに液晶パネルの表示用電極の先
端を短絡して、適当なループ状に接続することができる
よう制御できる周辺回路を有し、入力装置として用いる
ときにはこの周辺回路を作用させて電極の複数のループ
を構成し、この各ループに別途用意した磁界発生手段か
ら発生する磁界を作用させたときに生ずる誘導電流を常
に監視して、磁界発生手段の座標を得ようというもので
ある。
【0030】ここで、この第3従来例と第2従来例とが
共通する点としては、1枚の液晶パネルを座標入力と表
示に兼用して使用しようという着想点と、複数のループ
状コイルを用いてパネルの位置を分割し、磁気発生器を
これらのコイルに作用させたときに生ずる誘導電流を各
コイル別に常に監視して、2進数列で磁気発生器の座標
を表そうとする座標検出原理そのものとが抽出される。
さらに、共通点としては、共通の検出原理を利用したた
めに発生する共通の問題点の数々(後述する)がある。
【0031】この第3従来例に示すように、磁界発生手
段から発生させた磁界を、ループ状に接続した複数の電
極線に作用させたときに流れる誘導電流を検出して、磁
界発生手段の座標位置を検するようにした座標入力技術
自体は、きわめて周知の技術である。
【0032】また、この第3従来例を第2従来例と比較
したときの相違点は、第3従来例では座標検出用に特殊
な専用電極を液晶パネル上に形成する必要がない点と、
第3従来例では表示用電極を座標検出用電極と兼用する
ために、特殊な周辺回路を必要とする点である。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第1の
従来例と第2の従来例とは、液晶パネルと電子ペンを用
いて座標検出するという点で共通しているが、前者が液
晶パネルから電子ペンへの信号伝達を利用しているのに
対し、後者は電子ペンから液晶パネルへの信号伝達を利
用している点で異なっている。
【0034】上記第1の従来例は、液晶パネルを信号発
生器として用い、液晶パネルから電子ペンに誘起された
信号を検出して電子ペンの液晶パネル上の座標を検出し
ている。したがって、第1の従来例では、電子ペンに誘
起された出力信号を、電子ペンから信号処理装置へ信号
伝送することが不可欠である。このことは、電子ペンを
小型に成形しようとする場合には大きな障害になる。な
ぜならば、電子ペンから信号処理装置へ信号を伝送する
ためには、電子ペンが有線または無線による何らかの信
号伝送手段を備える必要があるからである。たとえば有
線で伝送するには、信号伝達のための適当なリード線が
必要である。このリード線は、使用上大きな障害となる
ことは明らかである。また、無線伝送を行うとリード線
が不要による利点があるが、このためには、信号の無線
送信部を組み込まなければならない。そうすると、例え
ば電子ペン全体を電池で駆動する場合に、電池寿命の観
点から上記無線送信部の消費電力が大きなウェートを占
めることは明らかであり、電池寿命の大幅な低下を招く
問題がある。もちろん、電子ペン内の少ないスペースに
必要な無線送信回路を組み入れることが困難である問題
もある。
【0035】一方、第2の従来例では、電子ペンが発生
した磁気信号を液晶パネルによって処理するから、第1
の従来例と異なり、電子ペンが検出した信号を伝達する
ための接続ケーブルは不必要である。
【0036】しかし、第2の従来例は、入力機能と表示
機能を単一の液晶パネルを用いて実現するためには、入
力時には液晶パネルの隣接した電極を先端部で互いに短
絡してループを形成する必要があり、表示時には上記ル
ープを解放する必要がある。したがって、第2の従来例
の表示/座標入力機能一体装置が有する液晶パネル制御
回路は、表示のみを行う液晶表示装置が有する液晶パネ
ル制御回路では不要な特殊な双方向性を有する切り替え
可能なスイッチング素子を追加で組み込む必要があると
いう問題がある。
【0037】液晶技術に関する産業が設備産業であると
言われるようになって久しい。つまり、液晶技術は製造
設備と密接に関連している産業である。そして、上記し
たような新たな素子組み込みは、一括形成すれば非常に
簡単に実現できると考えられがちである。しかし、従
来、非常に多くの半導体素子を一括形成することができ
たのは、それら半導体素子への回路的要求が皆等しく、
したがって必要とする特性も揃っているからである。逆
に、このような特性の等しい極めて多くの半導体素子を
一括して形成するからこそ、高価な設備が有効に稼働す
るともいえる。
【0038】これに対し、新たに組み込む必要のあるス
イッチ素子は、仮に一括形成して組み込むとしても、従
来から一括形成されて組み込まれてきた半導体素子とは
著しく回路的要求が異なる上に、特性もまったく異なる
ものである。このような特殊な半導体素子を新に液晶パ
ネルに組み込むことは、液晶パネルの開発プロセスを増
加させ、歩留まりの低下や、非常なコスト上昇に直結す
る。
【0039】また、第3の従来例の技術によると、例え
ば、図44の一体回路20aや20bに示したように、ス
イッチング素子や制御回路を集積化した一体回路を、液
晶パネルの4辺から同時に電極に接続する必要があった
(図44では、X軸電極のみに関する構成を示したの
で、上下2側面からのみ液晶パネルの電極に接続するよ
うになっているが、同様の構成がY軸電極についても必
要であるから、結局、パネルの上下左右、4方向から同
時に一体回路を電極に接続する必要があることにな
る)。したがって、このような表示,座標入力機能一体素
子に用いる液晶パネルは、タブ接続端子を4辺に設ける
必要がある。
【0040】これに対し、一般に用いられている表示の
みを行う液晶パネルは、タブ接続端子が2辺または3辺
から引き出される構造になっている。したがって、上記
第2の従来例では、一般的な表示のみを行う液晶パネル
を、何等変更することなくそのまま表示/座標入力機能
一体装置に適用することはできない。
【0041】従って、新らたに4辺から4方向へタブ接
続端子を引き出すことができて、上記第2の従来例に適
用できるような表示/座標入力機能一体装置専用の液晶
パネルを開発することはもちろん可能である。しかし、
そのためには、いうまでもなく多大の設備投資が必要で
あり、産業発展上の大きな問題となる。
【0042】以上まとめると、上記第2の従来例は、表
示パネルに座標入力機能を追加する必要があるから、液
晶表示パネル自体に変更を加えて表示/座標入力機能一
体装置専用の液晶パネルを新たに開発することが必要で
ある。また、第2および第3の従来例は、液晶パネルか
ら引き出されたタブ接続端子は、一体回路20等をとり
つけたプリント基板等に接続されるので、液晶パネルの
4辺から4方向にタブ接続端子を引き出す必要がある。
したがって、第3の従来例で使用する液晶パネルは、2
辺または3辺からだけタブ接続端子を引き出せばよい従
来の表示のみを行う液晶パネルに比較して、液晶パネル
が含んでいるプリント基板の専有面積、いわゆる液晶パ
ネルの額縁部分が大型化する。そのため、液晶パネルを
含んだ製品として表示/座標入力機能一体装置が大型化
するという問題がある。
【0043】結局、従来提案されてきた技術は、液晶パ
ネルの製造コストという面からも、最終製品の利用形態
という面からも、いずれも実現困難か、もしくは無駄が
多いものばかりであると考えられる。
【0044】そこで、この発明の目的は、以上述べてき
た従来技術にもとづく問題点を解決できる座標検出装置
を提供することにある。
【0045】つまり、この発明の目的は、液晶パネルに
特殊な双方向性を有した切り替え可能なスイッチング素
子を新たに液晶パネルに組み込む必要性がなく、また、
タブ接続端子を液晶パネルの4辺に設ける必要性がない
座標検出装置を提供することにある。
【0046】すなわち、この発明の目的は、従来から用
いられてきた表示専用の液晶パネル自体に何らの変更を
加えることなく、表示と座標入力の両方の機能を一体に
備えた装置に適応させることができ、開発コストの上昇
や歩留まりの低下を回避できる上に、コストアップ要因
となる設備投資を回避できて総合的に産業進展に寄与す
ることができる座標検出装置を提供することにある。
【0047】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1の発明は、第1電極と、この第1電極に交
差する方向に延びる第2電極とを有する座標検出のため
のパネルと、交流発振器と電極を含み、この交流発振器
が発生する交流電界を電極の先端から出力する座標指示
装置と、差動増幅器と、上記パネルの電極に対する接続
を逐次切り替えて上記電極を逐次選択すると共に、上記
選択された電極を差動増幅器に導通させる切替手段と、
上記電極を選択するタイミングと上記差動増幅器の出力
とに基づいて、座標を検出する座標検出手段とを備えた
ことを特徴としている。
【0048】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の座標検出装置において、上記パネルは、電気光学効果
を有する物質が2枚の基板間に封入されており、上記基
板上に上記第1電極および第2電極を配置して、上記第
1電極および第2電極に画像表示用の電極を兼ねさせて
いる座標検出用ディスプレイパネルであることを特徴と
している。
【0049】また、請求項3の発明は、請求項1に記載
の座標検出装置において、上記座標指示装置の発振器
は、互いに逆相の電界を発振し、上記座標指示装置の電
極は上記発振器から逆相の電界が印加される第1,第2
の2種類の電極からなることを特徴としている。
【0050】また、請求項4の発明は、請求項3に記載
の座標検出装置において、上記座標指示装置の第1の電
極は筒状の電極であり、上記座標指示装置の第2の電極
は上記筒状の電極の内側に配置された棒状の電極である
ことを特徴としている。
【0051】また、請求項5の発明は、請求項3に記載
の座標検出装置において、上記座標指示装置の第1の電
極は、第2の電極を中心とする円周上に略等間隔に配置
されていることを特徴としている。
【0052】また、請求項6の発明は、請求項1に記載
の座標検出装置において、上記座標指示装置は、上記交
流発振器の電源としてのバッテリーを内蔵するためのバ
ッテリー収納部を有していることを特徴としている。
【0053】また、請求項7の発明は、請求項1に記載
の座標検出装置において、上記座標指示装置は、上記交
流発振器の電源としての2次電池を内蔵するためのバッ
テリー収納部と、上記バッテリー収納部に2次電池が収
納されたときに上記2次電池に電気的に接続される充電
用端子とを有し、上記パネルが取り付けられる外箱に、
上記座標指示装置を収納する収納部と、この収納部に座
標指示装置が収納されたときに上記座標指示装置の充電
用端子に電気的に接続されて上記充電用端子に電力を供
給できる電力供給端子とが設けられていることを特徴と
している。
【0054】また、請求項8の発明は、請求項1に記載
の座標検出装置において、上記差動増幅器の出力端子と
反転入力端子との間に、上記交流発振器が発生する交流
電界に共振する共振回路が接続されていることを特徴と
している。
【0055】また、請求項9の発明は、請求項1に記載
の座標検出装置において、上記切替手段は、隣接する少
なくとも1対の電極を選択して差動増幅器に接続すると
共に、上記選択された電極を上記電極が並んでいる方向
に向かって1本づつシフトさせて行くことを特徴として
いる。
【0056】また、請求項10の発明は、請求項1に記
載の座標検出装置において、上記切替手段は、上記パネ
ルの隣接する1対の電極を選択すると共に、この1対の
選択された電極を上記電極が並んでいる方向に向かって
1本づつシフトさせて行くことを特徴としている。
【0057】また、請求項11の発明は、請求項1に記
載の座標検出装置において、上記切替手段は、隣接する
2本以上の電極に並列に接続される第1の端子と、上記
第1の端子に接続されている電極の隣の2本以上の電極
に並列に接続される第2の端子とを有し、この第1の端
子に対する電極の接続と第2の端子に対する電極の接続
を、上記電極が並んでいる方向に向かって1本づつシフ
トさせて行くことを特徴としている。
【0058】また、請求項12の発明は、請求項9に記
載の座標検出装置において、上記差動増幅器からの出力
を受けて、この出力の包絡線を抽出する包絡線抽出手段
と、上記包絡線抽出手段からの双峰性を有する出力を受
けて、この出力の谷部を検出する谷部検出手段と、上記
谷部検出手段が上記谷部を検出した谷部検出時刻を特定
する計時手段と、上記計時手段が特定した上記谷部検出
時刻と上記電極を選択するタイミングとに基づいて、上
記パネル上の上記座標指示装置の位置を表す座標を特定
する位置座標特定手段とを備えたことを特徴としてい
る。
【0059】また、請求項13の発明は、請求項12に
記載の座標検出装置において、上記包絡線抽出手段とし
ての同期検波器を備えたことを特徴としている。
【0060】また、請求項14の発明は、請求項9に記
載の座標検出装置において、上記座標検出手段は、上記
差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線を検
波する比較的時定数が大きな第1の包絡線検波器と、上
記差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線を
検波する比較的時定数が小さな第2の包絡線検波器と、
上記第1の包絡線検波器からの双峰性の出力と、上記第
2の包絡線検波器からの双峰性の出力とを減算して、上
記第2の包絡線検波器が出力する双峰性の出力の谷部を
検出する谷部検出手段と、上記谷部検出手段が上記谷部
を検出した谷部検出時刻を特定する計時手段と、上記計
時手段が特定した谷部検出時刻と上記電極を選択するタ
イミングとに基づいて、上記パネル上の上記座標指示装
置の位置を表す座標を特定する位置座標特定手段とを備
えたことを特徴としている。
【0061】また、請求項15の発明は、請求項9に記
載の座標検出装置において、上記座標検出手段は、上記
差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線を抽
出する包絡線検波器と、上記包絡線検波器からの双峰性
を有する出力を受けて、この出力を2値化し、この2値
化した出力によって、上記双峰性の出力の谷部を検出す
る谷部検出手段と、上記谷部検出手段が上記谷部を検出
した谷部検出時刻を特定する計時手段と、上記計時手段
が特定した谷部検出時刻と上記電極を選択するタイミン
グとに基づいて、上記パネル上の上記座標指示装置の位
置を表す座標を特定する位置座標特定手段とを備えたこ
とを特徴としている。
【0062】また、請求項16の発明は、請求項9に記
載の座標検出装置において、上記座標検出手段は、上記
差動増幅器からの出力を受けて、この出力を所定の時間
だけ遅延させる遅延回路と、上記差動増幅器からの出力
と、上記遅延された出力とを減算する減算器と、上記減
算器が出力した信号を2値化し、この2値化した信号に
よって、上記双峰性の出力の谷部を検出する谷部検出手
段と、上記谷部検出手段が上記谷部を検出した谷部検出
時刻を特定する計時手段と、上記計時手段が特定した谷
部検出時刻と上記電極を選択するタイミングとに基づい
て、上記パネル上の上記座標指示装置の位置を表す座標
を特定する位置座標特定手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0063】また、請求項17の発明は、電気光学効果
特性を有する物質が2枚の基板間に封入されており、上
記基板上に互いに交差する複数のX軸電極と複数のY軸
電極とを夫々設けたフラットディスプレーパネルと、こ
のフラットディスプレーパネルの上記X軸およびY軸電
極を夫々電気的に駆動する画像表示用のX軸駆動回路お
よびY軸駆動回路と、交流電源を内蔵した交流電界発生
手段と、上記交流電界発生手段の出力端子が接続された
電極とを有する座標指示装置と、差動増幅器と、上記X
軸電極の隣接する2本もしくは上記X軸電極の隣接する
2つの電極群が構成する1組のX軸電極と上記Y軸電極
の隣接する2本もしくは上記Y軸電極の隣接する2つの
電極群が構成する1組のY軸電極とを選択して上記差動
増幅器に接続して、上記選択された電極が並んでいる方
向に向かってそれらの電極を1本づつシフトさせる接続
切替回路と、上記選択された電極をシフトさせることに
よって上記座標指示装置が上記電極に与える信号を上記
差動増幅器から双峰性信号として得て、上記双峰性信号
の谷部を検出する谷部検出手段と、上記谷部検出手段が
谷部を検出した時刻と上記電極を選択したタイミングと
に基づいて座標を特定する位置座標特定手段とを有する
座標検出回路と、上記X軸駆動回路およびY軸駆動回路
と上記座標検出回路とを時分割的かつ相補的に稼働させ
る表示‐座標検出切替回路とを備えたことを特徴として
いる。
【0064】また、請求項18の発明は、電気光学効果
特性を有する物質が2枚の基板間に封入されており、上
記基板上に互いに交差する複数のX軸電極と複数のY軸
電極とを夫々設けたフラットディスプレーパネルと、こ
のフラットディスプレーパネルの上記X軸およびY軸電
極を夫々電気的に駆動する画像表示用のX軸駆動回路お
よびY軸駆動回路と、交流電源を内蔵した交流電界発生
手段と、上記交流電界発生手段の出力端子が接続された
電極とを有する座標指示装置と、差動増幅器と、上記X
軸電極の隣接する2本もしくは上記X軸電極の隣接する
2つの電極群が構成する1組のX軸電極と上記Y軸電極
の隣接する2本もしくは上記Y軸電極の隣接する2つの
電極群が構成する1組のY軸電極とを選択して上記差動
増幅器に接続して、上記選択された電極が並んでいる方
向に向かってそれらの電極を1本づつシフトさせる接続
切替回路と、上記選択された電極をシフトさせることに
よって上記座標指示装置が上記電極に与えた信号を上記
差動増幅器から双峰性信号として得て、上記双峰性信号
の位相反転点を遅延回路の入力信号と出力信号を演算し
て求め、上記双峰性信号の位相反転点を検出することに
よって、上記双峰性信号の谷部を検出する谷部検出手段
と、上記谷部検出手段が谷部を検出した時刻と上記電極
を選択したタイミングとに基づいて座標を特定する位置
座標特定手段とを有する座標検出回路と、上記X軸駆動
回路およびY軸駆動回路と上記座標検出回路とを時分割
的かつ相補的に稼働させる表示‐座標検出切替回路とを
備えたことを特徴としている。
【0065】また、請求項19の発明は、請求項17ま
たは18に記載の座標検出装置において、上記座標検出
回路の入力端子に、上記座標指示装置が発生する交流電
界の周波数付近の周波数の信号を選択的に通過させるバ
ントパスフィルタもしくはハイパスフィルタが接続され
ていることを特徴としている。
【0066】また、請求項20の発明は、請求項17ま
たは18に記載の座標検出装置において、上記座標指示
装置の電極は、同軸に配置された中心電極と周辺電極と
からなることを特徴としている。
【0067】また、請求項21の発明は、請求項17乃
至18のいづれか1つに記載の座標検出装置において、
上記画像表示用のX軸駆動回路およびY軸駆動回路と、
上記座標検出回路と、上記表示‐座標検出切替回路と
が、上記ディスプレーパネルの2辺または3辺に沿った
周辺部に配置されていることを特徴としている。
【0068】
【作用】請求項1の座標検出装置は、上記座標指示装置
の交流発振器が電極の先端から交流電界を出力する。こ
の出力された交流電界が、上記パネルの第1,第2電極
に作用すると、上記第1,第2電極には上記交流電界の
振幅に応じた電圧が発生する。
【0069】一方、上記切替手段は、上記パネルの第
1,第2電極に対する接続を逐次切り替えて上記選択さ
れた電極を上記差動増幅器に導通させる。したがって、
上記電圧が誘起された第1,第2電極が上記差動増幅器
に接続されたときに、上記差動増幅器は上記誘起電圧を
増幅して出力する。
【0070】この差動増幅器から出力された電圧は、座
標検出手段に入力される。そして、座標検出手段は、上
記第1,第2電極が選択されたタイミングと上記差動増
幅器の出力とに基づいて、上記パネル上の座標指示装置
の座標を検出する。
【0071】従って、請求項1の発明によれば、座標指
示装置とパネルとの間の信号線を必要とすることなく、
上記座標指示装置の座標を検出することができる。ま
た、座標指示装置から発生される電界によって第1,第
2電極に誘起される電圧によって、座標指示装置の座標
を検出できるから、上記第1および第2電極が閉ループ
を構成している必要はない。したがって、上記パネルと
して表示専用の液晶パネルをそのまま使用することがで
きる。しかも、請求項1の発明によれば、上記第1およ
び第2電極が閉ループを構成している必要がないので、
表示専用の液晶パネルの四辺に対向する電気回路を設け
なくても、表示専用の液晶パネルに座標検出機能を付与
することができる。このことは、表示専用の液晶パネル
を備えた表示装置のサイズを増大させることなく、表示
装置に座標検出機能を付与できることを意味し、かつ、
上記表示装置のための既存の生産設備を大きく変更する
ことなく座標検出機能を有する表示装置を生産できるこ
とを意味する。
【0072】したがって、請求項1の発明によれば、開
発コストの上昇や歩留まりの低下を回避できる上に、コ
ストアップ要因となる設備投資を回避できて総合的に産
業進展に寄与することができる座標検出装置を提供する
ことができる。
【0073】その上に、請求項1の発明によれば、パネ
ルの電極からの信号を差動増幅器で増幅するので、差動
増幅器の2本の入力に均等に混入した外来ノイズを有効
に除去できる利点がある。
【0074】また、請求項2の発明によれば、電気光学
効果を有する物質が2枚の基板間に封入されており、上
記基板上に上記第1電極および第2電極を配置して、第
1電極と第2電極に画像表示用の電極を兼ねさせている
から、座標検出機能と表示機能とを併せ持つ座標検出用
ディスプレイパネルを提供できる。
【0075】また、請求項3の発明によれば、上記座標
指示装置は、発振器から互いに逆相の電界が印加される
第1,第2の電極から互いに逆相の電界を出力する。
【0076】したがって、上記第1の電極からの電界を
受けたパネルの電極は、上記第2の電極からの電界を受
けたパネルの電極から出力される電界とは逆相の電界を
出力する。したがって、上記差動増幅器には互いに逆相
の電界が印加される。したがって、上記座標検出手段
は、上記差動増幅器に逆相の電界が印加されたとき生じ
る上記差動増幅器から出力される信号の不連続性を検出
したときに、切替手段が選択したパネルの電極の位置に
座標指示装置の電極が位置していることを検出できる。
【0077】また、請求項4の発明によれば、上記座標
指示装置の第1の電極は筒状の電極であり、上記座標指
示装置の第2の電極は上記筒状の電極の内側に配置され
た棒状の電極である。したがって、上記座標指示装置
は、上記棒状電極の中心軸を中心軸として回転しても、
パネルの電極に与える電界は不変である。したがって、
検出すべき座標とは無関係な上記回転によって、パネル
の電極に与える電界が変化することがないから、座標検
出精度を向上できる。
【0078】また、請求項5の発明によれば、上記座標
指示装置の第1の電極は、第2の電極を中心とする円周
上に略等間隔に配置されている。したがって、請求項4
の発明と同様に、座標指示装置の上記中心軸回りの回転
が、パネルの電極に与える電界を変化させることがな
く、座標検出精度を向上できる。
【0079】また、請求項6の発明によれば、上記座標
指示装置は、上記交流発振器の電源としてのバッテリー
を内蔵するためのバッテリー収納部を有している。した
がって、上記バッテリー収納部にバッテリーを収納すれ
ば、座標指示装置の外部から座標指示装置に電力を供給
する必要がないから、上記座標指示装置をどこにも接続
しなくてもよい。したがって、上記座標指示装置の完全
なコードレス化を実現できる。
