JPH08164611A - 液体噴射記録方法 - Google Patents

液体噴射記録方法

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JPH08164611A
JPH08164611A JP15780695A JP15780695A JPH08164611A JP H08164611 A JPH08164611 A JP H08164611A JP 15780695 A JP15780695 A JP 15780695A JP 15780695 A JP15780695 A JP 15780695A JP H08164611 A JPH08164611 A JP H08164611A
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JP
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recording
liquid
ink
recording liquid
orifice
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JP15780695A
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English (en)
Inventor
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細なオリフィスを有するバブルジェット型
液体噴射ヘッドにおいて、記録液が吐出口でだれたり、
或いはサテライト滴を発生したりしないような、切れの
よい吐出条件を提供する。 【構成】 吐出オリフィスの開口面積が800μm2
下であり、前記沸騰膜の発生〜成長によって最大沸騰膜
になるまでの成長速度の平均値をVb,前記吐出オリフ
ィス部における記録液のメニスカスが成長して記録液柱
になり、前記液滴になる直前までの記録液柱の中心部の
成長速度の平均値をViとするとき、 5m/s<Vb<Vi なる関係式を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射記録方法、よ
り詳細には、バブルジェット型液体噴射記録装置を用い
た記録法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
において、最近関心を集めている。その中で、高速記録
が可能であり、而も所謂普通紙に特別の定着処理を必要
とせずに記録の行える所謂インクジェット記録法は極め
て有力な記録法であって、これまでにも様々な方式が提
案され、改良が加えられて商品化されたものもあれば、
現在もなお実用化への努力が続けられているものもあ
る。この様なインクジェット記録法は、所謂インクと称
される記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ、記録部材
に付着させて記録を行うものであって、この記録液体の
小滴の発生法及び発生された記録液小滴の飛翔方向を制
御する為の制御方法によって幾つかの方式に大別され
る。
【0003】先ず第1の方式は、例えば米国特許第30
60429号明細書に開示されているもの(Tele type
方式)であって、記録液体の小滴の発生を静電吸引的に
行い、発生した記録液体小滴を記録信号に応じて電界制
御し、記録部材上に記録液体小滴を選択的に付着させて
記録を行うものである。これに就いて、更に詳述すれ
ば、ノズルと加速電極間に電界を掛けて、一様に帯電し
た記録液体の小滴をノズルより吐出させ、該吐出した記
録液体の小滴を記録信号に応じて電気制御可能な様に構
成されたxy偏向電極間を飛翔させ、電界の強度変化に
よって選択的に小滴を記録部材上に付着させて記録を行
うものである。
【0004】第2の方式は、例えば米国特許第3596
275号明細書や米国特許第3298030号明細書等
に開示されている方式(Sweet方式)であって、連続振動
発生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴を発
生させ、この発生された帯電量の制御された小滴を、一
様の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させること
で、記録部材上に記録を行うものである。具体的には、
ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘッドを構成する
一部であるノズルのオリフィス(吐出口)の前に記録信
号が印加されている様に構成した帯電電極を所定距離だ
け離して配置し、前記ピエゾ振動素子に一定周波数の電
気信号を印加することでピエゾ振動素子を機械的に振動
させ、前記吐出口より記録液体の小滴を吐出させる。こ
の時前記帯電電極によって吐出する記録液体小滴には電
荷が静電誘導され、小滴は記録信号に応じた電荷量で帯
電される。帯電量の制御された記録液体の小滴は、一定
の電界が一様に掛けられている偏向電極間を飛翔する
時、付加された帯電量に応じて偏向を受け、記録信号を
担う小滴のみが記録部材上に付着し得る様にされてい
る。
【0005】第3の方式は、例えば米国特許第3416
153号明細書に開示されている方式(Hertz方式)であ
って、ノズルとリング状の帯電電極間に電界を掛け、連
続振動発生法によって、記録液体の小滴を発生霧化させ
て記録する方式である。即ちこの方式ではノズルと帯電
電極間に掛ける電界強度を記録信号に応じて変調するこ
とによって小滴の霧化状態を制御し、記録画像の階調性
を出して記録する。
【0006】第4の方式は、例えば米国特許第3747
120号明細書に開示されている方式(Stemme方式)で、
この方式は前記3つの方式とは根本的に原理が異なるも
のである。すなわち、前記3つの方式は、何れもノズル
より吐出された記録液体の小滴を、飛翔している途中で
電気的に制御し、記録信号を担った小滴を選択的に記録
部材上に付着させて記録を行うのに対して、このStemme
方式は、記録信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を
吐出飛翔させて記録するものである。つまり、Stemme方
式は、記録液体を吐出する吐出口を有する記録ヘッドに
付設されているピエゾ振動素子に、電気的な記録信号を
印加し、この電気的記録信号をピエゾ振動素子の機械的
振動に変え、該機械的振動に従って前記吐出口より記録
液体の小滴を吐出飛翔させて記録部材に付着させること
