JPH08176146A - ピラゾール誘導体の製造法 - Google Patents

ピラゾール誘導体の製造法

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JPH08176146A
JPH08176146A JP31466494A JP31466494A JPH08176146A JP H08176146 A JPH08176146 A JP H08176146A JP 31466494 A JP31466494 A JP 31466494A JP 31466494 A JP31466494 A JP 31466494A JP H08176146 A JPH08176146 A JP H08176146A
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Masashi Sakamoto
雅司 坂本
Ichiro Nasuno
一郎 那須野
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D335/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom
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    • C07D335/06Benzothiopyrans; Hydrogenated benzothiopyrans
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D409/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms containing two hetero rings
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 除草剤として有用なピラゾール誘導体を製造
するに当たり、低収率な異性体の分離工程や、煩雑なカ
ルボン酸の合成工程を必要としない、工業的に有利なピ
ラゾール誘導体の製造法を提供する。 【構成】 反応式 【化1】 (式中、R1、R2およびX1=C1〜C4アルキル、R3
HまたはC1〜C4アルキル、X2=ハロゲン、X3=ジア
ゾニウム塩またはハロゲン、n=0、1または2)で表
されるピラゾール誘導体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除草剤として有用なピ
ラゾール誘導体の新規製造法およびその中間体に関す
る。
【0002】
【背景技術】従来、トウモロコシなどの栽培時には、ト
リアジン系除草剤であるアトラジンや、酸アニリド系除
草剤であるアラクロールおよびメトラクロールが用いら
れてきたが、アトラジンはイネ科雑草に対する活性が低
く、アラクロール、メトラクロールは逆に広葉雑草に対
する活性が低い。したがって現在のところ、単一の薬剤
でイネ科および広葉の雑草を一度に防除することは困難
である。さらに、これらの除草剤は高薬量を必要とし、
環境問題上好ましくない。
【0003】一方、除草剤活性を有するピラゾール誘導
体としては、国際公開WO94/01431号公報にト
ウモロコシ、小麦、大麦等の有用作物に対しては薬害を
与えず、イネ科雑草および広葉雑草の両者を低薬量で防
除可能な選択性の極めて優れた新規ピラゾール誘導体が
報告されている。
【0004】同公報に記載の新規ピラゾール誘導体の製
造法では、中間体としてグリニヤール反応によるカルボ
ン酸の合成が必要であり、さらにジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)を用いた縮合反応、塩基を用いた
転移反応などの多くの工程を必要としていた。
【0005】さらに、同公報によれば、中間体のカルボ
ン酸の原料であるチオクロマン−4−オン誘導体を、特
開昭58−198483号公報、国際公開WO88/0
6155公報およびCan. J. Chem.、51
巻、839頁(1973年)記載の方法で調製する必要
があるが、目的物のチオクロマン−4−オン誘導体によ
っては異性体の分離を必要とし、低収率な工程を経なけ
ればならない。
【0006】
【本発明が解決すべき課題】そこで、本発明は、除草剤
として有用なピラゾール誘導体を製造するに当たり、上
記のような低収率な異性体の分離工程や、煩雑なカルボ
ン酸の合成工程を必要としない、工業的に有利なピラゾ
ール誘導体の製造法を提供することを最終目的とする。
【0007】すなわち、本発明の第一の目的は、除草剤
として有用なピラゾール誘導体の新規な製造法を提供す
ることである。さらに、本発明の第二の目的は、新規ピ
ラゾール誘導体を製造するための製造中間体であり、か
つ新規化合物であるジアゾニウム/ハロゲン化合物の製
造法を提供することである。
【0008】本発明の第三の目的は、上記ジアゾニウム
/ハロゲン化合物を製造するための製造中間体であり、
かつ新規化合物であるアミノ化合物の製造法を提供する
ことである。
【0009】本発明の第四の目的は、上記アミノ化合物
を製造するための中間体であり、かつ新規化合物である
核ハロゲン化アミノ化合物の製造法を提供することであ
る。
【0010】本発明の第五の目的は、上記核ハロゲン化
アミノ化合物またはアミノ化合物を製造するための中間
体であり、かつ新規化合物であるニトロ化合物を提供す
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、下記に示す工程
からなる、異性体の分離工程およびカルボン酸の合成工
程を含まない、工業的に有利なピラゾール誘導体の製造
法及びその中間体を見出し、本発明を完成させるに到っ
た。
