JPH08176848A - Cu/W基材のめっき処理方法及び放熱用Cu/W基板を備えたセラミックパッケージの製造方法 - Google Patents

Cu/W基材のめっき処理方法及び放熱用Cu/W基板を備えたセラミックパッケージの製造方法

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JPH08176848A
JPH08176848A JP34035294A JP34035294A JPH08176848A JP H08176848 A JPH08176848 A JP H08176848A JP 34035294 A JP34035294 A JP 34035294A JP 34035294 A JP34035294 A JP 34035294A JP H08176848 A JPH08176848 A JP H08176848A
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plating
substrate
treatment step
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treatment
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JP34035294A
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Koichi Nakasu
浩一 中洲
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Wの多孔質焼結体に溶融Cuを含浸して得ら
れるCu/W基材にNiめっき処理を施す方法におい
て、Cu/W基材にベーキング処理を施すベーキング処
理工程、ベーキング処理が施されたCu/W基材にスル
ファミン酸浴を用いたNi電解めっき処理を施す第1め
っき処理工程、第1めっき処理工程が施されたCu/W
基材をシンター処理する工程、及び該シンター処理され
たにCu/W基材にワット浴を用いたNi電解めっき処
理を施す第2めっき処理工程を含んでいるCu/W基材
のめっき処理方法。 【効果】 第1めっき処理工程で比較的粗で水分の排出
され易いめっき被膜を形成するため、その後のシンター
処理工程で容易に緻密で欠陥のない被膜を容易に形成す
ることができ、第2めっき処理工程では被膜の上に耐エ
ッチング特性の良好な緻密な被膜を容易に形成すること
ができ、その結果セラミックパッケージ用として好適な
放熱用Cu/W基板を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はCu/W基材のめっき処
理方法及び放熱用Cu/W基板を備えたセラミックパッ
ケージの製造方法に関し、より詳細には、PGA(Pin
Grid Array)等のピンを有するセラミックパッケージの
部品としてのCu/W基材のめっき処理方法及び前記め
っき処理等が施された放熱用Cu/W基板を備えたセラ
ミックパッケージの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大量の情報を高速に処理する必要から情
報処理装置の主体を構成する半導体装置はその高集積化
が進み、LSIやVLSIが実用化されている。このよ
うな半導体装置の集積化は単位素子の小型化により実現
されているため、集積度が向上するのに比例して発熱量
も増大し、半導体チップを通常の方法で配設したのみで
は発熱により半導体装置が正常に作動しなくなる場合も
考えられるようになってきている。そこで、このような
半導体装置用のパッケージとして、例えば熱伝導性に優
れた金属からなる放熱用基板を備えたセラミックパッケ
ージが用いられている。
【0003】図1はこの種の放熱用Cu/W基板を備え
たセラミックパッケージが用いられた半導体装置を模式
的に示した斜視図である。
【0004】図1に示した半導体装置11は、PGAタ
イプと呼ばれる半導体装置であり、セラミック基板12
の下方の面にはキャビティ部(図示せず)が形成され、
該キャビティ部の内部にはLSI等が収納され、セラミ
ック基板12に形成された導体配線部とはワイヤボンデ
ィング等により接続されている。また、前記キャビティ
