JPH08174310A - サーメット製切削工具 - Google Patents
サーメット製切削工具Info
- Publication number
- JPH08174310A JPH08174310A JP33736594A JP33736594A JPH08174310A JP H08174310 A JPH08174310 A JP H08174310A JP 33736594 A JP33736594 A JP 33736594A JP 33736594 A JP33736594 A JP 33736594A JP H08174310 A JPH08174310 A JP H08174310A
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- JP
- Japan
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- phase
- cutting tool
- burnt
- cermet
- cermet cutting
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 使用寿命の優れたサーメット製切削工具を提
供する。 【構成】 結合相および硬質分散相からなり、少なくと
も逃げ面に焼き肌面を有するサーメット製切削工具にお
いて、焼き肌面の表面における結合相の占める割合が
０．１〜０．９の範囲内にあることを特徴とする。
供する。 【構成】 結合相および硬質分散相からなり、少なくと
も逃げ面に焼き肌面を有するサーメット製切削工具にお
いて、焼き肌面の表面における結合相の占める割合が
０．１〜０．９の範囲内にあることを特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、耐摩耗性および耐欠
損性に優れた少なくとも逃げ面に焼き肌面を有するサー
メット製切削工具に関するものである。
損性に優れた少なくとも逃げ面に焼き肌面を有するサー
メット製切削工具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、サーメットの焼き肌面は、図２
の電子顕微鏡による金属組織写真に示されているよう
に、階段状の結合相層で一面に覆われている。この点に
ついては、例えば、「粉体および粉末冶金 第２１巻、
第２号、Ｐ７９０〜７９４、１９７４年５月発行」およ
び特開平２−１５１３９号公報にも示されおり、すでに
知られている。
の電子顕微鏡による金属組織写真に示されているよう
に、階段状の結合相層で一面に覆われている。この点に
ついては、例えば、「粉体および粉末冶金 第２１巻、
第２号、Ｐ７９０〜７９４、１９７４年５月発行」およ
び特開平２−１５１３９号公報にも示されおり、すでに
知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このサーメッ
トの焼き肌面の結合相層は被削材の鉄との親和性が極め
て高いために、少なくとも逃げ面に焼き肌面を有するサ
ーメット製切削工具を用いて鉄系材料を切削すると、切
削時に被削材との溶着が起きやすく、刃先に被削材との
溶着が起きると、溶着物は生成、離脱を繰り返し、溶着
物が離脱する際に工具表面の一部と共に離脱するいわゆ
る溶着チッピングを起こしやすい。
トの焼き肌面の結合相層は被削材の鉄との親和性が極め
て高いために、少なくとも逃げ面に焼き肌面を有するサ
ーメット製切削工具を用いて鉄系材料を切削すると、切
削時に被削材との溶着が起きやすく、刃先に被削材との
溶着が起きると、溶着物は生成、離脱を繰り返し、溶着
物が離脱する際に工具表面の一部と共に離脱するいわゆ
る溶着チッピングを起こしやすい。
【０００４】かかる理由から、一般にサーメット製切削
工具の逃げ面を研磨面としたり、酸処理を行って逃げ面
の結合相層を腐食除去することも行われているが、酸処
理では腐食が均一に行われず、焼結体のエッヂ部が優先
的に腐食されて硬質層が脱落し、耐摩耗性および耐欠損
性が共に劣化することがしばしばある。また、焼き肌面
にショット処理を行い、結合相層を除去することも行わ
れるが、ショット処理時に硬質相表面にクラックが入
り、耐欠損性が低下する原因となる。
工具の逃げ面を研磨面としたり、酸処理を行って逃げ面
の結合相層を腐食除去することも行われているが、酸処
理では腐食が均一に行われず、焼結体のエッヂ部が優先
的に腐食されて硬質層が脱落し、耐摩耗性および耐欠損
性が共に劣化することがしばしばある。また、焼き肌面
にショット処理を行い、結合相層を除去することも行わ
