JPH08170699A - 自動変速機の組立方法並びに自動変速機 - Google Patents

自動変速機の組立方法並びに自動変速機

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JPH08170699A
JPH08170699A JP6312216A JP31221694A JPH08170699A JP H08170699 A JPH08170699 A JP H08170699A JP 6312216 A JP6312216 A JP 6312216A JP 31221694 A JP31221694 A JP 31221694A JP H08170699 A JPH08170699 A JP H08170699A
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Application number
JP6312216A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Tsukamoto
一雅 塚本
Masahiro Hayabuchi
正宏 早渕
Masaaki Nishida
正明 西田
Takashi Morimoto
隆 森本
Kaoru Ono
薫 大野
Kengo Nomura
健吾 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リヤケースに多板ブレーキをスプライン嵌合
する自動変速機の組立ての容易化を図る。 【構成】 ブレーキB5をアウタレース70の外スプラ
イン70bに嵌合してリテーナ97により抜止める。ブ
レーキB5の外摩擦板86をリヤケース133 の内スプ
ライン91に嵌合してスナップリング96で抜止める。
この状態では、ブレーキB5、一方向クラッチF3及び
プラネタリギヤ11が、リヤケース133に一体に組込
まれてサブアッシーとなる。該サブアッシーを、変速機
構部が組込まれたアクスルケース132 にその上方から
被せるようにして組付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の組立方法
並びにそれにより組立てられた自動変速機に係り、詳し
くはリヤケース等の組立ての最終段階で上方から蓋をす
るケース部材に、多板ブレーキ係止用のスプラインが形
成されている自動変速機の組立方法並びに自動変速機に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動変速機は、2個のプラネタ
リギヤからなる3速自動変速機構に、1個のプラネタリ
ギヤからなるオーバドライブ(OD)機構又はアンダー
ドライブ(UD)機構を付設して、前進4速、後進1速
にて構成されている。本出願人も、例えば特開昭62−
93535号公報に示すように、シングルプラネタリギ
ヤ及びデュアルプラネタリギヤを組合せたギヤユニット
からなる主変速機構に、1個のシングルプラネタリギヤ
からなるアンダードライブ機構を付設して、前進4速及
び後進1速からならなる自動変速機を実現している。該
自動変速機は、軸方向寸法の短縮化を図って、エンジン
横置きタイプのF・F用車輌に適用して車輌搭載性能を
向上している。
【0003】近時、自動変速機は、燃費及び走行性能の
向上等の要求により、前進5速等の多段化が望まれてい
る。そこで、本出願人は、特開昭63−145848号
公報に示すように、第1軸に、シングルプラネタリギヤ
及びデュアルプラネタリギヤを組合せてなる主変速機構
を配設し、また第2軸に、シンプソンタイプの副変速機
構を配設した自動変速装置を提案した。これにより、主
変速機構は、僅かな変更で前進3速及び4速を得られ、
3速からなる副変速機構との組合せで、自動変速機全体
で5速又は6速を得られる。
【0004】上記多段自動変速機は、主変速機構の変更
により異なる変速段を得るようにしているが、主変速機
構の変更は、実際上大きな構成の変更を必要とすると共
に、4速にするには軸方向に寸法増加を伴い、コストア
ップ及び車輌搭載性の課題を解決して実用化するには、
まだ大きな問題点が存在する。
【0005】そこで、本出願人は、前記前進3速からな
る主変速機構とアンダードライブ機構からなる副変速機
構の組合せからなる4速自動変速機を基本構造とし、そ
の第2軸に配置された副変速機構に僅かな変更を加えて
3速とし、もって車輌搭載性を維持したままで、前進5
速を得ると共に、部品を共通化して、コストアップを抑
制することのできる自動変速機を提案している(未公
開)。
【0006】ところで一般に、自動変速機は、一体構成
されるトランスアクスルハウジング、トランスアクスル
ケース及びトランスアクスルリヤケースに内蔵されてな
るが、前記4速自動変速機は、多数のプラネタリギヤ、
クラッチ及びブレーキを有する主変速機構及び副変速機
構がトランスアクスルケースに組込まれ、最終段階で、
該トランスアクスルケースのリヤ側を上にした状態でリ
ヤケースを上方から蓋して組立てられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した5速自動変速
機にあっては、1個のシングルプラネタリギヤ、(第3
の)ワンウェイクラッチ及び(第5の)ブレーキが追加
配置されると共に、リヤケースが新たな部品となり、か
つトランスアクスルケースが4速自動変速機と共通なも
のを修正加工して用いられる。このため、前記新設部品
は、リヤケース部分に配置されることになるが、特に多
板ブレーキの外側摩擦板がリヤケースに形成された内ス
プライン溝に係合することになる。
【0008】従って、上述した4速自動変速機の組立て
と同様に、最終段階でリヤケースを上方から被せて組立
てようとすると、リヤケースの内スプライン溝に多数の
ブレーキ摩擦板の外スプラインを1枚ずつ嵌合させて組
付けることになるが、実際にはワンウェイクラッチのイ
ンナレースに形成されたスプラインも同時に係合される
こととなり、そのような組付け方法は不可能であった。
【0009】実際に、この種5速自動変速機を組立てる
には、組立て途中において何回も反転し、主変速機構を
組付けた状態でリヤケースを被せ、そしてリヤ側が下に
なるようにして副変速機構をリヤケースに組込むことに
なるが、この方法であっても、ブレーキの内側摩擦板を
外スプライン溝に嵌合すると共にシャフトをスプライン
嵌合する必要があり、極めて面倒であると共に、上述し
た4速自動変速機の組立方法と大幅に相違してしまい、
部品の共通化を図ったものでありながら、組立てライン
においてコストアップを招いてしまう虞れがある。
【0010】そこで、本発明は、ブレーキを、ケース部
に予め組付けると共に下方に向けても落下しないように
保持し、もってサブアッシーとして組立ての容易化を図
った自動変速機の組立方法並びにそれにより組立て得る
自動変速機を提供することを目的とするものである。
【0011】なお、上記課題は、上述した5速自動変速
機に限らず 既に組付けた変速機構部に、ブレーキをス
プライン嵌合するケース部材を上方から被せるようにし
て組立てる自動変速機にあって共通するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、その請求項1に係る発明は、
第1のケース部材(132 )に内包されている第1の変
速機構部(I)と、該第1の変速機構部に軸方向に隣接
して配置され、該第1の変速機構部にスプライン嵌合
(6a,69a)により連結される第2の変速機構部
(II)と、第2のケース部材(133 )に形成された内
スプライン(91)に嵌合する外側摩擦板(86)と、
前記第2の変速機構部(II)に設けられた外スプライン
(70b)に嵌合する内側摩擦板(85)とを有する多
板ブレーキ手段(B5)と、を備えてなる自動変速機
(1)において、前記内側摩擦板(85)を前記外スプ
ライン(70b)に嵌合して、前記多板ブレーキ手段
(B5)を前記第2の変速機構部(II)に組付けると共
に、該ブレーキ手段が前記第2の変速機構部から離れな
