JPH0816624A - Ｃａｄ装置における図面データの修正処理方法及びｃａｄ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】図面の修正処理に当たって、コメントデータや
個別的な図面の修正などの手作業をなくし、時間と労力
の削減を図って修正処理を効率的に行うことを目的とす
る。 【構成】入力図面データＤＩに基づいて自動設計処理を
行い、これによって設計図面データＤＤを生成して出力
するＣＡＤ装置１における図面データの修正処理方法で
あって、入力図面データＤＩの修正の際に修正領域ＡＤ
を指定し、修正前の入力図面データＤＩに対応する設計
図面データＤＤから指定された修正領域ＡＤのデータを
削除して部分設計図面データＤＤＰを生成し、修正後の
入力図面データＤＩのうちの指定された修正領域ＡＤの
データのみについて自動設計処理を行って部分修正設計
図面データＤＤＭを生成し、部分設計図面データＤＤＰ
と部分修正設計図面データＤＤＭとを合成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＣＡＤ装置における図
面データの修正処理方法及びＣＡＤ装置に関する。

【０００２】ＣＡＤ装置の使用に当たっては、まず画面
上で図面を作図し、且つ必要な情報や属性などを入力す
る。例えば、住宅建築用のＣＡＤ装置では、顧客の希望
に基づいて、オペレータが画面上で間取り図（平面図）
を作図し、高さ寸法や材料などの情報を入力する。これ
らの入力図面データに基づいて、ＣＡＤ装置が自動設計
処理を行い、強度計算や日照計算を行って立面図、外観
バース図、断面図、斜視図などの設計図面データの生成
を行う。生成された設計図面データはプリンタ装置又は
プロッタなどによって用紙上に図面として印刷される。

【０００３】印刷された図面に基づいて顧客と打合せを
行い、顧客から出された要望事項や注意事項は、オペレ
ータの手修正によって各設計図面データにコメントデー
タとして追加され、必要に応じて図面の個別的な修正や
追加が行われる。

【０００４】このように、入力図面データに基づいて生
成された各種の設計図面データには、それぞれ互いに異
なる特有のコメントデータや追加図面データが付属した
り、個別的な修正図面データが生じることとなる。ま
た、顧客の要望に基づいて、間取りや仕様が変更される
ことがしばしばあるので、このような変更にともなう全
体的な図面の修正処理をどのように行うかが問題とな
る。

【０００５】

【従来の技術】従来において、図面データの全体的な修
正処理は次のように行われていた。図７は従来における
図面データの修正処理を示すフローチャートである。

【０００６】まず、一旦入力して格納してある入力図面
データに対して、必要な修正が行われる（＃８１）。入
力図面データの修正が行われると、修正された入力図面
データに基づいて自動設計処理が行われ、修正された入
力図面データに対応する設計図面データが生成される
（＃８２）。その後、生成された設計図面データに対し
て、コメントデータなどの再入力が行われる（＃８
３）。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
においては、修正された入力図面データに対応する設計
図面データが新たに生成されるので、それ以前に設計図
面データに対して追加したコメントデータや個別的な修
正図面データなどは全て消去されてしまい、それらのデ
ータを再度入力し直す必要が生じる。

【０００８】通常、コメントデータの追加や個別的な図
面の修正は、顧客の要望などに応じ複数回にわたって実
施されることがある。これらはオペレータが手作業で時
間をかけて行い、しかもその検図も時間をかけて丁寧に
行うものであるから、再入力を行うには多くの時間と労
力を要することとなり、効率が極めて悪いという問題が
ある。

【０００９】また、修正された全部の入力図面データに
対して自動設計処理を行うので、自動設計処理に要する
時間が長くなり、全体的に多くの処理時間を要するとい
う問題もある。

【００１０】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、図面の修正処理に当たって、コメントデータや個
別的な図面の修正などの手作業をなくし、時間と労力の
削減を図って修正処理を効率的に行うことを目的とす
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係る方
法は、入力図面データに基づいて自動設計処理を行い、
これによって設計図面データを生成して出力するＣＡＤ
装置における図面データの修正処理方法であって、前記
入力図面データの修正の際に修正領域を指定し、修正前
の入力図面データに対応する設計図面データから指定さ
れた修正領域のデータを削除し、これによって修正領域
を除いた領域についての設計図面データである部分設計
図面データを生成し、修正後の入力図面データのうちの
指定された修正領域のデータのみについて自動設計処理
を行い、これによって修正領域についての設計図面デー
タである部分修正設計図面データを生成し、前記部分設
計図面データと前記部分修正設計図面データとを合成し
て修正後の設計図面データを生成する方法である。

