JPH08171914A - 電池用電極およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

電池用電極およびそれを用いた二次電池

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JPH08171914A
JPH08171914A JP6313348A JP31334894A JPH08171914A JP H08171914 A JPH08171914 A JP H08171914A JP 6313348 A JP6313348 A JP 6313348A JP 31334894 A JP31334894 A JP 31334894A JP H08171914 A JPH08171914 A JP H08171914A
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electrode
carbon fiber
fibers
carbon
battery
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JP6313348A
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Keizo Ono
惠三 小野
Hideo Saruyama
秀夫 猿山
Katsumi Yamasaki
山▲さき▼勝已
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(1) 中心線平均粗さ(Ra)が4nm以上であ
る凹凸を表面に有する炭素体から得られる平均長さ5m
m以下の炭素質材料からなる電池用電極。 (2) 上記1記載の電極を用いた二次電池。 【効果】本発明により、充放電容量の高い電池用電極お
よびそれを用いた二次電池を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維を用いた電
極、および該電極を用いた二次電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラやノート型パソコン
などのポータブル機器の普及に伴い、小型高容量の二次
電池に対する需要が高まっている。現在使用されている
二次電池のほとんどはアルカリ電解液を用いたニッケル
−カドミウム電池であるが、電池電圧が約1.2Vと低
く、エネルギー密度の向上は困難である。そのため、負
極に最も卑な金属であるリチウム金属を使用して、高エ
ネルギー二次電池の検討が行われてきた。
【0003】ところが、リチウム金属を負極に使用する
二次電池では、充放電の繰り返しによってリチウムが樹
枝状(デンドライト)に成長し、短絡を起こして発火す
る危険性がある。また、活性の高い金属リチウムを使用
するので、本質的に危険性が高く、民生用として使用す
るには問題が多い。近年、このような安全性の問題を解
決し、かつリチウム電極特有の高エネルギーが可能なも
のとして、各種炭素質材料を用いたリチウムイオン二次
電池が考案されている。この方法では、充電時、炭素質
材料に、リチウムイオンがドーピングされ、金属リチウ
ムと同電位になるので、金属リチウムの代わりに負極に
使用することができることを利用したものである。ま
た、放電時には、ドープされたリチウムイオンが負極か
ら脱ドーピングされて、もとの炭素質材料に戻る。この
ような、リチウムイオンがドーピングされた炭素質材料
を負極として用いた場合には、デンドライト生成の問題
もなく、また金属リチウムが存在しないため、安全性に
も優れていると言う特長があり、現在、研究開発が活発
に行われている。
【0004】上記の炭素質材料へのリチウムイオンのド
ーピングを利用した電極を利用した二次電池としては、
特開昭57−208079号公報、特開昭58−931
76号公報、特開昭58−192266号公報、特開昭
62−90863号公報、特開昭62−122066号
公報、特開平3−66856号公報等が公知である。こ
のような炭素質材料は、一般には粉末の形状をとってお
り、電極成型のためにはテフロンやフッ化ビニリデン等
のポリマの結着剤が必要である。ところが、炭素質材料
として、粉末でなく炭素繊維あるいは炭素繊維構造体を
