JPH08164025A

JPH08164025A - 歯ブラシ

Info

Publication number: JPH08164025A
Application number: JP33237994A
Authority: JP
Inventors: Masuhiro Yogo; 益弘余吾; Ryuichi Isaka; 隆一井坂
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1994-12-14
Filing date: 1994-12-14
Publication date: 1996-06-25

Abstract

(57)【要約】【目的】歯ブラシをどの方向に動かして清掃しても刷
毛が歯間部に入りやすくして、歯垢、食べカスがたまり
易く、かつ除去しにくい歯間部を効率よく清掃し、咬合
面、平滑面の清掃効果もを高める。【構成】ヘッド部１の長手方向または巾方向に適宜間
隔をあけて設けた隣り合う毛束２，２が、ヘッド部１の
植毛面１₁に対して傾斜して各毛束の毛先同士を寄せ合
わせて山形に形成した束毛部をヘッド部１に複数設けた
歯ブラシであって、前記束毛部が、毛束の互に隣り合う
三つの各毛束の中心部に向かって毛先を寄せ合わせて三
角錐状山形に形成した三角錐状束毛部として備えたこと
で、歯みがき操作の如何を問わず歯間清掃効果と、歯の
平滑面などの清掃効果とを大巾に向上でき、刷掃部位や
刷掃方法が限定されることなく、個人差のある歯間部で
も交合面も歯垢の除去が効果的に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、口腔清掃用の歯ブラ
シ、特に歯垢、食べカスがたまり易く除去しにくい歯間
部の歯垢除去及び歯牙の平滑面、咬合面などの清掃を効
果的にできる歯ブラシに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、歯間部清掃効果を高めるために、
植毛部の刷掃面に凹凸をつける山切り例えば垂直に植毛
した毛束の隣り合う毛束の毛先を山形、即ち逆Ｖ字形に
カットしたもの（実開昭４９−１２１７６５号、実開昭
５２−１０７７６６号）や植毛部において、隣り合う毛
束を先端で互いに支え合うように傾斜させ山形例えば、
逆Ｖ字形に植設して植毛部とした歯ブラシがローリング
刷掃用として用いられている。（実公平２−６８２１
号、実公平２−６８２２号、実開昭６４−１５５４１
号）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これら従来の歯ブラシ
では、歯間部の清掃効果を高めることだけに着目され、
植毛部の長手方向に隣り合う毛束で逆Ｖ字形毛束を形成
して刷掃面となるように配列またはカットしたもので、
歯みがき操作時に方向性が定められてしまい、即ち、歯
ブラシを上下、左右のいずれか一方向に動かすときは、
刷毛先端が歯間部に入って清掃できるが、歯ブラシを他
方向に動かす時には刷毛先端が入らないし、入りにくい
ので歯垢除去が効率よく行なえないなど欠点があり、ま
た、歯みがき操作も刷掃部位や刷掃方法が限定され、他
の部位の刷掃がしにくいなど機能面の偏りがあって、必
ずしも刷毛の刷掃面と合わず、歯間部の歯垢除去のため
の清掃ができなかったり、さらに従来の歯間部清掃用歯
刷子は、その刷毛形状により、刷掃法、刷掃部位が限定
される場合には、山型に切った毛先が効率良く歯間部に
入り込み清掃ができるが、しかし、この効果が出てくる
のは、ローリング刷掃法を用いた時に限られるし、刷毛
の形状により歯間部以外の歯頸部、咬合面、平滑面など
歯垢の付着し易い部位の刷掃が行いにくいという問題点
があった。一方、歯牙の咬合面、平滑面の清掃の際は、
逆Ｖ字形毛束よりも垂直植毛毛束の方が清掃力がよい
が、歯間部清掃に難があって、しかも逆Ｖ字形毛束と垂
直植毛毛束との混在形態とすると、垂直植毛毛束の刷毛
長さが逆Ｖ字形毛束の刷毛高さと同等か長いと、逆Ｖ字
形毛束の刷毛先端が歯間部に入れなくなって歯間部清掃
効果を削減して歯垢除去効果が小さくなる欠点があっ
た。また、植毛部に４つの毛束が一点に集中している四
角錐状からなるピラミッド型植毛ユニットとしたものを
用いることも、特公昭６２−３７９６８号、実開平２−
９１２８号公報などで知られている。しかし、これらの
植毛部にあるピラミッド植毛ユニットのすべては、その
方向が同一のため、歯ブラシを縦方向または横方向に動
かす場合は、歯間部に刷毛が入ることが予想されるが、
人間は歯みがき操作に完全な縦方向、横方向に動かすこ
とは不可能である。そして毛束の４束が一点に集中して
いるので、刷毛が硬くなり、使用感が悪化し、歯肉を傷
つける恐れがあり、しかも歯間部の入口付近までしか入
らず、本来清掃しなければならない歯間部の最深部に刷
毛は届かないので、歯垢の除去が効率よく行えない欠点
があった。

