JPH08171873A - 真空外囲器および画像表示装置 - Google Patents

真空外囲器および画像表示装置

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JPH08171873A
JPH08171873A JP31344594A JP31344594A JPH08171873A JP H08171873 A JPH08171873 A JP H08171873A JP 31344594 A JP31344594 A JP 31344594A JP 31344594 A JP31344594 A JP 31344594A JP H08171873 A JPH08171873 A JP H08171873A
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vacuum envelope
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stuck
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JP31344594A
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Inventor
Koichi Kitagami
浩一 北上
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な量のゲッタをフラッシュしても飛散ゲ
ッタが電子放出素子等に被着することがなく、かつ、真
空外囲器内を均一な高真空状態に維持する。 【構成】 対向して設けられる基板1およびフェースプ
レート2とこれらの間に設けられる外枠3とによって構
成された外囲器と、該外囲器内に発生する残留ガス(気
体分子9)を吸着して排気効果を得るゲッタとを有する
真空外囲器において、外囲器内のゲッタが設けられた領
域を遮蔽する第1の形態(平板状の形状)と気体分子9
を自由に通過させる第2の形態(螺旋状の形状)のそれ
ぞれ異なる形態に展開可能であり、ゲッタが被着される
ゲッタ被着部材5を有している。ゲッタ被着部材5は、
ゲッタの被着が行なわれる際は第1の形態をとり、ゲッ
タが被着した後は第2の形態をとる。このゲッタ被着部
材5は、元形状が螺旋状の形状のものを低融点金属によ
って平板状に固定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビ、コンピュータ
用表示装置等の画像表示装置およびこれに具備される真
空外囲器に関する。
【0002】
【従来の技術】自発光型平板状画像表示装置にはプラズ
マディスプレイ、EL表示装置、電子線を用いたものが
あり、いずれのものにおいても大画面化、高精細化の要
求が高まっている。これらの装置のうち、電子線を用い
るものとしては、例えば特開平2-299136号公報に開示さ
れている薄型の画像表示装置がある。この公報に開示さ
れている装置は、フェースプレート、基板及び外枠から
なる真空外囲器内に電子ビームを発生する電子源として
表面伝導型電子放出素子が配置された構成となってお
り、該表面伝導型電子放出素子から放出される電子ビー
ムを加速してフェースプレート上に形成されている蛍光
体に照射し、発光させて画像表示するものである。以
下、この薄型の画像表示装置の構成について詳しく説明
する。
【0003】図6は、上記公報に開示される表面伝導型
電子放出素子を用いた平板状画像表示装置の部分断面図
である。
【0004】図6において、801はソーダガラス等の
絶縁材で構成された基板、802は表面伝導型電子放出
素子、803は感光ガラスでできた大気圧支持部材、8
04はアルミ薄膜のメタルバック806で覆われた蛍光
体805をパネル内側に有するソーダガラスからなるフ
ェースプレート、807はフリットガラス、808は外
枠である。
【0005】基板801とフェイスプレート804は大
気圧支持部材803によって所定の間隔に支持されてお
り、これらと外枠808とによって真空外囲器が形成さ
れている。この真空外囲器は、該真空外囲器の所定部に
取り付けられた排気管(不図示)を通して外部の真空ポ
ンプにより真空排気され、所定の真空圧のものとなって
いる。なお、基板801とフェイスプレート804は大
気圧支持部材803によって支持されており、これによ
り、大面積に渡って多数素子を配列形成された場合にお
ける大気圧によるフェイスプレート804等の歪みが防
止される。
【0006】表面伝導型電子放出素子802は外部駆動
