JPH081691A - 長尺構造体 - Google Patents
長尺構造体Info
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- JPH081691A JPH081691A JP14273794A JP14273794A JPH081691A JP H081691 A JPH081691 A JP H081691A JP 14273794 A JP14273794 A JP 14273794A JP 14273794 A JP14273794 A JP 14273794A JP H081691 A JPH081691 A JP H081691A
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- JP
- Japan
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- cross
- thermoplastic resin
- closed space
- load
- bumper beam
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- Pending
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Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 曲げ荷重を受ける面に垂直な平面で切断した
断面が閉じた空間を形成し、閉じた空間を形成する材料
が連続繊維を含有した熱可塑性樹脂から成り、閉じた空
間を形成する断面形状の中立軸と荷重を受ける面との距
離をE1、中立軸と荷重を受ける面と反対側の面との距
離をE2としたとき、E2/E1が2.7〜8.0であ
る構造体。 【効果】 熱可塑性樹脂板からなる構造体は低圧成形が
可能で、閉じた断面形状が簡便に成形できる。また、繊
維強化熱可塑性樹脂の材料物性値を有効に生かした形状
が容易に得られるので、軽量かつ高強度の構造体の供給
が可能となった。
断面が閉じた空間を形成し、閉じた空間を形成する材料
が連続繊維を含有した熱可塑性樹脂から成り、閉じた空
間を形成する断面形状の中立軸と荷重を受ける面との距
離をE1、中立軸と荷重を受ける面と反対側の面との距
離をE2としたとき、E2/E1が2.7〜8.0であ
る構造体。 【効果】 熱可塑性樹脂板からなる構造体は低圧成形が
可能で、閉じた断面形状が簡便に成形できる。また、繊
維強化熱可塑性樹脂の材料物性値を有効に生かした形状
が容易に得られるので、軽量かつ高強度の構造体の供給
が可能となった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で機械的強度に優
れた構造体、特にバンパービーム用長尺構造体に関す
る。
れた構造体、特にバンパービーム用長尺構造体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車には衝突時の衝撃を緩衝す
る目的で金属製のバンパービームが用いられていた。こ
れらのバンパービームは、自動車の衝突時の車体の損傷
を防ぐため比較的肉厚の金属が使用されていることから
重く燃料効率が悪かった。この欠点を解決するために繊
維強化プラスッチクを使用したものが最近上市されてい
る。その中でもポリプロピレン樹脂をマット状ガラス繊
維に浸み込ませた板状材料をスタンピング成形してバン
パービームとする製造方法が生産性が高く有望であると
言われている。
る目的で金属製のバンパービームが用いられていた。こ
れらのバンパービームは、自動車の衝突時の車体の損傷
を防ぐため比較的肉厚の金属が使用されていることから
重く燃料効率が悪かった。この欠点を解決するために繊
維強化プラスッチクを使用したものが最近上市されてい
る。その中でもポリプロピレン樹脂をマット状ガラス繊
維に浸み込ませた板状材料をスタンピング成形してバン
パービームとする製造方法が生産性が高く有望であると
言われている。
【0003】しかしながら、この板状材料を使用したス
タンピング成形では樹脂の流動にマット状の補強繊維が
完全に追従しないので、形状よっては繊維が少ない部分
が存在するためその部分の強度が弱くなる。このため、
衝撃が加わった場合に大きな変形や破壊がおこりやす
く、バンパービームとして使用する場合に金属材料に比
べて信頼性に問題があるという指摘がある。その強度の
弱い部分を基準として部品設計を行えば、その他の部分
は過剰品質になり、部品重量の増大、更にはコストアッ
プになり合理的ではない。この様な成形材料は100k
g/cm2以上の高圧力での成形が必要で、金型及び成
形機等の設備費負担が大きくなるとの問題点が指摘され
ている。
タンピング成形では樹脂の流動にマット状の補強繊維が
完全に追従しないので、形状よっては繊維が少ない部分
が存在するためその部分の強度が弱くなる。このため、
衝撃が加わった場合に大きな変形や破壊がおこりやす
く、バンパービームとして使用する場合に金属材料に比
べて信頼性に問題があるという指摘がある。その強度の
弱い部分を基準として部品設計を行えば、その他の部分
は過剰品質になり、部品重量の増大、更にはコストアッ
プになり合理的ではない。この様な成形材料は100k
g/cm2以上の高圧力での成形が必要で、金型及び成
形機等の設備費負担が大きくなるとの問題点が指摘され
ている。
【0004】また、通常のポリプロピレン樹脂は曲げ弾
性率が低く、このような曲げ弾性率が低い樹脂を使用し
た場合、バンパービームは加わった衝撃をバンパービー
ム構造中に伝播する能力に劣るため、衝撃の加わった点
で局部的に圧縮座屈破壊をおこし、構造材料として使用
する場合、衝撃エネルギー吸収能力が小さく、大きな問
題であると指摘されている。
性率が低く、このような曲げ弾性率が低い樹脂を使用し
た場合、バンパービームは加わった衝撃をバンパービー
ム構造中に伝播する能力に劣るため、衝撃の加わった点
で局部的に圧縮座屈破壊をおこし、構造材料として使用
する場合、衝撃エネルギー吸収能力が小さく、大きな問
