JPH0816153A - 鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤装置

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JPH0816153A
JPH0816153A JP6168847A JP16884794A JPH0816153A JP H0816153 A JPH0816153 A JP H0816153A JP 6168847 A JP6168847 A JP 6168847A JP 16884794 A JP16884794 A JP 16884794A JP H0816153 A JPH0816153 A JP H0816153A
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JP6168847A
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English (en)
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Yasuhiro Hinako
靖宏 日名子
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Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 指等の痛みを感じさせず長時間の演奏を容易
とするとともに、演奏者の意志が鍵にそのまま伝わり音
楽的表現力を十分に発揮し得るピアノに近似した鍵タッ
チ感を得ることができ、製造、組立が容易な鍵盤装置を
提供する。 【構成】 支持部材に回動可能に取付けられた鍵に、閉
空間を有する収納体を設け、この内部に細粒状の錘部材
を収納する。また支持部材に回動可能に取付けられ鍵の
押鍵操作に伴って回動する質量体に、閉空間を有する収
納体を設け、この内部に細粒状の錘部材を収納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子鍵盤楽器等に使用
される鍵盤装置、特に鍵のタッチ感を改良するための鍵
および質量体(ハンマ)の構造に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、電子楽器の鍵盤装置にピアノの
ような表現力を発揮させるために、鍵タッチ感触機構に
関する種々の提案がなされてきた。例えば、実公昭49
−10810号に示されている鍵盤装置では、鍵の前端
部裏面に重りを設け鍵の質量を増大させている。しか
し、この構造の鍵盤装置は、押鍵の初期および鍵がスト
ッパ等により停止する際に大きな反力が指に作用し、長
時間の演奏の負担となるばかりではなく指を痛める原因
となっていた。上述の欠点を改善する提案として特公昭
63−56554号では、打鍵時の衝撃を吸収する部
材、いわゆるダンパー効果を発揮し得る部材(以下略し
てダンパー部材という)を介して、錘部材を鍵に配設し
た鍵盤装置が示されている。この鍵盤装置では、押鍵の
初期および鍵の停止時の反力が、ダンパー部材に吸収さ
れ蓄積されることから指に過大な反力が加わることがな
くタッチ感が改善されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した特
公昭63−56554号に開示されている鍵盤装置にお
いては、以下のような問題点があった。まず、ダンパー
部材自体は、鍵および錘に機械的に固定されているた
め、特に弱いタッチ(たとえばピアニシモ)の押鍵初期
において鍵の質量感があり、微妙な表現を行なうための
演奏性が損なわれていた。また、鍵、質量体および各々
の錘に加え、ダンパー効果を発揮し得る別の部材が必要
であり、その組立も煩雑になり、鍵盤装置のコストアッ
プを招いていた。本発明は、従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、電子鍵盤楽器の鍵盤装置において、指等の
痛みを感じさせず長時間の演奏を容易とし、演奏者の意
志が鍵にそのまま伝わり音楽的表現力を十分に発揮でき
るピアノに近似した鍵タッチ感を得るとともに、製造、
組立が容易な鍵盤装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の発明にあっては、支持部材と、前記
支持部材に対し移動自在に配設された鍵と、前記支持部
材に対し移動自在に配設され前記鍵の操作に連動する質
量体とを有する鍵盤装置において、前記質量体に閉空間