いように抜止め・保持する第1の工程(イ)と、該第2
の変速機構部(II)に抜止め・保持された前記多板ブレ
ーキ手段(B5)を、前記外側摩擦板(86)を前記内
スプライン(91)に嵌合して前記第2のケース部材
(133 )に組付けると共に、該ブレーキ手段が前記第
2のケースから離れないように抜止め・保持する第2の
工程(イ′)と、前記第1のケース部材(132 )に、
前記第1の変速機構部(I)を組付ける第3の工程
(ニ)と、前記第2の工程にて、前記第2のケース部材
に前記第2の変速機構部及び前記多板ブレーキ手段を抜
止め・保持して組込んだサブアッシーを、前記第3の工
程にて前記第1の変速機構部(I)を組込んだ第1のケ
ース部材(132 )に、前記第1の変速機構部(I)に
第2の変速機構部(II)をスプライン嵌合(6a,69
a)しつつ組付ける第4の工程(ヌ)と、を備えてなる
ことを特徴とする自動変速機の組立方法にある。
【0013】また、請求項2に係る本発明は、第1のケ
ース部材(132 )に内包されている第1の変速機構部
(I)と、該第1の変速機構部に軸方向に隣接して配置
され、該第1の変速機構部にスプライン嵌合(6a,6
9a)により連結される第2の変速機構部(II)と、第
2のケース部材(133 )に形成された内スプライン
(91)に嵌合する外側摩擦板(86)と、前記第2の
変速機構部(II)に設けられた外スプライン(70b)
に嵌合する内側摩擦板(85)とを有する多板ブレーキ
手段(B5)と、を備えてなる自動変速機(1)におい
て、前記内側摩擦板(85)を前記外スプライン(70
b)に嵌合した状態で、前記多板ブレーキ手段(B5)
が前記第2の変速機構部(II)から離れないように抜止
め・保持する第1の係止部材(97)と、前記外側摩擦
板(86)を前記内スプライン(91)に嵌合した状態
で、前記多板ブレーキ手段(B5)が前記第2のケース
(133 )から離れないように抜止め・保持する第2の
係止部材(96)と、を備えてなることを特徴とする自
動変速機にある。
【0014】更に、請求項3に係る本発明は、前記第1
の変速機構部(I)は、エンジンからの回転が伝達され
る中空状の入力側軸(66)と、車輪に伝達されかつ前
記入力側軸の中空部に回転自在に嵌挿している出力側軸
(6)と、を備え、前記第2の変速機構部(II)は、前
記入力側軸(66)の回転を変速して前記出力側軸
(6)に伝達するプラネタリギヤ(11)と、該プラネ
タリギヤの軸方向に隣接して配置された一方向クラッチ
(F3)と、を備え、前記第1のケース部材は、トラン
スアクスルケース(132 )であり、前記第2のケース
部材は、前記トランスアクスルケースの後端側を塞ぎ、
かつその内周側面にて前記出力側軸(6)を回転自在に
支持すると共にその外周側面にて前記一方向クラッチ
(F3)を回転不能に支持する内側鍔部(13e)と、
その内周面に前記内スプライン(91)が形成されてい
る外フランジ部(13f)とを有するリヤケース(13
3 )であり、更に前記一方向クラッチ(F3)は、前記
内側鍔部(13e)にスプライン嵌合(87a,92)
するインナレース(87)と、前記多板ブレーキ手段
(B5)の内側摩擦板(85)と嵌合する外スプライン
(70b)をその外周面に有するアウタレース(70)
と、これら両レースを支持するエンドベアリング(9
0)と、を備え、前記プラネタリギヤ(11)は、前記
入力側軸(66)に設けられたサンギヤ(S4)と、前
記出力側軸(6)と前記スプライン嵌合(69a)して
いるフランジ部(69)を有するリングギヤ(R4)
と、前記アウタレース(70)と連結しているキャリヤ
(CR4)と、を備え、そして、前記第2の工程
(イ′)において、前記一方向クラッチ(F3)、前記
プラネタリギヤ(11)及び前記多板ブレーキ(B5)
を一体に組付け・保持した状態で、前記外側摩擦板(8
6)を前記外フランジ部(13f)の内スプライン(7
0b)に嵌合すると共に、前記インナレース内周面(8
7a)を前記内側鍔部(13e)外周面にスプライン嵌
合(92)して、前記リヤケース(133 )に組込んで
なる、自動変速機の組立方法にある。
【0015】そして、請求項4に係る本発明は、前記第
1の変速機構部(I)は、エンジンからの回転が伝達さ
れる中空状の入力側軸(66)と、車輪に伝達されかつ
前記入力側軸の中空部に回転自在に嵌挿している出力側
軸(6)と、を備え、前記第2の変速機構部(II)は、
前記入力側軸(66)の回転を変速して前記出力側軸
(6)に伝達するプラネタリギヤ(11)と、該プラネ
タリギヤの軸方向に隣接して配置された一方向クラッチ
(F3)と、を備え、前記第1のケース部材は、トラン
スアクスルケース(132 )であり、前記第2のケース
部材は、前記トランスアクスルケースの後端側を塞ぎ、
かつその内周側面にて前記出力側軸(6)を回転自在に
支持すると共にその外周側面にて前記一方向クラッチを
回転不能に支持する内側鍔部(13e)と、その内周面
に前記内スプライン(91)が形成されている外フラン
ジ部(13f)とを有するリヤケース(133 )であ
り、更に前記一方向クラッチ(F3)は、前記内側鍔部
(13e)にスプライン嵌合(87a,92)するイン
ナレース(87)と、軸方向に延びている延長部(70
a)を有しかつ前記多板ブレーキ手段(B5)の内側摩
擦板(85)と嵌合する外スプライン(70b)をその
外周面に有するアウタレース(70)と、これら両レー
スを支持するエンドベアリング(90)と、を備え、前
記プラネタリギヤ(11)は、前記入力側軸(66)に
設けられたサンギヤ(S4)と、前記出力側軸(6)と
前記スプライン嵌合(69a)しているフランジ部(6
9)を有するリングギヤ(R4)と、該リングギヤを被
うように延びている前記延長部(70a)を介して前記
アウタレース(70)と連結しているキャリヤ(CR
4)と、を備え、そして、前記多板ブレーキ手段(B
5)の内側摩擦板(85)を前記外スプライン(70
b)から抜止め・保持する前記第1の係止部材は、前記
アウタレース(70)に固定され、かつ前記外スプライ
ン(70b)の開放側端を閉塞すると共に前記エンドベ
アリング(90)のリヤケース側を位置決めするリテー
ナ(97)であり、前記多板ブレーキ手段(B5)の外
側摩擦板(86)を前記内スプライン(91)から抜止
め・保持する前記第2の係止部材は、前記リヤケース
(133 )の外フランジ部内周面に係合して、前記内ス
プライン(91)の開放側を閉塞するスナップリング
(96)である、自動変速機にある。
【0016】更に、請求項5に係る本発明は、前記アウ
タレース(70)は、前記延長部(70a)より小径か
らなりかつリヤケース側端面と該延長部との間に位置す
る段差外周面(70d)と、該外周面に形成された係合
凹溝(70c)と、を備え、前記リテーナ(97)は、
環状の金属板からなり、かつ前記リヤケース(133
側のエンドベアリング(90)を位置決めする環状部
(97a)と、前記係合凹溝(70c)と係合する係合
爪部(97b)と、前記外スプライン(70b)の開放
側端を閉塞する鍔部(97c)と、を備えてなる、自動
変速機にある。
【0017】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、何等本発明の構成を限定する
ものではない。
【0018】
【発明の作用・効果】請求項1に係る本発明によると、
第2の変速機構部の外スプラインに多板ブレーキ手段を
組込んだ状態(第1の工程)で、第2のケース部材の内
スプラインに容易に外側摩擦板を嵌合することができ
(第2の工程)、そしてこの状態では、第2の変速機構
部及び多板ブレーキ手段は、第2のケース部材に抜止め
・保持されて組込まれてサブアッシーとなっており、第
2の変速機構部及び多板ブレーキ手段は、下方に向けて
も抜け落ちることはなく、従って、予め第1の変速機構
部が組込まれている第1のケース部材に(第3の工
程)、前記サブアッシーを、例えば上方から被せるよう
にして容易に組付けることができる。なおこの際、第1
変速機構部と第2の変速機構部との間にスプライン嵌合
