JPH08168219A - 誘導電動機のかご形回転子 - Google Patents
誘導電動機のかご形回転子Info
- Publication number
- JPH08168219A JPH08168219A JP30867394A JP30867394A JPH08168219A JP H08168219 A JPH08168219 A JP H08168219A JP 30867394 A JP30867394 A JP 30867394A JP 30867394 A JP30867394 A JP 30867394A JP H08168219 A JPH08168219 A JP H08168219A
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- conductor
- main conductor
- squirrel
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- main
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スロット内に収納された導体が回転子鉄心の
軸方向へ移動する事態を、組み立て作業性の悪化を伴う
ことなく確実に防止し、且つ始動特性の改善を定常運転
期間中の損失増大を伴うことなく実現すること。 【構成】 回転子鉄心12に形成された複数の半閉状ス
ロット12aの各々には、棒状の導体13が圧入状に収
納されると共に、各導体13の両端に端絡環14が拡散
接合法により連結される。導体13は、スロット12a
への収納状態で両端面が当該スロット12aの軸方向端
面から外部に露出する寸法に形成された主導体13a
と、この主導体13aに比べて抵抗値及び熱膨張係数が
大きい材料によって主導体13aより短尺に形成された
補助導体13bとを備えた構成となっている。主導体1
3aは、両端部が端絡環14に連結され、補助導体13
bは、主導体13aにおける回転子鉄心12の外周部寄
りの面に端絡環14との間に所定距離を存した状態で固
定される。
軸方向へ移動する事態を、組み立て作業性の悪化を伴う
ことなく確実に防止し、且つ始動特性の改善を定常運転
期間中の損失増大を伴うことなく実現すること。 【構成】 回転子鉄心12に形成された複数の半閉状ス
ロット12aの各々には、棒状の導体13が圧入状に収
納されると共に、各導体13の両端に端絡環14が拡散
接合法により連結される。導体13は、スロット12a
への収納状態で両端面が当該スロット12aの軸方向端
面から外部に露出する寸法に形成された主導体13a
と、この主導体13aに比べて抵抗値及び熱膨張係数が
大きい材料によって主導体13aより短尺に形成された
補助導体13bとを備えた構成となっている。主導体1
3aは、両端部が端絡環14に連結され、補助導体13
bは、主導体13aにおける回転子鉄心12の外周部寄
りの面に端絡環14との間に所定距離を存した状態で固
定される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転子鉄心の外周部に
形成された複数のスロットの各々に棒状の導体を収納す
ると共に、上記導体群の両端に端絡環を連結して成る誘
導電動機のかご形回転子に関する。
形成された複数のスロットの各々に棒状の導体を収納す
ると共に、上記導体群の両端に端絡環を連結して成る誘
導電動機のかご形回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機に用いられるかご形回転子に
あっては、図5に示すように、回転子鉄心1の外周部に
軸方向へ延びるように形成された複数のスロット1a
(図5では半閉状のものを示している)の各々に棒状の
導体2を収納すると共に、各導体2の両端に端絡環3を
連結して構成されるのが一般的である。
あっては、図5に示すように、回転子鉄心1の外周部に
軸方向へ延びるように形成された複数のスロット1a
(図5では半閉状のものを示している)の各々に棒状の
導体2を収納すると共に、各導体2の両端に端絡環3を
連結して構成されるのが一般的である。
【0003】この場合、導体2と端絡環3との間の接続
は、十分な接合強度が得られるロー付により行われるこ
とが多いものであるが、このようなロー付作業を行う際
には、回転子鉄心1の端面と端絡環3との間にある程度
の隙間が必要となるため、それら回転子鉄心1と端絡環
3との間に空隙Aが生ずることになる。ところで、この
ような空隙Aが生ずる結果、導体2が空隙A分だけ軸方
向へ移動可能な状態となるため、従来では、導体2の一
部を、所定の工具を利用してスロット1aの開口部から
回転子鉄心1側にかしめ付けることによって、電動機の
