JPH0816488B2 - 可変予圧直線運動用案内装置 - Google Patents

可変予圧直線運動用案内装置

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JPH0816488B2
JPH0816488B2 JP4115301A JP11530192A JPH0816488B2 JP H0816488 B2 JPH0816488 B2 JP H0816488B2 JP 4115301 A JP4115301 A JP 4115301A JP 11530192 A JP11530192 A JP 11530192A JP H0816488 B2 JPH0816488 B2 JP H0816488B2
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JP
Japan
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linear motion
adjusting
track rail
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JP4115301A
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JPH05288217A (ja
Inventor
村 洋 太 郎 畑
Original Assignee
畑村 洋太郎
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば半導体製造装
置,工作機械,各種検査装置等に広く用いられる直線運
動用案内装置に関し、特に予圧を可変とする直線運動用
案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体技術に代表されるように、
微細加工の高精度化の要求が高まっている。NC(数値
制御)が開発されて以来、位置制御により加工精度は飛
躍的に向上した。このような位置制御を高精度にするた
めに、直線案内部に転がり接触形の直線運動用案内装置
が広く用いられている。
【0003】この直線運動用案内装置は、軌道レール
と、この軌道レールに転動体を介して摺動自在に設けら
れる摺動台と、から構成される。
【0004】このような直線運動用案内装置で高精度に
位置決めを行う場合には、直線運動用案内装置に予圧を
与えることによって、転動体と転動体転走溝間の隙間を
ゼロにすると共に、剛性を高めて転動体に加わる荷重に
対する弾性変位量を小さくしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の直線運動
用案内装置では、予圧量を適切な値に調整しておいたと
しても、走行時の転動体転走溝等の摩耗,転動体転走面
の加工誤差あるいは作動時の発熱による熱膨張等によっ
て予圧状態に変化が生じてしまうという問題があった。
【0006】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、軌
道レールあるいは摺動台自体に伸縮部を設けることによ
り、予圧を制御可能とする可変予圧直線運動用案内装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】軌道レールと、該軌道レ
ールに沿って摺動自在に設けられる摺動台と、前記軌道
レールと摺動台に設けられた互いに対向する一対の転動
体転走溝間に介在される転動体と、を備えた直線運動用
案内装置において、前記摺動台と軌道レールの少なくと
もいずれか一方に、転動体が介在される相対する転動体
転走溝の間隔を、弾性変形によって調整可能とする予圧
調整用伸縮部を設け、該予圧調整用伸縮部が設けられる
摺動台と軌道レールの少なくともいずれか一方は二分割
構成で、予圧調整用伸縮部は、前記分割部分同士を連結
しかつ相対する転動体転走溝間の間隔を拡大・縮小させ
る方向に変形可能な弾性部材と、該弾性部材を伸縮させ
る変位手段と、を具備してなり、前記分割部分同士は弾
性部材で連結されていることを特徴とする。弾性部材は
