JPH08160007A - 欠陥の非破壊検査方法 - Google Patents

欠陥の非破壊検査方法

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JPH08160007A
JPH08160007A JP30058694A JP30058694A JPH08160007A JP H08160007 A JPH08160007 A JP H08160007A JP 30058694 A JP30058694 A JP 30058694A JP 30058694 A JP30058694 A JP 30058694A JP H08160007 A JPH08160007 A JP H08160007A
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magnetic tape
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Nobuhiko Nishimura
宣彦 西村
Fujimitsu Masuyama
不二光 増山
Toshiyuki Imazato
敏幸 今里
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェライト系鉄鋼材料の非破壊検査方法に関
する。 【構成】 供試材の調査対象箇所の表面に樹脂層を介し
て磁気テープを貼り付け、該調査対象箇所の磁気テープ
を含む領域を一定磁化条件で磁化させ、調査対象箇所中
の欠陥からの漏洩磁束によって磁気テープを磁化させた
のち、磁気テープに記録された磁化パターンを観察する
ことにより供試材中の欠陥を検出、評価することを特徴
とするフェライト系鉄鋼材料の非破壊検査方法。 【効果】 機械部品の表面に生成する微小なき裂の長さ
を、レプリカ法よりも高い精度で、供試材の表面を研磨
することなく簡単な前処理のみで検出、評価することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト系鉄鋼材料
の非破壊検査方法に関し、さらに詳しくは各種機械部品
などに使用されるフェライト系鉄鋼材料に発生するき裂
状の欠陥を定量的に評価することのできる、機械部品の
非破壊検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト系鉄鋼材料よりなる各種機械
部品は、長時間の使用、繰り返し荷重の負荷等により疲
労損傷が生じる。例えば、火力発電プラントにおいて
は、近年の原子力発電プラントの伸長によって、基底負
荷運用から中間負荷運用化されており、起動停止及び負
荷変化が頻繁に行われるようになって、その際に生じる
温度変動による熱応力の繰り返しによって、疲労損傷の
蓄積が問題となっている。このような疲労損傷において
は、表面にき裂が生じて、これが進展してついには破断
に至るので、設備の保全管理においてはき裂を如何に早
期に検出するかが問題となる。従来からフェライト系鉄
鋼材料よりなる各種機械部品などに発生するき裂状の欠
陥の非破壊検査方法としては、磁粉探傷法、染色浸透探
傷法、超音波探傷法等が用いられている。また、これら
の部品の表面の微小き裂の長さを計測する方法として
は、レプリカ法が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁粉探傷法、染色浸透
探傷法、超音波探傷法等の非破壊検査方法は簡便な方法
であるが、このうち磁粉探傷法及び染色浸透探傷法につ
いては検出感度は高いが、そのままでは微小なき裂長さ
の計測は困難であり、また、超音波探傷法では、定量的
にき裂の検出が可能であるが、1mm以下のき裂に関し
ては検出感度が低かった。また、レプリカ法は微小なき
裂の長さを精度よく検出できるが、検出するためには供
試材の表面を鏡面になるまで研磨する必要があることか
ら、工程に長時間を要するとともに、例えば長時間の運
転により酸化や腐食を受け表面の凹凸が激しくなるなど
該供試材の表面状態が悪い場合は鏡面研磨するまでに供
試材表面を研磨、除去することから微小なき裂を除去し
てしまう可能性があった。
【0004】本発明は、前記従来技術における問題点を
解消し、前記の非破壊検査方法と同等程度の簡便さで、
供試材表面を前処理することなく、レプリカ法と同様の