を有する収納部を設け、前記収納部に細粒状の多数の錘
部材が鍵操作に対し前記閉空間内に移動可能に収納され
てなり、前記閉空間は、前記錘部材が前記閉空間を占有
する以外に空き空間を有していることを特徴としてい
る。
【0005】上記課題を解決するために請求項2に記載
の発明にあっては、支持部材と、前記支持部材に対し移
動自在に配設された鍵と、前記支持部材に対し移動自在
に配設され前記鍵の操作に連動する質量体とを有する鍵
盤装置において、前記鍵および前記質量体に各々閉空間
を有する収納部を設け、前記収納部に細粒状の多数の錘
部材が、鍵操作に対し前記閉空間内に移動可能に収納さ
れてなり、前記各々の閉空間は、前記錘部材が前記閉空
間を占有する以外に空き空間を有していることを特徴と
している。
【0006】
【作用】上記構成によれば、請求項1の鍵盤装置におい
ては、押鍵初期および質量体がストッパに衝突したとき
細粒錘自身がその衝突エネルギーを吸収することから、
反力が著しく減少し、指の負担が減少する。すなわち、
指が鍵に当接した強押鍵初期においては、多数の細粒錘
が質量体内の閉空間空部に向かって移動するために、ま
た質量体がストッパに衝突したときは、個々の細粒錘が
閉空間空部に向かって自由移動するために、反力が著し
く減少する。また弱押鍵時(たとえばピアニシモ)にあ
っては、上記細粒錘の移動が起こりにくいので、上記錘
を加味したタッチ感触(比較的重いタッチ)が得られ、
弱タッチ時の微妙な表現を行なうための演奏性が向上す
る。ここに言う比較的重いタッチとは、固定錘を採用し
質量体全体の質量を従来より大きく設定しても強押鍵時
に重くなりすぎないことの裏返しの理由による。さら
に、質量体と細粒錘とはフリーな関係にあることから、
質量体の動き始めの慣性質量が小さくなるので、質量体
を回動させる鍵の剛性を小さく設定しても撓むことがな
く、加えて質量体と細粒錘とはフリーな関係にあること
から、強押鍵時のタッチ感触がやわらぐことにより緩衝
部材が不要もしくは小さくなる等により、鍵盤装置の製
造組立コストを下げることができる。
【0007】請求項2の鍵盤装置においては、上記作用
に加え、強押鍵時の反力を請求項1に記載の発明以上に
小さくすることができる。さらに、強押鍵時には、質量
体がストッパに衝突した時に、質量体内の閉空間に散ら
された細粒錘が下に落ち、この時鍵の細粒錘も同時に下
に落ちるが、質量体の移動速度が鍵より速いため、細粒
錘が質量体及び鍵に与える力(反力)の集中は起こりに
くく、時間的に分散して起こるため、鍵の押し切り時に
不快な反力の発生を押さえることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例を示す
電子楽器の鍵盤装置の断面図である。図1において、支
持部材(フレーム)10にアウトサート成形された質量
体の支点部材12により、質量体(ハンマー)20がそ
の支点部28を介して支持部材10に対してその後部よ
り前方に向かって回動可能に取付けられている。この質
量体20は、複数の細粒錘収納体21、22、23を有
する樹脂成形体24と鉄材等からなる質量体本体25か
ら構成されており、質量体本体25の一部は、樹脂成形
体24の補強体及び錘補助体26として樹脂成形体24
の内部に延在している。また、支持部材10の後部に
は、質量体の支持部材より径が大きい鍵の支点部材13
がアウトサート成形されており、この鍵の支点部材13
により鍵30がその支点部32を介して支持部材10に
対して回動可能に取付けられている。そして、前記質量
体の支点部28と鍵の支点部32とに設けられた各バネ
保持部28a、32a間に圧縮保持されるよう平板状の
復帰バネ16を介在させる。この復帰バネ16で各支点
部材に各支点部が圧接されるように保持するとともに、
質量体20にのみもしくは質量体20と鍵30との両方
に復帰力を与えるようにしている。なお、質量体支持部
材12及び鍵支持部材13の接触部表面にはグリス等の
粘性材(潤滑材)が塗布されている。また、鍵30の演
奏者側の下面にはブロー成形により形成された細粒錘の
収納体31が設けられている。
【0009】演奏者の指が鍵30に下方への力を加える
と、鍵30は鍵の支点部材13を中心として回動を開始
し、この鍵30の動作に伴い鍵両側壁下面に設けられた
質量体駆動部33が質量体の側方に突設した質量体被駆
動部43を押圧することで、質量体20も質量体の支点
部材12を中心に回動を開始する。さらに、演奏者が鍵
30を押下すると鍵30は鍵の下限ストッパ14に当接