が行なわれるが、該スプライン嵌合部は、多板からなる
外側摩擦板のスプライン嵌合と相違して、単体同士の嵌
合であるので、例えば一方側の機構部を外部から回転し
ながら組付け・挿入する等により容易に嵌合し得る。
【0019】これにより、第2のケース部材に多板ブレ
ーキ手段を係止する、組付け困難な自動変速機にあって
も、作業性を確保しつつ容易に組立てることができ、組
立効率を向上し得ると共に、組立てラインの共通化を図
ることができる。
【0020】請求項2に係る本発明によると、第1の係
止部材及び第2の係止部材からなる簡単な構成でありな
がら、前述したように組立ての容易化及び確実化を図っ
て、安価で信頼性の高い自動変速機を提供することがで
きる。
【0021】請求項3に係る自動変速機は、多板ブレー
キ手段の外側摩擦板のスプライン嵌合の外に、一方向ク
ラッチの回転止めとしてのスプライン嵌合を必要とし
て、更に組立て困難であるが、一方向クラッチ、プラネ
タリギヤ及び多板ブレーキ手段からなる第2の変速機構
部は比較的小さな組立体からなるため、例えばリヤケー
スを上方に向けて置き、上記組立体を上方からリヤケー
スに組付ける等により、前記2個のスプライン嵌合部を
比較的容易に組付けることができる。
【0022】請求項4に係る発明は、リテーナ及びスナ
ップリングからなる簡単な構成でもって、上述した組立
て困難な自動変速機を容易に組立てることができ、更に
リテーナを、一方向クラッチの軸方向一方の位置決め手
段として兼用でき、部品点数の増加を抑えることができ
ることと相俟って、安価で信頼性の高い自動変速機を提
供することができる。
【0023】請求項5に係る発明によると、リテーナ
は、1個の環状金属板を折曲成形した簡単な構成で足り
ると共に、その係合爪部を係合凹溝に係合することによ
り簡単にアウタレースに固定することができ、組付けも
簡単に行うことができる。
【0024】
【実施例】まず、本発明の基礎となる4速自動変速機に
ついて、図1に沿って説明する。
【0025】該4速自動変速機1´は、エンジン出力軸
20に整列している第1軸3及び該第1軸に平行に配置
されている第2軸6´を有しており、該第1軸3にはト
ルクコンバータ21及び主変速機構2が配置され、また
第2軸6´には副変速機構5´が配置されている。トル
クコンバータ21は、エンジン出力軸20に連結してい
るインペラ21a、第1軸を構成する主変速機構5の入
力軸3に連結しているタービン21b及びワンウェイク
ラッチ21cを介して支持されているステータ21dを
有しており、エンジン出力軸20の回転を、トルクコン
バータ内の油流を介して又はロックアップクラッチ22
による機械的連結により入力軸3に伝達する。
【0026】主変速機構2は、シングルプラネタリギヤ
7及びデュアルプラネタリギヤ9からなるプラネタリギ
ヤユニットを有しており、該ギヤユニットは、サンギヤ
S及びキャリヤCRが両プラネタリギヤ7,9に共通に
構成されている。そして、入力軸3は、フォワード(第
1の)クラッチC1を介してシングルプラネタリギヤ7
のリングギヤR1に連結していると共に、ダイレクト
(第2の)クラッチC2を介してサンギヤSに連結して
おり、また該主変速機構2の出力部を構成するカウンタ
ドライブギヤ23はキャリヤCRに連結している。そし
て、サンギヤSは、第1のブレーキB1に係止されると
共に、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイクラッ
チF1を介して正駆動(エンジン→車輪)・正回転方向
に対して係止される。また、デュアルプラネタリギヤ9
のリングギヤR2は、第3のブレーキB3に係止される
と共に、第2のワンウェイクラッチF2により正駆動・
正回転方向に対して係止される。
【0027】一方、副変速機構5´は、1個の(第1
の)シングルプラネタリギヤ10を有している。そし
て、前記カウンタドライブギヤ23に噛合して該副変速
機構5´の入力部となるカウンタドリブンギヤ25は、
該プラネタリギヤのリングギヤR3に連結しており、ま
たディファレンシャル装置に連結して出力部を構成する
ギヤ12は、キャリヤCR3に連結している。更に、キ
ャリヤCR3とサンギヤS3とはアンダードライブ(U
D)ダイレクト(第3の)クラッチC3を介して連結し
ており、またサンギヤS3は第4のブレーキB4にて係
止されると共に、第3のワンウェイクラッチF3´によ
り正駆動・正回転方向に対して係止される。
【0028】上述した主変速機構2は、それ自体で前進
3速及び後進1速を得、また副変速機構5´は、アンダ
ードライブと直結の2速を得、自動変速機1´全体とし
ては、図2の作動表に示す通り作動して、前進4速、後
進1速が得られる。
【0029】即ち、1速(1ST)状態では、フォワー
ドクラッチC1が接続し、かつ第2及び第3のワンウェ
イクラッチF2,F3が作動してデュアルプラネタリギ
ヤのリングギヤR2及びUDプラネタリギヤのサンギヤ
S3が停止状態に保持される。この状態では、入力軸3
の回転は、フォワードクラッチC1を介してシングルプ
ラネタリギヤのリングギヤR1に伝達され、かつデュア
ルプラネタリギヤのリンクギヤR2は停止状態にあるの
で、サンギヤSを逆方向に空転させながら共通キャリヤ
CRが正方向に大幅減速回転される。そして、該減速回
転が、カウンタドライブギヤ23及びドリブンギヤ25
を介して、UDプラネタリギヤのリングギヤR3に伝達
され、かつサンギヤS3が停止状態あるので、更に該副
変速機構5´で減速され、キャリヤCR3から出力ギヤ
12に1速回転が出力する。
【0030】2速(2ND)状態では、フォワードクラ
ッチC1に加えて、第2のブレーキB2が作動し、更
に、第2のワンウェイクラッチF2から第1のワンウェ
イクラッチF1に作動が切換わり、かつ第3のワンウェ
イクラッチF3が作動状態に維持されている。この状態
では、共通サンギヤSが第2のブレーキB2及び第1の
ワンウェイクラッチF1により停止され、従って入力軸
3からフォワードクラッチC1を介して伝達されたシン
グルプラネタリギヤのリングギヤR1の回転は、デュア
ルプラネタリギヤのリングギヤR2を正方向に空転させ
ながらキャリヤCRを正方向に減速回転する。更に、該
減速回転は、カウンタギヤ23,25及びアンダードラ
イブ状態の副変速機構5´を介して出力ギヤ12に伝達
され、2速回転が出力する。
【0031】3速(3RD)状態では、フォワードクラ
ッチC1、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイク
ラッチF1はそのまま係合状態に保持され、第3のワン
ウェイクラッチF3の係合が開放されると共にUDダイ
レクトクラッチC3が係合する。即ち、主変速機構2は
そのままの状態が保持されて、上述した2速時の回転が
カウンタドリブンギヤ25に伝えられ、そして副変速機
構5´では、UDダイレクトクラッチC3が係合するこ
とにより、UDプラネタリギヤ10が一体となり、上記
ドリブンギヤ25の回転がそのまま出力ギヤ12から出
力される。
【0032】4速(4TH)状態では、フォワードクラ
ッチC1及びUDダイレクトクラッチC3の外、ダイレ
クトクラッチC2も係合する。この状態では、入力軸3
の回転がシングルプラネタリギヤのリングギヤR1と共
に共通サンギヤSに伝達され、シングル及びデュアルプ
ラネタリギヤ7,9からなるギヤユニットが一体に回転
して、直結回転がカウンタドライブギヤ23に伝達され
る。更に、副変速機構5´も直結状態にあり、ギヤ23
の直結回転は、そのまま出力ギヤ12から出力される。
【0033】後進(REV)状態では、ダイレクトクラ
ッチC2及び第3のブレーキB3が係合すると共に、第
4のブレーキB4が係合する。この状態では、入力軸3
の回転はダイレクトクラッチC2を介してサンギヤSに
伝達され、かつ第3のブレーキB3によりデュアルプラ
ネタリギヤのリングギヤR2が停止状態にあるので、シ
ングルプラネタリギヤのリングギヤR1を逆転方向に空
転させながらキャリヤCRも逆転し、該逆転が、カウン