摺動台あるいは軌道レールと一体的に設けることが好ま
しい。また、弾性部材は、相対する転動体転走溝間の間
隔を拡大・縮小させる方向には変形可能で、他の方向に
は剛な構造とすることが効果的である。
【0008】
【0009】
【0010】また、転動体転走溝間に付与された予圧を
検出可能とする予圧検出手段を備えたことを特徴とす
る。
【0011】そして、予圧検出手段の検出値に基づいて
前記伸縮部の伸縮量を制御して予圧を調整可能に構成し
てなることを特徴とする。
【0012】予圧検出手段は、伸縮部の変位から予圧を
検出するようにしてもよいし、伸縮部に加わる荷重から
予圧を検出するようにしてもよい。
【0013】変位量の検出は、弾性部材のひずみから検
出することが好適である。
【0014】変位手段は、指令値を与えると該指令値に
比例して変位する手段であり、たととえば圧電素子また
は電歪素子,流体圧や熱膨張を利用して伸縮するアクチ
ュエータ,ボイスコイル,磁歪素子を利用した各種アク
チュエータを用いることができる。
【0015】また、予圧調整用伸縮部によって予圧を調
整することにより動特性を制御することを特徴とする。
【0016】この動特性制御する場合は、転動体がボー
ルの場合に転動体転走溝がゴシックアーチ溝形状である
ことが好適である。
【0017】ここで、動特性とは、送り荷重に時間的に
変動する荷重、あるいは加減速によって生じる完成力等
が加わった場合得等に、これらの外力に対する影響除去
能力をことをいい、予圧を調整することによって動特性
を向上させる。
【0018】予圧によって向上する動特性としては、た
とえば動剛性と、減衰性と、固有振動数があげられる。
【0019】動剛性とは、外部から時間変化する荷重を
加えた時の、荷重変化の振幅に対する変位へか振幅の比
である。荷重と変位は周波数の関数になる。
【0020】予圧を加えることにより、外力に対する変
位の振幅が小さくなる。
【0021】減衰性とは、外部から加えられた振動を機
械内部で吸収する特性のことであり、減衰性がよいと位
置決め制定時間を短くできる。
【0022】固有振動数とは機械構造物に振動を与えた
時に共振を起こす周波数のことで、予圧を与えることに
より固有振動数を高くすることができ、共振を回避する
ことができる。
【0023】
【作用】上記構成の可変予圧直線運動用案内装置にあっ
ては、予圧調整用伸縮部を伸縮作動させることによって
予圧を適切な値に調整する。特に、軌道レールあるいは
摺動台を2分割構成として分割部分を弾性部材のみで連
結し、相対する転動体転走溝間の間隔を拡大・縮小させ
る方向に弾性変形させるようにしているので、非線形性
を排除することができる。
【0024】また、予圧検出手段を設けることによっ
て、実際の予圧を直接検出することができる。この検出
値に基づいて伸縮部を伸縮制御させれば、常時摺動台と
軌道レール間の予圧を適切な値に設定することができ
る。
【0025】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0026】図1(a) 〜(d) は本発明の可変予圧直線運
動用案内装置の基本的な構成を示している。すなわち、
Aは直線運動用案内装置全体を示すもので、直線的に延
びる軌道レール1と、この軌道レール1に転動体として
の左右二列のボール2を介して組みつけられる摺動台3
と、から構成される。摺動台3は軌道レール1を跨ぐよ
うに配置される下面側が開いた断面コ字形状のブロック
体で、上面部31と、この上面部31の左右両端から下
方に伸びる左右スカート部32,33と、から構成され
ている。軌道レ−ル1の左右両側面と対向する摺動台3
の左右両スカート部32,33内側面には、それぞれ転
動体転動溝4,5が形成されており、ボール2はこの転
動体転動溝4,5間に転動自在に介在されている。そし
て、この軌道レール1と摺動台3の少なくともいずれか
一方に、転動体転動溝4,5間の間隔を調整する予圧調
整用伸縮部6を設けている。この予圧調整用伸縮部6
は、転動体転動溝4,5間の間隔を拡大縮小する方向に
伸縮可能で、転動体転走溝4,5間の間隔を可変制御す