れるが、ショット処理時に硬質相表面にクラックが入
り、耐欠損性が低下する原因となる。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
これら処理を行わずに焼き肌面のまま使用しても優れた
耐摩耗性および耐欠損性を示すサーメット製切削工具を
得るべく研究を行った結果、焼き肌面の結合相は、焼結
時指定温度保持後冷却中に生成することが分かり、真空
焼結後冷却中に０．１〜５．０気圧の不活性ガス（例え
ば、Ａｒガス）を導入することにより、焼き肌面におけ
る結合相の生成を抑制することができ、焼き肌面の表面
における結合相の占める割合［以下、この焼き肌面の表
面における結合相を表面結合相と言い、焼き肌面の表面
における硬質相を表面硬質相と言い、焼き肌面の表面結
合相が占める割合を表面結合相面分率と言い、表面結合
相面分率＝表面結合相の面積／（表面結合相の面積＋表
面硬質相の面積）で定義する］が０．１〜０．９の範囲
内にある時に、耐摩耗性および耐欠損性が極めて高くな
るという研究結果が得られたのである。
これら処理を行わずに焼き肌面のまま使用しても優れた
耐摩耗性および耐欠損性を示すサーメット製切削工具を
得るべく研究を行った結果、焼き肌面の結合相は、焼結
時指定温度保持後冷却中に生成することが分かり、真空
焼結後冷却中に０．１〜５．０気圧の不活性ガス（例え
ば、Ａｒガス）を導入することにより、焼き肌面におけ
る結合相の生成を抑制することができ、焼き肌面の表面
における結合相の占める割合［以下、この焼き肌面の表
面における結合相を表面結合相と言い、焼き肌面の表面
における硬質相を表面硬質相と言い、焼き肌面の表面結
合相が占める割合を表面結合相面分率と言い、表面結合
相面分率＝表面結合相の面積／（表面結合相の面積＋表
面硬質相の面積）で定義する］が０．１〜０．９の範囲
内にある時に、耐摩耗性および耐欠損性が極めて高くな
るという研究結果が得られたのである。
【０００６】この発明は、かかる研究結果に基づいてな
されたものであって、結合相および硬質分散相とからな
り、少なくとも逃げ面に焼き肌面を有するサーメット製
切削工具において、前記焼き肌面の表面結合相面分率が
０．１〜０．９の範囲内にあるサーメット製切削工具に
特徴を有するものである。
されたものであって、結合相および硬質分散相とからな
り、少なくとも逃げ面に焼き肌面を有するサーメット製
切削工具において、前記焼き肌面の表面結合相面分率が
０．１〜０．９の範囲内にあるサーメット製切削工具に
特徴を有するものである。
【０００７】前記焼き肌面の表面結合相はＣｏおよびＮ
ｉのうち１種または２種からなる組成を有し、前記焼き
肌面の表面硬質相は、ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮのうち
の１種または２種以上、並びに（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）お
よび（Ｔｉ、Ｍ）Ｃ（ただし、Ｍは、ＷおよびＭｏのう
ちの１種または２種、並びにＴａ、Ｎｂ、Ｖ、Ｚｒおよ
びＣｒのうちの１種または２種以上を示す。以下、同
じ）で表される炭窒化物、複合炭窒化物、炭窒化物およ
び複合炭窒化物のうちの１種または２種以上からなる組
成を有する。
ｉのうち１種または２種からなる組成を有し、前記焼き
肌面の表面硬質相は、ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮのうち
の１種または２種以上、並びに（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）お
よび（Ｔｉ、Ｍ）Ｃ（ただし、Ｍは、ＷおよびＭｏのう
ちの１種または２種、並びにＴａ、Ｎｂ、Ｖ、Ｚｒおよ
びＣｒのうちの１種または２種以上を示す。以下、同
じ）で表される炭窒化物、複合炭窒化物、炭窒化物およ
び複合炭窒化物のうちの１種または２種以上からなる組
成を有する。
【０００８】したがって、この発明の構成を一層詳細に
示すと、この発明は、結合相および硬質分散相とからな
る焼き肌面を少なくとも逃げ面に有するサーメット製切
削工具において、前記焼き肌面の表面結合相はＣｏおよ
びＮｉのうち１種または２種からなる組成を有し、前記
焼き肌面の表面硬質相は、ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮの
うちの１種または２種以上、並びに（Ｔｉ、Ｍ）（Ｃ
Ｎ）および（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表される炭窒化物、複合炭