部はリッド部材(図示せず)を用いて封止されており、
リッド部材の周辺には多数のピン14がセラミック基板
12の表面に形成された図示しない多数の金属パッド部
にろう付けされている。そして、このピン14によりマ
ザーボードとの接続が図られるようになっている。一
方、図中上部面、すなわちLSI等が納められている面
と反対側の面には、Wの多孔質焼結体に溶融Cuを含浸
させた基材を用いた放熱用Cu/W基板13が配設され
ており、この放熱用Cu/W基板13は熱伝導性に優れ
ているため、LSI等から発生する熱を良好に放散させ
ることができ、動作時のLSI等の過熱が防止される。
【0005】この放熱用Cu/W基板13は、前記した
ようにWの粉末を成形、焼成することにより得られた多
孔質焼結体にCuを溶融、含浸させ、さらにメッキ処理
等の種々の処理を施して形成され、セラミック基板12
にろう付けされる。
【0006】このようにメッキ処理等の工程を行うの
は、Wの多孔質焼結体からなる板状体にCuを溶融、含
浸させたのみでは多くの開気孔が存在し、セラミックパ
ッケージの製造工程で行われるエッチング処理等で内部
が腐食され易いので、表面に緻密な被膜を形成してこの
腐食等を防止するためである。
【0007】この場合の処理工程は次のように行われ
る。まず、Wの多孔質焼結体に溶融させたCuを含浸さ
せた後、このCu/W基材に、例えば水素を約75vo
l%及び窒素を25vol%含有する還元性ガス雰囲気
でベーキング処理を施し、Cu/W表面の酸化膜の還元
を行うと同時に、汚染物質の除去等を行い表面を清浄化
する。次に、前記ベーキング処理が施されたCu/W基
材に、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸等を主成分
とするワット浴を用いて第1番目のNi電解メッキ処理
を施し(以下、第1めっき処理工程と記す)、表面に1
μm程度の薄いメッキ被膜を形成する。その後、前記C
u/W基材にシンター処理を施し、前記めっき処理によ
りその内部にトラップされた水分を蒸発させ、めっき被
膜を緻密化させ、表面に存在していた開気孔を塞ぐ。次
に、前記シンター処理されたCu/W基材にスルファミ
ン酸ニッケル、NiBr2 、ホウ酸等を主成分とするス
ルファミン酸浴を用いて第2番目の電解Niめっき処理
を施し(以下、第2めっき処理工程と記す)、メッキ被
膜をさらに厚くし、耐エッチング性等を改善する。次
に、Cu/W基材をセラミック基板12にろう付けする
際の密着性を改善するために、第2の電解Niめっき処
理が施されたCu/W基材に、さらに無電解Ni−Pめ
っき処理を施す(以下、第3めっき処理工程と記す)。
そして、このCu/W基材にもう一度シンター処理を施
し、この処理でガス化した水蒸気等により形成される突
起状の被膜、いわゆるフクレがないものを次のろう付け
工程に用いる。
【0008】このようにして製造された放熱用Cu/W
基板13をセラミック基板12にろう付けし、最終的に
前記工程により形成されたNiめっき層及びろう材層の
表面や、放熱用Cu/W基板13が配設されたセラミッ
ク基板12の反対側の面に形成された金属パッド等に電
解又は無電解Niめっき処理及び電解又は無電解Auめ
っき処理を施す(以下、Auめっき処理工程と記す)こ
とにより、放熱用Cu/W基板13が配設されたセラミ
ックパッケージが製造される。
【0009】その後、セラミック基板のキャビティの内
部にLSI等を収納し、リッドにより封止することによ
り半導体装置11が完成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記第1めっき処理工
程及びその直後のシンター処理工程は、その表面に存在
する開気孔等の欠陥を無くすことを目的としているが、
例えば形成しためっき被膜の厚さが0.5〜1μmの狭
い範囲に入らない場合には、適切なめっき被膜が形成さ
れたことにならず、特に前記めっき被膜が1μmより厚
い場合には、前記シンター処理工程においてめっき被膜
のフクレが発生しやすいという課題があった。これは、
ワット浴を用いて厚いめっき被膜を形成した場合、水分
が開気孔の内部に閉じ込められ、シンター処理工程にお
いてガス化し、メッキ被膜のフクレを発生させるためと