回路(不図示)に接続され、メタルバック806は高圧
ケーブルを介して高圧電源に接続されている。
【0007】図7は、図6に示した表面伝導型電子放出
素子802の概略構成を示す部分拡大図である。
【0008】図7において、902,903は一定間隔
(2ミクロン程度)を隔てて設置された素子電極、90
4は有機Pd(CCP4230奥野製薬株式会社製)を
塗布して形成した薄膜、905はフォーミングと呼ぶ通
電処理によって薄膜904上に形成された電子放出部で
ある。
【0009】ここで、フォーミングとは素子電極90
2,903間に電圧を印加して局所的に薄膜904を破
壊、変形もしくは変質せしめて、該薄膜904に電気的
に高抵抗状態となる部分を形成することをいい、この形
成された電気的に高抵抗状態となる部分が電子放出部9
05である。なお、電子放出部905としては、薄膜9
04の一部に発生した亀裂を用いることもある。この場
合、亀裂付近から電子放出が行なわれる。
【0010】上述の薄膜の他、表面伝導型電子放出素子
を形成することができる薄膜としては、SnO2薄膜、
Au薄膜によるもの(G.Ditter: "Thin Solid Films",
9, 317(1972))、In23/SnO2薄膜によるもの
(M.Hartwell and C.G.Fonstad:"IEEE Trans. ED Con
f.", 519(1975))、カーボン薄膜によるもの(荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22(1983))等が報告され
ている。
【0011】上述のように構成される画像表示装置で
は、真空外囲器内はおよそ1×10-6torr程度の真空度
にゲッタ(不図示)によって維持されており、以下のよ
うにして画像表示が行なわれる。
【0012】真空外囲器内が所定の真空度に保たれた状
態で、外部駆動回路(不図示)によって表面伝導型電子
放出素子802の素子電極902,903に駆動パルス
を印加すると、電子放出部905から電子がビーム状に
放出される。このとき、蛍光体805およびメタルバッ
ク806には高電圧(1kV〜10kV)が印加されて
おり、これによって電子放出部905から放出された電
子が加速されて、蛍光体805に衝突する。この衝突に
より、蛍光体805が発光し、画像が表示される。
【0013】なお、上述の画像表示装置に用いられる電
子源としては、表面伝導型電子放出素子の他、熱カソー
ドを用いた熱電子源、電界放出型電子放出素子(W.P.Dy
ke &W.W.Dolan,"Field emission",Advance in Electron
Physics,8,89(1956)、またはC.A.Spindt,"Physical pr
operties of thin-film field emission cathodeswith
molybdenum cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等)、
金属/絶縁層/金属型電子放出素子(C.A.Mead,"The tu
nnel-emission amplifier,J.Appl.Phys.,32,646(1961)
等)が知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように真空外囲器内の圧力をゲッタによって高真空状態
に維持する画像表示装置には、以下のような問題点があ
る。
【0015】図8は、図6に示した従来の画像表示装置
におけるゲッタによる高真空維持を説明するための図
で、基板801上にゲッタ剤コンテナ固定治具102お
よびゲッタ剤コンテナ103がT字状に設けられたもの
が示されている。図8に示すようなものの場合、ゲッタ
をフラッシュさせて飛散させると、飛散ゲッタが被着さ
せてはならない部分、例えば電子放出素子802等にま
で被着してしまう。そのため、良好な画像表示が得られ
ないという問題点がある。
【0016】上記飛散ゲッタの電子放出素子等への被着
の問題を、ゲッタ剤コンテナ固定治具を遮蔽板として兼
用することによって解決したものがある。図9は、ゲッ
タ剤コンテナ固定治具を遮蔽板として兼用する従来の画
像表示装置におけるゲッタによる真空維持を説明するた
めの図で、基板801上に設けられたゲッタ剤コンテナ
固定治具102が遮蔽板となるように、ゲッタ剤コンテ
ナ103’がゲッタ剤コンテナ固定治具102の側面に
取り付けられたものが示されている。
【0017】しかし、図9に示すようなものの場合、飛