窒化物、炭化物および複合炭化物のうちの１種または２
種以上からなる組成を有し、前記焼き肌面の表面結合相
面分率が０．１〜０．９の範囲内にあるサーメット製切
削工具に特徴を有するものである。
示すと、この発明は、結合相および硬質分散相とからな
る焼き肌面を少なくとも逃げ面に有するサーメット製切
削工具において、前記焼き肌面の表面結合相はＣｏおよ
びＮｉのうち１種または２種からなる組成を有し、前記
焼き肌面の表面硬質相は、ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮの
うちの１種または２種以上、並びに（Ｔｉ、Ｍ）（Ｃ
Ｎ）および（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表される炭窒化物、複合炭
窒化物、炭化物および複合炭化物のうちの１種または２
種以上からなる組成を有し、前記焼き肌面の表面結合相
面分率が０．１〜０．９の範囲内にあるサーメット製切
削工具に特徴を有するものである。
【０００９】この発明のサーメット製切削工具の焼き肌
面の表面は前記構成を有するが、この発明のサーメット
製切削工具の内部は、ＣｏおよびＮｉのうち１種または
２種からなる結合相：５〜２５重量％と、残りがＴｉ
Ｃ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮのうちの１種または２種以上、並
びに（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）および（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表さ
れる炭窒化物、複合炭窒化物、炭化物および複合炭化物
のうちの１種または２種以上からなる組成の硬質分散相
とで構成されており、これは通常のサーメットの組成で
ある。
面の表面は前記構成を有するが、この発明のサーメット
製切削工具の内部は、ＣｏおよびＮｉのうち１種または
２種からなる結合相：５〜２５重量％と、残りがＴｉ
Ｃ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮのうちの１種または２種以上、並
びに（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）および（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表さ
れる炭窒化物、複合炭窒化物、炭化物および複合炭化物
のうちの１種または２種以上からなる組成の硬質分散相
とで構成されており、これは通常のサーメットの組成で
ある。
【００１０】したがって、この発明の構成を一層詳細に
示すと、この発明は、表面の少なくとも逃げ面に焼き肌
面を有し、内部がＣｏおよびＮｉのうち１種または２種
からなる結合相：５〜２５重量％と、残りがＴｉＣ、Ｔ
ｉＮ、ＴｉＣＮのうちの１種または２種以上、並びに
（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）および（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表される
炭窒化物、複合炭窒化物、炭化物および複合炭化物のう
ちの１種または２種以上からなる硬質分散相とで構成さ
れているサーメット製切削工具において、前記焼き肌面
は、ＣｏおよびＮｉのうち１種または２種からなる組成
の表面結合相と、ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮのうちの１
種または２種以上、並びに（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）および
（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表される炭窒化物、複合炭窒化物、炭
化物および複合炭化物のうちの１種または２種以上から
なる組成を有する表面硬質相からなり、前記焼き肌面の
表面結合相面分率が０．１〜０．９の範囲内にあるサー
メット製切削工具に特徴を有するものである。
示すと、この発明は、表面の少なくとも逃げ面に焼き肌
面を有し、内部がＣｏおよびＮｉのうち１種または２種
からなる結合相：５〜２５重量％と、残りがＴｉＣ、Ｔ
ｉＮ、ＴｉＣＮのうちの１種または２種以上、並びに