し停止し、質量体20は質量体の下限ストッパ15に衝
突する。演奏者の指が鍵30から離れるか押圧力をゆる
めるかすると、鍵30および質量体20は、復帰バネ1
6により押下開始以前の位置への復帰を開始し、その
後、鍵30は鍵の上限ストッパ17に当接し、質量体2
0は上限ストッパ18に当接し停止する。
【0010】この鍵30と質量体20の回動動作の際、
質量体10に固設されたスイッチ作用体40に設けられ
ている2つのスイッチ押圧突起41及び42が支持部材
10の下面に固着された2つのスイッチ(図示せず)を
時間差を持って押し下げる。この時間差は鍵30の押下
速度に対応することから、この2つのスイッチから発生
する時間差を持った信号を図示しない楽音制御装置に与
えることで、押鍵に応じた強弱のある楽音の発生が行な
われる。以上の説明のとおり、演奏者が演奏を行なうと
き鍵盤装置は上述のような動作および機能を行なうこと
から、このような鍵盤装置を用いる電子楽器は演奏者の
意図つまりキータッチに応じた楽音を発生することが可
能になる。なお、このような鍵盤装置は、細粒状錘並び
にその収納体構造及びその取付構造を除いて、その動作
がUSP4901614に詳細に示されているので、細
部の説明については省略する。
【0011】図2は、質量体20の細粒状錘収納体21
及びその近傍における第1のケース27の一部切除斜視
図である。質量体20の樹脂成形体24は、鍵盤に向か
って左側の第1ケース27(本体)と図示しない右側の
第2ケース(蓋体)とを嵌合することによって形成され
ている。質量体20は次のように製造される。まず、質
量体本体25に第1ケース27を樹脂にてアウトサート
成形する。このとき質量体本体25の一部が、第1ケー
ス27の内部にインサートされた状態となり、この部分
が樹脂成形体24の補強材26として及び錘補助体とし
て作用する。次に、別金型で作成された第2ケースとア
ウトサート成形された第1ケース27とを凹部を対向さ
せた状態から嵌合させる。以上により細粒錘収納体2
1、22、23を有する樹脂成形体24と質量体本体2
5とが一体化された質量体20が形成される。質量体2
0の細粒状錘は、予め第1ケース27の細粒状錘収納体
21、22、23を形成する部分に設置された後、第2
ケースと嵌合することにより、細粒状錘収納体21、2
2、23に収納される。また、鍵30の演奏者側の下面
の細粒錘の収納体31は、ブロー成形された成形体に図
示しない細粒状錘を入れる孔から細粒状錘を内部に収納
した後、該孔を鍵内面に接するようにして鍵30の演奏
者側の下面に取付けられる。上記細粒状錘には、砂、鉄
粒、鉛粒等が使用可能である。
【0012】図3は、本発明の効果を説明するための作
用図である。(a)は、鍵もしくは質量体静止時、ある
いは最弱打鍵(ppp;ピアニッシシモ)時の回動動作
中の細粒状錘収納体21、31内部の細粒状錘の分布図
である。この場合、細粒状錘は、重力によって収納体内
の下方に集まっている。(b)は、標準打鍵(mpまた
はmf)以上で打鍵した時、あるいはよりもっと正確に
は、押鍵時に指が鍵に衝突して鍵が回動動作中の鍵もし
くは質量体の該収納体内における細粒状錘の分布図であ
って、鍵もしくは質量体細粒部が重力加速度で動かされ
ている状態、または細粒部が重力加速度以上で動かされ
る時の動き初めの状態を示したものである。この場合、
細粒状錘は、散らされて収納体内に平均的に分布してい
る。(c)は、標準打鍵以上で、あるいはよりもっと正
確には、押鍵時に指が鍵に衝突して鍵が回動動作中の鍵
もしくは質量体の錘収納体内における細粒状錘の分布図
であって、鍵もしくは質量体細粒部が重力加速度以上で
動かされた時の所定時間経過後の状態、または打鍵強さ
に関係なく鍵及び/または質量体がそのストッパに衝突
した直後の該収納体内における細粒状錘の状態を示した
ものである。この場合、細粒状錘は、収納体内の上方に
集まっている。(d)は、鍵及び/または質量体がその
ストッパに衝突して、しばらくたった状態の該収納体内
における細粒状錘の分布図である。この場合、細粒状錘
は収納体内の下方に移動している。ここで注目したいの
は、(a)状態と(d)状態とはおおむね同状態を呈す
るも、その分布は全く同じにはならない点である。
【0013】本発明の鍵盤装置の押鍵操作における細粒
状錘の作用は、以下の説明のとおりである。 (1)鍵30押下開始時の動作 演奏者が指で鍵30を押鍵操作したとき、押鍵力が復帰
バネ16の反力を越した瞬間から鍵30と質量体20と
の慣性モーメントと角速度を要因とする動特性の領域に
