JPH081682U - 切出しボルト取付ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に取り付けることができ且つ製作が簡単
で高強度の切出しボルト取付ユニットを提供する。 【解決手段】 構造部材に突合せるフランジとスリーブ
とを備えた盲リベット本体を包含し、取付け作業を行う
ため取付用ヘッドと引張りステムを有するマンドレルを
備え、前記引張りステムが取付用工具によって把持され
且つ一定の引張り力を越えた後予定の破かい点で前記マ
ンドレルから除去されるようになった構造部材に取付け
るための切出しボルト取付ユニットに関する。フランジ
（３）と折り首（１０）との間のマンドレル（６）の部
分に切出しボルトが形成され、取付作業後に盲リベット
本体（１）の内側に残留しているマンドレル（６）が前
記フランジ（３）から突出した切出しボルト部（９）を
担持できるような距離だけフランジ（３）からへだたっ
た位置に折り首（１０）を配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は構造部材に突合せるフランジとスリーブとを備えた盲リベット本体を 包含し、取付け作業を行うため取付用ヘッドと引張りステムを有するマンドレル を備え、前記引張りステムが取付用工具によって把持され、且つ一定の引張り力 を越えた後予定の破かい点で前記マンドレルから取り外されるようになった構造 部材に取付けるための切出しボルト（Profiled Bolt ）取付ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】

このような切出しボルト取付ユニットはドイツのGebrauchmusterの特許第８０ ００８９１号において公知である。例えば切出しボルト取付ユニットは、製造中 に適正に溶接してなかった切出しボルトを交換するために、又は使用中に折れた 切出しボルトを交換するために使用されている。また、切出しボルト取付ユニッ トは通常の切出し溶接鋲を溶接するのに適していない場所に切出しボルトを取付 けるため使用することができる。このことは例えば、構造部材が溶接に適しない 鋼や非溶接性金属やプラスチックや類似の材料でできているときに発生する。従 来の切出しボルト取付ユニットにおいて突合せフランジとスリーブ及び切出しボ ルト部を含む盲リベット本体が単一片として設計されている。マンドレルがスリ ーブと切出しボルト部に押し込まれ、この目的でスリーブとボルト部は適当な孔 を持たねばならず、且つ取付用ヘッドとステムの間のスリーブの中に予定の破か い点が設けられている。この実施例は盲リベット本体と切出しボルト部に、取付 けに必要なマンドレルを収容するための孔を設けねばならないと言う欠点を有す る。貫通孔を有し且つ隣接の切出し部を有するスリーブから突出するフランジを 有するかしめ可能の金属からなる盲リベット本体を製造することは非常にコスト が高くなる。更に、切出しボルト部における孔はユニットの強度、特に曲げモー メントストレスに対する強度を相当低下させる。またこの取付ユニットは単一片 として設計されているので、切出しボルト部に対する材料の選択が非常に限定さ れる。それは取付用ヘッドによってスリーブを変形できるように材料をえらばね ばならないからである。

【０００３】 特許ＤＥ−ＯＳ ３３４１２６６号において、かしめ作業終了後の係留の具合 を検査するため予定破かい点の前方に溝付きステム部分を設けている、ブラケッ トを石細工に固定する盲リベット状膨張プラグが記載されている。予定の破かい 点と溝付きステム部分は取付作業前に盲リベットのスリーブの中に配置され且つ 取付け後に溝付きステム部分が僅かに盲リベットスリーブのフランジを越えて突 出し、取付作業の監督と、溝付きステム部分を押圧する圧縮リングからなる軸方 向の相互かみ合いの監督を行えるような寸法になっている。溝付きステム部はす べてリベットスリーブの中に入っているので、膨張プラグの組立後にこの溝付き ステム部を回転することはできない。更にこの溝付きステム部の外径は、このス テム部がリベットスリーブの内側で充分に摺動できるようにするため、リベット スリーブの内径に対し大幅に小さくしなければならない。固定作用はリベットス リーブのフランジとリベットスリーブのシャンクの間の材料をしめつけることに よってのみ得られる。前記溝付きステム部によって大きな軸方向の力及び／又は 曲げモーメントを吸収することができない。 また特許ＤＥ−ＰＳ４４９，４７５によれば、中空のリベットがマンドレルと 一緒に互に整列しているパネルの孔の中に押し込まれるようになった、２枚のパ ネルをしっかりと固定するための中空リベット状固定エレメントが広く知られて いる。前記マンドレルの先端に円錐を備え、この円錐は中空リベットの前端から 僅かに突出するが、その最大径は孔の径より小さく保れている。中空リベットを 取付けるためマンドレルの前記円錐の反対端のねじにナットがねじ込まれ、前記 中空リベットのそれぞれの端面に玉縁を備え、これによって円錐が中空リベット 玉縁の別の側に且つその上に引き入れられる。このようにして中空リベットの両 端にフランジが形成される。マンドレルを中空リベットの内側に引き止め且つ組 立てたパネルを確実に固定するため、マンドレルとナットが中空リベットに留ま っている。この固定法はマンドレルと予定の破かい点を持った盲リベットに関係 がない、したがって前記特許ＤＥ−ＰＳ４４９４７５は盲リベットに関する構造 には何等参考にならない。