用いると、結着剤を用いずに、あるいは、僅かの量で電
極を作成することが可能となる。さらには、電解質に対
する化学的安定性、ドーピングによる体積膨張に対する
構造安定性、繰り返し充放電特性などの点からも、炭素
繊維あるいは炭素繊維構造体が優れているとされる。こ
のような電極を用いた二次電池としては、特開昭60−
36315号公報、特開昭60−54181号公報、特
開昭62−103991号公報、特開昭62−1545
64号公報、特開昭63−58763号公報、特開平2
−82466号公報等が公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ムなどのイオンをドープした炭素質材料を利用した電極
では、電解質との接触の程度が不充分であり、本来有し
ている性能が十分発揮できないという問題と、重量当た
りのイオン濃度が低いので、充放電容量がリチウム金属
と比較してまだ低いという問題があった。
【0006】本発明はこれらの問題を解決することを目
的とし、充放電容量の高い電池用電極およびそれを用い
た二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の構成を有するものである。
【0008】「(1) 中心線平均粗さ(Ra)が4nm以
上である凹凸を表面に有する炭素体から得られる平均長
さ5mm以下の炭素質材料からなる電池用電極。
【0009】(2) 上記1記載の電極を用いた二次電
池。」 本願発明の炭素体の形態としては、粒子状炭素、炭素繊
維など特に限定されるものではないが、代表例として、
以下炭素繊維を例に挙げて説明する。
【0010】ここで、本発明で定義する、中心線平均粗
さ(Ra)とは、走査型トンネル顕微鏡(STM)を用
いて、得られる繊維軸に垂直な断面プロファイルから、
JIS−B0601−1982に準じて、粗さ曲線のデ
ジタルデータをフーリエ変換し、波長200nm以上の
フーリエ成分を除き、測定長を2.5μmとして求めた
値である。
【0011】表面が滑らかで平滑であればRaは小さく
なり、逆に、繊維表面にフィブリルが発達して粗であれ
ばRaは大きな値となる。
【0012】本発明の炭素体の表面のRaは4nm以
上、好ましくは5nm以上25nm以下である。Raが
4nmに満たない炭素繊維に比較して、本発明の炭素繊
維では比表面積が大きくなり、電解質との接触が改善さ
れ、電池特性が向上する。Raが25nmを超えると比
表面積そのものは増大して好ましいのであるが、繊維の
力学特性や集束性が低下し、例えば、電極の製造が煩雑
になる等の不都合が生じる。
【0013】本発明で採用したSTMの測定条件を下記
する。
【0014】装置 :NanoScope II (Digital I
nstruments 社製) D ヘッド( 最大走査範囲:8 μm 2 ) 使用 探針(tip) :タングステン電解研磨針 バイアス電圧:試料側 +1000 mV トンネル電流:0.10〜0.20 nA 走査モード :定電流モード(トポグラフィックモー
ド) 走査範囲 :3.5 μm 2 〜2.5 μm 2 走査速度 :0.2 Hz 測定環境 :室温、大気中 サンプリング:基板(貴金属をコーテイングしたシリコ
ンウエハ)上に銀ペーストで固定 本発明における炭素繊維としては、特に限定されるもの
ではなく、一般に有機物を焼成したものが用いられる。
具体的には、ポリアクリロニトリル(PAN)から得ら
れるPAN系炭素繊維、石炭もしくは石油などのピッチ
から得られるピッチ系炭素繊維、セルロースから得られ
るセルロース系炭素繊維、低分子量有機物の気体から得
られる気相成長炭素繊維などが挙げられるが、そのほか
に、ポリビニルアルコール、リグニン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、フルフ
リルアルコールなどを焼成して得られる炭素繊維でも構
わない。これらの炭素繊維の中で、電極および電池の特
性に応じて、その特性を満たす炭素繊維が適宜選択され
ることが好ましい。
【0015】上記炭素繊維の中で、アルカリ金属塩を含
む非水電解液を用いた二次電池の負極に使用する場合に
は、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭
