JP2651188B2 - 液体噴射記録方法 - Google Patents

液体噴射記録方法

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JP2651188B2 JP8595088A JP8595088A JP2651188B2 JP 2651188 B2 JP2651188 B2 JP 2651188B2 JP 8595088 A JP8595088 A JP 8595088A JP 8595088 A JP8595088 A JP 8595088A JP 2651188 B2 JP2651188 B2 JP 2651188B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/205Ink jet for printing a discrete number of tones

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液体噴射記録方法、より詳細には、熱エネ
ルギー利用のバブルジェット型インクジェット記録方法
に関する。
従来技術 ノンインパクト記録法は、記録時における騒音の発生
が無視し得る程度に極めて小さいという点において、最
近関心を集めている。その中で、高速記録が可能であ
り、而も所謂普通紙に特別の定着処理を必要とせずに記
録の行える所謂インクジェット記録法は極めて有力な記
録法であって、これまでにも様々な方式が提案され、改
良が加えられて商品化されたものもあれば、現在もなお
実用化への努力が続けられているものもある。
この様なインクジェット記録法は、所謂インクと称さ
れる記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ、記録部材
に付着させて記録を行うものであって、この記録液体の
小滴の発生法及び発生された記録液小滴の飛翔方向を制
御する為の制御方法によって幾つかの方式に大別され
る。
先ず第1の方式は例えばUSP3060429に開示されている
もの(Tele type方式)であって、記録液体の小滴の発
生を静電吸引的に行い、発生した記録液体小滴を記録信
号に応じて電界制御し、記録部材上に記録液体小滴を選
択的に付着させて記録を行うものである。
これに就いて、更に詳述すれば、ノズルと加速電極間
に電界を掛けて、一様に帯電した記録液体の小滴をノズ
ルより吐出させ、該吐出した記録液体の小滴を記録信号
に応じて電気制御可能な様に構成されたxy偏向電極間を
飛翔させ、電界の強度変化によって選択的に小滴を記録
部材上に付着させて記録を行うものである。
第2の方式は、例えばUSP3596275、USP3298030等に開
示されている方式(Sweet方式)であって、連続振動発
生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴を発生
させ、この発生された帯電量の制御された小滴を、一様
の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させること
で、記録部材上に記録を行うものである。
具体的には、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘ
ッドを構成する一部であるノズルのオリフィス(吐出
口)の前に記録信号が印加されている様に構成した帯電
電極を所定距離だけ離して配置し、前記ピエゾ振動素子
に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素
子と機械的に振動させ、前記吐出口より記録液体の小滴
を吐出させる。この時前記帯電電極によって吐出する記
録液体小滴には電荷が静電誘導され、小滴は記録信号に
応じた電荷量で帯電される。帯電量の制御された記録液
体の小滴は、一定の電界が一様に掛けられている偏向電
極間を飛翔する時、付加された帯電量に応じて偏向を受
け、記録信号を担う小滴のみが記録部材上に付着し得る
様にされている。
第3の方式は例えばUSP3416153に開示されている方式
(Hertz方式)であって、ノズルとリング状の帯電電極
間に電界を掛け、連続振動発生法によって、記録液体の
小滴を発生霧化させて記録する方式である。即ちこの方
式ではノズルと帯電電極間に掛ける電界強度を記録信号
に応じて変調することによって小滴の霧化状態を制御
し、記録画像の階調性を出して記録する。
第4の方式は、例えばUSP3747120に開示されている方
式(Stemme方式)で、この方式は前記3つの方式とは根
本的に原理が異なるものである。
即ち、前記3つの方式は、何れもノズルより吐出され
た記録液体の小滴を、飛翔している途中で電気的に制御
し、記録信号を担った小滴を選択的に記録部材上に付着
させて記録を行うのに対して、このStemme方式は、記録
信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させ
て記録するものである。
つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出する吐出口を
有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動素子に、
電気的な記録信号を印加し、この電気的記録信号をピエ
ゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って
前記吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させて記録部
材に付着させることで記録を行うものである。
これ等、従来の4つの方式は各々に特長を有するもの
であるが、又、他方において解決され得る可き点が存在
する。
即ち、前記第1から第3の方式は記録液体の小滴の発
生の直接的エネルギーが電気的エネルギーであり、又、
小滴の偏向制御も電界制御である。その為、第1の方式
は、構成上はシンプルであるが、小滴の発生に高電圧を
要し、又、記録ヘッドのマルチノズル化が困難であるの
で高速記録には不向きである。
第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可能で
高速記録に向くが、構成上複雑であり、又記録液体小滴
の電気的制御が高度で困難であること、記録部材上にサ
