JPH08176397A - 高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物、その製造方法、該重合体混合物からなるタイヤトレッドゴム用軟化剤及びタイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物、その製造方法、該重合体混合物からなるタイヤトレッドゴム用軟化剤及びタイヤトレッド用ゴム組成物Info
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- JPH08176397A JPH08176397A JP31860894A JP31860894A JPH08176397A JP H08176397 A JPH08176397 A JP H08176397A JP 31860894 A JP31860894 A JP 31860894A JP 31860894 A JP31860894 A JP 31860894A JP H08176397 A JPH08176397 A JP H08176397A
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- fatty acids
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高級不飽和脂肪酸類の重合反応に従来よりも
高分子量化した重合体混合物であって、タイヤトレッド
ゴム用軟化剤として有用な重合体混合物を提供するこ
と。 【構成】 CH3 (CH2 )m CH=CHCH(C
H2 )nCOOR1 などで表される高級不飽和脂肪酸及
びそのエステルからなる群から選ばれる化合物を、ヘテ
ロポリ酸セシウム塩を触媒として該化合物の不飽和二重
結合部の重合反応を行うことによって得ることができる
高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物。
高分子量化した重合体混合物であって、タイヤトレッド
ゴム用軟化剤として有用な重合体混合物を提供するこ
と。 【構成】 CH3 (CH2 )m CH=CHCH(C
H2 )nCOOR1 などで表される高級不飽和脂肪酸及
びそのエステルからなる群から選ばれる化合物を、ヘテ
ロポリ酸セシウム塩を触媒として該化合物の不飽和二重
結合部の重合反応を行うことによって得ることができる
高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高級不飽和脂肪酸類の
重合体混合物、その製造方法、タイヤトレッドゴム用軟
化剤及び該重合体混合物を含有するタイヤトレッド用ゴ
ム組成物に関するものである。
重合体混合物、その製造方法、タイヤトレッドゴム用軟
化剤及び該重合体混合物を含有するタイヤトレッド用ゴ
ム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレイン酸やリノール酸およびそれらの
アルコールエステル等の高級不飽和脂肪酸類は、モンモ
リロナイト系やベントナイト系の活性白土や三フッ化ホ
ウ素や四塩化スズ等のルイス酸を触媒として、200〜
280℃で不飽和二重結合が重合反応(二量化反応)
し、ダイマー酸やトリマー酸を与えることが古くから知
られている。しかしながら、この二量化反応では、テト
ラマー酸以上の重合生成物は生成しない(新版脂肪酸化
学、第2版 稲葉恵一、平野二郎著 幸書房、1990
年5月15日)。即ち、今までのオレイン酸やリノール
酸およびそれらのアルコールエステル等の高級不飽和脂
肪酸類の二量化反応では、脂肪酸に換算した場合、分子
量が900以下の化合物しか製造できず、さらなる高分
子量化が困難であるいう問題点があった。
アルコールエステル等の高級不飽和脂肪酸類は、モンモ
リロナイト系やベントナイト系の活性白土や三フッ化ホ
ウ素や四塩化スズ等のルイス酸を触媒として、200〜
280℃で不飽和二重結合が重合反応(二量化反応)
し、ダイマー酸やトリマー酸を与えることが古くから知
られている。しかしながら、この二量化反応では、テト
ラマー酸以上の重合生成物は生成しない(新版脂肪酸化
学、第2版 稲葉恵一、平野二郎著 幸書房、1990
年5月15日)。即ち、今までのオレイン酸やリノール
酸およびそれらのアルコールエステル等の高級不飽和脂
肪酸類の二量化反応では、脂肪酸に換算した場合、分子
量が900以下の化合物しか製造できず、さらなる高分
子量化が困難であるいう問題点があった。
【0003】また二量化反応は、50年来商業的に生産
が行われているにも拘らず、その反応効率は低く、通常
55〜66%程度である(特公昭40−8427号公
報、特公昭42−7477号公報及び特開昭47−68
704号公報)。その理由は、二量化反応のドライビン
グ物質が二重結合にブレンステッド酸やルイス酸が付加
したカルボカチオンであり、吸電子的な付加反応とカル
ボカチオンの安定化を伴う異性化反応が競争するためで
ある。その結果として、二量体酸や三量体酸が生成する
他に、メチル基が分岐した分岐脂肪酸類が多量生成して
しまい、その蒸留等でモノマー留分を除去しなければな
らないといった問題点があった。従来から、通常のタイ
ヤトレッド用ゴムの低温時のグリップ性を向上させるた
めには、トレッドの硬さを低下させれば良いことが一般
的に知られており、このため多価脂肪酸のアルコールエ
ステル系可塑剤などをそのゴム組成物に添加している。
しかし、これらの添加剤を使用すると、そのゴム組成物
はヒステリシスロス(tan δ)の低下を招き、さらには
その可塑剤の揮発性が高いために、結果として乾燥路面
及び湿潤路面におけるグリップ性能が低下してしまう。
が行われているにも拘らず、その反応効率は低く、通常
55〜66%程度である(特公昭40−8427号公
報、特公昭42−7477号公報及び特開昭47−68