考えられる。従って、前記第1めっき処理工程において
は、形成するめっき被膜の厚さを、例えば0.5〜1μ
mの狭い範囲に制御する必要があるが、実際の量産工程
においては、めっき被膜の厚さを前記のような狭い範囲
内に制御することは極めて難しい。
【0011】次に、第2めっき処理工程において、スル
ファミン酸浴を用いてメッキ処理を行う場合、最終的な
放熱用Cu/W基板13の評価を行うベーク評価におい
てフクレが発生するという課題があった。このようなベ
ーク評価を行うのは、半導体装置が実際に使用された
際、高温下でめっき被膜にフクレが発生すると、その後
のフクレの破壊等により腐食等が生じ易いからである。
【0012】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、第1めっき処理工程及び第2めっき処理工程
において形成するめっき被膜の厚さを厳密に制御する必
要がなく、その工程管理が容易で、不良率の極めて少な
いセラミックパッケージを製造することができるCu/
W基材のめっき処理方法及び放熱用Cu/W基板を備え
たセラミックパッケージの製造方法を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るCu/W基材のめっき処理方法は、Wの
多孔質焼結体に溶融Cuを含浸して得られるCu/W基
材にNiめっき処理を施す方法において、前記Cu/W
基材にベーキング処理を施すベーキング処理工程、前記
ベーキング処理が施されたCu/W基材にスルファミン
酸浴を用いたNi電解めっき処理を施す第1めっき処理
工程、該第1めっき処理工程が施されたCu/W基材を
シンター処理する工程、及び該シンター処理されたCu
/W基材にワット浴を用いたNi電解めっき処理を施す
第2めっき処理工程を含んでいることを特徴としている
(1)。
【0014】また本発明に係るCu/W基材のめっき処
理方法は、上記(1)記載のめっき処理方法において、
第1めっき処理工程で形成されたNiめっき層の厚さが
0.5〜2.3μmであり、第2めっき処理工程で形成
されたNiめっき層の厚さが1.2μm以上であること
を特徴としている(2)。
【0015】また本発明に係る放熱用Cu/W基板を備
えたセラミックパッケージの製造方法は、上記(1)記
載の第2めっき処理工程を終了したCu/W基材に無電
解Ni−Pめっき処理を施す第3めっき処理工程、該第
3めっき処理工程が施された前記Cu/W基材にシンタ
ー処理を施すシンター処理工程、前記シンター処理が施
された放熱用Cu/W基板をセラミック基板にろう付け
するろう付け工程、及び前記工程により形成されたNi
めっき層及びろう材層の表面にAuめっき層を形成する
Auめっき処理工程を含んでいることを特徴としている
(3)。
【0016】
【作用】本発明に係るCu/W基材のめっき処理方法
(1)によれば、Wの多孔質焼結体に溶融Cuを含浸し
て得られるCu/W基材にNiめっき処理を施す方法に
おいて、前記Cu/W基材にベーキング処理を施すベー
キング処理工程、前記ベーキング処理が施されたCu/
W基材にスルファミン酸浴を用いたNi電解めっき処理
を施す第1めっき処理工程、該第1めっき処理工程が施
されたCu/W基材をシンター処理する工程、及び該シ
ンター処理されたCu/W基材にワット浴を用いたNi
電解めっき処理を施す第2めっき処理工程を含んでお
り、前記第1めっき処理工程で比較的粗で水分の排出さ
れ易いめっき被膜が形成され、その後のシンター処理工
程で容易に緻密で欠陥のない被膜が形成され、前記第2
めっき処理工程では前記被膜の上に耐エッチング性に優
れた緻密な被膜が形成され、セラミックパッケージ用と
して好適な放熱用Cu/W基板が製造される。また、前
記第1めっき処理工程及び前記第2めっき処理工程にお
いては、上記した各特性を有する被膜が形成されるた
め、前記めっき被膜の厚さを厳密に制御する必要がな
く、工程管理が容易となり、高い歩留りで良好な性能を
有する放熱用Cu/W基板が製造される。
【0017】また本発明に係るCu/W基材のめっき処
理方法(2)によれば、上記(1)記載のめっき処理方
法において、前記第1めっき処理工程で形成されたNi
めっき層の厚さが0.5〜2.3μmであり、前記第2
めっき処理工程で形成されたNiめっき層の厚さが1.