テライトドットが生じ易いこと等の問題点がある。
第3の方式は、記録液体小滴を霧化することによって
階調性に優れた画像が記録され得る特長を有するが、他
方霧化状態の制御が困難であること、記録画像にカブリ
が生ずること及び記録ヘッドのマルチノズル化が困難
で、高速記録には不向きであること等の諸問題点が存す
る。
第4の方式は、第1乃至第3の方式に比べ利点を比較
的多く有する。即ち、構成上シンプルであること、オン
デマンド(on−demand)で記録液体をノズルの吐出口よ
り吐出して記録を行う為に、第1乃至第3の方式の様に
吐出飛翔する小滴の中、画像の記録に要さなかった小滴
を回収することが不要であること及び第1乃至第2の方
式の様に、導電性の記録液体を使用する必要性がなく記
録液体の物質上の自由度が大であること等の大きな利点
を有する。而乍ら、一方において、記録ヘッドの加工上
に問題があること、所望の共振数を有するピエゾ振動素
子の小型化が極めて困難であること等の理由から記録ヘ
ッドのマルチノズル化が難しく、又、ピエゾ振動素子の
機械的振動という機械的エネルギーによって記録液体小
滴の吐出飛翔を行うので高速記録には向かないこと、等
の欠点を有する。
更には、特開昭48−9622号公報(前記USP3747120に対
応)には、変形例として、前記のピエゾ振動素子等の手
段による機械的振動エネルギーを利用する代わりに熱エ
ネルギーを利用することが記載されている。
即ち、上記公報には、圧力上昇を生じさせる蒸気を発
生する為に液体を直接加熱する加熱コイルをピエゾ振動
素子の代りの圧力上昇手段として使用する所謂バブルジ
ェットの液体噴射記録装置が記載されている。
しかし、上記公報には、圧力上昇手段としての加熱コ
イルに通電して液体インクが出入りし得る口が一つしか
ない袋状のインク室(液室)内の液体インクを直接加熱
して蒸気化することが記載されているに過ぎず、連続繰
返し液吐出を行う場合は、どの様に加熱すれば良いか
は、何等示唆されるところがない。加えて、加熱コイル
が設けられている位置は、液体インクの供給路から遥か
に遠い袋状液室の最深部に設けられているので、ヘッド
構造上複雑であるに加えて、高速での連続繰返し使用に
は、不向きとなっている。
しかも、上記公報に記載の技術内容からでは、実用上
重要である発生する熱で液吐出を行った後に次の液吐出
の準備状態を速やかに形成することは出来ない。
このように従来法には、構成上、高速記録化上、記録
ヘッドのマルチノズル化上、サテライトドットの発生お
よび記録画像のカブリ発生等の点において一長一短があ
って、その長所を利する用途にしか適用し得ないちう制
約が存在していた。
上述のごとき点に鑑み、本出願人は、先に構造的にシ
ンブルであって、マルチノズル化を容易にし、高速記録
が可能であって、サテライトドットの発生がなく、カブ
リのない鮮明な記録画像の得られる液体噴射記録方式に
ついて提案(特公昭56−9429号公報)したが、これは、
インクの中で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力によ
りオリフィスよりインク滴を吐出させる、いわゆるバブ
ルジェット型インクジェット記録装置の基本となるもの
である。
第17図は、本発明が適用されるインクジェットヘッド
の一例としてのバブルジェットヘッドの動作説明をする
ための図、第18図は、バブルジェットヘッドの一例を示
す斜視図、第19図は、第18図に示したヘッドを構成する
蓋基板(第19図(a))と発熱体基板(第19図(b))
に分解した時の斜視図、第20図は、第19図(a)に示し
た蓋基板を裏側から見た斜視図で、図中、1は蓋基板、
2は発熱体基板、3は記録液体流入口、4はオリフィ
ス、5は流路、6は液室を形成するための領域、7は個
別(独立)電極、8は共通電極、9は発熱体(ヒー
タ)、10はインク、11は気泡、12は飛翔インク滴で、本
発明は、斯様なバブルジェット式の液体噴射記録ヘッド
に適用するものである。
最初に、第17図を参照しながらバブルジェットによる
インク噴射について説明すると、 (a)は定常状態であり、オリフィス面でインク10の
表面張力と外圧とが平衡状態にある。
(b)はヒータ9が加熱されて、ヒータ9の表面温度
が急上昇し隣接インク層に沸騰現像が起きるまで加熱さ
れ、微小気泡11が点在している状態にある。
(c)はヒータ9の全面で急激に加熱された隣接イン
ク層が瞬時に気化し、沸騰膜を作り、この気泡11が生長
した状態である。この時、ノズル内の圧力は、気泡の生
長した分だけ上昇し、オリフィス面での外圧とのバラン
スがくずれ、オリフィスよりインク柱が生長し始める。
(d)は気泡が最大に生長した状態であり、オリフィ
ス面より気泡の体積に相当する分のインク10が押し出さ
れる。この時、ヒータ9には電流が流れていない状態に
あり、ヒータ9の表面温度は降下しつつある。気泡11の
体積の最大値は電気パルス印加のタイミングからややお
くれる。
(e)は気泡11がインクなどにより冷却されて収縮を
開始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し出
された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡の収縮に
伴ってノズル内圧の減少によりオリフィス面からノズル
内へインクが逆流してインク柱にくびれが生じている。
(f)はさらに気泡11が収縮し、ヒータ面にインクが
接しヒータ面がさらに急激に冷却される状態にある。オ
リフィス面では、外圧がノズル内圧より高い状態になる
ためメニスカスが大きくノズル内に入り込んで来てい
る。インク柱の先端部は液滴になり記録紙の方向へ5〜
10m/secの速度で飛翔している。
(g)はオリフィスにインクが毛細管現象により再び
供給(リフィル)されて(a)の状態にもどる過程で、
気泡は完全に消滅している。
目的 本出願人は、上記先行技術をもとに多くの実験を行っ
ている最中に、類似のヘッド構成をとりつつ、わずかに
その開口(オリフィス)、熱エネルギー作用部の位置関
係を変えることにより、従来とは原理が全く異なる記録
方法を発見したものであり、該発明に基づいて、熱エネ
ルギー作用部を利用する新規な記録方法を提供するもの
である。
構成 本発明による熱エネルギー利用の新規な記録方法は、
液滴もしくは噴霧を吐出させるための開口と、記録液体
