JPH08172812A - 作業用走行車の制御装置 - Google Patents

作業用走行車の制御装置

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Publication number
JPH08172812A
JPH08172812A JP33580794A JP33580794A JPH08172812A JP H08172812 A JPH08172812 A JP H08172812A JP 33580794 A JP33580794 A JP 33580794A JP 33580794 A JP33580794 A JP 33580794A JP H08172812 A JPH08172812 A JP H08172812A
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JP
Japan
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control
headland
unit
sensor
automatic
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Pending
Application number
JP33580794A
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English (en)
Inventor
Hisakazu Aoto
久和 青戸
Tatsuya Yamazaki
達也 山崎
Tomoshi Tamura
智志 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd filed Critical Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 枕地判定情報をリアルタイムに取得すること
を可能にするうえに、枕地判定情報に基づいて枕地表
示、制御内容変更等を行うことにより、自動制御の安定
度や精度の向上を計る。 【構成】 圃場の凹凸に影響を受ける耕深センサ15、
エンジン回転センサ33、ローリングセンサ31もしく
はピッチングセンサ32の検出値変化を経時的に記憶す
ると共に、該記憶データを階層型ニューラルネットワー
クの入力データとして枕地判定情報を演算し、演算した
枕地判定情報を枕地表示情報や自動制御のフィードバッ
ク情報に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラクタ、田植機、コ
ンバイン等の作業用走行車の制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
圃場で耕耘等の作業を行う場合は、圃場の周囲に数行程
分の枕地(旋回スペース)を残して圃場中央部を往復耕
耘し、しかる後、残った枕地を回り耕耘するが、前記枕
地には、旋回に伴う車輪跡や作業部の昇降に伴う凹凸が
存在するため、圃場中央部と同様に作業すると、作業の
安定性や精度が低下するという不都合がある。そこで、
従来では、オペレータ自身が枕地を判断し、該判断に基
づいて自動制御(耕深自動制御、負荷自動制御、傾斜自
動制御等)の制御内容(制御方式、制御感度等)を手動
で変更していたが、オペレータ自身が枕地の判断や制御
内容の変更を行う必要があるため、操作が煩雑になる許
りでなく、誤った枕地判断や誤操作に基づいて自動制御
の安定性や精度を低下させる可能性もあった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を一掃することができる作業用走
行車の制御装置を提供することを目的として創案された
ものであって、機体姿勢、作業部姿勢もしくは作業負荷
を検出する検出センサと、該検出センサの検出信号に基
づいて所定の自動制御を行う制御部とを備えてなる作業
用走行車において、前記制御部に、検出センサの検出値
変化を経時的に記憶する検出値変化記憶手段と、記憶し
た検出値変化から枕地判定情報を生成すべくニューラル
ネットワークによる演算を行うニューロ演算手段とを設