はいる。ここで本発明の著しい特徴が発生する。すなわ
ち、標準打鍵(mf)以上で打鍵した時、よりもっと正
確には、自由落下以上即ち重力加速度以上で鍵及び/ま
たは質量体が指によって動かされたすると、細粒は収納
体内でフリーな状態であるため自由落下状態となり、鍵
30及び/または質量体20を動かすに足りるだけの力
で鍵及び/または質量体が動かされる。別な言い方を質
量体についてすれば、鍵30の回動に伴って質量体20
が回動を開始するとき、質量体20の収納室21、2
2、23内部の細粒状錘は、質量体20とフリーな関係
にあるため自由落下状態で質量体20の動きに追従す
る。・・・(b)参照
【0014】ここで、鍵30および質量体20における
質量を、 Km:鍵30の質量(細粒状錘の質量Kwを除いた質
量)、 Kw:鍵30の収納体31内部の細粒状錘の質量、 Hm:質量体20の質量(細粒状錘の質量Hwを除いた
質量)、 Hw:質量体20の収納体21、22、23内部の細粒
状錘の質量、 とすると、鍵30と質量体20とが回動を開始する瞬間
において、演奏者はKm+Hmを動かす力を鍵30に加
えればよいことになる。すなわち、演奏者の鍵30に加
える力がバネの反力に打ち勝った時点で、鍵30および
質量体20に設けれた細粒状錘の質量に関係なく小さな
力で鍵30の押下操作が可能になる(従来例である特公
昭63−56554号に開示されている鍵盤装置では、
鍵にダンパー効果を発揮し得る部材を介して錘部材が配
設されているので、本発明のようにKm+Hmのみを動
かす力ではなく、それ以上の力が必要になる)。別な表
現をすれば、本発明の鍵盤装置では、所定タッチ強さ以
上の押鍵時の慣性質量を小さくすることができるので、
タッチ感触の動特性がタッチ強さにより変化し、強打鍵
時には指に受ける反力が小さくなり、弱打鍵時にはその
反力が大きくなる。従って、強打鍵時でも指が痛くな
く、また、弱打鍵時ではタッチ感触が軽くなりすぎるこ
ともない。
【0015】(2)鍵30から質量体20へのエネルギ
ー伝達(鍵30の押下開始) 鍵30が質量体20に回動動作を与えるときHmに比例
したエネルギーが必要になるが、Hmが大きい場合、鍵
30に剛性がないと鍵30が撓んでしまうので鍵30を
強靭に作らないといけない。また、Hmが大きいと、質
量体20を回動開始させるエネルギーを蓄えるために鍵
盤30が一時停止することになる。本発明の鍵盤装置で
は、鍵30が質量体20に回動動作を与える際、質量体
の移動が重力加速度以上で動いた場合、質量体の質量が
Hm+HwではなくHmとなるので小さなエネルギーで
質量体20を回動開始させることができる。また、鍵3
0の剛性(たとえば断面係数)も低くてよいことから鍵
30を軽量化することができる。
【0016】(3)動作中の運動量 回動動作中の鍵30および質量体20の構成要素全体の
運動量は、Km+Kw+Hm+Hwに対応することか
ら、従来例と同等のひきごたえ感が得られる。特に弱打
鍵時においてその傾向が見られる。
【0017】(4)停止時の反力 鍵30および質量体20が各々のストッパ14、15に
衝突したときの指への反力は、図3のように細粒錘がそ
の衝突エネルギーを減衰するように作用することと、鍵
30が軽量化されたことから、従来例に比べ非常に小さ
くなる。また、鍵盤30および質量体20が復帰したと
きは、同様の原理で反力が小さくなることから、ほとん
どバウンドすることなく静止する。
【0018】以上のように鍵または質量体の各動作状態
に分けて作用を説明したが、ここでもう少し一般化して
本発明による鍵盤装置の演奏性が従来に比べて向上する
点を述べることにする。ある物体m(kg)が力F
(N)をt(秒)間受けると、その物体mの速度はv
(m/s)となる力積と運動量の変化を表わす物理法則
がある。これを式で表わすと Ft=mv ・・・ (1) となる。この式(1)を一般的な鍵盤装置における鍵を
押下した場合の指の動きと鍵の動きとにあてはめてみる
(質量体を考慮すると解析が複雑になるので鍵のみとす
る)。一般に衝突原理としては、tを一定としてFを増
すことが起こりにくい傾向にある。Fを増すと必ずtが
小になってしまう。しかしながら一般傾向として、力積
Ftが2倍になれば衝突された物体は常にm一定なので
2倍の速度になる。例えば2倍の速度になった物体に加
えられた力積の内訳はFが4倍、tが1/2で結果とし
て物体の速度が2倍になると言うようなことが起こる。
即ち物体(鍵)の速度は物体に加えられた力のわりには
大きくなり得ない。鍵の場合動く範囲が約10mmであ
り、速度を大にすると、所要時間は少なくなる。このよ
