JPH08164301A - 界面活性剤溶液の濃縮方法 - Google Patents

界面活性剤溶液の濃縮方法

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JPH08164301A JP33261694A JP33261694A JPH08164301A JP H08164301 A JPH08164301 A JP H08164301A JP 33261694 A JP33261694 A JP 33261694A JP 33261694 A JP33261694 A JP 33261694A JP H08164301 A JPH08164301 A JP H08164301A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等の界
面活性剤、低級アルコール、水などを含む界面活性剤溶
液を濃縮化するに際し、原料界面活性剤溶液をフラッシ
ュ蒸発させて蒸発物と濃縮物とに分離し、回収された濃
縮物の一部を循環させて原料界面活性剤溶液と混合し再
度フラシュ蒸発に供するリサイクルフラッシュ法を用
い、原料界面活性剤溶液と循環物との混合物を沸点以上
の温度に維持しながら、原料界面活性剤溶液の供給量と
濃縮物の循環量との比(循環量/供給量)として表わさ
れるリサイクル比を8以上に設定して濃縮処理を施す。 【効果】 界面活性剤溶液を効率的に濃縮でき、リサイ
クルフラッシュ蒸発機は設備費、ランニングコストが安
価である。漂白工程において混入する低級アルコールを
含有するα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水溶液の
濃縮化に対して適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩等の界面活性剤溶液を濃縮する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】アニオン界面活性剤は、工業的には中和
により得られた水溶液として提供される。一般に界面活
性剤溶液のAI濃度(有効成分濃度)は製造装置、輸送
時及び包装材料等の経済的見地からできるだけ高濃度で
あることが望ましく、更にハンドリング性の面から、よ
り低粘度のものが要求されている。このような理由か
ら、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの界面活性剤は
高濃度スラリーとして用いるのが有利である。
【0003】しかし、一般に界面活性剤を50重量%以
上含む高濃度スラリーとすると粘度が増大し取扱い上の
支障をきたすので、これまでにアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸塩などの高濃度スラリーの低
粘度化技術が種々提案されてきた。たとえば、塩化ナト
リウムのようなハロゲンの無機塩を添加する方法(US
P3954679号明細書)、ポリエチレングリコール
を添加する方法(特開昭50−116383号公報)、
過剰のアルカリとアルキレンオキシドを添加する方法
(特公昭55−16504号公報)などである。
【0004】しかしながら、α−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩は、アルキルベンゼンスルホン酸塩等とは粘
度に関する挙動が大きく異なるため、これら従来技術を
用いても高濃度スラリーの粘度を有効に低下させること
ができないとされていた。
【0005】すなわち、α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩水溶液の粘度は、濃度が約20〜30重量%以上
から急激に上昇し、更に濃度が高くなればゲルを形成
し、流動性が全く失われる場合さえある。この溶液を更
に濃縮していくと、濃度が約50重量%から粘度はやや
減少しはじめ約60重量%前後で300〜400ポイズ
の多少流動性をもつ状態となるが、その後はまた粘度が
上がりはじめ、やがて固体状のα−スルホ脂肪酸アルキ
ルエステル塩へと変化していく。
【0006】しかしながら、α−スルホ脂肪酸アルキル
エステルを中和して得られるα−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩は耐硬水性が良好であるうえ洗浄力も非常に
優れ、また皮膚に対してもマイルドであるなどの特徴を
有し洗浄用界面活性剤として有用なものであるので、他
のアニオン界面活性剤と同様に高濃度スラリーの低粘度
化技術が望まれていた。
【0007】この問題については、特公平1−4232