素繊維が好ましい。特に、アルカリ金属イオン、特にリ
チウムイオンのドーピングが良好であるという点で、P
AN系炭素繊維が好ましく用いられる。
【0016】また、PAN系炭素繊維の場合には、焼成
する原糸をポリマ溶液から、湿式紡糸法や乾湿式紡糸法
で製造することができ、これらの製造方法では、原液に
適用する溶媒の種類や、濃度、および凝固浴の溶媒濃度
や温度によって、比較的容易に原糸の表面の粗滑度を制
御することができるので有利である。
【0017】また一般に繊維状素材は、繊維方向に配向
しているため方向性を持つ。このような繊維の焼成体で
ある炭素繊維も当然、配向性を持つが、この場合には配
向性を持つことは、炭素層面がほぼ一定方向に並んでい
ることを示している。活電極素材として炭素繊維を利用
する場合には、配向性が高過ぎると構造的に異方性が強
く、方向によってインターカレーションの起こりやすさ
が異なるために、容量が高くなりにくい傾向がある。ま
た、配向性が高過ぎると、焼成後の結晶化度が一般に高
く、そのため高容量が得られにくい傾向がある。すなわ
ち、適切な配向度を持つ炭素繊維が高容量の電池を製造
するための電極用素材として優れているのであり、本発
明において、結晶配向度を70〜85%の範囲に制御す
ることが好ましい。そのためには、炭素繊維を900℃
から1500℃の温度で焼成することが好ましい。
【0018】ここで繊維軸方向に対して炭素繊維中の炭
素層面がどの程度配向しているかを「配向度P」という
指標で示すとし、次の方法で測定することができる。
【0019】炭素繊維軸が垂直になるように繊維試料台
に配置し、X線(Cu,Kα)を直角方向から照射する
と、水平面内で回折角2θ=26°付近に(002)の
強い回折線が現れる。次に、入射X線に垂直な面内で炭
素繊維を回転させながら、水平面内で回折角2θ=26
°付近の位置で回折強度の回転角度依存性を測定する。
この強度の角度依存性から求められる半値幅を角度Hと
して、配向度Pは以下の式から算出される。
【0020】 P={(180−H)/180}×100(%) (1) 本発明においては、前記のとおりの適切な表面粗度に合
わせて、さらに、適切な配向度を持つ炭素繊維が高容量
炭素材として特に優れる。
【0021】以下、本発明にいう電池電極を構成する炭
素繊維の製造方法について、具体例を挙げながら詳述す
る。
【0022】PAN系炭素繊維を製造する方法として
は、特公昭37−4405号、特公昭44−21175
号、特公昭47−24185号、特公昭51−6244
号、その他数多くの公知の方法が挙げられる。ただし、
その多くは補強材としての炭素繊維を対象としたため、
結晶化度や結晶配向度を高くして強度や弾性率を高くす
ることを第一の目的としたものである。
【0023】本発明における適度な表面粗度を有する炭
素繊維は、例えば、適度な表面粗度を有する原糸を焼成
することにより得ることができる。この適度な表面粗度
を有する原糸は、ポリアクリロニトリルを溶媒に溶解
し、湿式紡糸あるいは乾湿式紡糸を行い、ポリマの凝固
条件として、フィブリルが発達し易く、また、スキン層
が厚く発達しにくい条件とすることにより、得ることが
できる。
【0024】ポリアクリロニトリルは95モル%以上の
アクリロニトリルと5%以下の共重合成分から構成され
るものが好ましい。共重合成分としては、耐炎化を促進
させる、効果を有するイタコン酸や、アクリル酸、メタ
アクリル酸等の有機酸系ビニルモノマ、および、繊維の
配向を緩和させる効果を有する、アクリル酸メチルやメ
タアクリル酸メチル等が好ましい。
【0025】ポリマの溶媒としては特に限定されるもの
ではなく、例えば、ジメチルフォルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルフォオキシド、硝酸、塩化
亜鉛水溶液、ロダン酸塩水溶液等があげられる。これら
の溶媒を用いた紡糸原液を湿式、あるいは、乾湿式紡糸
して凝固糸を得た後、延伸、水洗、給油、乾燥すること
により原糸を得ることができる。
【0026】前記したスキン層が厚く発達しにくい条件
は、例えば、溶媒をジメチルスルフォオキシドとした場
合には、紡糸原液のポリマ濃度を18%、原液温度を6
0℃、凝固浴のジメチルスルフォオキシドの濃度を55