【0080】また、請求項7の発明によれば、上記パネ
ルが取り付けられた外箱に設けられた収納部に上記座標
指示装置を収納したときに、座標指示装置が有する充電
用端子と上記外箱の電力供給端子とが電気的に接続され
る。したがって、このとき、上記座標指示装置のバッテ
リー収納部に収納されている2次電池が充電される。し
たがって、上記座標指示装置の電力源である電池の使用
寿命を飛躍的に向上させることができる。
【0081】また、請求項8の発明によれば、上記差動
増幅器の出力端子と反転入力端子との間に、上記交流発
振器が発生する交流電界に共振する共振回路が接続され
ている。したがって、上記差動増幅器は上記交流電界を
選択的に大きなゲインで増幅することができる。したが
って、座標検出感度を向上することができる。
【0082】また、請求項9の発明によれば、上記切替
手段は、隣接する少なくとも1対の電極を選択して差動
増幅器に接続すると共に、上記選択された電極を上記電
極が並んでいる方向に向かって1本づつシフトさせて行
く。したがって、上記選択された電極をシフトさせるこ
とによって、上記座標指示装置をいわば探索して、上記
電極が並んでいる領域に在る座標指示装置の位置座標を
確実に検出することができる。
【0083】また、請求項10の発明によれば、上記切
替手段は、上記パネルの隣接する1対の電極を選択する
と共に、この1対の選択された電極を上記電極が並んで
いる方向に向かって1本づつシフトさせて行く。従っ
て、請求項9の発明よりも、選択が単純であるから、切
替手段の構造を簡単にすることができる。
【0084】また、請求項11の発明によれば、切替手
段が隣接する2本以上の電極に並列に接続される第1の
端子と、上記第1の端子に接続されている電極の隣の2
本以上の電極に並列に接続される第2の端子とを有して
いる。したがって、上記第1の端子と第2の端子を上記
差動増幅器に導通させれば、座標指示装置の電極から出
力される交流電界を受けているパネルの4本以上の電極
を差動増幅器に接続できる。したがって、パネルの2本
の電極だけを差動増幅器に接続する場合に比べて、検出
の感度を向上させることができる。
【0085】また、請求項12の発明によれば、差動増
幅器からの出力の包絡線を包絡線抽出手段で抽出し、上
記包絡線抽出手段からの双峰性を有する出力の谷部を検
出する。そして、この谷部を検出した時刻と、切替手段
がパネルの電極を選択したタイミングとに基づいて座標
指示装置の位置を表す座標を特定する。このように、請
求項12の発明によれば、包絡線抽出手段から特徴的な
双峰性信号が出力され、この双峰性の包絡線波形の谷部
を検出することによって、座標検出を行うことができ
る。また、座標を特定するために、不必要な信号成分が
取り除かれた包絡線検波された信号を使用するから、上
記谷部の検出を容易にすることができる。
【0086】また、請求項13の発明によれば、上記包
絡線抽出手段としての同期検波器を備えた。この同期検
波器は、包絡線検波器よりも信号の包絡線をひずみなく
正確に抽出できるので、座標検出精度を向上できる。
【0087】また、請求項14の発明では、座標検出手
段が、差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡
線を検波する比較的時定数が大きな第1の包絡線検波器
と、差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線
を検波する比較的時定数が小さな第2の包絡線検波器と
を備え、上記第1の包絡線検波器からの双峰性の出力
と、上記第2の包絡線検波器からの双峰性の出力とを減
算して、上記第2の包絡線検波器が出力する双峰性の出
力の谷部を検出するようになっている。
【0088】上記比較的時定数が大きな第1包絡線検波
器の出力は谷部が埋まった形状の双峰性信号になり、上
記比較的時定数が小さな第2包絡線検波器の出力は谷部
が埋まっていない形状の双峰性信号になる。したがっ
て、上記第1包絡線検波器の出力と第2包絡線検波器の
出力とを減算することによって、上記谷部の位置にピー
クを有する信号を得ることができる。この信号によっ
て、上記谷部を検出することができる。
【0089】また、請求項15の発明によれば、谷部検
出手段が上記包絡線検波器からの双峰性出力を2値化し
た出力によって、上記双峰性の出力の谷部を検出する。
上記2値化によって、上記双峰性出力の谷部と山部との
差が明確になった出力を得ることができる。したがっ
て、この出力によって上記谷部を容易に検出することが
でき、上記谷部の検出によって、座標検出動作を行うこ
とができる。
【0090】また、請求項16の発明によれば、座標検
出手段が、上記差動増幅器からの出力を受けて、この出
力を所定の時間だけ遅延させる遅延回路と、上記差動増
幅器からの出力と、上記遅延された出力とを減算する減
算器と、上記減算器が出力した信号を2値化し、この2
値化した信号によって、上記双峰性の出力の谷部を検出
する谷部検出手段とを備えている。この請求項16の発
明によれば、上記差動増幅器からの出力である双峰性波
形の信号の先方の山と、上記遅延された双峰性波形の信
号の後方の山とが加算される。これによって、上記加算
された結果できた最も高い山と、この高い山を挟む2つ
の低い山とで構成された3つ山波形の信号が上記減算器
から出力される。そして、この3つ山波形の信号を2値
化することによって、最も高い山の部分と低い山の部分
との差が明確になされる。この最も高い山の部分は、遅
延されていない双峰性出力の谷部から上記遅延時間だけ
遅延しているのであるから、最も高い山の部分が明確に
なされた上記2値化された信号によって、上記谷部を容
易に検出することができ、上記谷部の検出によって座標
検出動作を行うことができる。
【0091】また、請求項17の発明によれば、電気光
学効果特性を有する物質が2枚の基板間に封入されてお
り、上記基板上に互いに交差する複数のX軸電極と複数
のY軸電極が設けられているフラットディスプレーパネ
ルを、表示‐座標切替回路によって、画像表示に用いる
か、座標検出に用いるかを時分割的に切り替えることが
できる。そして、フラットディスプレーパネルを画像表
示に用いるときには、X軸電極とY軸電極を駆動回路に
よって駆動してパネルを電気的に駆動して画像を表示さ
せる。一方、座標検出を行うときには、別途設けた交流
電界を発生する機能を具備した座標指示装置から発生す
る電界によって上記X軸電極とY軸電極に誘起する電圧
を信号の電圧変化を利用する座標検出回路で検出して、
座標指示装置の座標を検出することができる。
【0092】また、請求項18の発明によれば、電気光
学効果特性を有する物質が2枚の基板間に封入されてお
り、上記基板上に互いに交差する複数のX軸電極と複数
のY軸電極が設けられているフラットディスプレーパネ
ルを、表示‐座標検出切替回路によって、画像表示に用
いるか、座標検出に用いるかを時分割的に切り替えるこ
とができる。そして、フラットディスプレーパネルを画
像表示に用いるときには、X軸電極とY軸電極を駆動回
路によって駆動してパネルを電気的に駆動して画像を表
示させる。一方、座標検出を行うときには、別途設けた
交流電界を発生する機能を具備した座標指示装置から発
生する電界によって上記X軸電極とY軸電極に誘起する
電圧を信号の位相変化を応用する座標検出回路によって
検出して、座標指示装置の座標を検出することができ
る。
【0093】また、請求項19の発明は、請求項17ま
たは18に記載の座標検出装置において、上記座標検出
回路の入力端子に、上記交流電界の周波数付近の信号の
みを選択的に通過させるバンドパスフィルタもしくはハ
イパスフィルタが接続されている。したがって、上記座
標検出回路は、ノイズの影響を受けることなく、常に安
定した電圧をX軸電極とY軸電極から検出することがで
きる。
【0094】また、請求項20の発明は、請求項17ま
たは18に記載の座標検出装置において、交流電界を発
生する機能を具備した座標指示装置の先端に具備された
電極が、中心電極と周辺電極からなる同軸状電極を形成
するので、周方向のどのような向きで座標指示装置を使
用するかに依存せず、常に安定した電圧を上記X軸電極
とY軸電極に誘起させることができる。
【0095】また、請求項21の発明によれば、 請求
項17乃至18のいづれか1つに記載の座標検出装置に
おいて、上記画像表示用のX軸駆動回路およびY軸駆動
回路と、上記座標検出回路と、上記表示‐座標検出切替
回路とが、上記ディスプレーパネルの2辺または3辺に
沿った周辺部に配置されている。
【0096】つまり、請求項21の発明によれば、表示
専用の液晶パネルを備えた表示装置のサイズを増大させ
ることなく、表示装置に座標検出機能を付与できる上
に、上記表示装置のための既存の生産設備を大きく変更
することなく座標検出機能を有する表示装置を生産可能
になる。したがって、請求項21の発明によれば、開発
コストの上昇や歩留まりの低下を回避できる上に、コス
トアップ要因となる設備投資を回避できて総合的に産業
進展に寄与することができる座標検出装置を提供するこ
とができる。
【0097】以上のように、この発明は、座標指示装置
の電極から発生させた電界によって静電容量結合がなさ
れたパネルの電極に生ずる信号を検出するものであるか
ら、先端が開放されたパネルの電極を用いても座標検出
が可能となる。
【0098】一方、従来は、接続ケーブルを不要とする
ために電磁的な結合を利用していたので、パネルの電極
の先端が必ず短絡されたループ状の回路を作らなければ
ならなかった。その理由は、磁界の作用によって引き起
こされる誘導起電力に基づく誘導電流を検出するために
は、検出する回路の先端を必ず短絡して、ループ状の閉
回路を作らないといけないからである。すなわち、先端
の開放された電極を用いては誘導電流は流れないから、
このような構成では座標検出は不可能であるとされてい
た。
【0099】これに対し、発明者らは、以下に述べるよ
うな実験によって、先端が開放されたパネルの電極を用
いても静電容量結合を用いた動作原理によって液晶パネ
ルの電極に電圧が誘起され、座標検出が可能となること
を実証できたのである。
【0100】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例に基づいて詳
細に説明する。
【0101】〔第1実施例〕まず、図1に、この発明の
座標検出装置の第1実施例としてのドットマトリクスタ
イプのデューティー駆動液晶パネルを示す。この第1実
施例では、STN液晶パネル100を使用したが、TF
Tを組み込んだアクティブマトリクスタイプ液晶パネル
を用いることもできる。
【0102】図1は、上記第1実施例の基本的な構成を
示すものであり、説明を簡単にするために、X軸方向お
よびY軸方向のいずれも画素数が4個づつとした。即
ち、この第1実施例では、総画素数が16個であるデュ
ーティー駆動液晶表示パネル100を、表示と座標入力
に兼用して用いるように構成している。
【0103】あとで説明するように、使用する液晶パネ
ル100は、表示だけに使用する液晶パネルと同じ構成
のものを使用することが可能であることはいうまでもな
い(この点は本発明の大きな特徴のひとつである)。
【0104】この第1実施例は、液晶パネル100を備
えている。この液晶パネル100は、画像表示と座標入
力機能に兼用して用いられる。
【0105】また、上記第1実施例は、画像表示駆動回
路101を備えている。この画像表示駆動回路101
は、液晶パネル100に画像を表示させるための付加回
路である。なお、この画像表示駆動回路101は、液晶
パネル100をデューティー駆動タイプであるTFTタ
イプとした場合には、液晶パネル100がSTN液晶パ
ネルである場合とは、異なる構成をとる。
【0106】この第1実施例では、画像表示駆動回路1
01が上記液晶パネル100を駆動することによって、
液晶パネル100は使用者が表示させたいと思う内容の
画像を表示する。このことが、すなわち、画像表示機能
である。
【0107】また、この第1実施例は、電界発生器10
2を備えている。この電界発生器102は、交流信号源
103と、この交流信号源103に接続された電極10
4aと104bを備えており、上記電極104aと104
bから交流電界を発生する。この第1実施例において、
液晶パネル100上での電界発生器102の座標を検出
する機能が座標検出機能である。詳しくは、図1に示す
ように、液晶パネル100の画像表示部分において、水
平方向にx軸を定め、垂直方向にy軸を定めたときに、電
界発生器102がどの座標(x,y)に置かれているか検出
することが座標検出機能である。この座標検出機能を実
現するために、この第1実施例は、座標検出回路105
を有している。この座標検出回路105は、電界発生器
102が出力した電界が、液晶パネル100上のセグメ
ント電極106やコモン電極107に作用したときに、
セグメント電極106やコモン電極107に生じた誘導
電圧を検出して電界発生器102が置かれている座標を
検出する機能を有している。
【0108】また、この第1実施例は、機能切り替え制
御回路108を備えている。この機能切り替え制御回路
108は、液晶パネル100の機能を座標入力機能と画
像表示機能に時分割で切り替えて使用するように、画像
表示駆動回路101および座標検出回路105を制御す
る。
【0109】上記液晶パネル100は、コネクタ109
とコネクタ110とを経由して、画像表示駆動回路10
1と座標検出回路105に接続されている。上記画像表
示駆動回路101へは、駆動端子111を通じて外部か
ら表示すべき画像信号が供給されるようになっている。
また、座標検出回路105からは、座標出力端子112
を通じて外部へ座標信号が出力される。また、機能切り
替え制御回路108へは、端子113を通じて機能切り
替え信号が供給される。
【0110】その他、図示していないが、この第1実施
例には、システムを動作させるために必要なクロック信
号なども供給される。
【0111】この第1実施例は、図1に示した構成が基
本構成である。そして、この第1実施例は、従来の表示
専用の液晶パネルを用いて、この液晶パネルに新たに座
標入力機能を付加して、画像表示機能と座標検出機能の
両方の機能を実現するものである。
【0112】この第1実施例は、画像表示機能は従来の
技術を何等変更することなくそのまま用いている。この
画像表示機能は、図1に示した液晶パネル100と、画
像表示駆動回路101とによって実現される。この画像
表示駆動回路101は、液晶パネル100の方式に応じ
て種々の形態がとられる。例えば、デューティー駆動液
晶パネルの場合には、上記画像表示駆動回路101は、
コモン駆動回路(図示せず)とセグメント駆動回路(図示
せず)を備える。この画像表示駆動回路101によって
駆動されているときの液晶パネル100の動作は、広く
一般に普及している液晶パネルとまったく同一の動作で
あるから、ここでは触れないこととし、必要に応じて改
めて後述する。
【0113】一方、この第1実施例の座標入力機能に
は、この発明の特徴が含まれている。この第1実施例
は、座標入力機能を実現するために、電界発生器102
と座標検出回路105を備えている。電界発生器102
から発生した電界は、液晶パネル100に作用し、液晶
パネル100が含むセグメント電極106やコモン電極
107に電気的な変化(電圧)を生じさせる。そして、こ
の電極106および107に生じた電気的な変化を、座
標検出回路105で検出する。座標検出回路105は、
電界発生器102が置かれた座標位置を検出すると、こ
の座標位置を表す信号を、座標出力端子112から出力
する。この座標出力端子112から出力される座標位置
信号は、たとえば、液晶パネル100に上記位置を表示
するなど、種々の用途に用いることができる。
【0114】また、この第1実施例は、従来からの液晶
パネル100自体には何等手を加えずに、座標検出回路
105と電界発生器102を備えることによって、座標
入力機能を備えることができる。そして、上記座標検出
回路105と画像表示駆動回路101は、図示していな
いが、機能の切り替えスイッチを有している(詳しくは
後述する)。そして、図1に示した機能切り替え制御回
路108は、上記機能切り替えスイッチの動作を制御し
て、切り替えタイミングを設定する。この機能切り替え
制御回路108は、液晶パネル100が座標入力機能と
画像表示機能とを時分割的に実行するように、座標検出
回路105と画像表示駆動回路101を制御する。
【0115】このように、この第1実施例の基本的な原
理すなわち本発明の基本的な原理は、液晶パネル100
と電界発生器102とを使用して、電界発生器102の
2つの電極104aと104bとから発生した電界を液
晶パネル100に作用させて、このときに、液晶パネル
100のセグメント電極106とコモン電極107とに
生じる電気的な変化(電圧)を座標検出回路105で検出
する一方、必要な画像を、画像表示駆動回路101によ
って液晶パネル100に描き出し、さらには、機能切り
替え制御回路108の制御によって、画像表示と座標入
力を時分割的に交互に行うことである。
【0116】この第1実施例によれば、図2に示す基本
的な応用例を実現できる。この応用例は、上記液晶パネ
ル100を含んだ表示パネル20と上記第1実施例のそ
の他の回路と、電源装置などを内蔵した外箱22と、上
記電界発生器102を内蔵した電子ペン21を有してい
る。この応用例は、使用者が電界発生器102を内蔵し
た電子ペン21をあたかも記入用のペンのごとく持っ
て、表示パネルである液晶パネル100を含んだ表示パ
ネル20に接近させると、電界発生器102から交流電
界が出力されて液晶パネル100の電極106と107
に交流電界が作用する。そして、上記交流電界によって
電極106と107に生じた電圧を座標検出回路105
が検出することによって、液晶パネル100上に電界発
生器102の先端の電極104aと104bとが位置し
ている座標を検出(特定)することができる。そして、こ
の検出した座標を、上記液晶パネル100を含んだ表示
パネル20に表示させることができる。たとえば、表示
パネル20上に適当なマークを表示したり、電界発生器
102を内蔵した電子ペン21の動いた軌跡を表示する
ことができる。したがって、たとえば、上記電子ペン2
1を持った使用者が、表示パネル20上で「表示」とい
う漢字を書けば、図2に示すような「表示」という文字
を表示することができる。
【0117】図2の応用例では、図1に示した電界発生
器102をペン状の外観をした電子ペン21に組み込ん
でいる。もちろん、この電子ペン21はコードレスであ
って、表示パネル20との接続コードを一切有しておら
ず、表示パネル20に対して完全に独立している。図2
の応用例によれば、使用者が、この電子ペン21で表示
パネル20の上をなぞったときに、電子ペン21の先端
部の座標を検出できる。そして、表示パネル20に上記
座標を点灯するようにすれば、表示パネル20に電子ペ
ン21の先端部の軌跡を表示することができる。すなわ
ち、あたかもペンで紙にものを描くように、表示パネル
20上に画像を書き込むことができる。
【0118】ここで、上記電子ペン21の構造をより詳
細に説明する。この電子ペン21は、図29に示すよう
に、最も外側の先細円筒形状の筺体501と、この筺体
501の略中心に配置されている軸形状の内部電極50
2と、この内部電極502の先端を覆うキャップ状のカ
バー503と、外部電極510を備えている。この外部
電極510は、上記筺体501の内周面に沿った筒形状
になっており、上記内周面に固定された支持具508に
後端部が固定されている。そして、上記外部電極510
の先端部510aは、上記カバー503の外周面に対し
て接触しており、カバー503が外部電極510の先端
部510aの内側を自由に摺動できるようになってい
る。
【0119】上記カバー503は上記筺体501の先端
の開口501aから突き出している。また、上記内部電
極502の後端は、動作スイッチ505の可動部505
aに接続されている。この動作スイッチ505は、上記
筺体501の内周面に形成されたボス(図示せず)にビ
ス固定された電気回路基板511に固定されている。上
記動作スイッチ505は、内部電極502が可動部50
5aを軸方向に押圧したときに、接点が動作するように
なっている。上記動作スイッチ505は、可動部505
aが押圧されていないときは、その内部に組み込まれて
いるバネの働きによって、内部電極502を突き出し方
向に押し返して所定の位置に止まっている。
【0120】また、円筒形状のフェライトコア506
と、フェライトコア506の外周を覆うボビン507
と、このボビン507に巻き付けられたエナメル線が構
成するコイル509とが、上記内部電極502の軸方向
の略中央部の周囲に配置されている。上記フェライトコ
ア506の外径と上記ボビン507の内径とはほぼ等し
く、ボビン507はフェライトコア506に固定されて
いる。そして、上記ボビン507に隣接した上記支持具
508によって、フェライトコア506およびボビン5
07が筺体501の内側に固定されている。また、上記
筺体501には、電源としての電池が内蔵されている。
【0121】図30に、上記電子ペン21の電気回路を
示す。図30に示すように、上記電気回路が備える集積
回路IC1,IC2と抵抗R1,R2とコンデンサC1
とC2とが、よく知られた発振回路を構成している。上
記抵抗R1とR2とコンデンサC1とC2の組み合わせ
により発振周波数が決まる。また、上記電気回路は、バ
ッファアンプIC3とIC4を備える。更に、上記電気
回路は、インダクタンスL1とコンデンサC3からなる
直列共振回路を備えており、この共振回路は、上記発振
回路の発振周波数に一致した周波数で共振する。上記イ
ンダクタンスL1は、上記コイル509で構成されてい
る。
【0122】更に、集積回路IC1〜IC4には、バッ
テリーB1から電力が供給される。このバッテリーB1
の電力は、上記動作スイッチ505が構成するスイッチ
SW1をオンしたときに供給される。
【0123】上記電気回路を構成する部品は、上記コイ
ルL1(すなわちコイル509)と電池B1を除いて、す
べて上記電気回路基板511上に取り付けられている。
そして、図30に示すように、コンデンサC3の両端
は、リード線によって、内側電極502と外側電極51
0に接続される。
【0124】上記構成の電子ペン21は、スイッチSW
1が閉じて電気回路に電力が供給されて動作が開始する
と、上記発振回路が発振して、インダクタンスL1とコ
ンデンサC3からなる直列共振回路へ逆位相の信号が供
給される。上記直列共振回路の共振周波数と上記発振回
路の発振周波数とは一致しているから、コンデンサC3
の両端には、直列共振回路に供給された発振電圧のQ倍
の電圧が生じる。たとえば、Qを20とし、供給される
電圧を5Vp−pとすると、コンデンサC3の両端には約
100Vp−pの電圧がを生じることになる。そして、こ
の電圧は、内側電極502と外側電極510に導かれ
る。
【0125】なお、上記動作スイッチ505は、内側電
極502によって押圧されたときに接点が閉じるように
構成されているから、内部電極502は電子ペン21を
液晶パネル100の表面に押しつけたときに、その押圧
圧力によって動作スイッチ505を押圧する。これによ
って、電子ペン21が内蔵する集積回路IC1〜4に電
力が供給される。つまり、電子ペン21は、電子ペン2
1を液晶パネル100に押しつけたときのみ動作し、そ
れ以外の時は動作せず、電池B1の無駄な消費を回避す
る。このことは、電池B1の長寿命化に有効である。な
ぜならば、電池B1は、細いペンの筺体501に収納で
きるよう、円盤形のボタン電池など極めて容量の少ない
ものを用いるからである。
【0126】次に、図31に、上記電池B1を充電可能
な電池にして、電池B1への充電機構を備えた電子ペン
21Aの構造を示す。この電子ペン21Aによれば、電