【0012】すなわち、本発明の第一の目的は、一般式
(IV)
【化16】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
ル基を示し、X3はジアゾニウム塩またはハロゲン原子
を示し、nは0、1または2の整数を示す。)で表され
るジアゾニウム/ハロゲン化合物(以下、「ジアゾニウ
ム/ハロゲン化合物(IV)」という。)と、一般式
(V)
【化17】 (式中、R2はC1〜C4アルキル基を示し、R3は水素原
子またはC1〜C4アルキル基を示す。)で表されるピラ
ゾール化合物(以下、「ピラゾール化合物(V)」とい
う。)を、金属触媒および塩基の存在下、一酸化炭素と
反応させることを特徴とする、一般式(VI)
【化18】 (式中、R1、R2、R3、X1およびnは上記定義のとお
りである。)で表されるピラゾール誘導体(以下、「ピ
ラゾール誘導体(VI)」という。)の製造法によって達
成される。
【0013】本発明の第二の目的は、一般式(III)
【化19】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
ル基を示し、nは0、1または2の整数を示す。)で表
されるアミノ化合物(以下、「アミノ化合物(III)」
という。)をジアゾ化し、テトラフルオロホウ酸と反応
させることを特徴とする、上記一般式(IV)で表される
ジアゾニウム/ハロゲン化合物において、X3がジアゾ
ニウム塩である、一般式(IVa)
【化20】 (式中、R1、X1およびnは上記定義のとおりであり、
4はジアゾニウム塩を示す。)で表されるジアゾニウ
ム化合物(以下、「ジアゾニウム化合物(IVa)」とい
う。)の製造法により;また、一般式(III)
【化21】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
ル基を示し、nは0、1または2の整数を示す。)で表
されるアミノ化合物をジアゾ化し、さらにハロゲン化第
一銅と反応させることを特徴とする、上記一般式(IV)
で表されるジアゾニウム/ハロゲン化合物において、X
3がハロゲン原子である、一般式(IVb)
【化22】 (式中、R1、X1およびnは上記定義のとおりであり、
5はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化合
物(以下、「ハロゲン化合物(IVb)」という。)の製
造法によって達成される。
【0014】本発明の第三の目的は、一般式(II)
【化23】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
たは2の整数を示す。)で表される核ハロゲン化アミノ
化合物(以下、「核ハロゲン化アミノ化合物(II)」と
いう。)を、還元することを特徴とする、一般式(II
I)
【化24】 (式中、R1、X1及びnは上記定義のとおりである。)
で表されるアミノ化合物の製造法によって;また、一般
式(I)
【化25】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
たは2の整数を示す。)で表されるニトロ化合物(以
下、「ニトロ化合物(I)」という。)を、塩基および
水添触媒の存在下還元することを特徴とする一般式(II
I)
【化26】 (式中、R1、X1およびnは上記定義のとおりであ
る。)で表されるアミノ化合物の製造法によっても達成
される。
【0015】本発明の第四の目的は、一般式(I)
【化27】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
たは2の整数を示す。)で表されるニトロ化合物を、還
元することを特徴とする、一般式(II)
【化28】 (式中、R1、X1、X2およびnは上記定義のとおりで
ある。)で表される核ハロゲン化アミノ化合物の製造法
によって達成される。
【0016】本発明の理解を容易にするため、図1に示
した反応工程図を参照しながらピラゾール誘導体(V
I)、ジアゾニウム/ハロゲン化合物(IV)、アミノ化
合物(III)、核ハロゲン化アミノ化合物(II)および
ニトロ化合物(I)の製造法を順次説明する。
【0017】上記化合物におけるR1、R2、R3、X1
おいてC1〜C4アルキル基の具体例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などの
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などのブチル
基が挙げられる。
【0018】X2、X3、X5においてハロゲン原子の具
体例としては、臭素、塩素が挙げられる。
【0019】X3、X4のジアゾニウム塩の具体例として
は、−N2 +BF4 -が挙げられる。
【0020】本発明の第一の目的であるピラゾール誘導
体(VI)の製造法は、反応式
【化29】 (式中、R1、R2、R3、X1、X3およびnは上記定義
のとおりである。)で示され、ジアゾニウム/ハロゲン
化合物(IV)とピラゾール化合物(V)を金属触媒およ
び塩基の存在下、一酸化炭素と反応させてピラゾール誘
導体(VI)を得るものであり、図1において工程Dによ
って示される。
【0021】本反応で用いることができる金属触媒とし
てはパラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金等の遷移
金属触媒が挙げられるが、好ましくはパラジウム触媒で
ある。触媒の量は、ジアゾニウム/ハロゲン化合物(I
V)に対して一般に0.01〜1.0当量であるが、好
ましくは0.05〜0.5当量である。触媒金属に対し
て用いられる配位子には特に制限はないが、トリフェニ
ルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン等のオルガ