704号公報)。その理由は、二量化反応のドライビン
グ物質が二重結合にブレンステッド酸やルイス酸が付加
したカルボカチオンであり、吸電子的な付加反応とカル
ボカチオンの安定化を伴う異性化反応が競争するためで
ある。その結果として、二量体酸や三量体酸が生成する
他に、メチル基が分岐した分岐脂肪酸類が多量生成して
しまい、その蒸留等でモノマー留分を除去しなければな
らないといった問題点があった。従来から、通常のタイ
ヤトレッド用ゴムの低温時のグリップ性を向上させるた
めには、トレッドの硬さを低下させれば良いことが一般
的に知られており、このため多価脂肪酸のアルコールエ
ステル系可塑剤などをそのゴム組成物に添加している。
しかし、これらの添加剤を使用すると、そのゴム組成物
はヒステリシスロス(tan δ)の低下を招き、さらには
その可塑剤の揮発性が高いために、結果として乾燥路面
及び湿潤路面におけるグリップ性能が低下してしまう。
【0004】また、一方、グリップ性を重視したタイヤ
トレッド用ゴム組成物には、ポリマーとして高スチレン
含有率のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を
使用すると共にカーボンブラック及び石油系軟化剤を充
填したゴム組成物が使用されている。しかし、このよう
なゴム組成物は、比較的高いガラス転移点(Tg)を有
するため、冬期などの低温時にはトレッドが堅くなって
グリップ性能が低下するという問題点があった。この低
温時のグリップ性能の低下を抑えるために、特開昭60
−76403号公報に見られるように石油系軟化剤とエ
ステル系可塑剤を同時にゴム組成物に配合する試みがな
されているが、このような石油系軟化剤とエステル系可
塑剤との併用によっても、ヒステリシスロス(tan δ)
の低下と可塑剤の揮発性の高さにより、結果として乾燥
路面及び湿潤路面におけるグリップ性能が低下してしま
うという問題点があった。さらには、通常走行時にタイ
ヤの表面温度が上昇すると、石油系軟化剤とエステル系
可塑剤ともにその揮発性が高い故にその寿命が問題にな
っている。
トレッド用ゴム組成物には、ポリマーとして高スチレン
含有率のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を
使用すると共にカーボンブラック及び石油系軟化剤を充
填したゴム組成物が使用されている。しかし、このよう
なゴム組成物は、比較的高いガラス転移点(Tg)を有
するため、冬期などの低温時にはトレッドが堅くなって
グリップ性能が低下するという問題点があった。この低
温時のグリップ性能の低下を抑えるために、特開昭60
−76403号公報に見られるように石油系軟化剤とエ
ステル系可塑剤を同時にゴム組成物に配合する試みがな
されているが、このような石油系軟化剤とエステル系可
塑剤との併用によっても、ヒステリシスロス(tan δ)
の低下と可塑剤の揮発性の高さにより、結果として乾燥
路面及び湿潤路面におけるグリップ性能が低下してしま
うという問題点があった。さらには、通常走行時にタイ
ヤの表面温度が上昇すると、石油系軟化剤とエステル系
可塑剤ともにその揮発性が高い故にその寿命が問題にな
っている。
【0005】そこで、特開平4−300932号公報及
び特開平6−107866号公報に改良されたタイヤト
レッド用ゴム組成物が開示されるが、軟化剤の分子量が
大きすぎてしまい通常使用されるエステル系可塑剤より
ガラス転移点(Tg)が上昇して、冬期などの低温時に
はトレッドが堅くなってグリップ性能が低下するという
問題点があった。一方、一般的にヘテロポリ酸とその化
合物は、ヘテロポリアニオンに由来する特徴的な酸塩基
特性を持ち、酸触媒として様々な反応に効果を示すこと
が知られている(泉有亮ら、第22回中部化学連合秋季
大会(1991年10月2日))。またヘテロポリ酸セ
シウム塩は、ヘテロポリ酸の持つ強酸性とセシウム塩の
持つ高表面積といった両方の特徴を活かすことにより、
フリーデルクラフツ反応における極性の低いアルキル化
反応例でも見られるように、極めて高い活性を有するこ
とが明らかになっている( Y. Izumi et al., Bull. Ch
em. Soc. Japan, 62, 2159(1989))。
び特開平6−107866号公報に改良されたタイヤト
レッド用ゴム組成物が開示されるが、軟化剤の分子量が
大きすぎてしまい通常使用されるエステル系可塑剤より
ガラス転移点(Tg)が上昇して、冬期などの低温時に
はトレッドが堅くなってグリップ性能が低下するという
問題点があった。一方、一般的にヘテロポリ酸とその化
合物は、ヘテロポリアニオンに由来する特徴的な酸塩基
特性を持ち、酸触媒として様々な反応に効果を示すこと
が知られている(泉有亮ら、第22回中部化学連合秋季
大会(1991年10月2日))。またヘテロポリ酸セ
シウム塩は、ヘテロポリ酸の持つ強酸性とセシウム塩の
持つ高表面積といった両方の特徴を活かすことにより、
フリーデルクラフツ反応における極性の低いアルキル化
反応例でも見られるように、極めて高い活性を有するこ
とが明らかになっている( Y. Izumi et al., Bull. Ch
em. Soc. Japan, 62, 2159(1989))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高級不飽和
脂肪酸類の重合反応に従来よりも高分子量化した重合体
混合物を提供することを目的とする。本発明は、又、従
来より高反応率で上記重合体混合物を製造できる方法を
提供することを目的とする。さらに本発明は、低温時に
おけるグリップ性能を高めると共に、通常の走行条件下
でのグリップ性能、即ち乾燥路面及び湿潤路面における
グリップ性能が良好に維持されるタイヤトレッドゴム用
軟化剤を提供することを目的とする。
脂肪酸類の重合反応に従来よりも高分子量化した重合体
