JPH08173896A - 防錆塗装方法 - Google Patents

防錆塗装方法

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JPH08173896A
JPH08173896A JP32214394A JP32214394A JPH08173896A JP H08173896 A JPH08173896 A JP H08173896A JP 32214394 A JP32214394 A JP 32214394A JP 32214394 A JP32214394 A JP 32214394A JP H08173896 A JPH08173896 A JP H08173896A
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JP
Japan
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coated
rust
container
coating method
dacrotized
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JP32214394A
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English (en)
Inventor
Norihisa Sugiyama
紀久 杉山
Yasuharu Hayashi
康晴 林
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NISHI NIPPON REJIKOOTO KK
Original Assignee
NISHI NIPPON REJIKOOTO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理に要する時間を短縮することができ、か
つ均一で良質な防錆皮膜を形成することができるダクロ
タイズド処理方法を提供する。 【構成】 金属部材を収容したバスケットが液状のダク
ロタイズド処理材に浸漬され、金属部材表面にダクロタ
イズド処理材が付着させられた後、上記バスケットが回
転させられ遠心力で過剰のダクロタイズド処理材が除去
される。次に、バスケット内の金属部材が回転乾燥処理
装置によってバレル回転処理されるとともに乾燥処理さ
れ、金属部材同士の粘着が解消されるとともにダクロタ
イズド処理材の厚さが均一化される。この後、金属部材
が加熱され、ダクロタイズド処理材が金属部材に焼き付
けられる。かかる処理によれば、人手で金属部材同士の
粘着を解消する必要がなくなり、処理時間が短縮され
る。また、防錆皮膜が均一化されその品質が高められ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防錆塗装方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、錆びやすいあるいは腐蝕しやす
い金属材料からなる各種部材(以下、これを単に金属部
材という)には、錆あるいは腐蝕の発生を防止するため
に防錆塗装が施されるが、かかる防錆塗装手法の1つと
してダクロタイズド処理が知られている。このダクロタ
イズド処理によれば処理工程で廃水が発生しないので、
水質環境を保全する上において極めて有利であるといっ
た利点がある。また、ダクロタイズド処理により金属部
材表面に形成される皮膜は非常に高い防錆性ないしは耐
腐食性を有するといった利点がある。
【0003】具体的には、例えば比較的小さい複数の金
属部材に対する従来のダクロタイズド処理は、例えば図
1(b)に示すような手順で行われる。すなわち、図1(b)
に示すように、従来のダクロタイズド処理においては、
まずバスケットに収容された複数の金属部材に対して脱
脂、スケール除去等の前処理が施され(ステップT1)、
続いてこの金属部材が液状のダクロタイズド処理材に浸
漬される(ステップT2)。具体的には、この浸漬(浸漬
塗装)では金属部材を収容したバスケットが、容器内に
保持された液状のダクロタイズド処理材中に沈められた
後、ほどなく該ダクロタイズド処理材中から引き上げら
れ、各金属部材に液状のダクロタイズド処理材が付着さ
せられる。
【0004】次に、液状のダクロタイズド処理材が付着