【０００４】本発明は、これら従来の問題点を排除し、
歯みがき操作の如何を問わず、歯間部の清掃効果と、歯
の咬合面、平滑面などの清掃効果とを大巾に向上でき、
刷掃部位や刷掃方法が限定されることなく、個人差のあ
る歯間部でも歯垢の除去が効果的に行える歯ブラシを提
供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、歯ブラシのヘ
ッド部に毛束を植設するのに、複数本の刷毛をヘッド部
の長手方向または巾方向に適宜間隔をあけて設けた隣り
合う毛束が、ヘッド部の植毛面に対して傾斜されて、各
毛束の毛先同士を寄せ合わせて山形に形成した束毛部を
ヘッド部に複数設けた歯ブラシにおいて、前記束毛部
が、毛束の互いに隣り合う三つの各毛束の中心部に向か
って毛先を寄せ合わせて三角錐状山形に形成した三角錐
状束毛部として備えたものである。

【０００６】

【作用】刷掃時において、歯ブラシをどの方向に動かし
て歯みがき操作をしても、山形束毛部の刷毛先が歯間部
に入りやすく、かつ刷毛先の山と山との間隔が歯と歯と
の歯間部に合致しやすく、歯間部の歯垢の除去が適確に
でき歯間部清掃を効果的に行うことができるし、臼歯裂
溝部及び歯間隣接部に付着した歯垢をも効果的に除去で
きるし、従来毛先が届きにくかった部位も的確にブラッ
シングすることができ、加えて毛倒れが少なく、耐久性
にも富む歯ブラシとして使用することができる。

【０００７】

【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する
と、図１において歯ブラシのヘッド部１に毛束を植設す
るのに、複数本の刷毛をヘッド部１の長手方向または巾
方向に適宜間隔をあけて設けた隣り合う毛束２，２が、
ヘッド部１の植毛面１₁に対して傾斜されて、各毛束の
毛先同士を寄せ合わせて山形に形成した束毛部をヘッド
部１に複数設けた歯ブラシであって、前記ヘッド部１の
束毛部が、毛束２の互いに隣り合う三つの各毛束２の中
心部に向かって毛先を寄せ合わせて三角錐状山形束毛部
３を備えたもので、必要に応じヘッド部１の長手方向ま
たは巾方向に傾斜させた逆Ｖ字形山形束毛部４，５或い
は垂直毛束６とを混在配備して歯ブラシとしてある。

【０００８】そして、隣り合う３つの毛束２としては、
ヘッド部１の植毛面１₁に傾斜、例えば１〜５度好まし
くは３度前後の範囲の傾斜角度で植設され、各毛束２の
毛束が寄り合わさって三角錐状の山形束毛部３及び逆Ｖ
字形山形束毛部４，５が形成されるが、これは刷毛の高
さが１０〜１２ｍｍ、植毛穴ピッチが２．５〜３．０ｍ
ｍの場合、毛束２の頂上が接触してきれいな逆Ｖ字形を
形成でき、歯間部への毛先侵入性能が高まるためで、ま
た、毛束２の頂上形状も植毛面１₁と平行な水平面のス
トレートカット、或いは山形斜面の山切りカットとす
る。山形束毛部３，４，５の刷毛の太さは、５〜１０ミ
ル好ましくは８ミル、高さは１１〜１２ｍｍが実用上好
適で、硬さが普通の歯ブラシとすることができ、刷毛素
材はナイロン、ＰＢＴなどを用い、刷毛一本の先端形状
はラウンド形状、テーパード形状、スーパーテーパード
形状などいずれでもよい。前記三角錐状山形束毛部３及
び逆Ｖ字形山形束毛部４，５の製造に際しては、毛束２
の傾斜角度が５度以下であるため成形金型のコストが、
すべて垂直毛束の植毛穴の場合と同様に対応できコスト
アップにならないし、植毛作業も刷毛と平線を垂直方向
に圧入すれば、植毛穴に沿い自然に角度がつきコストア
ップにならずに生産することができる。