0号公報によりα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と
低級アルコールサルフェートとの量を一定範囲にするこ
とにより粘度が低く取り扱いの容易なスラリーが得られ
ることが見い出され解決されるに至った。また、α−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩にはもう1つの解決すべ
き技術課題があった。
【0008】α−スルホ脂肪酸アルキルエステルは、高
級アルコールやα−オレフィンなどとは異なり、そのス
ルホン化反応速度が遅いため、所定のスルホン化反応率
を得るためには苛酷な反応条件でスルホン化することが
必要となる。そのため得られるスルホン化物、即ちα−
スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は著しく着色し淡色の
ものを得ることができない。そこで種々の漂白方法が提
案されており、特公平1−41138号公報に提案され
たような低級アルコールの存在下で漂白する方法によれ
ば、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の色調を大幅
に改善することが可能となった。
【0009】しかしながら、上記の方法で得られたもの
は低級アルコールを含有しており、さらには異臭がある
ため、活性剤として使用するためには漂白後のα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩から低級アルコールを所望
量以下まで除去するとともに脱臭することが必要であっ
た。
【0010】このように、スルホン化・漂白・中和工程
を経て得られるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水
溶液は高濃度化するとともにアルコールの除去、脱臭が
必要となるが、前述の如くα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩高濃度スラリーの低粘度化技術が開発されたの
で、原理的には直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩など
の他のアニオン界面活性剤と同様に濃縮化処理、脱アル
コール処理を施すことが可能となった。
【0011】しかしながら、α−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩水溶液等のアニオン界面活性剤溶液を強制撹
拌式薄膜蒸発機を用いて濃縮化あるいはアルコールの除
去を行なおうとすると、設備コストが高くなるという問
題があった。
【0012】一方、安価な濃縮法としては、蒸発法、フ
ラッシュ蒸発法が知られているが、必ずしも効率的でな
く、特にα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水溶液を
濃縮化するとともにアルコール除去する際には満足のい
く結果が得られなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、設備が安価
なフラッシュ蒸発法により界面活性剤溶液を効率的に濃
縮することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の界面活性剤溶液
の濃縮方法は、界面活性剤溶液を濃縮化するに際し、原
料界面活性剤溶液をフラッシュ蒸発させて蒸発物と濃縮
物とに分離し、回収された濃縮物の一部を循環させて原
料界面活性剤溶液と混合し再度フラシュ蒸発に供するリ
サイクルフラッシュ法を用い、原料界面活性剤溶液と循
環物との混合物を沸点以上の温度に維持しながら、原料
界面活性剤溶液の供給量と濃縮物の循環量との比(循環
量/供給量)として表わされるリサイクル比を8以上に
設定して濃縮処理を施すことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施態様】以下、α−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩水溶液の例を挙げて本発明を詳細に説明する。
スルホン化の出発原料として用いられる脂肪酸アルキル
エステルとしては、以下の化1の一般式(I)で表わさ
れるものが好適であり、飽和脂肪酸のアルキルエステル
が好ましい。
【0016】
【化1】RCH2COOR′ …(I) (R:炭素数6〜20、好ましくは10〜16の直鎖な
いしは分岐のアルキル基またはアルケニル基 R′:炭素数1〜6、好ましくは1〜3の直鎖ないしは
分岐のアルキル基)
【0017】この脂肪酸アルキルエステルは、牛脂、魚
油、ラノリンなどから誘導される動物系油脂由来の脂肪