【００１２】請求項２の発明に係る装置は、図１に示す
ように、入力図面データＤＩを入力する入力手段１１
と、前記入力図面データＤＩに基づいて自動設計処理を
行い設計図面データＤＤを生成する自動設計処理手段１
２と、前記設計図面データＤＤを出力する出力手段１３
と、前記入力図面データＤＩ又は前記設計図面データＤ
Ｄを修正する修正手段１４と、前記入力図面データＤＩ
に対して修正領域ＡＤを指定する修正領域指定手段１５
と、前記入力図面データＤＩに対応する設計図面データ
ＤＤから修正領域ＡＤを除いた領域についての設計図面
データである部分設計図面データＤＤＰを生成する部分
設計図面データ生成手段１６と、入力図面データＤＩの
うちの指定された修正領域ＡＤのデータのみを抽出し、
修正領域ＡＤについての設計図面データである部分修正
設計図面データＤＤＭを生成するために前記自動設計処
理手段１２に入力する抽出手段１７と、前記部分設計図
面データＤＤＰと前記部分修正設計図面データＤＤＭと
を合成する合成手段１８と、を有して構成される。

【００１３】請求項３の発明に係る装置は、前記入力図
面データＤＩは、建築物の平面図及び高さに関するデー
タを含み、前記自動設計処理手段１２は、前記入力図面
データＤＩに基づいて、建築物の高さ方向を含む図を生
成するものである。

【００１４】

【作用】入力手段１１によって入力図面データＤＩが入
力され、外部記憶装置などに格納される。自動設計処理
手段１２によって、入力図面データＤＩから設計図面デ
ータＤＤが生成される。設計図面データＤＤは、出力手
段１３によって用紙ＰＰ上に印刷され、又は画面に表示
される。

【００１５】修正手段１４によって、入力図面データＤ
Ｉ又は設計図面データＤＤが必要に応じて修正される。
その際に、修正領域指定手段１５によって、修正領域Ａ
Ｄが指定される。部分設計図面データ生成手段１６によ
って、入力図面データＤＩに対応する設計図面データＤ
Ｄから部分設計図面データＤＤＰが生成される。

【００１６】抽出手段１７によって、入力図面データＤ
Ｉのうちの修正領域ＡＤのデータのみが抽出され、これ
に基づいて自動設計処理手段１２により部分修正設計図
面データＤＤＭが生成される。部分設計図面データＤＤ
Ｐと前記部分修正設計図面データＤＤＭとは、合成手段
１８によって合成され、修正後の設計図面データＤＤが
得られる。

【００１７】なお、本明細書において、「入力図面デー
タ」又は「設計図面データ」などは、原則として入力図
面についてのデータ又は設計図面についてのデータを意
味するものであるが、入力図面又は設計図面それ自体を
意味するものとして使用されることもある。

【００１８】

【実施例】図２は本発明に係るＣＡＤ装置１のハード構
成を示すブロック図である。なお、本実施例のＣＡＤ装
置１は住宅建築用のものである。

【００１９】ＣＡＤ装置１は、処理装置３１、磁気ディ
スク装置やフレキシブルディスク装置などの外部記憶装
置３２、タブレット３３、キーボード３４、マウス３
５、ディスプレイ装置３６、プロッタ３７などから構成
されている。このような構成のＣＡＤ装置１は、ワーク
ステーション又はパーソナルコンピュータなどを利用し
て構成することができる。

【００２０】外部記憶装置３２には、ＣＡＤ装置として
動作するために必要なプログラムが格納されており、必
要に応じて処理装置３１内のメモリにロードされる。ま
た、外部記憶装置３２には、処理装置３１の処理動作に
よって作成された種々のデータやファイルが格納され
る。

【００２１】ディスプレイ装置３６の画面ＨＧには、種
々の図面データに基づいて図面が表示され、メッセージ
や操作ボタンなどが表示される。マウス３５やタブレッ
ト３３を使用し、画面ＨＧを見ながら図面データや数値
データなどの入力図面データＤＩを入力し、コマンドを
入力することができる。

【００２２】プロッタ３７は、図面データに基づいて用
紙上に図面を作図するものである。プロッタ３７に代え
てプリンタ装置を用いてもよい。処理装置３１は、入力
された入力図面データＤＩをフィルに格納し、入力図面
データＤＩに基づき自動設計処理を行って設計図面デー
タＤＤを生成し、それをファイルに格納し、入力図面デ
ータＤＩや設計図面データＤＤなどの修正処理を行い、
部分設計図面データＤＤＰや部分修正設計図面データＤ
ＤＭを生成しまたこれらを合成するなど、ＣＡＤ装置に
必要な種々の処理動作及び本発明に特有の処理動作を実
行する。