運転時における導体2の移動を防止している。
は、十分な接合強度が得られるロー付により行われるこ
とが多いものであるが、このようなロー付作業を行う際
には、回転子鉄心1の端面と端絡環3との間にある程度
の隙間が必要となるため、それら回転子鉄心1と端絡環
3との間に空隙Aが生ずることになる。ところで、この
ような空隙Aが生ずる結果、導体2が空隙A分だけ軸方
向へ移動可能な状態となるため、従来では、導体2の一
部を、所定の工具を利用してスロット1aの開口部から
回転子鉄心1側にかしめ付けることによって、電動機の
運転時における導体2の移動を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成のかご形回転子では、かしめ付け作業を複数本の
導体2のそれぞれに対して行わねばならないため、組み
立て作業性が悪化するという問題点があると共に、その
かしめ付作業自体の信頼性が低くなって、導体2の移動
防止機能が不十分になるという虞があった。また、従来
構成のかご形回転子では、始動トルクを大きくして始動
特性を改善するためには、導体2の抵抗値を大きくすれ
ば良いが、このような構成を単純に採用した場合には、
定常運転期間中の損失が増加することになり、従って、
実際には始動特性の改善が困難になるものであった。
来構成のかご形回転子では、かしめ付け作業を複数本の
導体2のそれぞれに対して行わねばならないため、組み
立て作業性が悪化するという問題点があると共に、その
かしめ付作業自体の信頼性が低くなって、導体2の移動
防止機能が不十分になるという虞があった。また、従来
構成のかご形回転子では、始動トルクを大きくして始動
特性を改善するためには、導体2の抵抗値を大きくすれ
ば良いが、このような構成を単純に採用した場合には、
定常運転期間中の損失が増加することになり、従って、
実際には始動特性の改善が困難になるものであった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、スロット内に収納された導体が電動
機運転時において回転子鉄心の軸方向へ移動する事態
を、組み立て作業性の悪化を伴うことなく確実に防止で
きるようになると共に、始動特性の改善を定常運転期間
中の損失増大を伴うことなく実現できるようになる誘導
電動機のかご形回転子を提供することにある。
あり、その目的は、スロット内に収納された導体が電動
機運転時において回転子鉄心の軸方向へ移動する事態
を、組み立て作業性の悪化を伴うことなく確実に防止で
きるようになると共に、始動特性の改善を定常運転期間
中の損失増大を伴うことなく実現できるようになる誘導
電動機のかご形回転子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、回転子鉄心の外周部に形成された複数のス
ロットの各々に棒状の導体を収納すると共に、上記導体
群の両端に端絡環を連結して成る誘導電動機のかご形回
転子において、前記導体を、両端部が前記端絡環と連結
される主導体と、この主導体に比べて抵抗値及び熱膨張
係数が大きい材料によって当該主導体より短尺に形成さ
れ、主導体における前記回転子鉄心の外周部寄りの面に
前記端絡環との間に所定距離を存した状態で固定される
補助導体とにより構成したものである(請求項1)。
するために、回転子鉄心の外周部に形成された複数のス
ロットの各々に棒状の導体を収納すると共に、上記導体
群の両端に端絡環を連結して成る誘導電動機のかご形回
転子において、前記導体を、両端部が前記端絡環と連結
される主導体と、この主導体に比べて抵抗値及び熱膨張
係数が大きい材料によって当該主導体より短尺に形成さ
れ、主導体における前記回転子鉄心の外周部寄りの面に
前記端絡環との間に所定距離を存した状態で固定される
補助導体とにより構成したものである(請求項1)。
【0007】この場合、前記回転子鉄心を、上層及び下
層の二重スロットを備えた構成とした上で、前記主導体
を、前記上層及び下層スロットの双方に跨がって収納さ
れる形状とし、前記補助導体を、前記上層スロット内に
前記主導体と共に収納する構成としても良い(請求項
2)。
層の二重スロットを備えた構成とした上で、前記主導体
を、前記上層及び下層スロットの双方に跨がって収納さ
れる形状とし、前記補助導体を、前記上層スロット内に
前記主導体と共に収納する構成としても良い(請求項
2)。
【0008】さらに、前記回転子鉄心を、同じく上層及
び下層の二重スロットを備えた構成とした上で、前記主
導体を、前記下層スロット内に収納し、補助導体を、前
記上層スロット内に収納する構成としても良い(請求項
3)。
び下層の二重スロットを備えた構成とした上で、前記主
導体を、前記下層スロット内に収納し、補助導体を、前
記上層スロット内に収納する構成としても良い(請求項