した金属部材が収容されているバスケットが回転させら
れ、遠心力によって金属部材間に保持されている過剰な
ダクロタイズド処理材が除去される(ステップT3)。こ
の後、バスケットに収容されている金属部材が人手で1
つ1つ引き離され(ステップT4)、続いて該金属部材が
乾燥させられる(ステップT5)。
【0005】このように、ステップT4で金属部材を1
つ1つ引き離すのはおよそ次のような理由による。すな
わち、バスケット内では各金属部材同士が重なり合って
いるが、液状のダクロタイズド処理材の粘度がかなり高
いので一部の金属部材は互いに粘着し合っている。そし
てこのように金属部材同士が粘着し合っていると、これ
らは乾燥後には容易に分離することができなくなる。し
かしながら、上記粘着は、例えばバスケットを振動させ
るなどといった単純な操作では解消することが困難であ
る。そこで、各金属部材を熊手あるいは大型ピンセット
等を用いて人手で1つ1つ引き離した上で、該金属部材
を乾燥させるわけである。
【0006】次に、金属部材が加熱炉等を用いて加熱さ
れダクロタイズド処理材が該金属部材に焼き付けられ、
金属部材表面に防錆皮膜が形成される(ステップT6)。
この後、各金属部材の防錆皮膜が検査され、防錆皮膜が
良好なものと不良なものとが選別される(ステップT
7)。ここで、防錆皮膜が不良な金属部材は破棄あるい
は再処理されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
図1(b)に示すような従来のダクロタイズド処理では、
人手で各金属部材を引き離すのに手間がかかり(ステッ
プT4)、また焼き付け後の金属部材の選別ないしは検
査にも手間がかかるので(ステップT7)、処理に要する
時間が非常に長くなり生産性が悪くなるといった問題が
ある。
【0008】また、粘着し合っている金属部材同士を人
手で引き離すと、粘着していた部分(重なり跡)では他の
部分よりも付着しているダクロタイズド処理材層が薄く
なり、この部分ではこの後焼き付けによって形成される
防錆皮膜が薄くなる(スケが生じる)ので、金属部材表面
に均一で良質な防錆皮膜が形成されない。そして、良質
な防錆皮膜が形成されなかった金属部材は選別の結果破
棄あるいは再処理されることになるので、生産コストを
上昇させるといった問題がある。なお、上記各問題はと
くにダクロタイズド処理において顕著となるが、ダクロ
タイズド処理以外の防錆塗装処理においても同様の問題
が生じうるのはもちろんである。
【0009】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、防錆塗装処理とくにダクロ
タイズド処理において、処理に要する時間を短縮するこ
とができ、生産性を高めることができる手段を提供する
ことを目的とする。さらには、均一で良質な防錆皮膜を
形成することができ、生産コストを低減することができ
る手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するため
の本発明の第1の態様によれば、防錆塗装において、密
集した複数の被塗物に液状の防錆塗装材を付着させ、次
に上記被塗物に付着している過剰な液状の防錆塗装材を
除去した後、上記被塗物を自転可能な回転容器に収容し
た上で該回転容器を自転させつつ該被塗物を乾燥させ、
この後上記被塗物を加熱して防錆塗装材を該被塗物に焼
き付けるようにしたことを特徴とする。
【0011】本発明の第2の態様によれば、第1の態様
にかかる防錆塗装方法において、密集した複数の被塗物
を容器内に保持された液状の防錆塗装材中に浸漬するこ
とにより、被塗物に防錆塗装材を付着させるようにした
ことを特徴とする。
【0012】本発明の第3の態様によれば、第1又は第
2の態様にかかる防錆塗装方法において、被塗物に付着
している過剰な液状の防錆塗装材を遠心分離により除去
するようにしたことを特徴とする。
【0013】本発明の第4の態様によれば、第1〜第3
の態様のいずれか1つにかかる防錆塗装方法において、
被塗物を収容した回転容器を自転させているときに、該
回転容器内の被塗物に熱風を吹き付けることにより該被
塗物を乾燥させるようにしたことを特徴とする。
【0014】本発明の第5の態様によれば、第1〜第4
の態様のいずれか1つにかかる防錆塗装方法において、
液状の防錆塗装材として液状のダクロタイズド処理材を