ノホスフィン系化合物が好ましい。配位子の量は、金属
触媒に対して2.0〜10.0当量、好ましくは2.0
〜4.0当量である。
【0022】反応系に共存させる塩基としてはピリジ
ン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、臭
化n−テトラブチルアミン等の有機塩基、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙
げられ、好ましくは炭酸カリウムである。塩基の量は、
ジアゾニウム/ハロゲン化合物(IV)に対して1.0〜
20.0当量、好ましくは1.0〜10.0当量であ
る。
【0023】本反応は一酸化炭素雰囲気下に行うが、一
酸化炭素の圧力は、一般に常圧〜200kg/cm2
あるが、通常は50〜150kg/cm2程度が好まし
い。
【0024】反応温度は、一般に室温〜200℃、好ま
しくは50〜180℃である。反応時間は、一般に30
分〜200時間であるが、通常は1〜100時間で完了
する。
【0025】反応溶媒は、反応を妨害しないものであれ
ば特に制限はないが、通常1,4−ジオキサン、アセト
ニトリルなどを用いるのが好ましい。
【0026】反応に用いるピラゾール化合物(V)の量
は、ジアゾニウム/ハロゲン化合物(IV)に対して一般
には1.0〜10.0当量、好ましくは1.0〜5.0
当量である。
【0027】本反応で得られた目的物であるピラゾール
誘導体(VI)は、反応終了後、常法に従い、不溶分を濾
去した後、溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチル等
の適当な溶媒と炭酸カリウム水溶液等の適当な水系溶媒
で分液し、水層中からの析出物を乾燥することにより単
離できる。ここで得られたピラゾール誘導体(VI)の粗
結晶を、さらにカラムクロマトグラフィー等の手段によ
り精製して実用に供することができる。
【0028】本発明の第二の目的であるジアゾニウム/
ハロゲン化合物(VI)のうち、X3がジアゾニウム塩で
あるジアゾニウム化合物(IVa)の製造法は、反応式
【化30】 (式中、R1、X1、X4およびnは上記定義のとおりで
ある。)によって示され、アミノ化合物(III)をジア
ゾ化し、次いでテトラフルオロホウ酸と反応させてジア
ゾニウム塩とし、ジアゾニウム化合物(IVa)を得る反
応であり、図1において工程C-aによって示される。
【0029】本反応で用いることができる溶媒として
は、酢酸、塩酸水溶液等が挙げられ、好ましくは酢酸で
ある。
【0030】前段のジアゾ化反応は、通常の方法によっ
て行うことができ、好ましくは酢酸等の溶媒中にアミノ
化合物(III)とハロゲン化水素酸を存在させた溶液
に、亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下することによって行
う。
【0031】このジアゾ化反応において用いることがで
きるハロゲン化水素酸としては、臭化水素酸、フッ化水
素酸、塩酸等が挙げられる。ハロゲン化水素酸は、アミ
ノ化合物(III)に対して一般に1.0〜5.0当量、
好ましくは1.0〜2.0当量用いる。亜硝酸ナトリウ
ムは、アミノ化合物(III)に対して一般に1.0〜
1.5当量、好ましくは1.0〜1.2当量用いる。
【0032】ジアゾ化反応の反応温度は、一般に−20
℃〜20℃の範囲であるが、好ましくは0℃以下であ
る。
【0033】ジアゾニウム塩を得るための後段の反応
は、前段のジアゾ化反応後の溶液(以下、「ジアゾニウ
ム溶液」という。)をテトラフルオロホウ酸の溶液に徐
々に滴下することにより行われ、ジアゾニウム化合物
(IVa)を得ることができる。本反応で用いるテトラフ
ルオロホウ酸とはテトラフルオロホウ酸の塩をも含む概
念であり、その具体例としては、テトラフルオロホウ
酸、ホウフッ化ナトリウム、ホウフッ化アンモニウム等
が挙げられ、テトラフルオロホウ酸が好ましい。
【0034】テトラフルオロホウ酸の使用量は、アミノ
化合物(III)に対して一般に2.0〜5.0当量、好
ましくは2.0〜3.0当量である。
【0035】ジアゾニウム塩を得る反応の反応温度は、
一般に−20〜100℃の範囲であり、好ましくは0℃
〜室温である。反応時間は、一般に30分〜2時間であ
る。
【0036】このようにして得られたジアゾニウム化合
物(IVa)は新規化合物であり、ピラゾール誘導体(V
I)の製造中間体として有用である。
【0037】また、本発明の第二の目的であるジアゾニ
ウム/ハロゲン化合物(VI)のうち、X3がハロゲン原
子であるハロゲン化合物(IVb)の製造法は、反応式
【化31】 (式中、R1、X1、X5およびnは上記定義のとおりで
ある。)によって示され、アミノ化合物(III)をジア
ゾ化し、次いでハロゲン化第一銅と反応させて、ハロゲ
ン化合物(IVb)を得る反応であり、図1において工程
C-bによって示される。
【0038】本法における前段のジアゾ化反応について
は、上記ジアゾニウム化合物(IVa)の製造法において
説明したとおりである。
【0039】ハロゲン化合物(IVb)を得るための後段
の反応は、前段のジアゾ化反応により得られたジアゾニ
ウム溶液をハロゲン化第一銅を含む臭化水素酸、塩酸等
のハロゲン化水素酸溶液に徐々に滴下することにより行
われ、目的とするハロゲン化合物(IVb)を得ることが
できる。この時、反応液の発泡をおさえるために少量の
酢酸エチルを加えることも有効である。
【0040】この反応で用いることができるハロゲン化
第一銅としては、塩化第一銅、臭化第一銅等が挙げられ
る。ハロゲン化第一銅は、アミノ化合物(III)に対し
て一般に0.1〜3.0当量、好ましくは1.0〜2.