題であると指摘されている。
【0005】また、一般的に繊維補強された樹脂複合材
は金属材料と異なり圧縮強度が引張強度に比べて弱い。
そのために、金属材料で製造されているバンパーバック
アップビームと同じ様な形状、即ち、曲げ荷重を受ける
面に垂直な平面で切断した時の断面形状が、閉じた空間
を形成しない場合、すなわち、開断面形状である場合、
衝撃荷重を受ける面に加わる圧縮荷重に対して材料の圧
縮強度が耐えられず破断し、衝撃荷重を受ける面の反対
側は引張荷重が加わるにもかかわらず材料の引張強度に
余裕あるために破断しないという現象が見られ、材料強
度を有効に発現することができない。そのため、引張側
と圧縮側が同時に破壊するような形状が用いられる。と
ころが、このような形状を設定しても、材料強度のばら
つき、成形工程での条件変動により、引張側と圧縮側が
同時に破壊せず、どちらか一方が先に破壊する場合が見
られ、製品の品質安定性の点で問題を生じている。
は金属材料と異なり圧縮強度が引張強度に比べて弱い。
そのために、金属材料で製造されているバンパーバック
アップビームと同じ様な形状、即ち、曲げ荷重を受ける
面に垂直な平面で切断した時の断面形状が、閉じた空間
を形成しない場合、すなわち、開断面形状である場合、
衝撃荷重を受ける面に加わる圧縮荷重に対して材料の圧
縮強度が耐えられず破断し、衝撃荷重を受ける面の反対
側は引張荷重が加わるにもかかわらず材料の引張強度に
余裕あるために破断しないという現象が見られ、材料強
度を有効に発現することができない。そのため、引張側
と圧縮側が同時に破壊するような形状が用いられる。と
ころが、このような形状を設定しても、材料強度のばら
つき、成形工程での条件変動により、引張側と圧縮側が
同時に破壊せず、どちらか一方が先に破壊する場合が見
られ、製品の品質安定性の点で問題を生じている。
【0006】
【発明が達成しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、設備費負担が少ない低圧で成形が可能で、強度む
らの原因となる繊維の不均一分布がなく、荷重伝播能力
に優れた高剛性で衝撃エネルギ吸収能力の高いバンパー
ビーム用長尺構造体を提供することを目的とする。
鑑み、設備費負担が少ない低圧で成形が可能で、強度む
らの原因となる繊維の不均一分布がなく、荷重伝播能力
に優れた高剛性で衝撃エネルギ吸収能力の高いバンパー
ビーム用長尺構造体を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】即ち、本発明者らは、曲
げ荷重を受ける面に垂直な平面で切断した断面が閉じた
空間を形成し、閉じた空間を形成する材料が重量含有率
40〜80%の一方向に配列した連続繊維を含有した熱
可塑性樹脂から成り、閉じた空間を形成する断面形状の
中立軸と荷重を受ける面との距離をE1、中立軸と荷重
を受ける面と反対側の面との距離をE2としたとき、断
面形状が構造体の各部で同じときはE2/E1を2.7
〜8.0とし、断面形状が構造体の各部で異なるときは
E2/E1の最大値と最小値との平均値が2.7〜8.
0とすることにより、目的を達成しうることを見いだし
た。
げ荷重を受ける面に垂直な平面で切断した断面が閉じた
空間を形成し、閉じた空間を形成する材料が重量含有率
40〜80%の一方向に配列した連続繊維を含有した熱
可塑性樹脂から成り、閉じた空間を形成する断面形状の
中立軸と荷重を受ける面との距離をE1、中立軸と荷重
を受ける面と反対側の面との距離をE2としたとき、断
面形状が構造体の各部で同じときはE2/E1を2.7
〜8.0とし、断面形状が構造体の各部で異なるときは
E2/E1の最大値と最小値との平均値が2.7〜8.
0とすることにより、目的を達成しうることを見いだし
た。
【0008】バンパービームのような構造体が曲げ荷重
を受ける場合、荷重を受ける面は圧縮を受け、それに対
し、荷重を受ける面と反対側の面は引張りを受けること
になる。このとき、この2面の間に圧縮も引張りも受け
ない面が存在する。この面を中立面という。曲げ荷重を
受ける面に垂直な平面で切断したとき、中立面にあたる
線がある。この線を中立軸という。従って、この曲げ荷
重を受ける面に垂直な平面で切断した面で見た場合、曲
げ荷重を受けたとき、曲げ荷重を受ける面から中立軸ま
では圧縮荷重を受けることになり、中立軸から曲げ荷重
を受ける面と反対側の面までは引張り荷重を受けること
になる。
を受ける場合、荷重を受ける面は圧縮を受け、それに対
し、荷重を受ける面と反対側の面は引張りを受けること
になる。このとき、この2面の間に圧縮も引張りも受け
ない面が存在する。この面を中立面という。曲げ荷重を
受ける面に垂直な平面で切断したとき、中立面にあたる
線がある。この線を中立軸という。従って、この曲げ荷
重を受ける面に垂直な平面で切断した面で見た場合、曲
げ荷重を受けたとき、曲げ荷重を受ける面から中立軸ま
では圧縮荷重を受けることになり、中立軸から曲げ荷重
を受ける面と反対側の面までは引張り荷重を受けること
になる。
【0009】材料強度のばらつき、成形工程での条件変
動が多少あったとしても、必ず引張側で破断する形状の
方が、耐荷重性能も大きく、また、製品品質安定の面で
望ましい。この点を達成し、かつ、目的の構造体を構成
するためには、断面の形状は、曲げ荷重を受ける面に垂
直な平面で切断したときの形状が閉じた空間を形成し、
断面形状の中立軸に近い方の面が荷重面で、E2/E1
が断面形状が構造体の各部で同じときは2.7〜8.
0、断面形状が構造体の各部で異なるときはE2/E1
の最大値と最小値との平均値が2.7〜8.0であるこ
とが好ましいことを見いだした。
動が多少あったとしても、必ず引張側で破断する形状の
方が、耐荷重性能も大きく、また、製品品質安定の面で
望ましい。この点を達成し、かつ、目的の構造体を構成
するためには、断面の形状は、曲げ荷重を受ける面に垂
直な平面で切断したときの形状が閉じた空間を形成し、
断面形状の中立軸に近い方の面が荷重面で、E2/E1
が断面形状が構造体の各部で同じときは2.7〜8.