タギヤ23,25を介してUDプラネタリギヤのリング
ギヤR3に伝達される。UDプラネタリギヤ10は、第
4のブレーキB4によりサンギヤS3が逆転方向にも停
止されており、リングギヤのリングギヤR3の回転は、
キャリヤCR3から出力ギヤ12に逆転減速回転として
出力される。
【0034】なお、エンジンブレーキを作動するには、
図2において破線で示す丸が作動状態となる。即ち、1
速にあっては、第3のブレーキB3及び第4のブレーキ
B4が係合して、第2のワンウェイクラッチF2及び第
3のワンウェイクラッチF3では空転してしまうデュア
ルプラネタリギヤのリングギヤR2及びUDプラネタリ
ギヤのサンギヤS3を停止状態に保持し、また2速にあ
っては、第1のブレーキB1及び第4のブレーキB4が
係合して、第1のワンウェイクラッチF1及び第3のワ
ンウェイクラッチF3´では空転してしまう共通サンギ
ヤS及びサンギヤS3を停止状態に保持し、そして3速
にあっては、第1のブレーキB1が係合して、共通サン
ギヤSを停止状態に保持する。
【0035】ついで、図3に沿って、本発明に係る5速
自動変速機の概略について説明する。
【0036】該自動変速機1は、先に説明した基礎とな
る4速自動変速機とその主変速機構2では同じであり、
副変速機構5で一部相違する。該副変速機構5は、先の
副変速機構5´と第1のシングルプラネタリギヤ10の
構成及びUDダイレクトクラッチC3、第4のブレーキ
B4で同じであり、かつ新たに第2のシングルプラネタ
リギヤ11及び第5のブレーキB5を設けると共に、第
3のワンウェイクラッチF3の係合位置が異なる点で相
違している。
【0037】即ち、副変速機構5は、第1及び第2のシ
ングルプラネタリギヤ10,11を有しており、第1の
シングルプラネタリギヤのキャリヤCR3と第2のシン
グルプラネタリギヤのリングギヤR4が一体に連結する
と共に、サンギヤS3、,S4同士が一体に連結して、
シンプソンタイプのギヤ列を構成している。そして、先
の副変速機構5´と同様に、第1のシングルプラネタリ
ギヤのリングギヤR3がカウンタドリブンギヤ25に連
結して入力部を構成し、また第1のシングルプラネタリ
ギヤのキャリヤCR3が出力ギヤ12に連結している。
更に、第1のシングルプラネタリギヤのリングギヤR3
と一体サンギヤS3,S4との間にUDダイレクトクラ
ッチC3が介在し、また一体サンギヤS3(S4)が第
4のブレーキB4にて適宜係止し得、かつ第2のシング
ルプラネタリギヤのキャリヤCR4が第3のワンウェイ
クラッチF3及び第5のブレーキB5にて適宜係止し得
る。これにより、該副変速機構5は、前進3速の変速段
を得られる。
【0038】ついで、本5速自動変速機1の作動を、図
4に示す作動表に沿って説明する。
【0039】1速(1ST)状態では、フォワードクラ
ッチC1,第2のワンウェイクラッチF2及び第3のワ
ンウェイクラッチF3が係合する。これにより、主変速
機構2は、先の自動変速機の1速と同様に減速されて、
該減速回転がカウンタギヤ23,25を介して副変速機
構5におけるUDプラネタリギヤのリングギヤR3に伝
達される。該副変速機構5は、第3のワンウェイクラッ
チF3により第2のシングルプラネタリギヤのキャリヤ
CR4が停止され、1速状態にあり、前記主変速機構2
の減速回転は、該副変速機構5により更に減速されて、
出力ギヤ12から出力する。
【0040】2速(2ND)状態では、フォワードクラ
ッチC1の外、第2のブレーキB2が係合すると共に、
第2のワンウェイクラッチF2から第1のワンウェイク
ラッチF1に滑らかに切換わり、主変速機構2は前記と
同様な2速状態となる。また、副変速機構5は、第3の
ワンウェイクラッチF3の係合により1速状態にあり、
この2速状態と1速状態が組合さって、自動変速機1全
体で2速が得られる。
【0041】3速(3RD)状態では、主変速機構2
は、フォワードクラッチC1、第2のブレーキB2及び
第1のワンウェイクラッチF1が係合した上述2速状態
と同じであり、副変速機構5が第4のブレーキB4と係
合する。すると、第2のシングルプラネタリギヤのサン
ギヤS3,S4が固定され、第1のシングルプラネタリ
ギヤのリングギヤR3からの回転は2速回転としてキャ
リヤCR3から出力し、従って主変速機構2の2速と副
変速機構5の2速で、自動変速機1全体で3速が得られ
る。
【0042】4速(4TH)状態では、主変速機構2
は、フォワードクラッチC1、第2のブレーキB2及び
第1のワンウェイクラッチF1が係合した上述2速及び
3速状態と同じであり、副変速機構5は、第4のブレー
キB4を解放すると共にUDダイレクトクラッチC3が
係合する。この状態では、第1のシングルプラネタリギ
ヤのリングギヤR3とサンギヤS4,S3が連結して、
プラネタリギヤ10,11が一体回転する直結回転とな
る。従って、主変速機構2の2速と副変速機構5の直結
(3速)が組合されて、自動変速機全体で、4速回転が
出力ギヤ12から出力する。
【0043】5速(5TH)状態では、フォワードクラ
ッチC1及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力
軸3の回転がシングルプラネタリギヤのリングギヤR1
及びサンギヤSに共に伝達されて、主変速機構2は、ギ
ヤユニットが一体回転する直結回転となる。また、副変
速機構5は、UDダイレクトクラッチC3が係合した直
結回転となっており、従って主変速機構2の3速(直
結)と副変速機構5の3速(直結)が組合されて、自動
変速機全体で、5速回転が出力ギヤ12から出力する。
【0044】後進(REV)状態では、ダイレクトクラ
ッチC2及び第3のブレーキB3が係合すると共に、第
5のブレーキB5が係合する。この状態では、主変速機
構2にあっては、前述と同様に後進回転が取り出され、
また副変速機構5は、第5のブレーキB5に基づき第2
のシングルプラネタリギヤのキャリヤCR4が逆回転方
向にも停止され、1速状態に保持される。従って、主変
速機構2の逆転と副変速機構5の1速回転が組合され
て、出力軸12から逆転減速回転が出力する。
【0045】なお、図4においても、図3と同様に、破
線での丸印は、エンジンブレーキ時に作動することを示
す。即ち、1速にあっては、第3のブレーキB3及び第
5のブレーキB5が係合して、第2のワンウェイクラッ
チF2に代ってデュアルプラネタリギヤのリングギヤR
2を固定すると共に、第3のワンウェイクラッチF3に
代って第2のシングルプラネタリギヤのキャリヤCR4
を固定する。2速にあっては、第1のブレーキB1及び
第5のブレーキB5が係合して、第1のワンウェイクラ
ッチF1に代ってサンギヤSを固定すると共に、第3の
ワンウェイクラッチF3に代って第2のシングルプラネ
タリギヤのキャリヤCR4を固定する。3速及び4速に
あっては、第1のブレーキB1が係合して、第1のワン
ウェイクラッチF1に代ってサンギヤSを固定する。
【0046】ついで、図5に沿って、本発明に係る5速
自動変速機1の具体例について説明する。
【0047】該5速自動変速機1は、トルクコンバータ
21、3速主変速機構2、3速副変速機構5及びディフ
ァレンシャル26を備えており、かつこれら各部は互に
接合して一体に構成されるトランスアクスルハウジング
131 、トランスアクスルケース132 及びトランスア
クスルリヤケース133 からなる一体ケースに収納され
ている。そして、トルクコンバータ21はインペラ21
a、タービン21b及びステータ21dの外、ロックア
ップクラッチ22を備えており、エンジンクラッチシャ
フト軸から、トルクコンバータ21内の油流を介して又
はロックアップクラッチ22による機械的接続を介して
主変速機構5内に伝動する。そして、ケース13…には
クランクシャフトと整列して配置されている第1軸3及
び該第1軸3と平行に第2軸6が回転自在に支持されて
おり、また該ケース13…の外側にバルブボディ31が
配設されており、また主変速機構2とトルクコンバータ
21との間部分にオイルポンプ32が設置されている。
【0048】主変速機構5は、軸方向にオイルポンプ3
