JPH08175935A - 頭髪用化粧料および毛染め毛髪の処理方法 - Google Patents
頭髪用化粧料および毛染め毛髪の処理方法Info
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Abstract
髪に適用することにより、毛髪中に残留する過酸化水素
を速やかに分解除去でき、毛染め毛の褪色・変色、損傷
の発生を防止でき、しかも経時安定性に優れた頭髪用化
粧料およびそれを用いた毛染め毛髪の処理方法を開発す
る。 【構成】 動植物ならびに微生物から抽出、精製された
カタラーゼの水溶液に対して安定化剤として還元剤を配
合した頭髪用化粧料、あるいは更に、石油液化ガスなど
の噴射剤を配合して密閉耐圧容器中に封入してエアゾー
ル剤とした頭髪用化粧料を毛染め毛髪に適用することを
特徴とする。
Description
め毛髪の処理方法に関するものであり、さらに詳しくは
カタラーゼの酵素活性を安定化させた頭髪用化粧料およ
び酸化型染毛剤を用いて毛染め処置を行った後、毛髪中
に残留する過酸化水素を容易に分解除去できる毛染め毛
髪の処理方法に関するものである。
が、過酸化水素の除去はなお不十分であり、毛髪中に残
留する過酸化水素が経時的に毛髪メラニンを脱色し、褪
色・変色を促進し、十分な染毛力を維持し得なかった。
また、毛髪中に残留する過酸化水素が毛髪のシスチンと
反応し、システイン酸を生成し、これが毛髪の損傷を引
き起こすなど、毛髪に対し好ましくない結果をもたらし
ていた[赤堀 敏之(編)、“サイエンスオブウエー
ブ”、新美容出版社、東京、1994、頁96〜10
3]。
た時の経時安定性は低く、酵素活性の残存率を測定する
と、10日間で56%、30日間で15%、45日間で
4%であり、酵素活性が急速に低下する。また、安定剤
としてグリセリンを添加したカタラーゼ水溶液も知られ
ているが、経時安定性はまだ低く、同様に測定された3
7℃で保存した時の酵素活性の残存率は、10日間で6
0%、30日間で43%、45日間で39%程度である
ことが知られている(特公昭55−7234号公報)。
ラーゼ水溶液の経時安定性を向上させ、カタラーゼの酵
素活性を十分に発揮できるようにした頭髪用化粧料を提
供すること、また、カタラーゼの酵素活性を安定化させ
たこの頭髪用化粧料に対して更に、石油液化ガスなどの
噴射剤を配合し、密閉耐圧容器中に封入してエアゾール
剤とした頭髪用化粧料を提供すること、および、酸化染
料を主成分とする第一剤と過酸化水素を主成分とする第
二剤を用時混合して使用する酸化型染毛剤を用いて毛染
め処置を行った後、これらの頭髪用化粧料を毛髪に塗布
することにより、毛髪中に残留する過酸化水素を速やか
に分解除去せしめ、毛染め毛の褪色・変色を抑制し、損
傷の発生を防止する毛染め毛髪の処理方法を提供するこ
とである。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、カタラーゼの水
溶性基剤中に、カタラーゼ使用時の酵素活性を十分に発
揮させるために、カタラーゼの安定化剤を配合すること
により経時安定性を向上させることができること、ま
た、このカタラーゼの水溶液に対して、更に、石油液化
ガスなどの噴射剤を配合し、エアゾール容器中に封入す
ることにより、空気に対しての安定性を更に向上できる
こと、およびこれらのカタラーゼの水溶液を頭髪用化粧
料として用い、酸化型染毛剤を用いて毛染め処置を行っ
た後、毛髪に塗布することにより、毛髪中に残留する過
酸化水素を速やかに分解除去できることを見いだし本発
明を完成するに至った。
に微生物から抽出、精製されたカタラーゼの水溶液に対
して安定化剤として還元剤を配合したことを特徴とする
カタラーゼの酵素活性を安定化させた頭髪用化粧料であ
る。
に微生物から抽出、精製されたカタラーゼの水溶液に対
して安定化剤として還元剤を配合し、更に、石油液化ガ
スや炭酸ガス、窒素ガスから選ばれる噴射剤を配合し、
密閉耐圧容器中に封入してエアゾール剤とすることを特
徴とするカタラーゼの酵素活性を安定化させた頭髪用化
粧料である。
いは請求項2記載の頭髪用化粧料において、カタラーゼ
の0.1〜5.0重量%水溶液へ安定化剤としてシステ
イン、アセチルシステイン、グルタチオン、トコフェロ