うな理由から力(横軸)と速度(縦軸)との関係は右肩
上がりでかつその上昇が鈍る傾向にある。質量体を追加
したUSP4901614のような鍵盤であっても概ね
上記と同様である。
【0019】以上のように従来の鍵盤装置では強打鍵時
にvが小となる傾向があるので、強打鍵したという感覚
を自覚するも、接点時間差スイッチによる速度センサか
らの押鍵スピードは、現実には強打鍵としては検出しに
くいという結果につながる。同様に弱打鍵についても、
弱打の感覚のわりに弱打になりにくいという結果にな
る。ところが、本発明の鍵盤装置によれば上記の式を用
いるならば、仮想的にmを強打鍵と弱打鍵とで変化(強
打鍵のm<弱打鍵のm)させることができ、強打鍵時に
mを小にできることからvをできるだけ大(指のスピー
ドをできるだけ失速させまいとするよう)にできるので
強打鍵時でも失速感がなくセンサからの強打出力が得ら
れるとともに、強打鍵を持続しても指が痛くならない。
同様に逆に考えて弱打鍵時はmを大にできることからv
をできるだけ小にできるのでセンサからの弱打出力が得
られやすくなる。なお、鍵中央に回動支点を設け、鍵後
端下面に突設した駆動体に連結してその中間部を回動支
点とし、先端に質量中心を設けた質量体付き鍵盤装置の
鍵もしくは質量体に細粒錘付き閉空間を設けても前記と
同様の作用効果を奏するので、このようなものもこの発
明に含まれる。またこの発明は、電子楽器の鍵盤装置に
限らず、アコースチックピアノをターゲットにしたピア
ノタッチの練習用鍵盤装置に適用してもよい。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の鍵盤装置に
おいては、強打鍵、弱打鍵ともに非常に操作性、演奏性
のよい鍵盤装置が提供できる。すなわち、強打鍵では、
従来よりも、より強打出力が得られ、弱打鍵では、より
弱打出力が得られる。換言すれば、タッチ感触(特に動
的タッチ感触)の分解能が向上することで、タッチのダ
イナミックレンジが広がり、コントロール性能が向上
し、鍵30から質量体20へのエネルギー伝達が円滑と
なることから、円滑な鍵タッチが得られる。また、強打
鍵時の反力が小さくなることから指を痛めることがない
という効果がある。さらに、ダンパー効果を発揮し得る
緩衝部材が不要化、もしくは簡略化でき、また、鍵の剛
性を大きく高めなくてもよいので、鍵盤装置のコストを
下げることができる。また、細粒状錘として砂等を用い
れば、安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電子楽器の鍵盤装置の
断面図である。
【図2】質量体20の細粒状錘収納体21近傍における
第1のケース27の斜視図である。
【図3】本発明の効果を説明するための作用図である。
【符号の説明】
10 ・・・・・ 支持部材、 12 ・・・・・ 質量体の支点部材、 13 ・・・・・鍵の支点部材、 20 ・・・・・ 質量体(ハンマー)、 21、22、23 ・・・・・ 質量体の細粒錘収納体、 30 ・・・・・ 鍵、 31 ・・・・・ 鍵の細粒錘収納体、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持部材と、前記支持部材に対し移動自在
    に配設された鍵と、前記支持部材に対し移動自在に配設
    され前記鍵の操作に連動する質量体とを有する鍵盤装置
    において、 前記質量体に閉空間を有する収納部を設
    け、前記収納部に細粒状の多数の錘部材が鍵操作に対し
    前記閉空間内に移動可能に収納されてなり、前記閉空間
    は、前記錘部材が前記閉空間を占有する以外に空き空間
    を有していることを特徴とする鍵盤装置。
  2. 【請求項2】支持部材と、前記支持部材に対し移動自在
    に配設された鍵と、前記支持部材に対し移動自在に配設
    され前記鍵の操作に連動する質量体とを有する鍵盤装置
    において、前記鍵および前記質量体に各々閉空間を有す
    る収納部を設け、前記収納部に細粒状の多数の錘部材
    が、鍵操作に対し前記閉空間内に移動可能に収納されて
    なり、前記各々の閉空間は、前記錘部材が前記閉空間を
    占有する以外に空き空間を有していることを特徴とする
    鍵盤装置。
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Cited By (15)

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