に熱による状態変化を生じせしめるための熱エネルギー
作用部と、前記開口に連通し、前記熱エネルギー作用部
をその一部とし、前記記録液体をその中に保持する液室
もしくは流路と、該液室もしくは流路に前記記録液体を
供給する手段とを有する液体噴射記録ヘッドにおいて、
前記熱エネルギー作用部は独立駆動が可能もしくは独立
にエネルギー授受が可能な2つの熱エネルギー作用部を
有し、該2つの熱エネルギー作用部は前記開口に対して
遠近の関係をもって配列され、前記開口に対して遠い方
の熱エネルギー作用部では、画像情報に応じて熱によっ
て気泡を発生させ、該気泡の体積増加にともなう作用力
によって前記開口より前記記録液体を液滴として吐出さ
せ、又、前記開口に対して近い方の熱エネルギー作用部
は、画像情報に応じて、前記記録液体に熱による状態変
化を生じせしめ、前記開口から複数の微小液滴群もしく
は噴霧を吐出させることによって説明することを特徴と
するものである。以下、本発明の実施例に基づいて説明
する。
第2図は、本発明の動作原理を説明するための要部構
成図で、本発明においては、図示のように、熱エネルギ
ー作用部9′を第17図に示した従来バブルジェット型イ
ンクジェット記録ヘッドの熱エネルギー作用部9に対し
て、オリフィスに近い所に設け、画像信号に応じて熱エ
ネルギー作用部を作動させる。それにより、1個気泡が
発生して、1滴インク滴が吐出するのではなく、ヒータ
9′によって加熱されたインクが瞬時に沸騰あるいは蒸
発して、微小インク滴13(通常のバブルジェットのイン
ク滴よりも小さいという意味)が、複数個(あるいは無
数に、あるいは噴霧状に)オリフィスから飛翔するよう
にしたものである。なお、熱エネルギー作用部の流路の
奥まった部分(オリフィスと反対側)では、従来のバブ
ルジェットと同様に気泡が発生することもあるが、それ
は、この技術の本質的なことではない。
第1図は、本発明の一実施例を説明するための要部構
成図で、(a)図は、ヘッドのオリフィス近傍の断面
図、(b)図は、ヘッドオリフィス近傍の平面図(発熱
体電極パターンの例を示す図)で、本発明では、1つの
開口(オリフィス)、液室(流路)、に対して2つの熱
エネルギー作用部9,9′があり、それらは、開口にたい
して遠近の関係をもって配設されている。これらの2つ
のエネルギー作用部9,9′は、制御電極7,7′、共通電極
8を通して、独立に駆動可能、あるいは、独立に外部か
らエネルギー授受を行うことが可能であり、必要に応じ
て、あるいは、画像情報に応じて、使いわけられる。ま
た、(c)図は、オリフィスに遠い方の熱エネルギー作
用部9に熱エネルギーを与えた場合の動作説明をするた
めの図、(d)図は、オリフィスに近い方の熱エネルギ
ー作用部9′に熱エネルギーを与えた場合の動作説明を
するための図で、今、画像情報として、例えば、キャラ
クターあるいはベタ画像等の、濃度の濃い画像を打ち出
すという指令が来たときには、(c)図に示すように開
口に遠い熱エネルギー作用部9に熱エネルギーが与えら
れ、従来よりよく知られているように気泡11が発生し、
その作用力によってインク滴が吐出される。これは、通
常のバブルジェット技術と同じである。次に、画像情報
として、微妙な濃度変化をともなう画像、いわゆる階調
性のある画像を打ち出すという指令がきたときには、
(d)図に示すように、開口に近い熱エネルギー作用部
9′に熱エネルギーがあたえられ、第2図に示した原理
により、微小インク滴13が無数に発生、あるいは噴霧状
になって、開口から噴出する。この時、熱エネルギー作
用部に与えられる熱エネルギーを、例えば、発熱抵抗体
を用いた熱エネルギー作用部の場合には、加えるパルス
電圧、パルス巾等を変えることによって、微小インク滴
あるいは噴霧量あるいは、それらが発生している時間を
変えられるので、それによって、被記録体(たとえば
紙)上で、濃度を変えた記録が可能となる。
而して、本発明は、第17図乃至第20図で示したヘッド
において、発熱抵抗体及び電極のパターンを、たとえ
ば、第1図(b)のように配設するが、その他の変形例
として、第3図のような構成も考えられる。重要なポイ
ントは、独立駆動が可能な2つの発熱体9、9′が、開
口(オリフィス)に対して、遠近の関係をもって配設さ
れることである。又、オリフィスに近い発熱体9′は、
ほとんどオリフィス端面に近いところに設けられる。
第4図は、上述のごとき液体噴射記録ヘッドの要部構
成を説明するための典型例を示す図で、第4図(a)
は、バブルジェット記録ヘッドのオリフィス側から見た
正面詳細部分図、第4図(b)は、第4図(a)に一点
鎖線X−Xで示す部分で切断した場合の切断面部分図で
ある。
これらの図に示された記録ヘッド21は、その裏面に電
気熱変換体22が設けられている基板23上に、所定の線密
度で所定の巾と深さの溝が所定数設けられている溝付板
24を該基板23を覆うように接合することによって、液体
を飛翔させるためのオリフィス25を含む液吐出部26が形
成された構造を有している。液吐出部26は、オリフィス
25と電気熱変換体22より発生される熱エネルギーが液体
に作用して気泡を発生させ、その体積の膨張と収縮によ
る急激な状態変化を引き起こし、あるいは、液体に熱に
よる状態変化を生じせしめるところである熱作用部27と
を有する。
熱作用部27は、電気熱変換体22の熱発生部28の上部に
位置し、熱発生部28の液体と接触する面としての熱作用
面29をその低面としている。熱発生部28は、基体23上に
設けられた下部層30、該下部層30上に設けられた発熱抵
抗層31、該発熱抵抗層31上に設けられた上部層32とで構
成される。
発熱抵抗層31には、熱を発生させるために該層31に通
電するための電極33、34がその表面に設けられており、
これらの電極間の発熱抵抗層によって熱発生部28が形成
されている。
電極33は、各液吐出部の熱発生部に共通の電極であ
り、電極34は、各液吐出部の熱発生部を選択して発熱さ
せるための選択電極であって、液吐出部の液流路に沿っ
て設けられている。
保護層32は、熱発生部28においては発熱抵抗層31を、
使用する液体から化学的、物理的に保護するために発熱
抵抗層31と液吐出部26の液流路を満たしている液体とを
隔絶すると共に、液体を通じて電極33、34間が短絡する
のを防止し、更に隣接する電極間における電気的リーク
を防止する役目を有している。