【０００４】 本考案の目的は容易に取付けることができ且つ製作が簡単で且つ高強度の切出 しボルト取付ユニットを提供することである。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

最初に述べた型式の切出しボルト取付ユニットの目的は実用新案登録請求の範 囲第１項の特徴部分の記載によって達成される。 前記切出しボルト取付ユニットは切出しボルトを簡単な方法で構造部材に取付 けることができる実質的な効果を提供する。不充分に溶接するか又は全く溶接し てない切出しボルト又は折れた切出しボルトは簡単なかしめ法に取り換えること はできない。補修のため高価なリベット溶接法を使用することはそれによって不 必要となる。更に前記かしめ法によって固定される切出しボルトは中実ボルトの ように構造部材から突出しているので有効な強度特性を表わす。 前記切出しボルト取付ユニットは簡単な方法で製造することができる。盲リベ ット本体は公知の方法で製造することができる。またマンドレルは製造が容易で あるが、切出しボルト部の形状は例えば前記取付ユニットを組立ててのち転造す ることによって作ることができる。別の実質的な効果は盲リベット本体の材料と マンドレルの材料が異っているので、その二つの材料をそれらの強度に応じて任 意に選ぶことができることである。例えば、リベット本体を軽合金で作り、切出 ボルト部を含むマンドレルを鋼で作ることができる。従来の技術に比較して別の 大きな効果は、切出しボルト部に孔を持たず、このため特に曲げモーメントスト レスに対し相当大きな強度を有するように製造できることである。前記切出しボ ルト取付ユニットは何らの問題を生ずることなくどこにでも取付けることができ 且つ適当な片側からのみ接近することができる。

【０００６】 若し前記切出しボルト取付ユニットを折れた溶接鋲の代りに使用したいときは 、盲リベット本体の直径が切出しボルト部の直径より遙かに大きいことが効果を もたらす。折れた溶接鋲が孔の後方に去るとき、そのすぐ近くは鋲の折損により 生ずる大きな変形によって劣化される。若しこのような鋲を交換するため前記切 出しボルト取付ユニットを使用するとき、背後に残った孔はどんな場合にも盲リ ベット本体の直径と同じ大きさに孔あけされ、折れた位置の弱い地域を除かねば ならない。加うるに前記盲リベット本体は広い面積で構造部材に載っているので 、特に曲げモーメントの吸収が容易となる。 更に実用的な進歩によって、盲リベット本体の内側におけるマンドレルの係留 作用は、盲リベット本体のスリーブの部分において前記マンドレルがステムの周 囲に溝状のへこみを備え、その中に取付け作業中スリーブの材料が流入して前記 マンドレルとスリーブとを軸方向に動かないよう掛け止めする点において、助け られる。この構成は例えば、若し固定用部品が切出しボルト部に押しつけられ、 大きな軸方向の力が吸収されるべきである場合に効果を発揮する。 効果的に、前記切出しボルト部はねじの形状をしたらせん形を備えている。こ の場合に、その上に押しつけられた構造部材は切出しボルトに高ストレスを加え ずに取り出すことができる。

【０００７】 マンドレルが盲リベット本体に対し回転しないようにするため、取付用ヘッド を効果的に半径方向にふくらませることができる。この場合に取付用ヘッドはか しめたスリーブの中で固定位置に保持され、それによって切出ボルトに作用する トルクを吸収することができる。

【０００８】

【実施例】

本考案のその他の効果、特徴並びに利用度は添付図面を参照した次の説明から 明らかとなる。 図１は本考案に係る切出しボルト取付ユニットの第１実施例である。前記取付 ユニットはスリーブ２とフランジ３によって構成される盲リベット本体１からで きている。マンドレル６はその後端に取付用ヘッド７を備え且つその反対端に取 付工具にて把持できる引張りステム８を備えている。引張りステム８と切出しボ ルト部９との間に折り首１０が存在する。取付作業時にこの折り首１０から前記 引張りステムを折る。切出し部９の切出し形１１はらせん状のねじであり、すな わち例えば雌ねじのついている固定用部品を切出しボルト部９にねじ込むための ねじである。しかしながらプラスチック製の固定用部品をほんの僅か回転させる か又は回転させずに軸方向に押し嵌めすることもできる。 図２は図１の実施例の取付状態を示す。切出しボルト取付ユニットが構造部材 ２１の孔２０に固定されている。引張りステム８が折り首１０において折られて 、切出しボルト９が普通の溶接鋲のように構造部材２１から突出している。盲リ ベット本体１が突合せヘッド４に変形された前記スリーブと突合せフランジ３と によって構造部材２１の孔２０の中に保持されている。取付用ヘッドは盲リベッ ト本体４の変形スリーブの中に保持され、構造部材２１に対する軸線方向の力は 切出しボルト部９によって吸収できるような設計になっている。