0、断面形状が構造体の各部で異なるときはE2/E1
の最大値と最小値との平均値が2.7〜8.0であるこ
とが好ましいことを見いだした。
【0010】閉断面形状を成形するためには、接合部分
に接着剤等の材料を使用せずに、溶融状態にある熱可塑
性樹脂の融着接合が低圧で実行出来ることが望ましくこ
の様な材料として、一方向に配列した連続繊維を含有す
る熱可塑性樹脂板の積層体、すなわち、プリプレグが有
効である。一方向に配列した連続繊維を含有させる熱可
塑性樹脂は、曲げ弾性率の高い樹脂がよく、曲げ弾性率
の高いのポリプロピレン樹脂がより好ましい。曲げ弾性
率の高いポリプロピレン樹脂とは、ポリプロピレンの単
独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン等のα−オレ
フィンとの共重合体等であり、結晶性を有するものなら
ばいずれでもよい。
に接着剤等の材料を使用せずに、溶融状態にある熱可塑
性樹脂の融着接合が低圧で実行出来ることが望ましくこ
の様な材料として、一方向に配列した連続繊維を含有す
る熱可塑性樹脂板の積層体、すなわち、プリプレグが有
効である。一方向に配列した連続繊維を含有させる熱可
塑性樹脂は、曲げ弾性率の高い樹脂がよく、曲げ弾性率
の高いのポリプロピレン樹脂がより好ましい。曲げ弾性
率の高いポリプロピレン樹脂とは、ポリプロピレンの単
独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン等のα−オレ
フィンとの共重合体等であり、結晶性を有するものなら
ばいずれでもよい。
【0011】熱可塑性樹脂の曲げ弾性率は、その適切な
成形条件で射出成形した時、120〜350kg/mm
2がよく、150〜300kg/mm2がより好ましい。
曲げ弾性率が120kg/mm2未満であると、構造体
が受けた荷重が構造全体に伝搬せず、荷重が加わった部
分だけが局部的に変形し耐荷重性能が低下する。また、
350kg/mm2を超えると、樹脂が脆くなり衝撃荷
重に対して耐久性が低下する。
成形条件で射出成形した時、120〜350kg/mm
2がよく、150〜300kg/mm2がより好ましい。
曲げ弾性率が120kg/mm2未満であると、構造体
が受けた荷重が構造全体に伝搬せず、荷重が加わった部
分だけが局部的に変形し耐荷重性能が低下する。また、
350kg/mm2を超えると、樹脂が脆くなり衝撃荷
重に対して耐久性が低下する。
【0012】曲げ弾性率の高いの熱可塑性樹脂の製造方
法は特に限定はないが、一例として四塩化チタンをジエ
チルアルミニウムクロライドで還元した後、ジイソアミ
ルエーテルで処理し、更に四塩化チタンで処理した三塩
化チタン組成物触媒と有機アルミニウム化合物(例え
ば、ジエチルアルミニウムクロライド)及び必要により
第三成分(例えば、エーテル、エステル、ホスファイト
化合物等)とからなる組み合せの触媒系を用いて重合し
たものが挙げられる。更に必要に応じて結晶核剤(例え
ば、ソルビトール誘導体、ジアリルホスフェート金属塩
等)を添加してもよい。
法は特に限定はないが、一例として四塩化チタンをジエ
チルアルミニウムクロライドで還元した後、ジイソアミ
ルエーテルで処理し、更に四塩化チタンで処理した三塩
化チタン組成物触媒と有機アルミニウム化合物(例え
ば、ジエチルアルミニウムクロライド)及び必要により
第三成分(例えば、エーテル、エステル、ホスファイト
化合物等)とからなる組み合せの触媒系を用いて重合し
たものが挙げられる。更に必要に応じて結晶核剤(例え
ば、ソルビトール誘導体、ジアリルホスフェート金属塩
等)を添加してもよい。
【0013】一方向に配列した連続繊維と熱可塑性樹脂
との密着性を向上させるために、グラフト化熱可塑性樹
脂を用いることができる。グラフト化熱可塑性樹脂と
は、結晶性ポリプロピレン樹脂を炭化水素溶媒中有機過
酸化物触媒によりラジカル重合性不飽和化合物をグラフ
ト重合させたグラフト化ポリプロピレンを熱可塑性樹脂
に添加したもので、グラフト化ポリプロピレンの添加量
は0.005重量部〜3重量部が好ましく、0.2〜2
重量部がより好ましい。添加量が0.005重量部以下
であると、ガラス繊維との密着性が不十分で強度が発現
せず、3重量部以上の場合は樹脂が脆くなり耐衝撃性が
低下する。
との密着性を向上させるために、グラフト化熱可塑性樹
脂を用いることができる。グラフト化熱可塑性樹脂と
は、結晶性ポリプロピレン樹脂を炭化水素溶媒中有機過
酸化物触媒によりラジカル重合性不飽和化合物をグラフ
ト重合させたグラフト化ポリプロピレンを熱可塑性樹脂
に添加したもので、グラフト化ポリプロピレンの添加量
は0.005重量部〜3重量部が好ましく、0.2〜2
重量部がより好ましい。添加量が0.005重量部以下
であると、ガラス繊維との密着性が不十分で強度が発現
せず、3重量部以上の場合は樹脂が脆くなり耐衝撃性が
低下する。
【0014】グラフト化されるラジカル重合性不飽和化
合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、無水グルタコン酸等があげられる。無水
マレイン酸は通常、2〜10重量部をポリプロピレンに
対してグラフト化する。グラフト化ポリプロピレン樹脂
の曲げ弾性率は120〜350kg/mm2がよく、1
50〜300kg/mm2がより好ましい。
合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、無水グルタコン酸等があげられる。無水
マレイン酸は通常、2〜10重量部をポリプロピレンに
対してグラフト化する。グラフト化ポリプロピレン樹脂
の曲げ弾性率は120〜350kg/mm2がよく、1
50〜300kg/mm2がより好ましい。
【0015】一方向に配列した連続繊維は、ガラス繊維
が好ましい。連続繊維を一方向に配列するとは、通常太
さ3〜25μmのモノフィラメントを200〜1200
0本集束したヤーンもしくは、ロービングを、所定本数
一方向に並べることで、これに熱可塑性樹脂を含浸させ
る。ガラス繊維は、シラン系、チタネート系、ジルコニ
ウム系のカップリング剤で処理し、樹脂との密着性を向
上させたものを用いる。ガラス繊維の場合のカップリン
グ剤はポリプロピレン樹脂との密着性を向上させるもの
を選択することが必要である。
が好ましい。連続繊維を一方向に配列するとは、通常太
さ3〜25μmのモノフィラメントを200〜1200
0本集束したヤーンもしくは、ロービングを、所定本数
一方向に並べることで、これに熱可塑性樹脂を含浸させ
る。ガラス繊維は、シラン系、チタネート系、ジルコニ
ウム系のカップリング剤で処理し、樹脂との密着性を向
上させたものを用いる。ガラス繊維の場合のカップリン
グ剤はポリプロピレン樹脂との密着性を向上させるもの
を選択することが必要である。