各液吐出部に設けられている液流路は、各液吐出部の
上流において、液流路の一部を構成する共通液室(不図
示)を介して連通されている。各液吐出部に設けられた
電気熱変換体22に接続されている電極33,34はその設計
上の都合により、前記上部層に保護されて熱作用部の上
流側において前記共通液室下を通るように設けられてい
る。
第5図は、発熱抵抗体を用いる熱エネルギー作用部の
構造を説明するための詳細図で、図中、41は発熱抵抗
体、42は電極、43は保護層、44は電源装置を示し、発熱
抵抗体41を構成する材料として、有用なものには、たと
えば、タンタルーSiO2の混合物、窒化タンタル、ニクロ
ム、銀−パラジウム合金、シリコン半導体あるいはハフ
ニウム、ランタン、ジルコニウム、チタン、タンタル、
タングステン、モリブデン、ニオブ、クロム、バナジウ
ム等の金属の硼化物があげられる。これらの発熱抵抗体
41を構成する材料のうち、殊に金属硼化物が優れたもの
としてあげることができ、その中でも最も特性の優れて
いるのが硼化ハフニウムであり、次いで硼化ジルコニウ
ム、硼化ランタン、硼化タンタル、硼化バナジウム、硼
化ニオブの順となっている。
発熱抵抗体41は上記の材料を用いて電子ビーム蒸着や
スパツタリング等の手法を用いて形成することができ
る。発熱抵抗体41の膜厚は、単位時間当たりの発熱量が
所望どうりとなるように、その面積、材質及び熱作用部
分の形状及び大きさ、更には実際面での消費電力等に従
って決定されるものであるが、通常の場合0.001〜5μ
m、好適には0.01〜1μm、とされる。
電極42を構成する材料としては、通常使用されている
電極材料の多くのものが有効に使用され、具体的には、
例えばAl、Ag、Au、Pt、Cu等があげられ、これらを使用
して、蒸着等の手法で所定位置に、所定の大きさ、形
状、厚さで設けられる。
保護層43に要求される特性は、発熱抵抗体41で発生さ
れた熱を記録液体(インク)に効果的に伝達することを
妨げずに、かつインクより発熱抵抗体41を保護するとい
うことである。保護層43を構成する材料として有用なも
のには、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ジル
コニウム等があげられ、これらは、電気ビーム蒸着やス
パッタリング等の手法を用いて形成することができる。
保護層43の膜厚は、通常は0.01〜10μm、好適には0.1
〜5μm、最適には0.1〜3μmとされるのが望まし
い。
なお、以上には、本発明を気泡発生手段及び記録液体
に熱による状態変化を起こさせる手段として発熱抵抗体
を使用した例について説明したが、発熱抵抗体以外に、
レーザ光を用いたり、放電現象を利用したりすることも
可能である。
第6図は、記録液体に気泡を発生させたり記録液体に
熱による状態変化を起こさせる別の手段を説明するため
の図で、図中、51はレーザ発振器、52は光変調駆動回
路、53は光変調器、54は走査器、55は集光レンズで、レ
ーザ発振器51より発生されたレーザ光は、光変調器53に
おいて、光変調器駆動回路52に入力されて電気的に処理
されて出力される画情報信号に従ってパルス変調され
る。パルス変調されたレーザ光は、走査器54を通り、集
光レンズ55によって熱エネルギー作用部の外壁に焦点が
合うように集光され、記録ヘッドの外壁56を加熱し、内
部の記録液体57内で気泡を発生させたり記録液体に熱に
よる状態変化を起こさせる。あるいは熱エネルギー作用
部の壁56は、レーザ光に対して透過性の材料で作られ、
集光レンズ55によって内部の記録液体57に焦点が合うよ
うに集光され、記録液体を直接加熱することによって気
泡を発生させ、或いは記録液体に熱による状態変化を起
こさせてもよい。
第7図は、上述のごときレーザ光を用いたプリンター
の一例を説明するための図で、ノズル部61は、高密度に
(たとえば8ノズル/mm)、又、紙62の紙巾(たとえばA
4横巾)すべてにわたってカバーされるように集積され
ている例を示している。
レーザ発振器51より発振されたレーザ光は、光変調器
53の入口開口に導かれる。光変調器53において、レーザ
光は、光変調器53への画情報入力信号に従って強弱の変
調を受ける。変調を受けたレーザ光は、反射鏡58によっ
てその光路をビームエキスパンダー59の方向に曲げら
れ、ビームエキスパンダー59に入射する。ビームエキス
パンダー59により平行光のままビーム径が拡大される。
次に、ビーム径の拡大されたレーザ光は、高速で定速回
転する回転多面鏡60に入射される。回転多面鏡60によっ
て掃引されたレーザ光は、集光レンズ55により、ドロッ
プジェネレータの熱エネルギー作用部外壁56もしくは内
部の記録液体に結像する。それによって、各熱エネルギ
ー作用部には、気泡が発生し、或いは記録液体に熱によ
る状態変化が発生して、記録液滴を吐出し、記録紙62に
記録に行なわれる。
第8図はさらに別の気泡発生手段及び記録液体に熱に
よる状態変化を起こさせる手段を示す図で、この例は、
熱エネルギー作用部の内壁側に配置された1対の放電電
極70が、放電装置71から高電圧のパルスを受け、記録液
体中で放電をおこし、その放電によって発生する熱によ
り瞬時に気泡を形成し或いは記録液体に熱による状態変
化を起こさせるようにしたものである。
第9図乃至第16図は、それぞれ第8図に示した放電電
極の具体例を示す図で、 第9図に示した例は、 電極70を針状にして、電界を集中させ、効率よく(低
エネルギーで)放電をおこさせるようにしたものであ
る。
第10図に示した例は、 2枚の平板電極にして、電極間に安定して気泡を発生
させ或いは記録液体に状態変化を起こさせるようにした
ものである。針状の電極より、発生気泡或いは記録液体
の状態変化の位置が安定している。
第11図に示した例は、 電極にほぼ同軸の穴をあけたものである。2枚の電極
の両穴がガイドになって、発生気泡或いは記録液体の状
態変化の位置はさらに安定する。
第12図に示した例は、 リング状の電極にしたものであり、基本的には第11図
に示した例と同じであり、その変形実施例である。
第13図に示した例は、 一方をリング状電極とし、もう一方を針状電極とした
ものである。リング状電極により、発生気泡の安定性を
狙い、針状電極により電界の集中により効率を狙ったも
のである。
第14図に示した例は、 一方のリング状電極を熱エネルギー作用部の壁面に形