用いるようにしたことを特徴とする。
【0015】本発明の第6の態様によれば、第1〜第5
の態様のいずれか1つにかかる防錆塗装方法において、
回転容器の内周面に、回転容器軸線方向に伸びる一方回
転容器径方向内側に所定の高さを有する邪魔板を設け、
該邪魔板によって被塗物の回転容器内での周方向下方へ
の摺動移動を係止するようにしたことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の第1の態様によれば、被塗物が収容さ
れた回転容器が自転しているときに、被塗物が回転容器
によってある程度持ち上げられた後に重力で落下すると
いった運動が繰り返される。その際、被塗物同士が粘着
し合っていたとしても、これらが落下して回転容器壁あ
るいは他の被塗物に衝突したときに上記粘着が解消され
る。また、各被塗物同士が衝突し合って互いにこすれ合
うので、各被塗物に付着している防錆塗装材の厚さが均
一化され、ひいては焼き付け後に形成される防錆皮膜の
厚さが均一化される。さらに、回転容器が自転している
ときに被塗物が乾燥させられるので、粘着が解消された
被塗物同士が再び粘着し合うのが防止される。
【0017】本発明の第2の態様によれば、基本的には
第1の態様と同様の作用が生じる。さらに、浸漬により
被塗物に防錆塗装材を付着させるようにしているので、
簡素な設備で容易に被塗物に防錆塗装材を付着させるこ
とができる。なお、この場合、被塗物には比較的多量の
防錆塗装材が付着して被塗物同士が非常に粘着しやすく
なるものの、かかる被塗物の粘着は、回転容器が自転し
ているときに容易にかつ確実に解消される。
【0018】本発明の第3の態様によれば、基本的には
第1又は第2の態様と同様の作用が生じる。さらに、被
塗物に付着している過剰な液状の防錆塗装材を遠心分離
により除去するようにしているので、例えば被塗物を収
容しているバスケットを回転させるなどといった簡単な
手法で容易に被塗物から過剰な防錆塗装材を除去するこ
とができる。
【0019】本発明の第4の態様によれば、基本的には
第1〜第3の態様のいずれか1つと同様の作用が生じ
る。さらに、該回転容器内の被塗物に熱風を吹き付ける
ことにより該被塗物を乾燥させるようにしているので、
被塗物の乾燥が促進され、処理時間が短縮される。
【0020】本発明の第5の態様によれば、基本的には
第1〜第4の態様のいずれか1つと同様の作用が生じ
る。さらに、防錆塗装材として液状のダクロタイズド処
理材を用いるようにしているので、防錆皮膜の防錆性が
高められる。また、液状のダクロタイズド処理材はとく
に粘度が高く、被塗物には比較的多量のダクロタイズド
処理材が付着して被塗物同士が非常に粘着しやすくなる
ものの、かかる被塗物の粘着は、回転容器が自転してい
るときに容易にかつ確実に解消される。
【0021】本発明の第6の態様によれば、基本的には
第1〜第5の態様のいずれか1つと同様の作用が生じ
る。さらに、邪魔板によって被塗物の回転容器内での周
方向下方への摺動移動が係止されるので、回転容器内で
の被塗物の持ち上げ、落下の繰り返しが確実に行われ
る。
【0022】
【実施例】以下、図1(a)に示すフローチャートに従っ
て、複数の比較的小さい金属部材(被塗物)に対して本発
明にかかるダクロタイズド処理(防錆塗装)を施す場合に
おける具体的な処理方法(防錆塗装方法)を、本発明の1
つの実施例として説明する。なお、かかるダクロタイズ
ド処理が可能な金属部材としては、例えば、自動車の部
品、土木建築用金物の部品、橋梁構造物の部品、船舶の
部品、電力施設の部品等があげられる。
【0023】(1)前処理工程(ステップS1) 図1(a)に示すように、本発明にかかるダクロタイズド
処理においては、まずステップS1で複数の比較的小さ
い金属部材に対して、脱脂、スケール除却等の前処理が
施される。図2に示すように、金属部材1に脱脂処理を
施すための脱脂装置2には、常温の脱脂用有機溶剤(例
えば、メタクレン等の第2種有機溶剤等)が入れられた
常温浸漬洗浄槽3と、低温の脱脂用有機溶剤が入れられ
た低温浸漬洗浄槽4と、底部に少量の脱脂用有機溶剤が
入れられた蒸気洗浄槽5とが設けられている。なお、金
属部材1は脱脂用バスケット6内に収容されている。ま
た、蒸気洗浄槽5の底部には脱脂用有機溶剤を加熱して
気化させる溶剤気化用ヒータ9が設けられ、この溶剤気