【0016】そのようなカップリング剤としては例え
ば、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル−トリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル−トリメトキシシラン、γ−グリシドキシ−プロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル−トリ
ス−(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロ
キシ−プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−アミノフ
ェニルトリエトキシシラン、イソプロピル−トリイソス
テアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベン
ゼンスルフォニルチタネート、イソプロピルトリス(ジ
オクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオク
チルビス(ジトリデシルフォスファイト)チタネート、
テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)
ビス(ジトリデシルフォスファイト)オキシアセテート
チタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)
エチレンチタネート等があげられる。
ば、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル−トリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル−トリメトキシシラン、γ−グリシドキシ−プロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル−トリ
ス−(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロ
キシ−プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−アミノフ
ェニルトリエトキシシラン、イソプロピル−トリイソス
テアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベン
ゼンスルフォニルチタネート、イソプロピルトリス(ジ
オクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオク
チルビス(ジトリデシルフォスファイト)チタネート、
テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)
ビス(ジトリデシルフォスファイト)オキシアセテート
チタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)
エチレンチタネート等があげられる。
【0017】カップリング剤を繊維表面に施す方法は次
の通りである。即ち、繊維表面に、カップリング剤を
0.1〜3重量%溶解した液を、浸漬、噴霧塗布等の手
段により完全に濡らす。このカップリング剤溶液を含ん
だ繊維を60〜120゜Cで乾燥し、カップリング剤を
繊維表面に反応させる。乾燥時間は溶媒が揮散してしま
う時間で充分で15〜20分程度である。 カップリン
グ剤を溶解する溶媒は、使用する表面処理剤に応じて、
pH2.0〜12.0位に調整した水溶液を用いる場合
と、エタノール、トルエンアセトン、キシレン等の有機
溶剤を単独で、或は混合して使用する場合とがある。
の通りである。即ち、繊維表面に、カップリング剤を
0.1〜3重量%溶解した液を、浸漬、噴霧塗布等の手
段により完全に濡らす。このカップリング剤溶液を含ん
だ繊維を60〜120゜Cで乾燥し、カップリング剤を
繊維表面に反応させる。乾燥時間は溶媒が揮散してしま
う時間で充分で15〜20分程度である。 カップリン
グ剤を溶解する溶媒は、使用する表面処理剤に応じて、
pH2.0〜12.0位に調整した水溶液を用いる場合
と、エタノール、トルエンアセトン、キシレン等の有機
溶剤を単独で、或は混合して使用する場合とがある。
【0018】一方向に配列した連続繊維に熱可塑性樹脂
を含浸させる方法としては種々の手段があるが、最も一
般的な方法は以下の通りである。一つは、溶剤に可溶な
樹脂であれば、その樹脂を溶液化して補強繊維に含浸さ
せ、その後脱泡しながら溶媒を除去する方法である。更
に一つは、樹脂を加熱溶融して補強繊維に含浸し、脱泡
し、冷却する方法である。この様にして製造した一方向
に配列した連続繊維を含有する熱可塑性樹脂は、繊維と
熱可塑性樹脂の密着性に優れており、繊維含有率も30
〜90%と要求に応じて変えることができ、厚みも0.
1〜1.0mmと薄く製造することができる。
を含浸させる方法としては種々の手段があるが、最も一
般的な方法は以下の通りである。一つは、溶剤に可溶な
樹脂であれば、その樹脂を溶液化して補強繊維に含浸さ
せ、その後脱泡しながら溶媒を除去する方法である。更
に一つは、樹脂を加熱溶融して補強繊維に含浸し、脱泡
し、冷却する方法である。この様にして製造した一方向
に配列した連続繊維を含有する熱可塑性樹脂は、繊維と
熱可塑性樹脂の密着性に優れており、繊維含有率も30
〜90%と要求に応じて変えることができ、厚みも0.
1〜1.0mmと薄く製造することができる。
【0019】また、閉断面の空間に芯材を入れれば、衝
撃荷重が加わった部分の局部的な破断が防止され、構造
体の耐衝撃性がより一段と向上する。芯材としては、熱
可塑性樹脂発泡体が好ましい。熱可塑性樹脂発泡体とし
ては、発泡倍率が2〜50倍のポリプロピレン発泡体、
又はポリプロピレン発泡体を外層に有するポリスチレン
発泡体等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定される
ものではない。
撃荷重が加わった部分の局部的な破断が防止され、構造
体の耐衝撃性がより一段と向上する。芯材としては、熱
可塑性樹脂発泡体が好ましい。熱可塑性樹脂発泡体とし
ては、発泡倍率が2〜50倍のポリプロピレン発泡体、
又はポリプロピレン発泡体を外層に有するポリスチレン
発泡体等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定される
ものではない。
【0020】熱可塑性樹脂発泡体を繊維を含有した熱可
塑性樹脂と一体化させることにより、構造体の衝撃荷重
をさらに向上させることができる。プリプレグと熱可塑
性樹脂発泡体を一体化するには、プリプレグの熱可塑性
樹脂が溶融状態にある一体以上の積層体を、所望の外形