3)。
【0009】
【作用】請求項1記載の誘導電動機のかご形回転子で
は、スロット内に収納された導体は、主導体と、この主
導体に固定された補助導体とにより構成されたものであ
るが、補助導体の熱膨張係数が主導体のそれより大きく
設定されているから、誘導電動機の運転に伴う温度上昇
によって補助導体が主導体より大きく膨張変形するよう
になる。このため、補助導体がスロットの内面に強く圧
接された状態となって、導体全体が軸方向へ移動するこ
とがなくなる。
は、スロット内に収納された導体は、主導体と、この主
導体に固定された補助導体とにより構成されたものであ
るが、補助導体の熱膨張係数が主導体のそれより大きく
設定されているから、誘導電動機の運転に伴う温度上昇
によって補助導体が主導体より大きく膨張変形するよう
になる。このため、補助導体がスロットの内面に強く圧
接された状態となって、導体全体が軸方向へ移動するこ
とがなくなる。
【0010】この結果、導体全体が軸方向へ移動する事
態を防止するために、導体をスロット内に収納するとい
う作業を行うだけで済んで、従来のようなかしめ付作業
が不要になるものであり、従って、かご形回転子の組み
立て作業性が悪化したり、かしめ付作業自体の信頼性が
低くなったりして、導体の移動防止機能が不十分になる
虞がなくなるものである。
態を防止するために、導体をスロット内に収納するとい
う作業を行うだけで済んで、従来のようなかしめ付作業
が不要になるものであり、従って、かご形回転子の組み
立て作業性が悪化したり、かしめ付作業自体の信頼性が
低くなったりして、導体の移動防止機能が不十分になる
虞がなくなるものである。
【0011】また、補助導体の抵抗値が主導体のそれよ
り大きく設定されているから、回転子周波数が高い状態
にある電動機の始動時には、表皮効果の影響によって導
体の電流が主として補助導体に流れるようになる。この
ため、始動電流が制限されるようになると同時に大きな
始動トルクが得られるようになり、以て始動特性の改善
を実現できるようになる。また、かご形回転子の速度が
上昇するに連れて、導体の電流は、抵抗値が相対的に小
さい主導体に多く流れるようになるから、銅損が低減さ
れて定常運転期間中の損失の増大を防止できるようにな
る。
り大きく設定されているから、回転子周波数が高い状態
にある電動機の始動時には、表皮効果の影響によって導
体の電流が主として補助導体に流れるようになる。この
ため、始動電流が制限されるようになると同時に大きな
始動トルクが得られるようになり、以て始動特性の改善
を実現できるようになる。また、かご形回転子の速度が
上昇するに連れて、導体の電流は、抵抗値が相対的に小
さい主導体に多く流れるようになるから、銅損が低減さ
れて定常運転期間中の損失の増大を防止できるようにな
る。
【0012】請求項2及び3記載の誘導電動機のかご形
回転子では、回転子鉄心が上層及び下層の二重スロット
を備えた構成とされているから、下層スロットでの漏れ
磁束が上層スロットでの漏れ磁束より大幅に大きくな
る。この結果、回転子周波数が高い状態となる電動機の
始動時には、表示効果による影響がさらに顕著に現れる
ようになって、上層スロットに収納された補助導体にさ
らに多くの電流が流れるようになり、始動特性の改善を
一段と促進し得るようになる。
回転子では、回転子鉄心が上層及び下層の二重スロット
を備えた構成とされているから、下層スロットでの漏れ
磁束が上層スロットでの漏れ磁束より大幅に大きくな
る。この結果、回転子周波数が高い状態となる電動機の
始動時には、表示効果による影響がさらに顕著に現れる
ようになって、上層スロットに収納された補助導体にさ
らに多くの電流が流れるようになり、始動特性の改善を
一段と促進し得るようになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図1、図
2を参照しながら説明する。図1には誘導電動機のかご
形回転子11の断面構造が示されている。この図1にお
いて、積層鉄心より成る回転子鉄心12は、その外周部
に軸方向へ延びるように複数の半閉状スロット12aが
形成されており、その中心部には回転子軸12bが貫通
状に固定される。
2を参照しながら説明する。図1には誘導電動機のかご
形回転子11の断面構造が示されている。この図1にお
いて、積層鉄心より成る回転子鉄心12は、その外周部
に軸方向へ延びるように複数の半閉状スロット12aが
形成されており、その中心部には回転子軸12bが貫通
状に固定される。
【0014】上記のような回転子鉄心12のスロット1
2aの各々には、図2のような横断面形状を有した棒状
の導体13が圧入状に収納されるものであり、各導体1
3の両端に端絡環14が連結される構成となっている。