で記録を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の4つの方
式は、各々に特長を有するものであるが、又、他方にお
いて解決され得る可き点が存在する。すなわち、前記第
1から第3の方式は、記録液体の小滴の発生の直接的エ
ネルギーが電気的エネルギーであり、又、小滴の偏向制
御も電界制御である。その為、第1の方式は、構成上は
シンプルであるが、小滴の発生に高電圧を要し、又、記
録ヘッドのマルチノズル化が困難であるので高速記録に
は不向きである。
【0008】第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル
化が可能で高速記録に向くが、構成上複雑であり、又記
録液体小滴の電気的制御が高度で困難であること、記録
部材上にサテライトドットが生じ易いこと等の問題点が
ある。第3の方式は、記録液体小滴を霧化することによ
って階調性に優れた画像が記録され得る特長を有する
が、他方霧化状態の制御が困難であること、記録画像に
カブリが生ずること及び記録ヘッドのマルチノズル化が
困難で、高速記録には不向きであること等の諸問題点が
存する。
【0009】第4の方式は、第1乃至第3の方式に比べ
利点を比較的多く有する。すなわち、構成上シンプルで
あること、オンデマンド(on-demand)で記録液体をノズ
ルの吐出口より吐出して記録を行う為に、第1乃至第3
の方式の様に吐出飛翔する小滴の中、画像の記録に要さ
なかった小滴を回収することが不要であること及び第1
乃至第2の方式の様に、導電性の記録液体を使用する必
要性がなく記録液体の物質上の自由度が大であること等
の大きな利点を有する。しかしながら、一方において、
記録ヘッドの加工上に問題があること、所望の共振数を
有するピエゾ振動素子の小型化が極めて困難であること
等の理由から記録ヘッドのマルチノズル化が難しく、
又、ピエゾ振動素子の機械的振動という機械的エネルギ
ーによって記録液体小滴の吐出飛翔を行うので高速記録
には向かないこと等の欠点を有する。
【0010】このように従来法には、構成上、高速記録
化上、記録ヘッドのマルチノズル化上、サテライトドッ
トの発生および記録画像のカブリ発生等の点において一
長一短があって、その長所を利する用途にしか適用し得
ないという制約が存在していた。また、特開昭55−1
61665号公報には、バブルジェット型液体噴射記録
ヘッドにおいて、沸騰膜の体積変化率(dVv/dt)
/Vvpの値を5×103sec1以上として吐出性能を向
上させることが開示されている。
【0011】図21は、上記特開昭55−161665
号公報に開示されたバブルジェット液体噴射記録ヘッド
の一例を説明するための図で、図21(a)は記録ヘッ
ドのオリフィス側から見た正面部分図、図21(b)
は、図21(a)に一点鎖線XXで示す部分で切断した
場合の切断面部分図である。図に示される記録ヘッド1
1は、その表面に電気熱変換体12が設けられている基
板13の表面に、所定の線密度で所定の巾と深さの溝が
所定数設けられている溝付板14で覆う様に接合するこ
とによって、オリフィス15と液吐出部16が形成され
た構造を有している。液吐出部16は、その終端に液滴
を吐出させる為のオリフィス15と、電気熱変換体12
より発生される熱エネルギーが液体に作用して沸騰膜を
発生し、その沸騰膜の拡大膨張と収縮に依る急激な状態
変化を引起す処である熱作用部17とを有する。
【0012】熱作用部17は、電気熱変換体12の熱発
生部18の上部に位置し、熱発生部18の液体と接触す
る熱作用面19をその底面としている。熱発生部18
は、基板13上に設けられた下部層20、該下部層20
上に設けられた発熱抵抗層21、該発熱抵抗層21に
は、熱を発生させる為に該層21に通電する為の電極2
3,24がその表面に設けられてある。電極23は、各
液吐出部の熱発生部に共通の電極であり、電極24は、
各液吐出部の熱発生部を選択して発熱させる為の選択電
極であって、液吐出部の流路に沿って設けられてある。
上部層22は、発熱抵抗層21を、使用する液体から化
学的・物理的に保護する為に発熱抵抗層21と液吐出部
16にある液体とを隔絶すると共に、液体を通じて電極
23,24間が短絡するのを防止する発熱抵抗層21の
保護的機能を有している。
【0013】上部層22は、上記の様な機能を有するも
のであるが、発熱抵抗層21が、耐液性であり、且つ液
体を通じて電極23,24が間電気的に短絡する心配が
全くない場合には、必ずしも設ける必要はなく、発熱抵
抗層21の表面に直に液体が接触する構造の電気熱変換
体として設計しても良い。下部層20は、主に熱流量制
御機能を有する。即ち、液滴吐出の際には、発熱抵抗層
21で発生する熱が基板13側の方に伝導するよりも、
熱作用部17側の方に伝導する割合が出来る限り多くな
り、液滴吐出後、詰り発熱抵抗層21への通電がOFF
された後には、熱作用部17及び熱発生部18にある熱
が速やかに基板13側に放出されて、熱作用部17にあ
る液体及び発生した沸騰膜が急冷される為に設けられ
る。
【0014】この様に、液滴吐出の際には、熱作用部1
7側への熱流量の割合が出来る限り大きく、発熱抵抗層
21への通電がOFFされた際には、基板13側への熱
流量の割合が出来る限り大きくなる様にして、液滴吐出
エネルギーの高効率化と高熱応答性及び連続的繰返し液
滴吐出性の向上、液滴吐出周波数の向上、吐出液滴量の
均一化、液滴吐出方向の安定化、液滴吐出スピードの均
一化、及び記録信号に対する応答の忠実性と確実性の向
上を実現させるには、沸騰膜の体積変化カーブに於い
て、前記した関係が成立する様にして記録を実行すれば
良いものである。
【0015】図22は、記録ヘッドに設けられた電気熱
変換体12に記号Pで示すパルス波形の電気信号を入力
した際に熱作用部17に於いて発生する沸騰膜の体積変
化を示す。今、電気熱変換体12に時刻t0と時刻tf
に於いてON−OFFされたパルス状の電気信号Pが入
力されると、時刻tiで熱作用部17に於いて沸騰膜が
発生し、この沸騰膜の体積Vvは、時刻tiより増加し
始め、時刻tpに於いて最大体積Vvpに到達する。時
刻tfに於いて電気信号PがOFFされると時刻tp後
に沸騰膜の体積Vvは減少し始める。電気信号PがOF
Fされて沸騰膜の体積Vvが減少する減少速度は、時間
τ1に於ける沸騰膜の体積Vvの時間的変化率によって
左右される。即ち、加熱時のその時間的変化率の平均値
〔(dVv/dt)/Vvp〕が5×103sec1以上で
ある様な沸騰膜の体積変化カーブにすることによって、
電気信号PをOFFした場合の沸騰膜の体積Vvの減衰
カーブを特別に冷却手段を用いずとも効果的に急唆にす