を有する発泡樹脂体の表面に重ね合わせて密着させ、積
層体の保有する熱で発泡樹脂体の表面を溶融させ、積層
体と熱可塑性樹脂発泡体とを互いに溶着させるとことに
より、接着剤を使用することなく、プリプレグ積層体と
熱可塑性樹脂発泡体を一体化させることが出来る。熱可
塑性樹脂発泡体は必ずしも閉断面の全空間に充填されて
いる必要はなく荷重を負担する率の低い所は発泡体がな
くても差し支えはない。
塑性樹脂と一体化させることにより、構造体の衝撃荷重
をさらに向上させることができる。プリプレグと熱可塑
性樹脂発泡体を一体化するには、プリプレグの熱可塑性
樹脂が溶融状態にある一体以上の積層体を、所望の外形
を有する発泡樹脂体の表面に重ね合わせて密着させ、積
層体の保有する熱で発泡樹脂体の表面を溶融させ、積層
体と熱可塑性樹脂発泡体とを互いに溶着させるとことに
より、接着剤を使用することなく、プリプレグ積層体と
熱可塑性樹脂発泡体を一体化させることが出来る。熱可
塑性樹脂発泡体は必ずしも閉断面の全空間に充填されて
いる必要はなく荷重を負担する率の低い所は発泡体がな
くても差し支えはない。
【0021】一体化は、繊維を含有した熱可塑性樹脂板
が溶融状態にある間に、3kg/cm2以下の低圧下で
一体化させる。圧力が3kg/cm2以上であると、繊
維を含有した熱可塑性樹脂板の樹脂が流動するので繊維
の配列が乱れて強度低下の原因となり、また、樹脂発泡
体が圧壊して構造体としての強度が低下する等の問題を
発生する。
が溶融状態にある間に、3kg/cm2以下の低圧下で
一体化させる。圧力が3kg/cm2以上であると、繊
維を含有した熱可塑性樹脂板の樹脂が流動するので繊維
の配列が乱れて強度低下の原因となり、また、樹脂発泡
体が圧壊して構造体としての強度が低下する等の問題を
発生する。
【0022】また、バンパービームが衝撃荷重を受けた
場合、バンパービームが車体側に変形して、衝撃エネル
ギーを緩衝して、車体及び車内にいる搭乗者を保護す
る。車体側に変形する量が大きいほどエネルギー吸収量
が多くなり安全性が向上する。従って、バンパービーム
の荷重を受ける面が荷重を受ける方向に向かって弓形に
膨らんだ形状であることが好ましい。最初に衝撃荷重を
受ける面が破壊すると直接車体で衝撃荷重を受けること
になり、安全性の点で問題である。その対策として、最
初に荷重を受ける部分の板厚を他の部分に比べて部分的
に厚くすることは安全性の向上に好ましいことである。
また、衝撃荷重を受ける面の側は荷重を受けない面に比
べ発泡倍率の低い発泡体を使用すると、荷重をバンパー
ビーム全体に伝播させて、耐荷重性能を向上させる上で
有効な手段となる。
場合、バンパービームが車体側に変形して、衝撃エネル
ギーを緩衝して、車体及び車内にいる搭乗者を保護す
る。車体側に変形する量が大きいほどエネルギー吸収量
が多くなり安全性が向上する。従って、バンパービーム
の荷重を受ける面が荷重を受ける方向に向かって弓形に
膨らんだ形状であることが好ましい。最初に衝撃荷重を
受ける面が破壊すると直接車体で衝撃荷重を受けること
になり、安全性の点で問題である。その対策として、最
初に荷重を受ける部分の板厚を他の部分に比べて部分的
に厚くすることは安全性の向上に好ましいことである。
また、衝撃荷重を受ける面の側は荷重を受けない面に比
べ発泡倍率の低い発泡体を使用すると、荷重をバンパー
ビーム全体に伝播させて、耐荷重性能を向上させる上で
有効な手段となる。
【0023】以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に
説明する。図1は、従来のバンパービームの形状を示し
た。10Aは、断面が閉断面構造でなく、10Bは、断
面形状が角パイプでありる。
説明する。図1は、従来のバンパービームの形状を示し
た。10Aは、断面が閉断面構造でなく、10Bは、断
面形状が角パイプでありる。
【0024】図2は、本発明に係る製造方法によって得
られるバンパービーム用長尺構造体の断面形状の例を示
したものであるが、必ずしも、この形状に限定されるわ
けでは無い。20Aはバンパービーム中心の最も断面形
状図形が大きい部分、20Bは最も断面形状図形が小さ
い部分を示す。
られるバンパービーム用長尺構造体の断面形状の例を示
したものであるが、必ずしも、この形状に限定されるわ
けでは無い。20Aはバンパービーム中心の最も断面形
状図形が大きい部分、20Bは最も断面形状図形が小さ
い部分を示す。
【0025】図3は、従来の形状及び本発明に係わる製
造方法によって得られるバンパービーム用長尺構造体の
外観斜視図の一例を示したものである。但し、断面の形
状は、必ずしもこの形状に限定されるわけではない。図
4は、本発明に係わるバンパービーム用長尺構造体の断
面形状の詳細を示したものである。図5は、本発明に係
るバンパービーム用長尺構造体の製造方法を示す概略図
である。図6は、バンパービーム用長尺構造体の曲げ荷
重試験を行っている概略図である。
造方法によって得られるバンパービーム用長尺構造体の
外観斜視図の一例を示したものである。但し、断面の形
状は、必ずしもこの形状に限定されるわけではない。図
4は、本発明に係わるバンパービーム用長尺構造体の断
面形状の詳細を示したものである。図5は、本発明に係
るバンパービーム用長尺構造体の製造方法を示す概略図
である。図6は、バンパービーム用長尺構造体の曲げ荷
重試験を行っている概略図である。
【0026】図3中の30Aは長さ1.4mの直状の従
来からあるバンパービーム用長尺構造体を示し、30B
は長さ1.4mで衝撃荷重面側に対して凸になるよう
に、荷重面側だけに曲率を付け、荷重面側の対面は直状
であるバンパービーム用長尺構造体を示す。この様にア
ーチを付けることにより剛性を増し、破断時のたわみを
少なくするという効果がある。
来からあるバンパービーム用長尺構造体を示し、30B
は長さ1.4mで衝撃荷重面側に対して凸になるよう
に、荷重面側だけに曲率を付け、荷重面側の対面は直状
であるバンパービーム用長尺構造体を示す。この様にア
ーチを付けることにより剛性を増し、破断時のたわみを
少なくするという効果がある。
【0027】図4は本発明の実施例で成形したバンパー
ビーム用長尺構造体の断面形状の詳細図を示したが、図
中1はプリプレグ積層体を示し、2は発泡体を示してい
る。それぞれの積層体は、その樹脂の溶融温度以上に予
熱されている状態で相互に熱融着され、接着剤を使用せ
ずに一体化されている。
ビーム用長尺構造体の断面形状の詳細図を示したが、図
中1はプリプレグ積層体を示し、2は発泡体を示してい
る。それぞれの積層体は、その樹脂の溶融温度以上に予
熱されている状態で相互に熱融着され、接着剤を使用せ
ずに一体化されている。
【0028】発泡体と積層体は、積層体を構成する樹脂
の溶融温度以上に予熱された積層体の熱で、発泡体の表
