JPH08171759A - 磁気テープのローディング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁気テープをテープカセットから引出して回
転ヘッドドラムおよびキャプスタンに巻掛けるためのロ
ーディング装置２１において、カムギア６９の回転によ
る駆動レバー６４の変位によって、テープ引出アーム４
２およびピンチアーム４３は矢符５９ｂ方向に回転し、
ローディング状態となる。この状態では、テープ引出ア
ーム４２の係合ピン５５は駆動レバー６４の案内面６４
ｂを摺動しているため、さらに駆動レバー６４が変位し
てピンチオン状態になっても、テープ引出アーム４２の
位置は変わらずローディング状態で保持されたままとな
る。 【効果】 共通のレバー６４によってアーム４２，４３
を駆動し、シャーシがスライドしない簡便な構成にも実
現可能とし、かつ部品点数の削減および省スペース化を
図るとともに、シャーシに対するピンチアーム４３およ
びテープ引出アーム４２の回転精度を向上することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
やデジタルオーディオテープレコーダ等で好適に実施さ
れ、テープカセットから磁気テープを引出して回転ヘッ
ドドラムに巻付けを行うとともに、キャプスタンとピン
チローラとの間に挟持させる磁気テープのローディング
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】前記ビデオテープレコーダなどの回転ヘ
ッドドラムを有する磁気テープ記録再生装置では、上述
のようにテープカセットから磁気テープを引出して回転
ヘッドドラムに巻付けを行うとともに、ピンチローラと
キャプスタンとの間に挟み込ませるために、テープカセ
ットの搬送が終了した状態でカセットマウス内にあった
ピンチローラおよびテープ引出ガイドが、ローディング
動作の開始とともに揺動変位して磁気テープを引出すよ
うに構成されている。このようなローディング装置の典
型的な従来技術として、特開昭６１−２９６５５７号公
報が挙げられる。

【０００３】図７および図８は、このような従来技術の
ローディング装置１の要部を簡略化して示す平面図であ
る。図７は、ピンチローラ２を支持するピンチアーム３
の動作を示す。ピンチローラ２はピンチアーム３の一端
部３ａに、ピン４によって回動自在に取付けられてい
る。前記ピンチアーム３は、図示しない固定シャーシ上
を、テープカセットを乗載して矢符５ａ，５ｂ方向に変
位することができる移動シャーシに立設されたピン６に
よって揺動自在に支持されている。前記ピン６にはま
た、複動アーム７の基端部７ａが揺動自在に支持されて
いる。複動アーム７の遊端部７ｂにはガイドピン８が立
設されており、このガイドピン８は前記固定シャーシに
ピン１３によって揺動自在に支持される案内部材９に形
成された案内溝９ａ内に嵌り込んでおり、前記移動シャ
ーシの変位に従うピン６の変位に伴って、案内溝９ａ内
を摺動変位してゆく。前記複動アーム７は、前記ピンチ
アーム３の他端部３ｂとの間において、引張ばね１０に
よって連結されている。

【０００４】したがって、図７（ａ）で示される状態で
テープカセットのリール台などへの装着が終了すると、
前記移動シャーシが矢符５ａ方向に変位され、これによ
ってガイドピン８が案内溝９ａ内を摺動してゆき、ピン
チアーム３が前記矢符５ａ方向と平行に変位されるとと
もに、矢符１２ａ方向に揺動変位されてキャプスタン１
１に近接し、図７（ｂ）で示すローディング状態でピン
チオフの状態となる。このピンチオフの状態では、ピン
チローラ２はキャプスタン１１に圧接していない。

【０００５】磁気テープが走行されるときにはさらに案
内部材９が矢符１４方向へ揺動変位され、図７（ｃ）で
示すようにピンチローラ２がキャプスタン１１に圧接し
たピンチオンの状態となって、磁気テープの走行が可能
となる。これによって、ピンチアーム３に作用する矢符
１２ｂ方向の力と引張ばね１０の弾発力とが釣合い、ピ
ンチローラ２は常に所定の押圧力でキャプスタン１１へ
向けて押圧され、磁気テープの安定した走行が可能とな
る。