成したものである。これは、第13図に示した例の効果に
加えて、基板上に平面的に電極を形成するという製造上
の容易さを狙ったものである。このような平面的な電極
は、蒸着(あるいはスパッタリング)や、フォトエッチ
ングの技術によって容易に高密度な複数個のものが製作
され得る。マルチアレイに特に威力を発揮する。
第15図に示した例は、 第14図に示した例のリング状電極形成部を電極の外周
にそった形状で周囲から一段高くしたものである。やは
り、発生気泡或いは記録液体の状態変化の安定性を狙っ
たものであり、第13図に示したものよりも3次元的なガ
イドを付け加えた分だけ安定する。
第16図に示した例は、 第15図に示した例とは反対に、リング状電極形成部
を、周囲から下へ落しこんだ構造としたもので、やは
り、発生気泡或いは記録液体の状態変化は安定して形成
される。
本発明による記録装置に使用される記録液体は、後述
する熱物性値及びその他の物性値を有する様に材料の選
択と組成成分の比が調合される他に従来の記録法におい
て使用されている記録液体と同様化学的物理的に安定で
ある他、応答性、忠実性、曳糸化能に優れている事、液
路殊に吐出口において固まらない事、流路中を記録速度
に応じた速度で流通し得る事、記録後、記録部材への定
着が速やかである事、記録濃度が充分である事、貯蔵寿
命が良好である事、等々の特性を与える様に物性が調整
される。
本発明による記録装置に使用される記録液体は、液媒
体と記録像を形成する記録剤及び所望の特性を得る為に
添加される添加剤より構成され、前記の物性値を得る範
囲において液媒体及び添加剤の種類及び組成比の選択に
よって、水性、非水性、溶解性、導電性、絶縁性のいず
れも得ることが出来る。
液媒体としては、水性媒体と非水性媒体とに大別され
るが、使用される液媒体は、前記の物性値を調合される
記録液体が有する様に他の選択される構成成分との組み
合せを考慮して下記のものより選択される。
その様な非水性媒体としては、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコー
ル、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニル
アルコール、デシルアルコール等の炭素数1〜10のアル
キルアルコール;例えば、ヘキサン、オクタン、シクロ
ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシロール等の炭化水
素系溶剤;例えば、四塩化炭素、トリクロロエチレン、
テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素系溶剤;例えば、エチルエーテル、ブチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶剤;例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチレプロピル
ケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶剤;ギ酸エチル、メチルアセテート、プロピル
アセテート、フェニルアセテート、エチレングリコール
モノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;例
えばジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;石油
系炭化水素溶剤等が挙げられる。
これ等の列挙した液媒体は使用される記録剤や添加剤
との親和性及び記録液体としての後述の諸特性を満足し
得る様に適宜選択して使用されるものであるが更に、後
記の特性を有する記録液体が調合され得る範囲内におい
て、必要に応じて適宜二種以上を混合して使用しても良
い。又、上記の条件内においてこれ等非水性媒体と水と
を混合して使用しても良い。
上記の液媒体の中、公害性、入手の容易さ、調合のし
易さ等の点を考慮すれば、水又は水・アルコール系の液
媒体が好適とされる。
記録剤としては、調合される記録液体が前記の諸物性
値を有するようにされる他、長時間放置による液路内や
記録液体供給タンク内での沈降、凝集、更には輸送管や
液路の目詰りを起こさない様に前記液媒体や添加剤との
関係において材料の選択がなされて使用される必要があ
る。この様な点からして、液媒体に溶解性の記録剤を使
用するのが好ましいが、液媒体に分散性又は難溶性の記
録剤であっても液媒体に分散させる時の記録剤の粒径を
充分小さくしてやれば使用され得る。
使用され得る記録剤は記録部材によって、その記録条
件に充分適合する様に適宜選択される。記録剤としては
染料及び顔料を挙げることが出来る。有効に使用される
染料は、調合された記録液体の後述の諸特性を満足し得
る。
本発明による記録装置に使用される記録液体は、後述
する熱物性値及びその他の物性値を有する様に材料の選
択と組成成分の比が調合される他に従来の記録法におい
て使用されている記録液体と同様化学的物理的に安定で
ある他、応答性、忠実性、曳糸化能に優れている事、液
路殊に吐出口において固まらない事、流路中を記録速度
に応じた速度で流通し得る事、記録後、記録部材への定
着が速やかである事、記録濃度が充分である事、貯蔵寿
命が良好である事、等々の特性を与える様に物性が調整
される。
本発明による記録装置に使用される記録液体は、液媒
体と記録像を形成する記録剤及び所望の特性を得る為に
添加される添加剤より構成され、前記の物性値を得る範
囲において液媒体及び添加剤の種類及び組成比の選択に
よって、水性、非水性、溶解性、導電性、絶縁性のいず
れも得ることが出来る。
液媒体としては、水性媒体と非水性媒体とに大別され
るが、使用される液媒体は、前記の物性値を調合される
記録記録液対が有する様に他の選択される構成成分との
組み合せを考慮して下記のものより選択される。
その様な非水性媒体としては、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコー
ル、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニル
アルコール、デシルアルコール等の炭素数1〜10のアル
キルアルコール;例えば、ヘキサン、オクタン、シクロ
ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシロール等の炭化水