2aの各々には、図2のような横断面形状を有した棒状
の導体13が圧入状に収納されるものであり、各導体1
3の両端に端絡環14が連結される構成となっている。
【0015】この場合、導体13は、スロット12aへ
の収納状態で両端面が当該スロット12aの軸方向端面
から外部に露出する寸法に形成された主導体13aと、
この主導体13aに比べて抵抗値及び熱膨張係数が大き
い材料によって当該主導体13aより短尺に形成された
補助導体13bとを備えた構成となっており、主導体1
3aは、その両端部が前記端絡環14に対して例えば拡
散接合法により連結されている。また、補助導体13b
は、主導体13aにおける前記回転子鉄心12の外周部
寄りの面に端絡環14との間に所定距離を存した状態で
固定されるものであり、その固定も拡散接合法により行
われている。
の収納状態で両端面が当該スロット12aの軸方向端面
から外部に露出する寸法に形成された主導体13aと、
この主導体13aに比べて抵抗値及び熱膨張係数が大き
い材料によって当該主導体13aより短尺に形成された
補助導体13bとを備えた構成となっており、主導体1
3aは、その両端部が前記端絡環14に対して例えば拡
散接合法により連結されている。また、補助導体13b
は、主導体13aにおける前記回転子鉄心12の外周部
寄りの面に端絡環14との間に所定距離を存した状態で
固定されるものであり、その固定も拡散接合法により行
われている。
【0016】尚、上記のような拡散接合を行う場合に
は、例えば、接合面の表面粗さが極力小さくなるように
表面加工を施すと共に汚染物質を除去するという端面処
理を行い、さらに接合面の密着力の向上を図るために接
合面に銀などの金属を蒸着するという前処理を行うもの
であり、このような前処理を行った後に真空雰囲気中で
加圧・加熱処理して拡散接合を行う。このように、主導
体13aと端絡環14との間の連結を拡散接合法により
行った場合には、回転子鉄心12の端面と端絡環14と
の間の空隙寸法を小さくできるようになる。
は、例えば、接合面の表面粗さが極力小さくなるように
表面加工を施すと共に汚染物質を除去するという端面処
理を行い、さらに接合面の密着力の向上を図るために接
合面に銀などの金属を蒸着するという前処理を行うもの
であり、このような前処理を行った後に真空雰囲気中で
加圧・加熱処理して拡散接合を行う。このように、主導
体13aと端絡環14との間の連結を拡散接合法により
行った場合には、回転子鉄心12の端面と端絡環14と
の間の空隙寸法を小さくできるようになる。
【0017】上記のように構成されたかご形回転子11
にあっては、補助導体13bの熱膨張係数が主導体13
aのそれより大きく設定されているから、誘導電動機の
運転時には、その運転に伴う温度上昇によって補助導体
13bが主導体13aより大きく膨張変形するようにな
る。このため、補助導体13bがスロット12aの内面
に強く圧接された状態となって、導体13全体が軸方向
へ移動する事態が確実に防止されることになる。
にあっては、補助導体13bの熱膨張係数が主導体13
aのそれより大きく設定されているから、誘導電動機の
運転時には、その運転に伴う温度上昇によって補助導体
13bが主導体13aより大きく膨張変形するようにな
る。このため、補助導体13bがスロット12aの内面
に強く圧接された状態となって、導体13全体が軸方向
へ移動する事態が確実に防止されることになる。
【0018】この結果、導体13全体が軸方向へ移動す
る事態を防止するために、導体13をスロット12a内
に収納するという従来でも必要であった作業を行うだけ
で済んで、従来のようなかしめ付作業が不要になるもの
であり、従って、かご形回転子11の組み立て作業性が
悪化したり、かしめ付作業自体の信頼性が低くなったり
して、導体13の移動防止機能が不十分になる虞がなく
なるものである。
る事態を防止するために、導体13をスロット12a内
に収納するという従来でも必要であった作業を行うだけ
で済んで、従来のようなかしめ付作業が不要になるもの
であり、従って、かご形回転子11の組み立て作業性が
悪化したり、かしめ付作業自体の信頼性が低くなったり
して、導体13の移動防止機能が不十分になる虞がなく
なるものである。
【0019】しかも、電動機の始動時のように回転子周
波数が高い状態時には、表皮効果の影響が出るため、導
体13の電流は主として補助導体13bに流れるように
なるが、この補助導体13bは主導体13aより抵抗値
が大きく設定されているから、始動電流が制限されると
同時に大きな始動トルクが得られるようになり、結果的
に導体13を主導体13aのみにより構成する場合に比
べて始動特性の改善を実現できるようになる。また、か
ご形回転子11の速度が上昇するに連れて、導体13の