けたことを特徴とするものである。そして本発明は、こ
の構成によって、枕地判定情報をリアルタイムに取得す
ることを可能にするうえに、枕地判定情報に基づいて枕
地表示、制御内容変更等を行うことにより、自動制御の
安定度や精度の向上を計ることができるようにしたもの
である。
【0004】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、1はトラクタの走行機体であっ
て、該走行機体1には、走行動力、PTO動力、油圧動
力等を発生するエンジン2、エンジン動力の変速および
分配を行うトランスミッション3、運転席4、操作パネ
ル5、表示パネル6および各種の操作具が設けられる操
作部7等で構成されているが、前記トランスミッション
3に設けられる走行変速機構(図示せず)には、アクチ
ュエータ駆動に基づいて無人で変速操作を行うことので
きる無人変速機構8が連繋されている。
【0005】9は前記走行機体1の後部に昇降リンク機
構10を介して昇降自在に連結されるロータリ耕耘式の
作業部であって、該作業部9は、リフトシリンダ11の
伸縮に伴うリフトアーム12の上下揺動に基づいて昇降
する一方、リフトアーム12とロアリンク10aとの間
に介設されるリフトロッドシリンダ13の伸縮に基づい
て左右傾斜するようになっている。
【0006】14は前記作業部9の後部に上下揺動自在
に設けられるリヤカバーであって、該リヤカバー14
は、耕耘盛土に弾圧状に接地する均平板として機能する
が、リヤカバー14の基端部には、リヤカバー14の上
下揺動角に基づいて耕深(耕耘深さ)を検出するアナロ
グ式の耕深センサ(ポテンショメータ)15が連繋さ
れ、該耕深センサ15の検知信号を所定のインターフェ
ース回路(A/D変換回路)を介して後述する制御部1
6に入力するようになっている。尚、17は後述する耕
深・負荷設定ボリューム18の耕深設定操作等に連動し
てリヤカバー14の長さを調整するリヤカバーシリンダ
(電動シリンダ)である。
【0007】一方、前記操作パネル5には、作業部9を
昇降操作するためのポジションレバー19、作業部9を
ワンタッチ操作で昇降させるための昇降操作スイッチ2
0、後述する耕深自動制御の目標耕深設定器および負荷
自動制御の目標負荷設定器に兼用される耕深・負荷設定
ボリューム18、後述する傾斜自動制御をON−OFF
するための傾斜自動スイッチ21、耕深自動制御および
負荷自動制御をON−OFFするための耕深・負荷自動
スイッチ22、耕深自動制御と負荷自動制御との手動切
換状態および自動切換状態を選択可能な制御切換スイッ
チ23、傾斜自動制御の目標傾斜を設定するための傾斜
設定ボリューム24、作業部9の種類等に応じて制御モ
ードを切換えるためのモード切換スイッチ25、耕深自
動制御等の感度調整を行うための感度調整スイッチ2
6、リフトアーム12を手動操作するためのリフトアー
ム手動スイッチ27等が配設されている。
【0008】また、前記制御部16は、所謂マイクロコ
ンピュータを用いて構成されるものであるが、このもの
は、リヤカバー14の揺動角に基づいて耕深を検出する
前述の耕深センサ15、リヤカバーシリンダ17のシリ
ンダ長を検出するリヤカバー長センサ28、リフトアー
ム12の上下揺動角を検出するアーム角センサ29、リ
フトロッドシリンダ13のロッド長を検知するロッド長
センサ30、走行機体1(もしくは作業部9)の左右傾
斜を検出するローリングセンサ31、走行機体1の前後
傾斜を検出するピッチングセンサ32、エンジン回転数
を検出するエンジン回転センサ33、走行機体1の走行
速度を検出する車速センサ34、ポジションレバー19
のレバー角を検出するレバー角センサ35等のセンサ類
や前述した操作具類18〜27から信号を入力し、これ
らの入力信号に基づく判断で、前述した無人変速機構
8、リヤカバーシリンダ17、リフトシリンダ用油圧バ
ルブに設けられる伸長用、縮小用ソレノイド36、3
7、リフトロッドシリンダ用油圧バルブに設けられる伸
長用、縮小用ソレノイド38、39、自動制御の安定度
を表示する安定度表示モニタ40、枕地判定結果を表示
する枕地判定表示モニタ41等に対して作動指令を出力
するようになっている。