ることにより予圧量を制御するようになっている。ま
た、予圧調整用伸縮部6には、予圧量を検出するための
予圧検出手段9が設けられている。この予圧検出手段9
については、代表例として図1(a) にのみ図示するもの
とする。
【0027】予圧調整用伸縮部6の場所は、図1(a)
(b) に示すように摺動台3側に設ける場合と、図1(c)
に示すように軌道レール1側に設ける場合がある。
【0028】図1(a) は摺動台3の上面部31に左右に
伸縮する予圧調整用伸縮部6を設けたものであり、予圧
調整用伸縮部6を収縮させることにより、予圧を付与す
るようになっている。
【0029】図1(b) は摺動台3の一方のスカート部3
3に左右に伸縮する予圧調整用伸縮部6を形成したもの
である。
【0030】図1(c) は左右に伸縮する予圧調整用伸縮
部6を軌道レール1に設けたものである。すなわち、予
圧調整用伸縮部6を伸長させることで、左右のボール2
に予圧を付与する。
【0031】図1(d) はモーメントを利用して左右のボ
ールに予圧を付与するようにしたものである。すなわ
ち、予圧調整用伸縮部6を伸縮作動させることによって
摺動台3を軌道レール1の回りに回転させるモーメント
を作用させ、左右のボールの転動体転走溝4,5間が狭
まる方向に加圧してボール2に予圧を付与するようにし
たものである。
【0032】なお、図1(e) はこの直線運動用案内装置
Aの概略斜視図である。
【0033】図2(a) 〜(f) は、軌道レール1の左右側
面に上下二列づつ計4列のボール2を有する直線運動用
案内装置、特に左右2列ずつのボール2が軌道レール1
の左右側面に突出形成した突堤部7を上下から挟むよう
に配置されるタイプの直線運動用案内装置に、予圧調整
用伸縮部6を形成する場合の各種変形例を示す。
【0034】すなわち、図2(a) は図1(a) に対応する
もので、摺動台3の上面部31に左右に伸縮する予圧調
整用伸縮部6を設けたものである。
【0035】図2(b) は、摺動台3の左右スカート部3
2,33に上下に伸縮する予圧調整用伸縮部6を設けた
もので、予圧調整用伸縮部6を収縮させることで上下の
ボール2に予圧を付与している。
【0036】図2(c) は摺動台3の上面部31に上下に
伸縮する予圧調整用伸縮部6を形成したもので、この予
圧調整用伸縮部6を伸長させることで上下のボール2に
予圧を付与するようになっている。
【0037】図2(d) は摺動台3の一方のスカート部3
3に左右に伸縮する予圧調整用伸縮部6を設けたもので
あり、図1(b) に示す例と同様である。
【0038】図2(e) は軌道レール1に左右に伸縮する
予圧調整用伸縮部6を設けたもので、図1(c) と同様で
ある。
【0039】図2(f) は軌道レール1に上下に伸縮する
予圧調整用伸縮部6を設けたもので、この予圧調整用伸
縮部6を伸長させることにより、上下のボール2に予圧
を付与するようになっている。
【0040】図3(a) 〜(f) は、図2と同様の軌道レー
ル1の左右側面に上下二列づつ計4列のボール2を有す
る直線運動用案内装置であるが、この例は特に左右2列
ずつのボール2が摺動台3の左右のスカート部32,3
3の内側面に形成した突堤部左右の今Mス軌道レール1
の左右側面に突出形成した突堤部8を上下から挟むよう
に配置されるタイプの直線運動用案内装置に、予圧調整
用伸縮部6を形成する場合の各種変形例を示す。
【0041】すなわち、図3図(a) は図1(a) に対応す
るもので、摺動台3の上面部31に左右に伸縮する予圧
調整用伸縮部6を設けたものである。
【0042】図3(b) は、図2(b) と同様に摺動台3の
左右スカート部32,33に上下に伸縮する予圧調整用
伸縮部6を設けたもので、予圧調整用伸縮部6を伸長さ
せることで上下のボール2に予圧を付与している。
【0043】図3(c) は摺動台3の上面部31に上下に
伸縮する予圧調整用伸縮部6を形成したもので、この予
圧調整用伸縮部6を収縮させることで上下のボール2に
予圧を付与するようになっている。
【0044】図3(d) は摺動台3の一方のスカート部3
3に左右に伸縮する予圧調整用伸縮部6を設けたもので