%、凝固温度を60℃として、直接凝固浴中に紡出する
方法が挙げられる。
【0027】また、前述のように配向度を低くする技術
としては、製糸および焼成工程において、弛緩下で処理
することが簡便で効果的である。すなわち、原糸は延伸
倍率を低くすることにより製造し、また焼成工程の張力
を低くすること、さらには張力を実質的に無緊張とする
という技術的改善によって、低配向を有する炭素繊維の
製造が可能である。
【0028】ピッチ系炭素繊維、およびその他の有機重
合体を出発物質とする炭素繊維においても、同様な技術
思想によって、低配向の炭素繊維の製造が可能である。
【0029】本発明における炭素繊維を電極にする際に
は、上記適切な表面粗度を有する炭素体から得られる平
均長さが5mm以下、好ましくは1mm以下の炭素材料
を、溶媒、結着剤と混合してスラリーとなし、適切な方
法によりシート状に成形し、電極として使用する。この
場合、平均長さが5mmを越えると、シート化の作業性
が悪く、その結果電極性能が低下する。平均長さは、例
えば、SEM等の顕微鏡での観察により、20個以上の
炭素質材料の最も長い径を測定することにより求める。
炭素体の平均長さを5mm以下とする方法としては、切
断あるいは粉砕する方法が挙げられ、種々の粉砕機を使
用することが可能である。繊維長のばらつきはあまり大
きくない方が好ましく、その目安としては、充填嵩密度
が適切で、その範囲としては0.4g/cm3 〜1.1
g/cm3 、好ましくは0.6g/cm3 〜1.1g/
cm3 、さらに好ましくは0.7g/cm3 〜0.9g
/cm3 である。
【0030】本発明において用いられる炭素繊維の直径
は、それぞれの形態を採り易いように決められるべきで
あるが、好ましくは1 〜1000μmの直径の炭素繊維が用
いられ、1 〜20μmがさらに好ましい。また、異なった
直径の炭素繊維を数種類用いることも好ましいものであ
る。
【0031】本発明の、炭素繊維から構成される電極
は、各種電池の活電極として利用可能であり、一次電
池、二次電池など、どのような電池に利用されるかは特
に限定されるものではない。この中で、二次電池の負極
に好ましく用いられる。特に好ましい二次電池として
は、過塩素酸リチウム、硼フッ化リチウム、6フッ化リ
ン・リチウムのようにアルカリ金属塩を含む非水電解液
を用いた二次電池を挙げることができる。
【0032】本発明の電極をアルカリ金属塩を含む非水
電解液二次電池に用いる場合には、炭素繊維へのカチオ
ンあるいはアニオンのドーピングを利用したものであ
り、カチオンがドープされる炭素繊維を負極に、アニオ
ンがドープされる炭素繊維を正極に用いることとなる。
これらは、炭素繊維の各種特性によって、正極あるいは
負極に使用され得るべきものであるが、必ずしも両極を
本発明の電極にする必要はなく、本発明の炭素繊維より
構成される電極を負極に、炭素繊維を含まない電極を正
極にすることも好ましい実施態様となる。
【0033】炭素繊維を含まない電極を正極に用いる際
には、繊維以外の炭素質材料の他に、人造あるいは天然
の黒鉛粉末、フッ化カーボン、金属あるいは金属酸化物
などの無機化合物や有機高分子化合物などを正極として
用いることできる。この場合、金属あるいは金属酸化物
などの無機化合物を正極は、カチオンのドープと脱ドー
プを利用して充放電反応が生じる。有機高分子化合物の
際には、アニオンのドープと脱ドープにより充放電反応
が生じる。このように、物質により様々な充放電反応様
式を採るものであり、これらは必要とされる電池の正極
特性に応じて適宜選択されるものである。
【0034】炭素繊維を含まない正極としては、アルカ
リ金属を含む遷移金属酸化物や遷移金属カルコゲンなど
の無機化合物、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、
ポリフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリチオフェンなどの共役系高分子、ジスルフィド
結合を有する架橋高分子、塩化チオニルなど、通常の二
次電池において用いられる正極を挙げることができる。
これらの中で、リチウム塩を含む非水電解液を用いた二
次電池の場合には、コバルト、マンガン、モリブデン、