酸、ヤシ油、パーム油、大豆油などから誘導される植物
系油脂由来の脂肪酸、α−オレフィンのオキソ法から誘
導される合成脂肪酸のエステルなどのいずれでもよく、
特に限定されない。また、その具体例としては、ラウリ
ン酸メチル、エチルまたはプロピル、パルミチン酸メチ
ルまたはエチル、ステアリン酸メチルまたはエチル、硬
化牛脂脂肪酸メチルまたはエチル、ヤシ油脂肪酸メチル
またはエチル、パーム油脂肪酸メチルまたはエチル、硬
化魚油脂肪酸メチルまたはエチル、ラノリン酸メチルま
たはエチルなどが挙げられる。これらは単独であるいは
混合して使用してもよく、また、スルホン化物の色調を
良くするためには、できるだけヨウ素価が低い方がよ
く、好ましくはヨウ素価が1以下の脂肪酸アルキルエス
テルを使用する。
【0018】脂肪酸アルキルエステルのスルホン化は、
スルホン化剤、たとえば不活性ガスで希釈した無水硫酸
を1.0〜2.0のモル比で用いて、通常50〜100
℃の温度で行なわれる。スルホン化方法としては薄膜式
スルホン化方法、槽型スルホン化方法などいずれもが採
用できるが、流下フィルム反応器または多段階スルホン
化カスケードを用いてスルホン化反応を行なうことが望
ましい。
【0019】ついで、スルホン化物は熟成されスルホン
化が完結する。この熟成は60〜100℃で10〜80
分撹拌して行なうのが好ましい。熟成はスルホン化粗製
物をループ型反応器、撹拌タンクのカスケードまたは撹
拌機付き縦型熟成管等の熟成反応器中に、上記時間留め
ることにより行なうことが好ましい。
【0020】漂白処理は、スルホン化処理(熟成工程も
含む)によって得られたα−スルホ脂肪酸エステルを直
接、あるいは中和によりα−スルホ脂肪酸エステル塩と
した後に漂白剤により処理することによって実施するこ
とができる。
【0021】漂白は、アルコールの存在下に過酸化水素
を添加して行なわれ、副生する低級アルコールサルフェ
ートの量がα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対し
て5〜15重量%となるように制御する。
【0022】本発明で用いられる過酸化水素としては、
工業的に供給される35%,50%,60%等の過酸化
水素水を使用することができ、通常35%の過酸化水素
水が取扱い性、保管上の点で好適である。
【0023】漂白処理時の過酸化水素(H22)の添加
量は、脂肪酸アルキルエステルのスルホン化物100重
量部に対して0.5〜10重量部が好適であり、好まし
くは1〜5重量部である。この量が0.5重量部未満で
は漂白効果が十分でない。一方、10重量部を超えても
漂白効果は変わらず、かえって過酸化水素の分解による
漂白混合物の容積増大を招く。
【0024】本発明の漂白処理時に共存されるアルコー
ルとしては、炭素数1〜12のものが用いられ、具体的
にはメチルアルコール、エチルアルコール、n−または
iso−プロピルアルコール、n−,iso−またはt
ert−ブチルアルコール、1,2,3−ペンタノー
ル、ヘキサノール、グリセリン、エチレングリコール、
オクチルアルコール、ラウリルアルコール等の直鎖ない
し分岐の一価または多価アルコールを使用できる。
【0025】これらのアルコールの使用量は、α−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル100重量部に対し、0.5
〜30重量部が好適であり、好ましくは1〜20重量部
である。この使用量が0.5重量部より少ないと添加に
よる漂白効果が十分でなく、一方、使用量が多い場合は
スルホン酸の純度低下の原因となるので、20重量部以
下が適当である。アルコールを添加することにより、漂
白混合物の粘度が低下し、また、凝固点も低下する等、
取扱いが容易となる。
【0026】漂白物は、例えば水酸化ナトリウムあるい
は水酸化カリウムの5〜50重量%水溶液などで中和さ
れ、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水溶液が得ら
れる。得られたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水
溶液は、AI濃度が低く、また、多量の低級アルコール
を含み、臭気も有する。
【0027】そこで、本発明では、リサイクルフラッシ
ュ法を用いて処理し、濃縮化するとともに、低級アルコ
ールを除去し(典型的には1重量%以下まで)、臭気も
改善する。
【0028】この濃縮化対象となる原料界面活性剤水溶
液は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を30〜5
5重量%含み、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に