散ゲッタはゲッタ剤コンテナ固定治具102およびゲッ
タ剤コンテナ103’によって囲まれた領域以外へは被
着しないものの、ゲッタ剤コンテナ固定治具102およ
びゲッタ剤コンテナ103’が遮蔽板となるため、真空
外囲器内に浮遊している気体分子のゲッタが付着された
領域への侵入が困難となってしまう。そのため、ゲッタ
剤被着領域における残留ガスの捕獲が不十分となり、高
真空維持が難しくなるという問題点がある。さらには、
ゲッタ剤コンテナ固定治具102およびゲッタ剤コンテ
ナ103’の遮蔽作用により、真空外囲器内の圧力が不
均一なものとなってしまい、表示画像に輝度ムラが生じ
るという問題点がある。なお、このような問題は画面サ
イズが大きければ大きいほど、また画面が薄型になれば
なるほど顕著なものとなる。
【0018】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であって、十分な量のゲッタをフラッシュしても飛散ゲ
ッタが電子放出素子等に被着することがなく、かつ、真
空外囲器内を均一な高真空状態に維持することができる
真空外囲器およびこれを具備した画像表示装置を提供す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の真空外囲器は、対向して設けられる基板お
よびフェースプレートと該基板およびフェースプレート
の間に設けられる外枠とによって構成された外囲器と、
該外囲器内に発生する残留ガスを吸着して排気効果を得
るゲッタとを有する真空外囲器において、上記外囲器内
のゲッタが設けられた領域を遮蔽する第1の形態と上記
残留ガスを自由に通過させる第2の形態のそれぞれ異な
る形態に展開可能であり、上記ゲッタが被着されるゲッ
タ被着部材を有し、上記ゲッタ被着部材は、上記ゲッタ
の被着が行なわれる際は上記第1の形態をとり、ゲッタ
が被着した後は上記第2の形態をとることを特徴とす
る。
【0020】この場合、ゲッタ被着部材は、平板状の形
状を第1の形態とし、螺旋状の形状を第2の形態とする
ものであって、外囲器内のゲッタが設けられた領域を遮
蔽するように上記平板状の形状で設けられており、ゲッ
タの被着が行なわれた後に上記螺旋状の形状に展開され
るようにしてもよい。
【0021】さらに、ゲッタ被着部材は、元形状が螺旋
状の形状のものを低融点金属によって平板状に固定した
ものであり、該ゲッタ被着部材の螺旋状の形状への展開
を上記低融点金属の溶融によって行なうことにしてもよ
い。
【0022】また、上述の目的を達成するため、本発明
の画像表示装置は、上述の真空外囲器を具備した画像表
示装置であって、上記真空外囲器内には、電子ビームに
より蛍光体を励起して発光させ、前記フェースプレート
上に画像を表示する画像表示部材が設けられており、前
記真空外囲器内のゲッタが設けられた領域と前記画像表
示部材が設けられた領域とが前記ゲッタ被着部材の第1
の形態によって遮蔽されていることを特徴とする。
【0023】
【作用】上述のように構成される本発明の真空外囲器で
は、外囲器内のゲッタが設けられた領域はゲッタ被着部
材により遮蔽されているので、フラッシュによりゲッタ
が飛散した際、飛散ゲッタが遮蔽された領域以外の領域
へ侵入することはない。
【0024】また、本発明の真空外囲器では、ゲッタ被
着部材はフラッシュにより飛散したゲッタが被着された
後、螺旋状に展開される。この展開によってゲッタ被着
部材の遮蔽作用がなくなり、該ゲッタ被着部材を残留ガ
スが自由に通過することとなる。このようにゲッタ被着
部材を残留ガスが自由に通過することになると、ゲッタ
被着部材および真空外囲器内面に被着したゲッタの残留
ガスの捕獲効率が向上するので、排気効果を大きなもの
とすることができ、真空外囲器内の到達圧力を低くする
ことができる。さらに、ゲッタ被着部材が螺旋状に展開
されることによってゲッタ被着部材による遮蔽作用がな
くなるので、ゲッタによって排気された真空外囲器内の
圧力は均一なものとなる。
【0025】上記作用を有する真空外囲器が具備される
本発明の画像表示装置では、真空外囲器内のゲッタが設
けられた領域と画像表示部材が設けられた領域とがゲッ
タ被着部材によって遮蔽されているので、フラッシュに
よりゲッタが飛散した際、該飛散ゲッタが画像表示部材
が設けられた領域に侵入して該画像表示部材に被着する
ことはない。このように飛散ゲッタが画像表示部材に被
着することのない画像表示装置では、十分なゲッタ量を
フラッシュしてゲッタによる排気効果を大きなものとす
ることができるので、真空外囲器内の到達圧力を低くす