【0009】即ち、制御部16が備えるメモリ(RO
M)には、アーム角センサ29の検出値がレバー角セン
サ35の検出値に合致するよう自動的にリフトシリンダ
11を伸縮制御するポジション制御(対機高さ制御)、
耕深センサ15の検出値が耕深・負荷設定ボリューム1
8で設定される設定耕深値に合致するよう自動的にリフ
トシリンダ11を伸縮制御する耕深自動制御(対地高さ
制御)、エンジン回転センサ33の検出値に基づいて演
算される作業負荷が耕深・負荷設定ボリューム18で設
定される設定負荷に合致するよう自動的にリフトシリン
ダ11を伸縮制御する負荷自動制御、走行機体1のロー
リングに拘わらず作業部9が傾斜設定ボリューム24の
設定傾斜を維持するよう自動的にリフトロッドシリンダ
13を伸縮制御する傾斜自動制御等の既存の制御ルーチ
ンが予め書き込まれているが、さらに本実施例では、各
自動制御の実行状態を切換えるメインルーチン、枕地を
判定する枕地判定制御、各自動制御の安定度を判定する
安定度判定制御、各自動制御の作動速度を調整する作動
速度調整制御等の制御ルーチンが追加されており、以
下、追加された制御ルーチンをフローチャートに基づい
て詳述する。
【0010】さて、前記メインルーチンでは、起動時に
初期設定を行った後、ポジションレバー19および耕深
・負荷自動スイッチ22の操作位置を判断する。ここ
で、ポジションレバー19が下限位置で、かつ耕深・負
荷自動スイッチ22がONであると判断した場合には、
耕深自動制御や負荷自動制御の前準備として枕地判定制
御を実行するが、それ以外の判断をした場合には、耕深
自動制御や負荷自動制御の制御ルーチンを通ることなく
前述したポジション制御を実行するようになっている。
【0011】前記枕地判定制御は、図10に示す様に、
11個の入力ユニットと、3個の中間ユニットと、1個
の出力ユニットとを階層状に結合した階層型ニューラル
ネットワークを構成している。そして、各ユニットは、
図11に示す如く、多入力1出力(入力ユニットは1入
力1出力)であり、複数の前段ユニットからの信号(演
算結果)Oiをそれぞれ結合荷重Wiを通してユニット
内に取り込むと共に、取り込んだ値(Oi×Wi)の総
和x(x=ΣOi×Wi)を演算し、さらに、総和xか
ら所定のしきい値Hを引いた後、これをジグモイド関数
{1/(1+e-x)}等の関数を用いて変形してユニッ
トの出力yとする。つまり、階層型ニューラルネットワ
ークは、与えられた複数の入力値に対し、入力ユニッ
ト、中間ユニット、出力ユニットの順で演算を行い、出
力ユニットから単一の演算結果を出力するものである
が、本実施例の階層型ニューラルネットワークでは、図
13に示す如く、凹凸が小さい圃場を耕耘した場合にお
ける耕深センサ15の出力波形(所定時間毎にサンプリ
ングした経時的データ)を第一入力教師、凹凸が中程度
の圃場を耕耘した場合における耕深センサ15の出力波
形を第二入力教師、凹凸が大きい枕地を耕耘した場合に
おける耕深センサ15の出力波形を第三入力教師とする
一方、第一〜第三入力教師に対応する出力教師をそれぞ
れ0、0、1(平耕、平耕、枕地)として、所謂逆誤差
伝播法(バックプロパゲーション法、PB法)に基づい
て学習した結合荷重Wiを各ユニットに設定している。
従って、所定時間毎にサンプリングした耕深センサ15
の検出値変化に基づいて階層型ニューラルネットワーク
による演算を行うと、旋回に伴う車輪跡や作業部昇降に
伴う凹凸が存在する枕地耕耘では、大きい枕地判定値
(0.8〜1.0程度)を出力する一方、比較的平坦な
圃場中央部の耕耘(平耕)では、小さい枕地判定値(0
〜0.8)を出力するようになっている。因みに、前記
逆誤差伝播法とは、出力ユニットの出力値と出力教師値
との誤差が最小となるように各ユニットの結合荷重Wi
を逆伝播で補正する教師付き学習方法であり、i番目ユ
ニットの結合荷重修正量ΔWiは、下記の式で求められ
る。 ΔWi=−ε・(∂E/∂x)・Oi 但し、εは学習係数、(∂E/∂x)は各ユニットの誤
差である。
【0012】上記の前提を踏まえて枕地判定制御を具体
的に説明すると、該制御では、まず、カウント変数iに
初期値「1」をセットした後、所定時間毎にサンプリン