素系溶剤;例えば、四塩化炭素、トリクロロエチレン、
テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素系溶剤;例えば、エチルエーテル、ブチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶剤;例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピル
ケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶剤;ギ酸エチル、メチルアセテート、プロピル
アセテート、フェニルアセテート、エチレングリコール
モノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;例
えばジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;石油
系炭化水素溶剤等が挙げられる。
これ等の列挙した液媒体は使用される記録剤や添加剤
との親和性及び記録液体としての後述の諸特性を満足し
得る様に適宜選択して使用されるものであるが更に、後
記の特性を有する記録液体が調合され得る範囲内におい
て、必要に応じて適宜二種以上を混合して使用しても良
い。又、上記の条件内においてこれ等非水性媒体と水と
を混合して使用しても良い。
上記の液媒体の中、公害性、入手の容易さ、調合のし
易さ等の点を考慮すれば、水又は水・アルコール系の液
媒体が好適とされる。
記録剤としては、調合される記録液体が前記の諸物性
値を有するようにされる他、長時間放置による液路内や
記録液体供給タンク内での沈降、凝集、更には輸送管や
液路の目詰りを起こさない様に前記液媒体や添加剤との
関係において材料の選択がなされて使用される必要があ
る。この様な点からして、液媒体に溶解性の記録剤を使
用するのが好ましいが、液媒体に分散性又は難溶性の記
録剤であっても液媒体に分散させる時の記録剤の粒径を
充分小さくしてやれば使用され得る。
使用され得る記録剤は記録部材によって、その記録条
件に充分適合する様に適宜選択される。記録剤としては
染料及び顔料を挙げることが出来る。有効に使用される
染料は、調合された記録液体の後述の諸特性を満足し得
る様なものであり、好適に使用されるのは、例えば水溶
性染料としての直接染料、塩基性染料、酸性染料、可溶
性建染メ染料、酸性媒染染料、媒染染料、非水溶性染料
としての硫化染料、建染メ染料、酒精溶染料、油溶染
料、分散染料等の他、スレン染料、ナフトール染料、反
応染料、クロム染料、1:2型錯塩染料、1:1型錯塩染料、
アゾイック染料、カチオン染料等の中より選択されるも
のである。
具体的には、例えばレゾリングリルブルーPRL、レゾ
リンイエローPCG、レゾリンピンクPRR、レゾリングリー
ンPB(以上バイヤー製)、スミカロンブルーS−BG、ス
ミカロンレッドE−EBL、スミカロンイエローE−4GL、
スミカロンブリリアントブルーS−BL(以上住友化学
製)、ダイヤニックスイエロー−HG−SE、ダイヤニック
スレッドBN−SE(以上三菱化成製)、カヤロンポリエス
テルライトフラビン4GL、カヤロンポリエステルブルー3
R−SF、カヤロンポリエステルイエローYL−SE、カヤセ
ットターキスブルー776、カヤセットイエロー902、カヤ
セットレッド026、プロシオンレッドH−2B、プロシオ
ンブルーH−3R(以上日本化薬製)、レバフィックスゴ
ールデンイエローP−R、レバフィックスブリルレッド
P−B、レバフィックスブリルオレンジP−GR(以上バ
イヤー製)、スミフィックスイエローGRS、スミフィッ
クスB、スミフィックスブリルレッドBS、スミフィック
スブリルブルーPB、ダイレクトブラック40(以上住友化
学製)、ダイヤミラーブラウン3G、ダイヤミラーイエロ
ーG、ダイヤミラーブルー3R、ダイヤミラーブリルブル
ーB、ダイヤミラーブリルレッドBB(以上三菱化成
製)、レマゾールレッドB、レマゾールブルー3R、レマ
ゾールイエローGNL、レマゾールブリルグリーン6B(以
上ヘキスト社製)、チバクロンブリルイエロー、チバク
ロンブリルレッド4GE(以上チバガイギー社製)、イン
ジコ、ダイレクトテープブラックE・Ex、ダイアミンブ
ラックBH、コンゴーレッド、シリアスブラックBH、オレ
ンジII、アミドブラック10B、オレンジRO、メタニール
イエロー、ビクトリアスカーレット、ニグロシン、ダイ
アモンドブラックPBB(以上イーゲー社製)、ダイアシ
ドブルー3G、ダイアシドファスト・グリーンGW、ダイア
シド・ミーリングネービーブルーR、インダンスレン
(以上三菱化成製)、ザボン−染料(BASF製)、オラゾ
ール染料(CIBA製)、ラナシン−染料(三菱化成製)、
ダイアクリルオレンジRL−E、ダイアクリルブリリアン
トブルー2B−E、ダイアクリルターキスブルーBG−E
(三菱化成製)などの中より前記の諸物性値が調合され
る記録液体に与えられるものが好ましく使用できる。
これ等の染料は、所望に応じて適宜選択されて使用さ
れる液媒体中に溶解又は分散されて使用される。
有効に使用される顔料としては、無機顔料、有機顔料
の中の多くのものが好適に使用される。そのような顔料
として具体適に例示すれば無機顔料としては、硫化カド
ミウム、硫黄、セレン、硫化亜鉛、スルホセレン化カド
ミウム、黄鉛、ジンククロメート、モリブデン赤、ギネ
ー・グリーン、チタン白、亜鉛華、弁柄、酸化クロムグ
リーン、鉛丹、酸個コバルト、チタン酸バリウム、チタ
ニウムイエロー、鉄黒、紺青、リサージ、ガドミウムレ
ッド、硫化銀、硫酸鉛、硫酸バリウム、群青、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、鉛白、コバルトバイオレッ
ト、コバルトブルー、エメラルドグリーン、カーボンブ
ラック等が挙げられる。
有機顔料としては、その多くが染料に分類されている
もので染料と重複する場合が多いが、具体的には次のよ
うなものが好適に使用される。
(a)不溶性アゾ系(ナフトール系) ブリリアントカーミンBS、レーキカーミンFB、ブリリ
アントファストスカーレッド、レーキレッド4R、パラレ
ッド、パーマネントレッドR、ファストレッドFGR、レ
ーキボルドー5B、バーミリオンNO.1、バーミリオンNO.