化用ヒータ9によって気化させられた溶剤蒸気が槽上部
に満たされている。さらに、脱脂装置2には、各槽3、
4、5から気化した溶剤蒸気を凝縮させるための凝縮コ
イル10と、低温浸漬洗浄槽4内の脱脂用有機溶剤を冷
却するための冷却コイル11とが設けられている。
【0024】そして、この脱脂工程では、複数の金属部
材1を収容した脱脂用バスケット6が、矢印A1、A2
3、A4で示すように移動させられ、順に、常温浸漬洗
浄槽3と、低温浸漬洗浄槽4と、蒸気洗浄槽5とに入れ
られる。その際、常温浸漬洗浄槽3及び低温浸漬洗浄槽
4では、脱脂用バスケット6内の金属部材1が液状の脱
脂用有機溶剤によって脱脂され、蒸気洗浄槽5では金属
部材1が溶剤蒸気によってさらに完全に脱脂される。な
お、スケール除却処理はよく知られた普通のスケール除
却装置を用いて施される。
【0025】(2)浸漬塗装工程(ステップS2) 次に、ステップS2で、金属部材1が液状のダクロタイ
ズド処理材に浸漬される。ここで、液状のダクロタイズ
ド処理材としては、例えば金属亜鉛フレーク、無水クロ
ム酸、グリコール等を水中に分散させた分散液などが用
いられるが、かかる液状のダクロタイズド処理材の粘度
はかなり高くなる。なお、ダクロタイズド処理材の組成
が上記のものに限定されるものではないのはもちろんで
ある。具体的には、図3に示すように、複数の金属部材
1を収容している浸漬用バスケット14が、浸漬槽13
内に保持された液状のダクロタイズド処理材内に沈めら
れ、各金属部材1がダクロタイズド処理材中に浸漬され
る。適当な時間が経過した後矢印B1で示すように、浸
漬用バスケット14がダクロタイズド処理材中から引き
上げられ、これによって各金属部材1はその表面にかな
り過剰に液状のダクロタイズド処理材が付着した状態と
なる。
【0026】(3)遠心分離工程(ステップS3) そして、表面に過剰な液状のダクロタイズド処理材が付
着している複数の金属部材1を収容している浸漬用バス
ケット14は、図3中の矢印B2で示すように回転させ
られ、各金属部材1の表面に付着している、ないしは隣
合う金属部材間に保持されている過剰のダクロタイズド
処理材が上記回転に伴って生じる遠心力により除去され
る。
【0027】(4)バレル回転処理・乾燥工程(ステップ
S4) 次に、ステップS4で、浸漬用バスケット14内の各金
属部材1が回転乾燥処理装置16(図4〜図8参照)に移
され、該金属部材1にバレル回転処理と熱風乾燥処理と
が施される。図4〜図8に示すように、回転乾燥処理装
置16においては、床面に置かれた基台17によって回
転バレル18が後で説明するように自転可能に支持さ
れ、この回転バレル18のやや上方に該回転バレル18
に向かって熱風を吹き出す熱風乾燥機20が配置されて
いる。この回転バレル18は中空略円柱形に形成され、
その軸心が床面と略平行となるように、すなわち横置き
に配置されている。そして、その周面及び両端面は枠が
設けられている部分を除けば、壁部を貫通する多数の小
さい穴が設けられた多孔構造ないしは線状材料で形成さ
れたメッシュ構造とされている。ここで、上記小穴ない
しはメッシュ開口部は、金属部材1を通さないような大
きさとされている。つまり、回転バレル18はその内部
に金属部材1を保持することができ、かつバレル内外間
の空気の流通を許容する構造とされている。
【0028】そして、回転バレル18の軸心部にはバレ
ル軸線方向に伸びる回転軸22が取り付けられ、この回
転軸22は基台17に固定された軸受部21によって回
転自在に支持されている。また、図示していないが、回
転軸22は所定の回転速度で回転するモータによって回
転駆動されるようになっており、したがって回転バレル
18はその軸心まわりにモータの回転速度に対応する回
転速度で自転することができるようになっている。な
お、回転バレル18の周面の一部には開口部23が設け
られ、この開口部23は蓋部材19によって任意に開閉
することができるようになっている。
【0029】また、回転バレル18の内周面には、両端
部間にわたってバレル軸線方向(バレル長手方向)に伸び
る一方、バレル径方向内側に所定の高さを有する邪魔板
24(フィン)が設けられている。なお、図8に示す例で
は2枚の邪魔板24が設けられているが、邪魔板24の
枚数はこれに限定されるものではなく、例えば1枚、4
枚あるいは6枚であってもよいのはもちろんである。こ