る事が出来、これにより、吐出性能を向上させるように
したものである。
【0016】又、上記特開昭55−161665号公報
の技術は、その明細書中に記載のあるように発熱抵抗体
のパターンサイズが80μm×200μmであり、又、
オリフィスとなる溝のサイズが幅80μm×深さ80μ
mという具合に、通常のインクジェット記録装置にくら
べ非常に大きいオリフィスを有するインクジェット記録
装置に適用される技術である。
【0017】しかしながら、近年、より高精細な印写品
質が求められるようになり、インクジェット記録装置に
使用されるオリフィスもその断面積が800μm2以下
の非常に微細なものが用いられる必要性が生じてきた。
そして、このような微細なオリフィスから吐出されるイ
ンク滴は、従来の、例えば、上記特開昭55−1616
65号公報に記載されているような大きなオリフィスか
ら吐出されるインク滴よりも、その大きさが1/10〜
1/100も小さいため、インク滴吐出の条件もより厳
密に決められなければならない。
【0018】例えば、上記特開昭55−161665号
公報においては、吐出性能を向上させる因子として、沸
騰膜のみに注目しているが、大きなオリフィスから大き
なインク滴を吐出させるためには、最も大きな寄与率を
もつ沸騰膜のみに注目して、その体積変化カーブを規定
して、おおよその条件を設定することが可能であって
も、微細なオリフィスから微小なインク滴を吐出させる
ためには、沸騰膜以外にもその吐出条件に寄与する他の
因子についても考慮する必要がある。具体的には、流路
の流体抵抗、吐出口での流体抵抗、インク必度、表面張
力等、考慮すべき因子は多々ある。そして、これらの多
くの因子の集体成となるものとして、オリフィスより成
長するインク柱の成長速度をあげることができる。
【0019】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、特に、微細なオリフィスを有するバブルジ
ェット型液体噴射ヘッドにおいて、記録液が吐出口でだ
れたり、或いはサテライト滴を発生したりしないよう
な、切れのよい吐出条件を提供することを目的としてな
されたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、吐出オリフィス液室内の記録液に熱エネ
ルギーを作用させるための発熱抵抗体を有し、該熱エネ
ルギー作用により前記記録液中の熱エネルギー作用部に
沸騰膜を生じせしめ、該沸騰膜の拡大にともなう作用力
で吐出オリフィスより前記記録液を液滴として飛翔さ
せ、被記録面に付着させて記録を行なう液体噴射記録方
法において、前記吐出オリフィスの開口面積が800μ
2以下であり、前記沸騰膜の発生〜成長によって最大
沸騰膜になるまでの成長速度の平均値をVb,前記吐出
オリフィス部における記録液のメニスカスが成長して記
録液柱になり、前記液滴になる直前までの記録液柱の中
心部の成長速度の平均値をViとするとき、 5m/s<Vb<Vi なる関係式を満足することを特徴としたものである。
【0021】
【作用】吐出オリフィス液室内の記録液に熱エネルギー
を作用させるための発熱抵抗体を有し、該熱エネルギー
作用により前記記録液中の熱エネルギー作用部に沸騰膜
を生じせしめ、該沸騰膜の体積増加にともなう作用力で
前記吐出オリフィスより前記記録液を液滴として飛翔さ
せ、被記録面に付着させて記録を行なう液体噴射記録方
法において、前記吐出オリフィスの開口面積が800μ
2以下であり、前記沸騰膜の発生〜成長によって最大
沸騰膜になるまでの成長速度の平均値をVb,前記吐出
オリフィス部における記録液のメニスカスが成長して記
録液柱になり、前記液滴になる直前までの記録液柱の中
心部の成長速度の平均値をViとするとき、 5m/s<Vb<Vi なる関係式を満足するようにし、もって、記録液が吐出
口でだれたり、或いはサテライト滴を発生したりしない
ような、切れのよい吐出条件を提供するものである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例に基いて説明する。図
1は、本発明の一実施例を説明するための要部状態図、
図2(a)は、沸騰膜の半径と時間との関係を示す図、
図2(b)は、沸騰膜の半径を定義するための図、図3
は、本発明の条件を見い出するために用いた実験装置の
一例を示す要部構成図で、図中、31はインク、32は
発熱抵抗体、33は沸騰膜、34は吐出オリフィス、3
5はまさに噴射されようとしている噴射インク滴であ
る。本発明は、開口面積が800μm2以下の吐出オリ
フィスを有するインクジェットであり、従来にない非常
に微細なインク滴を形成し、高精細な印写を行なうもの
であるため、インク滴形成に寄与すると考えられるすべ
ての因子を考慮してはじめてその目的が達成される。そ
のため、最適吐出条件を決めるために、インクの流体抵
抗、インク粘度等のすべてのパラメータによって決定さ
れる記録液(インク)柱成長速度、沸騰膜成長速度の面
から入念な実験を繰り返すことにより、最適条件を見い
出したものである。
【0023】バブルジェット記録ヘッドにおいては、イ
ンク流路内において発熱抵抗体32によりインク31を
加熱して該インク流路内に沸騰膜33を発生せしめ、こ
の沸騰膜33の体積の増大によってインク31をオリフ
ィス部34より噴射せしめるものである。沸騰膜33の
半径rは、図2(b)に示すように、沸騰膜の中心線か
ら沸騰膜の端までの長さである。Vbは沸騰膜成長速度
の平均値であり、Vb=rmax/tで定義される。な
お、Vbは、発熱抵抗体32に加えるパルス電圧、パル
ス幅、パルス波形、発熱体の材質、熱容量、インクの比
熱等によって違った値をとりうる。インク吐出速度Vi
は、図1より明らかなように、インク柱の中心軸におけ
る速度である。Viを決定づける因子としては、インク
物性(粘度、表面張力)、インク温度、流路流体抵抗、
吐出口流体抵抗等がある。従来にない微細な吐出オリフ
ィスを使用し、非常に微小なインク滴を吐出させるバブ
ルジェット技術においては、インク滴は、サテライト滴
がなく、又、ミスト状に飛散しない吐出が要求される。
又、吐出しないで、吐出口(オリフィス)からだれると
いうようなこともあってはならない。
【0024】本発明者は、入念な実験を繰り返すことに
より、上記のような不具合のない最適吐出が以下の条件
を満たす時に得られることを見い出した。 5m/s<Vb<Vi
【0025】このような条件を見つけるための実験は、
図3に示すように透明(パイレックス等のガラスがよ
い)なヘッドを試作し、沸騰膜の成長をLEDをストロ