ることができ、良好な表示画像を提供することができ
る。
【0026】また、本発明の画像表示装置では、ゲッタ
被着後、ゲッタ被着部材は上述の如く螺旋状に展開され
るので、ゲッタによって排気された真空外囲器内の圧力
は均一なものとなる。よって、本発明の画像表示では、
従来のように真空外囲器内の圧力が不均一になって表示
画像に輝度ムラが生じることはない。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0028】図1(a)は本発明の一実施例の画像表示
装置の概略を示す構成図、図1(b)はゲッタ被着部材
の一例を示す図である。
【0029】図1において、1は基板、2はフェースプ
レート、3は外枠、4は基板1上に設けられた電子放出
素子、5はゲッタ被着部材である。同図では、基板1と
フェースプレート2および外枠3によって真空外囲器が
形成されており、電子放出素子4が設けられている領域
とゲッタ領域6とがゲッタ被着部材5によって遮蔽され
たものとなっている。
【0030】ここで用いられているゲッタ被着部材5
は、図1(b)に示めすように、長方形の板に切れ目を
入れて螺旋状に展開できるようにしたもので、螺旋状に
引き伸ばした状態を元形状とするよう加工されている。
【0031】以下、上述のように構成される画像表示装
置におけるゲッタ被着部材5の作用について説明する。
【0032】図2は、図1(a)に示す画像表示装置の
A−A断面図で、(a)はゲッタが被着される状態(ゲ
ッタ被着部材5が低融点金属で平板状に固着された状
態)を示す図、(b)は気体分子が捕獲される状態(ゲ
ッタ被着部材5が螺旋状に展開された状態)を示す図で
ある。
【0033】図2において、7はフェースプレート2に
取り付けられたゲッタ剤コンテナ固定治具、8はゲッタ
剤コンテナ固定治具7に取り付けられたゲッタ剤コンテ
ナ、9は真空外囲器内を浮遊している気体分子である。
ゲッタ剤コンテナ固定治具7およびゲッタ剤コンテナ8
は、カギ状にフェースプレート2に取り付けられてい
る。
【0034】本実施例の画像表示装置では、まず、図2
(a)に示す状態でゲッタをフラッシュして飛散させ
る。このとき、図2(a)に示す状態では、ゲッタ被着
部材5は低融点金属で平板状に固着された状態となって
いるので、ゲッタ剤コンテナ固定治具7およびゲッタ剤
コンテナ8が設けられた領域(図中のゲッタ領域6)が
ゲッタ被着部材5によって遮蔽されている。そのため、
フラッシュにより飛散したゲッタは、電子放出素子4等
が設けられた領域に侵入することなく、ゲッタ被着部材
5によって遮蔽されたゲッタ領域6内の基板1、フェー
スプレート2、外枠3およびゲッタ被着部材5のそれぞ
れの表面へ被着する。このように、本実施例では、ゲッ
タ被着部材5が電子放出素子領域とゲッタ領域6とを完
全に隔離しているので、飛散ゲッタの回り込みがなく、
フラッシュゲッタ量を制限する必要がない。
【0035】上記のようにしてゲッタの被着が行なわれ
た後、図2(b)に示すように、平板状に固着されたゲ
ッタ被着部材5を螺旋状に展開させる。平板状に固着さ
れていたゲッタ被着部材5が螺旋状に展開されると、遮
蔽板としての作用がなくなり、真空外囲器内の気体分子
9が螺旋状に展開されたゲッタ被着部材5を自由に通過
できるようになる。このゲッタ被着部材5を通過した気
体分子9は、上記ゲッタ領域6内の基板1、フェースプ
レート2、外枠3およびゲッタ被着部材5のそれぞれの
表面へ被着したゲッタによって捕獲される。この結果、
真空外囲器内は、均一な高真空の状態に維持される。
【0036】なお、上記のようにしてゲッタ被着部材5
を螺旋状に展開させる場合、その展開によってゲッタ被
着部材5の一部がゲッタ剤コンテナ固定治具7あるいは
ゲッタ剤コンテナ8にぶつかることが想定される。この
問題は、図1(b)に示すゲッタ被着部材5の寸法bと
図2(a)に示すゲッタ剤コンテナ固定治具7およびゲ
ッタ剤コンテナ8で構成される部分の寸法aとを b>
a の条件を満たす値に設定することにより解決するこ
とができる。
【0037】上述のようにして真空外囲器内が比較的均
一な高真空の状態に維持された画像表示装置では、電子
放出部4から放出された電子が加速されて蛍光体(不図
示)に衝突し、この衝突により蛍光体が発光し、画像が
表示される。
【0038】ここで、本実施例の画像表示装置に用いら
れる表面伝導型電子放出素子の具体的な構成について説
明する。
【0039】図3(a)は本実施例の画像表示装置に用
いられた表面伝導型電子放出素子の概略構造を示す平面
