JPH08177903A - バンドブレーキ装置 - Google Patents

バンドブレーキ装置

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JPH08177903A
JPH08177903A JP33592794A JP33592794A JPH08177903A JP H08177903 A JPH08177903 A JP H08177903A JP 33592794 A JP33592794 A JP 33592794A JP 33592794 A JP33592794 A JP 33592794A JP H08177903 A JPH08177903 A JP H08177903A
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drum
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servo piston
fastening
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Shunei Fukazawa
俊英 深沢
Yasunari Mochizuki
康成 望月
Akimasa Mori
晃賢 森
Takafumi Kurata
貴文 倉田
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D2069/004Profiled friction surfaces, e.g. grooves, dimples

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  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 バンドブレーキ装置の耐久性や経時変化性能
の悪化を防止する。 【構成】 ブレーキバンド10の一端側に固着される固
定側ブラケットがアンカエンドピンに固定されてドラム
20の外周に巻付けられ、ブレーキバンド10の他端側
に固着される作動側ブラケットが油圧サーボ装置のステ
ムから荷重が加えられる状態で使用されるバンドブレー
キ装置であり、ドラム20の外周面に、これの軸方向中
央側から両端部に向かって互いに逆巻きの一対のらせん
溝20a及び20bが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機のバンドブ
レーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のバンドブレーキ装置としては、潤
滑のために外周面にらせん状の溝が設けられていたり、
機械加工の際に生じる縞模様状のツールマークが意図的
に残されていたりするドラムを有しているものがある。
また、実開平1−149059号公報に示されるような
油圧サーボ装置を有しているものもある。すなわち、こ
れに示される油圧サーボ装置は、シリンダ内部を仕切っ
て画成された容積変化自在な3つの油室を有しており、
第1室には解放圧が、第2室には締結圧が、第3室には
ライン圧が、それぞれ導入される。また、第2室に導入
される締結圧の上昇に伴って移動する第1のピストン
と、締結圧が所定の設定圧を越えて上昇すると第3室の
容積を縮小させながら移動する第2のピストンと、第1
のピストンの移動方向に所定の離隔距離で設けられた係
合部及び係合部と一体的に所定の締結機構に連結する連
結部を持つステムと、離隔距離内に縮径され、第1のピ
ストンの移動に抗する付勢力を発揮するコイルスプリン
グと、を備えている。コイルスプリングは、少なくとも
上記設定圧に至るまでは、第1のピストンの移動が継続
されるようにばね力が設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のバンドブレーキ装置では、次のような第1
の問題がある。すなわち、外周面にらせん状溝が設けら
れていたり、ツールマークが残されていたりするドラム
を有しているものにおいては、ドラムと摩擦接触してい
るブレーキバンドが、ドラムの回転にともない、これの
らせん状溝やツールマークが軸方向に移動していくた
め、らせん状溝やツールマークに沿って、ドラムの一端
部方向に軸方向に移動させられていくことになる。しか
し、ブレーキバンドは、これの端部に連結されているブ
ラケットによりケースに支持されているため、ブレーキ
バンドの一側縁部がドラムのらせん状溝やツールマーク
が設けられている部分の端部に当たったとき、軸方向へ
の移動が停止される。このため、ドラムの上記端部とブ