精度で機械部品表面に発生するき裂を検出し、その長さ
を定量的に評価できる方法、例えば火力発電プラントの
ような大型機械部品の疲労損傷等の結果生じる初期の微
小なき裂を簡便に検出、評価するための方法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は(1)供試材の
調査対象箇所の表面に樹脂層を介して磁気テープを貼り
付け、該調査対象箇所の磁気テープを含む領域を一定磁
化条件で磁化させ、調査対象箇所中の欠陥からの漏洩磁
束によって磁気テープを磁化させたのち、磁気テープに
記録された磁化パターンを観察することにより供試材中
の欠陥を検出、評価することを特徴とするフェライト系
鉄鋼材料の非破壊検査方法、(2)磁気テープを貼り付
ける手段が、両面を溶剤可溶性の樹脂で被覆したテープ
を使用し、該テープを溶剤に浸漬して表面の樹脂を軟化
させて供試材の表面に密着させた後、乾燥硬化させる方
法であることを特徴とする前記(1)のフェライト系鉄
鋼材料の非破壊検査方法、及び(3)磁気テープに記録
された磁気パターンを観測する手段が、該テープ上に強
磁性の微粒子を含有させたコロイド液を滴下し、該テー
プ上の磁化された部分に集積した微粒子を光学顕微鏡で
観察する方法であることを特徴とする前記(1)又は
(2)のフェライト系鉄鋼材料の非破壊検査方法であ
る。
【0006】本発明は、前記従来技術の非破壊検査方法
の中で表面き裂の検出感度が最も高い磁気探傷法に着目
してなされたものである。磁気探傷法のうち最も一般的
に用いられている磁粉探傷法では、通常磁粉に蛍光塗料
を含ませておき、き裂部からの漏洩磁束に集積した磁粉
から発する蛍光を目視で検出してき裂の有無を評価す
る。これに対して、本発明では、き裂部からの漏洩磁束
を調査対象材料(供試材)の表面に樹脂層を介して接着
させた磁気テープに記録し、記録された磁気パターンを
観察するようにしている。
【0007】き裂部からの漏洩磁束の強度は、材料表面
からの距離によって大きく異なることから、これを一定
にするため材料表面に一定の厚みの樹脂層を介して磁気
テープを接着させる。このためには、磁気テープの被調
査材料への接着面を、揮発性の有機溶剤などの溶剤に浸
漬することによって容易に軟化し、溶剤の揮散により再
硬化する樹脂の薄いフィルムで被覆しておくのが好都合
である。このとき、磁気テープの両面に樹脂フィルムの
被覆層を形成させておけば、磁気テープの表面の保護、
取扱性の改善に有効である。このような樹脂で被覆した
磁気テープは有機溶剤などの溶剤によって容易に表面の
樹脂層を軟化させることができ、この状態でこれを表面
を清浄にした供試材の調査対象箇所に貼り付けることに
よって該磁気テープを一定厚みの樹脂層を介して調査対
象箇所に密着させることができる。
【0008】磁気テープ表面に樹脂フィルムの被覆層を
形成させる方法としては磁気テープの表面に溶剤で軟化
させた樹脂ルムを貼り付ける方法、樹脂を溶剤に溶解さ
せた溶液又はスラリを磁気テープ表面に塗布または噴霧
して乾燥させる方法、磁気テープと樹脂フィルムを加圧
成形して接着させる方法などがある。また、磁気テープ
を樹脂層を介して供試材の表面に貼り付ける方法として
は前記の表面に樹脂層を形成させた磁気テープを使用
し、その磁気テープを溶剤に浸漬して表面の樹脂を軟化
させて供試材の表面に接着させる方法が簡単でしかも供
試材の検査対象部位の形状や状況の影響が少なく好適で
ある。その外に、供試材の表面に溶剤で軟化させた樹脂
フィルムを貼り付けるか、樹脂の溶液又はスラリを塗布
又は噴霧したのち乾燥させることによって樹脂層を形成
させておき、その表面を溶剤で軟化させて磁気テープを
貼り付ける方法、前記樹脂層上に磁性粉末(マグネタイ
ト超微粒子など)を溶剤に溶解、分散させたコロイド液
を噴霧または塗布したのち乾燥させて磁気テープを形成
させる方法、前記樹脂層上に予め樹脂と溶剤と磁性粉末
とを混合して薄膜化したテープを溶剤で軟化させて付着
させる方法などを採ることができる。
【0009】このようにして磁気テープを密着させた状
態で電磁石などの磁化装置を用いて供試材の対象部に磁
場を与えると、欠陥からの漏洩磁束によって該磁気テー
プが磁化される。なお、磁気テープ内には通常磁性体が
ランダムに方向性を持たず分布しているため、樹脂層を