混合物を提供することを目的とする。本発明は、又、従
来より高反応率で上記重合体混合物を製造できる方法を
提供することを目的とする。さらに本発明は、低温時に
おけるグリップ性能を高めると共に、通常の走行条件下
でのグリップ性能、即ち乾燥路面及び湿潤路面における
グリップ性能が良好に維持されるタイヤトレッドゴム用
軟化剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヘテロポリ酸
セシウム塩を触媒として高級不飽和脂肪酸類の二量化反
応を行うと、上記課題を達成できるとの知見も基づいて
なされたのである。すなわち、本発明は、一般式
(I)、(II)及び(III)で表される高級不飽和脂肪酸
及びそのエステルからなる群から選ばれる1種又は2種
以上の化合物を、ヘテロポリ酸セシウム塩を触媒として
該化合物の不飽和二重結合部の重合反応を行うことによ
って得ることができる高級不飽和脂肪酸類の重合体混合
物を提供する。
セシウム塩を触媒として高級不飽和脂肪酸類の二量化反
応を行うと、上記課題を達成できるとの知見も基づいて
なされたのである。すなわち、本発明は、一般式
(I)、(II)及び(III)で表される高級不飽和脂肪酸
及びそのエステルからなる群から選ばれる1種又は2種
以上の化合物を、ヘテロポリ酸セシウム塩を触媒として
該化合物の不飽和二重結合部の重合反応を行うことによ
って得ることができる高級不飽和脂肪酸類の重合体混合
物を提供する。
【化2】 CH3 (CH2 )m CH=CHCH(CH2 )nCOOR1 ──(I) CH3 (CH2 )h (CH=CHCH2 )j CH=CH(CH2 )k COOR2 ──(II) CH3 (CH2 )p (CH3 )CH(CH=CHCH2 )j CH=CH(CH2 )q COOR3 ──(III) (式中のR1 、R2 及びR3 は、それぞれ水素または炭
素数1から12のアルキル基、m、n、h、k、p及び
qはそれぞれ0又は1以上の整数であり、m+n=11
〜13、j=1または2、h+k=6〜11、p+q=
4〜9である。)
素数1から12のアルキル基、m、n、h、k、p及び
qはそれぞれ0又は1以上の整数であり、m+n=11
〜13、j=1または2、h+k=6〜11、p+q=
4〜9である。)
【0008】ヘテロポリ酸セシウム塩は、例えば、式:
CsA H3-A PW12O40〔A は0.1〜2.9の少数)で表
され、ヘテロポリ酸の一種である12−タングストリン
酸(H3 PW12O40)のプロトンの一部をセシウム(C
s)で置き換えたものである。このヘテロポリ酸セシウ
ム塩は超微粒子状であるため高表面積(100〜200
m2 /g)である。ヘテロポリ酸セシウム塩は、例え
ば次のようにして調製することができる。まず、タング
ストリン酸をイオン交換水に溶解させ、撹拌しながら所
定量の炭酸セシウム水溶液を滴下し、撹拌を良く続け
る。次に、脱水して得られた粉体を細かく乳鉢で砕いて
100〜500℃で焼成する。
CsA H3-A PW12O40〔A は0.1〜2.9の少数)で表
され、ヘテロポリ酸の一種である12−タングストリン
酸(H3 PW12O40)のプロトンの一部をセシウム(C
s)で置き換えたものである。このヘテロポリ酸セシウ
ム塩は超微粒子状であるため高表面積(100〜200
m2 /g)である。ヘテロポリ酸セシウム塩は、例え
ば次のようにして調製することができる。まず、タング
ストリン酸をイオン交換水に溶解させ、撹拌しながら所
定量の炭酸セシウム水溶液を滴下し、撹拌を良く続け
る。次に、脱水して得られた粉体を細かく乳鉢で砕いて
100〜500℃で焼成する。
【0009】このようにして得られたヘテロポリ酸セシ
ウム塩を、高級不飽和脂肪酸又はそのエステルに添加し
てこれらの化合物の重合反応を行うことができる。高級
不飽和脂肪酸又はそのエステルとしては、上記一般式
(I)、(II)及び(III)で表される1種又は2種以上
の混合物があげられる。具体的には、オレイン酸、エラ
イジン酸、オクタデセン酸、リノール酸、リノレン酸、
パルミトレイン酸、イソオレイン酸、分岐オクタデセン
酸、分岐ヘキサデセン酸等や、これらの高級不飽和脂肪
酸等とメタノール、エタノール、プロパノール、、イソ
プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ターシア
リブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノ
ール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ラウリル
アルコール等の炭素数が1から12、好ましくは1〜8
のアルコールとのエステルが使用できる。この場合、高
級不飽和脂肪酸又はそのエステルは、単独又は混合物の
形で用いられる。また、この高級不飽和脂肪酸及び/又
はそのエステルには、高級飽和脂肪酸及び/又はそのエ
ステルが混入していても良く、その混入率は40重量%
(以下、%と略称する)以下が好ましく、特に20%以
下とするのがよい。
ウム塩を、高級不飽和脂肪酸又はそのエステルに添加し
てこれらの化合物の重合反応を行うことができる。高級
不飽和脂肪酸又はそのエステルとしては、上記一般式
(I)、(II)及び(III)で表される1種又は2種以上
の混合物があげられる。具体的には、オレイン酸、エラ
イジン酸、オクタデセン酸、リノール酸、リノレン酸、
パルミトレイン酸、イソオレイン酸、分岐オクタデセン
酸、分岐ヘキサデセン酸等や、これらの高級不飽和脂肪
酸等とメタノール、エタノール、プロパノール、、イソ
プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ターシア
リブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノ
ール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ラウリル
アルコール等の炭素数が1から12、好ましくは1〜8
のアルコールとのエステルが使用できる。この場合、高
級不飽和脂肪酸又はそのエステルは、単独又は混合物の
形で用いられる。また、この高級不飽和脂肪酸及び/又
はそのエステルには、高級飽和脂肪酸及び/又はそのエ
ステルが混入していても良く、その混入率は40重量%
(以下、%と略称する)以下が好ましく、特に20%以
下とするのがよい。
【0010】ヘテロポリ酸セシウム塩の添加量は、原料
100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜
8重量部である。反応温度は、150〜270℃が好ま
しく、より好ましくは200〜250℃である。反応圧
力は、減圧、常圧、加圧の何れでもかまわないが、通
常、1〜10気圧、好ましくは2〜10気圧である。反
応時間は触媒量と反応温度に左右されて一定しないが、
通常は5〜10時間で十分である。反応雰囲気は、空気
中でかまわないが、色調の良好な物を得るためには窒素
やアルゴン等の不活性ガス雰囲気を採用するのが好まし
い。反応に際して不活性有機溶媒を使用してもよいが、
溶媒を使用することなく、高級飽和脂肪酸及び/又はそ
のエステルに単にヘテロポリ酸セシウム塩を添加して行
うのが好ましい。
100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜
8重量部である。反応温度は、150〜270℃が好ま
しく、より好ましくは200〜250℃である。反応圧
力は、減圧、常圧、加圧の何れでもかまわないが、通
常、1〜10気圧、好ましくは2〜10気圧である。反
応時間は触媒量と反応温度に左右されて一定しないが、
通常は5〜10時間で十分である。反応雰囲気は、空気
中でかまわないが、色調の良好な物を得るためには窒素
やアルゴン等の不活性ガス雰囲気を採用するのが好まし
い。反応に際して不活性有機溶媒を使用してもよいが、
溶媒を使用することなく、高級飽和脂肪酸及び/又はそ
のエステルに単にヘテロポリ酸セシウム塩を添加して行
うのが好ましい。
【0011】このようにして得た反応物は、二量体酸で
あるダイマー酸(又はそのアルキルエステル)、三量体
酸であるトリマー酸(又はそのアルキルエステル)と四
量体酸以上の重合体酸(又はそのアルキルエステル)、
その他高級不飽和脂肪酸類のエステル型やエーテル型の
重合物との混合物からなり、通常、少量の未反応の高級
不飽和脂肪酸(又はそのアルキルエステル)を含む。本
発明では、この重合反応物から未反応の高級不飽和脂肪
酸(又はそのアルキルエステル)を分離しても良いし、
分離しないで使用することも可能である。分離方法とし
ては、減圧蒸留法、薄膜蒸留法、分子蒸留法、抽出法、
クロマト分離法、吸着分離法等を採用することができ
る。本発明では、このようにして未反応高級不飽和脂肪
酸及び/又はそのエステルの含有量が1〜30%であ
り、分子量が500〜3000の重合体混合物を得るの
が好ましい。本発明により製造した高級不飽和脂肪酸類
の重合体混合物をタイヤトレッドゴム用軟化剤として使
用すると、良好な性能を有するタイヤトレッドゴム組成
物となる。該高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物は、ス
チレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IP)及び他のジエン
系ゴムからなる群から選ばれた1種又は2種以上のゴム
を含有するゴム原料100重量部に対して、通常5〜5
0重量部、好ましくは7〜40重量部、更に好ましくは
10〜30重量部配合して使用するのがよい。
あるダイマー酸(又はそのアルキルエステル)、三量体
酸であるトリマー酸(又はそのアルキルエステル)と四
量体酸以上の重合体酸(又はそのアルキルエステル)、
その他高級不飽和脂肪酸類のエステル型やエーテル型の
重合物との混合物からなり、通常、少量の未反応の高級
不飽和脂肪酸(又はそのアルキルエステル)を含む。本
発明では、この重合反応物から未反応の高級不飽和脂肪
酸(又はそのアルキルエステル)を分離しても良いし、
分離しないで使用することも可能である。分離方法とし
ては、減圧蒸留法、薄膜蒸留法、分子蒸留法、抽出法、
クロマト分離法、吸着分離法等を採用することができ
る。本発明では、このようにして未反応高級不飽和脂肪
酸及び/又はそのエステルの含有量が1〜30%であ
り、分子量が500〜3000の重合体混合物を得るの
が好ましい。本発明により製造した高級不飽和脂肪酸類
の重合体混合物をタイヤトレッドゴム用軟化剤として使
用すると、良好な性能を有するタイヤトレッドゴム組成
物となる。該高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物は、ス
チレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IP)及び他のジエン
系ゴムからなる群から選ばれた1種又は2種以上のゴム
を含有するゴム原料100重量部に対して、通常5〜5
0重量部、好ましくは7〜40重量部、更に好ましくは
10〜30重量部配合して使用するのがよい。
【0012】ジエン系ゴムとしては限定されるものでな
いが、例えば、ポリブタジエン(BR)、ブチルゴム等
があげられる。タイヤトレッドゴムに使用される原料ゴ
ムは、SBR、NR、IP及び該ジエン系ゴムから選ば
れた1種又は2種以上のゴムを主成分とし、他のゴム
を、例えば、1〜10%程度使用することができる。上
記特定のゴムは、単独で使用しても良いが、例えばSB
R/BR、NR/BR又はSBRの2種ブレンド、NR
/IR/BR又はSBRの3種ブレンド等のように、2