ボ発光することにより同期せしめ、位相を変化させて観
察することにより行うことができる。ここで使用する液
体は、沸騰膜を見やすくするために、インクから染料成
分を除去した組成で、物性インクと同一にした透明なビ
ークル液である。而して、本発明は、最適吐出条件を決
定するための因子として、吐出条件に最も影響を及ぼす
Viをもあわせて条件を決めるようにしたものであり、
この条件に設定してヘッドを駆動することにより、安定
した吐出が得られる。
【0026】表1に検討結果の一例を示す。表1中の吐
出性能は、5KHzで連続駆動させた時の吐出性能であ
り、使用液は透明ビークル液である。
【0027】
【表1】
【0028】図4は、本発明が適用されるインクジェッ
トヘッドの一例としてのバブルジェットヘッドの動作説
明をするための図、図5は、バブルジェットヘッドの一
例を示す斜視図、図6は、図5に示したヘッドを構成す
る蓋基板(図6(a))と発熱体基板(図6(b))に分解
した時の斜視図、図7は、図6(a)に示した蓋基板を裏
側から見た斜視図で、図中、41は蓋基板、42は発熱
体基板、43は記録液体流入口、44はオリフィス、4
5は流路、46は液室を形成するための領域、47は個
別(独立)電極、48は共通電極、49は発熱体(ヒー
タ)、50はインク、51は沸騰膜、52は飛翔インク
滴で、本発明は、斯様なバブルジェット式の液体噴射記
録ヘッドに適用するものである。
【0029】最初に、図4を参照しながらバブルジェッ
トによるインク噴射について説明すると、図4(a)
は、定常状態であり、オリフィス面でインク50の表面
張力と外圧とが平衡状態にある。図4(b)は、ヒータ
49が加熱されて、ヒータ49の表面温度が急上昇し隣
接インク層に沸騰現像が起きるまで加熱され、微小沸騰
膜51が点在している状態にある。図4(c)は、ヒー
タ49の全面で急激に加熱された隣接インク層が瞬時に
気化し、沸騰膜を作り、この沸騰膜51が生長した状態
である。この時、ノズル内の圧力は、沸騰膜の生長した
分だけ上昇し、オリフィス面での外圧とのバランスがく
ずれ、オリフィスよりインク柱が生長し始める。
【0030】図4(d)は、沸騰膜が最大に生長した状
態であり、オリフィス面より沸騰膜の体積に相当する分
のインク50が押し出される。この時、ヒータ49には
電流が流れていない状態にあり、ヒータ49の表面温度
は降下しつつある。沸騰膜51の体積の最大値は電気パ
ルス印加のタイミングからややおくれる。図4(e)
は、沸騰膜51がインクなどにより冷却されて収縮を開
始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し出さ
れた速度を保ちつつ前進し、後端部では沸騰膜の収縮に
伴ってノズル内圧の減少によりオリフィス面からノズル
内へインクが逆流してインク柱にくびれが生じている。
【0031】図4(f)は、さらに沸騰膜51が収縮
し、ヒータ面にインクが接しヒータ面がさらに急激に冷
却される状態にある。オリフィス面では、外圧がノズル
内圧より高い状態になるためメニスカスが大きくノズル
内に入り込んで来ている。図4(g)は、オリフィスに
インクが毛細管現象により再び供給(リフィル)されて
図4(a)の状態にもどる過程で、沸騰膜は完全に消滅し
ている。
【0032】図8は、発熱抵抗体を用いる沸騰膜発生手
段の構造を説明するための詳細図で、図中、61は発熱
抵抗体、62は電極、63は保護層、64は電源装置を
示し、発熱抵抗体61を構成する材料として、有用なも
のには、たとえば、タンタル−SiO2の混合物、窒化タン
タル、ニクロム、銀−パラジウム合金、シリコン半導
体、あるいはハフニウム、ランタン、ジルコニウム、チ
タン、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、
クロム、バナジウム等の金属の硼化物があげられる。こ
れらの発熱抵抗体61を構成する材料の中、殊に金属硼
化物が優れたものとしてあげることができ、その中でも
最も特性の優れているのが、硼化ハフニウムであり、次
いで、硼化ジルコニウム、硼化ランタン、硼化タンタ
ル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順となっている。
【0033】発熱抵抗体61は、上記の材料を用いて、
電子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成
することができる。発熱抵抗体61の膜厚は、単位時間
当りの発熱量が所望通りとなるように、その面積、材質
及び熱作用部分の形状及び大きさ、更には実際面での消
費電力等に従って決定されるものであるが、通常の場
合、0.001〜5μm、好適には0.01〜1μmとされる。
電極62を構成する材料としては、通常使用されている
電極材料の多くのものが有効に使用され、具体的には、
たとえばAl(アルミニウム),Ag,Au,Pt,C
u等があげられ、これらを使用して蒸着等の手法で所定
位置に、所定の大きさ、形状、厚さで設けられる。
【0034】保護層63に要求される特性は、発熱抵抗
体61で発生された熱を記録液体に効果的に伝達するこ
とを妨げずに、記録液体より発熱抵抗体61を保護する
ということである。保護層63を構成する材料として有
用なものには、たとえば酸化シリコン、窒化シリコン、
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、
酸化ジルコニウム等があげられ、これらは、電子ビーム
蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成することが
できる。保護層63の膜厚は、通常は0.01〜10μm、
好適には0.1〜5μm、最適には0.1〜3μmとされるの
が望ましい。
【0035】以上のようにして作成した記録ヘッドを、
発熱抵抗体が発熱しない状態では記録液体が吐出口から
吐出しない程度の圧力で記録液体を供給しながら画像信
号に従って電気・熱変換体にパルス的に電圧を印加して
記録を実行したところ、鮮明な画像が得られた。
【0036】図9は、その時の発熱体駆動回路の一例を
示すブロック図で、71はフォトダイオード等で構成さ
れる公知の読取り用の光学的入力フォトセンサ部で、該
光学的入力フォトセンサ部71に入力した画像信号はコ
ンパレータ等の回路からなる処理回路72で処理され
て、ドライブ回路73に入力される。ドライブ回路73
は、記録ヘッド74を入力信号に従ってパルス幅、パル
ス振幅、繰り返し周波数等を制御してドライブする。
【0037】例えば、最も簡便な記録では、入力画像信
号を処理回路72において白黒判別してドライブ回路7