0当量用いる。
【0041】ハロゲン化水素酸は、アミノ化合物(II
I)に対して一般に1.0〜5.0当量、好ましくは
1.0〜2.0当量用いる。
【0042】反応温度は、一般に0℃〜80℃、好まし
くは35℃〜45℃である。反応時間は、通常10分〜
1時間である。
【0043】さらにより活性の高いハロゲン化第一銅溶
液を調製するためには硫酸銅とハロゲン化ナトリウムを
反応させて予め調製された溶液を用いてもよい。より活
性の高いハロゲン化第一銅溶液を得るには、50℃〜6
0℃の温水に硫酸銅を溶解させて、1.0〜1.2当量
のハロゲン化ナトリウムを加え、0.5〜1.0当量の
亜硫酸水素ナトリウム、及び0.5〜2.0当量の水酸
化ナトリウムを反応させることにより、ハロゲン化第一
銅の白色沈殿が得られ、これにハロゲン化水素酸を加え
ることにより、目的の溶液を得ることができる。この溶
液にジアゾニウム溶液を滴下することによっても目的と
するハロゲン化合物(IVb)を得ることができる。反応
液の発泡を抑えるために少量の酢酸エチルを加えること
も有効である。
【0044】本反応で得られたハロゲン化合物(IVb)
は、反応終了後、常法に従い、酢酸エチル等の適当な有
機溶媒で抽出し、有機層を洗浄・乾燥後、溶媒を留去す
ることにより単離できる。
【0045】このようにして得られたハロゲン化合物
(IVb)は新規化合物であり、ピラゾール誘導体(VI)
の製造中間体として有用である。
【0046】本発明の第三の目的であるアミノ化合物
(III)の製造法のうち、核ハロゲン化アミノ化合物(I
I)を出発原料とするアミノ化合物(III)の製造法は、
反応式
【化32】 (式中、R1、X1、X2およびnは上記定義のとおりで
ある。)によって示され、核ハロゲン化アミノ化合物
(II)を、還元脱ハロゲン化させてアミノ化合物(II
I)を得る反応であり、図1において工程B1によって示
される。
【0047】本反応において還元は、水素添加(水添)
触媒を用いることによって行うのが好ましく、用いるこ
とができる水添触媒としては、パラジウム、白金等が例
示できるが、パラジウムが好ましい。触媒の量は、核ハ
ロゲン化アミノ化合物(II)に対して一般に0.01〜
1.0倍重量、好ましくは0.05〜0.5倍重量であ
る。
【0048】本反応では、水添触媒とともに塩基を用い
るのが好ましい。用いることができる塩基には特に制限
はないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン等の
有機塩基を用いることができ、特にピリジンが好まし
い。用いる塩基の量は、核ハロゲン化アミノ化合物(I
I)に対して一般に1.0〜5.0当量であるが、好ま
しくは1.0〜3.0当量である。
【0049】本反応で用いる溶媒は、反応を妨害しない
ものであれば特に制限はないが、メタノール、エタノー
ル等が好ましい。
【0050】水素の反応圧力は、常圧〜100kg/c
2まで特に制限はないが、3〜30kg/cm2が好ま
しい。
【0051】反応温度は、通常室温〜60℃、特に室温
が好ましい。反応時間は、一般に30分〜60時間であ
るが、2〜30時間が好ましい。
【0052】本反応で得られたアミノ化合物(III)
は、反応終了後、常法に従い、反応混合物より触媒を除
去後、溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチル等の適
当な有機溶媒に溶解し、有機層を洗浄・乾燥後、溶媒を
留去することにより単離できる。
【0053】このようにして得られたアミノ化合物(II
I)は新規化合物であり、前記ジアゾニウム化合物(IV
a)およびハロゲン化合物(IVb)の製造中間体として有
用である。
【0054】上記のアミノ化合物(III)の製造法は、
核ハロゲン化アミノ化合物(II)を還元処理するもので
あり、原料の核ハロゲン化アミノ化合物(II)は、後記
するニトロ化合物(I)の還元反応によって別途得られ
るが、原料としてニトロ化合物(I)を用い、これを還
元処理して生成した核ハロゲン化アミノ化合物(II)を
単離することなく、連続してニトロ化合物(I)から目
的のアミノ化合物(III)を得ることも可能である。
【0055】すなわち、本発明の第三の目的であるアミ
ノ化合物(III)の製造法のうち、ニトロ化合物(I)か
ら1ポットでアミノ化合物(III)を製造する方法は、
反応式
【化33】 (式中、R1、X1、X2およびnは上記定義のとおりで
ある。)によって示され、2つの還元処理工程を連続的
に行うことによって、核ハロゲン化アミノ化合物(II)
の後処理等を省略して目的物であるアミノ化合物(II
I)を得る反応であり、図1において工程B2によって示
される。
【0056】本反応の前段の還元反応は、ニトロ化合物
(I)を還元して核ハロゲン化アミノ化合物(II)を得
る反応であり、後述する本発明の第四の目的である核ハ
ロゲン化アミノ化合物(II)の製造法に相当し、この反
応は図1において工程Aによっても示される。
【0057】前段の還元反応の還元の方法には特に制限
はないが、鉄、スズ等の還元剤を用いる方法が簡便であ
る。還元方法の一例として、鉱酸の存在下、鉄で還元す