（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）および（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表される
炭窒化物、複合炭窒化物、炭化物および複合炭化物のう
ちの１種または２種以上からなる硬質分散相とで構成さ
れているサーメット製切削工具において、前記焼き肌面
は、ＣｏおよびＮｉのうち１種または２種からなる組成
の表面結合相と、ＴｉＣ、ＴｉＮ、ＴｉＣＮのうちの１
種または２種以上、並びに（Ｔｉ、Ｍ）（ＣＮ）および
（Ｔｉ、Ｍ）Ｃで表される炭窒化物、複合炭窒化物、炭
化物および複合炭化物のうちの１種または２種以上から
なる組成を有する表面硬質相からなり、前記焼き肌面の
表面結合相面分率が０．１〜０．９の範囲内にあるサー
メット製切削工具に特徴を有するものである。
【００１１】前記焼き肌面の表面結合相面分率は０．１
未満では焼き肌面が荒れ、かえって溶着を起こすので好
ましくなく、一方、０．９より大きいと所望の耐欠損性
は得られないので好ましくない。したがって、焼き肌面
の表面結合相面分率は０．１〜０．９の範囲内に定め
た。前記焼き肌面の表面結合相面分率の一層好ましい範
囲は０．３〜０．８である。
未満では焼き肌面が荒れ、かえって溶着を起こすので好
ましくなく、一方、０．９より大きいと所望の耐欠損性
は得られないので好ましくない。したがって、焼き肌面
の表面結合相面分率は０．１〜０．９の範囲内に定め
た。前記焼き肌面の表面結合相面分率の一層好ましい範
囲は０．３〜０．８である。
【００１２】この発明のサーメット製切削工具の焼き肌
面の表面結合相面分率は、所定の配合組成を有する圧粉
体を真空焼結後、冷却中に０．１〜５．０気圧の範囲内
の不活性ガス（例えば、Ａｒガス）を導入することによ
り、焼き肌面における結合相の生成を抑制し、０．１〜
０．９の範囲内に制御する。
面の表面結合相面分率は、所定の配合組成を有する圧粉
体を真空焼結後、冷却中に０．１〜５．０気圧の範囲内
の不活性ガス（例えば、Ａｒガス）を導入することによ
り、焼き肌面における結合相の生成を抑制し、０．１〜
０．９の範囲内に制御する。
【００１３】
【実施例】つぎに、この発明を実施例に基づいて具体的
に説明する。原料粉末として、平均粒径：１．４μｍの
ＴｉＣＮ（ＴｉＣ／ＴｉＮ＝５０／５０）粉末、平均粒
径：１．５μｍのＴｉＣ粉末、平均粒径：１．０μｍの
ＴｉＮ粉末、平均粒径：１．０μｍのＷＣ粉末、平均粒
径：１．５μｍのＭｏ2 Ｃ粉末、平均粒径：２．０μｍ
のＶＣ粉末、平均粒径：１．３μｍのＮｂＣ粉末、平均
粒径：１．２μｍのＴａＣ粉末、平均粒径：１．５μｍ
のＺｒＣ粉末、平均粒径：２．０μｍのＣｒ3 Ｃ2 粉
末、平均粒径：１．２μｍのＣｏ粉末、並びに平均粒
径：１．０μｍのＮｉ粉末を用意し、これら原料粉末を
それぞれ表１に示される配合組成になるように配合し、
ボールミルにて７２時間湿式混合し、乾燥した後、１．
５ｔｏｎ／ｃｍ2 の圧力でＣＮＭＧ１２０４０８形状に
プレス成形することにより圧粉体Ａ〜Ｊを作製した。
に説明する。原料粉末として、平均粒径：１．４μｍの
ＴｉＣＮ（ＴｉＣ／ＴｉＮ＝５０／５０）粉末、平均粒
径：１．５μｍのＴｉＣ粉末、平均粒径：１．０μｍの
ＴｉＮ粉末、平均粒径：１．０μｍのＷＣ粉末、平均粒
径：１．５μｍのＭｏ2 Ｃ粉末、平均粒径：２．０μｍ
のＶＣ粉末、平均粒径：１．３μｍのＮｂＣ粉末、平均
粒径：１．２μｍのＴａＣ粉末、平均粒径：１．５μｍ
のＺｒＣ粉末、平均粒径：２．０μｍのＣｒ3 Ｃ2 粉
末、平均粒径：１．２μｍのＣｏ粉末、並びに平均粒
径：１．０μｍのＮｉ粉末を用意し、これら原料粉末を
それぞれ表１に示される配合組成になるように配合し、
ボールミルにて７２時間湿式混合し、乾燥した後、１．
５ｔｏｎ／ｃｍ2 の圧力でＣＮＭＧ１２０４０８形状に
プレス成形することにより圧粉体Ａ〜Ｊを作製した。
【００１４】
【表１】
【００１５】実施例 これら表１に示される圧粉体Ａ〜Ｊを焼結炉に装入し、
この焼結炉内を表２に示される真空雰囲気に保持して表
２に示される昇温速度で昇温し、表２に示される温度に
表２に示される時間保持し、焼結炉の電源を切った後た
だちに、または焼結炉の電源を切った後冷却途中で焼結
炉内を冷却するために表２に示される圧力に達するまで
Ａｒガスを吹き込んで冷却し、ＩＳＯ規格ＣＮＭＧ１２
０４０８（無研磨級スローアウエイチップ）の形状を有
する本発明サーメット製切削工具（以下、本発明切削工
具という）１〜１０を製造した。
この焼結炉内を表２に示される真空雰囲気に保持して表
２に示される昇温速度で昇温し、表２に示される温度に
表２に示される時間保持し、焼結炉の電源を切った後た
