JPH05170972A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤ用ゴム組成物Info
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- JPH05170972A JPH05170972A JP3343098A JP34309891A JPH05170972A JP H05170972 A JPH05170972 A JP H05170972A JP 3343098 A JP3343098 A JP 3343098A JP 34309891 A JP34309891 A JP 34309891A JP H05170972 A JPH05170972 A JP H05170972A
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- rubber composition
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Abstract
ーションなどに起因するタイヤ物性の経時変化を防止
し、低温における硬度水準を良好に維持することが可能
な、タイヤ用ゴム組成物を提供する。 【構成】 本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム、
ポリブタジエンゴム、およびスチレン−ブタジエン共重
合体ゴムから選ばれた少なくとも1種のゴム 100重量部
に対し、平均分子量MWが 900以上、Small の式で計算
される溶解度パラメーター (SP値) が8.7以下で、か
つSP値<−75×10-4MW+9.4の関係を満たし、ポリ
エステル構成単位中に炭素数1以上の炭化水素分岐構造
を少なくとも1個持つ変性ポリエステル化合物を5〜40
重量部配合してなる。
Description
特にスタッドレスタイヤのトレッド用ゴム組成物の改良
に関する。さらに詳しくは、可塑剤の揮発および他のパ
ーツへのマイグレーションなどに起因するタイヤ物性の
経時変化を防止し、低温における硬度水準を良好に維持
することが可能なタイヤ用ゴム組成物に関する。
ドレスタイヤにおいては、氷雪路面に対する路面把握力
を目的として、トレッドゴム組成物に天然ゴム (NR)
、ポリブタジエンゴム (BR) 、およびスチレン−ブ
タジエン共重合体ゴム (SBR)などのゴムが用いられ
ている。そして、トレッドゴム組成物の低温での硬度を
低下させるために、それにジオクチルセバケートやトリ
メチロールプロパンオレイン酸エステルなどの合成可塑
剤を配合することが有効とされていた (例えば、特開昭
59-206208号公報、特開昭 69-206209号公報、および特
開平1-113444号公報) 。
の従来の合成可塑剤を含有するゴム組成物をタイヤに用
いた場合には、タイヤの使用時あるいは保管中に、タイ
ヤ物性が経時変化し、低温における硬度水準を良好に維
持することができないという問題を含んでいた。すなわ
ち、従来の合成可塑剤を使用するに際しては、経時と共
に可塑剤が組成物から揮発し、可塑剤の有効性を良好に
維持することができず、経時的な硬度の上昇、すなわち
低温における硬度水準の悪化を招くことになる。
成物は、例えばタイヤのトレッドに用いた場合、他のパ
ーツに対してのマイグレーションを経時的に招きやすい
ため、この点からも低温における硬度水準を良好に維持
することができないという問題を包含していた。
来のタイヤ用ゴム組成物における問題点を解決するため
になされたものであって、可塑剤の揮発および他のパー
ツへのマイグレーションなどに起因するタイヤ物性の経
時変化を防止し、低温における硬度水準を良好にするこ
とが可能であり、特にスタッドレスタイヤのトレッド用
として使用する際に理想的な性能を発揮するタイヤ用ゴ
ム組成物の提供を目的とするものである。
成物は、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、およびスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴムから選ばれた少なくとも1
種のゴム 100重量部に対し、平均分子量MWが 900以
上、Small の式で計算される溶解度パラメーター(SP
値) が8.7以下で、かつSP値<−75×10-4MW+9.4
の関係を満たし、ポリエステル構成単位中に炭素数1以
上の炭化水素分岐構造を少なくとも1個持つ変性ポリエ
ステル化合物を5〜40重量部配合してなることを特徴と
する。
記特定の変性ポリエステル化合物は、ゴム組成物からの
揮発性が小さいため、ゴム組成物の経時による硬度上昇
を効果的に抑制することができる。また、上記変性ポリ
エステル化合物を用いてなる本発明のタイヤ用ゴム組成
物は、上記変性ポリエステル化合物の他のパーツへのマ
イグレーション性が小さく、この点においても経時によ
るゴム組成物の物性変化を抑制し、その性能を良好に維
持することができる。
従来の可塑剤を配合したゴム組成物と同等の低温硬度水
準を保つことができる。したがって、本発明のタイヤ用
ゴム組成物は、例えばタイヤのトレッドに用いた場合、
すぐれた氷雪制動性能を有し、しかも使用中、保管中に
おいてトレッドの物性の経時変化を起こすことがないこ
とから、スタッドレスタイヤとしての理想的な性能を発
揮する。