【０００９】なお、前記ヘッド部１の植毛としては、前
記山形束毛部３，４，５より植毛高さが低い垂直方向に
植設された垂直毛束６を混在させ、山形束毛部の長所と
垂直毛束の長所とを兼ね備え、かつそれぞれの欠点を互
に補い合うように構成するのがよく、山形束毛部３，
４，５の毛先が安定して歯間部に届き、該毛先の次に歯
面や歯茎に接触する垂直毛束６の毛先が作用して歯間部
清掃の妨げにならないで、歯間部及び歯の平滑面や咬合
面を同時に効果的に清掃できるように配慮するのがよ
く、この場合、山形束毛部３，４，５と、垂直毛束６
は、なるべくヘッド部１に均一に配置して清掃効果にむ
らがないようにするのがよい。

【００１０】また、前記逆Ｖ字形山形束毛部４，５は、
ヘッド部１の長手方向と平行なものと、長手方向を基準
線として、該基準線から０度以上（０度は含まない）か
ら９０度までの範囲の方向に交叉する直線上に毛束２を
対抗配列させたものを適宜選んで用い、前記三角錐状山
形束毛部３と混在させ、歯ブラシをどの方向に動かして
も逆Ｖ字形植毛ユニットの刷毛が歯間部に入るようにす
るのも有効である。

【００１１】図１の例では、ヘッド部１の長手方向に平
行に配列された三角錐状山形束毛部３群としてあり、該
三角錐状山形束毛部３の外周を結ぶ線に接するように配
列し、例えば三角錐状植毛ユニットの底辺の角部を一直
線上に並べたり、底辺の一辺が植毛部の外周を結ぶ線上
に沿うように配列するが、図２に示すようにランダムな
方向に配列することもできるし、また前記三角錐状植毛
ユニットの大きさが任意の大きさで異なる大きさを混在
することこともできる。（図３）

【００１２】図４の例では、ヘッド部１の長手方向及び
巾方向の直交配列の逆Ｖ字形山形束毛部４と５とを前記
三角錐状山形束毛部３と交互に配備したもので、ヘッド
部１の先端位置には三角錐状山形束毛部３の位相をずら
せて、毛先の寄せ合わせが千鳥状にジグザグ状態になる
ように配列したものからなる植毛刷掃面を形成してあっ
て、三角錐状山形束毛部３が、比較的開口部の大きな歯
間部に、また逆Ｖ字形山形束毛部が、比較的開口部の小
さい歯間部の清掃に適している。

【００１３】図５の例は、ヘッド部１の長手方向及び巾
方向の直交配列の三角錐状山形束毛部３との間に垂直毛
束６を交互に介在配備し、歯間部、咬合面、及び平滑面
の清掃を効率的に行えるようにしてある。この場合、垂
直毛束６を構成する刷毛の一部又は全部が、三角錐状山
形束毛部３の刷毛より細かいものを用いるのか、或いは
短いものを用いて、刷毛の硬さを調整して使用感を向上
させ、歯肉を傷つけないようにすると共に、歯間部の最
深部に刷毛が入るようにし、さらに歯間部だけでなく平
滑面をも効率よく清掃できる。殊に垂直毛束６の刷毛が
細かいと、刷毛は屈曲しやすくなり三角錐状山形束毛部
３の刷毛が過大な力を加えなくても歯間部に入りやすく
なって効果的である。

【００１４】図６の例は、ヘッド部１の中央位置に大形
の三角錐状山形束毛部３を備え、小形の三角錐状山形束
毛部３と巾方向に垂直毛束６を配列して、刷掃面を形成
してある。

【００１５】この場合、毛束の毛先同士を寄せ合わせる
には、ヘッド部平面に対して毛束を向かい合わせ若しく
は同一方向に傾斜して植毛した傾斜毛束２としてある
が、鉛直方向の毛束と傾斜方向の毛束との組み合わせで
もよく、場合によっては配列される毛束の対角線上の毛
束同士の毛束の毛先を寄せ合わせる組み合わせを一単位
としてもよく、いずれにしても毛先同士をヘッド部１の
長手方向または巾方向その他の斜め方向に寄せ合わせて
連ねてある。また、植毛部の各行で前記山形のカットが
位相を少しずつずらせて、歯と歯の間隔が異なっていて
も、歯みがきの際に、いずれの山の部分が歯間部に合い
当たって歯間部の清掃を十分に行うようにすることもで
きる。なお、刷毛はヘッド部１に設けた植毛穴に、ナイ
ロン毛が集束されて植設されて、植毛部を形成している
が、必要に応じナイロン毛などの合成毛に天然毛を混在
させて植設することもできる。またヘッド部１の大きさ
は、口の中で自由に動かせ、かつ臼歯裂溝部及び歯間隣
接部に付着した歯垢を効果的に除去するのに適当な大き
さにするのがよい。