2から外側に向かってブレーキ部33、出力部35、プ
ラネタリギヤユニット部36そしてクラッチ部37が順
に配置されており、更に第1軸3に被嵌して回転自在に
中空軸39が支持されている。
【0049】そして、プラネタリギヤユニット部36は
シングルプラネタリギヤ7とデュアルプラネタリギヤ9
からなり、シングルプラネタリギヤ7は中空軸39に形
成されたロングギヤからなるサンギヤS、リングギヤR
1、及びこれらギヤに噛合するロングピニオンからなる
ピニオンP1を支持したキャリヤCRからなり、またデ
ュアルプラネタリギヤ9は中空軸39に形成された共通
サンギヤS、リングギヤR2、並びにサンギヤSに噛合
しかつ共通ピニオンとなるピニオンP1及びリングギヤ
R2に噛合するピニオンP2を互に噛合するように支持
する共通キャリヤCRからなる。なお、これら両プラネ
タリギヤ7,9はサンギヤSが共に中空軸39に形成さ
れた共通のギヤからなり、またキャリヤCRは一体に構
成されて共通キャリヤとなっており、更にピニオンP1
はロングピニオンからなる。
【0050】また、ブレーキ部33は、内径側から外径
方向に向って順次第1のワンウェイクラッチF1、第1
のブレーキB1そして第2のブレーキB2が配設されて
おり、更に各ブレーキに隣接する位置にはオイルポンプ
32のケースに一体に連結されたケース13aに形成さ
れた油圧サーボ40,41が径方向に並設されている。
なお、第1のブレーキB1は中空軸39先端のフランジ
部39aとポンプケース13aから延びている鍔部との
間に介在されおり、また第2のブレーキB2は第1のワ
ンウェイクラッチF1のアウターレースから延びている
フランジ部とポンプケース13aからの鍔部との間に介
在し、かつ第1のワンウェイクラッチF1は中空軸39
と第1のブレーキB1との間に配置されている。
【0051】一方、出力部35はトランスアクスルケー
ス132 に形成された隔壁13bにベアリング42にて
支持されているカウンタドライブギヤ23を有してお
り、該ギヤ23はスプラインを介してキャリヤCRに連
結している。更に、ベアリング42のアウターレース部
分は隔壁13bに回転不能に固定されていると共に軸方
向に延びており、該延長部分とリングギヤR2と一体に
連結されている連結部との間に第2のワンウェイクラッ
チF2が介在している。また、リングギヤR2外周とト
ランスアクスルケース132 との間には第3のブレーキ
B3が介在しており、かつ隔壁13bの一側壁面部に油
圧サーボ45が配設され、該サーボ45のピストンはく
し歯状に軸方向に延びて、第3のブレーキB3を制御す
ると共にそのくし歯部分に戻しスプリング46が配設さ
れる。
【0052】そして、クラッチ部37はフォワードクラ
ッチC1及びダイレクトクラッチC2を備えており、か
つ主変速機構2先端に位置して一体ケースを構成するト
ランスアクスルリヤケース133 部分に収納されてい
る。また、第1軸3先端部にはリヤケース133 に形成
されたボス部47に被嵌してフランジ部3aが一体に連
結されており、該フランジ部3aには可動部材49が嵌
合されており、更に該可動部材49にはピストン部材5
0が嵌合している。また、可動部材49は、その内径部
分にてフランジ部3aとの間で油室51を構成すると共
に、その外径部がフランジ部3aと相対回転のみを阻止
するように連結されかつフォワードクラッチC1と僅少
間隔をあけて対接しており、フォワードクラッチ用の油
圧サーボを構成している。一方、ピストン部50は、可
動部材49との間にて油室52を構成すると共に反対面
にてダイレクトクラッチC2と対接しており、ダイレク
トクラッチ用の油圧サーボを構成している。更に、該ピ
ストン部材50と第1軸3の固着されたリング3bとの
間にはスプリング53が縮設されており、該スプリング
53は両油圧サーボのピストン部材49,50に共通す
る戻しスプリングを構成している。また、フォワードク
ラッチC1はフランジ部3a外側内周とシングルプラネ
タリギヤのリングギヤR1外周との間に介在しており、
またダイレクトクラッチC2は可動部材49の内周と中
空軸3先端に連結されたフランジ部39bとの間に介在
している。
【0053】一方、副変速機構5は、図5及び図6に示
すように、第2軸6の軸線方向にリヤ側に向って、ギヤ
部60、第1のシングルプラネタリギヤ10、制御部6
1、第2のシングルプラネタリギヤ11及び付加制御部
62が順に配置されており、また第2軸6はハウジング
131 及びリヤケース133 にベアリング63,65に
て回転自在に支持されている。
【0054】ギヤ部60は、第2軸6にスプライン係合
されかつディファレンシャル部26に伝動するディファ
レンシャルドライブピニオン(出力ギヤ)12、及び該
軸6にベアリング64にて回転自在に支持されかつ前記
カウンタドライブギヤ23と噛合しているカウンタドリ
ブンギヤ25からなる。
【0055】また、第1のシングルプラネタリギヤ10
は、そのリングギヤR3が前記カウンタドリブンギヤ2
5に連結しており、サンギヤS3を形成したスリーブ6
6が第2軸6に回転自在に支持されている。そして、ピ
ニオンP3は第2軸6に一体に形成されたフランジから
なるキャリヤCR3に支持されており、また該ピニオン
P3の他端を支持するキャリヤCR3はUDダイレクト
クラッチC3のインナハブが連結している。なお、前記
スリーブ66が、請求項3及び4における入力側軸を構
成し、また第2軸6が出力側軸を構成する。
【0056】制御部61は、外周側にバンドブレーキか
らなる第4のブレーキB4が配設されており、かつ該ブ
レーキのドラム67の内径側にはUDダイレクトクラッ
チC3が配設されている。更に、前記サンギヤスリーブ
66に形成されたフランジ66aには該ダイレクトクラ
ッチC3用の油圧サーボ68が設けられていると共に、
前記ドラム67及びクラッチC3のアウタハブが一体に
固定されている。
【0057】そして、第2のシングルプラネタリギヤ1
1は、そのサンギヤS4が前記スリーブ66に形成され
ており、リングギヤR4がフランジ69に連結されてい
る。該フランジ69の内周端面には内スプライン69a
が形成されており、該スプラインは、第2軸6に形成さ
れた外スプライン6aに係合している。また、そのピニ
オンP4を支持しているキャリヤCR4は軸方向外側に
延びるアウタレース70に連結されている。
【0058】付加制御部62は、外径側から第5のブレ
ーキB5及び第3のワンウェイクラッチF3を備えてお
り、第2軸6の最外端部に位置して、前記第2のシング
ルプラネタリギヤ11と共にトランスアクスルリヤケー
ス133 内に収納されている。第5のブレーキB5は、
請求項1における多板ブレーキ手段を構成し、多数の内
側摩擦板(フリクションプレート)85及び外側摩擦板
(セパレータプレート)86が多数枚軸方向に交互に重
ねられ、かつ内側摩擦板85にはその内周面に内スプラ
インが、また外側摩擦板86にはその外周面に外スプラ
インがそれぞれ形成されている。また、前記第3のワン
ウェイクラッチF3は、請求項3及び4における一方向
クラッチを構成し、インナレース87、アウタレース7
0、両レースの間に配置されるスプラグ89及び該スプ
ラグ両端に配置されるエンドベアリング90,90から
なり、かつインナレース87の内周面には固定用の内ス
プライン87aが形成され、またアウタレース70は軸
方向に延びて、該延長部70aの先端にて前記キャリヤ
CR4と連結していると共に、その外周面に外スプライ
ン70bが形成されている。
【0059】一方、トランスアクスルリヤケース133
は、一部切欠かれた円環状に軸方向に延びる外フランジ
部13f及びその中心部分に同じく軸方向に延びる環状
の内鍔部13eが形成されており、外フランジ部13f
の内周面には内スプライン91が形成され、また内鍔部
13eの外周面には外スプライン92が形成されてい
る。そして、アウタレース70の外スプライン70bに
前記第5のブレーキB5の内側摩擦板85が嵌合し、ま
たリヤケース133 の内スプライン91に該ブレーキの
外側摩擦板86が嵌合して、アウタレース70とリヤケ