図、図3(b)は図3(a)に示す表面伝導型電子放出
素子のB−B断面図である。
【0040】図3において、11は基板、12,13は
一定の間隔で基板11上に配置された素子電極、14は
薄膜、15は薄膜14にフォーミングによって形成され
た電子放出部、16は素子配線である。
【0041】素子電極12,13は膜厚1000ÅのA
uで形成されており、素子電極間隔Lを2ミクロン、素
子電極長さWを500ミクロンとしてある。薄膜14
は、有機金属溶液である有機パラジウム(CCP423
0、奥野製薬株式会社製)含有溶液を塗布した後、30
0℃で10分間の加熱処理をして形成されたパラジウム
を主成分とする微粒子(平均微粒径70Å)からなる膜
で形成されている。電子放出部15は、粒径が数十Åの
導電性微粒子からなる膜で形成されている。
【0042】なお、本実施例の画像表示装置に用いられ
る電子源には、上記表面伝導型電子放出素子の代わり
に、熱カソードを用いた熱電子源や電界放出型電子放出
素子等が用いられてもよい。
【0043】次に、上述のように構成される本実施例の
画像表示装置の具体的な実験例、および従来の画像表示
装置の具体的な比較例を挙げ、これらを比較して本発明
の具体的な特徴について説明する。
【0044】<実験例>図4は、本発明の具体的な実験
例の画像表示装置の概略を示した構成図である。
【0045】図4において、21は基板、22はフェー
スプレート、23は外枠、24はゲッタ被着部材、25
はフェースプレート22に取り付けられたゲッタ剤コン
テナ固定治具、26はゲッタ剤コンテナ固定治具25に
取り付けられたゲッタ剤コンテナである。
【0046】基板21およびフェースプレート22は、
材質がソーダガラスからなっている。基板21の大きさ
は300mm×350mmとなっており、フェースプレ
ート22の大きさは260mm×286mmとなってい
る。基板21とフェースプレート22との間隙は4mm
である。なお、フェースプレート22上には蛍光体(不
図示)が塗布され、さらにメタルバック(不図示)形成
されている。
【0047】ゲッタ剤コンテナ26には、BaAlを主
成分とするゲッタが配置されており、ゲッタ剤コンテナ
固定治具25によりフェースプレート22にカギ状に固
定されている。
【0048】ゲッタ被着部材24は、図1(a)に示し
たものと同様の螺旋状に展開できるものであり、中心が
低融点金属で固着されて平板状のものとなっている。こ
のゲッタ被着部材24は、後述する真空外囲器内の、ゲ
ッタ剤コンテナ26がゲッタ剤コンテナ固定治具25に
より固定された領域と電子放出部等が形成された領域と
を遮蔽するように設けられている。
【0049】本実験例の画像表示装置では、上記のよう
に構成される真空外囲器が以下の手順により作製され
る。
【0050】まず、基板21とフェースプレート22と
で外枠23を挟み、それぞれが接する部分にフリットガ
ラスLS−0206(日本電気硝子(株)製)を塗布し
て450℃で10分間加熱した後、封着して真空外囲器
を形成する。続いて、排気管(不図示)を通して外部の
真空ポンプにより真空外囲器内を 1×10-5 torr程度
まで真空排気する。
【0051】真空外囲器内が1×10-5 torr程度まで
真空排気されると、三角波形(底辺1msec、周期10ms
ec、波高値5V)の電圧パルスを60秒間印加してフォ
ーミングを行ない、電子放出部を形成する。
【0052】電子放出部を形成した後、真空外囲器全体
を130℃で24時間加熱脱ガス処理を行なう。さら
に、ゲッタを350kHzの高周波でフラッシュしてゲ
ッタ被着部材24等に被着させた後、上記排気管を封止
切る。
【0053】最後に、ゲッタ被着部材24の中心を固着
していた低融点金属を500kHzの高周波で誘導加熱
により溶かし、ゲッタ被着部材24を螺旋状に展開させ
る。以上の手順によって、高真空な真空外囲器を作製し
た。
【0054】<比較例>図5は図4に示した画像表示装
置と対比するための従来の画像表示装置の概略構成図
で、図9に示した画像表示装置と同様、ゲッタ剤コンテ
ナ固定治具を遮蔽板として兼用するものを示した図であ
る。
【0055】図5において、31は基板、32はフェー
スプレート、33は外枠、35はフェースプレート32
に取り付けられたゲッタ剤コンテナ固定治具、36はゲ
ッタ剤コンテナ固定治具35に取り付けられたゲッタ剤
コンテナである。
【0056】本比較例の画像表示装置は、ゲッタ被着部
材が設けられていない以外は図4に示した画像表示装置
とほぼ同様の構成のものであり、同様の手順によって作
製されたものである。