グした耕深センサ15の検出値のうち、i番目の検出値
をi番目の入力ユニットに結合強度Wiを介して取り込
むステップと、取り込んだ値からしきい値Hiを引くス
テップと、その値をジグモイド関数で出力値に変換する
ステップとで構成される入力ユニットの演算を、カウン
ト変数iをインクリメントしながら11回繰返して入力
層の演算を終了する。次に、各入力ユニットの出力値O
nを結合強度Wnを介して順次取り込むステップと、取
り込んだ値の総和を求めるステップと、総和からしきい
値Hiを引くステップと、その値をジグモイド関数で出
力値に変換するステップとで構成される中間ユニットの
演算を、カウント変数iをインクリメントしながら3回
繰返して中間層の演算を終了する。続いて、各中間ユニ
ットの出力値Omを結合強度Wmを介して順次取り込む
ステップと、取り込んだ値の総和を求めるステップと、
総和からしきい値Hiを引くステップと、その値をジグ
モイド関数で出力値に変換するステップとで構成される
出力ユニットの演算を行う。そして、出力ユニットの出
力値が大きい値(0.8〜1.0)である場合には枕地
であると判定し、出力値が小さい値(0〜0.8)であ
る場合には平耕であると判定するようになっている。
尚、本実施例では、耕深センサ15の検出値に基づいて
枕地を判定しているが、旋回に伴う車輪跡や作業部の昇
降に伴う凹凸が存在する枕地では、前述したエンジン回
転センサ33、ローリングセンサ31およびピッチング
センサ32の検出値も大きく変化するため、これらの検
出値に基づいて枕地判定を行うことも可能であり、さら
には、2以上のセンサ値を合成し、該合成したセンサ値
に基づいて精度の高い枕地判定を行うこともできる。ま
た、本実施例では、予め開発用システムでニューラルネ
ットワークの学習を行い、その結果を実機のメモリに書
き込んでいるため、実際の作業では、学習のための演算
を行うことなくリアルタイムな枕地判定を行うことがで
きるようになっている。
【0013】上記の如く枕地判定を行った後は、判定結
果が枕地であるか否かを判断する。そして、この判断結
果に基づいて枕地判定表示モニタ41に枕地表示指令も
しくは平耕表示指令を出力するが、枕地であると判断し
た場合には、さらに、車速を自動的に減速(平耕時の約
80%)すべく前記無人変速機構8に作動指令を出力す
るようになっている。即ち、旋回に伴う車輪跡や作業部
の昇降に伴う凹凸が存在する枕地では、車速が自動的に
減速されるため、安定した走行を行うことができるうえ
に、凹凸に影響を受ける自動制御の安定性や精度も向上
させることができるようになっている。
【0014】続いて、前述した制御切換スイッチ23の
操作位置を判断する。そして、負荷自動位置もしくは耕
深自動位置である場合には、それぞれ対応する制御を実
行することになるが、自動切換位置である場合には、前
記枕地判定結果を参照して負荷自動制御と耕深自動制御
とを自動的に選択実行するようになっている。即ち、凹
凸の小さい平耕状態では、リヤカバー変位に基づいて作
業部9を昇降制御する耕深自動自動制御を実行するが、
凹凸の大きい枕地では、検出点(作業点に対して後方に
位置ずれ)に遅れが生じるリヤカバー変位を利用するこ
となく、応答性に優れるエンジン負荷変動(エンジン回
転センサ33)に基づいて作業部9を昇降制御する負荷
自動制御を実行するようになっている。
【0015】そして、制御切換後は、負荷自動制御もし
くは耕深自動制御を実行し、さらに、傾斜自動スイッチ
がONである場合には、傾斜自動制御も同時に実行する
ことになるが、各自動制御を実行する前準備として、安
定度判定、安定度表示、不感帯補正、作動速度補正等の
処理を実行するようになっている。
【0016】さて、安定度判定制御は、前述した枕地判
定制御と同様の階層型ニューラルネットワークを構成す
るため、その構成および演算手順については枕地判定制
御の説明を援用するが、安定度判定制御で用いられる階
層型ニューラルネットワークは、図16に示す如く、凹
凸が小さい圃場を耕耘した場合における所定センサ{耕
深自動制御の安定度判定では耕深センサ15、負荷自動
制御の安定度判定ではエンジン回転センサ33、傾斜自
動制御の安定度判定ではローリングセンサ31(作業部