る。本発明のゴム組成物で使用するゴムは、天然ゴム、
ポリブタジエンゴム、およびスチレン−ブタジエン共重
合体ゴムから選ばれた少なくとも1種である。これら
は、通常の市販のものを用いればよい。また、本発明お
いて使用する変性ポリエステル化合物は、可塑剤として
の役割を果たすものであって、ポリエステル構成単位中
に炭素数1以上の炭化水素分岐構造を少なくとも1個持
つ化合物である。具体的にはテレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、1, 5−ナフタレンジカルボン
酸、2, 5−ナフタレンジカルボン酸、2, 6−ナフタ
レンジカルボン酸、4, 4'−ビフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸およびドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン
酸、およびシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族カ
ルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、3−メチル−1, 5−ペンタンジオー
ルなどの脂肪族ジオール、1, 4−シクロヘキサンジメ
タノール、シクロヘキサンジオール、2−エチルヘキサ
ンジオールなどの脂環族ジオールおよびそれらの混合物
などのジオール成分との縮合反応により得られるポリエ
ステルであって、その末端をオレイン酸、リノレイン酸
などの不飽和酸で置換した変性ポリエステルである。
量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわちポリエチレン
グリコール、ポリ−1, 3−プロピレングリコールおよ
びポリテトラメチレングリコールなどを一種または二種
以上共重合せしめてもよい。ただし、上記変性ポリエス
テルは、下記〜の3条件を満たしていることが重要
である。
値) が8.7以下で、かつSP値<−75×10-4MW+9.4
の関係を満たすこと。 ポリエステル構成単位中に炭素数1以上の炭化水素分
岐構造を少なくとも1個持つこと。
量が 900未満では、この化合物を用いる際に、ゴム組成
物から揮発しやすい傾向となり、かつマイグレーション
をも生じやすくなるため好ましくない。なお、変性ポリ
エステル化合物の分子量の上限にはとくに制限はない
が、あまり分子量が高いとゴム組成物の低温での硬度が
高くなるため、通常は3,000以下、好ましくは2,000以
下のものが使用される。
8.7超では、ゴムとの相溶性が急激に低下するため好ま
しくない。そして、変性ポリエステル化合物の分子量が
高すぎる場合には、さらにゴム組成物からブリードアウ
トしやすい傾向となることから、相溶性と低揮発性の両
立のために、変性ポリエステル化合物のSP値と平均分
子量 (MW) はSP値<−75×10-4MW+9.4の関係を
満たすことが重要である。 ここでいうSP値とは、En
cyclopedia of Polymer science and Technology 3に
記載されているSmall の式によりその化学構造式により
計算によって求められる値である。
上記したジカルボン酸成分および/またはジオール成分
中には、炭素数1以上の炭化水素基、例えばメチル、エ
チル、プロピル、ブチルなどの分岐構造を少なくとも1
個持つことが重要であり、これら分岐構造を有しない場
合には、変性ポリエステル化合物の分子量が増加するに
連れて、その動的弾性率が上昇し、ゴム組成物の低温硬
度が高くなるため好ましくない。要するに、上記分岐構
造を有する場合には、分子量が増加してもゴム組成物の
低温硬度を低く維持することが可能となるのである。
物のゴム 100重量部に対する配合量は、5〜40重量部、
好ましくは5〜30重量部の範囲である。変性ポリエステ
ル化合物の配合量が5重量部未満ではゴム組成物の低温
硬度が高く、氷上制動性能が不充分となり、40重量部を
越えると耐摩耗性、操縦安定性が悪くなってしまう。
記変性ポリエステル化合物以外に、カーボブラック、オ
イル、加硫剤、老化防止剤、および加硫促進剤などの他
の配合物を任意に配合することができる。本発明のタイ
ヤ用ゴム組成物は、そのすぐれた特性を生かして、スタ
ッドレスタイヤのトレッド形成用ゴムとして有用であ
る。
タジエンゴム(Nipol 1220)40 重量部に対し、表1に示
した各種化合物を各30重量部配合し、14種類のタイヤ用
ゴム組成物を調製した。これらのゴム組成物について、
下記の方法により−20℃の動的弾性率、加熱減量、耐マ
イグレーション性、およびゴムと化合物との相溶性を評
価した結果を表2に示す。
製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度−20℃、歪
率10±2%、周波数20 Hz の条件で測定した。測定値は
基準ゴムを100 とした指数で表示した(指数が大きいほ
ど弾性率が大きい)。加熱減量の評価方法 :160 ℃で20分間加硫したゴムシー
トを60℃で66時間放置した場合の加熱減量を基準ゴムに
対して指数評価した (指数小ほど減量が少ない) 。
例、比較例の各ゴム組成物について、各辺5cmの立方体
サンプルを作製し、160 ℃で40分間加硫後、4×4×5
mmの天然ゴム系加硫ゴムシート(オイル分を含まない)