電流は抵抗値が相対的に小さい主導体13aに多く流れ
るようになるから、銅損が低減されて定常運転期間中の
損失の増大を防止できるようになる。
波数が高い状態時には、表皮効果の影響が出るため、導
体13の電流は主として補助導体13bに流れるように
なるが、この補助導体13bは主導体13aより抵抗値
が大きく設定されているから、始動電流が制限されると
同時に大きな始動トルクが得られるようになり、結果的
に導体13を主導体13aのみにより構成する場合に比
べて始動特性の改善を実現できるようになる。また、か
ご形回転子11の速度が上昇するに連れて、導体13の
電流は抵抗値が相対的に小さい主導体13aに多く流れ
るようになるから、銅損が低減されて定常運転期間中の
損失の増大を防止できるようになる。
【0020】図3には本発明の第2実施例が示されてお
り、以下これについて説明する。◎即ち、本実施例によ
るかご形回転子15が有する回転子鉄心16は、上層ス
ロット16a及び下層スロット16bを備えた二重スロ
ット構造とされている。導体17は、上層スロット16
a及び下層スロット16bの双方に跨がって収納されて
両端部が図示しない端絡環に連結される形状の主導体1
7aと、この主導体17aに比べて抵抗値及び熱膨張係
数が大きい材料によって当該主導体17aより短尺に形
成された補助導体17bとを備えた構成となっており、
この補助導体17bは、主導体16aにおける前記回転
子鉄心16の外周部寄りの面に前記端絡環との間に所定
距離を存した状態で固定され、以て前記上層スロット1
6a内に主導体17aと共に収納される。
り、以下これについて説明する。◎即ち、本実施例によ
るかご形回転子15が有する回転子鉄心16は、上層ス
ロット16a及び下層スロット16bを備えた二重スロ
ット構造とされている。導体17は、上層スロット16
a及び下層スロット16bの双方に跨がって収納されて
両端部が図示しない端絡環に連結される形状の主導体1
7aと、この主導体17aに比べて抵抗値及び熱膨張係
数が大きい材料によって当該主導体17aより短尺に形
成された補助導体17bとを備えた構成となっており、
この補助導体17bは、主導体16aにおける前記回転
子鉄心16の外周部寄りの面に前記端絡環との間に所定
距離を存した状態で固定され、以て前記上層スロット1
6a内に主導体17aと共に収納される。
【0021】このような構成とした本実施例によれば、
下層スロット16bでの漏れ磁束が上層スロット16a
での漏れ磁束より大幅に大きくなって、その下層スロッ
ト16bに収納された主導体17aの漏れリアクタンス
が急増するから、電動機の始動時の表皮効果の影響が前
記第1実施例より顕著に現れるようになって、始動特性
の改善を一段と促進し得るようになる。
下層スロット16bでの漏れ磁束が上層スロット16a
での漏れ磁束より大幅に大きくなって、その下層スロッ
ト16bに収納された主導体17aの漏れリアクタンス
が急増するから、電動機の始動時の表皮効果の影響が前
記第1実施例より顕著に現れるようになって、始動特性
の改善を一段と促進し得るようになる。
【0022】図4には、上記第2実施例に変更を加える
ことにより、始動特性のさらなる向上を図った本発明の
第3実施例が示されており、以下これについて第2実施
例と異なる部分のみ説明する。
ことにより、始動特性のさらなる向上を図った本発明の
第3実施例が示されており、以下これについて第2実施
例と異なる部分のみ説明する。
【0023】即ち、この実施例における導体18は、下
層スロット16bに収納されて両端部が図示しない端絡
環に連結される形状の主導体18aと、上層スロット1
6a内に収納された補助導体18bとから成る。この場
合、補助導体18bは、主導体18aに比べて抵抗値及
び熱膨張係数が大きい材料によって当該主導体18aよ
り短尺に形成された構成となっており、この補助導体1
8bは、主導体18aに対して前記端絡環との間に所定
距離を存した状態で固定されている。
層スロット16bに収納されて両端部が図示しない端絡
環に連結される形状の主導体18aと、上層スロット1
6a内に収納された補助導体18bとから成る。この場
合、補助導体18bは、主導体18aに比べて抵抗値及
び熱膨張係数が大きい材料によって当該主導体18aよ
り短尺に形成された構成となっており、この補助導体1
8bは、主導体18aに対して前記端絡環との間に所定
距離を存した状態で固定されている。
【0024】尚、本発明は上記実施例にのみ限定される
ものではなく、次のような変形また拡張が可能である。
主導体と端絡環との間の連結は、拡散接合に限らず、通
常のロー付や電気溶接などにより行う構成としても良
い。回転子鉄心に対して、深さ寸法が幅寸法に比べて大
幅に大きいスロットを形成し、このスロット内に主導体