【００２３】次に、ＣＡＤ装置１における作成処理動作
について説明する。図３は作成処理動作のフローチャー
ト、図５は作成処理動作で作成される図面を示す図であ
る。

【００２４】図３において、タブレット３３やマウス３
５などの操作によって入力図面データＤＩが入力される
と（＃１１）、処理装置３１において自動設計処理が行
われ、設計図面データＤＤが生成される（＃１２）。生
成された設計図面データＤＤは外部記憶装置３２に格納
される。また、設計図面データＤＤに基づいて、画面Ｈ
Ｇに設計図面が表示され、またプロッタ３７により設計
図面が用紙上に作図される（＃１３）。

【００２５】オペレータは、設計図面に基づいて顧客と
の打合せを行い、顧客の要望を聞き、それに基づいて設
計図面データＤＤを個別的に修正する（＃１４）。この
修正は、設計図面を画面ＨＧに表示させた状態で、キー
ボード３４やマウス３５から、コメント、添景図、飾り
の線などを入力し、又は設計図面データＤＤ自体を修正
することによって行われる。

【００２６】入力図面データＤＩとして、住宅の間取り
図（平面図）、各部の高さ寸法や材料などのデータが含
まれる。設計図面として、立面図、外観バース図、断面
図、斜視図などがある。

【００２７】図５に示す例では、図５（ａ）の入力図面
データＤＩ１に対応して、自動設計処理により、図５
（ｂ）に示す設計図面データＤＤ１が生成される。この
設計図面データＤＤ１に部品ＰＴ１を追加する修正が加
えられ、設計図面データＤＤ１は図５（ｃ）に示す設計
図面データＤＤ２に更新される。

【００２８】次に、ＣＡＤ装置１における修正処理動作
について説明する。図４は修正処理動作のフローチャー
ト、図６は修正処理動作で作成される図面を示す図であ
る。

【００２９】図４において、タブレット３３やマウス３
５などの操作によって、画面ＨＧ上で入力図面データＤ
Ｉを修正する（＃２１）。修正とともに、修正領域ＡＤ
をクリッピングして指定する（＃２２）。修正された入
力図面データＤＩ及び修正領域ＡＤのデータは処理装置
３１のメモリに保持される。

【００３０】修正前の入力図面データＤＩに対応する設
計図面データＤＤから、指定された修正領域ＡＤ内のデ
ータが削除され、これによって修正領域ＡＤを除いた領
域についての設計図面データＤＤである部分設計図面デ
ータＤＤＰが生成される（＃２３）。部分設計図面デー
タＤＤＰは処理装置３１のメモリに保持される。

【００３１】修正後の入力図面データＤＩのうちの指定
された修正領域ＡＤ内のデータのみが抽出され、抽出さ
れたデータについて自動設計処理が行われ、これによっ
て修正領域ＡＤについての設計図面データＤＤである部
分修正設計図面データＤＤＭが生成される（＃２４）。
なお、抽出処理に当たっては、例えば設計図面データＤ
Ｄについての修正領域ＡＤを含む部分が自動設計処理さ
れ、その後に修正領域ＡＤ以外の部分が切り落とされ
る。設計図面データＤＤに修正領域ＡＤに対応する部分
がない場合には、部分修正設計図面データＤＤＭとして
空のデータが生成される。このように、抽出処理及び自
動設計処理は相互に関連した一連の処理として行われる
ことがある。部分修正設計図面データＤＤＭは処理装置
３１のメモリに保持される。

【００３２】部分設計図面データＤＤＰと部分修正設計
図面データＤＤＭが、処理装置３１において合成され、
その結果が修正後の設計図面データＤＤとしてファイル
に格納される。

【００３３】図６に示す例では、図５（ａ）に示す入力
図面データＤＩ１に対して部品ＰＴ２の修正を行い、入
力図面データＤＩ２とする。修正した部品ＰＴ２を含ん
だ領域を修正領域ＡＤ１として指定する。修正領域ＡＤ
１の指定は、例えば修正領域指定のコマンドを入力し、
又は対角線上の２つの頂点をマウス３５で指定し、高さ
方向の範囲などを入力することにより行う。修正領域Ａ
Ｄが指定されると、画面ＨＧ上において、その領域が破
線や色線などによって囲まれ、又は領域全体が着色表示
されるなど、修正領域ＡＤが指定されたことが明示され
る。

【００３４】修正領域ＡＤ１の指定によって、図５
（ｃ）に示す設計図面データＤＤ２から、図６（ｂ）に
示すように、修正領域ＡＤ１を除いた領域についての設
計図面データＤＤである部分設計図面データＤＤＰ１が
生成される。また、入力図面データＤＩ２に基づいて自
動設計処理が行われるが、その際に修正領域ＡＤ１のみ
が抽出され、図６（ｃ）に示すように、修正領域ＡＤ１
についての設計図面データＤＤである部分修正設計図面
データＤＤＭ１が生成される。