種以上を混合配合して用いることもできる。また、本発
明のゴム組成物には、必要に応じて、石油系軟化剤や他
のエステル系軟化剤等の配合剤を任意に適量配合するこ
とができる。
いが、例えば、ポリブタジエン(BR)、ブチルゴム等
があげられる。タイヤトレッドゴムに使用される原料ゴ
ムは、SBR、NR、IP及び該ジエン系ゴムから選ば
れた1種又は2種以上のゴムを主成分とし、他のゴム
を、例えば、1〜10%程度使用することができる。上
記特定のゴムは、単独で使用しても良いが、例えばSB
R/BR、NR/BR又はSBRの2種ブレンド、NR
/IR/BR又はSBRの3種ブレンド等のように、2
種以上を混合配合して用いることもできる。また、本発
明のゴム組成物には、必要に応じて、石油系軟化剤や他
のエステル系軟化剤等の配合剤を任意に適量配合するこ
とができる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、タイヤトレッドゴム用
の軟化剤として使用すると、冬期などの低温時における
グリップ性能を高めると共に、通常の走行条件下でのグ
リップ性能、即ち乾燥路面及び湿潤路面におけるグリッ
プ性能が良好に維持され、しかもタイヤの減りを押さえ
ることができるといった優れた性能を有する高級不飽和
脂肪酸類の重合体混合物が提供される。従って、本発明
の高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物を含有するタイヤ
トレッドゴムは極めて優れた性能を発揮する。次に実施
例により本発明を説明する。
の軟化剤として使用すると、冬期などの低温時における
グリップ性能を高めると共に、通常の走行条件下でのグ
リップ性能、即ち乾燥路面及び湿潤路面におけるグリッ
プ性能が良好に維持され、しかもタイヤの減りを押さえ
ることができるといった優れた性能を有する高級不飽和
脂肪酸類の重合体混合物が提供される。従って、本発明
の高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物を含有するタイヤ
トレッドゴムは極めて優れた性能を発揮する。次に実施
例により本発明を説明する。
【0014】
参考例1ヘテロポリ酸セシウム塩の調製 ヘテロポリ酸セシウム塩(Cs2.5 H0.5 PW12O40)
を下記のようにして調製した。まず、12−タングスト
リン酸(101.4g)をイオン交換水(48.6g)に溶
解した。撹拌しながら、16.7gの炭酸セシウムを水
(109g)に溶解させた水溶液を滴下し、室温にて撹
拌を20時間続けた。次に、水をエバポレーターで除去
した後、真空ポンプ(1mmHg)を使用し50℃にて減圧
乾燥を3時間行った。こうして得られた粉体を細かく乳
鉢で砕いた後、300℃で3時間焼成した。得られたヘ
テロポリ酸セシウム塩を窒素雰囲気下で室温にて保存し
た。
を下記のようにして調製した。まず、12−タングスト
リン酸(101.4g)をイオン交換水(48.6g)に溶
解した。撹拌しながら、16.7gの炭酸セシウムを水
(109g)に溶解させた水溶液を滴下し、室温にて撹
拌を20時間続けた。次に、水をエバポレーターで除去
した後、真空ポンプ(1mmHg)を使用し50℃にて減圧
乾燥を3時間行った。こうして得られた粉体を細かく乳
鉢で砕いた後、300℃で3時間焼成した。得られたヘ
テロポリ酸セシウム塩を窒素雰囲気下で室温にて保存し
た。
【0015】実施例1 オレイン酸メチル 75%、リノール酸メチル 15
%、ステアリン酸メチル9%、及びその他の化合物 1
% の組成を有する高級不飽和脂肪酸のメチルエステル
1000gと触媒としてのヘテロポリ酸セシウム塩70
gを内容積2リットルのオートクレーブに入れ、窒素雰
囲気下、230℃で5時間反応を行った。反応生成物を
濾過後、液体クロマトグラフィー(GPC)にて組成分
析した。結果を表1に示す。得られた重合体混合物の酸
価は21.3 KOH mg/g であり、平均分子量は938であ
った。この重合体混合物をHP−Nと略称する。 比較例1 実施例1で用いたのと同じ組成の高級不飽和脂肪酸のメ
チルエステル1000gと触媒としてのモンモリロナイ
ト系活性白土70gを内容積2リットルのオートクレー
ブに入れ、窒素雰囲気下、230℃で5時間反応を行っ
た。反応生成物を濾過後、GPCにて分析した。結果を
表2に示す。
%、ステアリン酸メチル9%、及びその他の化合物 1
% の組成を有する高級不飽和脂肪酸のメチルエステル
1000gと触媒としてのヘテロポリ酸セシウム塩70
gを内容積2リットルのオートクレーブに入れ、窒素雰
囲気下、230℃で5時間反応を行った。反応生成物を
濾過後、液体クロマトグラフィー(GPC)にて組成分
析した。結果を表1に示す。得られた重合体混合物の酸
価は21.3 KOH mg/g であり、平均分子量は938であ
った。この重合体混合物をHP−Nと略称する。 比較例1 実施例1で用いたのと同じ組成の高級不飽和脂肪酸のメ
チルエステル1000gと触媒としてのモンモリロナイ
ト系活性白土70gを内容積2リットルのオートクレー
ブに入れ、窒素雰囲気下、230℃で5時間反応を行っ
た。反応生成物を濾過後、GPCにて分析した。結果を
表2に示す。
【0016】
【表1】 表−1〔重合体混合物のGPC分析結
果〕 実施例1 比較例1 モノマー留分 13% 39% ダイマー留分 27 43 トリマー留分 26 18 テトラマー留分 16 0 ペンタマー留分以上 18 0 表−1の結果から明らかなように、本発明によれば、モ
ノマーの残量が13%(未反応ステアリン酸メチルが主
成分、ステアリン酸メチルは分子内に二重結合を含有し
ないため、重合反応に関与せずそのまま残存する)と少
なく、二量体酸と三量体酸が53%、四量体酸以上の重
合体酸が34%生成しており、ヘテロポリ酸セシウム塩
を触媒に使用することにより、比較例に比べて分子量の