及び補助導体より成る導体を収納する深溝形回転子とし
て構成することもできる。
ものではなく、次のような変形また拡張が可能である。
主導体と端絡環との間の連結は、拡散接合に限らず、通
常のロー付や電気溶接などにより行う構成としても良
い。回転子鉄心に対して、深さ寸法が幅寸法に比べて大
幅に大きいスロットを形成し、このスロット内に主導体
及び補助導体より成る導体を収納する深溝形回転子とし
て構成することもできる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、請
求項1記載の発明では、回転子鉄心の複数のスロットに
収納される導体とその両端に連結される端絡環とより成
る誘導電動機のかご形回転子において、前記導体を、両
端部が前記端絡環と連結される主導体と、この主導体に
比べて抵抗値及び熱膨張係数が大きい材料によって当該
主導体より短尺に形成され、主導体における前記回転子
鉄心の外周部寄りの面に前記端絡環との間に所定距離を
存した状態で固定される補助導体とにより構成したか
ら、電動機運転時において前記導体が回転子鉄心の軸方
向へ移動する事態を、組み立て作業性の悪化を伴うこと
なく確実に防止できるようになると共に、始動特性の改
善を定常運転期間中の損失増大を伴うことなく実現でき
るという効果を奏することができる。
求項1記載の発明では、回転子鉄心の複数のスロットに
収納される導体とその両端に連結される端絡環とより成
る誘導電動機のかご形回転子において、前記導体を、両
端部が前記端絡環と連結される主導体と、この主導体に
比べて抵抗値及び熱膨張係数が大きい材料によって当該
主導体より短尺に形成され、主導体における前記回転子
鉄心の外周部寄りの面に前記端絡環との間に所定距離を
存した状態で固定される補助導体とにより構成したか
ら、電動機運転時において前記導体が回転子鉄心の軸方
向へ移動する事態を、組み立て作業性の悪化を伴うこと
なく確実に防止できるようになると共に、始動特性の改
善を定常運転期間中の損失増大を伴うことなく実現でき
るという効果を奏することができる。
【0026】請求項2記載の発明では、前記回転子鉄心
は、上層及び下層の二重スロットを備えた構成とした上
で、前記主導体を、前記上層及び下層スロットの双方に
跨がって収納される形状とし、補助導体を、前記上層ス
ロット内に前記主導体と共に収納される構成とし、ま
た、請求項3記載の発明では、主導体を、上記のように
構成された回転子鉄心の前記下層スロット内に収納し、
補助導体を、前記上層スロット内に収納する構成とした
から、始動特性の改善を一段と促進し得るようになる。
は、上層及び下層の二重スロットを備えた構成とした上
で、前記主導体を、前記上層及び下層スロットの双方に
跨がって収納される形状とし、補助導体を、前記上層ス
ロット内に前記主導体と共に収納される構成とし、ま
た、請求項3記載の発明では、主導体を、上記のように
構成された回転子鉄心の前記下層スロット内に収納し、
補助導体を、前記上層スロット内に収納する構成とした
から、始動特性の改善を一段と促進し得るようになる。
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図
【図2】要部の拡大横断面図
【図3】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図4】本発明の第3実施例を示す図2相当図
【図5】従来例を説明するための縦断面図
図面中、11はかご形回転子、12は回転子鉄心、13
aはスロット、13は導体、13aは主導体、13bは
補助導体、14は端絡環、15はかご形回転子、16は
回転子鉄心、16aは上層スロット、16bは下層スロ
ット、17は導体、17aは主導体、17bは補助導
体、18は導体、18aは主導体、18bは補助導体を
示す。
aはスロット、13は導体、13aは主導体、13bは
補助導体、14は端絡環、15はかご形回転子、16は
回転子鉄心、16aは上層スロット、16bは下層スロ
ット、17は導体、17aは主導体、17bは補助導
体、18は導体、18aは主導体、18bは補助導体を
示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 回転子鉄心の外周部に形成された複数の
スロットの各々に棒状の導体を収納すると共に、上記導
体群の両端に端絡環を連結して成る誘導電動機のかご形
回転子において、 前記導体を、 両端部が前記端絡環と連結される主導体と、 この主導体に比べて抵抗値及び熱膨張係数が大きい材料
によって当該主導体より短尺に形成され、主導体におけ
る前記回転子鉄心の外周部寄りの面に前記端絡環との間
に所定距離を存した状態で固定される補助導体とにより