【0057】なお、本比較例では、ゲッタ剤コンテナ3
6はゲッタ剤コンテナ固定治具35によって基板31に
カギ状に固定されている。また、ゲッタ剤コンテナ固定
治具35とフェースプレート32との間隙Cは1mm
(基板31とフェースプレート32との間隙4mmの4
分の1)としてある。これは、ゲッタリング面積が上述
の実験例のものに比べて著しく小さくならないようにす
ることと、電子放出素子が形成された領域内の残留ガス
がゲッタ領域(ゲッタ剤コンテナ固定治具35により遮
蔽された領域)に侵入可能な最低限の間隔とすることを
考慮したものである。
【0058】上述の<実験例>の画像表示装置と<比較
例>の画像表示装置のそれぞれを一定時間駆動した結
果、<実験例>のものにおいては良好な表示画像が得ら
れ、<比較例>のものにおいては画像表示面内に輝度ム
ラが発生した。この結果から、<実験例>の画像表示装
置に関し、以下のような特徴がいえる。
【0059】<実験例>の画像表示装置においては、
ゲッタの被着の際、飛散ゲッタは平板状のゲッタ被着部
材によって完全に遮蔽されており、この遮蔽作用によっ
て電子放出素子等へのゲッタ被着が防止されるととも
に、ゲッタ被着部材等への十分なゲッタの被着を可能と
している。よって、<実験例>のものは、構造上の理由
からゲッタ被着量の制限を受ける<比較例>のものに比
べて、十分なゲッタの被着が行なわれている。
【0060】また、<実験例>の画像表示装置におい
ては、ゲッタ被着後、ゲッタ被着部材が螺旋状に展開さ
れるため、この展開によって気体分子(残留ガス)の通
過が自由となり、これにより、ゲッタ被着部材に被着し
たゲッタの気体分子の捕獲が効率良く行なわれる。よっ
て、<実験例>のものは<比較例>のものに比べて、ゲ
ッタによる排気効果が優れたものとなっており、到達圧
力が低くなっている。
【0061】さらに、上記のゲッタ被着部材が螺旋
状に展開されることから、<実験例>のものは、ゲッタ
剤コンテナ固定治具の遮蔽作用を受ける<比較例>のも
のに比べて、真空外囲器内の圧力が均一なものとなって
いる。
【0062】以上説明した本実施例の画像表示装置おい
て、ゲッタ被着部材は、平板状のものを螺旋状に展開で
きるようにしたものとなっているが、このゲッタ被着部
材の展開は真空外囲器内の残留ガスが自由に通過するこ
とができる形状であればよく、螺旋状に限定されるもの
ではない。
【0063】また、本実施例に用いられるゲッタ被着部
材は、形状記憶効果を有する熱弾性型マルテンサイト変
態系合金を用いたものであってもよく、この場合は、熱
を用いた形状記憶効果による部材の伸縮が利用される。
【0064】さらに、本実施例の画像表示装置における
ゲッタ被着部材の設置方法は、ゲッタの設置方法との兼
ね合いから種々の方法が選択されるものであり、上述の
説明または図面に記載された構成に限定されるものでは
ない。
【0065】なお、本発明の画像表示装置を大画面の平
板状画像表示装置とする場合は、基板とフェースプレー
トの間に図6に示したような大気圧支持部材を設けるこ
とが望ましい。
【0066】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0067】請求項1乃至請求項3に記載のものにおい
ては、ゲッタ被着部材はゲッタが被着された後に螺旋状
等に展開され、この展開によってゲッタ被着部材を残留
ガスが自由に通過することとなり、ゲッタ被着部材およ
び真空外囲器内面に被着したゲッタの残留ガスの捕獲効
率が向上する。したがって、排気効果を大きなものとす
ることができ、真空外囲器内の到達圧力を低くすること
ができるという効果がある。さらには、ゲッタ被着部材
が展開されることによって、ゲッタによって排気された
真空外囲器内の圧力を均一なものとすることができると
いう効果がある。
【0068】請求項4に記載のものにおいては、ゲッタ
被着部材の遮蔽効果によって飛散ゲッタが画像表示部材
に被着することがないので、良質の画像を表示すること
ができるという効果がある。
【0069】さらに、飛散ゲッタが画像表示部材に被着
することのない画像表示装置では、十分なゲッタ量をフ
ラッシュしてゲッタによる排気効果を大きなものとする
ことができるので、真空外囲器内の到達圧力を低くする
ことができ、良好な表示画像を提供することができると
いう効果がある。
【0070】さらに、ゲッタ被着部材は飛散ゲッタが被
着された後、螺旋状等に展開されるので、真空外囲器内
をゲッタによって均一に排気することができ、輝度ムラ