ース133 の間に多板ブレーキB5が配設される。ま
た、インナレース87の内周面の内スプライン87a
が、内鍔部13eの外スプライン92に嵌合して、第3
のワンウェイクラッチF3が、リヤケース133 に回転
止めされて支持されている。
【0060】また、前記リヤケースの内鍔部13eの内
周面にはニードルベアリング65を介して第2軸6が支
持されており、更に該鍔部と前記外フランジ部13fと
の間で環状ピストン71を有する第5のブレーキB5用
油圧サーボを構成している。該ピストン71の背面には
リヤケース133 に装着されたプレート72との間で戻
しスプリング73が縮設されている。なお、内鍔部13
eの端とフランジ69の間及び該フランジとスリーブ6
6先端との間にそれぞれスラストベアリング93,94
が介在しており、また第2のプラネタリギヤ11のキャ
リヤCR4とフランジ66aの間にはスラストワッシャ
95が介在している。
【0061】そして、前記アウタレース70は、前記延
長部70aと端面との間に段差部70dが形成されてお
り、該段差外周面には環状の係合凹溝70cが形成され
ている。また、外フランジ部13fの先端部分内周面に
は環状の凹溝が形成されており、該凹溝に、前記多板ブ
レーキB5の外側摩擦板86が内スプライン91から脱
落しないように、スナップリング96が係合している。
【0062】また、前記アウタレース80の後端部分に
はリテーナ97が固定されている。該リテーナ97は、
図7及び図8(a) ,(b) に示すように、円環状の金属板
をプレスにより折曲して形成されており、環状部97a
と、該環状部97aの周面所定箇所に複数個形成された
係合爪部97bと、同じく環状部の周面に前記係合爪部
と交互に形成された鍔部97cとを備えている。そし
て、係合爪部97bが前記係合凹溝70cにそのスプリ
ング作用により係合して、該リテーナ97はアウタレー
ス70の後端部分に固定される。この状態では、環状部
97aが前記エンドベアリング90のリヤ側端面に当接
し、該エンドベアリングの抜止めが図れると共にアウタ
レース70の軸方向先端(図中右方)への移動が規制さ
れる。また、鍔部97cは、外スプライン70bの開放
側端を閉塞し、該スプライン70bからブレーキB5の
内側摩擦板85が脱落することが阻止される。
【0063】また、ディファレンシャル26はディファ
レンシャルギヤユニット75及びリングギヤマウントケ
ース76を備えている。マウントケース76は前記ディ
ファレンシャルドライブギヤ12と噛合しているリング
ギヤ77を固着していると共に、ディファレンシャルギ
ヤユニット75のデフピニオン79を支持してデフキャ
リヤを構成している。また、ディファレンシャルギヤユ
ニット75は該ピニオン79と噛合している左右サイド
ギヤ80l ,80rを有しており、これらサイドギヤは
それぞれ左右フロントアクスルに結合している。
【0064】そして、本5速自動変速機は、前述した基
礎となる4速自動変速機1´に対して、トランスリヤケ
ース133 、第2軸6、付加制御部62(第5のブレー
キB5及び第3のワンウェイクラッチF3)及びサンギ
ヤスリーブ66が新設部品として付設され、またバルブ
ボディ31及びトランスアクスルケース132 が設備追
加にて修正加工される。なお、第2のプラネタリギヤ1
1は、そのピニオンP4が現有部品が用いられ、また第
2軸6を支持するベアリング65も現有部品が用いられ
る。
【0065】従って、他の部分、即ちトルクコンバータ
21、主変速機構2、トランスアクスルハウジング13
1 、ディファレンシャル部26、そして副変速機構にお
ける第1のシングルプラネタリギヤ10、ギヤ部60及
び制御部61が、基礎となる4速自動変速機1´と共通
する。
【0066】ついで、上述した5速自動変速機5の組立
方法について、図9に基づき説明する。
【0067】まず、第3のワンウェイクラッチF3のア
ウタレース70の外スプライン70bに内側摩擦板85
を嵌合しつつ外側摩擦板86を交互に重ね、すべての摩
擦板を組込んだ後、リテーナ97をアウタレース70の
端面に装着して、第5のブレーキB5の内スプライン7
0bからの脱落を防止すると共にワンウェイクラッチF
3の軸方向の位置決めを図る(請求項1における第1の
工程イ)。
【0068】この状態で、リヤケース133 を、その内
側を上にして置き、その内鍔部13e内周面にベアリン
グ65を嵌合し、更に環状ピストン71を取付け、そし
てワンウェイクラッチF3のインナレース87の内スプ
ライン87aを鍔部13e外周面の外スプライン92に
嵌合しつつ、該ワンウェイクラッチに取付けた第5のブ
レーキB5の外側摩擦板86を、外フランジ部13f内
周面の内スプライン91に嵌合して、更に嵌合された状
態で、スナップリング96が嵌込まれる。ついで、スラ
ストベアリング93、フランジ69及びリングギヤR
4、スラストベアリング94が順次取付けられ、そして
キャリヤCR4が嵌込まれてスナップリング100にて
抜止めされ、これにより、リヤケース133 に、第2の
変速機構部IIを構成する新設部品(第3のワンウェイク
ラッチF3、第3のブレーキB5)及び第2のプラネタ
リギヤ11が組込まれる(請求項1における第2の工程
イ′)。
【0069】この状態では、リヤケース133 を、その
内側が下になるようにしても、多板ブレーキB5がスナ
ップリング96により抜止められ、更にその内側摩擦板
85に対してアウタレース70がリテーナ97により抜
止められ、かつプラネタリギヤ11もスナップリング1
00によりアウタレース70に対して抜止められ、従っ
て上記組込まれた部材F3,B5,11(第2の変速機
構部II)が脱落することはなく、サブアッシーを構成し
ている。
【0070】一方、トランスアクスルケース132 の隔
壁13bにカウンタドライブギヤ23及びその支持ベア
リング42を組込んだ状態で(ロ)、前記部品を組込ん
でサブアッシーとなっているリヤケース133 に該トラ
ンスアクスルケース132 を仮組する(ハ)。
【0071】そして、該仮組されたトランスアクスルケ
ース132 及びリヤケース133 を、そのリヤ側が下に
なるように置き、まず、副変速機構5の4速共通機構部
分を組込む(請求項1における第3の工程ニ)。該共通
機構は、請求項における第1の変速機構部Iを構成する
ものであり、第2軸(出力側軸)6、スリーブ(入力側
軸)66、出力ギヤ12、カウンタドリブンギヤ60、
第1のプラネタリギヤ10、第3のクラッチC3、第4
のブレーキB4を含む。
【0072】即ち、スリーブ66にピストン68、クラ
ッチC3、ブレーキB4及びプラネタリギヤ10のピニ
オンP3を組付けた状態で、そのサンギヤS4が第2の
プラネタリギヤのピニオンP4に噛合するように組込
み、ついでスプライン6aがフランジ69の内スプライ
ン69aに嵌合するようにして第2軸6をベアリング6
5に挿入する。そして、リングギヤR3、カウンタドリ
ブンギヤ25及びベアリング64、出力ギヤ12及びベ
アリング63を次々と第2軸に組込む。
【0073】ついで、リヤ側を下にした状態にあるトラ
ンスアクスルケース132 に、ディファレンシャルギヤ
ユニット75及びリングギヤ77を組付けたディファレ
ンシャル26を組込む(ホ)。更に、その上にトランス
アクスルハウジング131 を組付け、該ハウジングをト
ランスアクスルケース132 に固定する(ヘ)。これに
より、第2軸6及びディファレンシャル26はそれぞれ
ベアリングにて支持される。そして、既に組付けたカウ
ンタドライブギヤ23上にブレーキ部31即ち第1のワ
ンウェイクラッチF1、第1のブレーキB1及び第2の
ブレーキB2を組込み、更にそれらの油圧サーボ40,
41を組込んだオイルポンプケース32を組付けてトラ
ンスアクスルケース132 に固定する(ト)。
【0074】ついで、仮組されたトランスアクスルケー
ス132 及びリヤケース133 は、リヤ側が上になるよ
うに反転される。そしてこの状態で、仮組されたリヤケ
ース133 がトランスアクスルケース132 から取外さ