池の使用寿命を飛躍的に延ばすことができる。
【0127】図31に示すように、この電子ペン21A
は、先端部を構成する筺体601の先端に、電池B1を
充電するための充電用電力供給端子620a,620b
を備えている。一方、図32(A)に示すように、上記外
箱22が構成するワープロなどのペン収納位置22B
に、電子ペン21Aに電力を供給する端子22A,22
Cを設けている。そして、図32(B)に示すように、電
子ペン21を使用しないときには、電子ペン21Aを上
記収納位置22Bに収納して、外箱22の端子22A,
22Cに電子ペン21Aの電力供給端子620a,bを
嵌合させたときに、この電力供給端子620a,bを介
して電子ペン21Aの電池B1が自動的に充電される。
【0128】この電子ペン21Aによれば、座標検出装
置の使用を中止している間でも電子ペン21Aを上記所
定のペン収納位置22Bに収納されてさえいれば、常に
電池B1が充電されている。しかも、座標検出装置使用
中でも、電子ペン21Aを使用しない間は、電子ペン2
1Bを上記所定のペン収納位置22Bに収納していれば
電池B1を充電することができる。この電子ペン21A
は、電子ペン21と同様に、内部電極602を液晶パネ
ル100に押圧したときだけしか動作しないから、使用
電力は極めて小さい。しかも、この電子ペン21Aは、
上記所定位置22Bに収納している間に充電可能である
から、使用した分の電気量を取り戻すことができ、電池
の使用寿命を飛躍的に延ばすことができる。
【0129】なお、図32に示した、ワープロなどを構
成する外箱22のペン収納位置22Bに設けられた電力
を供給する端子22A,Bには、電池を充電するために
必要な電源が接続されていることは言うまでもない。そ
して、この端子22A,Bから電池の充電状態を検出し
て、充電用の電源を入切するようにしても良い。上記電
子ペン21や21Aの消費電力は、約2mW程度ある。
これに対して、送信機をペンに搭載する場合には、少な
くとも発振器と変調機が必要なので、消費電力は10m
W程度になる。
【0130】次に、図1において、この発明の上記第1
実施例が、上記電界発生器102の先端の電極104a
と104bの座標を検出する動作原理を説明する。
【0131】この発明の上記第1実施例における座標検
出の原理は、基本的には、電界発生器102の電極10
4aと104bから発生する電界を液晶パネル100の
セグメント電極106とコモン電極107とに作用させ
て、電界発生器102の電極104aと104bを液晶
パネル100のセグメント電極106とコモン電極10
7とに静電容量結合させて、上記セグメント電極106
とコモン電極107とに生ずる誘導電圧を検出すること
にある。
【0132】したがって、上記第1実施例によれば、電
界発生器102から液晶パネル100に至る接続コード
が不必要であるから、ペンとパネルとの接続ケーブルが
不可欠である第1従来例とは異なり、電界発生器102
の取り回しを容易にすることができる。また、上記第1
実施例によれば、液晶パネルにループを形成する必要が
ある第2従来例と異なり、液晶パネル自体には何ら改造
を加える必要がない。
【0133】このように、上記第1実施例によれば、電
子ペンからの接続ケーブルをなくするために磁気結合を
応用した方式を採用した第2従来例が有している問題点
(座標検出時に液晶パネルの電極の先端を短絡してルー
プ状のコイルを形成する必要がある点)を解決すること
ができる。
【0134】この第1実施例は、先端が短絡されたルー
プ状のコイルも接続ケーブルも必要とすることなく、ペ
ンの座標を検出することができるから、従来例に比べ
て、格段に簡単な構造にすることができる上に、座標入
力用のペンを取り扱い易くすることができる。
【0135】次に、図3を参照しながら、発明者らが行
った基本的な実験について説明する。図3において、液
晶パネル200は、STN液晶を用いたドットマトリク
スタイプのデューティー駆動液晶パネルである。この液
晶パネル200の表示部分の寸法は、水平方向の寸法×
垂直方向の寸法が230mm×140mmである。簡単のた
めに、図3にはコモン電極201とセグメント電極20
2が、それぞれ4本ずつしか描かれていないが、実際に
は上記表示部分の中に、水平640画素×垂直480画
素を有している。この画素のピッチはおおむね360ミ
クロンであり、各電極の巾は約330ミクロンである。
また、上記コモン電極201とセグメント電極202を
構成している透明電極の厚さは、約1ミクロン程度であ
る。
【0136】また、上記液晶パネル200が有している
2枚のガラス板(図示せず)は、約7ミクロンの隙間を隔
てて配置されており、上記2枚のガラス板間に、液晶物
質が挟み込まれている。
【0137】各コモン電極201とセグメント電極20
2は、液晶パネル200を構成するガラス板上に設けら
れたコネクタ2010とコネクタ2011とを通じて外
部回路と接続される。
【0138】上記液晶パネル200が有しているコモン
電極201(左右に張られている電極)の一端は、全てま
とめてグランドに接続されている。一方、セグメント電
極202(上下に張られている電極)の一端は、全て開放
されている。
【0139】上記電界発生器207が内蔵している交流
電源203は、その出力端子の一方の端子がグランドに
接続されており、交流電源203の他方の端子206は
先端の電極204に接続されている。したがって、電界
発生器207と液晶パネル200のコモン電極201は
グランドを通じて電気的に接続されている。
【0140】上記交流電源203の発生周波数は100
kHzにした。また、交流電源203の出力端子206
の電圧は、20Vp−pであった。
【0141】そして、上記電界発生器207を、液晶パ
ネル200に近づけると、電界発生器207の電極20
4と、液晶パネル200のセグメント電極202aとの
間に強い電界が発生した。
【0142】上記電界発生器207の電極204を液晶
パネル200に近づけたときに、開放されているセグメ
ント電極202のうち電極204が近づいたセグメント
電極202aとグランドの間に電位差が生じた。この電
位差は、交流的なものであり、交流電源203の周波数
に一致していた。
【0143】そして、図3に示すように座標軸としてx
軸とy軸を設定し、電極204を座標(x,y)=(3,5)[c
m]と、(10,3)[cm]と、(13,5)[cm]とに配置したと
きに、xs=0〜16cmの位置にあるセグメント電極
202とグランドとの間にどの程度の電位差が生ずるか
を具体的に測定した。この測定の結果を図4に示す。こ
の図4に示した縦軸は、測定した交流的な電位差を示し
ている。測定した交流の周波数は先に述べたように交流
電源203の周波数に一致していた。図3を参照すれ
ば、グランドとセグメント電極202との間の検出され
た電位差は、電界発生器207の電極204の真下のセ
グメント電極202aにおいて、ピークを形成している
ことが分かる。また、このピークが存在しているx座標
の位置から離れるにしたがって、検出された電位差が急
峻に減少していることがわかる。また、上記ピーク付近
での電位差の減少は大変急峻であるが、ピーク位置付近
から離れるにしたがって、電位差の減少がなだらかにな
る。この傾向は、電界発生器207の電極204を配置
した3点(x=3cm,10cm,13cm)について、
x座標に関係なくほぼ同じような傾向になっている。
【0144】上記検出した電位差は、電界発生器207
の電極204の位置に依存するから、いわば、電極20
4の位置を示す信号であるといえる。したがって、上記
検出した電位差信号の振幅の変化に着目して、上記ピー
ク形状をした電位差信号の最高点(ピーク)の位置Xs[c
m]を検出すれば、電界発生器207の電極204の存在
する位置のx座標が判明する。
【0145】上記実験は、コモン電極201を全てグラ
ンドに接続し、セグメント電極202とグランドとの電
位差を検出するようにしたが、セグメント電極202を
全てグランドに落とし、コモン電極201とグランドと
の電位差を検出することも可能である。検出結果の図示
は省略するが、この場合にも、図4に示したのと同様の
ピーク特性を得ることができている。
【0146】図3に示した実験では、電界発生器の電極
204の位置にあるセグメント電極202付近において
ピーク性の形状を有した電位差信号を検出することがで
きた。そして、そのピークが存在する座標が、電界発生
器207の電極204が存在する位置のx座標であっ
た。そして、これと同様にして、コモン電極201側に
おいても、セグメント電極202側において行ったのと
同様に、電極204が存在する位置のy座標を検出する
ことができる。従って、電極204の座標(x,y)を特定
することが可能になる。
【0147】この実験で示したように、とりたてて液晶
パネル200のセグメント電極202やコモン電極20
1の先端を接続してループを作らなくても、電界発生器
207の電極204の位置に依存した電位差信号を検出
できる。したがって、このことを応用すれば、液晶パネ
ル200のコモン電極201やセグメント電極202の
先端を接続してループを作成しなくとも、電界発生器2
07の電極204の液晶パネル200上における位置を
特定することが可能であることが分かった。つまり、上
記実験の結果は、座標検出装置に応用することが可能で
あると言える。
【0148】上記実験をふまえて、発明者らはさらに図
5に示す実験を行った。この実験は、図3に示した実験
と同様に、コモン電極201を全てグランドに落とす一
方、セグメント電極202は、隣接する2本のセグメン
ト電極202aと202bを一対として、差動増幅器20
5の正入力と負入力に接続した。液晶パネル200は、
図3の実験で使用したのと同じものを使用した(簡単の
ため、8本の電極のみを図示した)。
【0149】ここにおいて、図6(A)に示す電界発生器
607を用意し、この電界発生器607の先端を、差動
増幅器205に接続されたセグメント電極202aと2
02bの付近に近づけたとき、差動増幅器205の出力
にどのような電圧が得られるかを測定した。この電界発
生器607は、グランドに接続されていない点が図3に
示した電界発生器207と異なっている。
【0150】図6は、実験に用いた電界発生器607の
構成を示している。上記電界発生器607は交流電源6
03を内蔵しており、この交流電源603の両方の出力
端子603aと603bは、軸形状の内部電極604b
とこの内部電極604bと同軸状に配置されているメガ
ホン形状の外部電極604aに接続されている。上記交
流電源603が発生する交流周波数は100kHzであ
り、電極604aと電極604bとの間に出力された交流
電圧は100Vp−pである。
【0151】ここで、上記電界発生器607の構造を詳
細に説明する。図6(A)に示すように、上記電界発生器
607は、交流電源603の両出力端子を、同軸状電極
の外部電極604aと外部電極604bとに接続した構造
になっている。
【0152】同軸状電極の外部電極604aの構造は、
図6(A)に示すようにテーパー状のものを用いてもよ
く、図6(B)に示すように電界発生器607本体の先端
部Bの内側の部分の外部電極604aのみが内部電極6
04bを取り囲むような完全な同軸状構造になっていて
もよい。図6(A)と(B)には電極を支持する指示具は記
載していないが、上記外部電極604aおよび内部電極
604bは電界発生器607本体に固定されている。ま
た、交流電源603は、図6には示していないが、電池
などの電源の他、スイッチなども含んでいる。ここで、
上記外部電極604aと内部電極604bが同軸状電極
という特殊な形状である理由を説明する。この発明の実
施例は、電界発生器と液晶パネル上の電極との静電容量
結合を用い、電界発生器から液晶パネルの電極に与えた
電気的な変化を液晶パネル側で検出して電界発生器の位
置を特定するよう動作するものである。そして、一般に
電界発生器は図2に示したように円筒形のペン状の外形
をした筺体に納められるが、このような円筒形のペン状
の外形を有する電界発生器は転がり易い。このことは、
使用者の立場から考えたとき、通常のペンとまったく同
様に扱えるので、扱いやすくなるという利点を生む。し
かし、一方で、この発明の実施例の動作原理である電界
発生器と液晶パネル上の電極との静電容量結合を用いる
という観点からは、ペンの転がりに対しても静電容量が
変化しない様な構成にすることが不可欠となる。これ
が、図6に示したように、同軸状の特殊な形態をした電
極を電界発生器が有している理由である。すなわち、同
軸状の電極であれば、電界発生器を組み入れたペン状物
体の方向や角度によらず、液晶パネルの電極に対して常
に一定の静電容量で結合し、与える電気的な変化も一定
となるのである。
【0153】図6に示した同軸状電極604aとbが構
成する先端部Aの寸法は、使用する液晶パネルの電極寸
法や、液晶パネルの電極を何本のピッチで差動増幅器に
接続するかなどに応じて決定する。たとえば、通常の液
晶パネルの電極ピッチが100ミクロンから300ミク
ロン程度であり、相隣り合う電極を差動増幅器の2つの
入力端子に接続するときは、内部電極604bの先端と
外部電極604aとの間の距離を、概ね電極ピッチに等
しい数100ミクロンにする。また、差動増幅器に接続
する2本の液晶パネルの電極の間に2本、あるいは3本
の電極が存在している場合には、上記内部電極604b
と外部電極604aとの間の距離を1ミリメートル程度
に設定すればよい。
【0154】上記設定ができるように、外部電極604
aの先端部Cの半径と、内部電極604bの先端部Aの形
状を適切に加工することが必要である。例えば、先端部
Aを先鋭に加工することが望ましい。
【0155】上記構造の電界発生器607であれば、図
26に示すように、液晶パネル2600が備える電極2
601aとbが、差動増幅器2602に接続されていると
きに、上記電界発生器607の同軸電極604aと60
4bが液晶パネル2600の電極260aとbの直上に
対向することができる。このとき、図26に示したよう
に、外部電極604aと内部電極604bはコンデンサ
2610aと2610bを通じて、電極2601aと26
01bにもっとも強く結合することになる。
【0156】ここにおいて、電極604aとbに供給され
る電界は互いに逆位相であり、電極2601aとbもま
た、差動増幅器2602の逆相の入力端子に接続されて
いる。したがって、コンデンサ2610aと2610bを
通じて、差動増幅器2602から最も効率よく出力を取
り出すことができる。
【0157】図26の配置に対応する電気的な等価回路
を図27に示す。図27に示すように、電界発生器60
7が含む交流電源603は、コンデンサ2610aとbを
通じて差動増幅器2602に接続される。
【0158】尚、上記電界発生器607の電極構造は、
図26に示す同軸状構造のほかに、図28に示す構造で
あってもよい。この電極構造は、ペン先端部の円周上に
複数の電極D1が取り付けられており、各電極D1は上
記円周上に回転状の電界が発生するように交流電源Al
に接続されている。この構造によれば、図26に示す電
界発生器と同様に、電界発生器としてのペンが転がって
も、ペンの電極とパネルの電極との間の静電容量が変化
しないという効果を得ることができる。
【0159】次に、上記電界発生器607を使用して図
5に示した実験を行った結果を図7に示す。図7は、図
4に示した実験結果と同様に、交流電源603の周波数
で測定される電位差を示している。なお、上記交流周波
数が100kHzとしたときの検出電圧のp−p値を1
として正規化したときの検出電圧の周波数特性を図37
に示す。周波数が20kHz,60kHz,140kH
z,200kHz,300kHz,400kHzと増加
させるにしたがって、検出電圧が減少する傾向がある
が、ほぼ無視できる変化である。
【0160】図7に示した実験結果では検出された電圧
が双峰形出力になっている点が、図4に示した実験結果
と異なっている。そして、この双峰形出力の谷の部分の
x座標が、電界発生器607の先端の電極604aと6
04bが存在しているx座標を示していることがわかっ
た。また、図7には記載していないが、検出された交流
的な電位差は、最低点(谷部)の左右に存在する双峰性の
山部は、互いに位相が180度異なっていた。
【0161】上記図7に示した実験では、図5に示した
コモン電極201を全てグランドに落とし、隣接する1
対のセグメント電極202を差動増幅器205に接続し
て、1対のセグメント電極202の電位差を検出するよ
うにしたが、逆に、セグメント電極202を全てグラン
ドに落とし、隣接する1対のコモン電極201を差動増
幅器205に接続すれば、1対のコモン電極201の電
位差を検出することができる。したがって、図3に示し
たの実験と同様に、上記電界発生器607の電極604
aと604bのy座標を得ることができる。つまり、同
様の検出をセグメント電極側からとコモン電極側からと
の2回行うことによって、それぞれ得られる双峰性出力
の谷部の座標を検出して確定すれば、その谷部の座標が
電極604aと604bが存在する座標に相当している。
したがって、上記電極発生器607の電極604aと6
04bとが存在する座標(x,y)を特定することが可能で
ある。
【0162】なお、上記2つの実験では、図1に示した
電界発生器102に相当する電界発生器は、交流電源を
備えたが、この交流電源の替わりに、ペルチェ素子とL
C並列回路もしくは直列共振回路をを組み合わせたもの
を備えてもよい。要は、電界発生器が交流の電界を発生
させることができるように構成されていればよい。
【0163】また、上記2つの実験では、セグメント電
極をグランドに接続したが、グランドに接続する替わり
に、セグメント電極をどこにも接続せずに、オープンの
状態にしておいても差し支えはない。ただし、外来雑音
の影響を受けることを考慮すると、何らかの基準電位を
有する箇所に接続することが望ましい。さらには、セグ
メント電極に、例えばコンデンサー等を介して所定の電
圧を重畳してもよいことはいうまでも無い。
【0164】上記2つの実験の結果を踏まえ、発明者
は、この実験結果を従来から画像表示を専用に行ってい
た液晶ディスプレーの技術と融合して、この発明を提案
したのである。
【0165】以上の説明を踏まえて、この発明の上記第
1実施例を以下にさらに詳細に説明する。なお、本発明
において、画像表示機能は従来から用いられる液晶ディ
スプレー技術と何等変わることはないから、特に座標入
力機能について詳説する。
【0166】上記第1実施例の基本的な構成は、図1に
示したとおりであり、全ての実施例に関連する。なお、
この発明は、第1実施例のように、液晶パネル100が
通常のSTN液晶パネルの電極構造を持っていても、後
述の第2実施例のように、表示容量を高めたSTNパネ
ルの電極構造を有していても適用でき、後述の第3実施
例のように、TFTパネルの電極構造を持った液晶パネ
ルにも適用できる。
【0167】図8に、上記第1実施例が備えている座標
検出回路105の構成を特に詳細に示している。ただ
し、図8においては、図1に示した画像表示駆動回路1
01と機能切り替え制御回路108とを記載していな
い。この画像表示駆動回路101と機能切り替え制御回
路108ついては後で説明する。
【0168】また、図1に示した電界発生器102は、
図8では電界発生器208として記入した。上記電界発
生器208は、前記したように、図6に示した構造を備
えているものとする。
【0169】図8に示すように、100は液晶パネルで
あり、液晶パネル100は、コモン電極106よびセグ
メント電極107を有する。特に、セグメント電極10
7aと107bは、隣接する2本を一対としたセグメント
電極のペアであって、一方の端部が開放され、かつ他方
の端部が第1のスイッチ回路群249ー1や第2のスイ
ッチ回路群250を介して、電気的に差動増幅器242
に接続されるようになっている。この構造が第1実施例
の基本的な構造である。
【0170】図8に示すように、座標検出回路105
は、第1のスイッチ回路群249−1と、第2のスイッ
チ回路群250と、第3のスイッチ回路249−2と、
座標変換回路175と、タイミング制御回路174とを
備えている。上記第1のスイッチ回路群249−1は、
スイッチ回路249aと249bと249cと249d
と249eと249fと249gと249hとを備えて
いる。また、上記第2のスイッチ回路群250は、スイ
ッチ回路250aと250bと250cと250dとを
有している。また、上記第3のスイッチ回路249−2
は、スイッチ回路249iと249jとを有している。
【0171】第1,第2,第3のスイッチ回路群249
ー1と250と249−2は、後述するように適宜切り
替わることによって、液晶パネル100のセグメント電
極107およびコモン電極106からそれぞれ検出され
る信号を、座標変換回路175が備える初段の差動増幅
器242に導く。ここで、液晶パネル100が有する複
数のセグメント電極107およびコモン電極106のう
ち、電界発生器208が近接した電極およびその周辺の
電極からの検出信号が最も大きくなる。このように信号
が検出される原理は、前述した実験結果に基づいて説明
したとおりである。すなわち、この発明の第1実施例の
基となる実験は、図5に示した通りであって、電界発生
器208を電極に近づけると図7に示した実験結果を得
ることができる。図7に示した実験結果では、検出され
た双峰性出力信号の谷があらわれたx軸座標に位置する
セグメント電極付近に電界発生器208が存在すること
が確認されている。
【0172】一方、上記第1のスイッチ回路群249−
1と第2のスイッチ回路群250と第3のスイッチ回路
群249−2とは、タイミング回路174によって、切
り替わりが制御される。そして、上記第1,第2,第3の
スイッチ回路群249−1,250,249−2は、上
記タイミング回路174に制御されて、互いに隣接する
1対のセグメント電極107,コモン電極106を差動
増幅器242に接続すると共に、上記差動増幅器242
に接続する1対の電極の組を、上記電極が並んでいる方
向に向かって逐次1本ずつシフトさせる。
【0173】したがって、この第1実施例によれば、差
動増幅器242の出力は、図7に示した実験結果の横軸
(x座標軸)を、時間軸で置き換えたような信号となる。
そして、上記x座標軸と上記時間軸との置換レートは、
上記タイミング回路174が上記第1第2第3のスイッ
チ回路群を切り替える速度によって決まる。したがっ
て、図7に示したような、双峰性出力信号の谷の部分の
タイミング(時刻)を、座標変換回路175によって検出
することによって、上記液晶パネル100上に存在する
電界発生器208の位置座標を検出することができる。
電界発生器208の位置座標を検出することが、この第
1実施例の骨子である。
【0174】上記したように座標変換回路175は、図
5の実験から得られた双峰成形状の出力信号のうち、谷
の部分を検出して、電界発生器208の存在位置を明示
する機能を持っている。上記したように、タイミング回
路174に制御されている第1,第2,第3のスイッチ
回路249−1,250,249−2から、座標変換回路
175に入力される信号は、図7に示す実験結果の横軸
を時間軸で置き換えたような信号に変換されている。ス
イッチ回路の動作をタイミング回路174によって上記
したように制御することによって上記信号変換が行われ
る。すなわち、繰り返しになるが、上記第1と第2と第
3のスイッチ回路群249-1と250と249-2と
を、タイミング回路174によって切り替えることによ
って、例えばセグメント電極107を走査するようにす
れば、図7に示したと同様の出力を得ることができる。
そして、この出力の横軸は、液晶パネル100上で走査
されている電極の現在の走査位置を表すことができ、か
つ、電極を順に走査している時刻を表すことができる。
