JPH08176653A - 酸洗時間の短縮可能な鋼材の固溶化熱処理方法 - Google Patents

酸洗時間の短縮可能な鋼材の固溶化熱処理方法

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JPH08176653A
JPH08176653A JP33797694A JP33797694A JPH08176653A JP H08176653 A JPH08176653 A JP H08176653A JP 33797694 A JP33797694 A JP 33797694A JP 33797694 A JP33797694 A JP 33797694A JP H08176653 A JPH08176653 A JP H08176653A
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JP
Japan
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pickling
time
heat treatment
ultrasonic waves
treatment
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Application number
JP33797694A
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English (en)
Inventor
Yuzuru Sawada
譲 沢田
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Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Publication date
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 オーステナイト系ステンレス鋼や耐熱鋼の固
溶化熱処理における水冷などの急冷時に超音波を活用し
て積極的に脱スケールを行う。 【効果】 固溶化熱処理の急冷時に超音波で脱スケール
を促進させて、酸洗処理前の鋼材の残存スケール量を低
減しているので、酸洗処理時間を大幅に短縮することが
可能となり、酸洗液の寿命が向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固溶化熱処理後、酸洗
など脱スケール処理される鋼材の製造方法に関するもの
で、酸洗時間の短縮可能な、固溶化熱処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼や耐熱鋼
などの鋼材は、耐食性改善のために炭化物を固溶させる
固溶化熱処理を行う必要がある。この熱処理時には、鋼
材が1000℃以上の高温に加熱されるため、表面が大気中
の酸素と反応してFeの酸化物であるスケールが表面に生
成するが、加熱後の急冷時において、特に積極的な脱ス
ケール対策が行われておらず、スケールと素地金属の熱
収縮量の差による剥離によって一部のスケールが鋼材か
ら脱落しているにすぎない、従って、大部分のスケール
が表面に付着した状態で、酸洗処理等による脱スケール
処理が行われているのが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固溶化熱処理を行った
後、酸洗などの方法で脱スケールおよび不働態化処理が
行われる。前記したように、鋼材の固溶化熱処理時には
1000〜1100℃という高温に加熱されるため、鋼材表面に
数十μm程度の厚いスケールが生成する。このスケール
は、酸洗によって除去されるが、厚いスケールを除去す
るには、長時間酸洗処理する必要があり、高い生産性を
確保することができない。また、処理時間が長くなるほ
ど酸洗液の劣化が速くなるために、その交換費用が高く
なる。酸洗時間を短縮するために、酸洗前にショットブ
ラストなどの機械的脱スケールを施す方法もあるが、工
程が増加し、コスト高となるため適切な方法とは言えな
い。固溶化熱処理を光輝雰囲気または無酸化雰囲気で行
えばスケールは生成しないが、これも余分な保護ガスを
必要とするので、コスト高になり、効率的な方法とは言
えない。
【0004】本発明は、このような課題を解決するため
に成されたものであり、その目的とするところは、ショ
ットブラスト等の機械的脱スケール処理に頼ることな
く、より短時間の酸洗処理で脱スケールを可能とし、酸
洗での生産性を向上させ、酸洗液の寿命を延長させるこ
との可能な鋼材の脱スケール促進方法を得ることを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】固溶化熱処理を大気雰囲
気で行う以上、スケールの生成を全く防止することは困
難である。熱処理時間をできるだけ低温や短時間で行う
等の改善により、スケール生成量を若干減らすことはで
きるが、このような改善による効果にも限界がある。ま
た熱処理中の酸素をある一定濃度に管理することで、ス
ケールの生成量を少なくかつ脱スケールしやすい性状や
厚みに管理する方法もあるが、十分な効果を得ることは
できない。
【0006】そこで、スケールの生成を抑える方法は従
来から考えられている範囲で改善を行うこととし、生成
したスケールを酸洗前に除去する方法について検討を行
った。酸洗前にショットブラスト等の機械的脱スケール
を行う方法では、工程が増加し、コスト高となってしま
うことは前記した通りである。本発明者は、製造工程を
追加するのではなく、固溶化熱処理時の冷却時を利用し
た脱スケールが可能かどうかについて検討を行い、急冷
時に超音波を利用することによって、冷却時の脱スケー
ルが大幅に促進され、その後の酸洗処理時間を大幅に短
縮できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】超音波を酸洗時に利用して、酸洗時間を短
縮する技術については、既に数件特許出願され周知の事
実であり、各方面で使用実績がある。この技術は、超音
波が液体中を伝わるときに生成されるキャビテーション
がはじけるエネルギを利用したものである。
【0008】例えば、脱スケール性に劣る熱間鋼板の酸
洗時に超音波を付加する方法(特開昭61−235584号公
報)、熱延鋼板に予め歪みを与えておき酸洗時に超音波
を付加する方法(特開昭61−279311号公報)、酸洗槽と
酸洗槽の間に超音波洗浄槽を設ける方法(特開昭61-843
85号公報)、鋼線材コイルを焼鈍後、通常空冷するとこ
ろを水冷し、この時に超音波を付加する方法(特開昭62
-37384号公報)等が開示されている。