の邪魔板24は、回転バレル18が回転しているとき
に、金属部材1が回転バレル内周面上を周方向下方に摺
動移動するのを、すなわち滑り下りるのを防止するため
に設けられている。この邪魔板24によって、回転バレ
ル18内の金属部材1が適度な高さまで持ち上げられた
後落下するといった持ち上げ・落下運動を確実に繰り返
させることができる。なお、回転バレル18の回転速度
が大き過ぎると、遠心力により金属部材1が回転バレル
18の内周面に張り付いてしまうので、該回転速度には
上限があるのはもちろんである。
【0030】かくして、このステップS4では、複数の
金属部材1が開口部23を通して回転バレル18内に収
容された後、蓋部材19によって上記開口部23が閉じ
られ、この後モータによって回転バレル18が所定の回
転速度で回転させられる(自転する)。ここで、各金属部
材1は邪魔板24によって適度な高さまで持ち上げられ
た後重力で落下するといった持ち上げ・落下運動を繰り
返す。これと同時に、熱風乾燥機20から熱風が吹き出
され、この熱風は回転バレル18の周面ないしは端面を
の小穴ないしはメッシュ開口部を通ってバレル内に入り
金属部材1に吹き付けられ、該金属部材1が迅速に乾燥
させられる。
【0031】前記したとおり、液状のダクロタイズド処
理材の粘度がかなり高いので、自転開始前においては、
回転バレル18内の金属部材1のうちの少なくとも一部
は互いに粘着し合っている。しかしながら、回転バレル
18が自転を開始すると、金属部材1同士がたとえ粘着
し合っていたとしても、これらが落下して回転バレル内
周面あるいは他の金属部材1に衝突したときにはその衝
撃力によって上記粘着が確実に解消される。
【0032】また、このとき各金属部材1同士が衝突し
合って互いにこすれ合うので、各金属部材1に付着して
いるダクロタイズド処理材の厚さが均一化され、ひいて
は後で説明する焼き付け工程で形成される防錆皮膜の厚
さが均一化されて良好な防錆皮膜が形成されることにな
る。なお、ボルトあるいはプレス加工品等の厚手の金属
部材の場合は金属部材同士の粘着は生じにくいが(薄手
の金属部材同士は粘着しやすい)、このバレル回転処理
によればかかるダクロタイズド処理材の膜厚均一化効果
が得られるので、厚手の金属部材に対してもバレル回転
処理を施すことは極めて有益である。さらに、回転バレ
ル18が自転しているときに金属部材1が熱風で迅速に
乾燥させられるので、一旦粘着が解消された金属部材1
同士が再び粘着し合うのが防止される。
【0033】なお、かかる回転バレル処理における処理
条件等の一例を次に示す。 (a) 金属部材投入量 : 500〜5000個/バッチ (b) バレル回転速度 : 10〜50r.p.m. (c) 熱風乾燥温度 : 60℃以上 (d) 回転バレル処理時間 : 2〜5分 (e) 回転バレル寸法 : 直径500mm、長さ900mm
【0034】上記バレル回転処理・乾燥工程(ステップ
S4)が終了したときには、金属部材1表面のダクロタ
イズド処理材層はほぼ完全に乾燥しているのが普通であ
るが、乾燥をさらに確実化するために、ステップS5に
示すような独立した乾燥工程を設けてもよい。
【0035】(5)焼き付け工程(ステップS6) この後、ステップS6で、焼き付け装置26(図9参照)
を用いて金属部材1が加熱され、その表面に付着してい
るダクロタイズド処理材が該金属部材1に焼き付けられ
る。図9に示すように、焼き付け装置26には、予熱室
27(乾燥室)と焼き付け室28と空冷室29とが設けら
れている。ここで、予熱室27には第1加熱器31から
熱風が送り込まれ、焼き付け室28には第2加熱器32
から熱風が送り込まれ、空冷室1にはファン33によっ
て冷風が送り込まれるようになっている。そして、焼き
付け処理が施される各金属部材1は、ベルトコンベア3
0に載せられて、夫々順に各室27、28、29を通過
する。その際、予熱室27では金属部材1が予熱されて
ダクロタイズド処理材が完全に乾燥させられ、焼き付け
室28ではダクロタイズド処理材が金属部材1に焼き付
けられて金属部材表面に防錆皮膜が形成され、空冷室2
9では防錆皮膜が形成された金属部材1が空冷され、こ
のダクロタイズド処理が完了する。焼き付け処理温度
(雰囲気温度)は例えば290〜380℃とされ、焼き付
け時間は金属部材1の形状あるいは大きさによって異な