【０００６】同様に図８で示すように、テープ引出ガイ
ド１５は、図示しない移動シャーシに立設されたピン１
６によって揺動自在に支持されているテープ引出アーム
１７の一端部１７ａに取付けられており、テープ引出ア
ーム１７の他端部１７ｂには、案内部材１８に摺接する
ガイドピン１９が立設されている。テープ引出アーム１
７は、図示しない巻ばねなどによって矢符１２ｂ方向に
弾発的に付勢されている。したがって図８（ａ）で示す
テープカセットのリール台などへの装着が終了した状態
から、移動シャーシ、すなわちテープ引出アーム１７が
矢符５ａ方向に変位駆動されると、ガイドピン１９は案
内部材１８の第１案内面１８ａによって前記巻ばねの弾
発力に抗して矢符１２ａ方向に揺動変位され、その後第
２案内面１８ｂで保持されて、図８（ｂ）で示すローデ
ィング状態となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では、
ピンチアーム３およびテープ引出アーム１７を支持する
ピン６，１６は移動シャーシ上に立設されており、した
がってこの移動シャーシが乗載され、回転ヘッドドラム
およびキャプスタンなどを搭載する固定シャーシに対し
て、ピンチローラ２およびテープ引出ガイド１５の精度
を高く保つことができないという問題がある。また、移
動シャーシの部品点数、重量および厚さが嵩むととも
に、ピンチアーム３およびテープ引出アーム１７をそれ
ぞれ駆動するための個別の案内部材９，１８が必要とな
り、さらにまたこれらの案内部材９，１８それぞれに案
内溝９ａならびに第１および第２案内面１８ａ，１８ｂ
などのカム溝が必要となってしまう。

【０００８】本発明の目的は、シャーシがスライドしな
い簡便な構成にも対応可能であり、かつ部品点数を削減
し省スペース化を図るとともに、高い精度を確保するこ
とができる磁気テープのローディング装置を提供するこ
とである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係る磁
気テープのローディング装置は、磁気テープ上に記録再
生を行う回転ヘッドドラムにテープカセットから磁気テ
ープを引出して所定の巻付角で巻掛ける磁気テープのロ
ーディング装置において、基台に揺動自在に支持され、
一端部にピンチローラを回動自在に支持するピンチアー
ムと、基台に揺動自在に支持され、一端部にテープ引出
ガイドが立設されるテープ引出アームと、前記基台に揺
動自在に支持され、一端部に駆動手段からの駆動力が伝
達され、他端部が前記ピンチアームおよびテープ引出ア
ームの他端部に係合し、アンローディング状態から磁気
テープを引出してローディング状態とするときには前記
ピンチアームおよびテープ引出アームをともに変位駆動
し、前記ローディング状態のピンチオフ状態からピンチ
ローラがキャプスタンに圧接したピンチオン状態とする
ときには前記テープ引出アームを保持し、かつピンチア
ームのみをさらに変位駆動することができる駆動レバー
とを含むことを特徴とする。

【００１０】また請求項２の発明に係る磁気テープのロ
ーディング装置では、前記ピンチアームおよびテープ引
出アームは、それぞれ揺動中心に支持軸および支持筒が
立設され、前記基台に立設された円筒状のボスに対し
て、前記支持筒が該ボスの外周面で枢支され、支持軸が
該ボスの内周面で枢支されることによって、基台に揺動
自在に支持されることを特徴とする。

【００１１】

【作用】請求項１の発明に従えば、ビデオテープレコー
ダやデジタルオーディオテープレコーダなどのように、
回転ヘッドドラムによって磁気テープ上に記録再生を行
う装置に用いられ、テープカセットから磁気テープを引
出して、前記回転ヘッドドラムに所定の巻付角で巻掛け
る磁気テープのローディング装置において、一端部にピ
ンチローラを回動自在に支持するピンチアームと、一端
部にテープ引出しガイドが立設されるテープ引出しアー
ムとを共通の駆動レバーによって駆動する。