2μm以上であり、前記(1)の方法における作用がよ
り確実に働き、より緻密で欠陥のないめっき被膜が形成
される。
【0018】また本発明に係る放熱用Cu/W基板を備
えたセラミックパッケージの製造方法(3)によれば、
上記(1)記載の前記第2めっき処理工程を終了したC
u/W基材に無電解Ni−Pめっき処理を施す前記第3
めっき処理工程、該第3めっき処理工程が施された前記
Cu/W基材にシンター処理を施す前記シンター処理工
程、前記シンター処理が施された放熱用Cu/W基板を
セラミック基板にろう付けする前記ろう付け工程、及び
前記工程により形成されたNiめっき層及びろう材層の
表面にAuめっき層を形成する前記Auめっき処理工程
を含んでおり、放熱特性に優れ、耐エッチング性に優れ
た緻密な被膜が形成されたCu/W基材を備えたセラミ
ックパッケージが製造される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例に係るCu/W基材の
めっき処理方法を説明する。
【0020】放熱用Cu/W基板製造用のCu/W基材
として、住友電気工業製のCMSFW−10(31mm
×31mm×1mm)を用い、前記Cu/W基材を水素
を75vol%及び窒素を25vol%含有する還元性
ガス雰囲気下、800℃で5分間ベーキング処理を施し
た。
【0021】次に第1めっき処理工程として、前記ベー
キング処理が施されたCu/W基材を、基本成分として
スルファミン酸ニッケルを440g/リットル、NiB
2を30g/リットル、ホウ酸を30g/リットル含
有するpHが3.5のスルファミン酸浴に浸漬し、浴湯
の温度が44℃、電流密度が1.0A/dm2 の条件で
処理時間を変化させて電解めっき処理を行い、前記Cu
/W基材に0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.
0μm及び2.5μmの厚さのNiめっき被膜を形成し
た。
【0022】前記工程の後、水素を75vol%及び窒
素を25vol%含有する還元性ガス雰囲気下、800
℃で5分間シンター処理を行い、表面を実体顕微鏡で観
察することにより、フクレの発生の有無を調査した。そ
の結果を下記の表1に示している。
【0023】なお、比較例として、実施例と同様にベー
キング処理を行った後、第1めっき処理工程でワット浴
を用い、その厚さが0.5μm、1.0μm、1.5μ
m及び2.0μmのめっき被膜を形成し、その後同様に
シンター処理工程を行い、Cu/W基材の表面のフクレ
の発生の有無を観察した。その結果を下記の表1に示し
ている。図2はスルファミン酸浴を用いてめっき処理を
行った際に形成されためっき被膜の表面の粒子構造を示
したSEM写真であり、図3はワット浴を用いてめっき
処理を行った際に形成されためっき被膜の表面の粒子構
造を示したSEM写真である。
【0024】
【表1】
【0025】上記結果より明らかなように、実施例に係
るめっき処理方法、すなわちスルファミン酸浴を用いた
めっき処理方法では、厚さが0.5〜2.0μm又は
2.3μm程度の広い範囲でフクレの発生が全く観察さ
れず、めっき処理を容易に行うことができ、工程管理が
容易である。これは、図2に示しているように、スルフ
ァミン酸浴を用いた場合には、めっき処理により比較的
粗な粒子が形成され、後のシンター処理工程でめっき被
膜がシンターされる前に粒子の間を通過して水分が蒸発
してしまうためと考えられる。
【0026】一方、比較例の場合には、めっき被膜の厚
さが1.0μm以上でフクレが発生しており、適切なめ
っき被膜の厚さの範囲が極めて狭いため、工程管理が非
常に難しいことがわかった。これはワット浴を用いた場
合に、比較的小さい粒子が形成され、膜厚が厚くなると
めっき処理工程で内部に侵入した水分がそのまま閉じ込
められ、シンター処理工程でガス化してフクレを発生さ
せるためと考えられる。
【0027】次に、前記工程でフクレが発生しなかった
ものにつき、第2めっき処理工程として、硫酸ニッケル
を300g/リットル、塩化ニッケルを30g/リット
ル、及びホウ酸を30g/リットル含有するpHが3.