上記スイッチ回路群の動作の詳細については後で説明す
る。
【0175】次に、図8を参照しながら、第1実施例の
動作を説明する。また、図8に示した座標変換回路17
5内の各部での信号波形を信号の流れにしたがって順に
図9(A),(B),(C),(D),(E),(F)に示している。
【0176】上記液晶パネル100のコモン電極106
やセグメント電極107から、上記第1のスイッチ回路
群249ー1と第2のスイッチ回路群250と第3のス
イッチ回路群249−2を経由して、座標変換回路17
5に導かれた信号は、まず差動増幅器242に入る。こ
の差動増幅器242では、上記導かれた信号が扱いやす
いレベルになるように適宜増幅される。上述した実験で
は、検出される信号は数ミリボルト程度であるから、上
記導かれた信号を数百倍から1000倍程度増幅すれ
ば、増幅された信号は数ボルトオーダーとなって扱い易
くなる。
【0177】この結果、差動増幅器242からは、電界
発生器208の位置に応じて図7に示した信号と同様の
信号を増幅した出力を得ることができる。このように、
差動増幅器242を用いて信号検出を行うので、差動増
幅器の2本の入力に均等に混入した外来ノイズ等を有効
に除去できる利点がある。
【0178】ここで、上記したように、上記第1,第
2,第3のスイッチ回路群249−1,250,249−
2は、上記タイミング回路174に制御されて、上記複
数のコモン電極106と上記複数のセグメント電極10
7とを走査するように逐次選択して上記差動増幅器24
2に接続している。つまり、上記差動増幅器242に入
力される信号は、図7に示した実験結果の横軸を時間軸
で置き換えたような信号となっている。
【0179】次に、上記差動増幅器242によって増幅
された信号は、包絡線検波器186に入力される。この
包絡線検波器186に入力される信号波形を図9(A)
に示す。そして、包絡線検波器186からは増幅された
信号のエンベロープが出力される。そして、このエンベ
ロープが抽出された信号は、コンパレータ180に入力
され、このコンパレータ180によってある基準電圧
(比較参照電圧)と比較されて2値化される。図9(B)に
上記コンパレータ180に入力される信号波形および上
記基準電圧を示し、図9(C)に上記コンパレータ180
によって2値化された信号波形を実線で示す。
【0180】次に、上記コンパレータ180によって2
値化された出力を、Tフリップフロップ181に入力す
る。このTフリップフロップ181はT入力のたち下が
りをクロックとして動作するタイプのものであり、セッ
ト端子Sを有し、タイミング回路174からの信号をセ
ット端子に受けたときにQ出力端子がセットされるもの
である。Tフリップフロップ181は反転Q出力端子に
図9(C)に破線で示した双峰性形状をした信号の谷の部
位にたち上がりを有するパルスを形成する。このパルス
波形を図9(D)に示す。
【0181】次に、Tフリップフロップ181のQ出力
パルスは、ディレー回路182を経ることによって、図
9(E)に実線で示すように遅延され、さらに、NAND
ゲート183に入力される。これにより、NANDゲー
ト183の出力として、図9(F)に示すように、ディレ
ー回路182のディレー時間分だけの巾を有する負極性
のパルスを得ることができる。図9(F)に示したパルス
は、図9(A)に示した差動増幅器242の入力信号の、
双峰性形状の出力電圧の谷の部分に存在する。
【0182】一方、上記タイミング回路174から出力
されて、Tフリップフロップ181のセット端子Sに入
力されるセット信号は、同時に、カウンター184のロ
ード端子にも導かれる。すると、カウンター184は、
上記セット信号を時間的な基準として所定のクロックに
したがってカウントを始める。このカウンター184の
カウント値は、Dフリップフロップ185のD端子に入
力される。同時に、上記NANDゲート183からの負
極性パルスがDフリップフロップ185のクロック端子
に入力される。このDフリップフロップ185は、NA
NDゲート183から負極性パルスを受けた時刻に、上
記カウンター184から与えられたデータをホールドす
る。
【0183】ここで、各スイッチ回路群249ー1,2
50,249−2は、上述したように、タイミング回路
174によって動作タイミングが制御され、液晶パネル
100の電極106,107の隣接する2本を1組とし
てy軸,x軸方向に順に1本づつ走査している。したが
って、上記Dフリップフロップ185にホールドされた
データは、液晶パネル100上に存在している電界発生
器208の位置座標を示すことになる。
【0184】次に、上記第1スイッチ回路群249ー1
と第2のスイッチ回路群250と第3スイッチ回路群2
49−2とタイミング回路174の動作について一層詳
細に説明する。はじめに、タイミング回路174の動作
について説明する。タイミング回路174は、上記第
1,第2,第3スイッチ回路群の動作を制御する。ま
た、タイミング回路174は、カウンター184へクロ
ック信号を出力する。
【0185】上記実験の説明で述べたように、コモン電
極106を全てグランドに落とし、セグメント電極10
7から信号を検出するようにしてもよく、また、セグメ
ント電極107を全てグランドに落とし、コモン電極1
06から信号を検出するようにしてもよい。上記実験で
は、電界発生器208が存在する位置座標付近において
双峰性の形状を有した電圧を検出することができた。そ
して、上記双峰性形状の電圧波形の谷が在る座標が電界
発生器208が存在する位置座標であった。そして、セ
グメント電極を走査すれば電界発生器208のx座標を
特定でき、コモン電極を走査すれば電界発生器208の
y座標を特定できるから、時分割的に2回の走査を行え
ば、電界発生器208のxy座標を特定することができ
る。
【0186】図12に、座標検出期間に、第1スイッチ
回路群249−1と第2スイッチ回路群250と第3ス
イッチ回路群249−2が、上記タイミング回路174
に制御されて、セグメント電極107を1番目からn番
目まで順に走査してから、コモン電極106を1番目か
らm番目まで順に走査することを示す。ただし、n,m
はそれぞれセグメント,コモンの各電極数である。
【0187】図5に示した前述の実験によると、セグメ
ント電極107から検出を行うときは、コモン電極10
6はすべてグランドに落とす必要がある。また逆も言え
る。このことを考慮して、まずセグメント電極107を
走査してセグメント電極107から検出するときには、
タイミング回路174は、セグメント電極に接続された
スイッチ回路249a,249b,249c,249d
を制御して、このスイッチ回路249a〜249dを次
段の第2スイッチ回路群250を構成するスイッチ回路
250aと250bに接続する。一方、タイミング回路
174は、コモン電極106に接続されたスイッチ回路
249e,249f,249g,249hを制御して、
スイッチ回路249e〜249hをグランドに接続す
る。そして、タイミング回路174は、第3のスイッチ
回路群249−2のスイッチ回路249iと249jを
制御して、スイッチ回路249iと249jをセグメン
ト電極側Sに接続する。これにより、セグメント電極1
07からの信号が、差動増幅器242に伝達されること
になる。一方、コモン電極106はグランドに落とされ
る。
【0188】逆に、コモン電極106側から検出すると
きには、上記タイミング回路174は、コモン電極10
6に接続されている第1のスイッチ回路249e,249
f,249g,249hを次段のスイッチ回路250cと2
50dに接続する。そして、上記タイミング回路174
は、セグメント電極107に接続されたスイッチ回路2
49a〜249dをグランドに接続する。そして、タイミ
ング回路174は、第3のスイッチ回路249fと24
9gをコモン電極側Cに接続する。これにより、コモン
電極106からの信号が上記差動増幅器242に伝達さ
れる一方、セグメント電極107はグランドに落とされ
る。
【0189】なお、上記第2のスイッチ回路250aと
250bと250cと250dは、タイミング回路17
4によって制御されて、各セグメント電極およびコモン
電極を順に走査するように、逐次切り替えられる。した
がって、上記差動増幅器242は、各セグメント電極1
07またはコモン電極106から出力されている電圧を
順に検出することができる。
【0190】上記第2のスイッチ回路群250のスイッ
チ回路250a〜250dは、各々、図8に示した座標
軸xとyの原点側の電極から順に走査するようになって
いる。図8に示したスイッチ回路250a〜250dの
接点接続状態では、原点から第1本目のセグメント電極
107が差動増幅器242の正入力端子に接続され、原
点から2本目のセグメント電極107が差動増幅器24
2の負入力端子に接続されている。
【0191】次に、1段階だけ走査が進行すると、図8
に示した接点接続状態が切り替わり、図示したx座標軸
に沿って第2本目のセグメント電極107が差動増幅器
242の正入力端子に接続され、第3本目のセグメント
電極107が差動増幅器242の負入力端子に接続され
る。このようにして、差動増幅器107に接続されるよ
うに選択される2本の電極は、順次、上記電極が並んで
いる方向に向かって1本づつシフトして行くことにな
る。
【0192】この電極走査の進行(時間の経過)と共に、
差動増幅器242の入力端子には、図5の実験の結果で
ある図7に示した電圧波形と同様であるが横軸を時間軸
とした双峰性を有する波形が入力されることになる。
【0193】尚、第1実施例では、図5の実験を再現す
るために、互いに隣り合う電極2本を1対として走査す
るようにしているが、隣接する2つの電極群を1対とし
て、差動増幅器242に接続するようにしてもよい。
【0194】上記第1実施例では、図8の第2のスイッ
チ回路250a〜250dが切り替わり、液晶パネル10
0の各電極を順次走査していくタイミングと、カウンタ
ー184がカウント数を1カウントずつ進めて行くタイ
ミングを一致させている。したがって、電極走査時に差
動増幅器242に接続されている電極は、カウンター1
84のカウント値によって知ることができる。
【0195】そして、NANDゲート183がDフリッ
プフロップ185にパルスを出力し、このパルスをDフ
リップフロップ185が受けたときに、Dフリップフロ
ップ185はカウンター184から入力されているカウ
ント値をホールドする。つまり、上記ホールドされたカ
ウント値は、電界発生器208が存在している座標に在
る電極がxy座標の原点から何番目であるかを表してい
る数である。
【0196】なお、タイミング回路174は、カウンタ
ー184に出力するクロック信号と同期した切り替え制
御信号によって、第2のスイッチ回路群250を切り替
える必要がある。
【0197】図12に示した座標検出期間のセグメント
検出期間とコモン検出期間に描かれている◇印で囲まれ
た数字1,2,3,…,nと、数字1,2,3,…,m
は、カウンター184のカウント値を表し、同時に、ス
イッチ回路群250が接続されている接点の番号を表
し、同時に、xy軸の原点から順に割り付けられた電極
の番号を表している。
【0198】上記座標検出動作は、上記タイミング回路
174から延びている制御線に、タイミング回路174
が切替制御信号を出力して、各スイッチ回路群249−
1,250,249−2を切り替え制御することによっ
て実現される。図12は、上記各スイッチ回路群によっ
て実行されるスイッチ動作を示している。
【0199】尚、上記タイミング回路174から延びて
いる制御線から得た信号によって、上記スイッチ動作を
行うスイッチ回路は、例えば適当なマルチプレクサ素子
を用いることによって容易に実現できる。また、上記制
御線に上記切替制御信号を出力させるタイミング回路1
74は、市販のカウンタ素子やゲート素子等を組み合わ
せて容易に実現できる。
【0200】また、上記したように、上記タイミング回
路174は、Tフリップフロップ181のセット端子S
およびカウンター184のロード端子に、セット信号を
出力する。このときが、Tフリップフロップ181のセ
ットタイミングと上記カウンター184のロードタイミ
ングであり、かつ、セグメント側もしくはコモン側から
電極の走査を開始する時刻(タイミング)である。
【0201】なお、先に述べたように、第2のスイッチ
回路群250が順次切り替わり、各電極106,107
を走査して行くタイミングと、カウンター184が1カ
ウントずつ進んでいくタイミングは一致している。した
がって、電極を走査しているときに、差動増幅器242
に接続された電極の座標軸原点から何番目かは、カウン
ター184のカウント値が示している。なぜならば、前
述したように、タイミング回路174は、タイミング回
路174からカウンター184に入力されるクロックと
同期して、第2のスイッチ回路群250に切り替え制御
信号を出力するからである。
【0202】上記したように、タイミング回路174に
よって、第1,第2,第3のスイッチ回路群249−1,
250,249−2が制御されているから、Dフリップ
フロップ185は、セグメント側電極,コモン側電極そ
れぞれを順に数えた値としてのカウント値すなわち差動
増幅器242に接続されている電極が原点から何番目で
あるかを表すデータをホールドする。つまり、上記ホー
ルドされたデータは、電極の走査が開始されてカウンタ
ー184がリセットしたときから、NANDゲート18
3から負極性パルスが発生した時刻までに、電極走査に
同期して上記カウンター184がカウントした値であ
る。上記カウンター184は、上記リセット時にカウン
トを開始し、電極走査位置を電極1本だけシフトしたと
きに1カウントづつカウントしていることはいうまでも
ない。
【0203】言い換えれば、上記カウント数は、上記各
スイッチ回路群が差動増幅器242に接続する液晶パネ
ル100の電極を走査方向に1本づつシフトすることに
よって電界発生器208の位置座標に対応する双峰性出
力電圧の谷を探索した結果、座標変換回路175が計数
した電極数で上記谷の位置を表してDフリップフロップ
185にホールドした値である。電界発生器208が位
置しているx座標またはy座標が、計数した電極の数で
表されており検出されているのである。
【0204】以上の動作を、図38に示したタイミング
チャートを用いて再度説明する。このタイミングチャー
トは、図12に示したタイミングチャートの座標検出期
間を拡大して示したものである。
【0205】図8に示したタイミング回路174からカ
ウンタ184へ導かれる信号のうちクロック信号は、図
38(B)に示すように連続して与えられる。
【0206】また、タイミング回路174では、機能切
り替え制御回路108から与えられる図38(A)に示す
タイミング信号に基づいて、第1のスイッチ回路群24
9ー1へ供給する切り替え制御信号を作成する。スイッ
チ回路249a〜dに与えられる切り替え制御信号を図
38(C)に示し、スイッチ回路249e〜jに与えられ
る切り替え制御信号を図38(D)に示す。この制御信号
は、図12に従ってスイッチ回路を切り替えるのに用い
られる。タイミング回路174からスイッチ回路249
へ与えられる信号は図38(C)と(D)に示す2つがある
が、いずれも座標検出期間中は各スイッチ回路の接点を
セグメント側S、コモン側Cにそれぞれ切り替える。ま
た、表示期間中は、図38(C)に示した切り替え制御信
号は、スイッチ249a〜dをセグメント側へ接続し、一
方、図38(D)に示した切り替え制御信号は、スイッチ
249e〜jをコモン側へ接続する。また、図38(E)に
示した切り替え制御信号は、表示期間中はスイッチ回路
250を常に接点6に接続し、座標入力期間中は接点1
から接点6までを順次スキャンさせる。
【0207】加えて、タイミング回路174では、機能
切り替え制御回路108から与えられるタイミング信号
に基づいて、図38(F)に示したロード信号を発生す
る。このロード信号はセグメント側検出、コモン側検出
のそれぞれの検出開始時に1回出力される。この後、図
38(G)に示すように、カウンタ184はカウントを開
始し、クロックに従ってカウントアップする。
【0208】ところで、電界発生器208が、セグメン
ト電極3番、コモン電極4番付近、即ち、座標(X,Y)
=(3,4)付近に存在したとすると、図9に示した波形
図で説明したように、Tフリップフロップ181から図
38(H)に示す波形が出力され、セグメント電極3番,
コモン電極4番付近を第2のスイッチ回路群250がス
キャンしたときに、図38(I)に示すようにNANDゲ
ート183から負極性のパルスが得られる。これによ
り、図38(J)に示すように、Dフリップフロップ18
5にはその時点のカウンタ184のカウント値(3,4)
がラッチされる。これはすなわち電界発生器208が存
在する座標を表す。このようにして、座標検出がなされ
るものである。
【0209】上記したように、電界発生器208が位置
しているx座標およびy座標は、図12に示したそれぞれ
の検出期間のうち、NANDゲート183から負極性パ
ルスが出力されたタイミングで、それぞれDフリップフ
ロップ185にホールドされる。上記電界発生器208
の位置座標を示すデータは、別途、検出した座標データ
として利用するができる。利用方法については特に限定
しないが、例えば、図1に示した機能切り替え制御回路
108が画像表示を行うよう指定している期間に、その
期間の直前に検出した座標を点灯させることを繰り返し
行えば、あたかもペンで紙にものを描くがごとく、電界
発生器208を用いて液晶パネル100の上にものを書
くことができるようになる。また、同時に検出した座標
データをCPUに取り込み、文字認識など所望の処理を
行わせることも可能である。
【0210】なお、上記第1実施例では、図8に示した
座標変換回路175を用いたが、図8に示した座標変換
回路175に替えて、図10に示した座標変換回路17
5Tを用いてもよい。この座標変換回路175Tは、時
定数が大きなエンベロープ検波器191と時定数が小さ
なエンベロープ検波器192との並列接続を有してい
る。この並列に接続されたエンベロープ検波器191と
192は、差動増幅器242の出力と、差分回路193
との間に接続されている。上記差分回路193の出力
は、2値化回路194で2値化され、さらに、Dフリッ
プフロップ185のクロック端子に接続されている。こ
のDフリップフロップ185にはカウンター184が接
続されており、カウンター184はタイミング回路17
4に接続されている点は、図8に示した座標変換回路1
75と同じである。
【0211】この座標変換回路175Tでは、図8に示
すスイッチ回路249iと249jを通過した信号が差
動増幅器242に入力され、所定のレベルまで増幅され
る。次に、増幅された信号は、時定数が大きなエンベロ
ープ検波器191と時定数が小さなエンベロープ検波器
192とに入力される。エンベロープ検波器191と1
92に入力される信号波形を、図11(A)に示す。ま
た、時定数の大きなエンベロープ検波器191からは、
図11(C)に示すように双峰性出力の谷の部分が埋まっ
たような信号が出力される。一方、図11(B)に示すよ
うに、時定数が小さなエンベロープ検波器192から
は、図11(A)に示した信号のエンベロープ波形を有す
る信号が出力される。
【0212】そして、差分回路193は、上記2つの検
波器191と192からの出力の差をとる。上記差分回
路193の出力波形を図11(D)に示す。図11(D)に
示した出力信号は、2値化回路194に入力され、この
2値化回路で所定の比較参照電圧と比較されて2値化さ
れる。この2値化回路194の出力波形を、図11(E)
に示す。2値化回路194の出力信号は、パルス状信号
である。このパルス信号は、前述と同様にして、Tフリ
ップフロップ181,遅延回路182,NANDゲート1
83などを用いて整形すれば、図7に示した実験結果の
信号波形の谷の位置と一致するパルス信号を得ることが
できる。したがって、前述と同様に、カウンター184
やラッチ回路185を用いて、電界発生器208の位置
座標を得ることができる。なお、エンベロープ検波器1
91と192の出力の差を演算したが、検波器191と
192の出力の積演算などを行って、出力に大きな差が
ある部分である谷の部分を検出することもできる。
【0213】なお、上記第1実施例では、差動増幅器2
42の出力を包絡線検波器を用いて包絡線検波し、信号
のエンベロープを抽出したが、実効値を検出する手段を
用いても良い。
【0214】また、上述した座標変換回路の2つの構成
例175と175Tは、振幅の変化に着目して信号波形
の谷の部分を検出するものであるが、このような座標変
換回路の構成例は上記した2つの構成例以外にも多数の
構成例がある。
【0215】尚、上記第1実施例の各スイッチ回路の構
成には、上述とは別の構成も考えられる。どのようにで
も容易に構成できるから、ここでは特に述べない。要す
るに、図12に示したのタイミングを守ることができる
構成であればよい。また、取り立ててスイッチ回路を使
う必要もなく、3ステートのバッファ回路などを有効に
組み合わせても、上記各スイッチ回路と同様の機能を持
つ回路を構成できる。
【0216】また、上記第1実施例では、簡単のため
に、具体的に図示したのは16個の画素数だけである
が、最初に述べたように、液晶パネル100は実際には
さらに多数の画素を有していることは言うまでもない。
さらには、もっと画素数の多い液晶パネルであっても、
上記第1実施例の基本構成と基本動作はまったく同様で
ある。
【0217】ところで、はじめに述べたように、図1に
示した機能切り替え制御回路108は、画像表示駆動回
路101と座標検出回路105を制御して、液晶パネル
100に画像表示と座標検出を時分割的に交互に行わせ
る。図1に示した機能切り替え制御回路108は、図8
に示したタイミング回路174に制御信号を出力する。
すると、上記座標検出回路105は、座標検出期間だけ
上記した座標検出動作を行い、画像表示期間には、第1
のスイッチ回路群249などが画像表示の妨げとならな
いよう、これらスイッチ回路群を液晶パネル100から
切り放すよう動作する。すなわち、画像表示期間中は、
第1のスイッチ回路群249−1を構成するスイッチ回
路249aからhは、全ての電極を第2のスイッチ回路群
250に導く接点に接続される。つまり、スイッチ回路
249aからdは図8中のS側の接点に接続され、スイ
ッチ回路249eからhはC側の接点に接続される。ま
た、第2のスイッチ回路250群を構成するスイッチ回
路250a〜dは、どこにも接続されていない第6の接
点に接続される。さらに、次段の第3のスイッチ回路群
249−2を構成するスイッチ回路249iと249jを
どの接点にも接続しない。このようにすれば、液晶パネ
ル100の画像表示は、座標検出回路105には一切影
響されず、まったく従来の技術そのままで行われる。一
方、図1に示した画像表示駆動回路101の出力回路
(図示せず)は、通常、3ステートのバッファを有してい
るから、外部からの制御によって出力端子をハイインピ
ーダンスにすることができる。したがって、機能切り替
え制御回路108が上記画像表示駆動回路101を制御
して、画像表示期間のみ画像表示駆動回路101の出力
回路を動作させ、一方、座標入力期間には画像表示駆動
回路101の出力端子をハイインピーダンスにするよう
にすれば、画像表示駆動回路101は、座標検出回路1
05には一切影響をあたえない。このようして、座標入
力回路と画像表示駆動回路とを簡単に分離することが可
能となる。
【0218】なお、上記第1実施例では、図8に示すよ
うに、差動増幅器242の各入力端子に、セグメント電
極107またはコモン電極106を1本づつ接続した
が、図33(A)に示すように、差動増幅器242の各入
力端子に、液晶パネルの2本の電極を接続してもよい。