レーキバンドの一側縁部との間で摩擦が発生するので、
バンドブレーキ装置の耐久性や経時変化特性を悪化させ
る場合があるという問題がある。また、実開平1−14
9059号公報に示されるバンドブレーキ装置では、次
のような第2の問題がある。すなわち、第1のピストン
のストローク終了時に、サージ油圧が出るため、ブレー
キバンドを急激に締結し始めてしまう。このため、イナ
ーシャフェーズ開始初期に出力軸トルクにピークが発生
してしまい、変速ショックが悪化しやすいという問題が
ある。また、第1のピストンの移動に抗する付勢力を発
揮するものとしてコイルスプリングを使用しているの
で、軸方向にコイルスプリングを収納するためのスペー
スが必要となる。このため、コイルスプリングを高荷重
が得られるように設定する場合、これの線径を大きくす
る必要があるため、これにともない径方向のスペースも
必要となる。これにより、油圧サーボ装置が大型化して
しまうという問題がある。本発明は、このような課題を
解決するためのものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ドラムの外周
面に、これの軸方向中央方向から両端部方向に向かって
互いに逆巻きである一対のらせん溝を形成することによ
り、上記課題を解決する。すなわち、請求項1記載の本
発明のバンドブレーキ装置は、上記第1の課題を解決す
るため、ブレーキバンド(10)の一端側に固着される
固定側ブラケット(16)がアンカエンドピン(18)
に固定されてドラム(20)の外周に巻付けられ、ブレ
ーキバンド(10)の他端側に固着される作動側ブラケ
ット(22)が油圧サーボ装置(24)のステム(2
6)から荷重が加えられる状態で使用されるものにおい
て、上記ドラム(20)の外周面には、これの軸方向中
央側から両端部に向かって互いに逆巻きの一対のらせん
溝(20a、20b)が形成されている、ことを特徴と
する。また、請求項2記載の本発明のバンドブレーキ装
置は、上記一対のらせん溝(30b及び30c)の少な
くとも一側端部には、環状溝(30a)が形成されてい
ることを特徴とする。また、請求項3記載の本発明のバ
ンドブレーキ装置は、上記第2の課題を解決するため、
ドラム(92)の外周に巻付けられるブレーキバンド
(90)と、ブレーキバンド(90)に締結荷重を加え
る油圧サーボ装置(100)と、を有しており、油圧サ
ーボ装置(100)は、ブレーキバンド(90)をドラ
ム(92)に向かって押圧可能なステム(110)と、
ステム(110)と一体であるとともに、バンド開放圧
が作用する第1サーボピストン(102)と、第1サー
ボピストンと相対移動可能であるとともに、バンド締結
圧が作用する第2サーボピストン(104)と、第1サ
ーボピストン(102)を締結解除方向に常時押圧する
スプリング(108)と、を有しているものにおいて、
上記第1サーボピストン(102)と、上記第2サーボ
ピストン(104)との間には、これらを互いに離隔す
る方向に常時押圧する皿ばね(106)が設けられてお
り、皿ばね(106)の荷重は、第1サーボピストン
(102)の移動によって発生するバンド締結圧に基づ
く力から、出力軸トルクがイナーシャフェーズに入ると
きの油圧に基づく力までの範囲の力に対応する大きさの
範囲に設定されている、ことを特徴とする。なお、上記
かっこ内の符号は、後述する実施例の対応する部材を示
す。
【0005】
【作用】請求項1記載のバンドブレーキ装置において
は、ドラム20が所定方向に回転するときには、らせん
溝20a及び20bは、それぞれドラム20の両端部側
から軸方向中央方向に移動する。このため、ブレーキバ
ンド10のライニング材14には、ドラム20の軸方向
中央方向に向かって力が働くことになる。また、ドラム
20が上記所定方向とは反対方向に回転するときには、
らせん溝20a及び20bは、それぞれドラム20の軸
方向中央側から両端部方向に移動する。このため、ブレ
ーキバンド10のライニング材14には、ドラム20の
両端部方向に向かって力が働くことになる。このよう
に、ブレーキバンド10は、ドラム20の軸方向の一方
向にのみ引きずられて移動するということがなくなるた
め、ブレーキバンド10の一端部がドラム20の端部に
当たるということがない。これにより、バンドブレーキ
装置11の耐久性や経時変化性能が悪化するということ
がなくなる。また、請求項2記載の本発明のバンドブレ
ーキ装置によれば、ドラム30が上記所定方向に回転す
る場合には、潤滑油は、ドラム30の軸方向中央側から
両端部方向にらせん溝30b及び30cに沿って移動
し、ドラム30の両端部から排出されるようになるた