大きい重合体が得られ、かつ重合反応収率が向上するこ
とが判る。
果〕 実施例1 比較例1 モノマー留分 13% 39% ダイマー留分 27 43 トリマー留分 26 18 テトラマー留分 16 0 ペンタマー留分以上 18 0 表−1の結果から明らかなように、本発明によれば、モ
ノマーの残量が13%(未反応ステアリン酸メチルが主
成分、ステアリン酸メチルは分子内に二重結合を含有し
ないため、重合反応に関与せずそのまま残存する)と少
なく、二量体酸と三量体酸が53%、四量体酸以上の重
合体酸が34%生成しており、ヘテロポリ酸セシウム塩
を触媒に使用することにより、比較例に比べて分子量の
大きい重合体が得られ、かつ重合反応収率が向上するこ
とが判る。
【0017】実施例2 実施例1で調製した重合体混合物HP−Nを薄膜蒸留
(150〜200℃/0.3〜0.5mmHg)してモノマ
ー留分を除去した。この重合体混合物の酸価は19.3 K
OH mg/g であった。この重合体混合物をHP−NPと略
称する。 実施例3 実施例2で調製したHP−NP500gに、100gの
水酸化ナトリウムを溶解させたエタノールと水を等容量
に混合した混合溶液500gを加え、還流下、8時間ケ
ン化反応した。次に、過剰の硫酸を加えてエーテルにて
重合体酸を抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥した。得られた重合体酸は、パラトルエンスルホン酸
を触媒(0.5%)としてメタノールでメチルエステル
化を行い相当する重合体酸メチルエステルとした。重合
体混合物の酸価は0.3 KOH mg/gであった。この重合体
混合物をHP−MPと略称する。
(150〜200℃/0.3〜0.5mmHg)してモノマ
ー留分を除去した。この重合体混合物の酸価は19.3 K
OH mg/g であった。この重合体混合物をHP−NPと略
称する。 実施例3 実施例2で調製したHP−NP500gに、100gの
水酸化ナトリウムを溶解させたエタノールと水を等容量
に混合した混合溶液500gを加え、還流下、8時間ケ
ン化反応した。次に、過剰の硫酸を加えてエーテルにて
重合体酸を抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥した。得られた重合体酸は、パラトルエンスルホン酸
を触媒(0.5%)としてメタノールでメチルエステル
化を行い相当する重合体酸メチルエステルとした。重合
体混合物の酸価は0.3 KOH mg/gであった。この重合体
混合物をHP−MPと略称する。
【0018】実施例4 実施例2で調製したHP−NP500gに、100gの
水酸化ナトリウムを溶解させたエタノールと水を等容量
に混合した混合溶液500gを加え、還流下、8時間ケ
ン化反応した。次に、過剰の硫酸を加えエーテルにて重
合体酸を抽出し、水洗後、無水流酸ナトリウムにて乾燥
した。得られた重合体酸は、パラトルエンスルホン酸を
触媒(0.5%)としてイソプロパノールでイソプロピ
ルエステル化を行い相当する重合体酸イソプロピルエス
テルとした。重合体混合物の酸価は0.7 KOH mg/g であ
った。この重合体混合物をHP−PPと略称する。 実施例5 実施例2で調製したHP−NP500gに、100gの
水酸化ナトリウムを溶解させたエタノールと水を等容量
に混合した混合溶液500gを加え、還流下、8時間ケ
ン化反応した。次に、過剰の硫酸を加えエーテルにて重
合体酸を抽出し、水洗後、無水流酸ナトリウムにて乾燥
した。得られた重合体酸は、パラトルエンスルホン酸を
触媒(0.5%)として2−エチルヘキサノールで2−
エチルヘキシルエステル化を行い相当する重合体酸2−
エチルヘキシルエステルとした。重合体混合物の酸価は
0.9 KOH mg/g であった。この重合体混合物をHP−O
Pと略称する。
水酸化ナトリウムを溶解させたエタノールと水を等容量
に混合した混合溶液500gを加え、還流下、8時間ケ
ン化反応した。次に、過剰の硫酸を加えエーテルにて重
合体酸を抽出し、水洗後、無水流酸ナトリウムにて乾燥
した。得られた重合体酸は、パラトルエンスルホン酸を
触媒(0.5%)としてイソプロパノールでイソプロピ
ルエステル化を行い相当する重合体酸イソプロピルエス
テルとした。重合体混合物の酸価は0.7 KOH mg/g であ
った。この重合体混合物をHP−PPと略称する。 実施例5 実施例2で調製したHP−NP500gに、100gの
水酸化ナトリウムを溶解させたエタノールと水を等容量
に混合した混合溶液500gを加え、還流下、8時間ケ
ン化反応した。次に、過剰の硫酸を加えエーテルにて重
合体酸を抽出し、水洗後、無水流酸ナトリウムにて乾燥
した。得られた重合体酸は、パラトルエンスルホン酸を
触媒(0.5%)として2−エチルヘキサノールで2−
エチルヘキシルエステル化を行い相当する重合体酸2−
エチルヘキシルエステルとした。重合体混合物の酸価は
0.9 KOH mg/g であった。この重合体混合物をHP−O
Pと略称する。
【0019】実施例6 表−2に示す原料を用い、SBR1500を100重量
部、HAFカーボン(旭#70)を50重量部、亜鉛華
#1を3重量部、ステアリン酸を1重量部、硫黄を1.7
5重量部、促進剤 NSを1重量部、及び表−3に示す
添加物を順次練りロール機〔関西ロール(株)〕に供給
し、混練してゴム組成物を調整した。このゴム組成物を
加硫した後それぞれの物性を測定した。測定結果も表−
3に示す。また混練条件、加硫条件および物性の測定条
件を下記に示す。
部、HAFカーボン(旭#70)を50重量部、亜鉛華
#1を3重量部、ステアリン酸を1重量部、硫黄を1.7
5重量部、促進剤 NSを1重量部、及び表−3に示す
添加物を順次練りロール機〔関西ロール(株)〕に供給
し、混練してゴム組成物を調整した。このゴム組成物を
加硫した後それぞれの物性を測定した。測定結果も表−