る等の手段が挙げられる。ここで用いる鉱酸としては、
塩酸、硫酸等が挙げられる。還元剤の量は、例えば鉄で
あれば、ニトロ化合物(I)に対して一般に2〜5当
量、好ましくは2.5〜4当量である。
【0058】前段の還元反応で用いることができる溶媒
は、反応を妨害しないものであれば特に制限はないが、
エタノール、水が好ましく、後段の還元反応を考慮する
と特にエタノールが好ましい。
【0059】前段の還元反応の反応温度は、室温〜溶媒
の還流温度まで特に制限はないが、溶媒の還流温度が好
ましい。反応時間は通常30分〜24時間であるが、4
時間程度が好ましい。
【0060】また、前段の還元反応は、水添触媒の存在
下、ニトロ化合物(I)を水素添加反応させることによ
っても達成される。ここで用いることができる触媒とし
ては特に制限はないが、パラジウム、白金等を用いるこ
とができ、好ましくはパラジウムである。
【0061】水素添加反応を行う場合の溶媒としては、
反応を妨害しないものであれば特に制限はないが、メタ
ノール、エタノール等が好ましい。
【0062】水素の反応圧力は、常圧〜100kg/c
2まで特に制限はないが、3〜30kg/cm2が好ま
しい。
【0063】反応温度は、通常室温〜100℃、特に室
温〜60℃が好ましい。反応時間は、1時間〜24時間
までであるが、通常は8時間程度である。
【0064】次いで、前段の還元反応で得られた核ハロ
ゲン化アミノ化合物(II)を単離することなく、後段の
還元反応を行う。後段の還元反応は、上述した核ハロゲ
ン化アミノ化合物(II)からアミノ化合物(III)を得
る反応であり、図1において工程B1によっても示され
る反応である。反応の詳細および目的物であるアミノ化
合物(III)の後処理方法等は、上述したとおりであ
る。
【0065】本発明の第四の目的である核ハロゲン化ア
ミノ化合物(II)の製造法は、反応式
【化34】 (式中、R1、X1、X2およびnは上記定義のとおりで
ある。)によって示され、ニトロ化合物(I)を還元し
て核ハロゲン化アミノ化合物(II)を得る反応であり、
図1において工程Aで示される。
【0066】本反応の詳細は、上述のニトロ化合物
(I)を出発原料とするアミノ化合物(III)の製造方法
の前段の還元反応における説明のとおりである。
【0067】本反応で得られた核ハロゲン化アミノ化合
物(II)は、反応終了後、常法に従い、反応混合物から
酢酸エチル等の適当な有機溶媒で抽出し、不溶物を除去
した後、有機層を洗浄・乾燥後、溶媒を留去することに
より単離できる。
【0068】このようにして得られた核ハロゲン化アミ
ノ化合物(II)は新規化合物であり、前記アミノ化合物
(III)の製造中間体として有用である。
【0069】本発明の第五の目的である、核ハロゲン化
アミノ化合物(II)の製造中間体であり、かつ新規化合
物であるニトロ化合物(I)は、反応式
【化35】 (式中、R1、X1、X2およびnは上記定義のとおりで
ある。)で示される反応によって製造できる。すなわ
ち、ニトロ化合物(I)は、チオクロマン−4−オン化
合物(VII)を、アルコキシアミン(NH2OR1)でオ
キシム化することにより得られ、またチオクロマン−4
−オン化合物(VII)においてnが0または1の場合、
すなわちスルフィドまたはスルホキシドの場合、必要に
より、これをさらに酸化して一般式(I)においてn=
1または2のニトロ化合物(I)、すなわちスルホキシ
ドまたはスルホンを得ることができる。このオキシム化
反応と酸化反応は1ポットで連続的に行うことも可能で
ある。
【0070】ニトロ化合物(I)は、チオクロマン−4
−オン化合物(VII)とアルコキシアミン(NH2
1)を、水または有機溶媒(例えば、エタノール、メ
タノール、酢酸等)中、酸触媒(例えば、塩酸等)また
は塩基触媒(例えば、ピリジン、アニリン、水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム等)の存在下、0℃〜溶媒の還
流温度で反応させることにより得られる。好ましくは、
エタノール中、ピリジン存在下、溶媒の還流温度で反応
を行う。
【0071】反応時間は、30分〜8時間とすることが
できるが、通常は1時間〜4時間程度で完結する。
【0072】次に、上記反応の出発原料であるチオクロ
マン−4−オン化合物(VII)が、n=0(スルフィ
ド)またはn=1(スルホキシド)である場合におい
て、上記オキシム化反応において得られるn=0(スル
フィド)またはn=1(スルホキシド)のニトロ化合物
(I)を、さらに酸化してn=1(スルホキシド)また
はn=2(スルホン)のニトロ化合物(I)を得る方法
について説明する。
【0073】上記オキシム化反応で得られたn=0また
は1のニトロ化合物(I)に適当な酸化剤を作用させる
ことにより、n=1または2のニトロ化合物(I)をそ
れぞれ得ることができる。
【0074】本酸化反応で用いる酸化剤には特に制限は
ないが、例えば、過酸化水素、過酢酸、メタ過ヨウ素酸
ナトリウム等が挙げられ、好ましくは過酸化水素水であ
る。
【0075】用いる溶媒は、反応を妨害しないものであ