のない良好な画像を表示することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例の画像表示装置の概
略を示す構成図、(b)はゲッタ被着部材の一例を示す
図である。
【図2】図1(a)に示す画像表示装置のA−A断面図
で、(a)はゲッタが被着される状態(ゲッタ被着部材
5が低融点金属で平板状に固着された状態)を示す図、
(b)は気体分子が捕獲される状態(ゲッタ被着部材5
が螺旋状に展開された状態)を示す図である。
【図3】(a)は本実施例の画像表示装置に用いられた
表面伝導型電子放出素子の概略構造を示す平面図、
(b)は図3(a)に示す表面伝導型電子放出素子のB
−B断面図である。
【図4】本発明の具体的な実験例の画像表示装置の概略
を示した構成図である。
【図5】図4に示した画像表示装置と対比するための従
来の画像表示装置の概略構成図で、図9に示した画像表
示装置と同様、ゲッタ剤コンテナ固定治具を遮蔽板とし
て兼用するものを示した図である。
【図6】従来の表面伝導型電子放出素子を用いた平板状
画像表示装置の部分断面図である。
【図7】図6に示した表面伝導型電子放出素子802の
概略構成を示す部分拡大図である。
【図8】図6に示した画像表示装置における従来のゲッ
タによる真空維持を説明するための図で、基板801上
にゲッタ剤コンテナ固定治具102およびゲッタ剤コン
テナ103がT字状に設けられたものが示されている。
【図9】図8における飛散ゲッタの電子放出素子802
への被着を防止した従来のゲッタによる真空維持を説明
するための図で、基板801上に設けられたゲッタ剤コ
ンテナ固定治具102が遮蔽板となるように、ゲッタ剤
コンテナ103’がゲッタ剤コンテナ固定治具102の
側面に取り付けられたものが示されている。
【符号の説明】
1,11,21,31 基板 2,22,32 フェースプレート 3,23,33 外枠 4,802 電子放出素子 5,24 ゲッタ被着部材 6 ゲッタ領域 7,25,35 ゲッタ剤コンテナ固定治具 8,26,36 ゲッタ剤コンテナ 9 気体分子 12,13,902,903 素子電極 14,904 薄膜 15,905 電子放出部 16 素子配線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して設けられる基板およびフェース
    プレートと該基板およびフェースプレートの間に設けら
    れる外枠とによって構成された外囲器と、該外囲器内に
    発生する残留ガスを吸着して排気効果を得るゲッタとを
    有する真空外囲器において、 前記外囲器内のゲッタが設けられた領域を遮蔽する第1
    の形態と前記残留ガスを自由に通過させる第2の形態の
    それぞれ異なる形態に展開可能であり、前記ゲッタが被
    着されるゲッタ被着部材を有し、 前記ゲッタ被着部材は、前記ゲッタの被着が行なわれる
    際は前記第1の形態をとり、ゲッタが被着した後は前記
    第2の形態をとることを特徴とする真空外囲器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の真空外囲器において、 ゲッタ被着部材は、平板状の形状を第1の形態とし、螺
    旋状の形状を第2の形態とするものであって、外囲器内
    のゲッタが設けられた領域を遮蔽するように前記平板状
    の形状で設けられており、ゲッタの被着が行なわれた後
    に前記螺旋状の形状に展開されることを特徴とする真空
    外囲器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の真空外囲器において、 ゲッタ被着部材は、元形状が螺旋状の形状のものを低融
    点金属によって平板状に固定したものであり、該ゲッタ
    被着部材の螺旋状の形状への展開を前記低融点金属の溶
    融によって行なうことを特徴とする真空外囲器。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の真空外囲器を具備した画像表示装置であって、 前記真空外囲器内には、電子ビームにより蛍光体を励起
    して発光させ、前記フェースプレート上に画像を表示す
    る画像表示部材が設けられており、 前記真空外囲器内のゲッタが設けられた領域と前記画像
    表示部材が設けられた領域とが前記ゲッタ被着部材の第
    1の形態によって遮蔽されていることを特徴とする画像
    表示装置。
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