め、効果的に排出される。また、ドラム30が上記所定
方向とは反対方向に回転する場合には、潤滑油は、ドラ
ム30の両端部側から軸方向中央方向にらせん溝30b
及び30cに沿って移動し、ドラム30の軸方向中央側
端部まで移動した時点で、環状溝30aに沿って排出さ
れるようになるため、効果的に排出される。したがっ
て、ドラム30の回転方向にかかわりなく、潤滑油を効
果的に排出することができる。また、請求項3記載の本
発明のバンドブレーキ装置によれば、ブレーキバンド9
0をドラム92に締結させる場合は、まず、締結側油室
116に油を供給する。これにより、バンド締結圧が増
大するため、第2サーボピストン104が締結方向にス
トロークしていく。このため、皿ばね106及び第1サ
ーボピストン102が、コイルスプリング108の弾性
力に逆らって締結方向にストロークしていく。これによ
り、ブレーキバンド90がステム110によって押圧さ
れ、第1サーボピストン102のストロークが完了した
時点で、ブレーキバンド90がドラム92に密着する。
ただし、この時点では、ブレーキバンド90とドラム9
2との間に締結力は発生しておらず、ドラム92は、ブ
レーキバンド90に対して滑って回転し続けている。締
結側油室116へ供給される油により増大し続けるバン
ド締結圧によって、第2サーボピストン104が図10
中下方に押圧される。これにより、皿ばね106は、第
2サーボピストン104に押圧されてたわむため、第1
サーボピストン102に加えられるバンド締結圧が、滑
らかに増加し続け、バンド締結圧が所定の値になった時
点で、締結側油室116への油の供給が停止する。これ
により、ブレーキバンド90は、滑らかに増大していく
バンド締結力によって、ドラム92に締結される。した
がって、イナーシャフェーズ開始初期に出力軸トルクに
ピークを発生させることがないため、変速ショックを改
善することができる。また、小ストロークで高荷重を発
生する皿ばね106を使用することにより、油圧サーボ
装置100を小型化することができる。
【0006】
【実施例】図1に本発明のバンドブレーキ装置11を示
す。ブレーキバンド10は、柔軟な帯状部材12と、こ
れに張付けられるライニング材14と、を有している。
(なお、帯状部材12はあらかじめ円形に成形した金属
材を用いることもできる)。帯状部材12は、これの一
端側に固着される固定側ブラケット16がアンカエンド
ピン18の一端に固定されて、ドラム20の外周に巻付
けられ、帯状部材12の他端側に固着される作動側ブラ
ケット22が、油圧サーボ装置24のステム26とスト
ラット28を介して連結されている。固定側ブラケット
16の他端は、ケース30に連結されている。
【0007】次に、図2にドラム20の一部の側面図
を、図3に図2の○印部の拡大図を示す。ドラム20に
は、これの軸方向中央位置から両端部に向かって、ハの
字状に描かれる互いに逆巻きのらせん溝20a及び20
bがそれぞれ形成されている。ドラム20が図3(a)
に示される矢印A方向に回転するときには、らせん溝2
0a及び20bは、それぞれドラム20の両端部側から
軸方向中央方向に移動する。このため、ブレーキバンド
10のライニング材14には、図3(a)の矢印Bに示
されるように、ドラム20の軸方向中央方向に向かって
力が働くことになる。また、ドラム20が図3(b)に
示される矢印C方向に回転するときには、らせん溝20
a及び20bは、それぞれドラム20の軸方向中央側か
ら両端部方向に移動する。このため、ブレーキバンド1
0のライニング材14には、図3(b)の矢印Dに示さ
れるように、ドラム20の両端部方向に向かって力が働
くことになる。このように、ブレーキバンド10は、ド
ラム20の軸方向の一方向にのみ引きずられて移動する
ということがなくなるため、ブレーキバンド10の一端
部がドラム20のらせん溝20a及び20bが形成され
ていない端部に当たることがない。これにより、バンド
ブレーキ装置11の耐久性や経時変化性能が悪化すると
いうことがなくなる。しかし、この第1実施例の場合、
ドラム20の回転方向によって潤滑油の排出能力に違い
が生じてくる。すなわち、ドラム20が図3(a)に示
される矢印A方向に回転する場合には、潤滑油は、ドラ
ム20の軸方向中央側から両端部方向にらせん溝20a
及び20bに沿って移動し、ドラム20の両端部から排
出されるようになるため、効果的に排出される。しかし
ながら、ドラム20が図3(b)に示される矢印C方向
に回転する場合には、潤滑油は、ドラム20の両端部側
から軸方向中央方向にらせん溝20a及び20bに沿っ
て移動するため、らせん溝20a及び20bによって形