介さずそのまま供試材表面に磁気テープを載せて磁化さ
せると磁気テープ内の磁性体は欠陥部分に関係なく全体
的に陽極、陰極に沿って整列し評価できなくなる。これ
に対し間に絶縁層を置くことで欠陥上に漏洩磁束が生
じ、欠陥上だけ磁気テープ内の磁性体が方向性を示すよ
うになる。
【0010】次いで磁化された磁気テープを対象部から
剥離させたあと、磁気テープに記録された磁化パターン
を観察し、計測することによって供試材中の欠陥を検出
し、定量的に評価することができる。磁気テープ上の磁
化パターンの観察方法としては特に制限はなく、観察の
みの場合、記録を残す必要のある場合など測定条件に応
じて任意の手段を採ることができるが、好適な方法の一
例としてマグネタイトなどの強磁性の微粒子を使用する
方法がある。すなわち、強磁性の微粒子を分散させたコ
ロイド液(磁性流体)を磁化パターンの形成された磁気
テープ上に滴下すると、微粒子は磁気テープ上の磁化さ
れた領域に集積する。この磁気テープ上の磁化された領
域に集積した強磁性体の微粒子を光学顕微鏡で観察し、
計測することによって、欠陥を検出、評価することがで
きる。
【0011】本発明において、磁気テープとしては、表
面に微細な磁性粉体を分散、付着させた薄膜状のもので
あって、樹脂の軟化に使用する溶剤で変質しないもので
あれば制限なく使用できるが、入手が容易で取扱いやす
い通常のビデオテープあるいは録音用テープなどが好適
である。また、磁気テープと供試材との間に介在させる
樹脂としては、一定の厚みの層を形成できるものであれ
ば特に制限はないが、磁気テープを変質させず、かつ適
度な揮発性を有する溶剤で軟化、溶解し、溶剤の揮散に
より再硬化する樹脂が、接着材を使用することなく磁気
テープと供試材の両方に接着できるので好都合である。
このような樹脂と溶剤の組み合わせの好ましい例とし
て、アセチルセルロースと酢酸メチルとの組み合わせが
挙げられる。欠陥からの漏洩磁束は、欠陥表面からの距
離の関数であって、この距離すなわち樹脂層の厚さが厚
いと磁束密度も小さくなるので、通常は厚さ10〜10
0μm程度の一定厚みの樹脂層を形成させる。
【0012】
【作用】本発明の構成による作用、効果は以下のとおり
である。 1)ベース技術として磁気探傷法を採用したことによ
り、レプリカ法のように表面を平滑にして酸化皮膜を除
去する必要がないことから調査箇所の前処理が極めて容
易であるとともに、平滑化処理により微小な表面欠陥を
削除してしまう恐れがない。 2)従来の磁粉探傷法では蛍光磁粉を目視で検出してい
たため微小な欠陥を検出できず、また、検出された欠陥
の寸法を定量的に計測することが極めて困難であったの
に対し、き裂部からの漏洩磁束を磁気テープに記録する
ようにし、該磁気テープ上の磁化された領域を顕微鏡で
観察するようにしたことから、欠陥の寸法を光学顕微鏡
で直接計測することができるほか、計測結果を写真など
によって記録することができるようになる。 3)磁気テープを揮発性の溶剤によって容易に軟化し、
溶剤除去後再硬化する樹脂の薄いフィルムで被覆してお
き、その樹脂層を介して供試材に接着させることによっ
て、磁化する際に磁気テープのずれ等が生じず、また、
磁気テープが対象部に一定間隔を隔てて密着することか
ら、漏洩磁束の検出精度及び再現性が高い。
【0013】4)従来の磁粉探傷法では表面の凹部に沈
降した磁粉による、供試材の欠陥には対応しない磁粉の
集積(疑似模様)が欠陥検出精度を低下させるが、本発
明の方法では欠陥部から生じる漏洩磁束のみを磁気テー
プに転写することから、磁粉探傷法で問題となる疑似模
様が生じない。 5)欠陥の判定は漏洩磁束を転写した磁気テープを顕微
鏡に装着して行うことから、任意の場所で行うことがで
き、大型機器の現場などの狭隘な環境において欠陥判定
を行う必要がなく、検査装置のロボット化が容易であ
る。 6)従来の磁粉探傷法は欠陥検査が目視によっているた
め、正確な検査データの記録が困難であるが、本発明の
方法では磁気テープ上の磁化された領域に集積した強磁
性体の微粒子を光学顕微鏡で観察することによって、欠
陥を観察、計測することから、顕微鏡組織の写真撮影に
よって検査結果を正確に記録することができる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明の方法をさらに具体