るが、例えば10〜60分とされる。
【0036】かかるダクロタイズド処理によれば、前記
したとおり、バレル回転処理・乾燥工程(ステップS4)
で、金属部材1の表面に付着しているダクロタイズド処
理材の厚さが均一化されるので、金属部材1に形成され
る防錆皮膜の厚さも均一化され、確実にすなわちほぼ1
00%の率で良好な防錆皮膜が形成される。このため、
例えば図1(b)にその工程が示されている従来のダクロ
タイズド処理の場合のような選別・検査工程が不要とな
る。また、このように均一化された良好な防錆皮膜が形
成されるので、従来は2コート・2ベーク方式とされて
いたダクロタイズド処理を1コート・1ベーク方式に簡
略化することが可能となる。なお、2コート・2ベーク
方式とは、ダクロタイズド処理材の塗装及び焼き付けを
2回繰り返すようにした処理手法であり、1コート・1
ベーク方式とは該塗装及び焼き付けを1回で済ますよう
にした処理手法である。このように、1コート・1ベー
ク方式とすることにより、ダクロタイズド処理に要する
エネルギ、労力等が大幅に低減されて生産コストが大幅
に低減され、さらに処理工程時間が大幅に短縮される。
【0037】かくして、本発明にかかるこのダクロタイ
ズド処理によれば、従来のダクロタイズド処理の場合の
ような人手による金属部材の引き離し作業及び製品の選
別・検査作業が不要となるので、処理時間が大幅に短縮
され(従来の、1/5程度に短縮されるものと考えられ
る)、生産性が大幅に高められる。また、不良品の発生
が実質的に皆無となるので、生産コストが低減される。
なお、以上の実施例ではダクロタイズド処理を例にとっ
て説明したが、本発明はダクロタイズド処理以外の防錆
塗装処理にも適用することができるのはもちろんであ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明の第1の態様によれば、被塗物が
収容された回転容器が自転しているときに、被塗物が回
転容器によって適度に持ち上げられた後に重力で落下す
るといった運動が繰り返される。その際、被塗物同士が
粘着し合っていたとしても、これらが落下して回転容器
壁あるいは他の被塗物に衝突したときに上記粘着が解消
される。このため、人手による各被塗物の引き離し作業
が不要となり、処理時間が大幅に短縮され、生産性が高
められる。そして、各被塗物同士が衝突し合って互いに
こすれ合うので、各被塗物に付着している防錆塗装材の
厚さが均一化され、ひいては焼き付け後に形成される防
錆皮膜の厚さが均一化され、良好な防錆皮膜が形成され
る。このため、ほぼ100%の率で良好な製品が得ら
れ、製品の検査ないしは選別が不要となり、処理時間が
さらに短縮され、生産性がさらに高められる。また、不
良品が発生しないので生産コストが低減される。また、
このように均一化された良好な防錆皮膜が形成されるの
で、防錆塗装処理がダクロタイズド処理である場合は、
従来の2コート・2ベーク方式を1コート・1ベーク方
式に簡略化することが可能となる。そして、1コート・
1ベーク方式とした場合は、ダクロタイズド処理に要す
るエネルギ、労力等が大幅に低減されて生産コストが大
幅に低減され、さらに処理工程時間が大幅に短縮され
る。さらに、回転容器が自転しているときに被塗物が乾
燥させられるので、粘着が解消された被塗物同士が再び
粘着し合うのが防止され、上記両効果が一層確実化され
る。
【0039】本発明の第2の態様によれば、基本的には
第1の態様と同様の効果が得られる。さらに、浸漬によ
り被塗物に防錆塗装材を付着させるようにしているの
で、簡素な設備で容易に被塗物に防錆塗装材を付着させ
ることができ、生産コストが一層低減される。
【0040】本発明の第3の態様によれば、基本的には
第1又は第2の態様と同様の効果が得られる。さらに、
被塗物に付着している過剰な液状の防錆塗装材を遠心分
離により除去するようにしているので、例えば被塗物を
収容しているバスケットを回転させるなどといった簡単
な手法で容易に被塗物から過剰な防錆塗装材を除去する
ことができ、生産コストが一層低減される。
【0041】本発明の第4の態様によれば、基本的には
第1〜第3の態様のいずれか1つと同様の効果が得られ
る。さらに、該回転容器内の被塗物に熱風を吹き付ける
ことにより該被塗物を乾燥させるようにしているので、
被塗物の乾燥が促進され、処理時間が一層短縮され、生
産性が一層高められる。