面樹脂が溶かされ積層体表面の樹脂と混ざり合い一体化
し、その後冷却されるので、接着剤を使用せずに強固に
接合されている。
の溶融温度以上に予熱された積層体の熱で、発泡体の表
面樹脂が溶かされ積層体表面の樹脂と混ざり合い一体化
し、その後冷却されるので、接着剤を使用せずに強固に
接合されている。
【0029】バンパービーム用長尺構造体の成形法は、
図5、Aに示した様に、まずプリプレグ積層体を、ポリ
プロピレン樹脂の溶融温度以上に加熱した予熱装置3内
で所定時間予熱する。予熱装置としては熱板を装着した
プレス式の直接加熱できる装置が、熱伝導性がよく望ま
しいが、遠赤外線を熱源とする間接加熱式でも使用可能
である。プレス式予熱装置の場合、熱板と積層体の離型
性を良くするために、ポリテトラフロロエチレンフィル
ム、ガラスクロス又はガラスネットにポリテトラフロロ
エチレンを含浸したシート、ポリイミドフィルム等の離
型膜4を熱板表面に適用することが望ましい。
図5、Aに示した様に、まずプリプレグ積層体を、ポリ
プロピレン樹脂の溶融温度以上に加熱した予熱装置3内
で所定時間予熱する。予熱装置としては熱板を装着した
プレス式の直接加熱できる装置が、熱伝導性がよく望ま
しいが、遠赤外線を熱源とする間接加熱式でも使用可能
である。プレス式予熱装置の場合、熱板と積層体の離型
性を良くするために、ポリテトラフロロエチレンフィル
ム、ガラスクロス又はガラスネットにポリテトラフロロ
エチレンを含浸したシート、ポリイミドフィルム等の離
型膜4を熱板表面に適用することが望ましい。
【0030】プリプレグ積層体を予熱するときのプレス
圧力は、樹脂が流動により積層体の繊維の直線性が乱れ
ない範囲内で通常は3kg/cm2以下で行う。予熱が
終了したプリプレグ積層体1を取り出し、図5、Bに示
した様に、断熱された定盤5上に積層体1を置き、次い
で、その上に発泡体2を置く。発泡体2の周囲の面に、
積層体1を押し付けながら図5Bに示す様に発泡体の周
囲に沿わせながら、順次図5、Cに示す様に発泡体の外
側面に巻き付けた後、押え板7により溶融状態にある積
層体を発泡体2の面に押し付ける。押え板7は、斜め上
方8から移動してくるのでバンパービーム用長尺構造体
の側面と底面を均一に加圧することができる。
圧力は、樹脂が流動により積層体の繊維の直線性が乱れ
ない範囲内で通常は3kg/cm2以下で行う。予熱が
終了したプリプレグ積層体1を取り出し、図5、Bに示
した様に、断熱された定盤5上に積層体1を置き、次い
で、その上に発泡体2を置く。発泡体2の周囲の面に、
積層体1を押し付けながら図5Bに示す様に発泡体の周
囲に沿わせながら、順次図5、Cに示す様に発泡体の外
側面に巻き付けた後、押え板7により溶融状態にある積
層体を発泡体2の面に押し付ける。押え板7は、斜め上
方8から移動してくるのでバンパービーム用長尺構造体
の側面と底面を均一に加圧することができる。
【0031】次いで、図5Dに示す様に、反転させて巻
き残りの積層体を荷重を受ける面に重ね合わせて押え板
9で押えて、溶融状態の積層体1を発泡体2に密着させ
る。最後に、冷却を行い積層体同志、積層体と発泡体を
密着固化させバンパービーム用長尺構造体を得ることが
できる。この工程で、積層体と積層体、発泡体と積層体
を溶融密着させる時の圧力は、予熱工程と同様3kg/
cm2以下で行うことが望ましい。この様にして得られ
たバンパービーム用長尺構造体の耐衝撃性能の評価は図
6に示した様に両端を固定した3点曲げ試験により行う
ことが出来る。性能判断の基準は破断荷重が高く、破断
時のたわみ量が少ないことである。
き残りの積層体を荷重を受ける面に重ね合わせて押え板
9で押えて、溶融状態の積層体1を発泡体2に密着させ
る。最後に、冷却を行い積層体同志、積層体と発泡体を
密着固化させバンパービーム用長尺構造体を得ることが
できる。この工程で、積層体と積層体、発泡体と積層体
を溶融密着させる時の圧力は、予熱工程と同様3kg/
cm2以下で行うことが望ましい。この様にして得られ
たバンパービーム用長尺構造体の耐衝撃性能の評価は図
6に示した様に両端を固定した3点曲げ試験により行う
ことが出来る。性能判断の基準は破断荷重が高く、破断
時のたわみ量が少ないことである。
【0032】図6は、バンパービーム用長尺構造体30
Bの曲げ荷重試験を行っている概略図であるが、荷重面
のフランジ部分を固定治具11にボルト12で固定し、
バンパービーム用長尺構造体中央部に緩衝材として厚さ
30mmの15倍発泡のポリプロピレン樹脂発泡体13
を置き、直径180mmの円柱を縦に半割りした鉄製の
載荷治具14を介して荷重を加え、破断時のたわみ量と
荷重を測定するものである。
Bの曲げ荷重試験を行っている概略図であるが、荷重面
のフランジ部分を固定治具11にボルト12で固定し、
バンパービーム用長尺構造体中央部に緩衝材として厚さ
30mmの15倍発泡のポリプロピレン樹脂発泡体13
を置き、直径180mmの円柱を縦に半割りした鉄製の
載荷治具14を介して荷重を加え、破断時のたわみ量と
荷重を測定するものである。
【0033】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明する。本発明の実施例に使用する一方向に配列
した繊維を用いたシート状プリプレグは特公平04−4
2168号に記載されている様に、γ−メタクリロキシ
−プロピルトリメトキシシランを表面処理した13μの
モノフィラメントが1800集束されているヤーンを均
一張力で 引っ張りながら一方向にに引き揃えて、引張
りながら熱溶融した熱可塑性樹脂に接触させて熱ロール
で樹脂をしごきながら含浸し製造した。
細に説明する。本発明の実施例に使用する一方向に配列
した繊維を用いたシート状プリプレグは特公平04−4
2168号に記載されている様に、γ−メタクリロキシ
−プロピルトリメトキシシランを表面処理した13μの
モノフィラメントが1800集束されているヤーンを均
一張力で 引っ張りながら一方向にに引き揃えて、引張
りながら熱溶融した熱可塑性樹脂に接触させて熱ロール
で樹脂をしごきながら含浸し製造した。
【0034】プリプレグに使用したポリプロピレン樹脂
に繊維との密着性を向上させるために添加したグラフト
化ポリプロピレン樹脂は特開昭61−276846号に
記載されている様に炭化水素溶媒であるクロルベンゼン
中で有機過酸化物触媒であるジ−t−ブチルパーオキサ
イドを使用し、ラジカル重合性不飽和化合物としては無
水マレイン酸を使用して結晶性ポリプロピレン樹脂(M
I=30のポリプロピレンホモポリマー)をグラフト重
合させて製造した。このグラフト化ポリプロピレン樹脂
をプリプレグ用樹脂に添加してプリプレグを製造した。
に繊維との密着性を向上させるために添加したグラフト
化ポリプロピレン樹脂は特開昭61−276846号に