ール、アスコルビン酸、チオグリコール酸またはその塩
類、チオグリセリン、システアミンから選ばれる少なく
とも1種の還元剤を0.01〜1.0重量%配合したこ
とを特徴とする。
し請求項3記載の頭髪用化粧料において、更に、グリセ
リン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、又はポリエチレングリコールから
選ばれる少なくとも1種の保湿剤および防腐剤としてパ
ラベン類を配合したことを特徴とする。
し請求項4記載の頭髪用化粧料を用いて、酸化染料を主
成分とする第一剤と過酸化水素を主成分とする第二剤を
用時混合して使用する酸化型染毛剤を用いて毛染め処置
を行った後の毛髪を処理して毛髪中に残留する過酸化水
素を速やかに分解除去することを特徴とする毛染め毛髪
の処理方法である。
タラーゼの酵素活性を使用時に十分に発揮させるため
に、カタラーゼの安定化剤を配合したものである。また
そのカタラーゼ水溶液に石油液化ガスなどの噴射剤を配
合してエアゾール容器中に封入することにより、更に空
気対する安定性を向上できる。
用いて毛染め処置を行った後、毛髪に塗布することによ
り、毛髪中に残留する過酸化水素と速やかに反応し、微
細な泡を形成し膨化、大容積となり、毛髪の細部に浸透
し、残留過酸化水素を短時間で速やかに分解除去する。
に微生物から抽出、精製されたカタラーゼであれば、そ
の由来や製法および種類などは特に制限されるものでは
ないが、実用上、アスペルギルス ニゲル(Asper
gillus niger)の培養液や肝臓由来の抽出
物などから採取されたカタラーゼを用いることが好まし
い。
されないが、好ましくは濃度0.1〜5.0重量%、よ
り好ましくは濃度1.0〜2.0重量%である。濃度
0.1重量%以下では効果が得られず、濃度5.0重量
%としてもそれ以上効果が高まることがない。このカタ
ラーゼの水溶液へ安定化剤としてシステイン、アセチル
システイン、グルタチオン、トコフェロール、アスコル
ビン酸、チオグリコール酸またはその塩類、チオグリセ
リン、システアミン等から選ばれる少なくとも1種の還
元剤を好ましくは0.01〜1.0重量%、より好まし
くは0.1〜0.5重量%配合することにより経時安定
性を向上できる。0.01重量%未満では効果が不十分
となり、1.0重量%以上とするとカタラーゼの構造上
のポルフィリン環を破壊し、力価が低下する恐れがあ
る。
常使用されている保湿剤を配合することにより本発明の
頭髪用化粧料の効果を一層向上できる。保湿剤としては
具体的には例えば、グリセリン、ソルビトール、プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、又はポ
リエチレングリコールなどを挙げることができる。保湿
剤の配合量は特に限定されないが、好ましくは3〜14
重量%、更に好ましくは5〜10重量%配合する。さら
に、防腐剤としてパラベン類を配合することが好まし
い。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
0.2g、グリセリン15g、エタノール3.0ml、
クエン酸ナトリウム5g及び塩化ナトリウム5gを精製
水に溶解し全量を100mlとして本発明の頭髪用化粧
料を作った。下記の方法によりカタラーゼ活性(力価)
の測定を行い、経時安定性を評価した結果を表1に示
す。 カタラーゼ活性(力価)の測定法:0.15容量%の過
酸化水素水溶液2.6mlに、1モル濃度のイミダゾー
ル水溶液4.7mlを加えて全量を50mlとした緩衝
液の0.9mlに試料液0.1mlを加えて混合し、0
℃にて2〜3分間反応させた後、2規定濃度の硫酸に溶
解した10%濃度の硫酸チタン溶液1mlを加えて発色
させ、分光光度計にて410nmにおける吸光度を測定
して下記の計算式からカタラーゼ活性の力価を算出す
る。 力価(単位)=△E×2.45×1/ml×希釈倍数×
1/t △E:吸光度 ml:試料の添加量 t :反応時間(分)
1g、システイン(日本理化社製)0.2g、グリセリ
ン15g、エタノール3.0ml、クエン酸ナトリウム
5g及び塩化ナトリウム5gを精製水に溶解し全量を1
00mlとした。この水溶液90mlに石油液化ガス1
0gを加え、エアゾール容器に充填して本発明の頭髪用