また、図33(B)に示すように、差動増幅器242の各
入力端子に、液晶パネルの電極を3本づつ接続してもよ
い。このように、差動増幅器の各入力端子に電極を複数
本づつ接続することによって、検出信号のS/N比を向
上することができる。なお、図33では、図8に描かれ
ていたスイッチ回路やタイミング回路は描かれておらず
簡略化されている。
【0219】また、上記第1実施例では、差動増幅器2
42の入力端子に接続される1対の電極107は隣接し
ていたが、図34(A)に示すように、1本の電極107
を挟んだ1対の電極107を差動増幅器242の入力端
子に接続してもよい。さらには、図34(B)に示すよう
に、2本の電極107を挟んだ1対の電極107を差動
増幅器242の入力端子に接続してもよい。また、図3
5(A)に示すように、1本の電極107を挟んだ1対の
電極群107G2を差動増幅器242に接続してもよ
い。上記電極群107G2は、2本の電極107からな
る。また、図35(B)に示すように、2本の電極107
を挟んだ1対の電極群107G3を差動増幅器242に
接続してもよい。上記電極群107G3は3本の電極か
らなる。
【0220】図33〜図35に示したように、差動増幅
器242に電極を接続する方法は、幾通りもあるが、要
はS/N比が最も向上するように接続すればよい。例え
ば、3本の電極を挟んだ1対の電極群を差動増幅器に接
続する場合には、上記電極群が4本の電極を含んでいれ
ばよい。なお、図33〜図35に示したいずれの接続の
場合でも、電極1本づつスキャンする点では、第1実施
例と同じであるから、位置検出の分解能が劣化すること
はない。
【0221】〔第2実施例〕次に、本発明の第2実施例
を説明する。この第2実施例は、表示容量を増加させた
液晶パネルを備えている。この表示容量を増加させた液
晶パネルを、図13に示す。図13に示した液晶パネル
260は、図13において上段のコモン電極261aと
図13において下段のコモン電極261bを有してい
る。そして、コモン電極261aと261bはコモン電
極コネクタ264aと264bに接続されている。
【0222】また、液晶パネル260は、図13におい
て上段のセグメント電極262aと図13において下段
のセグメント電極262bを有している。そして、セグ
メント電極262aと262bは、セグメント電極コネ
クタ263aと263bに接続されている。
【0223】図13に示すように、1対のセグメント電
極262aとセグメント電極262bは、1本のセグメ
ント電極の略中央が切除された形態を構成している。
【0224】図13に示した液晶パネル260は、複数
電極同時走査方式パネルと呼ばれる。この液晶パネル2
60は、デューティー駆動を採用しており、図13に示
すように1対のセグメント電極262aと262bが構
成するセグメント電極が中央部で2分割された形態を備
えている。即ち、1対のセグメント電極262aと26
2bが構成するセグメント電極は、液晶パネル260の
一端から他端まで連続的には貫通していないという構造
上の特徴を持っている。したがって、いわば、液晶パネ
ル260は、図13において上下2枚の液晶パネルを中
央でつなぎ合わせたような構造をしている。構造上、こ
の複数電極同時走査方式の液晶パネル260は、コモン
電極261a,261bから引き出されている1組の端
子と、セグメント電極262aと262bからそれぞれ
引き出されている2組の端子とを有している。特に、コ
モン電極261aと261bの端子は右方向または左方
向の一方に引き出され、セグメント電極262aと26
2bの端子は上下の両方向に引き出されていることが多
い。
【0225】ところで、この発明では、既に述べたよう
に、座標入力機能と画像表示機能は完全に分離すること
が可能であるから、どのような表示パネルを使用しよう
が、この発明の技術を用いて座標入力機能を付加するこ
とができる。従って、上記複数電極同時走査方式の液晶
パネル260にも、本発明を適用することができる。上
記第2実施例は、液晶パネル260に、この発明を適用
した実施例である。
【0226】図36に、この第2実施例のモジュール構
成を示す。図36に示すように、この第2実施例は、上
記液晶パネル260をコの字型に取り囲むプリント基板
701を備えている。このプリント基板701は、X軸
IC素子702とX軸IC素子703とY軸IC素子7
04とタイミング制御IC705と信号入出力端子70
6とを備えている。上記X軸IC素子702は上記セグ
メント電極262aに接続されており、上記X軸IC素
子703はセグメント電極262bに接続されており、
Y軸IC素子704はコモン電極261aと261bに
接続されている。
【0227】上記X軸IC素子702と703とY軸I
C素子704とが、図1に示した画像表示駆動回路10
1に加え、座標検出回路105の機能を合わせ持つよう
に構成されている。また、上記タイミング制御IC70
5は、図1の機能切り替え制御回路108に相当する。
【0228】この第2実施例のモジュール構成は、表示
専用に用いられる従来の液晶表示モジュールと比較し
て、タイミング制御IC705と信号入出力端子が増加
している点が異なっている。
【0229】図36に示すように、この第2実施例は、
コ字型のプリント基板701が液晶パネル260の3辺
のみに対向するように取り付けられている点で、従来の
表示専用液晶表示モジュールと同一である。したがっ
て、この第2実施例のモジュールすなわちプリント基板
701を、従来の表示専用液晶表示モジュールが組み込
まれていたスペースとまったく同一の面積のスペースに
組み込むことができる。このことは、製品のコンパクト
化の要求を満たすだけでなく、製造工程の複雑化の回避
につながり、製造コストを大幅に低減できる効果があ
る。
【0230】これに対し、前述したような従来の座標入
力機能付表示装置では、プリント基板を液晶パネルに対
する4辺全てに対向して取り付る必要があるので、モジ
ュール(プリント基板)を組み込んだ装置が大型化する欠
点があった。
【0231】図14に示すように、この第2実施例は、
先に説明したこの発明の第1の実施例の基本構造を、少
なくとも2組有している。そして、セグメント電極26
2aおよび262bについては、差動増幅器205aお
よび205bを用いて上下両方から信号を引き出すよう
になっている。図14では、コモン電極261aと26
1bをグランドに接続しているが、逆に、セグメント電
極262aとbをグランドに接続しコモン電極261a
とbから信号を引き出すように、接続を入れ替える図に
は示していないスイッチ回路を設ける必要がある。な
お、208は電界発生器である。
【0232】なお、上記液晶パネル260は、すでにワ
ードプロセッサーなどで広く実用されているので、参考
文献書籍等は多数入手することができる。たとえば、参
考書籍としての「液晶=応用編、岡野、小林共編、培風
館刊、1992年第7刷」の第99ページを参照すれば
よい。言うまでも無く、上記液晶パネル260は、従来
において表示専用に用いられてきたので、表示のために
用いる周辺回路なども全く既知のものである。
【0233】次に、図15を参照しながら、この第2実
施例の構造と動作を説明する。この第2実施例を説明す
る図15は、上記第1実施例を説明する図8に対応して
いる。図15に示す液晶パネル280は、図13に示し
た液晶パネル260と実質的に同様の複数電極同時走査
方式の液晶パネルである。この液晶パネル280は、図
14に示した液晶パネル260と同様に、略中央が切除
された形態のセグメント電極284を備えている。従っ
て、上記セグメント電極284は、図中上側のセグメン
ト電極284aと図中下側のセグメント電極284bを
有している。また、上記液晶パネル280は、液晶パネ
ル260と同様に、コモン電極285を備えている。
【0234】図15に示すように、2本一対のセグメン
ト電極284aとbは、一方の端部が開放されており、
かつ他方の端部が差動増幅器281と差動増幅器282
に接続されている。そして、差動増幅器281と差動増
幅器282の出力は、加算器283に接続されている。
また、208は電界発生器である。
【0235】図15に示した座標変換回路175は、図
8に示した座標変換回路175と実質的に同じ構造であ
る。この座標変換回路175は、包絡線検波回路286
bと2値化回路286とカウンタ289とDフリップフ
ロップ288とタイミング回路290とTフリップフロ
ップ181と遅延回路182とNANDゲート183を
有している。後述するが、図15に示した構成のほか
に、図8に示したのと同様のいくつかのスイッチ回路が
必要である。
【0236】図15に示した状態では、コモン電極28
5はグランドに接続されており、セグメント電極284
は、2つの差動増幅器281と282に接続されている
が、上記いくつかのスイッチ回路は、セグメント電極2
84とコモン電極285の接続状態を入れ替える役割
や、各電極を走査する役割を有している。
【0237】前記したように、本発明の基となる実験
は、図5に示した通りであって、電界発生器208を近
づけた電極から図7に示すの出力を得ることができた。
図7に示した実験結果では、検出された双峰性出力信号
の谷が示す座標付近に電界発生器208が存在すること
が確認されている。したがって、この第2実施例におい
ても、差動増幅器281または282は、第1実施例と
同様に、図7に示す実験結果の横軸を時間軸で置き換え
たような信号を出力すると考えることができ、信号のピ
ーク部分が生じたタイミング(時刻)を検出することによ
って、電界発生器208が存在する位置座標を検出する
ことができる。
【0238】この第2実施例では、上記液晶パネル28
0は、図15において上下2枚に分離されていると見な
すことができる。したがって、電界発生器208が液晶
パネル280の上半分にあるときは、液晶パネル280
の電極284と285からの信号は、差動増幅器281
だけが検出できる。また、電界発生器208が液晶パネ
ル280の下半分にあるときは、電極284と285か
らの信号は、差動増幅器282だけが検出できる。した
がって、これら2つの差動増幅器281と282からの
出力を加算器283で加算すれば、液晶パネル280の
全面において、電界発生器208の位置を検出すること
ができる。このことの実現が第2実施例の骨子である。
【0239】次に、図15を参照しながら、この第2実
施例の動作を、信号の流れにしたがって説明する。
【0240】まず、電界発生器208が液晶パネル28
0の上半分にあるときは、液晶パネル280からの信号
は差動増幅器281だけによって検出される。一方、電
界発生器208が液晶パネル280の下半分にあるとき
は、液晶パネル280からの信号は差動増幅器282だ
けによって検出される。したがって、差動増幅器281
および282からは、それぞれ、電界発生器208の位
置に応じて、図7に図示した信号のと同様の出力が出力
される。したがって、加算器283で差動増幅器281
と282の出力を加算すれば、電界発生器208が液晶
パネル280の全面のどこにあっても、図7に示した出
力と同様の出力を得ることができる。
【0241】この加算器283以降の信号の流れは、第
1実施例と略同様であり、包絡線検波回路286bによ
って信号を検波してエンベロープを検出し、つぎに2値
化回路286によって、上記エンベロープ出力を2値化
してパルス状信号を得る。そして、このパルス信号を、
Tフリップフロップ181と遅延回路182とNAND
ゲート183によって波形整形して出力パルスを得る。
この出力パルスは、第1実施例と同様に、図7に示した
双峰性信号の谷位置に対応して発生するので、上記出力
パルスを検出することによって、電界発生器208の位
置を検出することができる。
【0242】上記タイミング回路290は、所定のタイ
ミングを表すセット信号をカウンター289のロード端
子に入力する。上記カウンター289は、上記セット信
号を時間的な基準として所定のクロックにしたがってカ
ウントを始める。そして、このカウンター289のカウ
ント値をDフリップフロップ288のD端子に入力し、
NANDゲート183からの出力パルスをDフリップフ
ロップ288のクロック端子に入力すれば、Dフリップ
フロップ288は、2値化回路286からの出力パルス
が出力されるタイミングに一致して、カウンター289
からDフリップフロップ288に与えられているデータ
をホールドする。
【0243】上記タイミング回路290が、次に述べる
ような動作タイミングの制御を行うと、Dフリップフロ
ップ288がホールドするデータが、電界発生器208
の座標を示すことができる。
【0244】この電界発生器208の位置座標を検出す
る動作は、第1実施例と同様にして行われ、図8を参照
して説明したように行われる。すなわち、図15には描
かれていないが、所定のスイッチ回路を設けて、このス
イッチ回路を第1実施例と同様にして制御し、セグメン
ト電極およびコモン電極を走査することによって、信号
を検出して、電界発生器208の座標を特定できる。
【0245】次に、図16を参照して、図15には描か
れていなかった必要なスイッチ回路を説明する。図16
には必要な第1のスイッチ回路291と、第2のスイッ
チ回路292と、第3のスイッチ回路293が描かれて
いる。第1のスイッチ回路291は、第1のスイッチ回
路291a〜dと291e〜hと291i〜lとが構成
している。また、上記第2のスイッチ回路292は、ス
イッチ回路292a,bとスイッチ回路292c,dと
スイッチ回路292e,fとが構成している。これら第
1,第2,第3のスイッチ回路291,292,293
の動作と、タイミング回路290について説明する。
【0246】図16に示すように、この第2実施例は、
セグメント電極284aに対して第1のスイッチ回路2
91a,b,c,dを備えており、セグメント電極28
4bに対して第1のスイッチ回路291e,f,g,h
を備えている。つまり、第2実施例は、液晶パネル28
0の2辺に対して、第1のスイッチ回路291a〜dと
291e〜hを備えている。この第2実施例は、セグメ
ント電極からの信号を検出するために、液晶パネル28
0の2辺にスイッチ回路を設けているから、第1実施例
のスイッチ回路よりも複雑になっている。
【0247】図16には詳細な構造を示していないが、
上記第1,第2のスイッチ回路291,292は、図8
に示した第1のスイッチ回路群249−1,第2のスイ
ッチ回路群250と同じ構造を備えている。たとえば、
図16のスイッチ回路291a,b,c,d,および291e,f,
g,hは、図8のスイッチ回路249a,b,c,dと同じ構造で
ある。同様に、図16のスイッチ回路291i,j,k,l
は、図8のスイッチ回路249e,f,g,hと同じ構造であ
る。
【0248】また、図16のスイッチ回路292a,bお
よびスイッチ回路292c,dは図8のスイッチ回路25
0a,bと同じ構造であり、図16のスイッチ回路292
e,fは図8のスイッチ回路250c,dと同じ構造である。
【0249】このように、この第2実施例の第1と第2
スイッチ回路291と292は、第1実施例の第1と第
2のスイッチ回路に対応しているから、図16にあわせ
て図8を参照すれば分かりやすい。
【0250】次に、タイミング回路290の動作につい
て説明する。タイミング回路290は、主として上記第
1,第2,第3のスイッチ回路291,292,293
の動作を制御する。また、カウンター289に入力する
クロック信号を発生する。タイミング回路290は、各
スイッチ回路291,292,293を制御するとともに
カウンター289にクロック信号を入力することによっ
て、Dフリップフロップ288にホールドされたデータ
が電界発生器208の座標を示すようにする。このタイ
ミング回路290による制御は、第1実施例において、
図12に示したように行われる。
【0251】この第2実施例では、先述の実験で述べた
のと同様に、コモン電極285を全てグランドに落とし
て、差動増幅器281と282によってセグメント電極
284からの信号を検出するができるし、セグメント電
極284を全てグランドに落として、差動増幅器294
によってコモン電極285から信号を検出することがで
きる。先述の実験では、電界発生器の位置に対応して双
峰性の形状を有した電圧波形を検出できた。そして、双
峰性形状の電圧波形の谷部が電界発生器208が存在す
る位置座標を示していた。したがって、セグメント電極
側からの位置座標検出とコモン電極側からの位置座標検
出との2回の座標検出を行えば、電界発生器208のx
y座標を特定することが可能であった。したがって、こ
の第2実施例においても、図12に示したように、電界
発生器208の位置座標検出を、セグメント電極284
側とコモン電極285側からの2回、時分割的に行えば
よい。図5の実験で確認したのと同様に、セグメント電
極284を走査して、位置座標を検出するときには、コ
モン電極285はすべてグランドに接続することが必要
である。また逆も言える。したがって、上記必要を満た
すように、上記タイミング回路290は、各スイッチ回
路291と292を切り替え制御する。すなわち、セグ
メント電極284を走査して、電界発生器208のx座
標を検出するときは、セグメント電極284に接続され
た第1のスイッチ回路291a〜dと291e〜hが、
次段の第2のスイッチ回路292a〜bと292c〜dに
接続されて信号を伝達する。そして、コモン電極285
に接続された第1のスイッチ回路291i〜lがグラン
ドに接続される。その結果、セグメント電極284から
の信号は、第2のスイッチ回路292aとbおよび29
2cとdを経て差動増幅器281と282に導かれる。
そして、差動増幅器281と282によって、増幅され
た信号は、さらに加算器283で加算される。そして、
加算器283から出力された信号は、セグメント電極側
sに切り替わった第3のスイッチ回路293を経由し
て、座標変換回路175に導入されて、2値化回路28
6へ導かれる。この後の信号の流れと座標変換回路17
5の動作は第1実施例で説明したのと同じである。
【0252】逆に、コモン電極285側から位置座標検
出を行うときは、コモン電極285に接続された第1の
スイッチ回路291iからlが次段の第2のスイッチ回
路292e,fに接続されて信号を伝達する。一方、セグ
メント電極284に接続されたスイッチ回路291a〜
dと291e〜hがグランドに接続される。上記第2の
スイッチ回路292eと292fから出力された信号は、
差動増幅器294を経てコモン側cに切り替わった第3
のスイッチ回路293へ導かれる。第3のスイッチ回路
293がコモン電極側cに切り替わっているから、上記
信号は、上記座標変換回路175の2値化回路286へ
導かれる。この後の信号の流れと座標変換回路175の
動作は先に説明した第1実施例と同じである。
【0253】上記第2のスイッチ回路292a,bとc,
dとe,fは、各セグメント電極284とコモン電極28
5を順に走査するように切り替わって、各セグメント電
極284またはコモン電極285からどのような値の電
圧が出力されているのかを、差動増幅器281と282
と294とで検出できるようになっている。上記第2の
スイッチ回路292は、図16に示したxy座標軸の原
点に隣接した電極から順に走査する。図16では、図8
と同様に、液晶パネル280の右下に原点が位置するx
y座標軸を設定している。そして、xy座標軸の原点に
隣接する電極から順に走査するようになっている。
【0254】図16の上記各スイッチ回路291,29
2の各接点接続の状態が、図8に示した第1と第2のス
イッチ回路の接点接続と同じ接点接続状態であるときに
は、x軸の原点から第1本目のセグメント電極284が
差動増幅器281の負入力端子に接続され、x軸の原点
から第2本目のセグメント電極が正入力端子に接続され
る。次に1段階だけ走査が進行すると、x軸の原点から
第2本目のセグメント電極とx軸の原点から第3本目の
セグメント電極が、それぞれ、差動増幅器281の負入
力端子と正入力端子に接続される。
【0255】一方、x軸の原点から第1本目のセグメン
ト電極が差動増幅器282の正入力端子に接続され、x
軸の原点から第2本目のセグメント電極が負入力端子に
接続されている。次に1段階だけ走査が進行すると、x
軸の原点から第2本目のセグメント電極とx軸の原点か
ら第3本目のセグメント電極が、それぞれ、差動増幅器
282の負入力端子と正入力端子に接続される。
【0256】このように、2つの差動増幅器281と2
82に接続される上下に対応している4本1組のセグメ
ント電極284aと284bの組み合わせが、x軸上の
位置座標をx軸が延びている方向に順次1本づつシフト
させられて行く。このように、差動増幅器281と28
2に接続されるセグメント電極の組合わせが、順に走査
されて行くから、図7に示した双峰性の波形が横軸を時
間軸とした波形が、加算器283の出力端子から出力さ
れることになる。すなわち、図7に示した実験の条件が
再現されたことになる。
【0257】なお、この第2実施例では、図5の実験を
忠実に再現するために、あい隣り合う電極2本を1対と
して走査するようにしているが、例えば隣り合う、また
は隣接する2本以上を1つの電極群とし、隣接する2つ
の電極群を1対として、上記した走査を実行してもよ
い。
【0258】この走査動作は、タイミング回路290か
ら各スイッチ回路291〜293へ接続されている制御
線に、タイミング回路290が切替制御信号を出力する
ことによって、行われる。図12に上記各スイッチ回路
の切り替わり動作を示した。
【0259】なお、上記タイミング回路290からの制
御線から入力された信号によって、上記切り替わり動作
を行うスイッチ回路は、例えば適当なマルチプレクサ素
子を用いれば容易に実現できる。また、上記制御線に上
記したような制御信号を出力するタイミング回路290
も、市販のカウンタ素子やゲート素子等を組み合わせて
容易に構成することができる。
【0260】なお、タイミング回路290の制御によっ
て、第2のスイッチ回路292が順次切り替わり、各電
極284と285を走査して行くタイミングと、カウン
ター288が1カウントずつ計数していくタイミングと
は一致させられている。したがって、走査時に差動増幅
器281,282と294に接続されている電極28
4,285が原点から何番目にあるのかということを、
カウンター288のカウント値が示すことになる。もち
ろん、タイミング回路290は、タイミング回路290
からカウンター289に入力されるクロック信号に同期
して、第2のスイッチ回路292に入力する切り替え制
御信号を発生させている。タイミング回路290がこの
ような制御信号を発生する構成にすることは容易であ
る。
【0261】このようにスイッチ回路291が制御され
ていれば、結局、Dフリップフロップ288には、電極
走査時に差動増幅器に接続されている電極が原点から何
番目であるのかということを表す値すなわちカウンタ2
89のカウント値がホールドされる。このDフリップフ
ロップ288がホールドした値は、カウンター289が
リセットされた時からNANDゲート183から負極性
パルスが発生した時までに、カウンター289が電極走
査に同期して順に1カウントづつカウントしたカウント
数である。
【0262】言い換えれば、このカウント数は、上記各
スイッチ回路が差動増幅器に接続する液晶パネル280
の電極を走査方向に1本づつシフトすることによって電
界発生器208の位置座標に対応する双峰性出力電圧の
谷部を探索した結果、座標変換回路175が計数した電
極数で上記谷の位置を表してDフリップフロップ288
にホールドした値である。電界発生器208が位置して
いるx座標またはy座標が、計数した電極の数で表され
ており検出されているのである。
【0263】以上述べたように、電界発生器208が位
置しているx座標およびy座標は、図12に示したそれ