3に入力する。ドライブ回路73では適当な液滴径を得
る為のパルス幅、パルス振幅及び所望の記録液滴密度を
得る為の繰り返し周波数を制御された信号に変換され
て、記録ヘッド74を駆動する。又、階調を考慮した別
の記録法としては、1つには液滴径を変化させた記録、
又もう1つには記録液滴数を変化させた記録を次の様に
して行なうことも出来る。
【0038】先ず、液滴径を変化させる記録法は、光学
的入力フォトセンサ部71で入力した画像信号は、所望
の液滴径を得る為に定められた各々のレベルのパルス
幅、パルス振幅の駆動信号を出力する回路を複数有した
ドライブ回路73のいずれのレベルの信号を出力する回
路で行なうべきかを処理回路72で判別され処理され
る。又、記録液滴数を変化させる方法では、光学的入力
フォトセンサ部71への入力信号は、処理回路72にお
いてA/D変換されて出力され、該出力信号に従ってド
ライブ回路73は1つの入力信号当りの噴出液滴の数を
変えて記録が行なわれる様に記録ヘッド74を駆動する
信号を出力する。
【0039】又、別の実施法として同様な装置を使用し
て発熱抵抗体が発熱しない状態で記録液体が吐出口から
あふれ出る程度以上の圧力で記録液体を記録ヘッド74
に供給し乍ら、電気熱変換体に連続繰り返しパルスで電
圧を印加して記録を実行したところ、印加周波数に応じ
た個数の液滴が安定に且つ均一径で吐出噴射することが
確認された。この点から、記録ヘッド74は高周波での
連続吐出に極めて有効に適用されることが判明した。
又、記録装置の主要部となる記録ヘッドは微小であるか
ら容易に複数個並べることが出来、高密度マルチオリフ
ィス化記録ヘッドが可能である。
【0040】図10は、記録液体に沸騰膜を発生させる
別の手段を説明するための図で、図中、81はレーザ発
振器、82は光変調駆動回路、83は光変調器、84は
走査器、85は集光レンズで、レーザ発振器81より発
生されたレーザ光は、光変調器82において、光変調器
駆動回路82に入力されて電気的に処理されて出力され
る画情報信号に従ってパルス変調される。パルス変調さ
れたレーザ光は、走査器84を通り、集光レンズ85に
よって熱エネルギー作用部の外壁に焦点が合うように集
光され、記録ヘッドの外壁86を加熱し、内部の記録液
体87内で沸騰膜を発生させる。あるいは熱エネルギー
作用部の壁86は、レーザ光に対して透過性の材料で作
られ、集光レンズ85によって内部の記録液体87に焦
点が合うように集光され、記録液体を直接加熱すること
によって沸騰膜を発生させてもよい。
【0041】図11は、上述のごときレーザ光を用いた
プリンターの一例を説明するための図で、ノズル部91
は、高密度に(たとえば16ノズル/mm以上)、又、
紙91の紙巾(たとえばA4横巾)すべてにわたってカ
バーされるように集積されている例を示している。レー
ザ発振器81より発振されたレーザ光は、光変調器83
の入口開口に導かれる。光変調器83において、レーザ
光は、光変調器83への画情報入力信号に従って強弱の
変調を受ける。変調を受けたレーザ光は、反射鏡88に
よってその光路をビームエキスパンダー89の方向に曲
げられ、ビームエキスパンダー89に入射する。ビーム
エキスパンダー89により平行光のままビーム径が拡大
される。次に、ビーム径の拡大されたレーザ光は、高速
で定速回転する回転多面鏡90に入射される。回転多面
鏡90によって掃引されたレーザ光は、集光レンズ85
により、ドロップジェネレータの熱エネルギー作用部外
壁86もしくは内部の記録液体に結像する。それによっ
て、各熱エネルギー作用部には、沸騰膜が発生し、記録
液滴を吐出し、記録紙92に記録に行なわれる。
【0042】図12は、さらに別の沸騰膜発生手段を示
す図で、この例は、熱エネルギー作用部の内壁側に配置
された1対の放電電極100が、放電装置101から高
電圧のパルスを受け、記録液体中で放電をおこし、その
放電によって発生する熱により瞬時に沸騰膜を形成する
ようにしたものである。
【0043】図13乃至図20は、それぞれ図12に示
した放電電極の具体例を示す図で、図13に示した例
は、電極100を針状にして、電界を集中させ、効率よ
く(低エネルギーで)放電をおこさせるようにしたもので
ある。
【0044】図14に示した例は、2枚の平板電極にし
て、電極間に安定して沸騰膜が発生するようにしたもの
である。針状の電極より、発生沸騰膜の位置が安定して
いる。図15に示した例は、電極にほぼ同軸の穴をあけ
たものである。2枚の電極の両穴がガイドになって、発
生沸騰膜の位置はさらに安定する。図16に示した例
は、リング状の電極にしたものであり、基本的には図1
5に示した例と同じであり、その変形実施例である。
【0045】図17に示した例は、一方をリング状電極
とし、もう一方を針状電極としたものである。リング状
電極により、発生沸騰膜の安定性を狙い、針状電極によ
り電界の集中により効率を狙ったものである。図18に
示した例は、一方のリング状電極を熱エネルギー作用部
の壁面に形成したものである。これは、図17に示した
例の効果に加えて、基板上に平面的に電極を形成すると
いう製造上の容易さを狙ったものである。このような平
面的な電極は、蒸着(あるいはスパッタリング)や、フォ
トエッチングの技術によって容易に高密度な複数個のも
のが製作され得る。マルチアレイに特に威力を発揮す
る。
【0046】図19に示した例は、図18に示した例の
リング状電極形成部を電極の外周にそった形状で周囲か
ら一段高くしたものである。やはり、発生沸騰膜の安定
性を狙ったものであり、図17に示したものよりも3次
元的なガイドを付け加えた分だけ安定する。図20に示
した例は、図19に示した例とは反対に、リング状電極
形成部を、周囲から下へ落しこんだ構造としたもので、
やはり、発生沸騰膜は安定して形成される。
【0047】本発明による記録装置に使用される記録液
体は、後述する熱物性値及びその他の物性値を有する様
に材料の選択と組成成分の比が調合される他に従来の記
録法において使用されている記録液体と同様化学的物理
的に安定である他、応答性、忠実性、曳糸化能に優れて
いる事、液路殊に吐出口において固まらない事、流路中
を記録速度に応じた速度で流通し得る事、記録後、記録
部材への定着が速やかである事、記録濃度が充分である
事、貯蔵寿命が良好である事、等々の特性を与える様に
物性が調整される。
【0048】本発明による記録装置に使用される記録液
体は、液媒体と記録像を形成する記録剤及び所望の特性
を得る為に添加される添加剤より構成され、前記の物性
値を得る範囲において液媒体及び添加剤の種類及び組成