9側に取付けた場合のみ判定可能)}の出力波形を第一
入力教師、凹凸が中程度の圃場を耕耘した場合における
所定センサの出力波形を第二入力教師、凹凸が大きい圃
場を耕耘した場合における所定センサの出力波形を第三
入力教師とする一方、第一〜第三入力教師に対応する出
力教師をそれぞれA、B、C(実際は段階的に設定され
る数値)として、前述の逆誤差伝播法に基づいて学習し
た結合荷重Wiを各ユニットに設定している。従って、
所定時間毎にサンプリングした所定センサの検出値変化
に基づいて階層型ニューラルネットワークによる演算を
行えば、各自動制御の安定度をA、B、Cの三段階(も
しくは0〜1.0の範囲の数値)でリアルタイムに判定
することができるようになっている。尚、本明細書の記
載では、判定対象を安定度と表現しているが、言い換え
れば、圃場の凹凸具合、仕上り具合、ハンチング発生具
合であり、これらの判定も安定度判定に含まれるものと
する。
【0017】前記安定度判定が終了すると、判定結果を
参照してモニタに安定度表示を行うが、さらには、安定
度に応じて各自動制御の不感帯幅を自動的に補正するよ
うになっている。即ち、安定度がA(高い)である場合
には、不感帯幅を小さくして作業精度を優先し、安定度
がB(中程度)である場合には、現状を維持すべく不感
帯幅を固定し、さらに、安定度がC(低い)である場合
には、ハンチング等が発生している可能性があるため、
不感帯幅を大きくして安定度を優先するようになってい
る。尚、図18には、安定度に基づいて不感帯幅を無段
階に補正する例を示した。
【0018】前記安定度表示および不感帯補正が終了す
ると、各自動制御の制御対象であるアクチュエータの作
動速度を補正するが、本実施例では、前記安定度判定結
果A、B、Cおよび偏差(目標値と検出値との差)を前
件(入力要素)とし、所謂ファジィ推論を用いて作動速
度の補正を行うようになっている。そして、ファジィ推
論を行うにあたり、安定度、偏差および作動速度のメン
バーシップ関数を図19の(A)、(B)に示す如く設
定すると共に、安定度および偏差に対する作動速度の関
係を図19の(C)に示すファジィルールに設定してい
るが、メンバーシップ関数およびファジィルールにおい
て、PBは正で大きい、PMは正で中間、PSは正で小
さい、ZOはゼロ、NBは負で大きい、NMは負で中
間、NSは負で小さいを意味する。即ち、安定度が高
く、かつ偏差が正である場合には、アクチュエータを負
の方向に速く作動し、安定度が高く、かつ偏差が負であ
る場合には、アクチュエータを正の方向に速く作動し、
安定度が中間で、かつ偏差が正である場合には、アクチ
ュエータを負の方向に中間速度で作動し、安定度が中間
で、かつ偏差が負である場合には、アクチュエータを正
の方向に中間速度で作動する等のファジィルールが予め
設定されている。
【0019】上記の前提を踏まえて作動速度補正制御を
具体的に説明すると、該制御では、前述した偏差を演算
し、しかる後、ファジィ推論を行う。ファジィ推論で
は、ファジィルールに設定されたルール毎(本実施例で
は5)に、安定度および偏差の適合度を前件メンバーシ
ップ関数に基づいて演算し、何れか低い方の値に基づい
て後件メンバーシップ関数上に領域を求める。そして、
各ルール毎に求めた領域を合成し、その横軸方向の重心
を作動速度として採用する。即ち、ニューラルネットワ
ークで演算した安定度情報を前件の一つとし、ファジィ
推論に基づいてアクチュエータの作動速度を自動的に補
正するため、安定度が高い場合には、アクチュエータの
作動速度を速くして応答性を優先し、安定度が低い場合
には、アクチュエータの作動速度を遅くして安定性を優
先する等の状況に応じた作動速度の補正が可能になる。
尚、本実施例では、予め開発用システムでファジィ推論
を実行し、その演算結果を実機のメモリに書き込んでい
るため、前記安定度および偏差に対応する作動速度をメ
モリから読み出す所謂テーブルルックアップ方式でファ
ジィ制御を実現している。
【0020】叙述の如く構成された本発明の実施例にお
いて、各種のセンサ値に基づいて作業部姿勢を自動制御
することになるが、圃場の凹凸に影響を受ける耕深セン
サ15、エンジン回転センサ33、ローリングセンサ3