ぞれの検出期間のうち、NANDゲート183から負極
性パルスが出力されたときに、Dフリップフロップ28
8にホールドされる。上記電界発生器208の位置座標
を示すデータは、別途、検出した座標データとして利用
することができる。利用方法については特に限定しない
が、たとえば、第1実施例で述べたのと同様の利用が可
能である。
【0264】なお、上記各スイッチ回路は、上記第2実
施例とは別の構成にしてもよく、どのような構成であっ
ても容易に構成できるから、ここでは特に述べない。要
するに、各スイッチ回路が、図12に示したタイミング
を守れるならよい。また、取り立ててスイッチ回路を使
う必要もなく、スイッチ回路に替えて3ステートのバッ
ファ回路を有効に組み合わせた回路を使用してもよい。
【0265】また、上記第2実施例では、簡単のため
に、具体的に図示したのは画素数が16個の画素だけで
あるが、液晶パネル280は実際にはさらに多数の画素
を有していることは言うまでもない。さらには、もっと
画素数が多い液晶パネルであっても、上記第2実施例の
基本構成と基本動作は全く同じである。
【0266】ところで、この第2実施例は、図1の機能
切り替え制御回路108を備えている。この機能切り替
え制御回路108は、画像表示駆動回路101と座標検
出回路105を制御して、液晶パネル280に画像表示
と座標検出を時分割的に交互に行わせる。図1に示した
機能切り替え制御回路108は、図16に示したタイミ
ング回路290に制御信号を出力する。すると、座標検
出回路105は、座標検出期間だけ上記した座標検出動
作を行い、画像表示期間には、第1のスイッチ回路29
1などが画像表示の妨げとならないように、これらスイ
ッチ回路を液晶パネル280から切り離すように動作す
る。即ち、画像表示期間中は、第1のスイッチ回路29
1a〜lは、液晶パネル280の全ての電極を第2のス
イッチ回路292a〜fに導くように、その接点が接続
される。また、第2のスイッチ回路292は、どこにも
接続されていない接点に接続される。したがって、第2
のスイッチ回路292以降の差動増幅器281と282
および294は、液晶パネル280から切り放される。
この結果、画像表示は座標変換回路175を含んだ図1
の座標検出回路105には一切影響されなくなる。つま
り、画像表示期間中は、従来の画像表示専用の液晶表示
装置と同様の動作を行なうことができる。尚、この第2
実施例は、図1に示した機能切り替え制御回路108お
よび画像表示駆動回路101を備えているが、その動作
は、第1実施例と同一である。
【0267】〔第3実施例〕次に、本発明の第3実施例
を説明する。この第3実施例は、この発明の座標検出装
置が、TFT液晶パネルに応用された実施例である。上
記第1と第2の実施例において既に述べたように、この
発明を表示用液晶パネルに適用した場合に、座標入力機
能と画像表示機能を完全に分離することができる。そし
て、この第3実施例の説明によって明示されるように、
この発明の技術を用いてTFT液晶パネルに座標入力機
能を付加することができる。
【0268】図17に、このTFT液晶パネル310の
構造を示す。図17に示したように、TFT液晶パネル
310は、通常、セグメント314aと314bとが液
晶パネル310の上下両方の端部から交互に櫛の歯状に
延びているという構造上の特徴がある。
【0269】図18に示すように、この第3実施例は、
図8に示した第1の実施例の基本構造を、2組備えてい
る。つまり、液晶パネル310が有しているセグメント
電極314aと314bについて、電極配列方向に沿っ
て交互に上下両方から信号を引き出すことができるよう
になっている。図18は、上記液晶パネル310のコモ
ン電極315がグランドに接続された状態を示している
が、この第3実施例は、図16に示した第2実施例と同
じように、各スイッチ回路を備えている。このスイッチ
回路は、図18に示した電極接続状態を切り替えて、セ
グメント電極314をグランドに接続し、コモン電極3
15からの信号を図示しない差動増幅器に引き出すよう
にすることができる。
【0270】なお、上記したTFT液晶パネルはすでに
広く実用されていて、参考文献書籍等にも不自由はしな
い。たとえば、参考書籍としての「液晶=応用編"、岡
野、小林共編、培風館刊、1992年第7刷」の第10
4ページを参照すれば記載されている。このTFT液晶
パネルは、従来から、表示専用に用いられいるので、表
示のために用いる周辺回路などはまったく既知のもので
ある。
【0271】上記TFT液晶パネル310は、表示部分
の寸法が17cm(横)×14.3cm(縦)であり、画素構成
が640(RGB各々)(横)×480(縦)であり、画素寸
法が約255ミクロン(横)×300ミクロン(縦)であ
る。また、上記TFT液晶パネルは、ガラス板の厚さが
1mm×2枚であり、2枚のガラス板の間隔が7ミクロン
程度であり、電極の巾が35ミクロン程度であり、電極
の厚さが1ミクロン程度である。
【0272】図19に、この第3実施例のより詳細な構
成を示す。図19は、第2実施例の説明で使用した図1
5に対応している。図19において、310はTFT液
晶パネルであり、TFT液晶パネル310は、セグメン
ト電極314とコモン電極315を備えている。2本1
対のセグメント電極314aと314aは、1本のセグ
メント電極314bを挟んで配置されており、セグメン
ト電極314aの一端は液晶パネル310の縁の手前で
電気的に開放されている。そして、上記1対のセグメン
ト電極314aの他端は、差動増幅器311の入力端子
に接続されている。一方、2本1対のセグメント電極3
14bと314bは、1本のセグメント電極314bを
挟んで配置されており、セグメント電極314bの他端
は液晶パネル310の縁の手前で電気的に開放されてい
る。そして、上記1対のセグメント電極314bの一端
は、差動増幅器312の入力端子に接続されている。
【0273】上記差動増幅器311の出力端子と差動増
幅器312の出力端子は、加算器313の入力端子に接
続されている。208は電界発生器である。
【0274】また、この第3実施例は、上記加算器31
3の出力端子が接続されている座標変換回路175を有
している。この座標変換回路175は、図15に示した
第2実施例の座標変換回路と同じ構成であり、エンベロ
ープ検波回路316bと2値化回路316とカウンタ3
19とDフリップフロップ318とTフリップフロップ
181と遅延回路182とNANDゲート183を有し
ている。また、この第3実施例は、第2実施例と同様の
タイミング回路320を備えている。
【0275】そして、後述するが、この第3実施例は、
第2実施例と同様に、いくつかのスイッチ回路も必要で
ある。このスイッチ回路は、第2実施例において説明し
たように、コモン電極315とセグメント電極314の
接続状態を切り替える機能および上記接続状態を電極が
並んだ方向に沿って1本づつシフトさせる機能を有する
ものである。
【0276】この第3実施例は、第1および第2実施例
と同様に、基礎となる実験は、図5に示した通りであ
る。図5に示した電極に電界発生器208を近づけるこ
とによって、図7に示した実験結果を得ることができ、
検出された出力信号波形のピークを発生した液晶パネル
の電極付近に電界発生器208が存在することを実験で
確認できた。
【0277】したがって、差動増幅器311または31
2は、第1実施例と同様に、図7に示す実験結果の横軸
を時間軸で置き換えた信号を出力する。したがって、第
1実施例と同様に、この信号の波形のピーク部分のタイ
ミング(時刻)を、電界発生器208が存在する位置座
標を表す信号にすることができる。
【0278】ここで、電界発生器208がセグメント電
極314aの近くにあるときは、差動増幅器311およ
び差動増幅器312の両方から信号が検出される。した
がって、差動増幅器311からの出力信号と312から
の出力信号とを加算すれば、電界発生器208が液晶パ
ネル310の全面のうちのどこにあっても電界発生器2
08の位置を検出できる。
【0279】図20に、図5と同様の実験をTFT液晶
パネルについて実施した結果を示す。図20に示した実
験結果は、図7に示した実験結果と同様の傾向を示して
いる。すなわち、図20に示したように、差動増幅器か
らは、包絡線が双峰形状をした交流出力電圧を得ること
ができる。そして、電界発生器208を近づけたセグメ
ント電極314aから得られる出力電圧が最小(谷部)で
ある。つまり、図20に示した出力電圧は、電界発生器
208の位置に関係している。
【0280】次に、図19を参照して、この第3実施例
の動作を説明する。
【0281】まず、差動増幅器311と312は、電界
発生器208の位置に応じて図20に示した検出電圧を
出力する。次に、加算器313は上記差動増幅器311
と312の出力を加算して、図9(A)に示したのと同様
の双峰性の出力電圧波形を出力する。次に、包絡線検波
回路316bは、上記双峰性の出力電圧波形のエンベロ
ープを検出して抽出する。次に、2値化回路316は、
上記包絡線検波波形をを所定の基準電圧と比較して2値
化して、図9(C)に示したのと同様のパルス状信号を出
力する。このパルス状信号の位置は、図20の実験結果
の信号の谷部位置に対応している。つまり、上記パルス
状信号の位置は、電界発生器208の位置を表現してい
ることになる。上記2値化回路316の出力信号は、第
1実施例と同様に、Tフリップフロップ181に入力さ
れ、Tフリップフロップ181の反転Q端子からの出力
はNANDゲート183に直接入力され、Tフリップフ
ロップ181のQ端子からの出力は遅延回路182を経
由してNANDゲート183に入力される。そして、こ
のNANDゲート183の出力は、Dフリップフロップ
318のクロック端子に入力される。
【0282】一方、タイミング回路320は、所定のタ
イミングを表す信号をセット信号としてカウンター31
9のロード端子に出力し、カウンター319は上記ロー
ド信号を時間的な基準として所定のクロックに従ってカ
ウントを始める。このカウンター319のカウント値
は、Dフリップフロップ318のD端子に入力される。
NANDゲート183の出力はDフリップフロップ31
8のクロック端子に入力されているから、Dフリップフ
ロップ318からパルスが出力されるタイミングに一致
して、カウンター318から与えられているデータがホ
ールドされる。したがって、タイミング回路320が、
以下に説明するような適切なタイミング制御を行うよう
にすれば、Dフリップフロップ318にホールドされた
データが電界発生器208の位置座標を表すようにする
ことができる。
【0283】上記タイミング回路320の動作として
は、第2実施例で図15や図16に示したタイミング回
路290と同様に、スイッチ回路を制御して、セグメン
ト電極とコモン電極とを走査する動作が必要である。こ
の動作を以下に示す。
【0284】図21に示すように、この第3実施例は、
セグメント電極314aに対して第1のスイッチ回路3
41a,b,cと第2のスイッチ回路342a,bを備
えており、セグメント電極314bに対して第1のスイ
ッチ回路341d,e,fと第2のスイッチ回路342
c,dを備えている。また、コモン電極315に対して
第1のスイッチ回路341g,h,iと第2のスイッチ
回路342e,fを備えている。
【0285】この第3実施例が備えている上記スイッチ
回路は、図21には詳細な構造を示していないが、回路
数が異なることを除いて第1実施例で図8に示したスイ
ッチ回路とまったく同じ構造である。
【0286】即ち、図21の第1スイッチ回路341a,
b,cと341d,e,fは、図8に示したスイッチ回路249
a,b,cと同じ構造である。また、図21の第1スイッチ
回路341g,h,iは、図8に示したスイッチ回路249
e,f,gと同じ構造である。また、図21の第2スイッチ
回路342a,bおよび第2スイッチ回路342c,dは、回
路数が異なることを除いて図8に示したスイッチ回路2
50a,bと同じ構造である。また、図21の第2スイッ
チ回路342e,fは、回路数が異なることを除いて図8
に示したスイッチ回路250c,dと同じ構造である。し
たがって、この第3実施例のスイッチ回路の動作は、上
記対応を考えつつ、図21と併せて図8を参照すればわ
かりやすい。
【0287】次に、タイミング回路320の動作につい
て説明する。タイミング回路320は、主として第1,
第2,第3のスイッチ回路341,342,343の動
作を制御する。また、タイミング回路320はカウンタ
ー319に入力するクロック信号を発生する。タイミン
グ回路320は、各スイッチ回路341,342,34
3を制御すると共に、カウンター319にクロック信号
を入力することによって、Dフリップフロップ318に
ホールドされたデータが電界発生器208の座標を示す
ようにする。このタイミング回路320による制御は、
第1実施例において、図12に示したように行われる。
【0288】この第3実施例では、先に実験の説明で述
べたように、コモン電極315を全てグランドに落と
し、差動増幅器311と312によってセグメント電極
314からの信号を検出することができる。また、セグ
メント電極314を全てグランドに落として差動増幅器
344によってコモン電極315から信号を検出するこ
とができる。先述の実験では、電界発生器の位置に対応
して、双峰性の形状の電圧波形を検出できた。そして、
双峰性形状の電圧波形の谷部が電界発生器208が存在
する位置座標を示していた。したがって、セグメント電
極側からの位置座標検出とコモン電極側からの位置座標
検出との2回の座標検出を行えば、電界発生器のXY座
標を特定することが可能であった。したがって、この第
3実施例においても、図12に示したように、電界発生
器208の位置座標検出を、セグメント電極314側と
コモン電極315側からの2回、時分割的に行えばよ
い。図5の実験で示したのと同様に、セグメント電極3
14を走査して、位置座標を検出するときには、コモン
電極315はすべてグランドに接続することが必要であ
る。また逆も言える。したがって、上記必要を満たすよ
うに、上記タイミング回路320は、各スイッチ回路3
41と342を切り替え制御する。すなわち、まず、セ
グメント電極314を走査して、電界発生器208のx
座標を検出するときは、セグメント電極314に接続さ
れた第1のスイッチ回路341a,b,cと341d,
e,fが次段の第2のスイッチ回路342a,bと34
2c,dに接続されて信号を伝達する。そして、コモン
電極315に接続された第1のスイッチ回路341g〜i
がグランドに接続される。その結果、セグメント電極3
14aとbからの信号は、第2のスイッチ回路342
a,bとc,dを経て,差動増幅器311と312に導か
れる。そして、差動増幅器311と312によって増幅
された信号は、さらに加算器313で加算される。そし
て、加算器313からの出力信号は、セグメント電極側
sに切り替わった第3のスイッチ回路343を経由し
て、座標変換回路175に導入されて、包絡線検波回路
316bを経て2値化回路316へ導かれる。この後の
信号の流れと座標変換回路175の動作は第1実施例で
説明したのと同じである。
【0289】逆に、コモン電極315側から位置座標検
出を行うときは、コモン電極315側に接続された第1
のスイッチ回路341gから341iが次段の第2のスイ
ッチ回路342e,fに接続されて信号を伝達する。一
方、セグメント電極314に接続されたスイッチ回路3
41aからfはグランドに接続される。上記第2のスイッ
チ回路342eと342fから出力された信号は、差動増
幅器344を経てコモン側cに切り替わった第3のスイ
ッチ回路343へと導かれる。さらに、上記信号は、上
記座標変換回路175の包絡線検波回路316bと2値
化回路316に導かれる。この後の信号の流れと座標変
換回路175の動作は先に説明した第1実施例と同じで
ある。
【0290】上記第2のスイッチ回路342aから34
2fは、各セグメント電極314とコモン電極315を
走査するように切り替わって、各セグメント電極314
およびコモン電極315からどのような値の電圧が出力
されているのかを差動増幅器311と312と344と
で検出できるようになっている。上記第2スイッチ回路
342は、図21に示したxy座標軸の原点に隣接した
電極から順に走査する。図21では、図8と同様に、液
晶パネル310の右下に原点が位置している。
【0291】図21に示した各スイッチ回路341と3
42の各接点の接続状態が、図8に示した第1と第2の
スイッチ回路の接点の接続状態と同じ接続状態であると
きには、差動増幅器311の負入力端子は、原点から第
1本目のセグメント電極314aに接続され、正入力端
子は原点から第2本目のセグメント電極314aに接続
される。次に1段階だけ走査が進行すると、差動増幅器
311の負入力端子は、原点から第2本目のセグメント
電極314aに接続され、正入力端子は原点から第3本
目のセグメント電極314aに接続される。
【0292】一方、差動増幅器312の正入力端子は、
原点から第1本目のセグメント電極314bに接続さ
れ、また負入力端子は同じく第2本目のセグメント電極
314bに接続される。次に、1段階だけ走査が進行す
ると、差動増幅器312の正入力端子は、原点から第2
本目のセグメント電極314bに接続され、負入力端子
は原点から第3本目のセグメント電極314bに接続さ
れる。
【0293】このように、2つの差動増幅器311と3
12に接続される各々2本の4本の電極が対を構成し、
この対の組み合わせが、x軸が延びている方向に向かっ
て順に1本づつシフトさせられて行く。このように、差
動増幅器311と312に接続されるセグメント電極の
組み合わせが、順に走査されて行くから、図20に示し
た双峰性の波形が横軸を時間軸とした波形が、加算器3
13の出力端子から出力されることになる。すなわち、
図20に示した実験の状態が再現されたことになる。
【0294】なお、この第3実施例では、図5の実験を
忠実に再現するために、液晶パネル310の上側、また
は下側の接続端子から、それぞれあい隣り合う2本のセ
グメント電極314を1対として走査するようにしてい
るが、例えば隣り合う、または隣接する2本以上を1つ
の電極群とし、隣接する2つの電極群を1対として、上
記した走査を実行してもよい。
【0295】この走査動作は、タイミング回路320か
ら各スイッチ回路341から343に接続されている制
御線に、タイミング回路320が切替制御信号を出力す
ることによって行われる。図12に上記各スイッチ回路
の切り替わり動作は、図12にしたがって行われる。
【0296】なお、上記タイミング回路320からの制
御線から入力された信号によって、上記切り替わり動作
を行うスイッチ回路は、例えば適当なマルチプレクサ素
子を用いれば容易に実現できる。また、上記制御線に上
記したような制御信号を出力するタイミング回路320
も、市販のカウンタ素子やゲート素子などを組み合わせ
て容易に構成することができる。
【0297】なお、タイミング回路320の制御によっ
て、第2のスイッチ341が順に切り替わって各電極3
14と315を走査して行くタイミングと、カウンター
319が1カウントずつ計数して行くタイミングとは一
致させられている。したがって、走査時に差動増幅器3
11と312と344に接続されている電極314およ
び315が原点から何番目にあるのかということを、カ
ウンター319のカウント値が示すことになる。もちろ
ん、タイミング回路320は、タイミング回路320か
らカウンター319に入力されるクロック信号に同期し
て、第2のスイッチ回路341に入力する切替制御信号
を発生させている。タイミング回路320がこのような
制御信号を発生する構成にすることは容易である。
【0298】このように、スイッチ回路341,34
2,343が制御されていれば、結局、Dフリップフロ
ップ318には、電極走査時に差動増幅器に接続されて
いる電極が原点から何番目であるのかということを表す
値つまりカウンタ319のカウント値がホールドされ
る。このDフリップフロップ318がホールドした値
は、カウンター319がリセットされた時からNAND
ゲート183から負極性パルスが発生した時までに、カ
ウンター319が電極走査に同期して順に1カウントづ
つカウントしたカウント数である。
【0299】言い換えれば、このカウント数は、上記各
スイッチ回路が差動増幅器に接続する液晶パネル310
の電極を走査方向に1本づつシフトすることによって電
界発生器208の位置座標に対応する双峰性出力電圧の
谷部を探索した結果、座標変換回路175が計数した電
極数で上記谷の位置を表してDフリップフロップ318
にホールドした値である。電界発生器208が位置して
いるx座標またはy座標が、計数した電極の数で表され
ているのである。
【0300】以上述べたように、電界発生器208の位
置しているx座標とy座標は、図12に示したそれぞれ
の検出期間のうち、NANDゲート183から負極性パ
ルスが出力されたときに、Dフリップフロップ318に
ホールドされる。上記電界発生器208の位置座標を示
すデータは、別途、検出した座標データとして利用する
ことができる。利用方法については特に限定しないが、
たとえば、第1実施例で述べたのと同様の利用が可能で
ある。
【0301】尚、上記各スイッチ回路は、上記第3実施
例とは別の構成にしてもよく、どのような構成であって
も容易に構成できるから、ここでは述べない。要する
に、各スイッチ回路が、図12に示したタイミングを守
ることができればよい。また、取り立ててスイッチ回路
を使う必要もなく、スイッチ回路に替えて3ステートの
バッファ回路を有効に組み合わせた回路を使用してもよ
い。
【0302】また、上記第3実施例では、簡単のため
に、具体的に図示したのは画素数が30個の液晶パネル
を例に説明してきたが、もっと画素数の多い液晶パネル
であっても、上記第3実施例の基本構成と基本動作はま
ったく同様である。
【0303】さらに、この第3実施例のようにTFT液
晶パネル310を用いる場合に、スイッチ回路に対する
セグメント電極とコモン電極の接続を、図19と図21
に示した接続に限るものではない。つまり、デューティ
ー駆動液晶パネルを用いた図8に示すように、電極を接
続してもよい。この場合、図19において上下の2つの
差動増幅器のうちいずれか一方の差動増幅器だけを備え
ればよい。つまり、この場合、上下2つの差動増幅器を
備える必要がなく、一方の差動増幅器だけを備えればよ
い。そして、セグメント電極は、1本おきに座標検出に
使用されることになる。
【0304】ところで、この第3実施例は、図1の機能
切り替え制御回路108を備えている。この機能切り替
え回路108は、画像表示駆動回路101と座標検出回
路105を制御して、液晶パネル310に画像表示と座
標検出を時分割的に交互に行わせる。図1に示した機能
切り替え制御回路108は、図21に示したタイミング
回路320に制御信号を出力する。すると、座標検出回
路105は、座標検出期間だけ上記した座標検出動作を
行い、画像表示期間には、第1のスイッチ回路314な
どが画像表示の妨げとならないように、これらスイッチ
回路を液晶パネル310から切り離すように動作する。
すなわち、画像表示期間中は、第1のスイッチ回路34
1a〜iは、液晶パネル310のすべての電極を第2の
スイッチ回路342に導くように、その接点が接続され
る。また、第2のスイッチ回路342はどこにも接続さ
れていない接点に接続される。したがって、第2のスイ
ッチ回路342以降の差動増幅器311と312と34
4は、液晶パネル310から電気的に切り放される。こ
の結果、画像表示は座標変換回路175を含んだ図1の
座標変換回路105には一切影響されなくなる。つま
り、画像表示期間中は、従来の画像表示専用の液晶表示
装置と同様の動作を行うことができる。なお、この第3