【００１２】前記ピンチアーム、テープ引出アームおよ
び駆動レバーは、それぞれ基台に揺動自在に支持されて
いる。駆動レバーは、その一端部に、たとえば該一端部
に立設されたホロアピンが駆動手段である駆動歯車のカ
ム溝に嵌り込むことによって駆動力が伝達され、この駆
動レバーの他端部が前記ピンチアームおよびテープ引出
アームの他端部に係合することによって、ピンチアーム
およびテープ引出アームが揺動変位されるようになる。

【００１３】すなわち、テープカセットの搬送が終了し
ただけのアンローディング状態からローディング状態と
するために、駆動レバーはまずピンチアームおよびテー
プ引出アームを変位駆動し、これによってカセットマウ
ス内にあったピンチローラおよびテープ引出ガイドがキ
ャプスタンおよび回転ヘッドドラム方向に近接変位して
ゆき、磁気テープはローディング状態で、かつピンチロ
ーラとキャプスタンとが僅かに間隔をあけたピンチオフ
状態となる。さらに駆動レバーが変位すると、テープ引
出アームは保持されたままで、ピンチアームのみがさら
に変位駆動され、ピンチローラがキャプスタンに圧接し
て磁気テープの記録再生を可能とするピンチオン状態と
なる。

【００１４】したがって、ピンチアームおよびテープ引
出アームはともに、直接基台に対して揺動自在に支持さ
れて共通の駆動レバーによって変位駆動され、かつこの
駆動レバーは基台上をスライド変位するのではなく、揺
動変位するので、シャーシがスライドしない簡便な構成
にも実施することができるとともに、がたつきなどを抑
えて、高い精度を確保することができる。また、部品点
数の削減とともに省スペース化を図ることができる。

【００１５】また好ましくは請求項２の発明に従えば、
ピンチアームおよびテープ引出アームを支持するため
に、該ピンチアームおよびテープ引出アームには、それ
ぞれ揺動中心に支持軸および支持筒が立設されている。
これに対応して前記基台には、円筒状のボスが立設され
ている。テープ引出アームの支持筒はボスの外周面に嵌
め込まれて枢支され、またピンチアームの支持軸はボス
の内周面に嵌め込まれて枢支される。

【００１６】したがって、共通の軸を用いて、かつ２つ
のアームを相互に干渉することなく、揺動自在に支持す
ることができる。

【００１７】

【実施例】本発明をいわゆるデジタルビデオテープレコ
ーダに適用した一実施例について、図１〜図６に基づい
て説明すれば以下の通りである。

【００１８】図１は本実施例に係るローディング装置２
１の動作を説明するための平面図であり、図２はそのロ
ーディング装置２１の動作を説明するための該ローディ
ング装置２１が用いられるデジタルビデオテープレコー
ダ２２の天板およびテープカセット２３の上蓋を取外し
た状態を示す平面図である。

【００１９】テープカセット２３が図示しない搬送手段
によって、図２（ａ）で示す所定の装填位置まで搬送さ
れて装着が終了すると、カセットマウス２７内に、ピン
チローラ３１、テープ引出ガイド３２、ガイドローラ３
３，３４、傾斜ガイド３５，３６およびテンションロー
ラ３７が嵌り込んでいる。

【００２０】テープカセット２３の装着が終了すると、
図２（ｂ）で示すような、磁気テープ３８をテープカセ
ット２３から引出して、回転ヘッドドラム３９およびキ
ャプスタン４０に巻掛けるローディング動作が可能とな
る。前記ローディングにあたっては、まず、テンション
ローラ３７、テープ引出ガイド３２およびピンチローラ
３１が、それぞれテンションアーム４１、テープ引出ア
ーム４２およびピンチアーム４３の揺動変位に伴って磁
気テープ３８をカセットマウス２７から引出す。