を合わせ、35 g/cm2の圧力を加え、5週間室温で放置
し、天然ゴム系加硫ゴムシートの重量増加率を測定す
る。重量増加率が0.2 %以下を〔○〕、0.2 %を超えた
ものを〔×〕で示す。
たゴムシート表面を目視又は手ざわりにより判定した。
結果をa〜eで示す。aは全くブリードがない状態を、
bは手でさわるとややしっとりしている状態を、cはご
くわずかにブリードを、dはややブリードを、eはひど
くブリードを表わす。
3−メチル−1, 5ペンタンジオール、SA:セバシン
酸、2EHD:2−エチルヘキサンジオール、 DDA:ドデカ
ン二酸、 PPG:ポリプロピレングリコール、PTMG:ポリ
テトラメチレングリコール、EH:エチルヘキサノール、
AA:アジピン酸、 1,2BD:1, 2−ブタンジオール、BE
E :ブトキシエトキシエタノールをそれぞれ示す。
9.4の関係を満たすものを○、満たさないものを×と
し、分岐数はポリエステルの構造単位中に分岐を1個以
上有するものを○、有しないものを×とした。 表 2 No. 化合物 動的弾性率 加熱減量 耐マイグレーション性 相溶性 実施例1 A 96 93 ○ a 実施例2 B 105 93 ○ a 実施例3 C 105 93 ○ a 実施例4 D 108 94 ○ a 比較例1 E 103 120 × e 比較例2 F 103 119 × e 比較例3 G 122 95 ○ a 比較例4 H 136 132 × e 比較例5 I 104 112 ○ b 比較例6 J 144 112 × d 比較例7 K 156 117 × c 比較例8 L 156 126 × e 比較例9 M 202 94 ○ a 表1および表2の結果から明らかなように、本発明の条
件を満たす変性ポリエステル化合物を配合してなる実施
例1〜4のゴム組成物は、低温(−20℃)での動的弾性
率が低く、すぐれた氷上制動性を有すると共に、可塑剤
化合物の揮発性およびマイグレーションが小さく、ゴム
組成物の経時による硬度上昇を効果的に抑制することが
可能である。
タイヤ用ゴム組成物は、すぐれた低温硬度を有すると共
に、可塑剤化合物の揮発性およびマイグレーションが小
さく、ゴム組成物の経時による硬度上昇を効果的に抑制
することが可能であり、特にスタッドレスタイヤのトレ
ッドに適用した場合に理想的な性能を発揮する。
Claims (1)
- 【請求項1】 天然ゴム、ポリブタジエンゴム、および
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムから選ばれた少なく
とも1種のゴム 100重量部に対し、平均分子量MWが 9
00以上、Small の式で計算される溶解度パラメーター
(SP値) が8.7以下で、かつSP値<−75×10-4MW
+9.4の関係を満たし、ポリエステル構成単位中に炭素
数1以上の炭化水素分岐構造を少なくとも1個持つ変性
ポリエステル化合物を5〜40重量部配合してなるタイヤ
用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3343098A JPH05170972A (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | タイヤ用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3343098A JPH05170972A (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | タイヤ用ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05170972A true JPH05170972A (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=18358930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3343098A Pending JPH05170972A (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | タイヤ用ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05170972A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019183032A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 横浜ゴム株式会社 | スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ |
-
1991
- 1991-12-25 JP JP3343098A patent/JPH05170972A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019183032A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 横浜ゴム株式会社 | スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ |
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