【００１６】前記三角錐状山形束毛部３は、歯ブラシを
短軸方向に動かして刷掃するときに最初に歯間部と接す
ることになり、他の刷毛に邪魔にならずに使用できる。
また、三角錐状山形束毛部３の配列は、一定方向に整列
しないで任意な方向に配列すると、歯ブラシを縦、横、
斜めのいずれの方向に動かしても、どこかの三角錐状山
形束毛部３が、歯間部に入り易い角度となっていて歯間
部の清掃に都合がよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、歯ブラシのヘッド部に毛束を
植設するのに、複数本の刷毛をヘッド部の長手方向また
は巾方向に適宜間隔をあけて設けた隣り合う毛束が、ヘ
ッド部の植毛面に対して傾斜して、各毛束の毛先同士を
寄せ合わせて山形に形成した束毛部をヘッド部に複数設
けた歯ブラシであって、前記束毛部が、毛束の互いに隣
り合う三つの各毛束の中心部に向かって毛先を寄せ合わ
せて三角錐状山形に形成した三角錐状束毛部として備え
たことにより、各毛束の毛腰強度が強く毛倒れも少なく
個人差のある異なる歯と歯の間隔からなる歯間部に対し
て刷毛先端部分が容易に当たることができるので、歯間
部の歯垢除去が適確に行うことができ効果的な清掃が可
能であり、しかも歯ブラシをどの方向に動かして刷掃し
ても対応できるし、刷毛を歯間部の最深部にとどきやす
くし、歯間部および咬合面の刷掃をより効果的に行うこ
とができ、清掃効果、並びに耐久性の良好なブラシとで
きるし、また傾斜植毛の存在で刷毛同士に強度を増加す
る形態となるので、清掃機能も大巾に向上できるし、使
い易い歯ブラシとすることができる。また、歯間部の清
掃だけでなく歯の咬合面、平滑面の清掃効果をも高める
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のヘッド植毛部の拡大図で、
（ａ）は平面図、（ｂ）はその側面図である。

【図２】本発明の他の実施例をのヘッド植毛部の拡大図
で、（ａ）は平面図、（ｂ）はその側面図である。

【図３】他の例の植毛部の拡大図で、（ａ）は平面図、
（ｂ）はその側面図である。

【図４】さらに他の例の植毛部の拡大図で、（ａ）は平
面図、（ｂ）はその側面図である。

【図５】さらにまた、他の例の植毛部の拡大図で、
（ａ）は平面図、（ｂ）はその側面図である。

【図６】さらにもう一つの他の例の植毛部の拡大図で、
（ａ）は平面図、（ｂ）はその側面図である。

【符号の説明】

１ヘッド部１₁ 植毛面２毛束３，３三角錐状山形束毛部４，５逆Ｖ字形山形束毛部６垂直毛束

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】歯ブラシのヘッド部に毛束を植設するの
に、複数本の刷毛をヘッド部の長手方向または巾方向に
適宜間隔をあけて設けた隣り合う毛束が、ヘッド部の植
毛面に対して傾斜されて、各毛束の毛先同士を寄せ合わ
せて山形に形成した束毛部をヘッド部に複数設けた歯ブ
ラシにおいて、前記束毛部が、毛束の互いに隣り合う三
つの各毛束の中心部に向かって毛先を寄せ合わせて三角
錐状山形に形成した三角錐状束毛部として備えたことを
特徴とする歯ブラシ。
【請求項２】前記ヘッド部に、ヘッド部の長手方向ま
たは巾方向に沿って傾斜した毛束を対向配備した逆Ｖ字
状山形束毛部を混在している請求項１記載の歯ブラシ。
【請求項３】前記ヘッド部の植毛が、ヘッド部平面に
対して垂直に植毛された垂直毛束を混在するものであっ
て、該垂直毛束の一部または全部が、前記三角錐状束毛
部の高さより低い高さの毛束とした請求項１または２記
載の歯ブラシ。