8のワット浴に浸漬し、浴湯の温度が55℃、電流密度
が1.0A/dm2 の条件で処理時間を変化させて電解
めっき処理を行い、前記Cu/W基材にそれぞれ1.0
μm、1.5μm、2.0μm、2.5μm及び3.0
μmの厚さのNiめっき被膜を形成した。
【0028】次に、第3めっき処理工程として、硫酸ニ
ッケルを25g/リットル及び次亜リン酸ナトリウム1
5g/リットル等を主成分とするめっき浴に浸漬し、約
9分間無電解めっき処理を行うことにより前記Cu/W
基材に2μmの厚さにNi−Pめっき被膜を形成した。
【0029】その後、水素75vol%及び窒素25v
ol%を含有する還元性ガス雰囲気下、800℃で5分
間シンター処理を行い、表面を実体顕微鏡で観察するこ
とにより、フクレの発生の有無を調査した。
【0030】また、比較例として、第1めっき処理工程
をスルファミン酸浴を用いて行い、その後実施例と同様
に第2めっき処理工程の直前までの工程を行った後、第
2めっき処理工程としてスルファミン酸浴を用い、その
厚さが1.0μm、1.5μm、2.0μm、2.5μ
m及び3.0μmのめっき被膜を形成し、実施例と同様
に、無電解Niめっきを行った後にシンター処理を行
い、Cu/W基材の表面のフクレの発生の有無を観察し
た。
【0031】次に、前記シンター処理においてフクレが
発生しなかった放熱用Cu/W基板をセラミック基板に
800℃で銀ろう付けした。その後、この放熱用Cu/
W基板を備えたセラミック基板にエッチング処理等を施
した後、電解Niめっき処理及び電解Auめっき処理を
施し、前記工程により形成されたAuめっき層及びろう
材層やセラミック基板に形成された導体層上に、順次N
iめっき被膜及びAuめっき被膜を形成した。
【0032】前記工程により製造された放熱用Cu/W
基板を備えたセラミック基板を大気雰囲気下、470℃
で1分間加熱するベーク処理を行い、表面状態を実体顕
微鏡で観察し、フクレの発生の有無等を観察した。その
結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】上記結果より明らかなように、第1めっき
処理工程とは逆に、ワット浴を用いた実施例に係るめっ
き処理方法では、厚さが1.5μm以上又は1.2μm
以上でフクレの発生が全く観察されなかった。従って実
施例に係る方法によりめっき処理を容易に行うことがで
き、工程管理が容易であることがわかった。一方、比較
例の場合(スルファミン酸浴)には、めっき被膜の厚さ
を2.5μm以上にした場合に初めてフクレの発生が無
くなっており、非常に厚いめっき被膜を形成する必要が
あるため、処理工程の時間も長くなり、効率的でないこ
とがわかった。
【0035】このように上記実施例に係る方法により得
られた放熱用Cu/W基板を備えたセラミック基板にお
いては、放熱用Cu/W基板の表面にフクレやエッチン
グ等による欠陥は観察されず、要求特性を満足するもの
であった。
【0036】
【発明の効果】本発明に係るCu/W基材のめっき処理
方法(1)にあっては、Wの多孔質焼結体に溶融Cuを
含浸して得られるCu/W基材にNiめっき処理を施す
方法において、前記Cu/W基材にベーキング処理を施
すベーキング処理工程、前記ベーキング処理が施された
Cu/W基材にスルファミン酸浴を用いたNi電解めっ
き処理を施す第1めっき処理工程、該第1めっき処理工
程が施されたCu/W基材をシンター処理する工程、及
び該シンター処理されたにCu/W基材にワット浴を用
いたNi電解めっき処理を施す第2めっき処理工程を含
んでおり、前記ベーキング処理工程により還元、清浄化
されたCu/W基材に、前記第1めっき処理工程で比較
的粗で水分の排出され易いめっき被膜を形成するため、
その後のシンター処理工程で容易に緻密で欠陥のない被
膜を形成することができ、前記第2めっき処理工程では
前記被膜の上に耐エッチング特性の良好な緻密な被膜を
形成することができ、その結果セラミックパッケージ用
として好適な放熱用Cu/W基板を製造することができ
る。また、前記第1めっき処理工程及び前記第2めっき
処理工程においては、上記した各特性を有する被膜が形
成されるため、前記めっき被膜の厚さを厳密に制御する
必要がなく、工程管理が容易となり、高い歩留りで良好
な性能を有する放熱用Cu/W基板を製造することがで
きる。
【0037】また本発明に係るCu/W基材のめっき処
理方法(2)にあっては、上記(1)記載のめっき処理
方法において、前記第1めっき処理工程で形成されたN
iめっき層の厚さが0.5〜2μmであり、前記第2め
っき処理工程で形成されたNiめっき層の厚さが1.5
μm以上であり、前記(1)の方法における効果をより
確実に奏すると同時に、より緻密で欠陥のないめっき被