【００２１】次に、傾斜ガイド３５およびガイドローラ
３３が立設された巻取側のポールベース４５、ならびに
傾斜ガイド３６およびガイドローラ３４が立設された供
給側のポールベース４６が、それぞれガイドレール４
７、４８上を変位して、磁気テープ３８が所定の巻付角
で前記回転ヘッドドラム３９に巻掛けられるとともに、
キャプスタン４０およびガイドローラ４９に巻掛けられ
る。

【００２２】ただしこの図２（ｂ）で示す状態は、テン
ションアーム４１がロックされ、かつピンチローラ３１
がキャプスタン４０から僅かに間隔をあけて配置される
ピンチオフ状態であり、磁気テープ３８の走行は停止さ
れている。

【００２３】記録再生などのための磁気テープ３８の走
行時には、テープ引出アーム４２は保持されたまま、さ
らにピンチアーム４３が変位されてピンチローラ３１が
キャプスタン４０に圧接し、図２（ｃ）で示すピンチオ
ン状態となる。

【００２４】図３はローディング装置２１における前記
ピンチアーム４３およびテープ引出アーム４２に関連す
る構成の組立状態を説明するための平面図であり、図４
はその側面図である。これら図３および図４ならびに図
１を参照して、ピンチアーム４３の揺動中心には支持軸
５１が立設されており、またテープ引出アーム４２の揺
動中心には支持筒５２が取付けられている。

【００２５】ピンチアーム４３の一端部４３ａには、ピ
ン５３によってピンチローラ３１が回動自在に支持され
ている。またこのピンチアーム４３の、前記揺動中心か
ら前記一端部４３ａへの途中には、図４において僅かに
下方に立下がった後、該ピンチアーム４３の揺動面と平
行に延びる当接片４３ｂが形成され、さらにまた他端部
４３ｃには、挿通孔４３ｄが形成されるとともに、掛止
片４３ｅが延設されている。

【００２６】前記テープ引出アーム４２は、その一端部
４２ａにピン５４によってテープ引出ガイド３２が立設
されている。またこのテープ引出ガイド４２の基端部４
２ｂには、係合ピン５５が立設されている。

【００２７】前記テープ引出アーム４２とピンチアーム
４３との間には、複動アーム５６が介在されている。こ
の複動アーム５６には、前記ピンチアーム４３の当接片
４３ｂに対向するように、図４において上方に立上げら
れた後、揺動面と平行に延設される当接片５６ａと、前
記支持軸５１が挿通する挿通孔５６ｂと、長孔５６ｃ
と、掛止孔５６ｄとが形成されている。

【００２８】前記ピンチアーム４３の掛止片４３ｅと前
記掛止孔５６ｄとの間には、引張ばね５７が張架されて
いる。また、テープ引出アーム４２の支持筒５２の外周
面には巻ばね５８が巻回されており、この巻ばね５８の
一端部５８ａは前記係合ピン５５に、他端部５８ｂはシ
ャーシ２４に立設された図示しないピンに係合し、テー
プ引出アーム４２を矢符５９ａ方向に弾発的に付勢して
いる。

【００２９】これに対応して、シャーシ２４には係止孔
２４ａが形成され、この係止孔２４に円筒状のボス６２
が圧入されて、該ボス６２は立設されている。前記テー
プ引出アーム４２は、その支持筒５２の外周面に巻ばね
５８が巻回された後、該支持筒５２の内周面にボス６２
が嵌め込まれて、該ボス６２を揺動中心として、矢符５
９ａ，５９ｂ方向に揺動変位が可能となる。またピンチ
アーム４３の支持軸５１は、前記複動アーム５６の挿通
孔５６ｂを挿通した後、ボス６２の内周面に嵌り込み、
シャーシ２４の裏面２４ｂ側に突出した該支持軸５１の
先端部には、カットワッシャ６３が嵌め込まれて抜け止
めが行われる。こうしてピンチアーム４３とテープ引出
アーム４２とは、相互に干渉することなく、ボス６２を
揺動中心として揺動変位が可能となる。