あり、図1(b) に示す例と同様である。
【0045】図3(e) は軌道レール1に左右に伸縮する
予圧調整用伸縮部6を設けたもので、図1(c) と同様で
ある。
【0046】図3(f) は軌道レール1に上下に伸縮する
予圧調整用伸縮部6を設けたもので、この予圧調整用伸
縮部6を伸長させることにより、上下のボール2に予圧
を付与するようになっている。予圧検出手段7として
は、図4(a) に示すように予圧調整用伸縮部6の変位を
検出する変位検出手段10を用い、予圧に対応する変位
から予圧を検出するものと、図4(b) に示すように、予
圧調整用伸縮部6に加わる荷重を検出する力検出手段1
1を用い、予圧に対応する軸方向荷重から予圧を検出も
のがある。
【0047】図5(a) ,(b) は、予圧調整用伸縮部6の
基本構成を示すもので、いずれの例も、予圧調整方向に
弾性変形可能でかつその他の方向には剛な弾性部材12
と、この弾性部材12を軸方向に伸縮させるための微小
変位手段13と、を備えている。図5(a) に示す例は、
弾性部材12と微小変位手段13を互いに並べて設けた
ものである。図5(b) に示す例は、摺動台3あるいは軌
道レール1の予圧調整用伸縮部6を介して互いに対向す
る対向端部14,15間には弾性部材12のみを介在さ
せ、対向端部14,15に設けた第1,第2フランジ部
14a,15aに係合する連結部材16を用いたもので
ある。すなわち、連結部材16の両端には、対向端部1
4,15の第1,第2フランジ部14a,15aと対向
するように第1,第2座部16a,16bが突出してお
り、第1,第2座部16a,16bの内の一方の座部、
図示例では第2座部16bを第2フランジ部15aに固
定し、第1座部16aと第1フランジ部14aとの間に
微小変位手段13を介在させている。もちろん、微小変
位手段13を第2座部12bと第2フランジ部15a間
に介在させる構成としてもよい。この微小変位手段13
は、指令値を与えると指令値に比例して伸縮する手段で
あり、たとえば、圧電素子または電歪素子の他に、物体
の熱膨張を利用して伸縮される熱アクチュエータや、図
5(c) ,(d) に示すような流体圧によって伸縮するアク
チュエータ13a、その他ボイスコイルや磁歪素子を用
いたアクチュエータ等、要するに指令値に基づいて指令
値に比例して伸縮する各種アクチュエータを適用するこ
とができる。図5(e) は、弾性部材の一例を示してい
る。この弾性部材12Aは平板形状の薄肉部によって構
成される板ばねであり、形状的に予圧調整のための伸縮
方向に弾性変形可能でかつその他の方向に剛な構造にな
っている。変位検出手段10としては、たとえば、図6
(a) に示すようなひずみゲージ等の抵抗式センサ10
a、同図(b) に示すような圧電素子や電歪素子等を用い
て変位を電圧変化として検出する電圧式センサ10b、
同図(c) に示すような作動トランスやうず電流センサ等
の電磁誘導式センサ10c、同図(d) に示すような静電
容量式のセンサ10d、同図(e) に示すような光りファ
イバ等を用いた光干渉方式のセンサ10e等、微小変位
を検出可能な公知の種々のセンサを用いることができ
る。また、図6(f) , (g)には力検出手段11の一例を
示している。すなわち、図6(f) に示すものは、軸方向
荷重に応じて軸方向に弾性変形する弾性部材11bと、
この弾性部材11bの歪み量を検出する抵抗式センサ1
0aと、から構成されており、弾性部材11bの歪み量
の検出値から軸方向荷重を検出するものである。
【0048】図6 (g)に示す例は、弾性部材11bと、
この弾性部材11bと並べて配置される圧電素子11c
とから構成したものである。 もちろん、力検出手段と
しては、この図示例の他種々の検出手段を用いることが
できる。図7は本発明の第1の具体例を示している。
【0049】この例は図2(a) の基本構成を具体化した
もので、予圧調整用伸縮部6の構成として図5(a) の構
成を採用したものである。すなわち、摺動台3を摺動台
本体3Aと摺動台本体3Aの外周を取り囲む外枠部材1
7とから構成し、摺動台本体3Aの上面部31に図5