成される袋小路によってドラム20の軸方向中央付近に
滞ってしまい、排出性が悪くなるという問題がある。
【0008】次に、図4に第2実施例を示す。ドラム3
0には、これの軸方向中央位置に無端状の環状溝30a
が形成されており、この環状溝30aからドラム30の
軸方向両端部に向かって、ハの字状に描かれる互いに逆
巻きのらせん溝30b及び30cがそれぞれ形成されて
いる。ドラム30が図5(a)に示される矢印E方向に
回転するときには、らせん溝30b及び30cは、それ
ぞれドラム30の両端部側から軸方向中央方向に移動す
る。このため、ブレーキバンド10のライニング材14
には、図5(a)の矢印Fに示されるように、ドラム3
0の軸方向中央方向に向かって力が働くことになる。ま
た、ドラム30が図5(b)に示される矢印G方向に回
転するときには、らせん溝30b及び30cは、それぞ
れドラム30の軸方向中央側から両端部方向に移動す
る。このため、ブレーキバンド10のライニング材14
には、図5(b)の矢印Hに示されるように、ドラム3
0の両端部方向に向かって力が働くことになる。このよ
うに、ブレーキバンド10は、ドラム30の軸方向の一
方向にのみ引きずられて移動するということがなくなる
ため、ブレーキバンド10の一端部がドラム30のらせ
ん溝30b及び30cが形成されていない端部に当たる
ということがない。これにより、バンドブレーキ装置1
1の耐久性や経時変化性能が悪化するということがなく
なる。この第2実施例の場合、ドラム30の回転方向に
よる潤滑油の排出能力は次のようになる。すなわち、ド
ラム30が図5(a)に示される矢印E方向に回転する
場合には、潤滑油は、ドラム30の軸方向中央側から両
端部方向にらせん溝30b及び30cに沿って移動し、
ドラム30の両端部から排出されるようになるため、効
果的に排出される。また、ドラム30が図5(b)に示
される矢印G方向に回転する場合には、潤滑油は、ドラ
ム30の両端部側から軸方向中央方向にらせん溝30b
及び30cに沿って移動し、ドラム30の軸方向中央位
置まで移動した時点で、環状溝30aに沿って排出され
るようになるため、効果的に排出される。
【0009】図6に第3実施例を示す。ドラム40は、
これの軸方向中央位置に円周方向全周にわたって広幅の
研削面40aが形成されており、この研削面40aから
ドラム40の軸方向両端部に向かって、ハの字状に描か
れる互いに逆巻きのらせん溝40b及び40cがそれぞ
れ形成された構造を有している。これにより、ブレーキ
バンド10のライニング材14の軸方向両端部は高圧面
部分であるが、ドラム40の軸方向両端部の潤滑油が4
0b及び40cに沿ってそれぞれ移動するため、この部
分の潤滑性を向上させることができる。
【0010】図7に第4実施例を示す。これに示される
ドラム50は、第3実施例に示されるドラム40の研削
面40aと、40b及び40cと、の境界部分に、円周
方向全周にわたって環状溝50a及び50bがそれぞれ
形成された構造を有している。これにより、ドラム50
が図7中上方向に回転した場合でも、らせん溝50c及
び50dに沿ってドラム50の両端部側から軸方向中央
方向に移動していく潤滑油を、環状溝50a及び50b
に沿って移動させて排出させることができるため、ドラ
ム50の回転方向による潤滑油の排出性の違いを改善す
ることができる。
【0011】図8に第5実施例を示す。これに示される
ドラム60は、これの軸方向中央位置に円周方向全周に
わたって環状溝60eが形成され、環状溝60eから両
端部に向かって所定幅だけ、ハの字状に描かれる互いに
逆巻きのらせん溝60a及び60bがそれぞれ形成さ
れ、らせん溝60a及び60bからドラム60の両端部
まで研削面60c及び60dがそれぞれ形成された構造
を有している。これにより、ブレーキバンド10のライ
ニング材14の高圧面部分である両端部に、研削面60
c及び60dがそれぞれ配置されることになるため、摩
擦係数を大きくすることができる。
【0012】図9に第6実施例を示す。これに示される
ドラム70は、第5実施例に示される60a及び60b
と研削面60c及び60dとの境界部分に、円周方向全
周にわたって環状溝70a及び70bが形成された構造
を有している。これにより、ドラム70が図9中下方に
回転した場合でも、らせん溝70c及び70dに沿って
ドラム70の両端部側から軸方向中央方向に移動してい
く潤滑油を、環状溝70a及び70bに沿って移動させ
て排出させることができるため、ドラム70の回転方向
による潤滑油の排出性の違いを改善することができる。
【0013】また、図10にブレーキバンド90のドラ