対して低級アルコールサルフェートを5〜15重量%お
よび炭素数1〜12のアルコールを8〜40重量%含む
ことが望ましい。この成分調整は、漂白時のアルコール
の添加量によって行なうことができ、また、濃縮に先立
って各成分を添加して行なってもよい。
【0029】原料界面活性剤水溶液の組成を上記のよう
に調整することにより、低級アルコール除去時に高粘度
域を経ずに効率よく低級アルコールの除去、脱臭を行な
うとともに、AI濃度を高めて濃縮化することができ
る。
【0030】図1は本発明では採用されるリサイクルフ
ラッシュ蒸発法について示す説明図である。原料界面活
性剤水溶液は、加熱器11で沸点以上に加熱されて、圧
力コントロールバルブ13を経て、フラッシュ缶15内
にフラッシュされる。フラッシュ出口の圧力は常圧でも
よいが、好ましくは加圧とする。加圧とすることによ
り、加熱器11の内部での蒸発が抑えられ、フラッシュ
蒸発が効率的になる。また、フラッシュ出口にノズルな
どを付けて微粒化させ低級アルコールをより効率的に蒸
発させてもよい。
【0031】フラッシュ缶15内にフラッシュさせる
と、水および低級アルコールは蒸発し、凝縮器19で凝
縮されて凝集水として回収される。一方、濃縮物がフラ
ッシュ缶15の底部から回収される。本発明では、この
濃縮物の一部を循環ポンプ17により循環ループ内に循
環し、供給されてくる原料界面活性剤水溶液と合わせて
混合し、この混合物を加熱器11で沸点以上に加熱し、
圧力コントロールバルブ13を経て再びフラッシュ缶1
5内にフラッシュする。上記混合物の沸点は、加熱され
る圧力によって変動するが、それに相応して加熱器11
では混合物の温度が沸点以上となるように加熱すること
が重要である。この温度が沸点に至らないと、低級アル
コールの残存量が多く臭気が残り、また、得られる濃縮
物の粘度が高く十分な濃縮化が不可能となる。
【0032】また、フラッシュ蒸発のために供給される
原料界面活性剤水溶液の量を供給量とし、循環されてく
る濃縮物の量を循環量としたとき、以下の数1でリサイ
クル比が定義される。
【0033】
【数1】
【0034】すなわち、リサイクル比は、フラッシュ蒸
発に供される混合物における原料界面活性剤水溶液と循
環濃縮物との混合比である。
【0035】本発明では、このリサイクル比を8以上と
することが重要である。リサイクル比を8以上とするこ
とにより、高粘度域を経ないで、低粘度域での安定な操
作が可能となり、低級アルコール含有が少なく、臭気が
改善され、しかも、十分に濃縮化されたα−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩水溶液が得られる。
【0036】以上の説明では、α−スルホ脂肪酸アルキ
ルエステル塩水溶液の濃縮について説明したが、本発明
の濃縮化方法はこれに限定されず、他の界面活性剤溶液
の濃縮にも用いることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、リサイクル比を8以上
とし沸点以上の温度でリサイクルフラッシュ蒸発を行な
うことにより、界面活性剤溶液を効率的に濃縮できる。
リサイクルフラッシュ蒸発機は設備費、ランニングコス
トが安価であり、本法は工業的に優れた濃縮化方法であ
る。
【0038】また、漂白工程において不可避的に混入す
る炭素数1〜12の低級アルコールと低級アルコールサ
ルフェートを含有するα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩水溶液の濃縮化に対して本発明方法は好適に用いる
ことができ、十分にアルコールが除去され、臭気がな
く、低粘度でハンドリングが容易な高濃度α−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩水溶液が得られる。
【0039】
【実施例】
実施例1〜5 パーム油をメチルアルコールでエステル交換して得たパ
ーム油脂肪酸メチルエステルを分留し、C12,C14,C
16,C18の飽和脂肪酸メチルエステルを得た。C18につ
いては常法により水添操作を行ないヨウ素価を0.2と
した。これらをC12:10,C14:25,C16:55,
18:10重量%の割合で混合した飽和脂肪酸メチルエ
ステル(ヨウ素価=0.4)を流下型薄膜反応器を用い
て、脱湿した空気で7%に希釈したSO3 ガスで反応モ
ル比(SO3 /飽和脂肪酸エステル)=1.2、反応温
度80℃の条件にてスルホン化し、スルホン化粗生成物
を得た。得られたスルホン化粗生成物を、平均滞留時間
20分の二重管型ジャケット付きのループ式熟成管に導
入した。このループ式熟成管を3基連続して繋なげ、平