比の選択によって、水性、非水性、溶解性、導電性、絶
縁性のいずれも得ることが出来る。液媒体としては、水
性媒体と非水性媒体とに大別されるが、使用される液媒
体は、前記の物性値を調合される記録液体が有する様に
他の選択される構成成分との組み合せを考慮して下記の
ものより選択される。
【0049】その様な非水性媒体としては、例えばメチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシル
アルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコー
ル、ノニルアルコール、デシルアルコール等の炭素数1
〜10のアルキルアルコール;例えば、ヘキサン、オク
タン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシロー
ル等の炭化水素系溶剤;例えば、四塩化炭素、トリクロ
ロエチレン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等
のハロゲン化炭化水素系溶剤;例えば、エチルエーテ
ル、ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエー
テル系溶剤;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン系溶剤;ギ酸エチル、メチルアセテ
ート、プロピルアセテート、フェニルアセテート、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエス
テル系溶剤;例えばジアセトンアルコール等のアルコー
ル系溶剤;石油系炭化水素溶剤等が挙げられる。
【0050】これ等の列挙した液媒体は使用される記録
剤や添加剤との親和性及び記録液体としての後述の諸特
性を満足し得る様に適宜選択して使用されるものである
が更に、後記の特性を有する記録液体が調合され得る範
囲内において、必要に応じて適宜二種以上を混合して使
用しても良い。又、上記の条件内においてこれ等非水性
媒体と水とを混合して使用しても良い。
【0051】上記の液媒体の中、公害性、入手の容易
さ、調合のし易さ等の点を考慮すれば、水又は水・アル
コール系の液媒体が好適とされる。記録剤としては、調
合される記録液体が前記の諸物性値を有するようにされ
る他、長時間放置による液路内や記録液体供給タンク内
での沈降や凝集、更には、輸送管や液路の目詰りを起こ
さない様に、前記液媒体や添加剤との関係において材料
の選択がなされて使用される必要がある。この様な点か
らして、液媒体に溶解性の記録剤を使用するのが好まし
いが、液媒体に分散性又は難溶性の記録剤であっても、
液媒体に分散させる時の記録剤の粒径を充分小さくして
やれば使用され得る。
【0052】使用され得る記録剤は、記録部材によっ
て、その記録条件に充分適合する様に適宜選択される。
記録剤としては染料及び顔料を挙げることが出来る。有
効に使用される染料は、調合された記録液体の後述の諸
特性を満足し得る様なものであり、好適に使用されるの
は、例えば水溶性染料としての直接染料、塩基性染料、
酸性染料、可溶性建染メ染料、酸性媒染染料、媒染染
料、非水溶性染料としての硫化染料、建染メ染料、酒精
溶染料、油溶染料、分散染料等の他、スレン染料、ナフ
トール染料、反応染料、クロム染料、1:2型錯塩染
料、1:1型錯塩染料、アゾイック染料、カチオン染料
等の中より選択されるものである。
【0053】具体的には、例えば、レゾリングリルブル
ーPRL、レゾリンイエローPCG、レゾリンピンクP
RR、レゾリングリーンPB(以上バイヤー製)、スミ
カロンブルーS−BG、スミカロンレッドE−EBL、
スミカロンイエローE−4GL、スミカロンブリリアン
トブルーS−BL(以上住友化学製)、ダイヤニックス
イエロー−HG−SE、ダイヤニックスレッドBN−S
E(以上三菱化成製)、カヤロンポリエステルライトフ
ラビン4GL、カヤロンポリエステルブルー3R−S
F、カヤロンポリエステルイエローYL−SE、カヤセ
ットターキスブルー776、カヤセットイエロー90
2、カヤセットレッド026、プロシオンレッドH−2
B、プロシオンブルーH−3R(以上日本化薬製)、レ
バフィックスゴールデンイエローP−R、レバフィック
スブリルレッドP−B、レバフィックスブリルオレンジ
P−GR(以上バイヤー製)、
【0054】スミフィックスイエローGRS、スミフィ
ックスB、スミフィックスブリルレッドBS、スミフィ
ックスブリルブルーPB、ダイレクトブラック40(以
上住友化学製)、ダイヤミラーブラウン3G、ダイヤミ
ラーイエローG、ダイヤミラーブルー3R、ダイヤミラ
ーブリルブルーB、ダイヤミラーブリルレッドBB(以
上三菱化成製)、レマゾールレッドB、レマゾールブル
ー3R、レマゾールイエローGNL、レマゾールブリル
グリーン6B(以上ヘキスト社製)、チバクロンブリル
イエロー、チバクロンブリルレッド4GE(以上チバガ
イギー社製)、インジコ、ダイレクトテープブラックE
・Ex、ダイアミンブラックBH、コンゴーレッド、シ
リアスブラックBH、オレンジII、アミドブラック10
B、オレンジRO、メタニールイエロー、ビクトリアス
カーレット、ニグロシン、ダイアモンドブラックPBB
(以上イーゲー社製)、
【0055】ダイアシドブルー3G、ダイアシドファス
ト・グリーンGW、ダイアシド・ミーリングネービーブ
ルーR、インダンスレン(以上三菱化成製)、ザボン−
染料(BASF製)、オラゾール染料(CIBA製)、ラ
ナシン−染料(三菱化成製)、ダイアクリルオレンジR
L−E、ダイアクリルブリリアントブルー2B−E、ダ
イアクリルターキスブルーBG−E(三菱化成製)など
の中より前記の諸物性値が調合される記録液体に与えら
れるものが好ましく使用できる。これ等の染料は、所望
に応じて適宜選択されて使用される液媒体中に溶解又は
分散されて使用される。
【0056】有効に使用される顔料としては、無機顔
料、有機顔料の中の多くのものが好適に使用される。そ
のような顔料として具体的に例示すれば無機顔料として
は、硫化カドミウム、硫黄、セレン、硫化亜鉛、スルホ
セレン化カドミウム、黄鉛、ジンククロメート、モリブ
デン赤、ギネー・グリーン、チタン白、亜鉛華、弁柄、
酸化クロムグリーン、鉛丹、酸個コバルト、チタン酸バ
リウム、チタニウムイエロー、鉄黒、紺青、リサージ、
カドミウムレッド、硫化銀、硫酸鉛、硫酸バリウム、群
青、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、鉛白、コバル
トバイオレット、コバルトブルー、エメラルドグリー