(e) に示したような板ばね状の弾性部材12Aを介在さ
せ、この弾性部材12Aに変位検出手段としての抵抗式
センサ10aが貼着されている。そして、外枠部材17
内側面と摺動台本体3Aの左右スカート部32,33の
背面との間に圧電素子等の微小変位手段13が介在され
ている。
【0050】図8は、図7の装置の制御ブロック図を示
している。すなわち、圧電素子等の微小変位手段13を
動作させるため、指令値をアナログ信号に変換するD/
Aコンバータ100と、この信号を増幅するドライブア
ンプ101と、弾性部材12に張りつけられた抵抗式セ
ンサ10aの抵抗値を読むためのストレインアンプ10
2と、ストレインアンプ102から出力されたアナログ
の検出値をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ
103と、それを処理しコントロールする演算回路10
4と、から構成されている。そして、抵抗式センサ10
aによって予圧状態を常時モニタし、検出値を演算回路
104にフィードバックして適切な予圧状態となるよう
に圧電素子等の微小変位手段11を制御する。
【0051】もっとも、図中点線で示すように、抵抗式
センサ10aからのアナログ情報をディジタル情報に変
換しないで、直接アナログ情報のままで比較するように
クローズドループを構成することもできる。
【0052】図9は本発明の第2具体例を示している。
【0053】この例は図2(b) の基本構成を具体化した
もので、予圧調整用伸縮部の構成として図6(b) の構成
を採用したものである。すなわち、摺動台3の左右スカ
ート部32,33に上下方向に伸縮する弾性部材12を
介在させている。また、摺動台3の上面部31左右両端
から下方に向かって側板18,18が延びており、この
側板18,18の下端に内向きに屈曲して左右スカート
部32,33の下面に対向する係合座部18a,18a
が設けられ、この係合座部18aと左右スカート部3
2,33下面の間に微小変位手段13,13が介在され
ている。
【0054】図10は本発明の第3具体例を示してい
る。
【0055】この例は図2(c) の基本構成を具体化した
もので、予圧調整用伸縮部の構成として図6(a) の構成
を採用したものである。すなわち、摺動台3は、左右に
配されるボール2,2,2,2のうち、上側のボール
2,2が転動するボール転動溝4,4を有するレース部
材19と、このレース部材19を取り囲むように設けら
れる断面略リップ付きコ字形断面の外枠20と、から構
成され、このレース部材19と外枠20の上面部21の
間に、弾性部材12と微小変位手段13が介在されてい
る。
【0056】図11は本発明の第4具体例を示している
この例は図2(e) に示す基本構成を具体化したものであ
る。すなわち、軌道レール1を左右のボール転動溝5,
5を分離するように縦割りに分割し、この軌道レール1
の左右半体1A,1Aの間に微小変位手段13を介在さ
せたものである。
【0057】図12は本発明の第5具体例を示してい
る。
【0058】この第5具体例は、第4具体例のように軌
道レール1を完全に分離しないで、軌道レール1に縦溝
1Aを設けて左右に弾性変形可能とし、縦溝1Aに微小
変位手段13を介在させたものである。そして、微小変
位手段13として軌道レール1よりも熱膨張率の高い異
材質の熱アクチュエータを用い、軌道レール1との接触
部には断熱材を介在させている。この熱アクチュエータ
13Aの材質としては、たとえば軌道レール1が鉄系の
材料の場合にアルミ系材料が用いられる。
【0059】図13は本発明の第6具体例を示してい
る。
【0060】この例は図1(d) の基本構成を具体化した
もので、予圧調整用伸縮部の構成として図5(e) の構成
を採用したものである。この摺動台3は、ボール摺動台
本体部と予圧調整用伸縮部が分離され別体構成となって
いる。
【0061】すなわち、軌道レール1の図中左側に位置
するボールは、軌道レールの右側方に突出形成される突
堤1Aと、この突堤1Aの下面と対向して設けられる摺
動台本体31の左スカート部32に形成されるリップ部