的に説明する。先ず、図1の作製方法の概要を示す模式
図に準じて、表面にアセチルセルロースフィルムを被覆
した磁気テープを作製した。すなわち、市販のビデオテ
ープ1を約20mmの長さに切断した。これを酢酸メチ
ルで軟化させた膜厚約80μmのアセチルセルロースフ
ィルム2上に貼り付けた。さらにこのアセチルセルロー
スフィルムが乾燥してビデオテープがアセチルセルロー
スフィルムに接着されたことを確認した後、もう1枚の
アセチルセルロースフィルム3を酢酸メチルで軟化させ
て前記の一方の面にアセチルセルロースフィルムを接着
させたビデオテープ4の他方の面上に貼り付けた。この
ようにすることにより、両面をアセチルセルロースフィ
ルムで被覆したビデオテープ5を作製した。
【0015】この両面アセチルセルロースフィルム被覆
ビデオテープ(以下この実施例において磁気テープとは
この両面被覆ビデオテープを意味する)を使用し、機械
部品として多用されている炭素鋼を供試材として、欠陥
の検出、評価試験を行った。この供試材から図2に示す
形状の疲労試験片6を作製し(図2中の数値は試験片の
寸法を表し、単位はmmである)、供試材の表面状態を
実際に使用された機械部品と同様にするために、大気中
で500℃で100時間の加熱処理を施し酸化被膜を形
成させた。その後、機械部品の使用状態を模擬するため
に室温で、総歪み範囲0.8%の保持なし引張圧縮疲労
試験を行い、表面に疲労損傷による表面き裂を導入し
た。所定の繰り返し数で試験を中断した試験片につい
て、表面をワイヤブラシで清浄にし、前記磁気テープを
酢酸メチルに約10秒間浸漬することによって表面の樹
脂層を軟化させて対象部に貼り付けた。軟化した樹脂層
が乾燥、固化することによって試験片に密着したことを
確認した後、その試験片の磁気テープが貼り付けられた
領域を含む領域を電磁石を用いて一定時間(この例では
120秒)磁化させた。その後、貼り付けた磁気テープ
を対象部からはがして、セルロイド製の台板に固定させ
た。台板に固定された磁気テープ上に平均粒径50nm
のマグネタイト微粉末10mgを水100ミリリットル
に分散させた分散液に分散剤(市販の界面活性剤)2ミ
リリットルを添加した磁性コロイド流体を滴下させ、こ
れにカバーグラスをのせて光学顕微鏡で観察した。
【0016】観察結果の概略図を図3に示す。試験片に
生成したき裂に対応して、磁性流体の集積した線状の領
域7が観察された。そこで、この領域の顕微鏡写真を撮
影し、写真上で最大の線状領域の長さを計測した。一
方、試験片表面の酸化被膜をグラインダ、研磨紙、ダイ
ヤモンドペーストを用いてレプリカが採取できるように
鏡面研磨した後、5%硝酸エタノール溶液でエッチング
して、レプリカを採取し、これを光学顕微鏡で観察して
同様の方法で最大き裂長さを計測した。さらに、これら
の試験で使用したのと同じ試験片を酸化処理(大気中、
500℃で100時間の加熱処理)を行うことなく、表
面を鏡面研磨した後、同様の条件で疲労試験を行い、同
様の条件で疲労試験を中断した試験片からレプリカを採
取し、該レプリカを顕微鏡に装着して転写されたき裂の
長さを計測した。
【0017】図4に各供試材について、前記3種類の手
法による最大き裂長さ計測結果に基づく、各供試材の最
大き裂長さと寿命消費率との関係を示す。繰り返し荷重
を受ける機械部品には疲労損傷と呼ばれる繰り返し荷重
による損傷が進展していく。この損傷が、機械部品とし
て機能しなくなるまで進展した状態又はき裂長さが各々
の機械部品によって決まる使用限界の長さまで成長した
状態を寿命消費率100%とし、使用中の機械部品が使
用開始後検査時までに受けた荷重の繰り返し数(中断繰
り返し数)の寿命消費率100%に達する繰り返し数
(破断繰り返し数)に対する割合を寿命消費率(中断寿
命率)と定義する。
【0018】図4から、酸化被膜付着まま試験片の本発
明方法によって計測した表面き裂長さは、酸化処理を行
うことなく疲労試験を行った試験片についてレプリカに
よる方法で測定したものと同等のき裂長さとなってお
り、本発明方法によってレプリカ法と同様の精度で、し
かもレプリカ採取の場合に必要な鏡面研磨、酸化被膜除
去等の前処理を行うことなく、き裂長さを計測できるこ
とが明らかになった。一方、酸化被膜が付着した試験片