【００３０】このようにして、シャーシ２４に組付けら
れた状態で、ピンチアーム４３およびテープ引出アーム
４２のそれぞれの他端部４３ｃおよび基端部４２ｂに対
向するように、駆動レバー６４が配置される。この駆動
レバー６４は、前記シャーシ２４に立設されたピン６５
が挿通した後、その先端部にカットワッシャ６６が嵌め
込まれて抜け止めが行われることによって、シャーシ２
４に対して揺動変位自在に支持される。

【００３１】駆動レバー６４の側面の内、前記テープ引
出アーム４２の係合ピン５５に対応して、第１案内面６
４ａと、ピン６５からの距離が一定の円弧面から成る第
２案内面６４ｂとが形成される。またその一端部６４ｃ
には、前記複動アーム５６の長孔５６ｃおよびピンチア
ーム４３の挿通孔４３ｄに対応して、駆動ピン６７が立
設されている。駆動レバー６４の他端部６４ｄには駆動
ピン６８が立設されており、この駆動ピン６８はシャー
シ２４に回転自在に取付けられているカムギア６９のカ
ム溝７０に嵌り込んでいる。カムギア６９には、図示し
ないモータなどの駆動手段からの駆動力が減速歯車など
で減速された後、与えられている。

【００３２】図５は、駆動レバー６４によるテープ引出
アーム４２の変位駆動状態を説明するための平面図であ
る。前記カム溝７０は、大略的に、回転中心からの距離
が等しい第１案内溝７０ａと、前記第１案内溝７０ａに
連なり周方向の変化に伴って半径方向外方へ延びる第２
案内溝７０ｂと、前記第２案内溝７０ｂに連なり回転中
心からの距離が等しい第３案内溝７０ｃと、前記第３案
内溝７０ｃに連なり周方向の変化に対して半径方向外方
に延びる第４案内溝７０ｄとを備えて構成されている。

【００３３】前記図２（ａ）および図１（ａ）で示すア
ンローディング状態では、図５（ａ）で示すように、駆
動ピン６８は第１案内溝７０ａに位置し、このときテー
プ引出アーム４２は前記巻ばね５８の弾発力によって矢
符５９ａ方向に付勢されて、係合ピン５５は第１案内面
６４ａに当接している。

【００３４】ローディング動作のために図５（ｂ）で示
すように、カムギア６９が矢符７１方向に回転される
と、駆動ピン６８は第１案内溝７０ａから第２案内溝７
０ｂを摺動し、これによって駆動レバー６４が矢符７２
ａの方向に揺動し、その第１案内面６４ａが巻ばね５８
の弾発力に抗して係合ピン５５を押圧して、図１（ｂ）
で示すようにテープ引出アーム４２が矢符５９ｂ方向に
変位される。駆動ピン６８が第２案内溝７０ｂから第３
案内溝７０ｃに到達すると、前記係合ピン５５は第１案
内面６４ａを乗越えて第２案内面６４ｂに移り、図１
（ｃ）および図２（ｂ）に対応した図５（ｃ）で示すロ
ーディングが完了した状態となる。

【００３５】この後、カムギア６９がさらに矢符７１方
向に回転駆動され、図５（ｄ）で示すように駆動ピン６
８が第４案内溝７０ｄに到達し、図１（ｄ）および図２
（ｃ）に示すピンチオン状態となっても、駆動レバー６
４の矢符７２ａ方向の揺動変位に対して、係合ピン５５
はピン６５から等距離の第２案内面６４ｂ上を摺動し、
したがってテープ引出アーム４２は図５（ｃ）で示すピ
ンチオフの状態と同一の状態で保持されている。