34の間に介装されている。一方、軌道レール1の図中
右側に位置するボール2は、軌道レール1上面の右側縁
に形成された転動体転動溝5と、摺動台本体31下面に
形成された転動体転動溝4間に介在されている。
【0062】一方、予圧調整用伸縮部6としては、図5
(e) の板ばね状の弾性部材12と変位手段13とが並列
して設けられた構成で、変位手段13の位置を図中右側
ボール2の方に近づけてある。
【0063】このようにすれば、変位手段を伸長させる
と、摺動台本体31を軌道レール1回りに図中時計回り
に回転させようとするモーメントが作用することにな
り、左側のボールが2介在される転動体転動溝4,5間
の間隔および、右側のボール2が介在される転動体転動
溝4,5間の間隔を狭められて予圧が大きくなる。
【0064】図14は本発明の第7具体例を示してい
る。
【0065】この第7具体例は、図10に示した第3具
体例の変形例に相当するもので、第3具体例と異なり、
予圧調整用伸縮部6を流体圧アクチュエータのみにより
構成したものである。
【0066】すなわち、外枠20の上にテーブル等が取
付けられる取付台部21を設け、この取付台部21と、
外枠20内に設けられるレース部材19を連結部材22
を介して一体的に連結している。この連結部材22は、
外枠22に設けられるガイド孔23に流体密の状態で摺
動自在に挿入されており、レース部材19と外枠20の
間に油等の流体室24を形成している。そして、流体室
24に油等の所定圧の流体25を封入し、この流体圧を
制御することによってレース部材19と外枠20との締
めつけ力を変化させて、予圧量を制御するものである。
【0067】なお、このようにボール2に付与する予圧
を可変とすることによって動特性を制御し、走行状態で
は予圧を軽減させて軽快に高速で動けるようにし、停止
後は予圧を大きくして動剛性を大きくすることが可能で
ある。
【0068】このような動特性を制御する場合には、転
動体転走溝4,5は、図15(a) に示すような2点で接
触する断面円弧状のサーキュラアーク溝よりも、同図
(b) に示すような4点で接触するゴシックアーチ溝形状
の構成とすることが好ましい。すなわち、ゴシックアー
チ溝形状の場合には差動すべりが生じ、サーキュラアー
ク溝形状よりも摩擦が大きくなるからためである。もっ
とも、ゴシックアーチ溝形状に限定されるものではな
く、サーキュラアーク溝形状としてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は軌道レー
ルと摺動台の少なくとも一方に設けた予圧調整用伸縮部
を伸縮させるようにしたので、予圧を適切な値に調整す
ることができる。特に、軌道レールあるいは摺動台を2
分割構成として分割部分を弾性部材で連結し、相対する
転動体転走溝間の間隔を拡大・縮小させる方向に弾性変
形させるようにしているので、予圧制御特性の非線形性
を排除することができ、予圧を精密に制御することがで
きる。
【0070】また、予圧検出手段を設けて予圧を直接検
出し、伸縮部を伸縮させて予圧を調整することにより、
予圧状態を正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) 〜(d) は本発明の可変予圧直線運動用
案内装置の概念構成を示す図、同図(e) は概略斜視図で
ある。
【図2】図2(a) 〜(f) は左右2列ずつのボール列を有
する可変予圧直線運動用案内装置の各種変形例の概念構
成を示す図である。
【図3】図3(a) 〜(f) は左右2列ずつのボールを有す
る他の可変予圧直線運動用案内装置の各種変形例を示す
概念構成を示す図である。
【図4】図4(a) は予圧検出手段として変位検出手段を
用いた場合の予圧調整用伸縮部近傍の構成図、同図(b)
は予圧検出手段として力検出手段を用いた場合の予圧調
整用伸縮部近傍の構成図である。
【図5】図5(a) は予圧調整用伸縮部の基本構成を示す
図、同図(b) は連結部材を用いた予圧調整用伸縮部の構
成を示す図、同図(c) ,(d) は微小変位手段として流体
圧シリンダを用いた場合の概略構成を示す図、同図(e)