記載されている様に炭化水素溶媒であるクロルベンゼン
中で有機過酸化物触媒であるジ−t−ブチルパーオキサ
イドを使用し、ラジカル重合性不飽和化合物としては無
水マレイン酸を使用して結晶性ポリプロピレン樹脂(M
I=30のポリプロピレンホモポリマー)をグラフト重
合させて製造した。このグラフト化ポリプロピレン樹脂
をプリプレグ用樹脂に添加してプリプレグを製造した。
【0035】本発明で使用するプリプレグで使用したマ
トリックス樹脂の曲げ弾性率、グラフト化ポリプロピレ
ン樹脂添加量、ガラス繊維の形態及びプリプレグ中の繊
維の含有率を表1に示す。本実施例、比較例で成形し
た、バンパービーム用長尺構造体は実施例1及び比較例
1以外は重量が、大凡3kgになるように成形した。
トリックス樹脂の曲げ弾性率、グラフト化ポリプロピレ
ン樹脂添加量、ガラス繊維の形態及びプリプレグ中の繊
維の含有率を表1に示す。本実施例、比較例で成形し
た、バンパービーム用長尺構造体は実施例1及び比較例
1以外は重量が、大凡3kgになるように成形した。
【0036】実施例1 プリプレグAを使用して、プリプレグの繊維方向を0度
としたときに、上から90度、0度、90度、0度、0
度、90度、0度、90度と上下の層の繊維方向が直交
する様に8枚積み重ねた積層体1を準備した。積層体1
は縦1400mm幅580mmで、長辺1400mmの
方向が0度となるように積層体を準備した。さらに、長
さ1400mmの15倍発泡のポリプロピレン樹脂発泡
体を準備した。積層体1を200℃で図5中の3に示す
予熱装置で0.2kg/cm2の圧力で2分間予熱し、
前記した図4に示した手順により0.2kg/cm2の
成形圧力で、図2中の断面形状で、図3、30Bに示す
バンパービーム用長尺構造体を成形した。このバンパー
ビーム用長尺構造体を図6に示すように、上面フランジ
部をボルトで固定して曲げ荷重試験を行った。試験条件
は、図2に示した断面形状の上側面を荷重面とし、試験
機としてインストロン1120型万能試験機を使用し、
両端固定の曲げ試験で固定ボルト間の距離は1000m
m、載荷速度は20mm/分とした。E2/E1及びバ
ンパービーム用長尺構造体の重量、曲げ試験結果を表2
に示した。また、最も大きな断面のE2/E1と最も小
さい断面のE2/E1との平均値を合わせて表2に示し
た。
としたときに、上から90度、0度、90度、0度、0
度、90度、0度、90度と上下の層の繊維方向が直交
する様に8枚積み重ねた積層体1を準備した。積層体1
は縦1400mm幅580mmで、長辺1400mmの
方向が0度となるように積層体を準備した。さらに、長
さ1400mmの15倍発泡のポリプロピレン樹脂発泡
体を準備した。積層体1を200℃で図5中の3に示す
予熱装置で0.2kg/cm2の圧力で2分間予熱し、
前記した図4に示した手順により0.2kg/cm2の
成形圧力で、図2中の断面形状で、図3、30Bに示す
バンパービーム用長尺構造体を成形した。このバンパー
ビーム用長尺構造体を図6に示すように、上面フランジ
部をボルトで固定して曲げ荷重試験を行った。試験条件
は、図2に示した断面形状の上側面を荷重面とし、試験
機としてインストロン1120型万能試験機を使用し、
両端固定の曲げ試験で固定ボルト間の距離は1000m
m、載荷速度は20mm/分とした。E2/E1及びバ
ンパービーム用長尺構造体の重量、曲げ試験結果を表2
に示した。また、最も大きな断面のE2/E1と最も小
さい断面のE2/E1との平均値を合わせて表2に示し
た。
【0037】実施例2 15倍発泡のポリプロピレン樹脂発泡体の代りに30倍
発泡のポリスチレン樹脂発泡体を使用する以外は実施例
1と同様にしてバンパービーム用長尺構造体を成形し
た。このバンパービーム用長尺構造体内部のポリスチレ
ン樹脂発泡体をアセトンを滴下することにより、溶解除
去して発泡体のない中空断面形状のバンパービーム用長
尺構造体とした。実施例1と同様にして重量測定と曲げ
荷重試験を行った。その結果を表2に示した。
発泡のポリスチレン樹脂発泡体を使用する以外は実施例
1と同様にしてバンパービーム用長尺構造体を成形し
た。このバンパービーム用長尺構造体内部のポリスチレ
ン樹脂発泡体をアセトンを滴下することにより、溶解除
去して発泡体のない中空断面形状のバンパービーム用長
尺構造体とした。実施例1と同様にして重量測定と曲げ
荷重試験を行った。その結果を表2に示した。
【0038】比較例1 プリプレグBを使用する以外は実施例1と同様にしてバ
ンパービーム用長尺構造体を成形した。実施例1と同様
にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定と曲げ
荷重試験を行った。結果を表2に示した。
ンパービーム用長尺構造体を成形した。実施例1と同様
にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定と曲げ
荷重試験を行った。結果を表2に示した。
【0039】比較例2 プリプレグAを使用し、図1中の10Aに示す断面形状
の長さ1400mmの直状ビームを成形した。実施例1
と同様にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定
と曲げ荷重試験を行った。結果を表2に示した。曲げ荷
重試験は図1中の10A示した上側面を荷重面として行
った。
の長さ1400mmの直状ビームを成形した。実施例1
と同様にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定
と曲げ荷重試験を行った。結果を表2に示した。曲げ荷
重試験は図1中の10A示した上側面を荷重面として行
った。
【0040】比較例3 プリプレグAを使用し、図1中の10Bに示す断面形状
の長さ1400mmの直状ビームを成形した。実施例1
と同様にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定
と曲げ荷重試験を行った。結果を表2に示した。
の長さ1400mmの直状ビームを成形した。実施例1
と同様にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定
と曲げ荷重試験を行った。結果を表2に示した。
【0041】比較例4 プリプレグAを使用し、図3中の30Aに示す断面形状
の長さ1400mmの直状ビームを成形した。実施例1
と同様にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定
と曲げ荷重試験を行った。結果を表2に示した。
の長さ1400mmの直状ビームを成形した。実施例1
と同様にして、バンパービーム用長尺構造体重量の測定