【００３６】図６は、前記駆動レバー６４の揺動変位に
対するピンチアーム４３の変位動作を説明するための平
面図である。前記図２（ａ）および図１（ａ）で示すア
ンローディング状態では、駆動レバー６４の駆動ピン６
８はカムギア６９の第１案内溝７０ａ内に位置し、この
状態では駆動ピン６７は長孔５６ｃおよび挿通孔４３ｄ
を挿通しており、図６（ａ）で示すように、ピンチアー
ム４３と複動アーム５６とは、引張ばね５７の弾発力に
よってそれぞれの当接片４３ｂ，５６ａが当接して一体
となっている。

【００３７】図６（ｂ）で示されるように、駆動ピン６
８が第２案内溝７０ｂに移ると、駆動ピン６７は長孔５
６ｃ内を摺動してゆき、これによってピンチアーム４３
と複動アーム５６とは当接片４３ｂ，５６ａが相互に当
接して一体となったままで、矢符５９ｂ方向に揺動変位
してゆく。駆動ピン６８が第３案内溝７０ｃに到達する
と、図１（ｃ）、図２（ｂ）および図６（ｃ）で示すよ
うに、ピンチローラ３１はキャプスタン４０に極近接し
た状態で、かつ僅かの隙間をあけて保持されるローディ
ングが完了した状態で、かつピンチオフ状態となる。こ
のとき、ピンチアーム４３と複動アーム５６とは、引張
ばね５７の弾発力によって一体化されたままである。

【００３８】図６（ｄ）で示されるように、さらにカム
ギア６９が矢符７１方向に回転駆動されて駆動ピン６８
が第４案内溝７０ｄに到達すると、ピンチアーム４３お
よび複動アーム５６はさらに前記矢符５９ｂ方向に揺動
変位される。これによって、図１（ｄ）および図２
（ｃ）でも示すピンチローラ３１がキャプスタン４０に
当接したピンチオン状態となると、引張ばね５７の弾発
力に抗して、複動アーム５６のみが矢符５９ｂ方向にさ
らに揺動変位することになる。このとき当接片４３ｂ，
５６ａは相互に離間し、また駆動ピン６７は挿通孔４３
ｄ内を遊挿して、ピンチアーム４３に前記引張ばね５７
の弾発力によって発生される押圧力以上の力が加わるこ
とはない。こうしてピンチオン状態では、カムギア６９
の回転量の誤差などに対しても、ピンチローラ３１は常
に所望とする押圧力でキャプスタン４０に圧接される。

【００３９】したがって、以上のように本発明に従うロ
ーディング装置２１では、テープ引出アーム４２および
ピンチアーム４３を共通の駆動レバー６４によって変位
駆動することができ、部品点数を削減し、かつ省スペー
ス化を図ることができる。また、これらテープ引出アー
ム４２及びピンチアーム４３を支持するボス６２は、従
来技術で述べたような移動シャーシなどの変位する部材
ではなく、シャーシ２４に直接立設されているので、シ
ャーシがスライドしない簡便な構成にも実施することが
できるとともに、がたつきなどが少なく、高い精度を確
保することができる。さらにまた、テープ引出アーム４
２とピンチアーム４３とを共通のボス６２の外周側と内
周側とでそれぞれ支持するようにしたので、これによっ
てもまた、相互干渉が生じることなく、省スペース化を
図ることができる。

【００４０】本発明は、ビデオテープレコーダに限ら
ず、デジタルオーディオテープレコーダなどの回転ヘッ
ドドラムを有する他の磁気テープの記録再生装置にも好
適に実施することができる。また、駆動レバーを回転式
にしていたが、シフターのように直線運動するレバーに
しても同様の動作を行えることは言うまでもない。

【００４１】

【発明の効果】請求項１の発明の磁気テープのローディ
ング装置では、以上のように、ピンチローラを支持する
ピンチアームとテープ引出ガイドが立設されるテープ引
出アームとを共通の駆動レバーによって揺動変位駆動す
るようにし、かつ前記ピンチアームおよびテープ引出ア
ームは、それぞれ直接基台に揺動自在に支持されてい
る。