実施例が備えている機能切り替え回路108および画像
表示駆動回路101の動作は、第1実施例と同一であ
る。
【0305】すでに述べたように、上述した第1〜第3
の実施例は、本発明をそれぞれ異なる表示原理で動作す
る液晶パネルに適用して、それぞれの液晶パネルが座標
検出機能を持つようにしたものである。
【0306】また、第1〜第3実施例の説明では、図9
に示したように、2値化したパルスを用いて電界検出器
の位置を決定しているが、2値化したパルス信号を用い
ずに、図22に示すように、x座標のx1とx2とx3
とこの座標に対応する電圧とを表す3点を検出し、この
3点に基づいて回帰分析等を行って多項式を当てはめ
て、電界発生器が存在する位置に対応する目的とする点
xの座標を検出するようにしてもよい。電界発生器から
の電界によって液晶パネルの電極に誘起された電圧を検
出することによって、電界発生器の位置座標を導出する
手法は他にも種々考えられる。
【0307】なお、上記第1〜第3実施例では、セグメ
ント電極またはコモン電極のうち、座標検出に使用しな
い方の電極はグランドに接続するようにしたが、オープ
ン状態にしてどこにも接続しないようにしてもかまわな
い。しかし、その場合、外来ノイズの影響を受けやすく
なる可能性があるので、別途シールド等の対策を行う必
要がある。したがって、好ましくは、グランド電位に接
続しない場合には、所定の基準電位に接続するのがよ
い。さらには、上記座標検出に使用しない方の電極に、
例えばコンデンサー等を介してある種の交流電圧あるい
は直流電圧を重畳した状態にしてもよいことはいうまで
も無い。
【0308】また、上記第2実施例と第3実施例は、第
1の実施例の座標変換回路175を備えたが、第1の実
施例の変形例の座標変換回路175Tを備えてもよいこ
とはいうまでもない。
【0309】〔第4実施例〕次に、本発明の第4実施例
を説明する。この第4実施例は、第1実施例が有してい
る図8の座標変換回路175に替えて、この座標変換回
路175とは座標変換動作原理が基本的に異なる座標変
換回路を備えている点に特徴がある。この座標変換回路
以外の構成は第1実施例と同一である。したがって、こ
の第4実施例は、第1実施例と同じ構成の機能切り替え
制御回路108と画像表示駆動回路101を備えてい
る。
【0310】この第4実施例は、次の点で第1〜第3実
施例と共通している。すなわち、座標変換回路175に
図7に示す実験結果の横軸を時間軸で置き換えた双峰性
信号波形が入力され、座標変換回路175は上記双峰性
形状の出力信号のうち谷の部分のタイミングを検出する
ことによって電界発生器208の位置座標を検出する点
が第1実施例と共通している。
【0311】一方、この第4実施例は、次の点で第1〜
第3実施例と異なっている。すなわち、第1〜第3実施
例とは異なる構成の座標変換回路を備え、この座標変換
回路が、双峰性形状の出力信号の谷部を信号の振幅では
なく信号の位相によって、上記双峰性の出力信号の谷部
を検出する点が第1〜第3実施例と異なっている。すな
わち、この第4実施例が備える座標変換回路は、上記双
峰性出力の谷の部分の前の信号は上記谷の部分の後の信
号と位相が180°異なっているという位相反転特性を
利用して、上記双峰性出力の谷部を検出するものであ
る。このように、谷部の前後で信号の位相が反転してい
ることに着目して、位相によって上記谷部のタイミング
を検出することがこの第4実施例のポイントである。
【0312】図23に、上記第4実施例が備える座標変
換回路275の構成を示す。この座標変換回路275
は、第1実施例のスイッチ回路と同じスイッチ回路に入
力端子が接続されている差動増幅器179と、この差動
増幅器179の出力端子に接続されている遅延回路22
0と、この遅延回路220の出力端子に+端子が接続さ
れている減算器221とを備えている。この減算器22
1の−端子は上記差動増幅器179の出力端子に接続さ
れている。そして、上記減算器221の出力端子は包絡
線検波器222に接続されている。この包絡線検波器2
2の出力端子は2値化回路223に接続されている。そ
して、この2値化回路223の出力端子は、Dフリップ
フロップ185のクロック端子に接続されている。ま
た、上記Dフリップフロップ185の入力端子にはカウ
ンター184の出力端子が接続されている。このカウン
ター184には、図には示さないが、第1実施例のタイ
ミング回路と同じ構成のタイミング回路が接続されてい
る。
【0313】上記構成の第4実施例は、第1実施例と同
様にして、表示パネルのセグメント電極もしくはコモン
電極を走査することによって、差動増幅器179に伝達
されてきた信号が、差動増幅器179で増幅されて、遅
延回路220に入力される。上記差動増幅器179の出
力信号波形を、図24(A)に示す。図24において、横
軸は時間であり、縦軸は振幅である。図24(A)に示す
ように、差動増幅器179の出力信号は、第1実施例と
同様に、双峰性の信号波形になっている。また、図24
(B)に示すように、上記遅延回路220からの出力波形
は、図24(A)に示した波形が所定の時間だけ遅延した
波形になっている。この遅延時間は、上記スイッチ回路
の切替速度に関連している。すなわち、上記遅延時間
は、図24(A)に示した2つの山の間の時間間隔と同程
度かあるいは同程度以下であることが望ましい。したが
って、上記スイッチ回路の切り替え速度が遅いほど上記
遅延時間を長く設定することになる。したがって、上記
切替速度は、遅延回路220の実現性を考慮して設定す
る必要がある。なお、この図24は、遅延回路220の
遅延時間が、2つの山の頂点間の時間に等しい場合の例
である。
【0314】次に、図24(A)に示した双峰性波形を
有する差動増幅器179の出力信号と、図24(B)に示
した双峰性波形を有する遅延回路220の出力信号と
は、減算器221に入力されて減算される。双峰性の入
力信号の谷の前後では信号の位相が180度反転してい
るから、減算器221の2つの入力に同時に信号が入っ
たときに、信号自体は減算されるが、信号波形つまり信
号の振幅は、図24(C)に示すように、加算される。し
たがって、上記減算器221の出力波形は、図24(C)
に示すように、最も高い山とこの高い山を挟んだ2つの
低い山を有する波形になる。
【0315】次に、上記減算器221の出力信号は、包
絡線検波器222に入力されて包絡線波形が抽出され
る。この包絡線波形を、図24(D)に示す。さらに、上
記包絡線波形を有する信号は、2値化回路223に入力
され、比較参照電圧と比較されて、上記比較参照電圧よ
りも大きな振幅の部分が振幅零になされ、上記比較参照
電圧よりも小さな振幅の部分が所定の振幅値になされ
て、図24(E)に示すように2値化される。この2値化
された信号は、負極性のパルス信号であり、実質的に双
峰性の信号の谷が存在する時刻で立ち下がった負極性の
パルス信号である。
【0316】ところで、この図24(A)および(B)に示
した遅延時間よりも遅延時間が長くて、差動増幅器17
9の出力波形と遅延回路220の出力波形とが時間的に
重ならない場合には、上記減算器221に入力された信
号が位相関係を満たしつつ減算器221から出力され
る。なお、減算器221の入力の入れ替え等は、いうま
でもなく、論理に基づいて適切に行うことが可能であ
る。
【0317】また、図24(E)に示すように、2値化回
路223の出力パルスは、差動増幅器179の出力信号
の谷の部分と比べて、略、遅延回路220の遅延時間だ
け出力時間が遅れる。これは、座標検出の誤差の発生に
つながる。しかし、遅延回路220の遅延時間は常に一
定であるから、あらかじめ上記遅延時間がどの程度の座
標のずれ値に相当するのかを計測しておいて、Dフリッ
プフロップ(ラッチ回路)185にホールドされた座標デ
ータから上記ずれ値を差し引くことによって上記座標検
出の誤差発生を防ぐことができる。
【0318】この第4実施例は、信号の位相の変化に着
目した座標検出を行っているので、検出した信号に混入
する雑音であって信号の振幅変化をきたすものに影響さ
れにくいという固有の特徴がある。
【0319】この第4実施例の以上説明した以外の動作
は、この発明の第1実施例と全く同様であるから、説明
を省略する。
【0320】〔第5実施例〕次に、本発明の第5実施例
を説明する。この第5実施例は、図1に示した座標検出
回路105の入力端子に、図25に示すバンドパスフィ
ルターBFを接続した点だけが第1〜第3実施例と異な
る。
【0321】上記バンドパスフィルタBFは、具体的に
は、図8に示した第1実施例の回路においては差動増幅
器242の入力端子や、スイッチ回路249a〜249h
の入力側に接続されていればよい。また、図16に示し
た第2実施例の回路においては、差動増幅器281,2
82,294の入力端子や、スイッチ回路291a〜2
91lの入力側に接続されていればよい。さらに、図2
1に示した第3実施例の回路においては、差動増幅器3
11,312,344の入力端子や、スイッチ回路34
1a〜341iの入力側に接続されていればよい。
【0322】上記バンドパスフィルターBFは、コンデ
ンサCと、このコンデンサCの出力側端子とグランドと
の間に接続された抵抗Rとを備えている。このバンドパ
スフィルターBFは、上記電界発生器208が発生する
交流電界の周波数付近の周波数成分だけを選択して通過
させる。したがって、このバンドパスフィルターBFの
存在によって、座標検出に有用な信号周波数だけを良好
に通過させることができると共に、上記フィルタBFの
遮断周波数領域に属するハム雑音など不要な雑音を有効
に低減することができる。
【0323】尚、上記第1〜第5実施例において、差動
増幅器の出力端子と反転入力端子の間に、図39に示す
帰還回路F1を接続することによって、周波数特性を最
適化することができる。この帰還回路F1は、インダク
タンスLとコンデンサCと抵抗Rの並列回路で構成され
ており、帰還素子としては、上記交流電界の周波数に共
振するLC共振回路を有している。並列共振回路では、
共振点付近でインピーダンスが最大になるから帰還率が
最低になる。その結果、共振周波数付近のみで大きなゲ
インを得ることができる。つまり、バンドパスフィルタ
として動作する。なお、抵抗Rは、最大ゲインを調整す
るために使用している。また、図39に示した回路で
は、差動増幅器の非反転入力端子とグランドとの間に抵
抗RとコンデンサCとインダクタンスLとの並列共振回
路F2が接続されている。この回路F2も上記交流電界
の周波数で共振して、上記共振周波数付近でインピーダ
ンスが最大になる。
【0324】なお、以上に述べた実施例では、包絡線検
波器(たとえば図8の186、図10の191、図15
の286b、図16の286b、図19の316b、図2
1の316b、図23の222など)を用いた実施例を示
しているが、これは同期検波器に置き換えても良い。そ
の場合、若干回路構成が複雑になるが、包絡線検波器よ
り信号のエンペロープをひずみなく正確に抽出できるの
で、ペン座標検出精度が向上する利点がある。
【0325】図40に示す同期検波器は上述各実施例が
備えた包絡線検波器と直接の置き換えが可能である。P
LLは入力信号のキャリア成分に位相同期した連続信号
を作成し、乗算回路にて入力信号と作成した連続信号の
積を求める。また、ローパスフィルタLPFは低域成分
のみを通過させ、信号のエンペロープを抜き出す。この
ような同期検波器の動作は周知であり、市販の素子を組
み合わせて簡単に構成できる。
【0327】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1の座標検出装置は、上記座標指示装置の交流発振器が
電極の先端から交流電界を出力する。この出力された交
流電界が、上記パネルの第1,第2電極に作用すると、
上記第1,第2電極には上記交流電界の振幅に応じた電
圧が発生する。
【0328】一方、上記切替手段は、上記パネルの第
1,第2電極に対する接続を逐次切り替えて上記選択さ
れた電極を上記差動増幅器に導通させる。したがって、
上記電圧が誘起された第1,第2電極が上記差動増幅器
に接続されたときに、上記差動増幅器は上記誘起電圧を
増幅して出力する。
【0329】この差動増幅器から出力された電圧は、座
標検出手段に入力される。そして、座標検出手段は、上
記第1,第2電極が選択されたタイミングと上記差動増
幅器の出力とに基づいて、上記パネル上の座標指示装置
の座標を検出する。
【0330】従って、請求項1の発明によれば、座標指
示装置とパネルとの間の信号線を必要とすることなく、
上記座標指示装置の座標を検出することができる。ま
た、座標指示装置から発生される電界によって第1,第
2電極に誘起される電圧によって、座標指示装置の座標
を検出できるから、上記第1および第2電極が閉ループ
を構成している必要はない。したがって、上記パネルと
して表示専用の液晶パネルをそのまま使用することがで
きる。しかも、請求項1の発明によれば、上記第1およ
び第2電極が閉ループを構成している必要がないので、
表示専用の液晶パネルの四辺に対向する電気回路を設け
なくても、表示専用の液晶パネルに座標検出機能を付与
することができる。このことは、表示専用の液晶パネル
を備えた表示装置のサイズを増大させることなく、表示
装置に座標検出機能を付与できることを意味し、かつ、
上記表示装置のための既存の生産設備を大きく変更する
ことなく座標検出機能を有する表示装置を生産できるこ
とを意味する。
【0331】したがって、請求項1の発明によれば、開
発コストの上昇や歩留まりの低下を回避できる上に、コ
ストアップ要因となる設備投資を回避できて総合的に産
業進展に寄与することができる座標検出装置を提供する
ことができる。
【0332】その上に、請求項1の発明によれば、パネ
ルの電極からの信号を差動増幅器で増幅するので、差動
増幅器の2本の入力に均等に混入した外来ノイズを有効
に除去できる利点がある。
【0333】また、請求項2の発明によれば、上記パネ
ルは、電気光学効果を有する物質が2枚の基板間に封入
されており、上記基板上に上記第1電極および第2電極
を配置して、第1電極と第2電極に画像表示用の電極を
兼ねさせているから、座標検出機能と表示機能とを併せ
持つ座標検出用ディスプレイパネルを提供できる。
【0334】また、請求項3の発明によれば、上記座標
指示装置は、発振器から互いに逆相の電界が印加される
第1,第2の電極から互いに逆相の電界を出力する。
【0335】したがって、上記第1の電極からの電界を
受けたパネルの電極は、上記第2の電極からの電界を受
けたパネルの電極から出力される電界とは逆相の電界を
出力する。したがって、上記差動増幅器には互いに逆相
の電界が印加される。したがって、上記座標検出手段
は、上記差動増幅器に逆相の電界が印加されたとき生じ
る上記差動増幅器から出力される信号の不連続性を検出
したときに、切替手段が選択したパネルの電極の位置に
座標指示装置の電極が位置していることを検出できる。
【0336】また、請求項4の発明によれば、上記座標
指示装置の第1の電極は筒状の電極であり、上記座標指
示装置の第2の電極は上記筒状の電極の内側に配置され
た棒状の電極である。したがって、上記座標指示装置
は、上記棒状電極の中心軸を中心軸として回転しても、
パネルの電極に与える電界は不変である。したがって、
検出すべき座標とは無関係な上記回転によって、パネル
の電極に与える電界が変化することがないから、座標検
出精度を向上できる。
【0337】また、請求項5の発明によれば、上記座標
指示装置の第1の電極は、第2の電極を中心とする円周
上に略等間隔に配置されている。したがって、請求項4
の発明と同様に、座標指示装置の上記中心軸回りの回転
が、パネルの電極に与える電界を変化させることがな
く、座標検出精度を向上できる。
【0338】また、請求項6の発明によれば、上記座標
指示装置は、上記交流発振器の電源としてのバッテリー
を内蔵するためのバッテリー収納部を有している。した
がって、上記バッテリー収納部にバッテリーを収納すれ
ば、座標指示装置の外部から座標指示装置に電力を供給
する必要がないから、上記座標指示装置をどこにも接続
しなくてもよい。したがって、上記座標指示装置の完全
なコードレス化を実現できる。
【0339】また、請求項7の発明によれば、上記パネ
ルが取り付けられた外箱に設けられた収納部に上記座標
指示装置を収納したときに、座標指示装置が有する充電
用端子と上記外箱の電力供給端子とが電気的に接続され
る。したがって、このとき、上記座標指示装置のバッテ
リー収納部に収納されている2次電池が充電される。し
たがって、上記座標指示装置の電力源である電池の使用
寿命を飛躍的に向上させることができる。
【0340】また、請求項8の発明によれば、上記差動
増幅器の出力端子と反転入力端子との間に、上記交流発
振器が発生する交流電界に共振する共振回路が接続され
ている。したがって、上記差動増幅器は上記交流電界を
選択的に大きなゲインで増幅することができる。したが
って、座標検出感度を向上することができる。
【0341】また、請求項9の発明によれば、上記切替
手段は、隣接する少なくとも1対の電極を選択して差動
増幅器に接続すると共に、上記選択された電極を上記電
極が並んでいる方向に向かって1本づつシフトさせて行
く。したがって、上記選択された電極をシフトさせるこ
とによって、上記座標指示装置をいわば探索して、上記
電極が並んでいる領域に在る座標指示装置の位置座標を
確実に検出することができる。
【0342】また、請求項10の発明によれば、上記切
替手段は、上記パネルの隣接する1対の電極を選択する
と共に、この1対の選択された電極を上記電極が並んで
いる方向に向かって1本づつシフトさせて行く。従っ
て、請求項9の発明よりも、選択が単純であるから、切
替手段の構造を簡単にすることができる。
【0343】また、請求項11の発明によれば、切替手
段が隣接する2本以上の電極に並列に接続される第1の
端子と、上記第1の端子に接続されている電極の隣の2
本以上の電極に並列に接続される第2の端子とを有して
いる。したがって、上記第1の端子と第2の端子を上記
差動増幅器に導通させれば、座標指示装置の電極から出
力される交流電界を受けているパネルの4本以上の電極
を差動増幅器に接続できる。したがって、パネルの2本
の電極だけを差動増幅器に接続する場合に比べて、検出
の感度を向上させることができる。
【0344】また、請求項12の発明によれば、差動増
幅器からの出力の包絡線を包絡線抽出手段で抽出し、上
記包絡線抽出手段からの双峰性を有する出力の谷部を検
出する。そして、この谷部を検出した時刻と、切替手段
がパネルの電極を選択したタイミングとに基づいて座標
指示装置の位置を表す座標を特定する。このように、請
求項12の発明によれば、包絡線抽出手段から特徴的な
双峰性信号が出力され、この双峰性の包絡線波形の谷部
を検出することによって、座標検出を行うことができ
る。また、座標を特定するために、不必要な信号成分が
取り除かれた包絡線検波された信号を使用するから、上
記谷部の検出を容易にすることができる。
【0345】また、請求項13の発明によれば、上記包
絡線抽出手段としての同期検波器を備えた。この同期検
波器は、包絡線検波器よりも信号の包絡線をひずみなく
正確に抽出できるので、座標検出精度を向上できる。
【0346】また、請求項14の発明では、座標検出手
段が、差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡
線を検波する比較的時定数が大きな第1の包絡線検波器
と、差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線
を検波する比較的時定数が小さな第2の包絡線検波器と
を備え、上記第1の包絡線検波器からの双峰性の出力
と、上記第2の包絡線検波器からの双峰性の出力とを減
算して、上記第2の包絡線検波器が出力する双峰性の出
力の谷部を検出するようになっている。
【0347】上記比較的時定数が大きな第1包絡線検波
器の出力は谷部が埋まった形状の双峰性信号になり、上
記比較的時定数が小さな第2包絡線検波器の出力は谷部
が埋まっていない形状の双峰性信号になる。したがっ
て、上記第1包絡線検波器の出力と第2包絡線検波器の
出力とを減算することによって、上記谷部の位置にピー
クを有する信号を得ることができる。この信号によっ
て、上記谷部を検出することができる。
【0348】また、請求項15の発明によれば、谷部検
出手段が上記包絡線検波器からの双峰性出力を2値化し
た出力によって、上記双峰性の出力の谷部を検出する。
上記2値化によって、上記双峰性出力の谷部と山部との
差が明確になった出力を得ることができる。したがっ
て、この出力によって上記谷部を容易に検出することが
でき、上記谷部の検出によって、座標検出動作を行うこ
とができる。
【0349】また、請求項16の発明によれば、座標検
出手段が、上記差動増幅器からの出力を受けて、この出
力を所定の時間だけ遅延させる遅延回路と、上記差動増
幅器からの出力と、上記遅延された出力とを減算する減
算器と、上記減算器が出力した信号を2値化し、この2
値化した信号によって、上記双峰性の出力の谷部を検出
する谷部検出手段とを備えている。この請求項16の発
明によれば、上記差動増幅器からの出力である双峰性波
形の信号の先方の山と、上記遅延された双峰性波形の信
号の後方の山とが加算される。これによって、上記加算
された結果できた最も高い山と、この高い山を挟む2つ
の低い山とで構成された3つ山波形の信号が上記減算器
から出力される。そして、この3つ山波形の信号を2値
化することによって、最も高い山の部分と低い山の部分
との差が明確になされる。この最も高い山の部分は、遅
延されていない双峰性出力の谷部から上記遅延時間だけ
遅延しているのであるから、最も高い山の部分が明確に
なされた上記2値化された信号によって、上記谷部を容
易に検出することができ、上記谷部の検出によって座標
検出動作を行うことができる。
【0350】また、請求項17の発明によれば、電気光
学効果特性を有する物質が2枚の基板間に封入されてお
り、上記基板上に互いに交差する複数のX軸電極と複数
のY軸電極が設けられているフラットディスプレーパネ
ルを、表示‐座標切替回路によって、画像表示に用いる
か、座標検出に用いるかを時分割的に切り替えることが
できる。そして、フラットディスプレーパネルを画像表
示に用いるときには、X軸電極とY軸電極を駆動回路に
よって駆動してパネルを電気的に駆動して画像を表示さ
せる。一方、座標検出を行うときには、別途設けた交流
電界を発生する機能を具備した座標指示装置から発生す
る電界によって上記X軸電極とY軸電極に誘起する電圧
を信号の電圧変化を利用する座標検出回路で検出して、
座標指示装置の座標を検出することができる。
【0351】また、請求項18の発明によれば、電気光
学効果特性を有する物質が2枚の基板間に封入されてお
り、上記基板上に互いに交差する複数のX軸電極と複数
のY軸電極が設けられているフラットディスプレーパネ
ルを、表示‐座標検出切替回路によって、画像表示に用
いるか、座標検出に用いるかを時分割的に切り替えるこ
とができる。そして、フラットディスプレーパネルを画
像表示に用いるときには、X軸電極とY軸電極を駆動回
路によって駆動してパネルを電気的に駆動して画像を表
示させる。一方、座標検出を行うときには、別途設けた
交流電界を発生する機能を具備した座標指示装置から発
生する電界によって上記X軸電極とY軸電極に誘起する
電圧を信号の位相変化を応用する座標検出回路によって
検出して、座標指示装置の座標を検出することができ
る。
【0352】また、請求項19の発明は、請求項17ま
たは18に記載の座標検出装置において、上記座標検出
回路の入力端子に、上記交流電界の周波数付近の信号の
みを選択的に通過させるバンドパスフィルタもしくはハ
イパスフィルタが接続されている。したがって、上記座