2、トルイジンマルーン。
(b)不溶性アゾ系(アニライド系) ジアゾイエロー、ファストイエローG、ファストイエ
ロー10G、ジアゾオレンジ、バルカンオレンジ、パラゾ
ロンレッド。
(c)溶性アゾ系 レーキオレンジ、ブリリアントカーミン3B、ブリリア
ントカーミン6B、ブリリアントスカーレットG、レーキ
レッドC、レーキレッドD、レーキレッドR、ウォッチ
ングレッド、レーキボルドー10B、ボンマルーンL、ボ
ンマルーンM。
(d)フタロシアニン系 フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、フタ
ロシアニングリーン。
(e)染色レーキ系 イエローレーキ、エオシンレーキ、ローズレーキ、バ
イオレッドレーキ、ブルーレーキ、グリーンレーキ、セ
ピアレーキ。
(f)媒染系 アリザリンレーキ、マダカーミン。
(g)建染系 インダスレン系、ファストブルーレーキ(GGS)。
(h)塩基性染料レーキ系 ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ。
(i)酸性染料レーキ系 ファストスカイブルー、キノリンイエローレーキ、キ
ナクリドン系、ジオキサジン系。
液媒体と記録剤との量的関係は、調合される他に液路
の目詰り、液路内での記録媒体の乾燥、記録部材へ付与
された時の滲みや乾燥速度等の条件から、重量部で液媒
体100部に対して記録剤が通常1〜50部、好適には3〜3
0部、最適には5〜10部とされるのが望ましい。
記録液体が分散系(記録剤が液媒体中に分散されてい
る系)の場合、分散される記録剤の粒径は、記録剤の種
類、記録条件、液路の内径、吐出口径、記録部材の種類
等によて、適宜所望に従って決定されるが、粒径が余り
大きいと、貯蔵中に記録剤粒子の沈降が起って、濃度の
不均一化が生じたり、液路の目詰りが起ったり或いは記
録された画像に濃度班が生じたり等して好ましくない。
このようなことを考慮すると、分散系記録液体とされ
る場合の記録剤の粒系は、通常0.01〜30μ、好適には0.
01〜20μ、最適には0.01〜8μとされるのが望ましい。
更に分散されている記録剤の粒径分布は、出来る限り狭
い方が好適であって、通常はD±3μ、好適にはD±1.
5μとされるのが望ましい(但しDは平均粒径を表わ
す)。
使用される添加剤としては、粘度調整剤、表面張力調
整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤、湿潤剤及び赤外線吸収
発熱剤等が挙げられる。
粘度調整剤や表面張力調整剤は、前記の物性値を得る
為の他に、記録速度に応じて充分なる流速で液路中を流
通し得ること、液路の吐出口において記録液体の回り込
みを防止し得ること、記録部材へ付与された時の滲み
(スポット径の広がり)を防止し得ること等の為に添加
される。
粘度調整剤及び表面張力調整剤としては、使用される
液媒体及び記録剤に悪影響を及ぼさないで効果的なもの
であれば通常知られているものの中より適宜所望特性を
満足するように選択されて使用される。
具体的には、粘度調整剤としては、ポリビニルアルコ
ール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセ
ルロース、水溶性アクリル樹脂、ポリビニルピロリド
ン、アラビアゴムスターチ等が好適なものとして例示出
来る。
所望に応じて適宜選択されて好適に使用される、表面
張力調整剤としては、アニオン系、カチオン系及びノニ
オン系の界面活性剤が挙げられ、具体的には、アニオン
系としてポリエチレングリコールエーテル硫酸、エステ
ル塩等、カチオン系としてポリ2−ビニルピリジン誘導
体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等、ノニオン系とし
てポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
アルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン
等が挙げられる。
これ等の界面活性剤の他、ジエタノールアミン、プロ
パノールアミン、モルホリン酸等のアミン酸、水酸化ア
ンモニウム、水酸化ナトリウム等の塩基性物質、N−メ
チル−2−ピロリドン等の置換ピロリドン等も有効に使
用される。
これ等の表面張力調整剤は、所望の値の表面張力を有
する記録液体が調合されるように、互いに又は他の構成
成分に悪影響を及ぼさず且つ前記の物性値が調合される
記録液体に与えられる範囲内において必要に応じて二種
以上混合して使用しても良い。
これ等表面張力調整剤の添加量は種類、調合される記
録液体の他の構成成分種及び所望される記録特性に応じ
て適宜決定されるものであるが、記録液体1重量部に対
して、通常は0.0001〜0.1重量部、好適には0.001〜0.01
重量部とされるのが望ましい。
pH調整剤は、調合された記録液体の化学的安定性、例
えば、長時間の保存による物性の変化や記録剤その他の
成分の沈降や凝集を防止する為に所定のpH値となるよう
に前記の諸特性値を逸脱しない範囲で適時適当量添加さ
れる。
本発明において好適に使用されるpH調整剤としては、
調合される記録液体に悪影響を及ぼさずに所望のpH値に
制御出来るものであれば大概のものを挙げることが出来
る。
そのようなpH調整剤としては具体的に例示すれば低級
アルカノールアミン、例えばアルカリ金属酸化物の一価
の水酸化物、水酸化アンモニウム等が挙げられる。
これ等のpH調整剤は、調合される記録液体が前記の物
性値をはずれない範囲で所望のpH値を有するように必要
量添加される。
使用される潤滑剤としては、調合される記録液体が後
記の諸物性値を逸脱しない範囲で本発明に係わる技術分