【００４２】それゆえ、シャーシがスライドしない簡便
な構成にも実施することができるとともに、がたつきな
どを抑えて、高い精度を確保することができる。また、
部品点数の削減とともに、省スペース化を図ることがで
きる。

【００４３】また好ましくは、請求項２の発明の磁気テ
ープのローディング装置は、以上のように、ピンチアー
ムおよびテープ引出アームの揺動中心にそれぞれ支持軸
および支持筒を立設しておき、基台に立設された円筒状
のボスの外周面によって前記支持筒を枢支し、内周面で
支持軸を枢支する。

【００４４】それゆえ、共通の軸を用いて、２つのアー
ムを相互に干渉することなく、基台に対して高い精度で
揺動自在に支持することができ、省スペース化も図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るローディング装置の動
作を説明するための平面図である。

【図２】前記ローディング装置が用いられるデジタルビ
デオテープレコーダのローディング動作を説明すための
簡略化した平面図である。

【図３】前記ローディング装置におけるピンチアームお
よびテープ引出アームに関連する構成の組立状態を説明
するための平面図である。

【図４】前記ローディング装置におけるピンチアームお
よびテープ引出アームに関連する構成の組立状態を説明
するための側面図である。

【図５】前記ローディング装置におけるテープ引出アー
ムの動作を説明するための平面図である。

【図６】前記ローディング装置におけるピンチアームの
動作を説明するための平面図である。

【図７】典型的な従来技術のローディング装置における
ピンチアームの動作を説明するための平面図である。

【図８】前記従来技術のローディング装置におけるテー
プ引出アームの動作を説明するための平面図である。

【符号の説明】

２１ ローディング装置 ２２ デジタルビデオテープレコーダ ２３ テープカセット ２４ シャーシ（基台） ２７ カセットマウス ３１ ピンチローラ ３２ テープ引出ガイド ３３ ガイドローラ ３４ ガイドローラ ３７ テンションローラ ３８ 磁気テープ ３９ 回転ヘッドドラム ４０ キャプスタン ４２ テープ引出アーム ４３ ピンチアーム ５１ 支持軸 ５２ 支持筒 ５６ 複動アーム ５７ 引張ばね ５８ 巻ばね ６２ ボス ６４ 駆動レバー ６７ 駆動ピン ６８ 駆動ピン ６９ カムギア ７０ カム溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気テープ上に記録再生を行う回転ヘッド
   ドラムにテープカセットから磁気テープを引出して所定
   の巻付角で巻掛ける磁気テープのローディング装置にお
   いて、 基台に揺動自在に支持され、一端部にピンチローラを回
   動自在に支持するピンチアームと、 基台に揺動自在に支持され、一端部にテープ引出ガイド
   が立設されるテープ引出アームと、 前記基台に揺動自在に支持され、一端部に駆動手段から
   の駆動力が伝達され、他端部が前記ピンチアームおよび
   テープ引出アームの他端部に係合し、アンローディング
   状態から磁気テープを引出してローディング状態とする
   ときには前記ピンチアームおよびテープ引出アームをと
   もに変位駆動し、前記ローディング状態のピンチオフ状
   態からピンチローラがキャプスタンに圧接したピンチオ
   ン状態とするときには前記テープ引出アームを保持し、
   かつピンチアームのみをさらに変位駆動することができ
   る駆動レバーとを含むことを特徴とする磁気テープのロ
   ーディング装置。
2. 【請求項２】前記ピンチアームおよびテープ引出アーム
   は、それぞれ揺動中心に支持軸および支持筒が立設さ
   れ、前記基台に立設された円筒状のボスに対して、前記
   支持筒が該ボスの外周面で枢支され、支持軸が該ボスの
   内周面で枢支されることによって、基台に揺動自在に支
   持されることを特徴とする請求項１記載の磁気テープの
   ローディング装置。