ム92への締結及び締結解除を行う油圧サーボ装置10
0を示す。油圧サーボ装置100は、第1サーボピスト
ン102、第2サーボピストン104、皿ばね106、
コイルスプリング108、及びステム110を有してい
る。ステム110は、トランスミッションケース112
に摺動可能に設けられており、先端は、ブレーキバンド
90の作動側端部を押圧可能である。第1サーボピスト
ン102は、これの中心部に貫通するステム110に固
定されている。これにより、第1サーボピストン102
は、ステム110と一体にトランスミッションケース1
12内を摺動可能である。第1サーボピストン102と
トランスミッションケース112とによって解放側油室
114が形成されており、解放側油室114にはバンド
開放圧が作用する。コイルスプリング108は、第1サ
ーボピストン102とトランスミッションケース112
との間に設けられており、ステム110をブレーキバン
ド90から離す方向へ、常時第1サーボピストン102
を押圧している。第2サーボピストン104は、第1サ
ーボピストン102と同心に配置されており、これの中
心部には、ステム110を挿入可能な挿入穴104aが
形成されている。第2サーボピストン104とトランス
ミッションケース112とによって締結側油室116が
形成されており、締結側油室116にはバンド締結圧が
作用する。皿ばね106は、第1サーボピストン102
と第2サーボピストン104との間に配置されており、
両者を常時離隔する方向に押圧している。皿ばね106
の荷重は、第2サーボピストン104のストロークする
バンド締結圧に基づく力よりも大きく、出力軸トルクが
イナーシャフェーズに入るときの油圧に基づく力までの
範囲の力をカバーすることができるように設定されてい
る。
【0014】次に、本実施例の動作について説明する。
ブレーキバンド90をドラム92に締結させる場合は、
まず、締結側油室116に油を供給する。これにより、
バンド締結圧が増大するため、第2サーボピストン10
4が図10中下方にストロークしていく。このため、皿
ばね106及び第1サーボピストン102が、コイルス
プリング108の弾性力に逆らって図10中下方にスト
ロークしていく。これにより、ブレーキバンド90の作
動側端部がステム110によって押圧され、第1サーボ
ピストン102のストロークが完了した時点で、ブレー
キバンド90がドラム92に密着する。ただし、この時
点では、ブレーキバンド90とドラム92との間に締結
力は発生しておらず、ドラム92は、ブレーキバンド9
0に対して滑って回転し続けている。なお、このときの
バンド締結圧が、図11のバンド締結圧のグラフに示さ
れるサーボストローク棚である。この後、締結側油室1
16へ供給される油により増大し続けるバンド締結圧に
よって、第2サーボピストン104が図10中下方に押
圧される。これにより、皿ばね106は、第2サーボピ
ストン104に押圧されてたわむため、第1サーボピス
トン102に加えられるバンド締結圧が、図11のバン
ド締結圧のグラフに示されるように、皿ばね106の特
性による油圧面取り効果により滑らかに増加し続け、バ
ンド締結圧が所定の値になった時点で、締結側油室11
6への油の供給が停止する。なお、このバンド締結圧
は、アキュムレータがある場合は、アキュムレータ棚で
ある。これにより、ブレーキバンド90は、図11のバ
ンド締結力のグラフに示されるように、滑らかに増大し
ていくバンド締結力によって、ドラム92に締結され
る。したがって、図11の出力軸トルクのグラフに示さ
れるように、イナーシャフェーズ開始初期に出力軸トル
クにピークを発生させることがないため、変速ショック
を改善することができる。また、小ストロークで高荷重
を発生する皿ばね106を使用することにより、油圧サ
ーボ装置100を小型化することができる。
【0015】次に、ブレーキバンド90とドラム92と
の締結を解除させる場合は、締結側油室116から油を
排出するとともに、解放側油室114に油を供給する。
これにより、第1サーボピストン102は、これに加え
られる上昇するバンド開放圧と、コイルスプリング10
8の弾性力とにより、図10中上方にストロークして
く。これにより、ステム110が図10中上方にストロ
ークするので、ブレーキバンド90をドラム92方向へ
押圧する力が減少し、ブレーキバンド90とドラム92
との締結が解除される。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、ブレー
キバンドが、ドラムの軸方向の一方向にのみ引きずられ
て移動するということがなくなるため、ブレーキバンド
の一端部がドラムの端部に当たるということがない。こ