膜を形成することができる。
【0038】また本発明に係る放熱用Cu/W基板を備
えたセラミックパッケージの製造方法(3)にあって
は、上記(1)記載の第2めっき処理工程を終了したC
u/W基材に無電解Ni−Pめっき処理を施す第3めっ
き処理工程、該第3めっき処理工程が施された前記Cu
/W基材にシンター処理を施すシンター処理工程、前記
シンター処理が施された放熱用Cu/W基板をセラミッ
ク基板にろう付けするろう付け工程、及び前記工程によ
り形成されたNiめっき層及びろう材層の表面にAuめ
っき層を形成するAuめっき処理工程を含んでおり、放
熱特性に優れ、耐エッチング性に優れた緻密な被膜が形
成された放熱用Cu/W基板を備えたセラミックパッケ
ージを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放熱用Cu/W基板を備えたセラミックパッケ
ージが用いられた半導体装置を模式的に示した斜視図で
ある。
【図2】スルファミン酸浴を用いてめっき処理を行った
際に形成されためっき被膜の表面の粒子構造を示したS
EM写真である。
【図3】ワット浴を用いてめっき処理を行った際に形成
されためっき被膜の表面の粒子構造を示したSEM写真
である。
【符号の説明】
12 放熱用Cu/W基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/373 // C25D 3/12 102

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Wの多孔質焼結体に溶融Cuを含浸して
    得られるCu/W基材にNiめっき処理を施す方法にお
    いて、前記Cu/W基材にベーキング処理を施すベーキ
    ング処理工程、前記ベーキング処理が施されたCu/W
    基材にスルファミン酸浴を用いたNi電解めっき処理を
    施す第1めっき処理工程、該第1めっき処理工程が施さ
    れたCu/W基材をシンター処理する工程、及び該シン
    ター処理されたCu/W基材にワット浴を用いたNi電
    解めっき処理を施す第2めっき処理工程を含んでいるこ
    とを特徴とするCu/W基材のめっき処理方法。
  2. 【請求項2】 第1めっき処理工程で形成されたNiめ
    っき層の厚さが0.5〜2.3μmであり、第2めっき
    処理工程で形成されたNiめっき層の厚さが1.2μm
    以上である請求項1記載のCu/W基材のめっき処理方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の第2めっき処理工程を
    終了したCu/W基材に無電解Ni−Pめっき処理を施
    す第3めっき処理工程、該第3めっき処理工程が施され
    た前記Cu/W基材にシンター処理を施すシンター処理
    工程、前記シンター処理が施された放熱用Cu/W基板
    をセラミック基板にろう付けするろう付け工程、及び前
    記工程により形成されたNiめっき層及びろう材層の表
    面にAuめっき層を形成するAuめっき処理工程を含ん
    でいることを特徴とする放熱用Cu/W基板を備えたセ
    ラミックパッケージの製造方法。
JP34035294A 1994-12-27 1994-12-27 Cu/W基材のめっき処理方法及び放熱用Cu/W基板を備えたセラミックパッケージの製造方法 Pending JPH08176848A (ja)

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JP34035294A JPH08176848A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 Cu/W基材のめっき処理方法及び放熱用Cu/W基板を備えたセラミックパッケージの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103757674A (zh) * 2013-12-20 2014-04-30 中国电子科技集团公司第五十五研究所 一种钨铜复合材料的镀镍方法
JP2015101751A (ja) * 2013-11-25 2015-06-04 日本高純度化学株式会社 電解金めっき液及びそれを用いて得られた金皮膜

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CN103757674B (zh) * 2013-12-20 2017-01-04 中国电子科技集团公司第五十五研究所 一种钨铜复合材料的镀镍方法

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