化粧料を作った。上記の方法により経時安定性を評価し
た結果を表1に示す。
15g、エタノール3.0ml、クエン酸ナトリウム5
g及び塩化ナトリウム5gを精製水に溶解し全量を10
0mlとした。上記の方法により経時安定性を評価した
結果を表1に示す。
0℃に加熱し、下記の量のメチルパラベン、プロピルパ
ラベンを加えて溶解し、室温まで冷却した後、その他の
成分を加えて溶解し全量を100mlとし本発明の頭髪
用化粧料を作った。 カタラーゼ 1.0g システイン 0.2g グリセリン 5.0g エタノール 3.0ml クエン酸ナトリウム 0.5g 塩化ナトリウム 0.9g メチルパラベン 0.15g プロピルパラベン 0.05g 精製水 適量 全量 100.0ml
毛髪に対し、上記の本発明の頭髪用化粧料を用いて処置
したところ、毛髪中に残留する過酸化水素と反応し発泡
しながら速やかに分解除去した。このように処置した毛
染め毛は、その後、褪色・変色、損傷の発生を見なかっ
た。
リオキシエチレン(15)セチルエーテル及びグリセリ
ンを秤取し、70〜80℃に加熱、均一に融解混合し、
攪拌しながら80〜90℃に加熱した精製水約80ml
を徐々に加えて乳化した。室温まで冷却した後、メチル
パラベン、プロピルパラベンを溶解したエタノール、ク
エン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、システインを加え
て溶解し、最後にカタラーゼを加えて溶解し全量を10
0mlとして本発明の頭髪用化粧料を作った。 カタラーゼ 2.0g システイン 0.3g 流動パラフィン 3.0g ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 1.5g グリセリン 8.0g エタノール 5.0ml クエン酸ナトリウム 0.2g 塩化ナトリウム 2.0g メチルパラベン 0.15g プロピルパラベン 0.05g 精製水 適量 全量 100.0ml
毛髪に対し、上記の本発明の頭髪用化粧料を用いて処置
したところ、毛髪中に残留する過酸化水素と反応し発泡
しながら速やかに分解除去した。このように処置した毛
染め毛は、その後、褪色・変色、損傷の発生を見なかっ
た。
0℃に加熱し、下記の量のメチルパラベン、プロピルパ
ラベンを加えて溶解し、室温まで冷却した後、その他の
成分を加えて溶解し全量を100mlとした原液90m
lに、噴射剤として窒素ガス15gを加えエアゾール容
器に充填して本発明の頭髪用化粧料を作った。 原液: カタラーゼ 2.0g システイン 0.3g グリセリン 10.0g クエン散ナトリウム 0.8g エタノール 3.0ml 塩化ナトリウム 0.9g メチルパラベン 0.15g プロピルパラベン 0.05g 精製水 適量 全量 100.0ml
毛髪に対し、上記の本発明の頭髪用化粧料を用いて処置
したところ、毛髪中に残留する過酸化水素と反応し発泡
しながら速やかに分解除去した。このように処置した毛
染め毛は、その後、褪色・変色、損傷の発生を見なかっ
た。
リオキシエチレン(15)セチルエーテル及びグリセリ
ンを秤取し、70〜80℃に加熱、均一に融解混合し、
攪拌しながら80〜90℃に加熱した精製水約80ml
を徐々に加えて乳化した。室温まで冷却した後、メチル
パラベン、プロピルパラベンを溶解したエタノール、ク
エン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、システインを加え
て溶解し、最後にカタラーゼを加えて溶解し全量を10
0mlとした原液90mlに、噴射剤として炭酸ガス1
5gを加えエアゾール容器に充填して本発明の頭髪用化
粧料を作った。 原液: カタラーゼ 2.0g システイン 1.0g 流動パラフィン 3.0g ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 1.5g グリセリン 5.0g エタノール 5.0ml クエン酸ナトリウム 0.5g 塩化ナトリウム 0.9g メチルパラベン 0.15g プロピルパラベン 0.05g 精製水 適量 全量 100.0ml
毛髪に対し、上記の本発明の頭髪用化粧料を用いて処置
したところ、毛髪中に残留する過酸化水素と反応し発泡