1もしくはピッチングセンサ32の検出値変化を経時的
に記憶すると共に、該記憶データを階層型ニューラルネ
ットワークの入力データとして枕地判定情報を演算する
ため、精度の高い枕地判定情報をリアルタイムに取得し
て、枕地表示情報や自動制御へのフィードバック情報に
利用することができる。
【0021】しかも、本実施例では、予め開発用システ
ムでニューラルネットワークの学習を行い、その結果を
実機のメモリに書き込んでいるため、実際の作業では、
学習のための演算を行う必要がなく、その結果、制御部
16の負担を軽減してリアルタイムな枕地判定を行うこ
とができる。
【0022】また、本実施例では、演算した枕地判定情
報に基づいて枕地判定表示モニタ41に枕地判定結果を
表示するため、オペレータに確実に枕地を認識させるこ
とができる許りか、枕地に適合する制御感度(不感帯
幅、作動速度等)や制御方式(耕深自動制御と負荷自動
制御との手動切換等)の選択を促して自動制御の安定性
や精度の向上を計ることができる。
【0023】また、本実施例では、枕地判定結果を参照
し、そして、凹凸の小さい平耕状態では、リヤカバー変
位に基づいて作業部9を昇降制御する耕深自動自動制御
を実行する一方、凹凸の大きい枕地では、検出点に遅れ
が生じるリヤカバー変位を利用することなく、応答性に
優れるエンジン負荷変動に基づいて作業部9を昇降制御
する負荷自動制御を実行するため、オペレータによる制
御方式の切換操作を不要にして操作性を向上させること
ができる許りか、状況に適合しない作業方式を選択して
自動制御の安定性や精度を低下させる不都合も解消する
ことができる。
【0024】また、圃場中央部の一部に枕地に相当する
荒れた場所があった場合にも、枕地であると判定され、
該判定に基づいて制御方式が自動的に切換えられるた
め、枕地と同様の効果が得られるという利点がある。
【0025】また、本実施例では、耕深・負荷設定ボリ
ューム18を、耕深自動制御の目標耕深設定器および負
荷自動制御の目標負荷設定器に兼用しているため、部品
点数の削減を計ることができる許りか、設定操作を簡略
化して操作性も向上させることができる。
【0026】尚、本発明は、前記実施例に限定されない
ものであることは勿論であって、例えば枕地判定に利用
する検出センサとしては、機体もしくは作業部の左右傾
斜姿勢を検出するローリングセンサ、機体もしくは作業
部の前後傾斜を検出するピッチングセンサ、作業部の対
地高さ姿勢を検出する耕深センサ、作業部の作業負荷を
検出可能なエンジン回転センサ、エンジンガバナ開度セ
ンサ、作業部駆動軸回転センサ等を含むことは勿論であ
る。また、枕地判定情報に基づいて自動的に変更される
制御内容としては、制御感度(不感帯幅、作動速度)、
制御方式、制御アルゴリズム、制御パラメータ、ファジ
ィ推論のメンバーシップ関数、ファジィルール等が含ま
れる。
【0027】
【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、検出センサ(機体姿勢検出セン
サ、作業部姿勢検出センサもしくは作業負荷検出セン
サ)の検出信号に基づいて所定の自動制御を行うもので
あるが、検出センサの検出値変化を経時的に記憶する検
出値変化記憶手段と、記憶した検出値変化から枕地判定
情報を生成すべくニューラルネットワークによる演算を
行うニューロ演算手段とを備えるため、予め学習したニ
ューラルネットワークを用いて枕地判定情報を取得する
ことが可能になる。即ち、ニューラルネットワークで演
算した枕地判定情報に基づいて、枕地判定結果を表示し
たり、自動制御の制御内容(制御方式、制御感度等)を
自動的に変更することが可能になるため、オペレータ自
身による枕地判断や、手動による制御内容の変更操作を
不要にして操作性を向上させることができ、しかも、誤
った枕地判断や誤操作の惧れもないため、適合しない制
御内容で自動制御を実行して自動制御の安定性や精度を
低下させる不都合も解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】操作パネルの平面図である。