【００３５】生成された部分設計図面データＤＤＰ１と
部分修正設計図面データＤＤＭとが、重ね合わされるこ
とによって、図６（ｄ）に示すように、修正された設計
図面データＤＤ３が生成される。設計図面データＤＤ３
には、入力図面データＤＩ１，ＤＩ２にはないが設計図
面データＤＤ１に後から追加された部品ＰＴ１が、その
まま残っている。

【００３６】つまり、本実施例の修正処理方法による
と、入力図面データＤＩを修正した場合に、設計図面デ
ータＤＤに追加されたコメントデータや個別的に修正さ
れた部分又は部品ＰＴ２などが消滅しないので、修正後
に手作業によって再度入力したり修正したりする必要が
なく、修正に要する時間と労力の削減を図って修正処理
を効率的に行うことができる。そして、修正後には修正
領域ＡＤのみについて自動設計処理を行うので、自動設
計処理に要する時間が短縮され、全体的な処理時間が短
縮される。

【００３７】上述の実施例においては、立面図である設
計図面データＤＤ１〜３、部分設計図面データＤＤＰ
１、部分修正設計図面データＤＤＭ１を例に示したが、
これとともに、断面図などの他の図面についても必要に
応じて同様な修正処理が行われる。

【００３８】上述の実施例において、ＣＡＤ装置１の各
部又は全体の構成、処理内容又は順序、操作方法など
は、本発明の主旨に沿って種々変更することができる。
住宅建築用のＣＡＤ装置１について説明したが、それ以
外の種々の用途のＣＡＤ装置に適用することができる。

【００３９】

【発明の効果】請求項１乃至請求項３の発明によると、
図面の修正処理に当たって、コメントデータや個別的な
図面の修正などの手作業をなくし、時間と労力の削減を
図って修正処理を効率的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成を示すブロック図である。

【図２】本発明に係るＣＡＤ装置のハード構成を示すブ
ロック図である。

【図３】作成処理動作のフローチャートである。

【図４】修正処理動作のフローチャートである。

【図５】作成処理動作で作成される図面を示す図であ
る。

【図６】修正処理動作で作成される図面を示す図であ
る。

【図７】従来における図面データの修正処理を示すフロ
ーチャートである。

【符号の説明】

１ ＣＡＤ装置 １１ 入力手段 １２ 自動設計処理手段 １３ 出力手段 １４ 修正手段 １５ 修正領域指定手段 １６ 部分設計図面データ生成手段 １７ 抽出手段 １８ 合成手段 ＤＩ 入力図面データ ＤＤ 設計図面データ ＤＤＰ 部分設計図面データ ＤＤＭ 部分修正設計図面データ ＡＤ 修正領域

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力図面データに基づいて自動設計処理を
   行い、これによって設計図面データを生成して出力する
   ＣＡＤ装置における図面データの修正処理方法であっ
   て、 前記入力図面データの修正の際に修正領域を指定し、 修正前の入力図面データに対応する設計図面データから
   指定された修正領域のデータを削除し、これによって修
   正領域を除いた領域についての設計図面データである部
   分設計図面データを生成し、 修正後の入力図面データのうちの指定された修正領域の
   データのみについて自動設計処理を行い、これによって
   修正領域についての設計図面データである部分修正設計
   図面データを生成し、 前記部分設計図面データと前記部分修正設計図面データ
   とを合成して修正後の設計図面データを生成する、 ことを特徴とするＣＡＤ装置における図面データの修正
   処理方法。
2. 【請求項２】入力図面データを入力する入力手段と、 前記入力図面データに基づいて自動設計処理を行い設計
   図面データを生成する自動設計処理手段と、 前記設計図面データを出力する出力手段と、 前記入力図面データ又は前記設計図面データを修正する
   修正手段と、 前記入力図面データに対して修正領域を指定する修正領
   域指定手段と、 前記入力図面データに対応する設計図面データから修正
   領域を除いた領域についての設計図面データである部分
   設計図面データを生成する部分設計図面データ生成手段
   と、 入力図面データのうちの指定された修正領域のデータの
   みを抽出し、修正領域についての設計図面データである
   部分修正設計図面データを生成するために前記自動設計
   処理手段に入力する抽出手段と、 前記部分設計図面データと前記部分修正設計図面データ
   とを合成する合成手段と、 を有してなることを特徴とするＣＡＤ装置。
3. 【請求項３】前記入力図面データは、建築物の平面図及
   び高さに関するデータを含み、 前記自動設計処理手段は、前記入力図面データに基づい
   て、建築物の高さ方向を含む図を生成するものである、 請求項２記載のＣＡＤ装置。