れにより、バンドブレーキ装置の耐久性や経時変化性能
が悪化するということがなくなる。また、請求項2記載
の本発明によれば、ドラムの回転方向にかかわりなく、
潤滑油を効果的に排出することができる。また、請求項
3記載の本発明によれば、イナーシャフェーズ開始初期
に出力軸トルクにピークを発生させることがないため、
変速ショックを改善することができる。また、小ストロ
ークで高荷重を発生する皿ばねを使用することにより、
油圧サーボ装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したバンドブレーキ装置を示す図
である。
【図2】ドラム及びブレーキバンドの一部を示す図であ
る。
【図3】図2に示されるドラムの回転方向による、ブレ
ーキバンドへ働く力の方向と、潤滑油の流れの方向と、
を示す図である。
【図4】第2実施例を示す図である。
【図5】図4に示されるドラムの回転方向による、ブレ
ーキバンドへ働く力の方向と、潤滑油の流れの方向と、
を示す図である。
【図6】第3実施例を示す図である。
【図7】第4実施例を示す図である。
【図8】第5実施例を示す図である。
【図9】第6実施例を示す図である。
【図10】油圧サーボ装置を示す図である。
【図11】時間と、出力軸トルク、バンド締結圧及びバ
ンド締結力と、の関係を示す図である。
【符号の説明】
10、90 ブレーキバンド 11 バンドブレーキ装置 16 固定側ブラケット 18 アンカエンドピン 20、30、92 ドラム 22 作動側ブラケット 24 油圧サーボ装置 26、110 ステム 20a、20b、30b、30c らせん溝 30a 環状溝 100 油圧サーボ装置 102 第1サーボピストン 104 第2サーボピストン 106 皿ばね 108 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉田 貴文 静岡県富士市今泉字鴨田700番地の1 ジ ャトコ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキバンド(10)の一端側に固着
    される固定側ブラケット(16)がアンカエンドピン
    (18)に固定されてドラム(20)の外周に巻付けら
    れ、ブレーキバンド(10)の他端側に固着される作動
    側ブラケット(22)が油圧サーボ装置(24)のステ
    ム(26)から荷重が加えられる状態で使用されるバン
    ドブレーキ装置において、 上記ドラム(20)の外周面には、これの軸方向中央側
    から両端部に向かって互いに逆巻きの一対のらせん溝
    (20a、20b)が形成されている、 ことを特徴とするバンドブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 上記一対のらせん溝(30b及び30
    c)の少なくとも一側端部には、環状溝(30a)が形
    成されている、 請求項1記載のバンドブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 ドラム(92)の外周に巻付けられるブ
    レーキバンド(90)と、 ブレーキバンド(90)に締結荷重を加える油圧サーボ
    装置(100)と、 を有しており、 油圧サーボ装置(100)は、 ブレーキバンド(90)をドラム(92)に向かって押
    圧可能なステム(110)と、 ステム(110)と一体であるとともに、バンド開放圧
    が作用する第1サーボピストン(102)と、 第1サーボピストンと相対移動可能であるとともに、バ
    ンド締結圧が作用する第2サーボピストン(104)
    と、 第1サーボピストン(102)を締結解除方向に常時押
    圧するスプリング(108)と、 を有している、 バンドブレーキ装置において、 上記第1サーボピストン(102)と、上記第2サーボ
    ピストン(104)との間には、これらを互いに離隔す
    る方向に常時押圧する皿ばね(106)が設けられてお
    り、 皿ばね(106)の荷重は、第1サーボピストン(10
    2)の移動によって発生するバンド締結圧に基づく力か
    ら、出力軸トルクがイナーシャフェーズに入るときの油
    圧に基づく力までの範囲の力に対応する大きさの範囲に
    設定されている、 ことを特徴とするバンドブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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