野において通常知られているものの中より有効であるも
の、殊に熱的な安定なものが好適に使用される。このよ
うな潤滑剤として具体的に示せば、例えばポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリ
コール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むア
ルキレングリコール;例えばエチレングリコールメチル
エーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエ
チレングリコールエチルエーテル等のジエチレングリコ
ールの低級アルキルエーテル;グリセリン;例えばメト
オキシトリグリコール、エトオキシトリグリコール等の
低級アルコールオキシトリグリコール;N−ビニル−2−
ピロリドンオリゴマー;等が挙げられる。
これ等の潤滑剤は、記録液体に所望される特性を満足
するように所望に応じて必要量添加されるものである
が、その添加量は記録液体全重量に対して、通常0.1〜1
0wt%,好適には0.1〜8wt%、最適には0.2〜7wt%とさ
れるのが望ましい。
又、上記の潤滑剤は、単独で使用される他、互いに悪
影響を及ぼさない条件において二種以上混用しても良
い。
本発明の記録装置に使用される記録液体には、上記の
ような添加剤が所望に応じて必要量添加されるが、更に
記録部材に付着する場合の記録液体被膜の形成性、被膜
強度に優れたものを得るために、例えばアルキッド樹
脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等の樹脂重合体が添加
されても良い。
本発明の記録装置に使用される記録液体は、前述した
諸記録特性を具備するように、比熱、熱膨張係数、熱伝
導率、粘性、表面張力、pH及び帯電された記録液滴を使
用して記録する場合には比抵抗等の特性値が特性の条件
範囲にあるように調合されるのが望ましい。
即ち、これ等の諸特性は、曳糸現象の安定性、熱エネ
ルギー作用に対する応答性及び忠実性、画像濃度、化学
的安定性、液路内での流動性等に重要な関連性を有して
いるので、本発明においては記録液体の調合の際、これ
等に充分注意を払う必要がある。
本発明の記録装置に有効に使用され得る記録液体の上
記諸特性としては下記の第1表に示されるごときの値と
されるのが望ましいが、列挙された物性の総てが第1表
に示されるごとき数値条件を満足する必要はなく、要求
される記録特性に応じて、これ等の物性の幾つかが第1
表の条件を満足する値を取れば良いものである。而乍ら
比熱、熱膨張係数、熱伝導率、粘性、表面張力に関して
は、第1表の値に規定されるのが望ましい。勿論、調合
された記録液体の上記諸特性の中で第1表に示される値
を満足するものが多い程良好な記録が行われることは言
うまでも無い。
効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、1
つのヘッド(インク吐出部)に通常のバブルジェットに
よる方法、つまりほぼ均一なインク滴を形成する機能
と、他の手段による階調表現手段をそなえることによ
り、それらを使いわけ、高速でキャラクターを打ち出し
たり(主に通常のバブルジェット技術を利用)、ピクト
リアルカラー画像を担うための微妙な階調表現を行なっ
たり(濃度の濃い部分は通常のバブルジェット技術を利
用して、濃淡表現は、微小インク滴又は噴霧を利用)す
ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を説明するための要部構成
図、第2図は、本発明の動作原理を説明するための図、
第3図は、本発明の実施に使用する電極パターンの変形
配設例を示す図、第4図及び第5図は、熱エネルギー供
給手段として発熱抵抗体を用いた場合の例を説明するた
めの図、第6図及び第7図は、熱エネルギー供給手段と
してパルスレーザーを用いた場合の例を説明するための
図、第8図乃至第16図は、放電現象を利用した場合の例
を説明するための図、第17図乃至第20図は、発熱抵抗体
を用いたバブルジェット型インクジェット記録ヘッドの
動作説明をするための図である。 1,2……基板、7,7′……制御電極、8……共通電極、9,
9′……発熱抵抗体、10……インク、11……気泡、12…
…インク滴、13……噴霧状インク滴。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液滴もしくは噴霧を吐出させるための開口
    と、記録液体に熱による状態変化を生じせしめるための
    熱エネルギー作用部と、前記開口に連通し、前記熱エネ
    ルギー作用部をその一部とし、前記記録液体をその中に
    保持する液室もしくは流路と、該液室もしくは流路に前
    記記録液体を供給する手段とを有する液体噴射記録ヘッ
    ドにおいて、前記熱エネルギー作用部は独立駆動が可能
    もしくは独立にエネルギー授受が可能な2つの熱エネル
    ギー作用部を有し、該2つの熱エネルギー作用部は前記
    開口に対して遠近の関係をもって配列され、前記開口に
    対して遠い方の熱エネルギー作用部では、画像情報に応
    じて熱によって気泡を発生させ、該気泡の体積増加にと
    もなう作用力によって前記開口より前記記録液体を液滴
    として吐出させ、又、前記開口に対して近い方の熱エネ
    ルギー作用部は、画像情報に応じて、前記記録液体に熱
    による状態変化を生じせしめ、前記開口から複数の微小
    液滴群もしくは噴霧を吐出させることによって記録する
    ことを特徴とする液体噴射記録方法。
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