【図3】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図4】メインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】枕地判定制御を示すフローチャートである。
【図6】安定度判定制御を示すフローチャートである。
【図7】作動速度補正制御を示すフローチャートであ
る。
【図8】耕深自動制御の概念を示すブロック図である。
【図9】負荷自動制御の概念を示すブロック図である。
【図10】枕地判定用ニューラルネットワークを示すモ
デル図である。
【図11】ユニットを示すモデル図である。
【図12】逆誤差伝播を説明するモデル図である。
【図13】入力教師データおよび出力教師データを示す
表図である。
【図14】枕地および平耕の状態を示す平面図および断
面図である。
【図15】安定度判定用ニューラルネットワークを示す
モデル図である。
【図16】入力教師データおよび出力教師データを示す
表図である。
【図17】不感帯幅補正および作動速度補正の概念を示
すブロック図である。
【図18】安定度と不感帯幅の関係を示すグラフ図であ
る。
【図19】(A)は安定度のメンバーシップ関数を示す
グラフ図、(B)は作動速度のメンバーシップ関数を示
すグラフ図、(C)はファジィルールを示す表図であ
る。
【符号の説明】
1 走行機体 9 作業部 14 リヤカバー 15 耕深センサ 16 制御部 18 耕深・負荷設定ボリューム 31 ローリングセンサ 32 ピッチングセンサ 33 エンジン回転センサ 40 安定度表示モニタ 41 枕地判定表示モニタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体姿勢、作業部姿勢もしくは作業負荷
    を検出する検出センサと、該検出センサの検出信号に基
    づいて所定の自動制御を行う制御部とを備えてなる作業
    用走行車において、前記制御部に、検出センサの検出値
    変化を経時的に記憶する検出値変化記憶手段と、記憶し
    た検出値変化から枕地判定情報を生成すべくニューラル
    ネットワークによる演算を行うニューロ演算手段とを設
    けたことを特徴とする作業用走行車の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の制御部には、複数の検出セン
    サから入力した検出値変化を合成する検出値変化合成手
    段と、合成した検出値変化を経時的に記憶する検出値変
    化記憶手段と、記憶した検出値変化から枕地判定情報を
    生成すべくニューラルネットワークによる演算を行うニ
    ューロ演算手段とが設けられていることを特徴とする作
    業用走行車の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の制御部には、演算した枕地判
    定情報に基づいて表示装置に枕地判定結果を表示する枕
    地判定表示手段が設けられていることを特徴とする作業
    用走行車の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の制御部には、演算した枕地判
    定情報に基づいて制御内容もしくは制御感度を自動的に
    変更する制御変更手段が設けられていることを特徴とす
    る作業用走行車の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の制御部には、演算した枕地判
    定情報に基づいて作業部の対地高さ制御と作業負荷制御
    とを自動的に切換える制御切換手段が設けられているこ
    とを特徴とする作業用走行車の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、単一の設定器を、対
    地高さ制御の設定器と作業負荷制御の設定器とに兼用し
    たことを特徴とする作業用走行車の制御装置。
JP33580794A 1994-12-21 1994-12-21 作業用走行車の制御装置 Pending JPH08172812A (ja)

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