【0042】本発明の第5の態様によれば、基本的には
第1〜第4の態様のいずれか1つと同様の効果が得られ
る。さらに、防錆塗装材として液状のダクロタイズド処
理材を用いるようにしているので、防錆皮膜の防錆性が
高められる。また、液状のダクロタイズド処理材はとく
に粘度が高く、被塗物には比較的多量のダクロタイズド
処理材が付着して被塗物同士が非常に粘着しやすくなる
ものの、かかる被塗物の粘着は、回転容器が自転してい
るときに容易にかつ確実に解消されるので、上記効果が
一層顕在化する。
【0043】本発明の第6の態様によれば、基本的には
第1〜第5の態様のいずれか1つと同様の効果が得られ
る。さらに、邪魔板によって被塗物の回転容器内での周
方向下方への摺動移動が係止されるので、回転容器内で
の被塗物の持ち上げ、落下の繰り返しが確実に行われ、
被塗物の粘着の解消及び防錆被膜の均一化が確実化され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明にかかるダクロタイズド処理に
おける処理手順を示すフローチャートであり、(b)は従
来のダクロタイズド処理における処理手順を示すフロー
チャートである。
【図2】 脱脂装置の縦断面を示す模式図である。
【図3】 浸漬槽の縦断面を示す模式図である。
【図4】 回転乾燥処理装置の斜視説明図である。
【図5】 図4に示す回転乾燥処理装置の回転バレルま
わりを拡大して示した斜視説明図である。
【図6】 回転乾燥処理装置の平面説明図である。
【図7】 回転乾燥処理装置の側面説明図である。
【図8】 回転乾燥処理装置の正面説明図である。
【図9】 焼き付け装置の縦断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1…金属部材 2…脱脂装置 13…浸漬槽 14…浸漬用バスケット 16…回転乾燥処理装置 18…回転バレル 20…熱風乾燥機 24…邪魔板 26…焼き付け装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密集した複数の被塗物に液状の防錆塗装
    材を付着させ、次に上記被塗物に付着している過剰な液
    状の防錆塗装材を除去した後、上記被塗物を自転可能な
    回転容器に収容した上で該回転容器を自転させつつ該被
    塗物を乾燥させ、この後上記被塗物を加熱して防錆塗装
    材を該被塗物に焼き付けるようにしたことを特徴とする
    防錆塗装方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された防錆塗装方法にお
    いて、 密集した複数の被塗物を容器内に保持された液状の防錆
    塗装材中に浸漬することにより、被塗物に防錆塗装材を
    付着させるようにしたことを特徴とする防錆塗装方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された防錆
    塗装方法において、 被塗物に付着している過剰な液状の防錆塗装材を遠心分
    離により除去するようにしたことを特徴とする防錆塗装
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記
    載された防錆塗装方法において、 被塗物を収容した回転容器を自転させているときに、該
    回転容器内の被塗物に熱風を吹き付けることにより該被
    塗物を乾燥させるようにしたことを特徴とする防錆塗装
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記
    載された防錆塗装方法において、 液状の防錆塗装材として液状のダクロタイズド処理材を
    用いるようにしたことを特徴とする防錆塗装方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記
    載された防錆塗装方法において、 回転容器の内周面に、回転容器軸線方向に伸びる一方回
    転容器径方向内側に所定の高さを有する邪魔板を設け、
    該邪魔板によって被塗物の回転容器内での周方向下方へ
    の摺動移動を係止するようにしたことを特徴とする防錆
    塗装方法。
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