れば特に制限はないが、例えば、酢酸、水、メタノール
等が挙げられ、好ましくは酢酸である。
【0076】得られたニトロ化合物(I)は、反応終了
後、常法に従い、反応混合物に水等の水系溶媒を加えて
析出した結晶を集め、洗浄・乾燥することにより単離で
きる。
【0077】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0078】(実施例1)6−ニトロ−8−クロロ−5−メチル−4−メトキシイ
ミノチオクロマン−1,1−ジオキシド(出発物質であ
るニトロ化合物(I)においてR1=CH3、X1=C
3、X2=Cl、n=2の化合物)の合成
【0079】(1−a)3,4−ジクロロ−6−ニトロ
トルエンの合成 1リットルフラスコ中の無水酢酸205mlを撹拌しな
がら、食塩水−氷浴中にて0℃以下で発煙硝酸(硝酸9
4%含有)22.5mlを滴下した。10分間撹拌後、
濃硫酸10滴を加え、次いで3,4−ジクロロトルエン
29.0g(0.18mmol)を同温で滴下した。さ
らに30分撹拌後、0〜10℃で30分撹拌し、ニトロ
化反応を完結させた。反応混合物を0℃以下に冷却後、
2リットルビーカー中の氷500g上へ激しく撹拌しな
がら注ぎ、この混合物の液温が低いうちに、そこへ水酸
化ナトリウム180gと水1.2リットルとの水溶液
(予め0℃に冷却したもの)を徐々に注いだ。さらに3
0分撹拌し、浮遊している淡黄色固体を減圧濾過により
集め、風乾し、目的物35.7g(収率96%)を得
た。
【0080】N.M.R.(ppm、内部標準:テトラ
メチルシラン、溶媒:CDCl3):2.59(3H,
s)、7.46(1H,s)、8.12(1H,s)
【0081】(1−b)2−クロロ−5−メチル−4−
ニトロフェニルチオプロピオン酸の合成 500mlフラスコ中にN,N−ジメチルホルミアミド
300mlを入れ、上記(1−a)で得た3,4−ジク
ロロ−6−ニトロトルエン35.7g(0.173mm
ol)、3−メルカプトプロピオン酸20.2g(0.
26mmol)および炭酸カリウム36.0gを順次加
え、室温にて20時間撹拌後、70〜80℃にて10時
間反応させた。反応混合物を室温まで冷却後、水1.5
リットルを加え、不溶の固体を減圧濾過により除去し
た。濾液を冷却しながら、ここに12N塩酸水溶液を加
えてpHを2〜3に調整した。析出した淡黄色固体を減
圧濾過により集め、水洗後減圧乾燥し、目的物43.5
g(収率91%)を得た。
【0082】N.M.R.(ppm、内部標準:テトラ
メチルシラン、溶媒:重アセトン):2.63(3H,
s)、2.82(2H,t)、3.42(2H,t)、
7.52(1H,s)、8.07(1H,s)
【0083】(1−c)8−クロロ−5−メチル−6−
ニトロチオクロマン−4−オンの合成 1リットルビーカー中のポリリン酸(20%P25
有)300gに、上記(1−b)で得た2−クロロ−5
−メチル−4−ニトロフェニルチオプロピオン酸43.
5gを加え、50〜70℃で撹拌して反応系を均一にし
た。さらに反応液を120℃まで昇温させ、3時間反応
させた。放冷後、氷500gを加えて内容物を1リット
ルフラスコに移し、さらにビーカーの器壁を酢酸100
mlで洗浄して、フラスコに一緒に加えた。1時間還流
後放冷し、析出した黒色固体を減圧濾過により集め、水
洗後酢酸エチルを用いて、ソックスレー抽出した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して目的
物34.2g(収率84%)を得た。
【0084】N.M.R.(ppm、内部標準:テトラ
メチルシラン、溶媒:重アセトン):2.50(3H,
s)、3.0−3.2(2H,m)、3.3−3.6
(2H,m)、8.02(1H,s)
【0085】(1−d)6−ニトロ−8−クロロ−5−
メチル−4−メトキシイミノチオクロマンの合成 500mlナスフラスコに、上記(1−c)で得た8−
クロロ−5−メチル−6−ニトロチオクロマン−4−オ
ン30.0g(117mmol)、塩酸O−メチルヒド
ロキシアミン10.7g(128mmol、1.1当
量)、ピリジン23.0g(291mmol、2.5当
量)、エタノール300mlを入れ、2.5時間還流し
た。放冷後、反応混合物に水150mlを加え、析出し
た結晶を濾取し、エタノール:水=1:1の溶液100
mlで洗浄後、減圧乾燥し、目的物31.9g(収率9
5%)を得た。
【0086】N.M.R.(ppm、内部標準:テトラ
メチルシラン、溶媒:CDCl3):2.60(3H,
t)、2.8−3.4(4H,m)、4.01(3H,
s)、7.79(1H,s)
【0087】(1−e)6−ニトロ−8−クロロ−5−
メチル−4−メトキシイミノチオクロマン−1,1−ジ
オキシドの合成 1リットルナスフラスコに、上記(1−d)で得た8−
クロロ−5−メチル−6−ニトロ−4−メトキシイミノ
チオクロマン31.9g(111mmol)、30%H
22 29.0g(255mmol、2.5当量)、酢
酸120mlを入れ、90℃で2.5時間反応させた。
放冷後、反応混合物に水700mlを加え、結晶を濾取
し、水100mlで洗浄後、減圧乾燥して目的物34.