バナジウム、クロム、鉄、銅、チタンなどの遷移金属酸
化物や遷移金属カルコゲンが好ましく用いられる。
【0035】本発明の電極を用いた二次電池の電解液と
しては、特に限定されることなく従来の電解液が用いら
れ、例えば酸あるいはアルカリ水溶液、または非水溶媒
などが挙げられる。この中で、上述のアルカリ金属塩を
含む非水電解液からなる二次電池の電解液としては、プ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ-ブ
チロラクトン、N- メチルピロリドン、アセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォ
キシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、
ギ酸メチル、スルホラン、オキサゾリドン、塩化チオニ
ル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレンカーボネー
トや、これらの誘導体や混合物などが好ましく用いられ
る。電解液に含まれる電解質としては、アルカリ金属、
特にリチウムのハロゲン化物、過塩素酸塩、チオシアン
塩、ホウフッ化塩、リンフッ化塩、砒素フッ化塩、アル
ミニウムフッ化塩、トリフルオロメチル硫酸塩などが好
ましく用いられる。
【0036】本発明の電極を用いた二次電池の用途とし
ては、軽量かつ高容量で高エネルギー密度の特徴を利用
して、ビデオカメラ、パソコン、ワープロ、ラジカセ、
携帯電話などの携帯用小型電子機器に広く利用可能であ
る。
【0037】
【実施例】本発明の具体的実施態様を以下に実施例をも
って述べるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0038】実施例1 アクリロニトリル99.0モル%、メタアクリル酸1.
0モル%よりなるPANをジメチルスルホオキシド(D
MSO)に溶解して、18%の紡糸原液を得た。該原液
を60℃に加温してDMSO55%、60℃の凝固浴中
に直接紡出し、引き続き、50〜98℃の温水浴中で2
段階延伸を行い、その後80℃の温水中で溶媒のDMS
Oを水洗し浴延伸糸を得た。この浴延伸糸に非イオン系
の界面活性剤を付与してから120℃の加熱ローラで乾
燥して原糸を得た。これを原糸Aとする。
【0039】紡出の部分を、一旦空気中に紡出してか
ら、DMSO30%、温度5℃凝固浴に導入して低温か
つ低張力でゆっくりと凝固させる乾湿式紡糸方法を採用
し、延伸中の単糸間接着を紡糸するために浴温度を60
℃とした以外は原糸Aと同じ方法で原糸Bを得た。
【0040】上記の原糸A、およびBを200〜250
℃の弛緩率5%で耐炎化し、続いて窒素中弛緩率5%で
1100℃で5分間で焼成することにより、炭素繊維を
作製した。次に上記炭素繊維を破砕し、平均長さ30μ
mのミルドファイバーとした。平均長さは、SEM観察
により、20個の粒子の長さを測定し、平均値を求め
た。このミルドファイバーに、結着剤としてポリフッ化
ビニリデン10重量部を加え、溶媒に1−メチル・2−
ピロリドンを用いてスラリーを作成した。このスラリー
を銅箔の上に塗布後、乾燥して、電極を作成し、充電評
価を行った。電解液は、1m−LiBF4 を含むプロピ
レンカーボネート、対極および参照極には金属リチウム
箔を用いる、3極式セルで評価した。炭素繊維重量当た
りの電流密度は40mA/gの定電流で、0V(vs.Li+ /Li)ま
で充電した。
【0041】原糸A、およびBから得られた炭素繊維の
特性と、充電後に放電した電荷量から求められる炭素繊
維電極の放電容量を表1に示す。
【0042】
【表1】 実施例2 実施例1で用いた原糸Aを空気中で無緊張下で200℃
から250℃の温度範囲で耐炎化処理した後、窒素雰囲
気下、無緊張下で、5分間、1200℃付近で焼成し
た。処理時の全収縮率は原長に対して28%であった。
【0043】次に上記炭素繊維を破砕し、平均長さ30
μmのミルドファイバーとし、これに結着剤としてポリ
フッ化ビニリデン10重量部を加え、溶媒に1−メチル
・2−ピロリドンを用いてスラリーを作成した。このス
ラリーを銅箔のうえに塗布後乾燥して電極を作成し、充
電評価を行った。電解液は1M過塩素酸リチウムを含む