は弾性部材の一例を示す要部断面図である。
【図6】図6(a) 〜 (g)は変位検出手段の各種態様を模
式的に示す構成図である。
【図7】図7は本発明の可変予圧直線運動用案内装置の
第1の具体例を示す概略断面図である。
【図8】図8は図7の装置の制御ブロック図である。
【図9】図9は本発明の可変予圧直線運動用案内装置の
第2の具体例を示す概略断面図である。
【図10】図10は本発明の可変予圧直線運動用案内装
置の第3の具体例を示す概略断面図である。
【図11】図11は本発明の可変予圧直線運動用案内装
置の第4の具体例を示す概略断面図である。
【図12】図12は本発明の可変予圧直線運動用案内装
置の第5の具体例を示す概略断面図である。
【図13】図13は本発明の可変予圧直線運動用案内装
置の第6の具体例を示す概略断面図である。
【図14】図14は本発明の可変予圧直線運動用案内装
置の第7の具体例を示す概略断面図である。
【図15】図15(a) はサーキュラアーク溝の断面図、
同図(b) はゴシックアーチ溝の断面図である。
【符号の説明】
1 軌道レール 2 ボール(転動体) 3 摺動台 4,5 ボール転動溝 6 予圧調整用伸縮部 7,8 突堤部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軌道レールと、該軌道レールに沿って摺動
    自在に設けられる摺動台と、前記軌道レールと摺動台に
    設けられた互いに対向する一対の転動体転走溝間に介在
    される転動体と、を備えた直線運動用案内装置におい
    て、 前記摺動台と軌道レールの少なくともいずれか一方に、
    転動体が介在される相対する転動体転走溝の間隔を、弾
    性変形によって調整可能とする予圧調整用伸縮部を設
    け、 該予圧調整用伸縮部が設けられる摺動台と軌道レールの
    少なくともいずれか一方は二分割構成で、予圧調整用伸
    縮部は、前記分割部分同士を連結しかつ相対する転動体
    転走溝間の間隔を拡大・縮小させる方向に変形可能な弾
    性部材と、該弾性部材を伸縮させる変位手段と、を具備
    してなり、前記分割部分同士は弾性部材で連結されてい
    ることを特徴とする可変予圧直線運動用案内装置。
  2. 【請求項2】予圧を検出可能とする予圧検出手段を備え
    た請求項1に記載の可変予圧直線運動用案内装置。
  3. 【請求項3】前記予圧検出手段の検出値に基づいて前記
    予圧調整用伸縮部の伸縮量を制御して予圧を調整可能に
    構成してなることを特徴とする請求項2に記載の可変予
    圧直線運動用案内装置。
  4. 【請求項4】前記予圧検出手段は予圧調整用伸縮部の変
    位または歪みから予圧を検出するものである請求項2ま
    たは3に記載の可変予圧直線運動用案内装置。
  5. 【請求項5】前記予圧検出手段は予圧調整用伸縮部に加
    わる荷重から予圧を検出するものである請求項2または
    3に記載の可変予圧直線運動用案内装置。
  6. 【請求項6】前記変位手段は、指令値を与えると該指令
    値に対応して変位する手段である請求項1,2,3,4
    または5に記載の可変予圧直線運動用案内装置。
  7. 【請求項7】前記変位手段は、圧電素子または電歪素子
    を用いたアクチュエータ,流体圧を利用して伸縮するア
    クチュエータ,熱膨張を利用して伸縮するアクチュエー
    タ,ボイスコイルを利用したアクチュエータおよび磁歪
    素子を利用したアクチュエータの内のいずれかのアクチ
    ュエータが用いられる請求項6に記 載の可変予圧直線運
    動用案内装置。
  8. 【請求項8】予圧調整用伸縮部によって予圧を調整する
    ことにより動特性を制御する請求項1乃至7のいずれか
    一の請求項に記載の可変予圧直線運動用案内装置。
  9. 【請求項9】転動体がボールで、転動体転走溝がゴシッ
    クアーチ溝形状である請求項8に記載の可変予圧直線運
    動用案内装置。
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