3g(収率97%)を得た。
【0088】N.M.R.(ppm、内部標準:テトラ
メチルシラン、溶媒:重アセトン):2.55(3H,
t)、3.2−3.5(4H,m)、4.00(3H,
s)、5.5−5.7(2H,m)、7.76(1H,
s)
【0089】(実施例2)6−アミノ−8−クロロ−5−メチル−4−メトキシイ
ミノチオクロマン−1,1−ジオキシド(下記表1中の
化合物1)の合成 (図1中の工程A) 500mlナスフラスコに、上記実施例1で得た6−ニ
トロ−8−クロロ−5−メチル−4−メトキシイミノチ
オクロマン−1,1−ジオキシド12.0g(37.7
mmol)、鉄粉7.4g(131mmol、3.5当
量)、エタノール90ml、水60mlを入れて撹拌し
ながら、ここに12N塩酸2.0mlを加えた。3.5
時間還流後、反応混合物を放冷し、ここに酢酸エチル2
00mlを加えて不溶固体を濾去した。不溶固体を、さ
らに酢酸エチル100mlで2回洗浄した洗液を濾液
(有機層)に加えた。この有機層を水で3回、飽和食塩
水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を留去することにより目的物10.4g(収率96
%)を得た。得られた目的物(化合物1)の構造式およ
びN.M.R.データを表1に示す。
【0090】(実施例3)6−アミノ−5−メチル−4−メトキシイミノチオクロ
マン−1,1−ジオキシド(表1中の化合物2)の合成
(図1中の工程B1) 300mlオートクレーブに、上記実施例2で得た6−
アミノ−8−クロロ−5−メチル−4−メトキシイミノ
チオクロマン−1,1−ジオキシド(化合物1)1g
(3.5mmol)、ピリジン0.28g(3.5mm
ol、1当量)、5%パラジウム/活性炭0.4g、エ
タノール15mlを入れ、水素圧30kg/cm2下、
室温で15時間反応させた。反応後、触媒を濾去し、エ
タノールを留去した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解
し、5%塩酸、水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムに
て乾燥した。溶媒を留去して目的物0.85g(収率9
6%)を得た。得られた目的物(化合物2)の構造式お
よびN.M.R.データを表1に示す。
【0091】(実施例4)6−アミノ−5−メチル−4−メトキシイミノチオクロ
マン−1,1−ジオキシド(表1中の化合物2)の合成
(1ポット法) (図1中の工程B2) 300mlオートクレーブに、上記実施例1で得た6−
ニトロ−8−クロロ−5−メチル−4−メトキシイミノ
チオクロマン−1,1−ジオキシド3.2g(1.0m
mol)、ピリジン0.8g(1.0mmol、1当
量)、5%パラジウム/活性炭1.6g、エタノール1
5mlを入れ、水素圧30kg/cm2下、室温で30
時間反応させて6位のニトロ基の還元アミノ化および8
位の塩素原子の還元脱離を行った。反応後、触媒を濾去
し、エタノールを留去した。得られた残渣を酢酸エチル
に溶解し、5%塩酸、水にて洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムにて乾燥した。溶媒を留去して目的物2.1g(収
率81%)を得た。得られた目的物(化合物2)の構造
式およびN.M.R.データを表1に示す。
【0092】(実施例5)6−ブロモ−5−メチル−4−メトキシイミノチオクロ
マン−1,1−ジオキシド(表1中の化合物3)の合成
(図1中の工程C−b) (5−a)ジアゾ化 100ml三ツ口フラスコに、上記実施例4で得た6−
アミノ−5−メチル−4−メトキシイミノチオクロマン
−1,1−ジオキシド(化合物2)1.12g(4.4
mmol)、16%HBr9ml(48%HBr3ml
+水6ml)、酢酸5mlを入れ、5℃以下に氷冷し
た。NaNO2 0.33g(4.8mmol、1.1当
量)を水4mlに溶解したものを5℃以下で加え、15
分撹拌した後、さらに室温で30分撹拌し、目的のジア
ゾニウム化合物の懸濁液を調製した。
【0093】(5−b)CuBr溶液の調製 100ml三ツ口フラスコにCuSO4・5H2O 1.
