JPH081622Y2

JPH081622Y2 - 汎用コンバインの刈取装置

Info

Publication number: JPH081622Y2
Application number: JP1989120899U
Authority: JP
Inventors: 弘運福頼
Original assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Current assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Priority date: 1989-10-18
Filing date: 1989-10-18
Publication date: 1996-01-24
Anticipated expiration: 2004-10-18
Also published as: JPH0361828U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、刈取つた穀稈全体を扱室内で脱穀処理する
形式の汎用コンバインに関し、さらに詳しくは刈取穀稈
を、オーガからフイダーに継送するようにした汎用コン
バインの刈取装置に関する。

〔従来技術〕

この種の汎用コンバインは、圃場面近くに配設された
前方側の刈取部と、該刈取部よりも高所に配設された後
方側の脱穀部との間には、刈取部で刈取つた穀稈を後方
の脱穀部に搬送するためのフイダーが配設されている。

上記刈取部は、リールと、リール下方のバリカン型刈
刃と、刈刃後方のオーガとから構成され、広幅な刈幅に
構成されているのに対しフイダーは狭幅の幅員に構成さ
れている。

この刈取部の刈幅は、フイダーの幅方向中心線に対し
通常は、右側が広く左側が狭く非対称に偏在されている
のが一般的である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上述した従来の汎用コンバインでは、オー
ガに設ける掻込板の高さが、オーガ駆動軸の軸芯と平行
する同一高さに設けられているので、フイダーに対し右
側からの搬送される刈取穀稈の量が左側から搬送される
刈取穀稈の量よりも多くなる結果、右側から搬送される
多量の刈取穀稈は急には掻込板による掻込方向に方向が
転換されず、厚い層状となつてから一度に掻込板によつ
て掻込れるので、負荷が増大しオーガが停止するという
穀稈詰まりが発生するという問題があつた。

そこで、本考案は上述した従来の実情に鑑み、その問
題点を解消すべく創案されたもので、オーガに、搬送量
が多い側が低く搬送量が少ない側が高く突出する傾斜状
の掻込部を設けることにより、オーガによる穀稈の搬送
量を均平化してフイダーに継送できる汎用コンバインの
刈取装置を提供することを目的として実施するものであ
る。

〔問題を解決するための手段〕

上記目的を達成する本考案は、刈刃で刈取つた穀稈を
オーガからフイダーに継送する刈取部を設け、該フイダ
ーの幅方向中心線を基準として刈取部の刈幅を一側が広
く他側が狭く偏在させた汎用コンバインにおいて、前記
オーガの相対向する右螺旋と左螺旋との間に螺旋のない
中間帯を設け、この中間帯に掻込部を前記フイダーの幅
員に対向させて設け、更にこの掻込部を広い刈幅側が低
く狭い刈幅側が高く突出するよう傾斜状に形成してなる
ものである。

〔作用〕

したがつて、刈刃４で刈取つた穀稈をオーガ６からフ
イダー３に継送する刈取部１を設け、該フイダー３の幅
方向中心線Ｇに対する刈取部１の刈幅Ｈを一側が広い刈
幅H₁、他側が狭い刈幅H₂に偏在させた汎用コンバインＣ
にあつても、前記オーガ６の相対向する右螺旋6bと左螺
旋6aとの間に螺旋のない中間帯を設け、この中間帯に掻
込部35を前記フイダー３の幅員に対向させて設け、更に
この掻込部35を広い刈幅H1側が低く狭い刈幅H2側が高く
突出するよう傾斜状に形成したことにより、刈幅の広い
側H₁から多量に搬送される刈取穀稈は、掻込部35によつ
て急激にフイダー３側に搬送されることなく、掻込部35
の突出高さが低い側から徐々に山を崩す如く均平化され
ながら掻込部35により順次フイダー３に向けて掻込搬送
される。

これにより、急激に多量の刈取穀稈が搬送されること
なくオーガ６による搬送負荷が平均化すると共に、搬送
される穀稈層の密着が緩和され、フイダー３とオーガ６
とが互いに引張り合うことによりオーガ６が停止すると
いう稈詰まりも解消される。

〔実施例〕

以下、本考案を一実施例として示す図面について説明
する。

第３図において、汎用コンバインＣは、圃場面近くに
配設された前方側の刈取部１と、該刈取部１よりも高所
に配設された後方側の脱穀部２との間には、刈取部１で
刈取つた穀稈を後方の脱穀部２に搬送するためのフイダ
ー３が配設されている。上記刈取部１は、バリカン型刈
刃４と、該刈刃４後方の搬送螺旋５（第１図では省略）
と、該搬送螺旋５後方のオーガ６とから構成される共
に、この刈取部１の前上方には、立毛穀稈を後方の刈刃
４に誘導するためのリール７が配設されている。