標検出回路は、ノイズの影響を受けることなく、常に安
定した電圧をX軸電極とY軸電極から検出することがで
きる。
【0353】また、請求項20の発明は、請求項17ま
たは18に記載の座標検出装置において、交流電界を発
生する機能を具備した座標指示装置の先端に具備された
電極が、中心電極と周辺電極からなる同軸状電極を形成
するので、周方向のどのような向きで座標指示装置を使
用するかに依存せず、常に安定した電圧を上記X軸電極
とY軸電極に誘起させることができる。
【0354】また、請求項21の発明によれば、 請求
項17乃至18のいづれか1つに記載の座標検出装置に
おいて、上記画像表示用のX軸駆動回路およびY軸駆動
回路と、上記座標検出回路と、上記表示‐座標検出切替
回路とが、上記ディスプレーパネルの2辺または3辺に
沿った周辺部に配置されている。
【0355】つまり、請求項21の発明によれば、表示
専用の液晶パネルを備えた表示装置のサイズを増大させ
ることなく、表示装置に座標検出機能を付与できる上
に、上記表示装置のための既存の生産設備を大きく変更
することなく座標検出機能を有する表示装置を生産可能
になる。したがって、請求項21の発明によれば、開発
コストの上昇や歩留まりの低下を回避できる上に、コス
トアップ要因となる設備投資を回避できて総合的に産業
進展に寄与することができる座標検出装置を提供するこ
とができる。
【0356】この発明は、従来技術の問題点を解決した
座標入力機能付き表示装置を実現することができる。す
なわち、この発明によれば、座標入力機能付き表示装置
を実現するに際して、従来技術で必要であった接続ケー
ブルを不必要にすることができる。また、電界を作用さ
せるループ回路を構成する必要をなくすることができる
から、液晶パネルの隣接した電極を先端部で互いに短絡
する特殊な双方向性スイッチング素子を液晶パネルに新
たに組み込む必要もない。したがって、タブ接続端子を
4辺に設ける必要がない。したがって、開発コスト上昇
や歩留まりの低下を防止できる。さらに、無用な設備投
資を回避でき、かつ、小型軽量な座標入力機能付き表示
装置を提供することができる。すなわち、本発明によれ
ば、従来から用いられてきた表示専用のパネルに何らの
変更を加えることなく、そのまま表示/座標入力機能一
体装置用のパネルへ応用することができるから、総合的
に産業進展に寄与することができる。
【0357】特に、この発明の請求項17の発明によれ
ば、1枚の液晶パネルを画像表示と静電結合作用を用い
た座標入力に兼用して用いることができる。
【0358】この発明の座標入力機能は、パネルの種類
に左右されず、同一の原理で、しかも同様の回路でどの
ようなパネルでも動作させることができる。したがっ
て、パネルとしてデューティー駆動液晶パネルや、TF
Tを組み込んだアクティブマトリクスタイプ液晶パネル
など、どのような液晶パネルが選択されようとも、この
発明の座標検出機能には何等影響しない。なぜならば、
この発明では従来から表示専用に使用してきた液晶パネ
ルを一切変更することなくそのまま座標入力機能を付与
することが可能であるからであり、さらには、画像表示
機能と座標入力機能を時分割して切り替えるようにした
結果、画像表示機能と座標入力機能は機能的にも回路的
にも全く独立させることが可能となったからである。
【0359】また、この発明の請求項17の発明では、
従来から表示専用として開発されてきた液晶パネルなど
のフラットディスプレーパネルをそのまま何等変更する
ことなく使用できる。したがって、大きな投資を伴う製
造プロセスの変更を必要とすることなく、フラットディ
スプレーパネルに座標入力機能を追加することができる
という経済的な利点がある。
【0360】この発明は、これまで使用されている表示
専用のパネルのうち多くとも3方向だけに信号入出力コ
ネクタを取り付けるタイプのパネルに適用することが可
能であるので、いわゆる額縁面積を減少させて小型な応
用製品を開発することが可能である。これに対して、従
来では、製造プロセスを変更して新しいパネルを製造し
たとしても、パネルの4方すべてに信号入出力コネクタ
等を設ける必要があった。
【0361】さらに、この発明では、交流発振器を電池
で駆動することができる。したがって、座標指示装置を
座標検出回路に接続するリード線を一切必要としない利
点がある。さらに、無線送信機を内蔵する必要がないか
ら、電池の寿命という観点から有利である。また、座標
指示装置全体を小型にまとめることができるので、軽量
で、使用しやすい座標指示装置を構成することができる
利点がある。また、小型の座標指示装置内に、無理に無
線送信機等を実装する必要がないから、コスト面でも有
利である。
【0362】特に、請求項17の発明は、構造が極めて
簡単である特徴がある。また、差動増幅器を用いて信号
検出を行うので、差動増幅器の2本の入力に均等に混入
した外来ノイズ等を有効に除去できる利点がある。加え
て、差動増幅器で実質的に加算演算を行うので、信号検
出のS/N向上が期待できる。
【0363】また、請求項18の発明は、信号の位相変
化に着目した座標検出を行っているので、検出した信号
に混入する雑音であって信号の振幅変化をきたすものに
影響されにくいという固有の特徴がある。
【0364】また、請求項19の発明は、画面に手など
をついたときに手から誘導されるハム雑音等を、有効に
除去できる利点があり、座標検出精度の向上が期待でき
る。逆に、必要な検出精度を満足するよう、回路構成等
を簡略化することが可能となる。
【0365】また、請求項20の発明は、座標指示装置
が同軸状の特殊な形態をした電極を有しているから、交
流発振器が組み込まれたペン状の座標指示装置の方向や
角度によらずに、液晶パネルの電極に対して常に一定の
静電容量で結合し、与える電気的な変化も一定となるよ
うにすることができる。従って、交流発振器をペン状の
外形をした筺体に納めることができるようになる。その
結果、通常のペンとまったく同様に扱えて極めて取り扱
い操作が容易な座標指示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の座標検出装置の第1実施例の基本
的構成を示す説明図である。
【図2】 上記第1実施例の利用に関する説明図であ
る。
【図3】 発明者らが行った上記第1実施例に関連する
基礎的実験を示す説明図である。
【図4】 上記基礎的実験の実験の結果を示す図であ
る。
【図5】 発明者らが行った上記第1実施例に関連する
第2の実験を示す説明図である。
【図6】 図6(A)および(B)は上記第1実施例の電子
ペン(電界発生器)の構造を示す説明図である。
【図7】 図5に示したの実験の結果を示す図である。
【図8】 上記第1実施例の構成を示す説明図である。
【図9】 図9(A)〜(F)は上記第1実施例の各部にお
ける信号波形を示す波形図である。
【図10】 上記第1実施例の座標変換回路175の変
形例を示すブロック図である。
【図11】 上記変形例の座標変換回路の各部における
信号波形を示す波形図である。
【図12】 座標検出期間の説明図である。
【図13】 この発明の第2実施例が有する高密度液晶
パネルの電極構造を示す説明図である。
【図14】 上記第2実施例の動作原理を示す説明図で
ある。
【図15】 上記第2実施例の構成を示す説明図であ
る。
【図16】 上記第2実施例の構成をさらに詳細に示す
説明図である。
【図17】 この発明の第3実施例が含んでいるTFT
液晶パネルの電極構造に関する説明図である。
【図18】 上記第3実施例の動作原理を示す説明図で
ある。
【図19】 上記第3実施例の構成を示す説明図であ
る。
【図20】 発明者らが行った第3実施例に関連する実
験の結果を示す説明図である。
【図21】 第3実施例の構成をさらに詳細に説明した
説明図である。
【図22】 この発明の第1実施例〜第3実施例までに
共通して使える座標検出方法の一例を示す説明図であ
る。
【図23】 この発明の第4実施例の座標変換回路のブ
ロック図である。
【図24】 図24(A)〜(E)は上記第4実施例の座標
変換回路の各部における信号の波形を示す波形図であ
る。
【図25】 この発明の第5実施例の特徴であるバンド
パスフィルターの回路図である。
【図26】 この発明の第1実施例や第2実施例の電界
発生器としての電子ペンの電極と液晶パネルの電極との
相互作用を簡単に説明する説明図である。
【図27】 図26における電気的な等価回路図であ
る。
【図28】 上記実施例の電子ペンの先端部の構造の変
形例を示す模式図である。
【図29】 上記実施例の電子ペンの機械的な構造を示
す構造図である。
【図30】 上記電子ペンの電気的な等価回路図であ
る。
【図31】 上記電子ペンの変形例の構造図である。
【図32】 図31(A)と(B)は上記変形例の電子ペン
を収納部分に収納して充電する動作を説明する斜視図で
ある。
【図33】 図33(A)および(B)は2本および3本の
電極からなる電極群の1対を差動増幅器に接続するよう
にした上記第1実施例の変形例を説明する模式図であ
る。
【図34】 図34(A)および(B)は差動増幅器に接続
する1対の電極の間に1本あるいは2本の電極が存在し
ているような上記第1実施例の変形例を説明する模式図
である。
【図35】 図35(A)および(B)は1本あるいは2本
の電極を挟む1対の電極群を差動増幅器に接続するよう
にした上記第1実施例の変形例を説明する模式図であ
る。
【図36】 上記第2実施例の液晶パネルをコの字型に
囲むプリント基板を示した図である。
【図37】 上記第1実施例に関連する上記実験の周波
数特性を示す特性図である。
【図38】 上記第1実施例の動作を説明するためのタ
イミングチャートである。
【図39】 上記実施例の差動増幅器に帰還回路を設け
た回路図である。
【図40】 上記実施例の包絡線検波器と代替すること
ができる同期検波器の回路図である。
【図41】 第1従来例の座標検出兼用表示パネルの構
造を説明する説明図である。
【図42】 第2従来例の液晶パネルの説明図である。
【図43】 第2従来例の座標検出技術を示す説明図で
ある。
【図44】 第3従来例の要部回路図である。
【図45】 第3従来例の座標検出技術を示す説明図で
ある。
【図46】 第3従来例のタイミング図である。
【符号の説明】 100,200,260,280,310…液晶パネ
ル、101…画像表示駆動回路、102,207,20
8…電界発生器、103…交流信号源、104a,10
4b…電極、105…座標検出回路、106,202,
284,314…セグメント電極、107,201,2
85,315…コモン電極、108…機能切り替え制御
回路、109…コネクタ、110…コネクタ、111…
駆動端子、112…座標出力端子、113…機能切り替
え信号入力端子、174…タイミング回路、175…座
標変換回路、180…コンパレータ、184…カウンタ
ー、186…包絡線検波器、249−1…第1のスイッ
チ回路群、249−2…第3のスイッチ回路群、250
…第2のスイッチ回路群。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1電極と、この第1電極に交差する方
    向に延びる第2電極とを有する座標検出のためのパネル
    と、 交流発振器と電極を含み、この交流発振器が発生する交
    流電界を電極の先端から出力する座標指示装置と、 差動増幅器と、 上記パネルの電極に対する接続を逐次切り替えて上記電
    極を逐次選択すると共に、上記選択された電極を差動増
    幅器に導通させる切替手段と、 上記電極を選択するタイミングと上記差動増幅器の出力
    とに基づいて、座標を検出する座標検出手段とを備えた
    ことを特徴とする座標検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記パネルは、電気光学効果を有する物質が2枚の基板
    間に封入されており、上記基板上に上記第1電極および
    第2電極を配置して、上記第1電極および第2電極に画
    像表示用の電極を兼ねさせている座標検出用ディスプレ
    イパネルであることを特徴とする座標検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標指示装置の発振器は、互いに逆相の電界を発振
    し、上記座標指示装置の電極は上記発振器から逆相の電
    界が印加される第1,第2の2種類の電極からなること
    を特徴とする座標検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標指示装置の第1の電極は筒状の電極であり、上
    記座標指示装置の第2の電極は上記筒状の電極の内側に
    配置された棒状の電極であることを特徴とする座標検出
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標指示装置の第1の電極は、第2の電極を中心と
    する円周上に略等間隔に配置されていることを特徴とす
    る座標検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標指示装置は、上記交流発振器の電源としてのバ
    ッテリーを内蔵するためのバッテリー収納部を有してい
    ることを特徴とする座標検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標指示装置は、 上記交流発振器の電源としての2次電池を内蔵するため
    のバッテリー収納部と、上記バッテリー収納部に2次電
    池が収納されたときに上記2次電池に電気的に接続され
    る充電用端子とを有し、 上記パネルが取り付けられる外箱に、上記座標指示装置
    を収納する収納部と、この収納部に座標指示装置が収納
    されたときに上記座標指示装置の充電用端子に電気的に
    接続されて上記充電用端子に電力を供給できる電力供給
    端子とが設けられていることを特徴とする座標検出装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記差動増幅器の出力端子と反転入力端子との間に、上
    記交流発振器が発生する交流電界に共振する共振回路が
    接続されていることを特徴とする座標検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記切替手段は、隣接する少なくとも1対の電極を選択
    して差動増幅器に接続すると共に、上記選択された電極
    を上記電極が並んでいる方向に向かって1本づつシフト
    させて行くことを特徴とする座標検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記切替手段は、上記パネルの隣接する1対の電極を選
    択すると共に、この1対の選択された電極を上記電極が
    並んでいる方向に向かって1本づつシフトさせて行くこ
    とを特徴とする座標検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の座標検出装置におい
    て、 上記切替手段は、隣接する2本以上の電極に並列に接続
    される第1の端子と、上記第1の端子に接続されている
    電極の隣の2本以上の電極に並列に接続される第2の端
    子とを有し、この第1の端子に対する電極の接続と第2
    の端子に対する電極の接続を、上記電極が並んでいる方
    向に向かって1本づつシフトさせて行くことを特徴とす
    る座標検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の座標検出装置におい
    て、 上記差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線
    を抽出する包絡線抽出手段と、 上記包絡線抽出手段からの双峰性を有する出力を受け
    て、この出力の谷部を検出する谷部検出手段と、 上記谷部検出手段が上記谷部を検出した谷部検出時刻を
    特定する計時手段と、上記計時手段が特定した上記谷部
    検出時刻と上記電極を選択するタイミングとに基づい
    て、上記パネル上の上記座標指示装置の位置を表す座標
    を特定する位置座標特定手段とを備えたことを特徴とす
    る座標検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の座標検出装置にお
    いて、 上記包絡線抽出手段としての同期検波器を備えたことを
    特徴とする座標検出装置。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標検出手段は、 上記差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線
    を検波する比較的時定数が大きな第1の包絡線検波器
    と、 上記差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線
    を検波する比較的時定数が小さな第2の包絡線検波器
    と、 上記第1の包絡線検波器からの双峰性の出力と、上記第
    2の包絡線検波器からの双峰性の出力とを減算して、上
    記第2の包絡線検波器が出力する双峰性の出力の谷部を
    検出する谷部検出手段と、 上記谷部検出手段が上記谷部を検出した谷部検出時刻を
    特定する計時手段と、上記計時手段が特定した谷部検出
    時刻と上記電極を選択するタイミングとに基づいて、上
    記パネル上の上記座標指示装置の位置を表す座標を特定
    する位置座標特定手段とを備えたことを特徴とする座標
    検出装置。
  15. 【請求項15】 請求項9に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標検出手段は、 上記差動増幅器からの出力を受けて、この出力の包絡線
    を抽出する包絡線検波器と、 上記包絡線検波器からの双峰性を有する出力を受けて、
    この出力を2値化し、この2値化した出力によって、上
    記双峰性の出力の谷部を検出する谷部検出手段と、 上記谷部検出手段が上記谷部を検出した谷部検出時刻を
    特定する計時手段と、上記計時手段が特定した谷部検出
    時刻と上記電極を選択するタイミングとに基づいて、上
    記パネル上の上記座標指示装置の位置を表す座標を特定
    する位置座標特定手段とを備えたことを特徴とする座標
    検出装置。
  16. 【請求項16】 請求項9に記載の座標検出装置におい
    て、 上記座標検出手段は、 上記差動増幅器からの出力を受けて、この出力を所定の
    時間だけ遅延させる遅延回路と、 上記差動増幅器からの出力と、上記遅延された出力とを
    減算する減算器と、 上記減算器が出力した信号を2値化し、この2値化した
    信号によって、上記双峰性の出力の谷部を検出する谷部
    検出手段と、 上記谷部検出手段が上記谷部を検出した谷部検出時刻を
    特定する計時手段と、上記計時手段が特定した谷部検出
    時刻と上記電極を選択するタイミングとに基づいて、上
    記パネル上の上記座標指示装置の位置を表す座標を特定
    する位置座標特定手段とを備えたことを特徴とする座標
    検出装置。
  17. 【請求項17】 電気光学効果特性を有する物質が2枚
    の基板間に封入されており、上記基板上に互いに交差す
    る複数のX軸電極と複数のY軸電極とを夫々設けたフラ
    ットディスプレーパネルと、 このフラットディスプレーパネルの上記X軸およびY軸
    電極を夫々電気的に駆動する画像表示用のX軸駆動回路
    およびY軸駆動回路と、 交流電源を内蔵した交流電界発生手段と、上記交流電界
    発生手段の出力端子が接続された電極とを有する座標指
    示装置と、 差動増幅器と、上記X軸電極の隣接する2本もしくは上
    記X軸電極の隣接する2つの電極群が構成する1組のX
    軸電極と上記Y軸電極の隣接する2本もしくは上記Y軸
    電極の隣接する2つの電極群が構成する1組のY軸電極
    とを選択して上記差動増幅器に接続して、上記選択され
    た電極が並んでいる方向に向かってそれらの電極を1本
    づつシフトさせる接続切替回路と、上記選択された電極
    をシフトさせることによって上記座標指示装置が上記電
    極に与える信号を上記差動増幅器から双峰性信号として
    得て、上記双峰性信号の谷部を検出する谷部検出手段
    と、上記谷部検出手段が谷部を検出した時刻と上記電極
    を選択したタイミングとに基づいて座標を特定する位置
    座標特定手段とを有する座標検出回路と、 上記X軸駆動回路およびY軸駆動回路と上記座標検出回
    路とを時分割的かつ相補的に稼働させる表示‐座標検出
    切替回路とを備えたことを特徴とする座標検出装置。
  18. 【請求項18】 電気光学効果特性を有する物質が2枚
    の基板間に封入されており、上記基板上に互いに交差す
    る複数のX軸電極と複数のY軸電極とを夫々設けたフラ
    ットディスプレーパネルと、 このフラットディスプレーパネルの上記X軸およびY軸
    電極を夫々電気的に駆動する画像表示用のX軸駆動回路
    およびY軸駆動回路と、 交流電源を内蔵した交流電界発生手段と、上記交流電界
    発生手段の出力端子が接続された電極とを有する座標指
    示装置と、 差動増幅器と、上記X軸電極の隣接する2本もしくは上
    記X軸電極の隣接する2つの電極群が構成する1組のX
    軸電極と上記Y軸電極の隣接する2本もしくは上記Y軸
    電極の隣接する2つの電極群が構成する1組のY軸電極
    とを選択して上記差動増幅器に接続して、上記選択され
    た電極が並んでいる方向に向かってそれらの電極を1本
    づつシフトさせる接続切替回路と、上記選択された電極
    をシフトさせることによって上記座標指示装置が上記電
    極に与えた信号を上記差動増幅器から双峰性信号として
    得て、上記双峰性信号の位相反転点を遅延回路の入力信
    号と出力信号を演算して求め、上記双峰性信号の位相反
    転点を検出することによって、上記双峰性信号の谷部を
    検出する谷部検出手段と、上記谷部検出手段が谷部を検
    出した時刻と上記電極を選択したタイミングとに基づい
    て座標を特定する位置座標特定手段とを有する座標検出
    回路と、 上記X軸駆動回路およびY軸駆動回路と上記座標検出回
    路とを時分割的かつ相補的に稼働させる表示‐座標検出
    切替回路とを備えたことを特徴とする座標検出装置。
  19. 【請求項19】 請求項17または18に記載の座標検
    出装置において、 上記座標検出回路の入力端子に、上記座標指示装置が発
    生する交流電界の周波数付近の周波数の信号を選択的に
    通過させるバントパスフィルタもしくはハイパスフィル
    タが接続されていることを特徴とする座標検出装置。
  20. 【請求項20】 請求項17または18に記載の座標検
    出装置において、 上記座標指示装置の電極は、 同軸に配置された中心電極と周辺電極とからなることを
    特徴とする座標検出装置。
  21. 【請求項21】 請求項17乃至18のいづれか1つに
    記載の座標検出装置において、 上記画像表示用のX軸駆動回路およびY軸駆動回路と、
    上記座標検出回路と、上記表示‐座標検出切替回路と
    が、上記ディスプレーパネルの2辺または3辺に沿った
    周辺部に配置されていることを特徴とする座標検出装
    置。
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