25g(5.0mmol)およびNaBr 0.57g
(5.5mmol、1.1当量)を入れ、50〜60℃
の温水5mlに溶解させた。この溶液に、NaHSO3
0.27g(2.6mmol、0.52当量)、NaO
H 0.18g(4.5mmol、0.9当量)を水3
mlに溶解させたものを加え、撹拌しながら放冷させ
た。このときCuBrの白色沈殿が生じた。ここに48
%HBr2mlを加え、CuBr(5mmol)HBr
水溶液を得た。
【0094】(5−c)ブロモ化 上記(5−b)で調製したCuBr溶液に、酢酸エチル
15mlを加え、上記(5−a)で調製したジアゾニウ
ム化合物の懸濁液を、35〜45℃で発泡を見ながら徐
々に添加した。なお、器壁に付着したジアゾニウム化合
物は少量の酢酸に溶解させて添加した。さらに15分撹
拌し、放冷後、酢酸エチル100mlを加えて抽出を行
った。有機層を希塩酸、水、飽和NaHCO3水(数
回)、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を留去することにより目的物1.32g
(収率95%)を得た。得られた目的物(化合物3)の
構造式およびN.M.R.データを表1に示す。
【0095】(実施例6)4−メトキシイミノ−5−メチル−6−(1−エチル−
5−ヒドロキシピラゾール−4−イル)チオクロマン−
1,1−ジオキシド(表1中の化合物4)の合成 (図1
中の工程D) 150mlオートクレーブに、上記実施例5で得た6−
ブロモ−5−メチル−4−メトキシイミノチオクロマン
−1,1−ジオキシド3.0g(9.4mmol)、1
−エチル−5−ヒドロキシピラゾール4.24g(3
7.9mmol、4当量)、K2CO3 3.9g(28
mmol、3当量)、トリエチルアミン3.8g(38
mmol、4当量)、(n−Bu)4NBr1.2g
(3.7mmol、0.4当量)、PdCl2(PP
32 0.67g(0.9mmol、0.1当量)、
1,4−ジオキサン100mlを入れ、一酸化炭素圧力
70kg/cm2(初圧)下、150℃で15時間反応
させた。反応終了後、不溶分を濾去し、濾液のジオキサ
ンを留去した。得られた残渣に酢酸エチルおよび5%K
2CO3水溶液を加えて分液した。水層を5%塩酸で中和
し、析出した結晶を濾取し、風乾して目的物2.5g
(収率70%)を得た。さらに得られた結晶をカラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)にて精製
し、黄色結晶状の目的物1.6g(収率46%)を得
た。得られた目的物(化合物4)の構造式およびN.
M.R.データを表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】本発明によって、除草剤として有用なピ
ラゾール誘導体を製造するに当たり、低収率な異性体の
分離工程や、煩雑なカルボン酸の合成工程を必要としな
い、工業的に有利なピラゾール誘導体の製造法が提供さ
れた。
【0098】さらに、本発明によって、ピラゾール誘導
体を製造するために有用な製造中間体およびその製造法
が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のピラゾール誘導体(VI)の製
造工程を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(IV) 【化1】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、X3はジアゾニウム塩またはハロゲン原子
    を示し、nは0、1または2の整数を示す。)で表され
    るジアゾニウム/ハロゲン化合物と、一般式(V) 【化2】 (式中、R2はC1〜C4アルキル基を示し、R3は水素原
    子またはC1〜C4アルキル基を示す。)で表されるピラ
    ゾール化合物を、金属触媒および塩基の存在下、一酸化
    炭素と反応させることを特徴とする、一般式(VI) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、X1およびnは上記定義のとお
    りである。)で表されるピラゾール誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(III) 【化4】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、nは0、1または2の整数を示す。)で表
    されるアミノ化合物をジアゾ化し、テトラフルオロホウ
    酸またはハロゲン化第一銅と反応させることを特徴とす
    る、一般式(IV) 【化5】 (式中、R1、X1およびnは上記定義のとおりであり、
    3はジアゾニウム塩またはハロゲン原子を示す。)で
    表されるジアゾニウム/ハロゲン化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式(II) 【化6】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
    たは2の整数を示す。)で表される核ハロゲン化アミノ
    化合物を、還元することを特徴とする、一般式(III) 【化7】 (式中、R1、X1及びnは上記定義のとおりである。)
    で表されるアミノ化合物の製造法。
  4. 【請求項4】 一般式(I) 【化8】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
    たは2の整数を示す。)で表されるニトロ化合物を、還
    元することを特徴とする、一般式(II) 【化9】 (式中、R1、X1、X2およびnは上記定義のとおりで
    ある。)で表される核ハロゲン化アミノ化合物の製造
    法。
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化10】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
    たは2の整数を示す。)で表されるニトロ化合物を、塩
    基および水添触媒の存在下還元することを特徴とする一
    般式(III) 【化11】 (式中、R1、X1およびnは上記定義のとおりであ
    る。)で表されるアミノ化合物の製造法。
  6. 【請求項6】 一般式(IV) 【化12】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、X3はジアゾニウム塩またはハロゲン原子
    を示し、mは1または2の整数を示す。)で表されるジ
    アゾニウム/ハロゲン化合物。
  7. 【請求項7】 一般式(III) 【化13】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、nは0、1または2の整数を示す。)で表
    されるアミノ化合物。
  8. 【請求項8】 一般式(II) 【化14】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
    たは2の整数を示す。)で表される核ハロゲン化アミノ
    化合物。
  9. 【請求項9】 一般式(I) 【化15】 (式中、R1およびX1はそれぞれ独立にC1〜C4アルキ
    ル基を示し、X2はハロゲン原子を示し、nは0、1ま
    たは2の整数を示す。)で表されるニトロ化合物。
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