れる(チ)。この際、第2の変速機構部IIを構成する第
3のワンウェイクラッチF3、第5のブレーキB5及び
第2のプラネタリギヤ11は前述したように抜止めされ
ているので、リヤケース133 と一体に取外される。
【0075】この状態で、主変速機構部2が組込まれる
(リ)。即ち、ピストン45、第2のワンウェイクラッ
チF2及び第3のブレーキB3が組込まれ、更に一体に
組立てられたプラネタリギヤユニット部36の中空軸3
9、ピニオンP1,P2、キャリヤCR及びリングギヤ
R2が組込まれ、更にリングギヤR1等が組込まれる。
そして、第1軸3に組付けられた第1のクラッチC1及
び第2のクラッチC2等のクラッチ部37が組込まれ
る。
【0076】その後、リヤケース133 が、トランスア
クスルケース132 の上方から被せるように再組付けが
行なわれる(ヌ)。この際、第1軸3がケースの鍔部1
3bに嵌挿すると共に、第2軸6が鍔部13eに装着さ
れたベアリング65に嵌挿し、かつスプライン6aがフ
ランジの内スプライン69aに嵌合するが、該スプライ
ン6a,69aの嵌合は、出力側(ディファレンシャル
26)を回すことにより、ギヤ12を介して第2軸6が
回転するため、スプライン6aを回転しつつ容易に嵌合
することができる。
【0077】そして、リヤケース133 を再組付けによ
りトランスアクスルケース132 に固定した後、再び反
転してフロント側を上にする。この状態で、トルクコン
バータ21を組付けて(ル)、自動変速機5の組立が完
了する。なお、上記組立方法において、5速自動変速機
において新たに付加した第2の変速機構部IIをリヤケー
ス133 に組付ける工程(イ)(イ′)を除いて、4速
自動変速機の組立工程と略々同じとなる。
【0078】ついで、図10に基づき、本自動変速機5
の油路構造について説明する。
【0079】本5速自動変速機5のトランスアクスルリ
ヤケース133 は、第1軸3及び第2軸6を支持する2
軸支持構造であること、第5のブレーキB5の支持構造
となること、及び各クラッチ、ブレーキ作動油用の油路
を有する構造からなること等に起因して、該リヤケース
133 には、従来のものより大きなスラスト力、ラジア
ル力及びねじりトルクが作用する。該大きな負荷に対抗
するため、肉厚で堅牢な構造にすることは、重量アッ
プ、軸方向寸法の増加を招き、好ましくない。
【0080】そこで、図10に示すように、リヤケース
133 の外側面には外方に突出するようにリブ13h、
13i、13j、13k、13l 等が形成されており、
これらリブ内に油路が形成されている。例えば、リブ1
3hには第4のブレーキB4用の油路が形成され、リブ
13iには第5のブレーキB5用の油路が形成されてい
る。
【0081】これにより、リヤケース133 の必要強度
を維持しつつ、ケースが肉厚になることを防止して、軽
量でコンパクトなリヤケースを提供できる。特に、リブ
13hのように、第1軸と第2軸に亘って一本のリブを
設けることにより、リヤケースに作用する負荷に対して
効果的となり、数少ないリブでケースの強度アップを図
ることができる。
【0082】ついで、図6に基づき、第3のワンウェイ
クラッチF3の潤滑構造について説明する。
【0083】第2軸6には、後端が閉塞された潤滑油路
102が形成されており、またリヤケース133 の鍔部
13eの中心部分には突起13mが形成されている。そ
して、第2軸6の先端が該突起13mに当接して位置決
めされており、該第2軸先端とケース133 との間に油
溜り103が形成されている。更に第2軸6の先端部分
には、前記潤滑油路102から該油溜り103に向けて
小径孔104が形成されており、また鍔部13eには、
油溜り103の外周面からインナレース87の内周面中
央に亘って潤滑油孔105が形成されており、更にイン
ナレース87には該油孔105からスプラグ面に向かっ
て油孔106が貫通している。
【0084】以上構成に基づき、潤滑油路102から潤
滑油は、小径孔104を通って油溜り103に供給され
る。該油溜り103にあっては、一方がニードルベアリ
ング65となっているため、シール性は低く、該ベアリ
ング65から油圧が逃げて潤滑油圧は充分に作用しない
が、第2軸6の回転による油の連れ回りにより、該油溜
り103内の潤滑油は、該油溜りの外周面に張りつい
て、潤滑油孔105に導かれる。更に、該潤滑油は、油
溜り103内の連れ回りに基づく油圧に助勢されて、油
孔106からワンウェイクラッチF3のスプラグ89に
供給される。
【0085】この際、第2軸6は、出力側に連動してい
るため、車輌走行時には常に回転しており、油溜り10
3には上記連れ回りによる油圧が発生するが、特に潤滑
が必要となるフリー回転時、第3のワンウェイクラッチ
F3は、3,4,5速の高速回転時にフリー回転となる
ため、出力側に連動する第2軸6も高速回転となって、
充分な量の潤滑油を供給し得る。また反対に、1速及び
2速時は、係止状態にあるため、該ワンウェイクラッチ
F3は余り多くの潤滑油を必要としないが、この状態で
は第2軸6の回転も低く、上記連れ回りによる潤滑油供
給量も少ない。
【0086】これにより、簡単な構成でありながら、必
要量の潤滑油が、自動的に第3のワンウェイクラッチF
3に供給される。
【0087】なお、上述実施例は、5速自動変速機にお
ける新設機構部F3、B5、11(II)をリヤケース1
3 に抜止め・保持することにより説明しているが、本
発明は、これに限ることはなく、他のブレーキを支持す
るケース部分にも同様に適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎となる4速自動変速機を示す概略
図。
【図2】その作動を示す図。
【図3】本発明に係る5速自動変速機を示す概略図。
【図4】その作動を示す図。
【図5】本発明に係る5速自動変速機の具体例を示す断
面図。
【図6】その副変速機構部分を示す拡大断面図。
【図7】第3のワンウェイクラッチの後端側から見た
図。
【図8】本発明に適用されるリテーナを示す図で、(a)
は正面図、(b) はそのA−A線による断面図。
【図9】本発明に係る自動変速機の組立方法を示す断面
図。
【図10】リヤケースの外側を示す一部断面した図。
【符号の説明】
1 (5速)自動変速機 6 出力側軸(第2軸) 6a 外スプライン 11 (第2)のプラネタリギヤ 132 第1のケース部材(トランスアクスルケース) 133 第2のケース部材(リヤケース) 13e 内側鍔部 13f 外フランジ部 66 入力側軸(スリーブ) 69 フランジ(部) 69a 内スプライン 70 アウタレース 70a 延長部 70b 外スプライン 70c 係合凹溝 70d 段差外周面 85 内摩擦板 86 外摩擦板 87 インナレース 87a 内スプライン 90 エンドベアリング 91 内スプライン 96 第2の係止部材(スナップリング) 97 第1の係止部材(リテーナ) 97a 環状部 97b 係合爪部 97c 鍔部 F3 一方向クラッチ(第3のワンウェイクラッチ) B5 多板ブレーキ手段(第5のブレーキ) S4 サンギヤ R4 リングギヤ CR4 キャリヤ I 第1の変速機構部 II 第2の変速機構部 イ 第1の工程 イ′ 第2の工程 ニ 第3の工程 ヌ 第4の工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 隆 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 大野 薫 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 野村 健吾 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のケース部材に内包されている第1
    の変速機構部と、 該第1の変速機構部に軸方向に隣接して配置され、該第
    1の変速機構部にスプライン嵌合により連結される第2
    の変速機構部と、 第2のケース部材に形成された内スプラインに嵌合する
    外側摩擦板と、前記第2の変速機構部に設けられた外ス