上記脱穀部２には、前後方向に配設された扱胴軸９を
中心にして回転する扱胴10が設けられ、この扱胴10は、
始端側の前側程小径となるテーパー部と、後方側の同径
状筒部から形成され、テーパー部には連続する螺旋状の
誘導歯11、同径状筒部には不連続する螺旋状の扱歯12が
多数固定されており、フイダー３の終端から投げ込まれ
た穀稈全体を搬送しながら脱穀するが、この扱胴10の下
方には脱穀物が漏下する目合いの扱網13が張設され、こ
の扱胴10と扱網13とで扱室15が構成されている。

上記扱網13の下方には、選別室16が設けられ、この選
別室16には前後方向に配設された上段のチヤブシーブ17
と、下段の揺動移送板19および選別網20からなる前後方
向の揺動選別板と、該選別網20の後方に配設されたスト
ローラツク21とが設けられ、これらチヤブシーブ17、揺
動移送板19および選別網20、ストローラツク21は図示し
ないカム機構によつて、上下および前後に煽動運動自在
に駆動される。なお、第３図中、22は選別網20の下方に
配設された一番穀粒搬送螺旋、23はストローラツク21の
下方に配設された二番物搬送螺旋であり、24は各選別風
路に選別風を送るためのフアンである。

上記脱穀部２は、左右一対のクローラ25上方に配設さ
れた水平方向の機台26上に搭載されているが、上記フイ
ダー３は左右両側の機枠に軸支された下部軸27aと上部
軸29aとが設けられ、下部軸27aに固定される左右一対の
スプロケツト27と、上部軸29aに固定される左右一対の
スプロケツト29とに夫々巻掛けられたチエン30と、この
左右のチエン30に両端が取付けられた搬送突起31とから
構成されており、フイダー３の下側には搬送突起31の搬
送経路に沿うフイダー底板3aが設けられている。

上記刈取部１の機枠と機台26との間には油圧伸縮機構
32が設けられ、刈取部１は上部軸29aを中心にして昇降
自在に構成されており、また、フイダー３は、そのチエ
ン30が反時計方向に回転することで、同方向に回転する
オーガ６からの穀稈を搬送突起31に継送して斜め上方に
揚上し、扱室15の供給口に供給するようになつている。

第１図に示す如く刈取部１は、フイダー３の幅員より
も広幅の刈幅Ｈに形成されているが、この刈取部１の刈
幅Ｈは、フイダー３の幅方向中心線Ｇを基準にして右側
が広い刈幅H₁となり左側が狭い刈幅H₂となるよう偏在さ
れているので、刈幅H₁側で搬送される穀稈量が刈幅H₂側
で搬送される穀稈量より多くなつている。

そして、オーガ６には、その両端から中央側に向かう
左螺旋6aと右螺旋6bと夫々固定されているが、上記フィ
ーダ３の幅員に対向する螺旋が設けられていないオーガ
６の中間帯には、複数枚の掻込板33が固定された掻込体
35が設けられている。この掻込板33は、オーガ６の円筒
部からの突出高さがフイダー３の幅方向中心線Ｇに対し
て刈幅が広くなるH₁側が低く、刈幅が狭くなるH₂側が高
くなる傾斜状の掻込面となるよう形成されている。

また、第１図〜第２図に示す掻込板33は、その掻込面
がオーガ軸36の軸芯と平行方向に設けられ、オーガ６の
円筒部に対し８枚が放射方向に固定されているが、第４
図Ａおよび第４図Ｂに示す如く、この掻込板33の掻込面
を、オーガ軸36の軸芯に対し刈幅が狭くなるH₂側が次第
に回転方向の後位となる捩り角度Ｑだけ傾斜させた掻込
体35を設けてもよく、この場合は、H₁側の穀稈をより分
散して均平化できる利点がある。

また、この掻込体35は、第５図に示す如く、外径側と
なる傾斜縁に沿つて波型の凹凸33aを設けてた掻込板33
を設けてもよく、この場合は、波型の凹凸33aにより穀
稈の分散と均平作用を行うことができる。

第６図Ａおよび第６図Ｂに示す例は、所定間隔Ｐで設
けた複数の掻込歯34を、駆動軸36の軸芯と平行する所定
長さＬにわたり該軸芯と交差する方向に固定した掻込体
35を設けたものである。この例の場合は、各掻込歯34間
には間隔Ｐがあり、穀稈に対し各掻込歯34がジクザク的
に作用する部分掻込となるので、無理にフイダー６に搬
送することがないと共に、横一列に並設された複数枚の
掻込歯34は、前列と同様に刈幅の広いH₁側が低く、刈幅
の狭いH₂側が順次高く突出する傾斜状の掻込面となるよ
う配列されているので、H₁側の穀稈を分散して均平化す
ることができる上、特に大豆茎稈の掻込時に、茎稈に対
する掻込歯34の接触面積が少なく、鞘から大豆が飛び出
すという脱粒を少なくできる。