【0009】本発明は、上記出願に開示された方法とは
異なり、酸洗ではなく固溶化熱処理で通常行われる急冷
時において、超音波を付加して脱スケールを促進するこ
とを特徴とするものである。
【0010】なお脱スケール時に付加する超音波の振動
数としては、10〜1000kHz 程度、超音波を付加するタイ
ミングとしては、鋼材温度が 900℃から200 ℃に冷却さ
れるまでの間に行うと、最も大きな効果がえられる。た
だし、鋼材の温度が冷却開始から室温まで低下するまで
の時間は、直径15mmの線材であれば数秒程度とわずかで
あり、鋼材温度が室温となった後においても若干のスケ
ール除去効果が得られるので、実際の工程としては、冷
却開始直後から超音波付加を開始し、室温に温度が低下
した後も生産性に影響の少ない範囲で、継続して超音波
を付加した方がより優れた効果が得られる。実際の生産
を考えると、2〜15分程度の浸漬時間中に継続して超
音波を付加することが好ましい。
【0011】また、酸洗処理の短縮できる時間は、超音
波が鋼材に均一に付加されることがポイントとなるの
で、冷却時に鋼材が重ならないよう工夫して超音波を付
加することが肝心である。
【0012】
【作用】本発明では、ステンレス鋼などの固溶化熱処理
において、水冷などの急冷時に超音波を利用して、通常
の処理に比べ脱スケールを促進させているので、固溶化
熱処理後の残存スケール量が減少して、酸洗処理による
脱スケールの負担が軽減される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の特徴を実施例により明らかに
する。表1は実施例として使用した供試材の化学成分を
示すものである。
【0014】
【表1】
【0015】表1において、A、B鋼はそれぞれJIS
のSUS304、SUSXM7である。まず、表1に示す成分を有す
る鋼を溶解後熱間圧延により、直径15mmの線材を製造し
た。そして、固溶化熱処理を1030℃の15分均熱という条
件で行い、水冷時に超音波を付加した条件と、付加しな
い条件で製造した。超音波は振動数30kHz で冷却開始直
後から付加し、線材が室温に低下した後も表2に示す浸
漬時間の間、継続して付加した。
【0016】表2に供試材の酸洗での脱スケール時間を
示す。脱スケール時間は、一定時間毎に試験材を取り出
して残存するスケール量を調べることにより、測定した
ものである。なお、表2に示した脱スケール時間の数値
は従来法により、固溶化熱処理し超音波を付加しないで
製造した鋼材の鋼種Aの脱スケール時間を100 とし、各
種条件における脱スケール時間を整数比で示したもので
ある。
【0017】
【表2】
【0018】表2から明らかなように、固溶化熱処理時
の冷却途中に超音波を付加する方法を採用することによ
って、超音波を利用しない場合に比べ、酸洗処理前のス
ケール厚みを薄くすることができ、酸洗によるスケール
除去処理時間を約2/3に短縮できることが確認でき
た。
【0019】酸洗処理時間を短縮できることが確認でき
たので、本発明の方法をテスト的に継続実施して酸洗液
の劣化状況を調査した。その結果、酸洗処理時間の短縮
と同程度に寿命の向上が図れることが確認できた。
【0020】なお、前記した実施例では、超音波の振動
数が30kHz の場合の評価結果について記載したが、さら
に別の振動数でも同様な評価を行った結果、10〜1000kH
z の間で優れた効果が得られることが確認できた。
【0021】また、本実施例ではステンレス鋼のうち一
部のオーステナイト系ステンレス鋼の場合を例にとって
記載したが、他のオーステナイト系ステンレス鋼や耐熱
鋼についても同様な評価を行い、同様な効果が得られる
ことが確認できた。
【0022】
【発明の効果】本発明の酸洗時間短縮可能な鋼材の固溶
化熱処理方法では、固溶化熱処理での急冷時に超音波を
付加しているので、ショットブラストなどの機械的脱ス
ケールのように新たな製造工程を追加するものではな
い。従って、従来の製造工程に比べて生産性に何ら悪影
響を与えることなく、酸洗処理時間を短縮することがで
きる。また、酸洗時間の短縮が可能となった結果、酸洗
液の寿命を向上することができ、酸洗液の費用と使用済
酸洗液の処理費用を削減することができるので、超音波
付加装置の設置によるコスト増の要因を考慮しても、従
来法に比べ効率的な製造方法とすることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材を固溶化熱処理する際の急冷時にお
    いて、超音波を利用しながら急冷することを特徴とする
    酸洗時間の短縮可能な鋼材の固溶化熱処理方法。
  2. 【請求項2】 付加する超音波の振動数が10〜1000KHz
    であることを特徴とする請求項1記載の酸洗時間の短縮
    可能な鋼材の固溶化熱処理方法。
JP33797694A 1994-12-26 1994-12-26 酸洗時間の短縮可能な鋼材の固溶化熱処理方法 Pending JPH08176653A (ja)

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JP33797694A JPH08176653A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 酸洗時間の短縮可能な鋼材の固溶化熱処理方法

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JP33797694A JPH08176653A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 酸洗時間の短縮可能な鋼材の固溶化熱処理方法

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JP33797694A Pending JPH08176653A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 酸洗時間の短縮可能な鋼材の固溶化熱処理方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112522716A (zh) * 2020-12-01 2021-03-19 苏州阿诺医疗器械有限公司 一种用于铰刀的酸洗钝化工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112522716A (zh) * 2020-12-01 2021-03-19 苏州阿诺医疗器械有限公司 一种用于铰刀的酸洗钝化工艺

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