3に示す。また混練条件、加硫条件および物性の測定条
件を下記に示す。
【0020】
【表2】 表−2 使用原料 サンプル名 商 品 名 メーカー SBR1500 JSR SBR #1500 日本合成ゴム HAFカーボン 旭 #70(ASTM Ni N300) 旭カーボン 亜鉛華 亜鉛華 1号 白水化学 ステアリン酸 ゴム用ステアリン酸(椿) 日本油脂 硫黄 粉末硫黄 300メッシュ 細井化学 促進剤 NS ノクセラー NS 大内新興 シ゛(2-エチルヘキシル)セハ゛ケート OS 大八化学アロマチックオイル JSO AROMA 790 日本サン石油
【0021】混練条件 ロール寸法:φ6x15インチ、ロール回転数:25r
pm(f)、ロール回転比:1:1.32、ロール温
度:50±5℃、試験方法:JIS K 6299加硫度試験条件 試験装置:JSRキュラストメーター型、試験温度:1
60±1℃、振幅:±1゜、振動数:100cpm、試
験方法:JIS K 6300−20℃における硬さ試験 試験装置:スプイング式硬さ試験機JIS A型、試験
片形状:50x25x2mm4枚重ね、処理時間:5時
間、試験方法:JIS K 6301引張試験 試験片形状:JIS3号型、試験速度:500mm/m
in、試験方法:JIS K 6301
pm(f)、ロール回転比:1:1.32、ロール温
度:50±5℃、試験方法:JIS K 6299加硫度試験条件 試験装置:JSRキュラストメーター型、試験温度:1
60±1℃、振幅:±1゜、振動数:100cpm、試
験方法:JIS K 6300−20℃における硬さ試験 試験装置:スプイング式硬さ試験機JIS A型、試験
片形状:50x25x2mm4枚重ね、処理時間:5時
間、試験方法:JIS K 6301引張試験 試験片形状:JIS3号型、試験速度:500mm/m
in、試験方法:JIS K 6301
【0022】動的粘弾性試験(損失係数の測定) 試験装置:レオメトリック社製 RSA−II型、試験モ
ード:引張モード、試験片形状:23x5x1mm短冊
状、測定項目:動的弾性率,損失弾性率,損失係数、測
定周波数:10Hz、ひずみ:0.1%、測定温度:−
60〜100℃、昇温速度:2℃/min、試験方法:
JIS K 7198加熱減量試験 試験装置:ギヤ式オーブン、試験片形状:50x25x
2mm、処理条件:160±1℃x96時間、試験方
法:JIS K 6301
ード:引張モード、試験片形状:23x5x1mm短冊
状、測定項目:動的弾性率,損失弾性率,損失係数、測
定周波数:10Hz、ひずみ:0.1%、測定温度:−
60〜100℃、昇温速度:2℃/min、試験方法:
JIS K 7198加熱減量試験 試験装置:ギヤ式オーブン、試験片形状:50x25x
2mm、処理条件:160±1℃x96時間、試験方
法:JIS K 6301
【0023】
【表3】 表−3 評価結果 本発明1 本発明2 本発明3 本発明4 HP−N 15 0 0 0 HP−NP 0 15 0 0 HP−MP 0 0 15 0HP−PP 0 0 0 15 硬さ(−20℃)*1) [Hs(JIS)] 74 73 72 71 引張強さ[kgf/cm2 ] 263 271 277 278 伸び [%] 640 660 690 660 300%引張応力[kgf/cm2] 96 98 100 101 損失係数(−20℃)*2) tanδ 0.498 0.567 0.556 0.575 加熱減量(%)*3) 0.18 0.15 0.18 0.15
【0024】*1) この値が小さい程低温時のグリップ性
能が向上することを示す。 *2) この値が大きい程グッリプ性能が向上することを示
す。 *3) 加熱減量は、軟化剤未添加品である比較例1におけ
る加熱減量値に対する減量値を百分率で算出した。
能が向上することを示す。 *2) この値が大きい程グッリプ性能が向上することを示
す。 *3) 加熱減量は、軟化剤未添加品である比較例1におけ
る加熱減量値に対する減量値を百分率で算出した。
【0025】
【表4】 表−3 評価結果(続き) 本発明5 比較品1 比較品2 比較品3 HP−OP 15 0 0 0シ゛ (2-エチルヘキシル)セハ゛ケート 0 0 15 0アロマチックオイル 0 0 0 15 硬さ(−20℃)*1) [Hs(JIS)] 71 82 70 77 引張強さ[kgf/cm2 ] 272 283 222 258 伸び [%] 670 400 510 630 300%引張応力[kgf/cm2] 99 174 102 91 損失係数(−20℃)*2) tanδ 0.587 0.435 0.258 0.533 加熱減量(%)*3) 0.10 − 0.28 0.45
【0026】表−3に示したように、高級不飽和脂肪酸
及びそのエステルの中から選ばれる高級不飽和脂肪酸エ
ステルを、ヘテロポリ酸セシウム塩を触媒として不飽和
二重結合部の重合反応を行うことによって得られた本発
明の高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物を軟化剤として
使用したタイヤトレッドゴム(本発明1〜5)は、ジ
(2−エチルヘキシル)セバケートやアロマチックオイ
ルを添加したタイヤトレッドゴム(比較品2及び3)に
比べて総合的に優れた性能を有していることが判る。特
に、加熱減量は低い値を示していた。また、ゴムの引張
強さや引張伸びの向上効果を示すことが判った。以上の
結果から本発明の重合体混合物を軟化剤に使用すると、
冬期などの低温時におけるグリップ性能を高めると共
に、通常の走行条件下でのグリップ性能、即ち乾燥路面
及び湿潤路面におけるグリップ性能が良好に維持され、
しかもタイヤの減りが押さえられるタイヤトレッドゴム
を提供することが可能である。
及びそのエステルの中から選ばれる高級不飽和脂肪酸エ
ステルを、ヘテロポリ酸セシウム塩を触媒として不飽和
二重結合部の重合反応を行うことによって得られた本発