構成したことを特徴とする誘導電動機のかご形回転子。 - 【請求項2】 回転子鉄心は、上層及び下層の二重スロ
ットを備えた構成とされ、 主導体は、前記上層及び下層スロットの双方に跨がって
収納される形状とされ、補助導体は、前記上層スロット
内に前記主導体と共に収納されることを特徴とする請求
項1記載の誘導電動機のかご形回転子。 - 【請求項3】 回転子鉄心は、上層及び下層の二重スロ
ットを備えた構成とされ、 主導体は、前記下層スロット内に収納され、補助導体
は、前記上層スロット内に収納されることを特徴とする
請求項1記載の誘導電動機のかご形回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30867394A JPH08168219A (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | 誘導電動機のかご形回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30867394A JPH08168219A (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | 誘導電動機のかご形回転子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08168219A true JPH08168219A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=17983914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30867394A Pending JPH08168219A (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | 誘導電動機のかご形回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08168219A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008503197A (ja) * | 2004-06-15 | 2008-01-31 | シーメンス インダストリアル ターボマシナリー ベーヴェー | 電動機用の回転子とその製造方法 |
CN100376072C (zh) * | 2002-04-15 | 2008-03-19 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 鼠笼式感应电机的转子 |
US20110084568A1 (en) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Converteam Technology Ltd. | Rotor for electric motor optimized for high power |
CN112352372A (zh) * | 2018-06-19 | 2021-02-09 | 三菱电机株式会社 | 转子及旋转电机 |
-
1994
- 1994-12-13 JP JP30867394A patent/JPH08168219A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100376072C (zh) * | 2002-04-15 | 2008-03-19 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 鼠笼式感应电机的转子 |
JP2008503197A (ja) * | 2004-06-15 | 2008-01-31 | シーメンス インダストリアル ターボマシナリー ベーヴェー | 電動機用の回転子とその製造方法 |
US20110084568A1 (en) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Converteam Technology Ltd. | Rotor for electric motor optimized for high power |
US8421296B2 (en) * | 2009-09-30 | 2013-04-16 | Converteam Technology Ltd. | Rotor for electric motor optimized for high power |
CN112352372A (zh) * | 2018-06-19 | 2021-02-09 | 三菱电机株式会社 | 转子及旋转电机 |
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