また、刈刃４の後方に設けた搬送螺旋５は、螺旋軸37
に固定されるナイロン等の線材が植毛されたブラシ状の
左螺旋5aと右螺旋6bとから構成され、この左螺旋5aと右
螺旋6bとが互いに対向する中央側には、オーガ６の中央
側に設けた掻込体35に対向するブラシ部40が固定されて
おり、このブラシ部40もナイロン等の線材が植毛されて
いる。この搬送螺旋５はリール７とオーガ６との間でオ
ーガ６側に接近配設されているので、リール７で押し倒
されてもオーガ６が作用しない短稈でも、オーガ６に向
けて搬送することができる。この搬送螺旋５の下方に
は、オーガ底板41が前方に延長されることで形成される
螺旋底板41aが湾曲形成され、このオーガ底板41は、そ
の前方がバリカン型刈刃４の後方まで延長される搬送デ
ツキに形成されると共に、その後端がフイダー底板3aの
先端側に接続されている。

上記搬送螺旋５を構成するブラシ状の左螺旋5aと右螺
旋6b、および中央部のブラシ部40は、ナイロン等の合成
樹脂材の線材から構成され、オーガ底板41の始端側から
搬送螺旋５の外径に向けて該螺旋５の全長にわたつて固
定された巻込防止板39の前縁に、接触状態に設け得るの
で、搬送される穀稈が搬送螺旋５によつて巻込まれるの
を確実に防止できる上、刈取穀稈を無理なく確実にオー
ガ６に搬送できる利点がある。

〔考案の効果〕

以上に説明してきたように本考案は、オーガの相対向
する右螺旋と左螺旋との間に螺旋のない中間帯を設け、
この中間帯に掻込部を前記フイダーの幅員に対向させて
設け、更にこの掻込部を広い刈幅側が低く狭い刈幅側が
高く突出するよう傾斜状に形成したから、広い刈幅側か
ら掻込部に大量に搬送された刈取穀稈は、そのまま掻込
部によって一度に掻込まれ急激にフイダーに継送される
いうことはなく、掻込部の突出高さの低い側から徐々に
継送される一方、狭い刈幅側から少量搬送された掻込穀
稈は、掻込部の突出高さの高い側から直ちにフイダーに
継送されて、掻込部全体として刈取穀稈を平均化してフ
イダーに継送することができる。

従って、掻込部の一側に大量の刈取穀稈が一度に巻き
込まれて詰まり、掻込部に無理な負荷が掛かって、オー
ガの回転が停止するような事故を回避できる。

したがつて、オーガによる穀稈の搬送量を均平化して
フイダーに継送できる汎用コンバインの刈取部を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示し、第１図は本
考案を実施した刈取部の平面図、第２図は同上刈取部の
縦断側面図、第３図は汎用コンバインの全体側面図であ
る。第４図Ａおよび第４図Ｂは掻込部の第２実施例を示し、
第４図Ａはオーガの平面図、第４図Ｂはオーガの縦断側
面図である。第５図は掻込部の第３実施例を示す掻込板の平面図であ
る。第６図Ａおよび第６図Ｂは掻込部の第４実施例を示し、
第６図Ａはオーガの平面図、第６図Ｂはオーガの縦断側
面図である。Ｃ…汎用コンバイン、Ｇ…フイダーの幅方向中心線、Ｈ
…刈取部の刈幅、H₁…広幅の刈幅、H₂…狭幅の刈幅、１
…刈取部、２…脱穀部、３…フイダー、3a…フイダー底
板、４…バリカン型刈刃、５…搬送螺旋、６…オーガ、
6a…右螺旋、6b…左螺旋、７…リール、27…スプロケツ
ト、27a…下部軸、29…スプロケツト、29a…上部軸、30
…チエン、31…搬送突起、33…掻込板、34…掻込歯。35
…掻込部、36…オーガ軸、41…オーガ底板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】刈刃で刈取った穀稈をオーガからフイダー
に継送する刈取部を設け、該フイダーの幅方向中心線を
基準として刈取部の刈幅を一側が広く他側が狭く偏在さ
せた汎用コンバインにおいて、前記オーガの相対向する
右螺旋と左螺旋との間に螺旋のない中間帯を設け、この
中間帯に掻込部を前記フイダーの幅員に対向させて設
け、更にこの掻込部を広い刈幅側が低く狭い刈幅側が高
く突出するよう傾斜状に形成してなる汎用コンバインの
刈取装置。