ン、カーボンブラック等が挙げられる。有機顔料として
は、その多くが染料に分類されているもので染料と重複
する場合が多いが、具体的には次のようなものが好適に
使用される。
【0057】(a)不溶性アゾ系(ナフトール系) ブリリアントカーミンBS、レーキカーミンFB、ブリ
リアントファストスカーレッド、レーキレッド4R、パ
ラレッド、パーマネントレッドR、ファストレッドFG
R、レーキボルドー5B、バーミリオンNO.1、バーミリ
オンNO.2、トルイジンマルーン。 (b)不溶性アゾ系(アニライド系) ジアゾイエロー、ファストイエローG、ファストイエロ
ー10G、ジアゾオレンジ、バルカンオレンジ、パラゾ
ロンレッド。
【0058】(c)溶性アゾ系 レーキオレンジ、ブリリアントカーミン3B、ブリリア
ントカーミン6B、ブリリアントスカーレットG、レー
キレッドC、レーキレッドD、レーキレッドR、ウォッ
チングレッド、レーキボルドー10B、ボンマルーン
L、ボンマルーンM。 (d)フタロシアニン系 フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、フタロ
シアニングリーン。 (e)染色レーキ系 イエローレーキ、エオシンレーキ、ローズレーキ、バイ
オレッドレーキ、ブルーレーキ、グリーンレーキ、セピ
アレーキ。
【0059】(f)媒染系 アリザリンレーキ、マダカーミン。 (g)建染系 インダスレン系、ファストブルーレーキ(GGS)。 (h)塩基性染料レーキ系 ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ。 (i)酸性染料レーキ系 ファストスカイブルー、キノリンイエローレーキ、キナ
クリドン系、ジオキサジン系。
【0060】液媒体と記録剤との量的関係は、調合され
る他に液路の目詰り、液路内での記録液体の乾燥、記録
部材へ付与された時の滲みや乾燥速度等の条件から、重
量部で液媒体100部に対して記録剤が通常1〜50
部、好適には3〜30部、最適には5〜10部とされる
のが望ましい。記録液体が分散系(記録剤が液媒体中に
分散されている系)の場合、分散される記録剤の粒径
は、記録剤の種類、記録条件、液路の内径、吐出口径、
記録部材の種類等によって、適宜所望に従って決定され
るが、粒径が余り大きいと、貯蔵中に記録剤粒子の沈降
が起って、濃度の不均一化が生じたり、液路の目詰りが
起ったり或いは記録された画像に濃度班が生じたり等し
て好ましくない。
【0061】このようなことを考慮すると、分散系記録
液体とされる場合の記録剤の粒径は、通常0.01〜8μと
されるのが望ましい。更に分散されている記録剤の粒径
分布は、出来る限り狭い方が好適であって、通常はD±
3μ、好適にはD±1.5μとされるのが望ましい(但し
Dは平均粒径を表わす)。使用される添加剤としては、
粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整
剤、湿潤剤及び赤外線吸収発熱剤等が挙げられる。
【0062】粘度調整剤や表面張力調整剤は、前記の物
性値を得る為の他に、記録速度に応じて充分なる流速で
液路中を流通し得ること、液路の吐出口において記録液
体の回り込みを防止し得ること、記録部材へ付与された
時の滲み(スポット径の広がり)を防止し得ること等の
為に添加される。粘度調整剤及び表面張力調整剤として
は、使用される液媒体及び記録剤に悪影響を及ぼさない
で効果的なものであれば通常知られているものの中より
適宜所望特性を満足するように選択されて使用される。
【0063】具体的には、粘度調整剤としては、ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、ポリビニ
ルピロリドン、アラビアゴムスターチ等が好適なものと
して例示出来る。
【0064】所望に応じて適宜選択されて好適に使用さ
れる、表面張力調整剤としては、アニオン系、カチオン
系及びノニオン系の界面活性剤が挙げられ、具体的に
は、アニオン系としてポリエチレングリコールエーテル
硫酸、エステル塩等、カチオン系としてポリ2−ビニル
ピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等、ノ
ニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノアルキルエステル、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン等が挙げられる。
【0065】これ等の界面活性剤の他、ジエタノールア
ミン、プロパノールアミン、モルホリン酸等のアミン
酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム等の塩基性
物質、N−メチル−2−ピロリドン等の置換ピロリドン
等も有効に使用される。これ等の表面張力調整剤は、所
望の値の表面張力を有する記録液体が調合されるよう
に、互いに又は他の構成成分に悪影響を及ぼさず且つ前
記の物性値が調合される記録液体に与えられる範囲内に
おいて必要に応じて二種以上混合して使用しても良い。
【0066】これ等表面張力調整剤の添加量は種類、調
合される記録液体の他の構成成分種及び所望される記録
特性に応じて適宜決定されるものであるが、記録液体1
重量部に対して、通常は0.0001〜0.1重量部、好適には
0.001〜0.01重量部とされるのが望ましい。pH調整剤
は、調合された記録液体の化学的安定性、例えば、長時
間の保存による物性の変化や記録剤その他の成分の沈降
や凝集を防止する為に所定のpH値となるように前記の
諸特性値を逸脱しない範囲で適時適当量添加される。
【0067】本発明において好適に使用されるpH調整
剤としては、調合される記録液体に悪影響を及ぼさずに
所望のpH値に制御出来るものであれば大概のものを挙
げることが出来る。そのようなpH調整剤としては具体
的に例示すれば低級アルカノールアミン、例えばアルカ
リ金属水酸化物等の一価の水酸化物、水酸化アンモニウ
ム等が挙げられる。これ等のpH調整剤は、調合される
記録液体が前記の物性値をはずれない範囲で所望のpH
値を有するように必要量添加される。
【0068】使用される潤滑剤としては、調合される記
録液体が後記の諸物性値を逸脱しない範囲で本発明に係
わる技術分野において通常知られているものの中より有
効であるもの、殊に熱的に安定なものが好適に使用され
る。このような潤滑剤として具体的に示せば、例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
シレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原
子を含むアルキレングリコール;例えばエチレングリコ
ールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエー
テル、ジエチレングリコールエチルエーテル等のジエチ
レングリコールの低級アルキルエーテル;グリセリン;
例えばメトオキシトリグリコール、エトオキシトリグリ
コール等の低級アルコールオキシトリグリコール;N−
ビニル−2−ピロリドンオリゴマー;等が挙げられる。
【0069】これ等の潤滑剤は、記録液体に所望される
特性を満足するように所望に応じて必要量添加されるも
のであるが、その添加量は記録液体全重量に対して、通
常0.1〜10wt%、好適には0.1〜8wt%、最適には0.2
〜7wt%とされるのが望ましい。又、上記の潤滑剤は、
単独で使用される他、互いに悪影響を及ぼさない条件に
おいて二種以上混用しても良い。
【0070】本発明で使用される記録液体には、上記の
ような添加剤が所望に応じて必要量添加されるが、更に
記録部材に付着する場合の記録液体被膜の形成性、被膜
強度に優れたものを得るために、例えばアルキッド樹
脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等の樹脂重合体が添加
されても良い。本発明で使用される記録液体は、前述し
た諸記録特性を具備するように、比熱、熱膨張係数、熱
伝導率、粘性、表面張力、pH及び帯電された記録液滴
を使用して記録する場合には比抵抗等の特性値が特性の
条件範囲にあるように調合されるのが望ましい。すなわ
ち、これ等の諸特性は、曳糸現象の安定性、熱エネルギ
ー作用に対する応答性及び忠実性、画像濃度、化学的安
定性、液路内での流動性等に重要な関連性を有している
ので、本発明においては記録液体の調合の際、これ等に
充分注意を払う必要がある。
【0071】本発明に使用され得る記録液体の上記諸特
性としては、下記の表2に示されるごときの値とされる
のが望ましてが、列挙された物性の総てが表2に示され
るごとき数値条件を満足する必要はなく、要求される記
録特性に応じて、これ等の物性の幾つかが表2の条件を
満足する値を取れば良いものである。しかしながら、比
熱、熱膨張係数、熱伝導率、粘性、表面張力に関して
は、表2の値に規定されるのが望ましい。勿論、調合さ
れた記録液体の上記諸特性の中で表2に示される値を満
足するものが多い程良好な記録が行われることは言うま
でも無い。
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、開口面積が800μm2以下の非常に微細な
吐出オリフィスを有し、非常に微小なインク滴を安定よ
く形成するためには、沸騰膜の発生〜成長によって最大
沸騰膜になるまでの成長速度の平均値をVb、前記吐出
オリフィス部における記録液のメニスカスが成長して記
録液柱になり、記録液滴になる直前までの記録液柱の中
心部の成長速度の平均値をViとするとき、 5m/s<Vb<Vi なる関係式を満足するように条件を設定してヘッドを駆
動するようにしたので、記録液を安定して吐出すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるインクジェットヘッドの
一例を説明するための要部構成図である。
【図2】 本発明の動作原理を説明するための図であ
る。
【図3】 本発明の条件を見い出すために使用した実験
装置の一例を示す図である。
【図4】 本発明が適用されるインクジェットヘッドの
一例としてのバブルジェットヘッドの動作説明をするた
めの図である。
【図5】 バブルジェットヘッドの一例を示す斜視図で
ある。
【図6】 図5に示したバルブジェットヘッドの分解斜
視図である。
【図7】 図6に示した蓋基板を裏側から見た図であ
る。
【図8】 発熱抵抗体を用いた沸騰膜発生手段の構造を
説明するための図である。
【図9】 発熱体駆動回路の一例を説明するためのブロ
ック図である。
【図10】 レーザ光を用いて記録液体に沸騰膜を発生
させる例を示す図である。
【図11】 レーザ光を用いて沸騰膜を発生させる別の
例を示す図である。
【図12】 放電を利用した沸騰膜発生手段の一例を説
明するための図である。
【図13】 図12に示した放電電極の具体例(その
1)を示す図である。
【図14】 図12に示した放電電極の具体例(その
2)を示す図である。
【図15】 図12に示した放電電極の具体例(その
3)を示す図である。
【図16】 図12に示した放電電極の具体例(その
4)を示す図である。
【図17】 図12に示した放電電極の具体例(その
5)を示す図である。
【図18】 図12に示した放電電極の具体例(その
6)を示す図である。
【図19】 図12に示した放電電極の具体例(その
7)を示す図である。
【図20】 図12に示した放電電極の具体例(その
8)を示す図である。
【図21】 従来のインクジェットヘッドの一例を説明
するための図である。
【図22】 図21に示したインクジェットヘッドの動
作説明をするための図である。
【符号の説明】
31…記録液、32…発熱抵抗体、33…沸騰膜、34
…オリフィス、35…吐出寸前の記録液。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出オリフィス液室内の記録液に熱エネ
    ルギーを作用させるための発熱抵抗体を有し、該熱エネ
    ルギー作用により前記記録液中の熱エネルギー作用部に
    沸騰膜を生じせしめ、該沸騰膜の拡大にともなう作用力
    で前記吐出オリフィスより前記記録液を液滴として飛翔
    させ、被記録面に付着させて記録を行なう液体噴射記録
    方法において、前記吐出オリフィスの開口面積が800
    μm2以下であり、前記沸騰膜の発生〜成長によって最
    大沸騰膜になるまでの成長速度の平均値をVb,前記吐
    出オリフィス部における記録液のメニスカスが成長して
    記録液柱になり、前記液滴になる直前までの記録液柱の
    中心部の成長速度の平均値をViとするとき、 5m/s<Vb<Vi なる関係式を満足することを特徴とする液体噴射記録方
    法。
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JPH02277647A (ja) * 1989-04-19 1990-11-14 Ricoh Co Ltd 液体噴射記録方法

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