だちに、または焼結炉の電源を切った後冷却途中で焼結
炉内を冷却するために表２に示される圧力に達するまで
Ａｒガスを吹き込んで冷却し、ＩＳＯ規格ＣＮＭＧ１２
０４０８（無研磨級スローアウエイチップ）の形状を有
する本発明サーメット製切削工具（以下、本発明切削工
具という）１〜１０を製造した。
【００１６】このようにして製造した本発明切削工具１
〜１０の逃げ面の焼き肌表面を電子顕微鏡で観察して焼
き肌表面の結合相面分率を測定し、その結果を表２に示
した。なお、結合相面分率を測定は、図３に示すホーニ
ング端から０．５ｍｍ離れたホーニングと平行な線上に
あって、ノーズＲ端から０ｍｍ、０．５ｍｍ、１ｍｍ、
１．５ｍｍ、２．０ｍｍの距離の×で示す逃げ面上の測
定点５点を中心とした１５μｍ×１５μｍの５領域で行
い、それらの平均値をもって結合相面分率とした。さら
に、この発明のサーメット製切削工具の焼き肌表面の組
織を視覚的に理解するために、表２の本発明切削工具５
の電子顕微鏡による焼き肌表面の金属組織写真を図１に
示した。図１の金属組織写真において、球形部分が表面
硬質層である。
〜１０の逃げ面の焼き肌表面を電子顕微鏡で観察して焼
き肌表面の結合相面分率を測定し、その結果を表２に示
した。なお、結合相面分率を測定は、図３に示すホーニ
ング端から０．５ｍｍ離れたホーニングと平行な線上に
あって、ノーズＲ端から０ｍｍ、０．５ｍｍ、１ｍｍ、
１．５ｍｍ、２．０ｍｍの距離の×で示す逃げ面上の測
定点５点を中心とした１５μｍ×１５μｍの５領域で行
い、それらの平均値をもって結合相面分率とした。さら
に、この発明のサーメット製切削工具の焼き肌表面の組
織を視覚的に理解するために、表２の本発明切削工具５
の電子顕微鏡による焼き肌表面の金属組織写真を図１に
示した。図１の金属組織写真において、球形部分が表面
硬質層である。
【００１７】従来例 前記表１に示される圧粉体Ａ〜Ｊを焼結炉に装入し、こ
の焼結炉内を表３に示される真空雰囲気に保持して表３
に示される昇温速度で昇温し、表３に示される温度に表
３に示される時間保持し、焼結炉の電源を切って、その
まま炉冷し、ＩＳＯ規格ＣＮＭＧ１２０４０８（無研磨
級スローアウエイチップ）の形状を有する従来サーメッ
ト製切削工具（以下、従来切削工具という）１〜１０を
製造した。このようにして製造した従来切削工具１〜１
０の逃げ面の焼き肌表面を電子顕微鏡で観察して実施例
と同様の方法で焼き肌表面の結合相面分率を測定し、そ
の結果を表３に示した。従来のサーメット製切削工具の
焼き肌表面の組織を視覚的に理解するために、表３の従
来切削工具３の電子顕微鏡による焼き肌表面の金属組織
写真を図２に示した。図２の金属組織写真には、球形部
分の表面硬質層はほとんど見られない。
の焼結炉内を表３に示される真空雰囲気に保持して表３
に示される昇温速度で昇温し、表３に示される温度に表
３に示される時間保持し、焼結炉の電源を切って、その
まま炉冷し、ＩＳＯ規格ＣＮＭＧ１２０４０８（無研磨
級スローアウエイチップ）の形状を有する従来サーメッ
ト製切削工具（以下、従来切削工具という）１〜１０を
製造した。このようにして製造した従来切削工具１〜１
０の逃げ面の焼き肌表面を電子顕微鏡で観察して実施例
と同様の方法で焼き肌表面の結合相面分率を測定し、そ
の結果を表３に示した。従来のサーメット製切削工具の
焼き肌表面の組織を視覚的に理解するために、表３の従
来切削工具３の電子顕微鏡による焼き肌表面の金属組織
写真を図２に示した。図２の金属組織写真には、球形部
分の表面硬質層はほとんど見られない。
【００１８】次に、本発明切削工具１〜１０および従来
切削工具１〜１０について、 被削材：ＳＣＭ４４０、 切削速度：１８０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．３ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：２．５ｍｍ、 １パス：６秒切削−６秒休止、 の条件で５０パスおよび１００パスのインターバル切削
試験を行い、切刃の逃げ面摩耗幅の大きさを測定し、そ
れらの結果を表２および表３に示し、溶着チッピングに
よる耐摩耗性を評価した。
切削工具１〜１０について、 被削材：ＳＣＭ４４０、 切削速度：１８０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．３ｍｍ／ｒｅｖ．、 切込み：２．５ｍｍ、 １パス：６秒切削−６秒休止、 の条件で５０パスおよび１００パスのインターバル切削
試験を行い、切刃の逃げ面摩耗幅の大きさを測定し、そ