均滞留時間を60分とし、また、十分な撹拌と一定温度
を保持するために、線速0.16m/secでループ式
熟成管内を流し、設定温度80℃に対して実際の温度は
78〜82℃で制御熟成反応を行なってスルホン化を完
結し、α−スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。
【0040】得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステル
100重量部に対してメタノールを30重量部導入した
後、この混合物と35%過酸化水素水8.6重量部を、
混合ミキサーと熱交換器を備えた連続ループ式反応器に
導入して80℃、平均滞留時間20分で漂白を行ない、
さらに同条件で連続して第2段、第3段のループ式反応
器に導入して漂白を行なった。
【0041】次に13.6%NaOH水溶液と上記の漂
白処理物を混合ミキサーと熱交換器とを備えたループ型
連続中和装置に導入してpHを7に調整し、中和物とし
てα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水溶液を得た。
【0042】このα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
水溶液を原料界面活性剤水溶液として用い、図1に示し
た装置でリサイクルフラッシュ蒸発を行ない、低級アル
コールの除去および濃縮化を行なった。
【0043】原料界面活性剤水溶液の組成を調整し、種
々のフラッシュ条件で濃縮化を行ない、その結果を表1
に示した。色調の測定はα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩として5%の水溶液を調製し、Klett Su
mmerson社製の光度計で測定し、測定値で示し
た。
【0044】
【表1】 表1:濃縮化条件および評価結果 実施例 比較例 実 施 例 1 1 2 2 3 4 5 原料界面活性剤水溶液 α-SF(wt%)*1 40 40 40 45 50 55 45 低級アルコールサルフェート(wt%) 3 3 3 4 4 4 4 低級アルコール(wt%) 12 12 12 10 10 12 14 色調 70 70 70 75 80 80 72 フラッシュ条件 加熱器温度(℃) 120 90 120 120 120 120 140 フラッシュ前液温(℃) 105 85 105 120 120 120 140 リサイクル比 10 10 6 10 12 15 10 加熱器内圧力 常圧 常圧 常圧 加圧 加圧 加圧 加圧 沸点(℃) 105 105 105 120 120 120 140 濃縮物 α−SF*1(wt%) 60 55 57 68 72 75 70 低級アルコール(wt%) 0.9 3.5 2.7 0.7 0.6 0.5 0.6 色調 45 60 53 45 47 43 45 臭気 ○ × × ○ ○ ○ ○ 粘度(ポイズat90℃) 70 200 250 40 20 65 35 総合評価 ○ × × ○ ○ ○ ○ *1)α−SF:α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリサイクルフラッシュ蒸発法について
示す説明図である。
【符号の説明】
11 加熱器 13 圧力コントロールバルブ 15 フラッシュ缶 17 循環ポンプ 19 凝縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永合 一雄 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤溶液を濃縮化するに際し、 原料界面活性剤溶液をフラッシュ蒸発させて蒸発物と濃
    縮物とに分離し、回収された濃縮物の一部を循環させて
    原料界面活性剤溶液と混合し再度フラシュ蒸発に供する
    リサイクルフラッシュ法を用い、原料界面活性剤溶液と
    循環物との混合物を沸点以上の温度に維持しながら、原
    料界面活性剤溶液の供給量と濃縮物の循環量との比(循
    環量/供給量)として表わされるリサイクル比を8以上
    に設定して濃縮処理を施すことを特徴とする界面活性剤
    溶液の濃縮方法。
  2. 【請求項2】 原料界面活性剤溶液が界面活性剤として
    のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と、炭素数1〜
    12のアルコールおよび水を含有する請求項1に記載の
    界面活性剤溶液の濃縮方法。
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