プロピレンカーボネート、対極および参照極には金属リ
チウム箔を用いる、3極式セルで評価した。炭素繊維重
量当たりの電流密度は40mA/gの定電流で、0V(vs.Li+
/Li)まで充電した。充電後に放電した電荷量から求めら
れる炭素繊維電極の放電容量は、370mAh/gであった。
【0044】実施例3 市販の炭酸リチウム(Li 2 CO3 ) と塩基性炭酸コバルト
(2CoCO3 ・3Co(OH) 2) を、モル比でLi/Co=1/1 となる
ように秤量、ボールミルにて混合後、900 ℃で20時間熱
処理してLiCoO 2 を得た。これをボールミルにて粉砕
し、導電材として人造黒鉛、結着材としてポリフッ化ビ
ニリデン(PVdF)、溶媒としてN−メチルピロリドンを用
い、重量比でLiCoO 2 / 人造黒鉛/PVdF =80/15/5 とな
るように混合し正極スラリーを調製し、このスラリーを
アルミ箔上に塗布、乾燥、プレスして正極を得た。
【0045】実施例2にて作製した炭素繊維電極を負極
にし、多孔質ポリプロピレンフィルム(セルガード#2
500、ダイセル化学(株)製)のセパレーターを介し
て、上記にて作成した正極とを重ね合わせて、二次電池
を作製した。電解液は、1M過塩素酸リチウムを含むプ
ロピレンカーボネートを用いた。
【0046】上記にて作製した二次電池の充電評価を行
った。炭素繊維重量当たりの電流密度は40mA/gの定電流
で、4.3Vまで充電した。充電後に放電した電荷量か
ら求められた該二次電池の放電容量は、この電池に使用
された炭素繊維の重量当たりで350mAh/gであった。
【0047】比較例1 実施例1の原糸Bで作製した炭素繊維電極を負極として
用い、実施例3と同様な方法で二次電池を作製した。こ
の電池に使用された炭素繊維の重量当たりで120mAh/gで
あった。
【0048】
【発明の効果】本発明により、充放電容量の高い電池用
電極およびそれを用いた二次電池を提供することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心線平均粗さ(Ra)が4nm以上であ
    る凹凸を表面に有する炭素体から得られる平均長さ5m
    m以下の炭素質材料からなる電池用電極。
  2. 【請求項2】該炭素体が、炭素繊維である請求項1記載
    の電池用電極。
  3. 【請求項3】該炭素繊維が、ポリアクリロニトリルから
    なる繊維を900℃から1500℃で焼成することによ
    って得られたものである請求項2記載の電池用電極。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の電極を用いた
    二次電池。
  5. 【請求項5】該炭素繊維が、ポリアクリロニトリルから
    なる繊維を900℃から1500℃で焼成することによ
    って得られたものである請求項4記載の二次電池。
JP6313348A 1994-12-16 1994-12-16 電池用電極およびそれを用いた二次電池 Pending JPH08171914A (ja)

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JP6313348A Pending JPH08171914A (ja) 1994-12-16 1994-12-16 電池用電極およびそれを用いた二次電池

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005115915A1 (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Mitsubishi Chemical Corporation 繊維状炭素微粒子およびその製造方法
JP2016177981A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 コニカミノルタ株式会社 電池用電極材料及び全固体リチウムイオン電池
WO2024065600A1 (zh) * 2022-09-30 2024-04-04 宁德新能源科技有限公司 负极材料、二次电池和电子装置

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