【０００９】 図３は本考案に係る切出しボルト取付ユニットの別の実施例を示す。この取付 ユニットにおいて、切出しボルト部９が特に構造部材に向う方向の大なる軸線方 向の力を吸収できるように設計されている。盲リベット本体１は前の実施例と同 じように設計されているので、同一の番号を使用する。盲リベット本体１のスリ ーブ２の部分においてマンドレル６はステムの周囲に溝状のへこみ２５を備えて いる。取付け作業時に材料が盲リベット本体１の内壁から溝状へこみの中に流動 し、かくしてこの位置においてマンドレル６のステムと盲リベット本体１のスリ ーブ２との間を確実に結合させる。このような設計上の特徴によって、切出しボ ルト部９は例えば固定用部品を切出しボルト部に押し付けるときに生ずるような 大きな軸方向の力に耐えることができる。 図４は図３の実施例の取付状態を示し、図面を簡略化するためねじを設けた部 分を省略してある。その他に部分については図２及び図３に関して行った説明を 参照する。図４に関し次のことを述べるにとどまる。取付用ヘッド７から離れた ところにあるへこみ３６はフランジ３の材料が一部分入り込んでいる。フランジ ３に対面する取付用工具の端部に環状の突起を備え、この突起がマンドレル６を 環状に囲繞するへこみ３７をフランジ３に刻みつけ、これによってフランジ３の 材料がへこみ３６に入るのを助ける。

【００１０】 図５は取付用ヘッド端部から見た切出しボルト取付ユニットの正面図である。 取付用ヘッド７は玉縁状突起３５（図１にも示す）を備え、これは取付用ヘッド ７が卵形断面であることと一緒になって、取付作業後に取付用ヘッドをスリーブ に対しこれ以上回転させないことが分る。 図１乃至図３に示すように、切出しボルト部９はマンドレル６の切出し形の存 在しない部分よりも外径が大きい。このように外径が大きいのは切出し形を作る ために使用した製造法、すなわち切出しローラーによって作り出される。この方 法によれば切出し形１１を形成するねじの筋がマンドレル６の材料から押し出し 成形され、該ねじの芯部においてマンドレル６の直径にくらべ僅かに直径が小さ く、とにかくマンドレル６に類似のねじを切削する場合より相当大きい直径の芯 となる。このようにねじの芯が比較的大きいことは次の理由によって特に望まし い。すなわち実際上望ましからざる破かい点が切出しボルト部９内のねじのベー スに全く存在しないためである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ねじ状輪郭を有する切出しボルト取付ユニット
の側面図、

【図２】取付けた状態の図１の実施例の側面図、

【図３】切出しボルト取付ユニットの別の実施例の１部
を断面にした側面図、

【図４】取付けた状態の図３の実施例の断面図、

【図５】取付用ヘッド端部から見た切出しボルト取付ユ
ニットの正面図である。

【符号の説明】

１ 盲リベット本体 ２ スリーブ ３ フランジ ４ 突合せヘッド ６ マンドレル ７ 取付用ヘッド ８ 引張りステム ９ 切出し部 １０ 折り首 １１ 切出し形 ２０ 孔 ２１ 構造部材 ２５ へこみ ３５ 突起 ３６ へこみ ３７ へこみ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 構造部材に突合せるフランジとスリーブ
   とを備えた盲リベット本体を包含し、取付け作業を行う
   ため取付用ヘッドと引張りステムを有するマンドレルを
   備え、前記引張りステムが取付用工具によって把持され
   且つ一定の引張り力を越えた後予定の破かい点で前記マ
   ンドレルから除去されるようになった構造部材に取付け
   るための切出しボルト取付ユニットにおいて；フランジ
   （３）と折り首（１０）との間のマンドレル（６）の部
   分に切出しボルトが形成され、取付作業後に盲リベット
   本体（１）の内側に残留しているマンドレル（６）が前
   記フランジ（３）から突出した切出しボルト部（９）を
   担持できるような距離前記フランジ（３）からへだたっ
   た位置に前記折り首（１０）を配置することを特徴とす
   る切出しボルト取付ユニット。
2. 【請求項２】 前記盲リベット本体（１）のスリーブ
   （２）の部分におけるマンドレル（６）がステムの周り
   に溝状へこみ（２５，３６）を備え、取付作業中に前記
   スリーブ（２）の材料が前記へこみの中に流入し前記マ
   ンドレルと前記スリーブを軸方向に掛け止めすることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の切出し
   ボルト取付ユニット。
3. 【請求項３】 前記切出しボルト部（９）がねじの形状
   をしたらせん状の切出し形（１１）を有することを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載の
   切出しボルト取付ユニット。
4. 【請求項４】 前記マンドレル（６）が前記盲リベット
   本体（１）に対し回転できないようにするため前記取付
   用ヘッド（７）が半径方向に膨出されていることを特徴
   とする前記実用新案登録請求の範囲の中のいづれか１項
   に記載の切出しボルト取付ユニット。
5. 【請求項５】 前記切出しボルト部（９）の外径がマン
   ドレル（６）の非成形部の直径に比較して切出し形を転
   造することによって拡大されていることを特徴とする前
   記実用新案登録請求の範囲の中の任意の１項に記載の切
   出しボルト取付ユニット。