れらの結果を表２および表３に示し、溶着チッピングに
よる耐摩耗性を評価した。
【００１９】
【表２】
【００２０】
【表３】
【００２１】表２〜表３に示された結果から、焼き肌表
面の結合相面分率が０．１〜０．９の範囲内の本発明切
削工具１〜１０は、焼き肌表面の結合相面分率が１の従
来切削工具１〜１０に比べて、耐摩耗性を損なうこと無
く、耐欠損性を向上させることができることが分り、同
一成分組成のサーメット製切削工具であっても、焼き肌
表面の結合相面分率の相違によりサーメット製切削工具
の寿命が相違することが分かる。
面の結合相面分率が０．１〜０．９の範囲内の本発明切
削工具１〜１０は、焼き肌表面の結合相面分率が１の従
来切削工具１〜１０に比べて、耐摩耗性を損なうこと無
く、耐欠損性を向上させることができることが分り、同
一成分組成のサーメット製切削工具であっても、焼き肌
表面の結合相面分率の相違によりサーメット製切削工具
の寿命が相違することが分かる。
【００２２】
【発明の効果】上述のように、この発明のサーメット製
切削工具は、従来よりも工具寿命を大幅に向上させるこ
とができ、産業上優れた効果を奏するものである。
切削工具は、従来よりも工具寿命を大幅に向上させるこ
とができ、産業上優れた効果を奏するものである。
【図１】この発明のサーメット製切削工具の焼き肌表面
の電子顕微鏡による金属組織写真である。
の電子顕微鏡による金属組織写真である。
【図２】従来のサーメット製切削工具の焼き肌表面の電
子顕微鏡による金属組織写真である。
子顕微鏡による金属組織写真である。
【図３】サーメット製切削工具の焼き肌表面の結合相面
分率測定点を示す説明図である。
分率測定点を示す説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 中村 清一郎 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 (72)発明者 辻崎 久史 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内
Claims (1)
- 【請求項１】 結合相および硬質分散相からなり、少な
くとも逃げ面に焼き肌面を有するサーメット製切削工具
において、 焼き肌面の表面における結合相の占める割合が０．１〜
０．９の範囲内にあることを特徴とするサーメット製切
削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33736594A JPH08174310A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | サーメット製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33736594A JPH08174310A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | サーメット製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08174310A true JPH08174310A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18307941
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33736594A Pending JPH08174310A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | サーメット製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08174310A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998013528A1 (en) * | 1996-09-26 | 1998-04-02 | Kennametal Inc. | Cutting insert and method of making the same |
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1994
- 1994-12-26 JP JP33736594A patent/JPH08174310A/ja active Pending
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