の酸化被膜を除去した後に採取したレプリカからの最大
き裂長さは長さ6mm以上は上記二つの方法で計測した
き裂長さとほぼ同様の長さとなったが、これよりも小さ
いき裂の長さは他よりも短く、また上記二つの方法で検
出された0.3mm以下のき裂は検出できなかった。以
上の結果から、酸化や腐食が生じて表面粗度が粗い実機
部品においては、従来微小な表面き裂の長さを非破壊的
に検出する唯一の方法であったレプリカ法よりも本発明
で開発した方法はより短いき裂長さのき裂を精度よく検
出できることが明らかとなった。
【0019】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明方法によ
ればレプリカ法よりも高い精度で、機械部品の表面に生
成する微小なき裂の長さを、レプリカ法のように供試材
の表面を研磨することなく検出できることから、機械部
品の非破壊検査法の精度向上ならびに効率化に寄与する
ことができる。疲労損傷は、部品の表面に微小なき裂が
発生し、これが成長して破壊に至るものである。したが
って、荷重の繰り返し数とき裂の大きさ(表面き裂の大
きさ)とには図4に示すような相関性がある。本発明の
方法により使用中の機械部品の疲労による微小なき裂の
表面長さを測定することが可能となり、その大きさから
使用中の機械部品の寿命消費率、すなわち測定時まで
に、破壊あるいは初期に設定したき裂長さの限界値に達
するまでの寿命のどの程度を消費したかを推定すること
ができる。例えば、火力発電プラントにおいては、疲労
き裂の進展によって耐圧部の上記漏れが発生するとプラ
ントを計画外に停止して、漏洩部分を検出するとともに
その補修を行わなければならず、予定外のプラントの停
止によって、計画発電量に見合う他の発電設備の起動を
余儀なくされるほか、設備に余裕がない場合には、大規
模な停電に至る可能性があり、本発明によって非破壊検
査技術の精度が上がることによってこのような事態を避
けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において作製したアセチルセル
ロースフィルムで被覆した磁気テープの製作方法の概略
を示す模式図。
【図2】実施例で使用した炭素鋼製の疲労試験片の寸
法、形状を示す概略図。
【図3】実施例において、疲労試験片中断材から本発明
方法によって処理した磁気テープの光学顕微鏡観察の概
略図。
【図4】実施例で作製した試料について計測した最大き
裂長さと中断寿命比(寿命消費率)との関係を示すグラ
フ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供試材の調査対象箇所の表面に樹脂層を
    介して磁気テープを貼り付け、該調査対象箇所の磁気テ
    ープを含む領域を一定磁化条件で磁化させ、調査対象箇
    所中の欠陥からの漏洩磁束によって磁気テープを磁化さ
    せたのち、磁気テープに記録された磁化パターンを観察
    することにより供試材中の欠陥を検出、評価することを
    特徴とするフェライト系鉄鋼材料の非破壊検査方法。
  2. 【請求項2】 磁気テープを貼り付ける手段が、両面を
    溶剤可溶性の樹脂で被覆したテープを使用し、該テープ
    を溶剤に浸漬して表面の樹脂を軟化させて供試材の表面
    に密着させた後、乾燥硬化させる方法であることを特徴
    とする請求項1に記載のフェライト系鉄鋼材料の非破壊
    検査方法。
  3. 【請求項3】 磁気テープに記録された磁気パターンを
    観察する手段が、該テープ上に強磁性の微粒子を含有さ
    せたコロイド液を滴下し、該テープ上の磁化された部分
    に集積した微粒子を光学顕微鏡で観察する方法であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト系鉄
    鋼材料の非破壊検査方法。
JP30058694A 1994-12-05 1994-12-05 欠陥の非破壊検査方法 Withdrawn JPH08160007A (ja)

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Cited By (3)

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