    プラインに嵌合する内側摩擦板とを有する多板ブレーキ
    手段と、 を備えてなる自動変速機において、 前記内側摩擦板を前記外スプラインに嵌合して、前記多
    板ブレーキ手段を前記第2の変速機構部に組付けると共
    に、該ブレーキ手段が前記第2の変速機構部から離れな
    いように抜止め・保持する第1の工程と、 該第2の変速機構部に抜止め・保持された前記多板ブレ
    ーキ手段を、前記外側摩擦板を前記内スプラインに嵌合
    して前記第2のケース部材に組付けると共に、該ブレー
    キ手段が前記第2のケースから離れないように抜止め・
    保持する第2の工程と、 前記第1のケース部材に、前記第1の変速機構部を組付
    ける第3の工程と、 前記第2の工程にて、前記第2のケース部材に前記第2
    の変速機構部及び前記多板ブレーキ手段を抜止め・保持
    して組込んだサブアッシーを、前記第3の工程にて前記
    第1の変速機構部を組込んだ第1のケース部材に、前記
    第1の変速機構部に第2の変速機構部をスプライン嵌合
    しつつ組付ける第4の工程と、 を備えてなることを特徴とする自動変速機の組立方法。
  2. 【請求項2】 第1のケース部材に内包されている第1
    の変速機構部と、 該第1の変速機構部に軸方向に隣接して配置され、該第
    1の変速機構部にスプライン嵌合により連結される第2
    の変速機構部と、 第2のケース部材に形成された内スプラインに嵌合する
    外側摩擦板と、前記第2の変速機構部に設けられた外ス
    プラインに嵌合する内側摩擦板とを有する多板ブレーキ
    手段と、 を備えてなる自動変速機において、 前記内側摩擦板を前記外スプラインに嵌合した状態で、
    前記多板ブレーキ手段が前記第2の変速機構部から離れ
    ないように抜止め・保持する第1の係止部材と、 前記外側摩擦板を前記内スプラインに嵌合した状態で、
    前記多板ブレーキ手段が前記第2のケースから離れない
    ように抜止め・保持する第2の係止部材と、 を備えてなることを特徴とする自動変速機。
  3. 【請求項3】 前記第1の変速機構部は、エンジンから
    の回転が伝達される中空状の入力側軸と、車輪に伝達さ
    れかつ前記入力側軸の中空部に回転自在に嵌挿している
    出力側軸と、を備え、 前記第2の変速機構部は、前記入力側軸の回転を変速し
    て前記出力側軸に伝達するプラネタリギヤと、該プラネ
    タリギヤの軸方向に隣接して配置された一方向クラッチ
    と、を備え、 前記第1のケース部材は、トランスアクスルケースであ
    り、 前記第2のケース部材は、前記トランスアクスルケース
    の後端側を塞ぎ、かつその内周側面にて前記出力側軸を
    回転自在に支持すると共にその外周側面にて前記一方向
    クラッチを回転不能に支持する内側鍔部と、その内周面
    に前記内スプラインが形成されている外フランジ部とを
    有するリヤケースであり、 更に前記一方向クラッチは、前記内側鍔部にスプライン
    嵌合するインナレースと、前記多板ブレーキ手段の内側
    摩擦板と嵌合する外スプラインをその外周面に有するア
    ウタレースと、これら両レースを支持するエンドベアリ
    ングと、を備え、 前記プラネタリギヤは、前記入力側軸に設けられたサン
    ギヤと、前記出力側軸と前記スプライン嵌合しているフ
    ランジ部を有するリングギヤと、前記アウタレースと連
    結しているキャリヤと、を備え、 そして、前記第2の工程において、前記一方向クラッ
    チ、前記プラネタリギヤ及び前記多板ブレーキを一体に
    組付け・保持した状態で、前記外側摩擦板を前記外フラ
    ンジ部の内スプラインに嵌合すると共に、前記インナレ
    ース内周面を前記内側鍔部外周面にスプライン嵌合し
    て、前記リヤケースに組込んでなる、 請求項1記載の自動変速機の組立方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の変速機構部は、エンジンから
    の回転が伝達される中空状の入力側軸と、車輪に伝達さ
    れかつ前記入力側軸の中空部に回転自在に嵌挿している
    出力側軸と、を備え、 前記第2の変速機構部は、前記入力側軸の回転を変速し
    て前記出力側軸に伝達するプラネタリギヤと、該プラネ
    タリギヤの軸方向に隣接して配置された一方向クラッチ
    と、を備え、 前記第1のケース部材は、トランスアクスルケースであ
    り、 前記第2のケース部材は、前記トランスアクスルケース
    の後端側を塞ぎ、かつその内周側面にて前記出力側軸を
    回転自在に支持すると共にその外周側面にて前記一方向
    クラッチを回転不能に支持する内側鍔部と、その内周面
    に前記内スプラインが形成されている外フランジ部とを
    有するリヤケースであり、 更に前記一方向クラッチは、前記内側鍔部にスプライン
    嵌合するインナレースと、軸方向に延びている延長部を
    有しかつ前記多板ブレーキ手段の内側摩擦板と嵌合する
    外スプラインをその外周面に有するアウタレースと、こ
    れら両レースを支持するエンドベアリングと、を備え、 前記プラネタリギヤは、前記入力側軸に設けられたサン
    ギヤと、前記出力側軸と前記スプライン嵌合しているフ
    ランジ部を有するリングギヤと、該リングギヤを被うよ
    うに延びている前記延長部を介して前記アウタレースと
    連結しているキャリヤと、を備え、 そして、前記多板ブレーキ手段の内側摩擦板を前記外ス
    プラインから抜止め・保持する前記第1の係止部材は、
    前記アウタレースに固定され、かつ前記外スプラインの
    開放側端を閉塞すると共に前記エンドベアリングのリヤ
    ケース側を位置決めするリテーナであり、 前記多板ブレーキ手段の外側摩擦板を前記内スプライン
    から抜止め・保持する前記第2の係止部材は、前記リヤ
    ケースの外フランジ部内周面に係合して、前記内スプラ
    インの開放側を閉塞するスナップリングである、 請求項2記載の自動変速機。
  5. 【請求項5】 前記アウタレースは、前記延長部より小
    径からなりかつリヤケース側端面と該延長部との間に位
    置する段差外周面と、該外周面に形成された係合凹溝
    と、を備え、 前記リテーナは、環状の金属板からなり、かつ前記リヤ
    ケース側のエンドベアリングを位置決めする環状部と、
    前記係合凹溝と係合する係合爪部と、前記外スプライン
    の開放側端を閉塞する鍔部と、を備えてなる、 請求項4記載の自動変速機。
JP6312216A 1994-12-15 1994-12-15 自動変速機の組立方法並びに自動変速機 Pending JPH08170699A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7524258B2 (en) 2005-12-28 2009-04-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicular automatic transmission

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7524258B2 (en) 2005-12-28 2009-04-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicular automatic transmission
DE102006060373B4 (de) * 2005-12-28 2012-10-25 Toyota Jidosha K.K. Automatisch schaltbares Getriebe für ein Fahrzeug

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