しながら速やかに分解除去した。このように処置した毛
染め毛は、その後、褐色・変色、損傷の発生を見なかっ
た。
に、カタラーゼの酵素活性を使用時に十分に発揮させる
ために、カタラーゼの安定化剤を配合したものであり、
経時安定性に優れている。またさらに石油液化ガスなど
の噴射剤を配合してエアゾール容器中に封入した本発明
の頭髪用化粧料は、更に空気に対する安定性が優れてい
る。酸化型染毛剤を用いて毛染めを行った後の毛髪に対
し、本発明の頭髪用化粧料を用いて処置することによ
り、毛髪中に残留する過酸化水素を速やかに分解除去で
き、毛染め毛の褪色・変色、損傷の発生を防止できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 動植物ならびに微生物から抽出、精製さ
れたカタラーゼの水溶液に対して安定化剤として還元剤
を配合したことを特徴とするカタラーゼの酵素活性を安
定化させた頭髪用化粧料。 - 【請求項2】 動植物ならびに微生物から抽出、精製さ
れたカタラーゼの水溶液に対して安定化剤として還元剤
を配合し、更に、石油液化ガスや炭酸ガス、窒素ガスか
ら選ばれる噴射剤を配合し、密閉耐圧容器中に封入して
エアゾール剤とすることを特徴とするカタラーゼの酵素
活性を安定化させた頭髪用化粧料。 - 【請求項3】 カタラーゼの0.1〜5.0重量%水溶
液へ安定化剤としてシステイン、アセチルシステイン、
グルタチオン、トコフェロール、アスコルビン酸、チオ
グリコール酸またはその塩類、チオグリセリン、システ
アミンから選ばれる少なくとも1種の還元剤を0.01
〜1.0重量%配合したことを特徴とする請求項1ある
いは請求項2記載の頭髪用化粧料。 - 【請求項4】 更に、グリセリン、ソルビトール、プロ
ピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、又は
ポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種の
保湿剤および防腐剤としてパラベン類を配合したことを
特徴とする請求項1ないし請求項3記載の頭髪用化粧
料。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載の頭髪用化
粧料を用いて、酸化染料を主成分とする第一剤と過酸化
水素を主成分とする第二剤を用時混合して使用する酸化
型染毛剤を用いて毛染め処置を行った後の毛髪を処理し
て毛髪中に残留する過酸化水素を速やかに分解除去する
ことを特徴とする毛染め毛髪の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33538194A JP3836891B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 頭髪用化粧料および毛染め毛髪の処理方法 |
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---|---|---|---|
JP33538194A JP3836891B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 頭髪用化粧料および毛染め毛髪の処理方法 |
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JPH08175935A true JPH08175935A (ja) | 1996-07-09 |
JP3836891B2 JP3836891B2 (ja) | 2006-10-25 |
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ID=18287912
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33538194A Expired - Lifetime JP3836891B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 頭髪用化粧料および毛染め毛髪の処理方法 |
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