と曲げ荷重試験を行った。結果を表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明に係わる連続繊維を配合してな
る、熱可塑性樹脂板からなるバンパービーム用長尺構造
体は低圧成形が可能で、閉じた断面形状が簡便に成形で
きる。従来の同種の材料には見られなかった、この特性
により、繊維強化熱可塑性樹脂の材料物性値を有効に生
かした設計通りの形状が容易に得られるので、軽量かつ
高強度のバンパービーム用長尺構造体を供給することが
可能となった。
る、熱可塑性樹脂板からなるバンパービーム用長尺構造
体は低圧成形が可能で、閉じた断面形状が簡便に成形で
きる。従来の同種の材料には見られなかった、この特性
により、繊維強化熱可塑性樹脂の材料物性値を有効に生
かした設計通りの形状が容易に得られるので、軽量かつ
高強度のバンパービーム用長尺構造体を供給することが
可能となった。
【図1】従来の製造方法によって得られるバンパービー
ム用長尺構造体の断面図。
ム用長尺構造体の断面図。
【図2】本発明の製造方法によって得られるバンパービ
ーム用長尺構造体の断面図。
ーム用長尺構造体の断面図。
【図3】本発明に係る製造方法によって得られるバンパ
ービーム用長尺構造体の外観斜視図。
ービーム用長尺構造体の外観斜視図。
【図4】本発明により製造されたバンパービーム用長尺
構造体の断面詳細図。
構造体の断面詳細図。
【図5】本発明に係るバンパービーム用長尺構造体の製
造方法を示す概略図。
造方法を示す概略図。
【図6】バンパービーム用長尺構造体の曲げ荷重試験を
行っている概略図。
行っている概略図。
【符号の説明】 1 積層体 2 発泡体 3 プレス式予熱装置 4 離型用シート 5 断熱処理された定盤 6 側面底面押え板 7 押え板移動方向 8 上面押え板 10A バンパービーム用長尺構造体断面形状 10B バンパービーム用長尺構造体断面形状 11 バンパービーム用長尺構造体固定部分 12 バンパービーム用長尺構造体固定用ボルト 13 緩衝材 14 載荷治具 20A バンパービーム用長尺構造体の断面形状 20B バンパービーム用長尺構造体の断面形状 30A 直状バンパービーム用長尺構造体 30B アーチ状バンパービーム用長尺構造体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:30 (72)発明者 勝田 隆太郎 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 冨本 裕昭 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 田邉 浩史 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 坂井 英男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】曲げ荷重を受ける面に垂直な平面で切断し
た断面が閉じた空間を形成し、閉じた空間を形成する材
料が重量含有率で40%以上80%以下の範囲で連続繊
維を配合した熱可塑性樹脂板から成り、閉じた空間を形
成する断面形状図形が中央部に於て、最も大きく、閉じ
た空間を形成する断面形状図形の中立軸と荷重を受ける
面との距離をE1、中立軸と荷重を受ける面と反対側の
面との距離をE2とした時に、断面形状が構造体の各部
で同じときはE2/E1が2.7〜8.0であり、断面
形状が構造体の各部で異なるときはE2/E1の最大値
と最小値との平均値が2.7〜8.0である構造体。 - 【請求項2】発泡倍率2〜50倍で発泡させた熱可塑性
樹脂発泡体を閉じた空間内に存在させ、連続繊維を含有
した熱可塑性樹脂と発泡体を一体化することを特徴とす
る請求項1又は2記載の構造体。 - 【請求項3】繊維を含有する熱可塑性樹脂の弾性率が1
20〜350kg/mm2である請求項1又は2記載の
構造体。 - 【請求項4】熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン樹脂であ
る請求項1〜3記載の長尺構造体。 - 【請求項5】繊維がガラス繊維である請求項1〜4記載
の構造体。 - 【請求項6】熱可塑性樹脂としてラジカル重合性不飽和
化合物でグラフト重合させたグラフト化ポリプロピレン
を0.005〜3.0重量部添加したグラフト化熱可塑
性樹脂を使用する請求項1〜5記載の構造体。 - 【請求項7】曲げ荷重を受ける面が、荷重を受ける方向
に向かって弓形に膨らんだ形状である請求項1〜6に記
載の構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14273794A JPH081691A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 長尺構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14273794A JPH081691A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 長尺構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH081691A true JPH081691A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15322413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14273794A Pending JPH081691A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 長尺構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH081691A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014024969A (ja) * | 2012-07-27 | 2014-02-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | 繊維強化複合材料 |
-
1994
- 1994-06-24 JP JP14273794A patent/JPH081691A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014024969A (ja) * | 2012-07-27 | 2014-02-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | 繊維強化複合材料 |
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