明の高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物を軟化剤として
使用したタイヤトレッドゴム(本発明1〜5)は、ジ
(2−エチルヘキシル)セバケートやアロマチックオイ
ルを添加したタイヤトレッドゴム(比較品2及び3)に
比べて総合的に優れた性能を有していることが判る。特
に、加熱減量は低い値を示していた。また、ゴムの引張
強さや引張伸びの向上効果を示すことが判った。以上の
結果から本発明の重合体混合物を軟化剤に使用すると、
冬期などの低温時におけるグリップ性能を高めると共
に、通常の走行条件下でのグリップ性能、即ち乾燥路面
及び湿潤路面におけるグリップ性能が良好に維持され、
しかもタイヤの減りが押さえられるタイヤトレッドゴム
を提供することが可能である。
フロントページの続き (72)発明者 佐久間 孝平 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I)、(II)及び(III)で表さ
れる高級不飽和脂肪酸及びそのエステルからなる群から
選ばれる1種又は2種以上の化合物を、ヘテロポリ酸セ
シウム塩を触媒として該化合物の不飽和二重結合部の重
合反応を行うことによって得ることができる高級不飽和
脂肪酸類の重合体混合物。 【化1】 CH3 (CH2 )m CH=CHCH(CH2 )nCOOR1 ──(I) CH3 (CH2 )h (CH=CHCH2 )j CH=CH(CH2 )k COOR2 ──(II) CH3 (CH2 )p (CH3 )CH(CH=CHCH2 )jCH=CH(CH2 )q COOR3 ──(III) (式中のR1 、R2 及びR3 は、それぞれ水素または炭
素数1から12のアルキル基、m、n、h、k、p及び
qはそれぞれ0又は1以上の整数であり、m+n=11
〜13、j=1または2、h+k=6〜11、p+q=
4〜9である。) - 【請求項2】 請求項1記載の一般式(I)、(II)及
び(III)で表される高級不飽和脂肪酸及びそのエステル
からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を、
ヘテロポリ酸セシウム塩を触媒として該化合物の不飽和
二重結合部の重合反応を行うことを特徴とする、高級不
飽和脂肪酸類の重合体混合物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の重合体混合物を含有する
ことを特徴とするタイヤトレッドゴム用軟化剤。 - 【請求項4】 スチレン−ブタジエン共重合ゴム、天然
ゴム、ポリイソプレンゴム(IP)及び他のジエン系ゴ
ムからなる群から選ばれる1種又は2種以上のゴムを含
有するゴム原料100重量部に対して、請求項1記載の
重合体混合物を5〜50重量部配合してなるタイヤトレ
ッド用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31860894A JPH08176397A (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物、その製造方法、該重合体混合物からなるタイヤトレッドゴム用軟化剤及びタイヤトレッド用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31860894A JPH08176397A (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物、その製造方法、該重合体混合物からなるタイヤトレッドゴム用軟化剤及びタイヤトレッド用ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08176397A true JPH08176397A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18101043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31860894A Pending JPH08176397A (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 高級不飽和脂肪酸類の重合体混合物、その製造方法、該重合体混合物からなるタイヤトレッドゴム用軟化剤及びタイヤトレッド用ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08176397A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10179479B2 (en) | 2015-05-19 | 2019-01-15 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Plant oil-containing rubber compositions, tread thereof and race tires containing the tread |
-
1994
- 1994-12-21 JP JP31860894A patent/JPH08176397A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10179479B2 (en) | 2015-05-19 | 2019-01-15 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Plant oil-containing rubber compositions, tread thereof and race tires containing the tread |
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